JP7032263B2 - 細胞刺激装置、細胞培養装置及び細胞刺激方法 - Google Patents

細胞刺激装置、細胞培養装置及び細胞刺激方法 Download PDF

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Description

本発明は、細胞刺激装置、細胞培養装置及び細胞刺激方法に関する。
電気刺激に対して反応のある培養細胞に電気刺激を与える細胞培養方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この細胞培養方法では、電気刺激により細胞の代謝が促進され、細胞の増殖速度を速めることができる。
一方、下部電極と表面電極との間に電圧を印加することにより中間層に電子を流し、電子を放出させる電子放出素子が知られている(例えば、特許文献2参照)。また、電子放出素子により放出させた電子により酸素の陰イオンを発生させ、この陰イオンを気体の流れにのせて生体に向けて噴出する陰イオン生成装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開昭60-110287号公報 特開2016-136485号公報 特開2006-325493号公報
培養細胞に電気刺激を与える従来の細胞培養方法では、培地内に少なくとも2枚の電極を設置し、この2枚の電極の間に電圧を印加する。このため、電極と培養液との界面において電気化学反応が生じ、水の電気分解や培養液成分の分解・析出などを生じる場合がある。また、電極間距離の短い部分に局所的に電流が流れやすく、電気刺激を与えたい培養細胞に一様に電気刺激を与えることが難しい。
また、従来の陰イオン生成装置では、陰イオンを気体と共に噴出させるため、電気刺激を与えたい細胞に一様に電荷を供給することが難しい。また、陰イオン生成装置から噴出させた気体により培地の水分が蒸発しやすく、培地が乾燥するという問題がある。また、細胞を培養する雰囲気ガスのガス種条件を維持することが難しい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電気刺激を与えたい細胞に一様に電気刺激を与えることができ、培地成分の分解・析出を抑制することができる細胞刺激装置を提供する。
本発明は、培地で培養する細胞に刺激を与えるための細胞刺激装置であって、前記細胞刺激装置は、前記培地に気相を介して電荷を供給する電子放出素子と、前記培地から電荷を回収する電荷回収電極とを備え、前記電子放出素子は、下部電極と、表面電極と、前記下部電極と前記表面電極との間に配置された中間層とを備え、前記電荷回収電極は、前記培地に接触することができるように設けられたことを特徴とする細胞刺激装置を提供する。
本発明の細胞刺激装置に含まれる電子放出素子は、下部電極と、表面電極と、下部電極と表面電極との間に配置された中間層とを備えるため、下部電極と表面電極との間に電圧を印加することにより中間層を流れた電子を表面電極側から放出させることができる。この放出させた電子により、電子放出素子と培地との間の気相に酸素の陰イオンなどの電荷を発生させることができる。
本発明の細胞刺激装置に含まれる電荷回収電極は、細胞を培養する培地に接触することができるように設けられるため、培地から電荷回収電極へ電子が流れることができる。このため、電荷回収電極と培地との電位差を小さくすることができる。また、電子放出素子又は電荷回収電極に電圧を印加することにより、電子放出素子の表面電極と培地の表面との間の気相に電界を生じさせることができる。この電界の中の電気力線(電界強度の勾配)に沿って、発生させた陰イオンを培地の表面に搬送することができ、培地に陰イオンを供給することができる。この陰イオンにより培地で培養する細胞に電気刺激を与えることができる。また、この陰イオンは、電荷回収電極へと流れるため、培地が帯電することを抑制することができる。また、本発明の細胞刺激装置では、気相に生じさせた電界を利用して陰イオンを培地に供給するため、窒素ガスやアルゴンガスのガスフロー機構を必要としない。このため、細胞の電気刺激時に、培地の乾燥や細胞浮遊を引き起こす心配がない上、培養雰囲気のガス組成に影響を与える事がない。
本発明の細胞刺激装置に含まれる電子放出素子は、表面電極から電子を面放出させることができるため、培地の表面と表面電極との間の気相に一様に陰イオンを発生させることができる。このため、表面電極の下部に位置する培地にも一様に陰イオンを供給することができ、表面電極の下部に位置する細胞に一様に電気刺激を与えることができる。
本発明の細胞刺激装置では、電子放出素子により発生させた電荷を気相を介して培地に供給するため、培地に接触する電極は電荷回収電極だけである。このため、培地に含まれる水が電気分解することを抑制することができる。また、電荷回収電極は正極性となるため、培地中のミネラル成分(K+, Ca2+, Na+, Mg2+等)が電荷回収電極上に析出することを抑制することができ、培地の成分組成が変化することを抑制することができる。
本発明の一実施形態の細胞培養装置の概略断面図である。 本発明の一実施形態の細胞培養装置の概略回路図である。 本発明の一実施形態の細胞刺激装置の概略斜視図である。 本発明の一実施形態の細胞刺激装置の概略分解図である。 本発明の一実施形態の細胞刺激装置に含まれる電子放出素子の概略上面図である。 本発明の一実施形態の細胞培養装置の概略断面図である。 本発明の一実施形態の細胞培養装置の概略断面図である。
本発明の細胞刺激装置は、培地で培養する細胞に刺激を与えるための細胞刺激装置であって、前記細胞刺激装置は、前記培地に気相を介して電荷を供給する電子放出素子と、前記培地から電荷を回収する電荷回収電極とを備え、前記電子放出素子は、下部電極と、表面電極と、前記下部電極と前記表面電極との間に配置された中間層とを備え、前記電荷回収電極は、前記培地に接触することができるように設けられたことを特徴とする。
電子放出素子に含まれる下部電極及び表面電極は、それぞれ複数の細長い電極を含み、下部電極及び表面電極のうち一方が行となり他方が列となる格子状に配置されることが好ましい。このような構成とすると、下部電極と表面電極の任意の交点から電子を放出することが可能になり、培地の所望の箇所に存在する細胞にだけ電気刺激を与えることが可能である。また、電気刺激量に所望の分布を持たせて培地中の細胞を電気刺激することが可能になる。
本発明の細胞刺激装置は電源装置を備えることが好ましい。電源装置は、下部電極と表面電極との間に電圧を印加することができるように設けられることが好ましい。このことにより、中間層に電界を生じさせることができ、この電界により、中間層に電子を流すことができ、表面電極から電子を放出することができる。また、この電子により気相に陰イオンを発生させることができる。また、電源装置は、電子放出素子と電荷回収電極との間に電位差を生じさせることができるように設けられることが好ましい。このことにより、表面電極と培地の表面との間に電界を生じさせることができ、この電界により陰イオンを培地に搬送することができる。
前記電源装置は、電子放出素子から培地へ電荷を供給することにより気相に生じる電流と、電荷回収電極が培地から電荷を回収することにより培地に生じる電流とがループ電流となるように電子放出素子及び電荷回収電極と電気的に接続することが好ましい。このことにより、電荷を効率よく培地に供給することができ、適切に細胞を刺激することができる。
本発明の細胞刺激装置は、絶縁性部材と絶縁性部材に固定された針状端子とを備えることが好ましい。また、電子放出素子は絶縁性部材に固定されることが好ましい。さらに、針状端子は、その先端部で下部電極と接触することが好ましい。このような構成により、針状端子を介して下部電極に電圧を印加することができる。また、針状端子と下部電極との接点不良が生じることを抑制することができる。
本発明の細胞刺激装置に含まれる電荷回収電極は、絶縁性部材に固定されることが好ましい。このような構成により、絶縁性部材を培地上に配置した際に電荷回収電極と培地とを接触させることができる。
本発明は、本発明の細胞刺激装置と、培地を収容するための培養容器とを備えた細胞培養装置も提供する。細胞刺激装置は絶縁性部材を備える。前記電子放出素子は前記絶縁性部材に固定される。絶縁性部材は表面電極が培地の表面と気相を挟んで対向するように培養容器上に配置される。
前記絶縁性部材は、表面電極と培地の表面との間の距離が0.5mm以上3mm以下となるように設けられることが好ましい。このことにより、気相に発生させた陰イオンを培地に容易に供給することができる。
前記電荷回収電極は培養容器に固定されることが好ましい。このことにより、電荷回収電極と電子放出素子との間にリーク電流が流れることを抑制することができる。
本発明は、下部電極と、表面電極と、下部電極と表面電極との間に配置された中間層とを備えた電子放出素子の下部電極と表面電極との間に電圧を印加することにより、気相を介して細胞を培養する培地に電荷を供給するステップを含む細胞刺激方法も提供する。前記電荷を供給するステップは、電子放出素子と培地との間の電界を利用して電荷を供給するステップである。
以下、複数の実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
第1実施形態
図1は本実施形態の細胞刺激装置30を含む細胞培養装置35の概略断面図であり、図2は、細胞培養装置35の概略回路図である。
本実施形態の細胞刺激装置30は、培地2で培養する細胞3に刺激を与えるための細胞刺激装置30であって、細胞刺激装置30は、培地2に気相21を介して電荷を供給する電子放出素子4と、培地2から電荷を回収する電荷回収電極9とを備え、電子放出素子4は、下部電極6と、表面電極8と、下部電極6と表面電極8との間に配置された中間層7とを備え、電荷回収電極9は、培地2に接触することができるように設けられたことを特徴とする。
本実施形態の細胞培養装置35は、本実施形態の細胞刺激装置30と、培地2を収容するための培養容器20とを備える。
本実施形態の細胞刺激方法は、下部電極6と、表面電極8と、下部電極6と表面電極8との間に配置された中間層7とを備えた電子放出素子4の下部電極6と表面電極8との間に電圧を印加することにより、気相21を介して細胞3を培養する培地2に電荷を供給するステップを含み、電荷を供給するステップは、電子放出素子4と培地2との間の電界を利用して電荷を供給するステップである。
本明細書において、電荷には、電子、気相中のイオン、液中のイオンが含まれる。
以下、本実施形態の細胞刺激装置30、細胞培養装置35及び細胞刺激方法について説明する。
細胞刺激装置30は、細胞の増殖や分化誘導等を目的として培地2で培養する細胞3に電気刺激を与えるための装置である。
培地2で培養する細胞3は、例えば、多細胞生物の細胞・組織、遺伝子を導入した細胞、遺伝子を組み換えた細胞、微生物などである。細胞3は、電気刺激に反応のある細胞とすることができる。電気刺激に反応のある細胞としては、筋細胞、神経細胞、骨芽細胞、破骨細胞、軟骨細胞、骨細胞、繊維芽細胞等が挙げられる。
また、培地2で培養する細胞3には、事前に予備培養した細胞を用いることができる。また、予備培養した細胞は、培地2に103~106cells/cm2で細胞3が含まれるように培地2に播種することができる。
培地2は、細胞3に生育環境を提供するものである。培地2は、通常用いられている細胞培養用培地であれば特に制限なく用いる事ができる。培地2は、液体培地であってもよく、寒天などのゲル化剤で液体培地を固めた固体培地であってもよい。また、培地2は、液体培地と固体培地とを組み合わせたものであってもよい。培地2は、例えばMEM培地(イーグル最小必須培地)、D-MEM培地(ダルベッコ改変イーグル培地)、α-MEM培地(イーグル最小必須培地 α改変型)、GMEM(グラスゴー最小必須培地)、Ham‘s F-12(栄養混合物 F-12ハム)、IMDM(イスコフ改変ダルベッコ培地)、RPMI-1640培地、D-PBS(ダルベッコ リン酸緩衝生理食塩水)、HBSS(ハンクス平衡塩類溶液)等である。
培地2は、培養容器20に収容される。培養容器20は、例えば、複数のウェル12を備えたマルチウェルプレート、培養ディッシュなどである。また、培養容器20と細胞刺激装置30とを組み合わせることにより、細胞培養装置35を形成することができる。培養容器20の材質は、既存の材料であるガラス、プラスチック等が利用できる。培養容器20は、容器底面に細胞3の定着に適した表面処理を付与したものが好ましい。表面処理は一般的に知られている、マトリックスタンパク質、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン等を容器底面に施す処理とすることができる。
細胞培養装置35は、インキュベーター18中に配置することができる。このことにより、培地2の温度、雰囲気ガスなどを制御することができ、細胞3を安定して培養することができる。培養雰囲気は、例えば、温度:37℃、相対湿度:95%、雰囲気ガス:5%炭酸ガスを含む空気である。
細胞刺激装置30は、培地2に気相21を介して電荷を供給する電子放出素子4を備える。電子放出素子4は、平面形状を有し、電子を放出することが可能な素子である。電子放出素子4は、下部電極6と、表面電極8と、下部電極6と表面電極8との間に配置された中間層7とを備える。また、電源装置11bにより表面電極8と下部電極6との間に電圧を印加し中間層7に電界を生じさせることができる。この電界により、中間層7に電子を流すことができ、電子放出素子4の表面電極8から電子を放出することができる。この電子は、酸素の陰イオンなどの電荷を気相21中に生じさせる。また、この陰イオンは培地2に照射される。
例えば、電源装置11bにより、波高値14V0-p~24V0-pで周波数500~10000Hzの矩形波交流電圧を表面電極8と下部電極6との間に印加することができる。また、on, offデューティー比は 1~100%までの可変とすることができる。また、電子放出素子4からのイオン照射量は、0.5~5.0μA/cm2とすることができる。0.5μA/cm2より小さいと培養が遅くなり、5.0μA/cm2より大きいと死滅する可能性が大きく培養が遅い。
また、駆動中のイオン照射量はほぼ一定値(振れ幅は±10%以内、好ましくは±5%以内)とし、照射量を満足するために、駆動電圧波高値あるいは矩形波デューティー比をパラメータとして制御を行うことができる。イオン照射量はほぼ一定値にすることにより、安定的に培養を進めることができる。
表面電極8は、電子放出素子4の表面に位置する電極である。表面電極8は、5nm以上100nm以下、好ましくは40nm以上100nm以下の厚さを有することができる。また、表面電極8の材質は、例えば、金、白金である。このことにより、オートクレーブ滅菌などにより表面電極8が酸化されることを抑制することができる。また、表面電極8は、複数の金属層から構成されてもよい。
表面電極8は、好ましい40nm以上の場合であっても、複数の開口、すき間、10nm以下の厚さに薄くなった部分を有してもよい。中間層7を流れた電子がこの開口、すき間、薄くなった部分を通過又は透過することができ、表面電極8から電子を放出することができる。このような開口、すき間、薄くなった部分は、下部電極2と表面電極4との間に電圧を印加すること(フォーミング処理、初期電圧印加)により形成することができる。
下部電極6は、中間層7を介して表面電極8と対向する電極である。下部電極6は、金属板であってもよく、金属層又は導電体層を有した絶縁体から成る板であってもよい。また、下部電極6が金属板からなる場合、この金属板は電子放出素子4の基板であってもよい。下部電極6の材質は、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルなどである。下部電極の厚さは、例えば200μm以上1mm以下である。
中間層7は、表面電極8と下部電極6とに電圧を印加することにより形成される電界により電子が流れる層である。中間層7は、半導電性を有することができる。中間層7は、絶縁性樹脂、導電性樹脂、絶縁性微粒子のうち少なくとも1つを含む。また、中間層7は導電性微粒子を含むことが好ましい。中間層7の厚さは、例えば、1μm以上1.8μm以下とすることができる。中間層7を流れた電子を表面電極8から放出するため、電子放出素子4は、表面電極8から電子を面放出することができる。このため、表面電極8上の気相21に電子を一様に放出することができ、この電子により酸素の陰イオンなどの電荷を発生させることができる。
電子放出素子4は、表面電極8と下部電極6との間に絶縁層5を有してもよい。この絶縁層5は、開口を有することができる。絶縁層5の開口は、表面電極の電子を放出させたい領域に対応するように設けられる。絶縁層5には電子が流れることができないため、絶縁層5の開口に対応する中間層7に電子が流れ表面電極8から電子が放出される。従って、絶縁層5を設けることにより、表面電極8に電子放出領域を形成することができる。
電子放出素子4は、絶縁性部材13に取り外し可能に固定することができる。この絶縁性部材13を培養容器20の上に配置することにより、電子放出素子4の表面電極8が、培養容器20内の培地2の表面に気相21を介して対向するように電子放出素子4を配置することができる。このように電子放出素子4を配置することにより、電子放出素子4の表面電極8側から放出させた電子から、電子放出素子4と培地2との間の気相21に酸素の陰イオンなどの電荷を発生させることができる。また、電子放出素子4は、表面電極8と培地2の表面とが実質的に平行となるように配置することができる。
絶縁性部材13は、蓋部材10と一体化されていてもよい。この場合、絶縁性部材13が蓋部材10から培地2側(ウェル12中)に突出するように絶縁性部材13を設けることができる。また、電子放出素子4を、蓋部材2から突出した絶縁性部材13の先端面に培地2の表面と平行となるように固定することができる。
絶縁性部材13及び蓋部材10の材質は熱に耐性のあるPEEK材、フッ素系の材料が好ましい。細胞と相対する部材は、事前にオートクレーブを用いて滅菌処理される。150℃を超える高温水蒸気による処理であるため、材料の繰り返し熱変変形に耐える必要がある。
蓋部材10は、細胞刺激装置30を培養容器20上に載せることができるように設けられる。また、蓋部材10は、絶縁性を有することができる。
絶縁性部材13又は蓋部材10は、表面電極8と培地2の表面との間の距離が0.5mm以上3mm以下となるように設けることができる。このことにより、気相21に発生させた陰イオンを培地2に容易に供給することができる。表面電極8と培地2の表面との間の距離は、好ましくは1mm以上2mm以下とすることができる。
例えば、培養容器20のウェルの深さと、培地2の深さ、蓋部材10から突出した絶縁性部材13の高さなどを調整することにより、表面電極8と培地2の表面との間の距離を調整することができる。
このように電子放出素子4を気相21を介して培地2の表面と対向させることにより、気相21から培地2への酸素ガスの供給が阻害されることを抑制することができる。このため、培地2の溶存酸素量を保持することが可能になる。
また、電子放出素子4を絶縁性部材3に取り外し可能に固定することにより、電子放出素子4を容易に交換することができる。
細胞刺激装置30は、絶縁性部材13に固定された第1端子15及び第2端子16を有することができる。第1端子15及び第2端子16は、それぞれ電子放出素子4と接触する接点を有する。電子放出素子4を絶縁性部材3に取り付けている場合に、第1端子15が下部電極6と電気的に接続し、第2端子16が表面電極8と電気的に接続するように第1及び第2端子並びに電子放出素子4を設けることができる。この第1及び第2端子を介して表面電極8と下部電極6との間に電圧を印加することができる。
電荷回収電極9は、細胞3を培養する培地2に接触することができるように設けられる。このため、培地2から電荷回収電極9へ電子が流れることができ、電荷回収電極9と培地2との電位を等しくあるいはほぼ等しくすることができる。例えば、電荷回収電極9を接地接続すれば、培地2が帯電することを抑制することができる。
本実施形態の細胞刺激装置30では、電子放出素子4により発生させた電荷を気相21を介して培地2に供給するため、培地2に接触する電極は電荷回収電極9だけである。このため、培地2に含まれる水が電気分解することを抑制することができる。また、電荷回収電極9は正極性となるため、培地2中のミネラル成分(K+, Ca2+, Na+, Mg2+等)が電荷回収電極9上に析出することなく、培地2の成分組成が変化することを抑制することができる。
電荷回収電極9は、例えば、絶縁性部材13又は蓋部材10に固定することができる。電荷回収電極9は、絶縁性部材13及び蓋部材10を培養容器20上に設置した際に電荷回収電極9が培地2と接触するように設けることができる。
電荷回収電極9の形状は、例えば、棒状、平板状、メッシュ、パンチングメタルである。また、電荷回収電極9は、棒の先に平板、メッシュ又はパンチングメタルが取り付けられた構造を有してもよい。電荷回収電極9に含まれる棒の先に取り付けた平板、メッシュ又はパンチングメタルは、細胞3が電荷回収電極9と電子放出素子4との間に位置するようにウェル12の底に配置することができる。このような構成とすると、電子放出素子4の電子放出により培地2の表面で生じた陰イオンは、ウェル12の底に向かって流れる。このため、培地2で培養する細胞3に効率よく電気刺激を与えることが可能になる。
電源装置11aで電子放出素子4又は電荷回収電極9に電圧を印加することにより、電子放出素子4の表面電極8と培地2の表面との間の気相21に電界を生じさせることができる。この気相21の電界の中の電気力線(電界強度の勾配)に沿って、電子放出素子4が電子を放出することにより発生させた陰イオンを培地2の表面に搬送することができ(気相21に電流を流すことができる)、培地2に陰イオン(OH-、Cl-、O2 -など)を発生させることができる。この陰イオンにより培地2で培養する細胞3に電気刺激を与えることができる。また、この陰イオンは、培地2を移動し電荷回収電極9へと流れる(培地2に電流が流れる)ため、培地2が帯電することを抑制することができる。
例えば、電荷回収電極9を接地接続し、電源装置11aにより電子放出素子4と接地との間に-1000V~-50Vの直流電圧を印加することができる。また、電子放出素子4の表面電極8と培地2の表面との間隔は0.5mm~3mm(好ましくは1mm以上2mm以下)とすることができる。電荷回収電極9が接地接続しているため培地2の電位はほぼ0Vになり、表面電極8の電位は-1000V~-50Vとなる。また、培地2と表面電極8との間隔は0.5mm~3mmであるため、培地2と表面電極8との間の気相21に強い電界強度の電界を生じさせることができる。この電界を利用して電子放出素子4が電子を放出することにより発生させた陰イオンを培地2に供給することができる。
電源装置11a、11bは、電子放出素子4から培地2へ電荷を供給することにより気相21に生じる電流と、電荷回収電極9が培地2から電荷を回収することにより培地2に生じる電流とがループ電流となるように電子放出素子4及び電荷回収電極9と電気的に接続することができる。
例えば、図1、2に示したように、電源装置11aを用いて表面電極8と電荷回収電極9との間に電圧Veを印加することにより生じさせた電界により気相21をイオンB-(イオンB-は表面電極8から放出された電子により気相21中に生じる)が移動することにより気相21に電流が生じ、培地2に達したイオンB-は培地2中に溶け込み、細胞の各種要素形成に関わるシグナル伝達系を刺激し、最終的にイオンC-(イオンC-はイオンB-そのものand/orイオンB-由来の別イオン種)として電荷回収電極9へと移動することにより培地2に電流が生じる。従って、電源装置11a、表面電極8、気相21及び培地2を含む回路にループ電流を流すことができる。
電子放出素子4は、表面電極8から電子を面放出させることができるため、培地2の表面と表面電極8との間の気相21に一様に陰イオンを発生させることができる。この陰イオンを電界により培地2に供給することができるため、表面電極8の下部に位置する培地2にも一様に陰イオンを発生させることができ、表面電極8の下部に位置する細胞3に一様に電気刺激を与えることができる。このため、電気刺激を与えたい細胞に一様に電気刺激を与えることができる。
細胞刺激装置30による電気刺激(イオン照射)は、例えば、播種された細胞が細胞***を始めるタイミングから開始することができる。
また、細胞3が定着した培地2に対するイオン照射は、細胞種に適した照射量、照射間隔、照射タイミングを定めて行うことができる。
電子放出素子4から電子を放出させる時間(電源装置11a、11bにより電圧を印加する時間)は、例えば、5秒間以上1分間以内とすることができる。
第2実施形態
図3は本実施形態の細胞刺激装置30の概略斜視図であり、図4は本実施形態の細胞刺激装置30の概略分解図である。
本実施形態では、図3に示したような細胞刺激装置30に含まれる電子放出素子4が、図4の分解図のように絶縁性部材13から取り外し可能に設けられている。
電子放出素子4は、下部電極6である金属板上に中間層7及び表面電極8が積層されている。例えば、下部電極6は、12mm×24mm角、厚さ0.5mmの金属板である。また、下部電極6の材質は、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルなどである。また、中間層7の厚さは、例えば1.0μm~1.8μmである。
また、電子放出領域25が形成される部分に開口を有する絶縁層5が下部電極6と表面電極8との間に積層されている。絶縁層5には電流が流れないため、絶縁層5の開口に対応した表面電極8の電子放出領域25だけから電子が放出される。絶縁層5の開口は例えば、5mm角とすることができる。絶縁層5には、金属酸化物・金属窒化物などの無機材料、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂などの有機材料を使用することができる。
表面電極8は、40nm以上100nm以下の厚さを有することができる。このことにより、絶縁層5の開口に対応する表面電極8の電子放出領域25から中間層7を流れた電子を放出させることができる。例えば、表面電極8の大きさは18mm×8.5mm角とすることができる。また、電子放出領域の大きさは5mm角とすることができる。表面電極8の材質は例えば金又は白金である。
第1端子15a、15bは、絶縁性部材13に設けられた開口中に配置されており、針形状を有し、その先端部が電子放出素子4の下部電極6の裏面との接点となる。このため、第1端子15を介して下部電極6に電圧を印加することができる。また、第1端子15の先端部を接点とすることにより、第1端子15と下部電極6との接点不良が生じることを抑制することができる。また、第1端子15はバネ式針状端子であってもよい。このことにより、第1端子15と下部電極6との接点不良が生じることを抑制することができる。
通常、細胞刺激装置30は、細胞培養装置35で細胞3を培養する前にオートクレーブを用いて滅菌処理される。オートクレーブ滅菌は高温水蒸気による処理であるため、この処理により細胞刺激装置30に含まれる金属部材(例えば、下部電極6である金属板)の表面に薄い酸化膜が形成される場合がある。この酸化膜は接点不良を引き起こす原因となる。針状の第1端子15の先端部を接点とすることにより、この先端部が酸化膜を貫通することができ、第1端子15と下部電極6との電気的導通を確実に確保することができる。
第2端子16は、絶縁性部材13に電子放出素子4を固定するように設けられており、電子放出素子4の表面電極8に接触する。このため、第2端子16を介して表面電極8に電圧を印加することができる。また、第2端子16および前述の第1端子15は表面に金めっき層を有する金属板であってもよい。このことにより、オートクレーブ滅菌により第2端子16の表面に酸化膜が形成されることを抑制することができ、接触不良が生じることを抑制することができる。
絶縁性部材13はその表面にスリット構造を有する。このため、電荷回収電極9及び電極9と電気的に接続した金属部材と、電子放出素子4及び素子4と電気的に接続した金属部材との間に漏れ電流(縁面漏れ)が生じることを抑制することができる。
他の構成は第1実施形態と同様である。また、上記の第1実施形態についての記載は、矛盾がない限り第2実施形態についても当てはまる。また、上記絶縁性部材13の表面のスリット構造については第1実施形態等他の構造にも適用が可能である。
本実施形態では電子放出素子4は長方形(電子放出領域25a、25bは正方形)の形状をしているが、状況により、円形や星型等の形状も可能である。1例として培地2をできるだけ効率よく使用するために培地2の形状に合わせた形状(ただし、電荷回収電極9との接触は不可であるために、その部分は欠けた形状になる)にすることも可能である。
第3実施形態
図5は、本実施形態の細胞刺激装置30に含まれる電子放出素子4の概略上面図である。
電子放出素子4に含まれる下部電極6は、複数の細長い電極からなり、例えば図5では電極6a~6jから構成される。電極6a~6jは平行となるように配置することができる。これらの電極6a~6jは、例えば、絶縁性基板上に形成した金属層又は導電体層であってもよい。このことにより、電極6a~6jを電気的に分離することができる。また、電極6a~6jにそれぞれ異なる端子を接続することができる。
電子放出素子4に含まれる表面電極8は、複数の細長い電極からなり、例えば図5では電極8a~8jから構成される。電極8a~8jは平行となるように配置することができる。これらの電極8a~8jは、例えば、中間層7上に形成した金属層又は導電体層であってもよい。また、電極8a~8jにそれぞれ異なる端子を接続することができる。
下部電極6及び表面電極8は、電極6a~6jと電極8a~8jの一方が行となり他方が列となるように格子状に配置される。また、電極6a~6jと電極8a~8jとが交わる箇所に開口を有する絶縁層5が下部電極6と中間層7との間に積層されている。このことにより、電極6a~6jと電極8a~8jとが交わる箇所(絶縁層5の開口に対応する箇所)の表面電極8に電子放出領域25を形成することができる。これらの電子放出領域25はマトリクス状に並んでいる。
電圧を印加する電極6a~6jと電極8a~8jとの組み合わせを変えることにより、マトリクス状に並んだ複数の電子放出領域25のうち、一部の電子放出領域25で電子を放出させず、他の電子放出領域25で電子を放出することができる。例えば、電極6a~6eと電極8a~8eとの間にだけ電圧を印加すると、これらの電極の交点の電子放出領域25では電子が放出されるが、他の電子放出領域25では電子が放出されない。従って、電子を放出させる電子放出領域25の下部に位置する培地中の細胞にだけ電気刺激を与えることが可能になる。つまり、培地2のうち選択した領域に存在する細胞3にのみ電気刺激を与えることが可能になる。
電極6a~6jと電極8a~8jとの組み合わせにより印加する電圧を変化させることにより、マトリクス状に並んだ複数の電子放出領域25で電子放出量を変化させることができる。例えば、電極6a~6eと電極8a~8eとの間に波高値20Vの交流電圧を印加し、電極6f~6jと電極8f~8jとの間に波高値10Vの交流電圧を印加し、電極6a~6eと電極8f~8jとの間および電極6f~6jと電極8a~8eとの間に15Vの電位差を与えることができる。この場合、電極6a~6eと電極8a~8eとの交点の電子放出領域25では電子放出量が比較的大きくなり、電極6f~6jと電極8f~8jとの交点の電子放出領域25では電子放出量が比較的小さくなる。また、電極6a~6eと電極8f~8jとの交点の電子放出領域25および電極6f~6jと電極8a~8eとの交点の電子放出領域25での電子放出量は中間程度になる。これらの電子放出量に対応して培地2中の細胞3に与える電気刺激の強度も変化する。従って、電気刺激量に所望の分布を持たせて培地2中の細胞3を電気刺激することが可能になる。また、1つのウェル12中で電気刺激量を変化させることによりスクリーニング試験をすることが可能になる。
他の構成は第1又は第2実施形態と同様である。また、上記の第1又は第2実施形態についての記載は、矛盾がない限り第3実施形態についても当てはまる。
第4実施形態
図6は、本実施形態の細胞培養装置35の概略断面図である。
本実施形態では、電荷回収電極9が培養容器20に固定されている。一方、電子放出素子4は、絶縁性部材13に固定されている。このような構成とすると、電荷回収電極9と電子放出素子4との間にリーク電流が流れることを抑制することができる。
また、電荷回収電極9は、ウェル12の底に配置されており、細胞3は電荷回収電極9と電子放出素子4との間に位置する。このため、細胞刺激装置30のイオン照射により培地2の表面で生じた陰イオンは、ウェル12の底に向かって流れる。このため、培地2で培養する細胞3に効率よく電気刺激を与えることが可能になる。
他の構成は第1~3実施形態と同様である。また、上記の第1~3実施形態についての記載は、矛盾がない限り第4実施形態についても当てはまる。
第5実施形態
図7は、本実施形態の細胞培養装置35の概略断面図である。
本実施形態では、培養容器20が複数のウェル12a~12cを備えている。また、細胞刺激装置30が各ウェル12a~12cに対応する絶縁性部材13a~13c、電子放出素子4a~4c及び電荷回収電極9a~9cを備えている。このような構成にすると、培養容器20の各ウェル12a~12cで培養する細胞にそれぞれ電気刺激を与えることができる。
また、スイッチング回路を用いて電源装置11による電圧印加を制御することにより、複数のウェル12のうち必要な箇所にのみ、必要な時間、必要なタイミングで細胞の電気刺激を行う事ができる。
培養容器20が備えるウェル12の数は特に限定されない。例えば、培養容器20は6ウェルプレートである。
細胞刺激装置30は、培養容器20が有するすべてのウェル12に対応する絶縁性部材13、電子放出素子4及び電荷回収電極9を備えてもよく、培養容器20が有する一部のウェル12に対応する絶縁性部材13、電子放出素子4及び電荷回収電極9を備えてもよい。
また、細胞刺激装置30は、1つの蓋部材10に複数の絶縁性部材13が固定された構造を有することができる。
他の構成は第1~4実施形態と同様である。また、上記の第1~4実施形態についての記載は、矛盾がない限り第5実施形態についても当てはまる。
2、2a~2c:培地 3、3a~3c:細胞 4、4a~4c:電子放出素子 5:絶縁層 6、6a~6j:下部電極 7:中間層 8、8a~8j:表面電極 9、9a~9c:電荷回収電極 10:蓋部材 11、11a、11b:電源装置 12、12a~12c:ウェル 13、13a~13c:絶縁性部材 15、15a、15b:第1端子 16:第2端子 18:インキュベーター 20:培養容器 21:気相 25、25a、25b:電子放出領域 30: 細胞刺激装置 35:細胞培養装置

Claims (13)

  1. 培地で培養する細胞に刺激を与えるための細胞刺激装置であって、
    前記細胞刺激装置は、前記培地に気相を介して電荷を供給する電子放出素子と、前記培地から電荷を回収する電荷回収電極とを備え、
    前記電子放出素子は、下部電極と、表面電極と、前記下部電極と前記表面電極との間に配置された中間層とを備え、
    前記電荷回収電極は、前記培地に接触することができるように設けられたことを特徴とする細胞刺激装置。
  2. 前記下部電極及び前記表面電極は、それぞれ複数の細長い電極を含み、前記下部電極及び前記表面電極のうち一方が行となり他方が列となる格子状に配置された請求項1に記載の細胞刺激装置。
  3. 電源装置をさらに備え、
    前記電源装置は、前記下部電極と前記表面電極との間に電圧を印加することができるように設けられ、かつ、前記電子放出素子と前記電荷回収電極との間に電位差を生じさせることができるように設けられた請求項1又は2に記載の細胞刺激装置。
  4. 前記電源装置は、前記電子放出素子から前記培地へ電荷を供給することにより前記気相に生じる電流と、前記電荷回収電極が前記培地から電荷を回収することにより前記培地に生じる電流とがループ電流となるように前記電子放出素子及び前記電荷回収電極と電気的に接続する請求項3に記載の細胞刺激装置。
  5. 前記電荷回収電極を接地接続する請求項3又は4に記載の細胞刺激装置。
  6. 絶縁性部材と、前記絶縁性部材に固定された針状端子とをさらに備え、
    前記電子放出素子は、前記絶縁性部材に固定され、
    前記針状端子は、その先端部で前記下部電極と接触する請求項1~5のいずれか1つに記載の細胞刺激装置。
  7. 前記絶縁性部材は、その表面にスリット構造を有する請求項6に記載の細胞刺激装置。
  8. 前記電荷回収電極は、前記絶縁性部材に固定された請求項6又は7に記載の細胞刺激装置。
  9. 請求項1~7のいずれか1つに記載の細胞刺激装置と、前記培地を収容するための培養容器とを備え、
    前記細胞刺激装置は、絶縁性部材を備え、
    前記電子放出素子は、前記絶縁性部材に固定され、
    前記絶縁性部材は、前記表面電極が前記培地の表面と気相を挟んで対向するように前記培養容器上に配置された細胞培養装置。
  10. 前記絶縁性部材は、前記表面電極と前記培地の表面との間の距離が0.5mm以上3mm以下となるように設けられた請求項9に記載の細胞培養装置。
  11. 前記電荷回収電極は、前記培養容器に固定された請求項9又は10に記載の細胞培養装置。
  12. 下部電極と、表面電極と、前記下部電極と前記表面電極との間に配置された中間層とを備えた電子放出素子の前記下部電極と前記表面電極との間に電圧を印加することにより、気相を介して細胞を培養する培地に電荷を供給するステップを含み、
    前記電荷を供給するステップは、前記電子放出素子と前記培地との間の電界を利用して電荷を供給するステップである細胞刺激方法。
  13. 前記電荷を供給するステップは、前記電子放出素子から前記培地へ電荷を供給することにより前記気相に生じる電流と、電荷回収電極が前記培地から電荷を回収することにより前記培地に生じる電流とがループ電流として流れるステップである請求項12に記載の細胞刺激方法。
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