JP7031582B2 - 帯電防止材 - Google Patents

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Description

本発明(以下、本願発明ということがある)は、ポリエーテル重合体およびこれを含有する組成物、ならびに成形体に関する。特に本発明は、表面抵抗値が所定の条件下で一定範囲内にあると共に、外観変化の抑えられた、即ち形状安定性に優れたポリエーテル重合体およびこれを含有する組成物、ならびに成形体に関する。例えば本願発明は、コピー機等のOA機器用ゴムロール材料や帯電防止材料として好適である良好な表面抵抗値を示し、且つ吸水率とのバランス特性に優れた単一のポリエーテル重合体(以下、「ポリエーテル共重合体」ということがある)に関するものである。尚、上記「単一のポリエーテル重合体」とは、1つのポリエーテル共重合体を意味し、後記する特許文献1の様な複数のポリエーテル共重合体のブレンド物と区別される。また、本願発明は、低温・低湿度条件、及び高温・高湿度条件において、安定した表面抵抗値を有するポリエーテル重合体、及びポリエーテル重合体を用いた帯電防止材に関するものでもある。
イオン伝導性を有するポリエーテル共重合体は、OA機器用ゴムロール材料に広く利用される他、樹脂及び他のゴムに混ぜて半永久的に機能持続する帯電防止材としても利用されている。一般的に樹脂やゴム等の高分子材料は、帯電しやすいため、ほこりやゴミを寄せつけ、美観を損ねてしまうという問題を有する。また静電気によって電子機器等の誤作動を引き起こすことも知られており、特に誤作動を防止するためにはゴムやプラスチックの表面抵抗値を1.0×1010~1.0×1012(Ω/Sq.)以下に制御する必要がある(非特許文献1)。
また、従来においては、帯電防止材のポリエーテル材料として、エチレンオキシドの単独重合体やエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体が用いられている(特許文献1)。具体的に特許文献1には、表面抵抗と吸水性のバランスを両立させる方法として、エチレンオキサイド共重合体に対して吸水率の低いプロピレンオキサイド単独重合体をブレンドする方法が提案されている。
特開平8-183901号公報
成形加工 Vol.17 No.12,p805,2005
ポリエーテル共重合体等のポリエーテル材料は、イオン伝導性に優れているが、同時に吸水性が大きいという問題を有しており、寸法安定性に欠け、吸水に伴い白濁する等の色調変化を引き起こす問題がある。また、これらを帯電防止材として混合した組成物や該組成物を用いて得た成形体でも同様の問題が生じうる。
ポリエーテル材料として、上記特許文献1の材料が挙げられている。しかしながらこの方法では2種類のポリエーテル重合体が必要であるのに加え、特性の異なる重合体を混合させることが必須条件であるため、分散不良により同一材料中において表面抵抗値と吸水率のムラが生じてしまう可能性がある。
また、低温・低湿度条件、及び高温・高湿度条件において、表面抵抗値が大きく変動するという課題が有り、低温・低湿度条件、及び高温・高湿度条件において、安定した表面抵抗値を有するポリエーテル重合体が求められている。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、23℃、50%RHの条件下;と、10℃、15%RHと35℃、85%RHの条件下;の少なくともいずれかで所定の表面抵抗値を満たす(以下、この特性を「半導電性に優れた」ということがある)と共に、外観変化の抑えられた、即ち形状安定性に優れた(以下、この特性を「寸法安定性に優れた」ということがある)ポリエーテル重合体、およびこれを含有する組成物、ならびに、前記ポリエーテル重合体または前記組成物を用いて作製された成形体を提供することにある。より具体的に、本願発明の目的は、例えばOA機器用ゴムロールや帯電防止材及び帯電防止素材単体として好適である半導電性と寸法安定性に優れた単一のポリエーテル重合体及びその架橋物を提供することや、帯電防止材等が用いられるような低温・低湿度条件、及び高温・高湿度条件において、安定した表面抵抗値を有するポリエーテル重合体、及び前記のポリエーテル重合体を含有する帯電防止材を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、種々検討を重ねたところ、23℃、50%RHにおける吸水率が1.5重量%以下であり、かつ表面抵抗値が1.0×1012(Ω/sq.)以下であること;と、10℃、15%RHにおける表面抵抗値、及び、35℃、85%RHにおける表面抵抗値がいずれも1.0×10~1.0×1012(Ω/sq.)であること;の少なくともいずれかを満たすことを特徴とするポリエーテル重合体、更にはその架橋物により、上記の課題を解決することができることを見出したものである。
即ち、本発明については、以下のように記載することができる。
項1 23℃、50%RHにおける吸水率が1.5重量%以下であり、かつ表面抵抗値が1.0×1012(Ω/sq.)以下であること;と、10℃、15%RHにおける表面抵抗値、及び、35℃、85%RHにおける表面抵抗値がいずれも1.0×10~1.0×1012(Ω/sq.)であること;の少なくともいずれかを満たすことを特徴とするポリエーテル重合体。
項2 (A)エチレンオキシド由来の構成単位65~99モルパーセント、(B)炭素数4以上で構成されるオキシラン単量体由来の構成単位35~1モルパーセント、(C)架橋性官能基を有するオキシラン単量体由来の構成単位0~10モルパーセントを含有することを特徴とする項1に記載のポリエーテル重合体。
項3 (A)エチレンオキシド由来の構成単位65~90モルパーセント、(B)炭素数4~10で構成されるオキシラン単量体由来の構成単位30~5モルパーセント、(C)架橋性官能基を有するオキシラン単量体由来の構成単位1~8モルパーセントを含有することを特徴とする項1または2に記載のポリエーテル重合体。
項4 前記(B)炭素数4以上で構成されるオキシラン単量体が、アルキル基、又はアルコキシ基を有するオキシラン単量体であることを特徴とする項2に記載のポリエーテル重合体。
項5 前記(C)架橋性官能基を有するオキシラン単量体がメタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテルであることを特徴とする項2~4のいずれかに記載のポリエーテル重合体。
項6 項1~5のいずれかに記載のポリエーテル重合体、またはその架橋物と;導電性付与剤、ゴム、樹脂及び溶媒から選択される少なくとも1種と;を含有する組成物。
項7 項1~6のいずれかに記載のポリエーテル重合体または組成物を用いて作製された成形体。
また、本発明については、以下の項1a~項5aのように記載することができる。
項1a 23℃、50%RHにおける吸水率が1.5重量%以下であり、かつ表面抵抗値が1.0×1012(Ω/sq.)以下であることを特徴とするポリエーテル重合体。
項2a (A)エチレンオキシド由来の構成単位65~99モル%(モルパーセント)、(B)炭素数4以上で構成されるオキシラン単量体由来の構成単位35~1モル%、(C)架橋性官能基を有するオキシラン単量体由来の構成単位0~10モル%を含有することを特徴とする項1a記載のポリエーテル重合体。
項3a 炭素数4以上で構成されるオキシラン単量体が、アルキル基、又はアルコキシ基を有するオキシラン単量体であることを特徴とする項2a記載のポリエーテル重合体。
項4a 架橋性官能基を有するオキシラン単量体がメタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテルであることを特徴とする項2a又は3a記載のポリエーテル重合体。
項5a 項1a~4aいずれかに記載のポリエーテル重合体を架橋してなる架橋物。
また、本発明については、以下の項1b~項5bのように記載することができる。
項1b 10℃、15%RHにおける表面抵抗値、及び、35℃、85%RHにおける表面抵抗値がいずれも1.0×10~1.0×1012(Ω/sq.)であることを特徴とするポリエーテル重合体。
項2b 項1b記載のポリエーテル重合体を含有する帯電防止材。
項3b (A)エチレンオキシド由来の構成単位65~90モル%、(B)炭素数4~10で構成されるアルキレンオキシド(オキシラン単量体)由来の構成単位30~5モル%、(C)架橋性官能基を有するオキシラン単量体由来の構成単位1~8モル%を含有するポリエーテル重合体であることを特徴とする項2b記載の帯電防止材。
項4b (C)架橋性官能基を有するオキシラン単量体がメタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテルであることを特徴とする項3b記載の帯電防止材。
項5b 項2b~4b記載の帯電防止材と樹脂を含有する帯電防止材含有組成物。
項6b 項2b~4b記載の帯電防止材とゴムを含有する帯電防止材含有組成物。
項7b 項2b~4b記載の帯電防止材とゴムと樹脂を含有する帯電防止材含有組成物。
項8b 項2b~4b記載の帯電防止材と溶媒を含有する帯電防止材含有組成物。
項9b 項5b~8bいずれかに記載の帯電防止材含有組成物を成形してなる成形体。
本発明によれば、表面抵抗値が所定の条件下で一定範囲内にあると共に、外観変化の抑えられた、即ち形状安定性に優れたポリエーテル重合体およびこれを含有する組成物、ならびに成形体を提供できる。上記本発明によるポリエーテル重合体及びその架橋物は、帯電防止材等の用途、具体的には半導電性が必要とされる帯電防止材料、OA機器用ゴムロール等に好適である。
本発明のポリエーテル重合体は、23℃、50%RHにおける吸水率が1.5重量%以下であり、かつ表面抵抗値が1.0×1012(Ω/sq.)以下であること;と、10℃、15%RHにおける表面抵抗値、及び、35℃、85%RHにおける表面抵抗値がいずれも1.0×10~1.0×1012(Ω/sq.)であること;の少なくともいずれかを満たすことを特徴とする。
本発明のポリエーテル重合体の23℃、50%RHにおける吸水率としては、高温高湿下における白濁やそり変形等の外観変化の問題を生じない点で、1.5重量%以下であり、1.4重量%以下であることが好ましく、1.2重量%以下であることが特に好ましい。23℃、50%RHにおける吸水率の下限については特に限定されないが、0.01重量%以上であってよく、0.1重量%以上であってよい。表面抵抗値の上昇を抑制すべく、ある程度の吸水率を確保する観点からは、上記吸水率を、0.3重量%以上、更には0.5重量%以上、より更には0.7重量%超とすることができる。
23℃、50%RHにおける吸水率は、乾燥状態におけるポリエーテル重合体の重量と温度23℃、湿度50%RHで状態調節されたポリエーテル重合体の重量から以下のように算出することができる。
23℃、50%RHにおける吸水率(重量%)=((温度23℃、湿度50%RHで状態調節されたポリエーテル重合体の重量-乾燥状態におけるポリエーテル重合体の重量)/乾燥状態におけるポリエーテル重合体の重量)×100
尚、本発明においては、ポリエーテル重合体を金型の上に敷き詰め、160℃に温度設定した真空加熱プレス機で2分間プレスすることにより、1mm厚の成形されたポリマーシートを試験片とし、試験片を露点-50℃に調整されたドライブースにおいて48時間状態調節した後の乾燥状態の試験片の重量を、乾燥状態におけるポリエーテル重合体の重量とする。また、上記乾燥状態の試験片を温度23℃、湿度50%RHに調節した恒温恒湿槽内で48時間状態調節した後の試験片の重量を、温度23℃、湿度50%RHで状態調節されたポリエーテル重合体の重量とする。
本発明のポリエーテル重合体の23℃、50%RHにおける表面抵抗値としては、1.0×1012(Ω/sq.)以下であり、1.0×1011(Ω/sq.)以下であることが好ましく、7.0×1010(Ω/sq.)以下であることがより好ましい。23℃、50%RHにおける表面抵抗値の下限については特に限定されないが、1.0×10(Ω/sq.)以上であってよく、1.0×10(Ω/sq.)以上であってよい。
23℃、50%RHにおける表面抵抗値は次の様にして求められる。即ち、ポリエーテル重合体を金型の上に敷き詰め、160℃に温度設定した真空加熱プレス機で2分間プレスすることにより、1mm厚の成形されたポリマーシートを試験片とし、試験片を露点-50℃に調整されたドライブースにおいて48時間状態調節した後の乾燥状態の試験片を温度23℃、湿度50%RHに調節した恒温恒湿槽内で48時間状態調節した試験片を、同恒温恒湿槽内で、三菱化学株式会社製のハイレスタ等の絶縁抵抗計を用いて、100ボルトの電圧を印加し、1分後の抵抗値を読み取り表面抵抗値を算出する。
本発明のポリエーテル重合体は、上記特性を満たすか、または、10℃、15%RHにおける表面抵抗値、及び、35℃、85%RHにおける表面抵抗値がいずれも、下限が1.0×10(Ω/sq.)以上であることが好ましく、2.0×10(Ω/sq.)以上であることがより好ましく、上限は1.0×1012(Ω/sq.)以下であることが好ましく、5.0×1011(Ω/sq.)以下であることがより好ましい。10℃、15%RHにおける表面抵抗値、及び、35℃、85%RHにおける表面抵抗値がいずれもこの範囲であることにより、一般的な温度と湿度の条件において、安定した表面抵抗値を有することが期待できる。上記23℃、50%RHでの吸水率および表面抵抗値を満たすと共に、上記10℃、15%RHにおける表面抵抗値と35℃、85%RHにおける表面抵抗値を満たすことがより好ましい。
10℃、15%RHにおける表面抵抗値、及び、35℃、85%RHにおける表面抵抗値は次の様にして求められる。即ち、ポリエーテル重合体を金型の上に敷き詰め、160℃に温度設定した真空加熱プレス機で2分間プレスすることにより、1mm厚の成形されたポリマーシートを試験片とし、試験片を露点-50℃に調整されたドライブースにおいて48時間状態調節した後の乾燥状態の試験片を温度10℃、湿度15%RH(低温低湿条件)、又は温度35℃、湿度85%RH(高温高湿条件)に調節した恒温恒湿槽内で48時間状態調節した試験片を、同恒温恒湿槽内で、三菱化学株式会社製のハイレスタ等の絶縁抵抗計を用いて、100ボルトの電圧を印加し、1分後の抵抗値を読み取り表面抵抗値を算出する。
後記する実施例の比較例3に示す通り、形状安定性を高めるべく吸水率を低減しすぎると、表面抵抗値が高くなる。これに対し本発明のポリエーテル重合体は、上記の通り、表面抵抗値と、形状安定性に影響を及ぼす吸水率とのバランスに優れており、低い表面抵抗値と優れた形状安定性の両立を実現できる。
上記特性を満たすポリエーテル重合体として、(A)エチレンオキシド由来の構成単位65~90モルパーセント、(B)炭素数4以上で構成されるオキシラン単量体由来の構成単位30モルパーセント、(C)架橋性官能基を有するオキシラン単量体由来の構成単位0~モルパーセントを含有し、前記炭素数4以上で構成されるオキシラン単量体が、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、または炭素数4~10で構成されるアルキレンオキシドであるものが好ましい。
上記特性を満たすポリエーテル重合体として、(A)エチレンオキシド由来の構成単位65~90モルパーセント、(B)炭素数4以上で構成されるオキシラン単量体由来の構成単位30~モルパーセント、(C)架橋性官能基を有するオキシラン単量体由来の構成単位1~8モルパーセントを含有し、前記炭素数4以上で構成されるオキシラン単量体が、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、または炭素数4~10で構成されるアルキレンオキシドであるものがより好ましい。以下、各構成単位について説明する。
〔(A)エチレンオキシド由来の構成単位〕
ポリエーテル重合体における、(A)エチレンオキシド由来の構成単位としては、65~99モル%有することが好ましいが、65~95モル%有することがより好ましく、65~90モル%有することが特に好ましい。特に、形状安定性に優れていると共に、上記低温・低湿度条件、及び高温・高湿度条件において、安定した表面抵抗値を有するポリエーテル重合体を得るには、(A)エチレンオキシド由来の構成単位としては、下限は65モル%以上であることが好ましく、67モル%以上であることがより好ましく、上限は99モル%以下であることが好ましく、95モル%以下であることがより好ましく、90モル%以下であることが更に好ましい。
〔(B)炭素数4以上で構成されるオキシラン単量体由来の構成単位〕
ポリエーテル重合体における、(B)炭素数4以上で構成されるオキシラン単量体(アルキレンオキシド)由来の構成単位としては、下限は8モル%以上であることが更に好ましく、10モル%以上であることがより更に好ましい。上限は35モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましい。例えば上記構成単位の範囲として、30~10モル%有することがより更に好ましい。この範囲であれば、ポリエーテル重合体が充分に低い表面抵抗値が得られる。また、特に、低温・低湿度条件、及び高温・高湿度条件のいずれの条件においても、表面抵抗値が一定範囲内にあるポリエーテル重合体を容易に得るには、上記構成単位の下限は、15モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることがより好ましい。
炭素数4以上で構成されるオキシラン単量体を例示すると、エポキシブタン、エポキシヘキサン、エポキシオクタン等のアルキル基を有するオキシラン単量体、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル等を例示することができ、これらは、単独で用いる他、2種以上を併用しても良い。
でも、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、または炭素数4~10で構成されるアルキレンオキシド、特にはエポキシブタン、エポキシヘキサンが、エチレンオキシドと共重合がしやすい点で好ましい。特に、低温・低湿度条件、及び高温・高湿度条件のいずれの条件においても、表面抵抗値が一定範囲内にあるポリエーテル重合体を容易に得るには、炭素数4~10で構成されるアルキレンオキシドであることが好ましく、炭素数4~8で構成されるアルキレンオキシドであることがより好ましく、1,2-エポキシブタン等のエポキシブタン、1,2-エポキシヘキサン等のエポキシヘキサンであることが更に好ましい。
〔(C)架橋性官能基を有するオキシラン単量体由来の構成単位〕
ポリエーテル重合体における、(C)架橋性官能基を有するオキシラン単量体由来の構成単位としては、下限としては0モル%以上であることが好ましく、1モル%以上であることがより好ましく、2モル%以上であることが更に好ましく、3モル%以上であることが特に好ましく、上限としては10モル%以下であることが好ましく、8モル%以下であることがより好ましく、6モル%以下であることが更に好ましく、5モル%以下であることが特に好ましい。例えば上記構成単位の範囲として、0~10モル%有することが好ましいが、1~8モル%有することがより好ましく、1~6モル%有することがより好ましく、1~5モル%有することが特に好ましい。
特に、形状安定性に優れていると共に、上記低温・低湿度条件、及び高温・高湿度条件において、安定した表面抵抗値を有するポリエーテル重合体を得るには、(C)架橋性官能基を有するオキシラン単量体由来の構成単位を、1~8モルパーセントの範囲内とすることが好ましい。
架橋性官能基を有するオキシラン単量体としては、本発明のポリエーテル共重合体を架橋せしめ得るオキシラン単量体であればいかなるものでも良く、例えばハロゲン含有オキシラン単量体が挙げられる。具体例としてエピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、エピヨードヒドリン、エピフルオロヒドリン等のエピハロヒドリン類、p-クロロスチレンオキシド、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、m-クロロメチルスチレンオキシド、p-クロロメチルスチレンオキシド、クロロ酢酸グリシジル、グリシド酸クロロメチル、テトラフルオロオキシラン、1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1,2-エポキシプロパン等のエピハロヒドリン類以外のハロゲン置換オキシラン類、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、クロトン酸グリシジル、3,4-エポキシ-1-ブテン等のエチレン性不飽和基含有オキシラン類、メタグリシド酸グリシジルエステル、グリシドメタグリシジルエステル等を挙げることができる。これら架橋性官能基を有するオキシラン単量体は、単独で用いる他、2種以上を併用しても良い。単量体価格や入手の面で好ましいのは、アリルグリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジルである。メタクリル酸グリシジルであることが特に好ましい。
前記(B)炭素数4以上で構成されるオキシラン単量体由来の構成単位と、前記(C)架橋性官能基を有するオキシラン単量体由来の構成単位の好ましい組み合わせとして、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、または炭素数4~10で構成されるアルキレンオキシド、特にはエポキシブタン、エポキシヘキサンと;エチレン性不飽和基含有オキシラン類、特にはメタクリル酸グリシジルと;の組み合わせが、本発明で規定する表面抵抗値と、吸水率とを達成する上で好ましい。
特に、上記に記載された23℃、50%RHにおける吸水率、及び表面抵抗値を有するポリエーテル重合体としては、(A)エチレンオキシド由来の構成単位65~90モル%、(B)炭素数4以上で構成されるオキシラン単量体由来の構成単位30モル%、(C)架橋性官能基を有するオキシラン単量体由来の構成単位0~モル%を含有し、前記炭素数4以上で構成されるオキシラン単量体が、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、または炭素数4~10で構成されるアルキレンオキシドであるポリエーテル重合体を例示することができる。
また上記に記載された10℃、15%RHにおける表面抵抗値、及び、35℃、85%RHにおける表面抵抗値がいずれも1.0×108~1.0×1012(Ω/sq.)であるポリエーテル重合体としては、(A)エチレンオキシド由来の構成単位65~90モル%、(B)炭素数4以上で構成されるオキシラン単量体由来の構成単位30モル%、(C)架橋性官能基を有するオキシラン単量体由来の構成単位0~モル%を含有し、前記炭素数4以上で構成されるオキシラン単量体が、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、または炭素数4~10で構成されるアルキレンオキシドであるポリエーテル重合体を例示することができる。
ポリエーテル重合体の重合組成はポリエーテル重合体を重クロロホルムに溶解し、H-NMRにより各ユニットの積分値を求め、その算出結果から組成を決定することができる。
ポリエーテル重合体の重量平均分子量は、下限が1万以上であることが好ましく、10万以上であることがより好ましく、30万以上であることが更に好ましく、上限は500万以下であることが好ましく、300万以下であることがより好ましく、200万以下であることが更に好ましい。例えばポリエーテル重合体の重量平均分子量は1万~500万であることが好ましく、10万~300万であることがより好ましく、30万~200万であることが更に好ましいといえる。上記重量平均分子量の下限は、より更に好ましくは50万以上、特に好ましくは90万以上、より特に好ましくは110万以上とすることができる。ポリエーテル重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で標準ポリスチレン換算により算出する。
ポリエーテル重合体のガラス転移温度は、-35℃以下であることが好ましく、-40℃以下であることがより好ましく、-44℃以下であることが更に好ましく、-49℃以下であることがより更に好ましく、-54℃以下であることがより更に好ましく、-59℃以下であることがより更に好ましく、-61℃以下であることが特に好ましい。ポリエーテル重合体のガラス転移温度の下限は、例えば-80℃以上とすることができる。ポリエーテル重合体の結晶融解熱量は、25J/g以下であることが好ましく、22J/g以下であることがより好ましく、19J/g以下であることが更に好ましく、16J/g以下であることが特に好ましく、環境変動指数を低くする点においては8J/g以下であることが特に好ましい。ポリエーテル重合体の結晶融解熱量の下限は、例えば0J/g以上とすることができる。ポリエーテル重合体のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)で得られた値であって、結晶融解熱量は、融解ピークより求めた値である。
〔ポリエーテル重合体の製造方法〕
(A)エチレンオキシド由来の構成単位65~99モル%、(B)炭素数4以上で構成されるオキシラン単量体由来の構成単位35~1モル%、(C)架橋性官能基を有するオキシラン単量体由来の構成単位0~10モル%を含有するポリエーテル重合体の製造は、触媒としてオキシラン化合物を開環重合させ得るものを使用し、温度-20~100℃の範囲で溶液重合法、スラリー重合法等により実施できる。このような触媒としては、例えば有機アルミニウムを主体としこれに水やリンのオキソ酸化合物やアセチルアセトン等を反応させた触媒系、有機亜鉛を主体としこれに水を反応させた触媒系、有機錫-リン酸エステル縮合物触媒系等が挙げられる。例えば本出願人による米国特許第3,773,694号明細書に記載の有機錫-リン酸エステル縮合物触媒系を使用して本発明のポリエーテル共重合体を製造することができる。なお、このような製法により、共重合させる場合、これらの成分を実質上ランダムに共重合することが好ましい。
本発明では、ポリエーテル重合体を、重合させたままの状態で使用する他、該ポリエーテル重合体を架橋してなる架橋物を用いてもよい。
本発明のポリエーテル重合体を架橋してなる架橋物は、ポリエーテル重合体自体を反応させて架橋して得てもよく、架橋性官能基に適した架橋剤とともに加熱することで架橋してもよく、架橋性官能基に適した熱重合開始剤、光反応開始剤(光重合開始剤ともいう)を用い、架橋させて得てもよい。前記架橋は、加熱の他、紫外線などの活性エネルギー線を照射することによっても行うことができる。尚、架橋剤とともに公知の架橋促進剤、架橋促進助剤、架橋遅延剤を本発明において用いることができ、熱重合開始剤、光反応開始剤とともに公知の架橋助剤を本発明において用いることができる。
上記架橋剤として下記のものを使用できる。まず、ポリエーテル重合体における(C)架橋性官能基を有するオキシラン単量体として、ハロゲン含有オキシラン単量体、特に、エピハロヒドリン類やこのエピハロヒドリン類以外のハロゲン置換オキシラン類を用いた場合には、使用できる架橋剤として、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンテトラミン、p-フェニレンジアミン、クメンジアミン、N,N’-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサンジアミン、エチレンジアミンカーバメート、ヘキサメチレンジアミンカーバメート等のポリアミン系架橋剤、エチレンチオウレア、1,3-ジエチルチオウレア、1,3-ジブチルチオウレア、トリメチルチオウレア等のチオウレア系架橋剤、2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール、2-メルカプト-1,3,4-チアジアゾール-5-チオベンゾエート等のチアジアゾール系架橋剤、2,4,6-トリメルカプト-1,3,5-トリアジン、2-メトキシ-4,6-ジメルカプトトリアジン、2-ヘキシルアミノ-4,6-ジメルカプトトリアジン、2-ジエチルアミノ-4,6-ジメルカプトトリアジン、2-シクロヘキサンアミノ-4,6-ジメルカプトトリアジン、2-ジブチルアミノ-4,6-ジメルカプトトリアジン、2-アニリノ-4,6-ジメルカプトトリアジン、2-フェニルアミノ-4,6-ジメルカプトトリアジン等のメルカプトトリアジン系架橋剤、ピラジン-2,3-ジチオカーボネート、5-メチル-2,3-ジメルカプトピラジン、5-エチルピラジン-2,3-ジチオカーボネート、5,6-ジメチル-2,3-ジメルカプトピラジン、5,6-ジメチルピラジン-2,3-ジチオカーボネート等のピラジン系架橋剤、キノキサリン-2,3-ジチオカーボネート、6-メチルキノキサリン-2,3-ジチオカーボネート、6-エチル-2,3-ジメルカプトキノキサリン、6-イソプロピルキノキサリン-2,3-ジチオカーボネート、5,8-ジメチルキノキサリン-2,3-ジチオカーボネート等のキノキサリン系架橋剤、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールS)、1,1-シクロヘキシリデン-ビス(4-ヒドロキシベンゼン)、2-クロロ-1,4-シクロヘキシレン-ビス(4-ヒドロキシベンゼン)、2,2-イソプロピリデン-ビス(4-ヒドロキシベンゼン)(ビスフェノールA)、ヘキサフルオロイソプロピリデン-ビス(4-ヒドロキシベンゼン)(ビスフェノールAF)及び2-フルオロ-1,4-フェニレン-ビス(4-ヒドロキシベンゼン)等のビスフェノール系架橋剤等を挙げることができる。
ポリエーテル重合体における(C)架橋性官能基を有するオキシラン単量体として、アリルグリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジル等のエチレン性不飽和基含有オキシランを用いた場合には、架橋剤として、通常ジエン系ゴムに用いられているものを適用することができ、例えば硫黄、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、モルフォリンジスルフィド等の硫黄系架橋剤、パラベンゾキノンジオキシム、ベンゾイルキノンジオキシム等のキノンジオキシム系架橋剤、ポリメチロールフェノール、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、臭化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂等の樹脂系架橋剤を挙げることができる。
架橋剤の量としては、ポリエーテル重合体100重量部に対して0.1~10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1~5重量部である。
架橋剤を用いた架橋の条件については、加熱温度は100~200℃であり、加熱時間は温度により異なるが、0.5~300分の間で行われるのが通常である。加熱方法としては、金型による圧縮成型、射出成型、蒸気、赤外線或いはマイクロウェーブによる加熱等任意の方法を用いることができる。
本発明に用いることができる熱重合開始剤として、有機過酸化物系開始剤、アゾ化合物系開始剤等から選ばれるラジカル開始剤が挙げられる。
有機過酸化物系開始剤としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル等、架橋用途に通常使用されているものが用いられ、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート等が挙げられる。
アゾ化合物系開始剤としては、アゾニトリル化合物、アゾアミド化合物、アゾアミジン化合物等、架橋用途に通常使用されているものが用いられ、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2'-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2-アゾビス(2-メチル-N-フェニルプロピオンアミジン)・二塩酸塩、2,2'-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]、2,2'-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2'-アゾビス(2-メチルプロパン)、2,2'-アゾビス[2-(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]等が挙げられる。
これらの化合物を、単独で用いる他、2種類以上併用することも可能である。好ましくは有機過酸化物系開始剤が用いられる。
活性エネルギー線は、紫外線、可視光線、電子線等を用いることができる。特に装置の価格、制御のしやすさから紫外線が好ましい。
本発明に用いることができる光反応開始剤として、アルキルフェノン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系開始剤、チタノセン系開始剤、トリアジン系開始剤、ビスイミダゾール系開始剤、オキシムエステル系開始剤などが挙げられる。好ましくは、アルキルフェノン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系開始剤の光反応開始剤が用いられる。光反応開始剤として前述の化合物を、単独で用いる他、2種類以上併用することも可能である。
アルキルフェノン系開始剤の具体例としては、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-[4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル]-2-メチル-プロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オンなどが挙げられる。2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オンが好ましい。
ベンゾフェノン系開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、2-クロロベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、メチル-2-ベンゾイルベンゾエートなどが挙げられる。ベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
アシルフォスフィンオキサイド系開始剤の具体例としては、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイドが好ましい。
架橋反応は、熱による場合は、室温から200℃ぐらいの温度設定で10分から24時間程度加熱することによって行なうことができる。
紫外線による場合は、キセノンランプ、水銀ランプ、高圧水銀ランプおよびメタルハライドランプを用いることができ、例えば、高圧水銀ランプを光源とするUV照射機にて積算露光量1~10000mJ/cm照射することによって行うことができる。
架橋反応に用いられる熱重合開始剤の量はポリエーテル重合体100重量部に対して、下限は0.01重量部以上であることが好ましく、0.1重量部以上であることがより好ましく、上限は10重量部以下であることが好ましく、4重量部以下であることがより好ましい。
架橋反応に用いられる光反応開始剤の量はポリエーテル重合体100重量部に対して、下限は0.01重量部以上であることが好ましく、0.1重量部以上であることがより好ましく、上限は6重量部以下であることが好ましく、4重量部以下であることがより好ましい。
本発明においては、架橋助剤を光反応開始剤と併用してもよい。架橋助剤は、通常、多官能性化合物(例えば、CH=CH-、CH=CH-CH-、CF=CF-、HS-を少なくとも2個含む化合物)である。架橋助剤の具体例は、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N’-m-フェニレンビスマレイミド、ジプロパルギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタールアミド、トリアリルホスフェート、ヘキサフルオロトリアリルイソシアヌレート、N-メチルテトラフルオロジアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、メタンジチオール、1,2-エタンジチオール、1,2-プロパンジチオール、1,3-プロパンジチオール、1,4-ブタンジチオール、1,6-ヘキサンジチオール、1,7-ヘプタンジチオール、1,8-オクタンジチオール、1,9-ノナンジチオール、1,10-デカンジチオール、1,12-ドデカンジチオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジチオール、3-メチル-1,5-ペンタンジチオール、2-メチル-1,8-オクタンジチオール、1,4-シクロヘキサンジチオール、1,4-ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、1,1-シクロヘキサンジチオール、1,2-シクロヘキサンジチオール、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタ-exo-cis-2,3-ジチオール、1,1-ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、ビス(2-メルカプトエチル)エーテル、エチレングリコールビス(2-メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)等のジチオール化合物;1,1,1-トリス(メルカプトメチル)エタン、2-エチル-2-メルカプトメチル-1,3-プロパンジチオール、1,2,3-プロパントリチオール、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリス((メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル)イソシアヌレート等のトリチオール化合物;ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブタネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ-3-メルカプトプロピオネート等のSH基を4個以上有するチオール化合物等の脂肪族ポリチオール化合物、1,2-ジメルカプトベンゼン、1,3-ジメルカプトベンゼン、1,4-ジメルカプトベンゼン、1,2-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2-ビス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、1,3-ビス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、1,4-ビス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、1,2-ビス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3-ビス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,4-ビス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3-トリメルカプトベンゼン、1,2,4-トリメルカプトベンゼン、1,3,5-トリメルカプトベンゼン、1,2,3-トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4-トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5-トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3-トリス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4-トリス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5-トリス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3-トリス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4-トリス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5-トリス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,4-テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,5-テトラメルカプトベンゼン、1,2,4,5-テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,4-テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,5-テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4,5-テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,4-テトラキス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,5-テトラキス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4,5-テトラキス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,4-テトラキス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,5-テトラキス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4,5-テトラキス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、2,2'-ジメルカプトビフェニル、4,4'-チオビス-ベンゼンチオール、4,4'-ジメルカプトビフェニル、4,4'-ジメルカプトビベンジル、2,5-トルエンジチオール、3,4-トルエンジチオール、1,4-ナフタレンジチオール、1,5-ナフタレンジチオール、2,6-ナフタレンジチオール、2,7-ナフタレンジチオール、2,4-ジメチルベンゼン-1,3-ジチオール、4,5-ジメチルベンゼン-1,3-ジチオール、9,10-アントラセンジメタンチオール、1,3-ビス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,4-ビス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2-ビス(2-メルカプトエチルチオメチル)ベンゼン、1,3-ビス(2-メルカプトエチルチオメチル)ベンゼン、1,4-ビス(2-メルカプトエチルチオメチル)ベンゼン、1,2,3-トリス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4-トリス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3,5-トリス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,4-テトラキス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,5-テトラキス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4,5-テトラキス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン等の芳香族ポリチオールなどである。これらの化合物を、単独で用いる他、2種類以上併用することも可能である。
本発明のポリエーテル重合体またはその架橋物の形状は限定されず、例えば塊状である他、繊維、フィルム、シート、ペレット、粉体が挙げられる。
本発明のポリエーテル重合体またはその架橋物は、非帯電性が要求される分野、例えば自動車部品、OA機器、家電製品用部品、電気・電子分野、あるいはその保管・収納ケース、チューブなどの用途で用いられる。本発明のポリエーテル重合体またはその架橋物は、上記分野において、帯電防止材として好ましく用いることができる。以下では、用途として帯電防止材を例に説明する。
前記ポリエーテル重合体またはその架橋物は、ベース(母材)として使用することができる。この場合、ポリエーテル重合体またはその架橋物のみを使用する場合の他、ポリエーテル重合体またはその架橋物に、下記の添加物を含めてもよい。
即ち本発明においては、目的又は必要に応じて、本発明の効果を損なわない限りにおいて、一般のゴム組成物に配合する通常の添加物、たとえば、充填剤、加工助剤、可塑剤、受酸剤、軟化剤、老化防止剤、着色剤、安定剤、接着助剤、離型剤、熱伝導性付与剤、表面非粘着剤、粘着付与剤、柔軟性付与剤、耐熱性改善剤、難燃剤、紫外線吸収剤、耐油性向上剤、発泡剤、スコーチ防止剤、滑剤等の各種添加剤を、本発明のポリエーテル重合体、その架橋物に配合して用いてよい。
帯電防止材としては、前記のポリエーテル重合体を含有する帯電防止材であればよく、前記のポリエーテル重合体のみからなる帯電防止材であってよく、ペレット化、粉体化されていてもよい。
本発明では、前記ポリエーテル重合体またはその架橋物を、導電性付与剤、ゴム、樹脂及び溶媒から選択される少なくとも1種に対し、添加物として使用することもできる。即ち本発明には、前記ポリエーテル重合体、またはその架橋物と;導電性付与剤、ゴム、樹脂及び溶媒から選択される少なくとも1種と;を含有する組成物も含まれる。
例えば前記帯電防止材は、導電性付与剤、樹脂、ゴム、溶媒とともに用いられることにより帯電防止材含有組成物として用いることができる。
本発明の、例えば帯電防止材含有組成物などの組成物に用いる導電性付与剤として、有機スルホン酸アルカリ金属塩を例示することができる。
有機スルホン酸アルカリ金属塩を構成するアルカリ金属の種類としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属が挙げられ、その中でもナトリウム、カリウム、セシウムが好ましく、特にはカリウム及びナトリウムが好ましい。
有機スルホン酸アルカリ金属塩としては、ビス(フルオロアルキルスルホニル)イミドのアルカリ金属塩、トリス(フルオロアルキルスルホニル)メチドのアルカリ金属塩およびトリフルオロアルキルスルホン酸のアルカリ金属塩からなる群より選ばれた塩であることが好ましい。
有機スルホン酸アルカリ金属塩を具体的に例示すると、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムLi(CFSO)N、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリカリウムK(CFSO)N、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドナトリウムNa(CFSO)N、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウムLi(CFSO)C、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドカリウムK(CFSO)C、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドナトリウムNa(CFSO)C、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムLi(CFSO)、トリフルオロメタンスルホン酸カリウムK(CFSO)、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウムNa(CFSO)を例示することができる。これらの化合物を、単独で用いる他、2種類以上併用することも可能である。
導電性付与剤の含有量は特に限定されないが、ポリエーテル重合体100重量部に対して、0.1~30重量部であり、好ましくは0.5重量部以上、より好ましくは1.0重量部以上、さらに好ましくは1.5重量部以上、特に好ましくは2.0重量部以上であり、また、25重量部以下が好ましく、より好ましくは20重量部以下、さらに好ましくは15重量部以下であることが好ましい。
本発明の、例えば帯電防止材含有組成物などの組成物に用いる樹脂としては、熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーであることが好ましく、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、アクリル系樹脂などを用いることができる。熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどを用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
本発明の、例えば帯電防止材含有組成物などの組成物としては、樹脂とポリエーテル重合体の配合量は特に限定されないが、配合量は樹脂100重量部に対して、ポリエーテル重合体が0.01重量部以上配合されることが好ましく、0.05重量部以上配合されることがより好ましく、1重量部以上配合されることが更に好ましく、900重量部以下配合されることが好ましく、600重量部以下配合されることがより好ましく、400重量部以下配合されることが更に好ましい。配合方法は特に限定されず、通常使用されている方法を用いることができ、ロール、押し出し機、ニーダー等を例示することができる。
本発明の、例えば帯電防止材含有組成物などの組成物に用いるゴムとしては、ブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、アクリルゴム、およびこれらの2種以上の混合ゴムを例示することができる。
本発明の、例えば帯電防止材含有組成物などの組成物としては、ゴムとポリエーテル重合体の配合量は特に限定されないが、配合量はゴム100重量部に対して、ポリエーテル重合体が0.01重量部以上配合されることが好ましく、0.05重量部以上配合されることがより好ましく、1重量部以上配合されることが更に好ましく、30重量部以下配合されることが好ましく、20重量部以下配合されることがより好ましく、15重量部以下配合されることが更に好ましい。配合方法は特に限定されず、通常使用されている方法を用いることができ、ロール、押し出し機、ニーダー等を例示することができる。
本発明の、例えば帯電防止材含有組成物などの組成物に用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、トルエン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、クロロホルム、塩化メチレン等が挙げられる。これらの溶媒は1種の単独使用でも2種以上の併用でも良い。
本発明の、例えば帯電防止材含有組成物などの組成物としては、溶媒とポリエーテル重合体の配合量は特に限定されないが、配合量は溶媒100重量部に対して、ポリエーテル重合体が0.01重量部以上配合されることが好ましく、0.05重量部以上配合されることがより好ましく、1重量部以上配合されることが更に好ましく、80重量部以下配合されることが好ましく、60重量部以下配合されることがより好ましく、50重量部以下配合されることが更に好ましい。
本発明の、例えば帯電防止材含有組成物などの組成物として、溶媒を用いた場合には、帯電防止材含有組成物などの組成物は、ポリエーテル重合体を溶媒に溶解させた液状であってもよく、この場合、後述の通りコーティング液として用いることができる。
本発明の、例えば帯電防止材含有組成物などの組成物としては、更に、酸化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、本発明で規定する以外の帯電防止材、滑剤、可塑剤、着色剤、発泡剤、充填剤、顔料、香料、難燃剤、後述する通り、熱重合開始剤、光反応開始剤、架橋助剤等を配合することができる。中でも熱重合開始剤、光反応開始剤、架橋助剤、酸化防止剤又は滑剤を使用することが好ましい。
(成形体)
本発明には、前記ポリエーテル重合体やその架橋物、または前記ポリエーテル重合体を含む組成物を用いて作製された成形体も含まれる。例えば、本発明のポリエーテル重合体またはその架橋物を、単独でまたは前述の添加剤を添加してから、例えば繊維、フィルム、シート、ペレット、粉体等に成形することが挙げられる。
また本発明の組成物は、以下に例示する通り成形することで成形体として用いることができる。成形体としては、繊維、フィルム、シート、ペレット、粉体、基材に対する塗膜等が挙げられる。これらの成形体は、弾性を示す成形体(弾性成形体)であってもよいし、弾性を示さない硬質成形体であってもよい。前記弾性成形体として、弾性ロール等が挙げられる。
前記溶媒とポリエーテル重合体を用いた組成物、例えば溶媒と帯電防止材としてポリエーテル重合体を用いた帯電防止材含有組成物は、コーティング液として用いることができる。コーティング方法として、ロールコート法、グラビアコート法、ディップコート法、スプレーコート法などが挙げられる。これらの方法により、前記樹脂、例えばポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、アクリル系樹脂、またはこれらの2種以上の混合樹脂と、ポリエーテル重合体とを含む組成物を、基材にコーティングして塗膜としての成形体とすることも可能である。
また、本発明の帯電防止材含有組成物に、熱重合開始剤、光反応開始剤、架橋助剤を含有させて、成形時、又は成形後に架橋反応をさせて成形体を得ることができる。架橋は、加熱、又は紫外線などの活性エネルギー線を照射することによって架橋させることができる。
架橋反応は、熱による場合は、室温から200℃ぐらいの温度設定で10分から24時間程度加熱することによって行なうことができる。
紫外線による場合では、キセノンランプ、水銀ランプ、高圧水銀ランプおよびメタルハライドランプを用いることができ、例えば、高圧水銀ランプを光源とするUV照射機にて積算露光量1~10000mJ/cm照射することによって行うことができる。
本発明に用いることができる熱重合開始剤として、有機過酸化物系開始剤、アゾ化合物系開始剤等から選ばれるラジカル開始剤が挙げられる。
有機過酸化物系開始剤としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル等、通常架橋用途に使用されているものが用いられ、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート等が挙げられる。
アゾ化合物系開始剤としてはアゾニトリル化合物、アゾアミド化合物、アゾアミジン化合物等、通常架橋用途に使用されているものが用いられ、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2'-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2-アゾビス(2-メチル-N-フェニルプロピオンアミジン)・二塩酸塩、2,2'-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]、2,2'-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2'-アゾビス(2-メチルプロパン)、2,2'-アゾビス[2-(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]等が挙げられる。
好ましくは有機過酸化物系開始剤が用いられる。これらの化合物を、単独で使用する他、2種類以上併用することも可能である。
活性エネルギー線は、紫外線、可視光線、電子線等を用いることができる。特に装置の価格、制御のしやすさから紫外線が好ましい。
本発明に用いることができる光反応開始剤として、アルキルフェノン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系開始剤、チタノセン系開始剤、トリアジン系開始剤、ビスイミダゾール系開始剤、オキシムエステル系開始剤などが挙げられる。好ましくは、アルキルフェノン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系開始剤の光反応開始剤が用いられる。光反応開始剤として前述の化合物を、単独で用いる他、2種類以上併用することも可能である。
アルキルフェノン系開始剤の具体例としては、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-[4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル]-2-メチル-プロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オンなどが挙げられる。2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オンが好ましい。
ベンゾフェノン系開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、2-クロロベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、メチル-2-ベンゾイルベンゾエートなどが挙げられる。ベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
アシルフォスフィンオキサイド系開始剤の具体例としては、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイドが好ましい。
架橋反応に用いられる熱重合開始剤の量はポリエーテル重合体100重量部に対して、下限は0.01重量部以上であることが好ましく、0.1重量部以上であることがより好ましく、上限は10重量部以下であることが好ましく、4重量部以下であることがより好ましい。
架橋反応に用いられる光反応開始剤の量はポリエーテル重合体100重量部に対して、下限は0.01重量部以上であることが好ましく、0.1重量部以上であることがより好ましく、上限は6重量部以下であることが好ましく、4重量部以下であることがより好ましい。
本発明においては、架橋助剤を光反応開始剤と併用してもよい。架橋助剤は、通常、多官能性化合物(例えば、CH=CH-、CH=CH-CH-、CF=CF-、HS-を少なくとも2個含む化合物)である。架橋助剤の具体例は、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N’-m-フェニレンビスマレイミド、ジプロパルギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタールアミド、トリアリルホスフェート、ヘキサフルオロトリアリルイソシアヌレート、N-メチルテトラフルオロジアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、メタンジチオール、1,2-エタンジチオール、1,2-プロパンジチオール、1,3-プロパンジチオール、1,4-ブタンジチオール、1,6-ヘキサンジチオール、1,7-ヘプタンジチオール、1,8-オクタンジチオール、1,9-ノナンジチオール、1,10-デカンジチオール、1,12-ドデカンジチオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジチオール、3-メチル-1,5-ペンタンジチオール、2-メチル-1,8-オクタンジチオール、1,4-シクロヘキサンジチオール、1,4-ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、1,1-シクロヘキサンジチオール、1,2-シクロヘキサンジチオール、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタ-exo-cis-2,3-ジチオール、1,1-ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、ビス(2-メルカプトエチル)エーテル、エチレングリコールビス(2-メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)等のジチオール化合物;1,1,1-トリス(メルカプトメチル)エタン、2-エチル-2-メルカプトメチル-1,3-プロパンジチオール、1,2,3-プロパントリチオール、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリス((メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル)イソシアヌレート等のトリチオール化合物;ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブタネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ-3-メルカプトプロピオネート等のSH基を4個以上有するチオール化合物等の脂肪族ポリチオール化合物、1,2-ジメルカプトベンゼン、1,3-ジメルカプトベンゼン、1,4-ジメルカプトベンゼン、1,2-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2-ビス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、1,3-ビス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、1,4-ビス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、1,2-ビス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3-ビス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,4-ビス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3-トリメルカプトベンゼン、1,2,4-トリメルカプトベンゼン、1,3,5-トリメルカプトベンゼン、1,2,3-トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4-トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5-トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3-トリス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4-トリス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5-トリス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3-トリス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4-トリス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5-トリス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,4-テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,5-テトラメルカプトベンゼン、1,2,4,5-テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,4-テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,5-テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4,5-テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,4-テトラキス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,5-テトラキス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4,5-テトラキス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,4-テトラキス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,5-テトラキス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4,5-テトラキス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、2,2'-ジメルカプトビフェニル、4,4'-チオビス-ベンゼンチオール、4,4'-ジメルカプトビフェニル、4,4'-ジメルカプトビベンジル、2,5-トルエンジチオール、3,4-トルエンジチオール、1,4-ナフタレンジチオール、1,5-ナフタレンジチオール、2,6-ナフタレンジチオール、2,7-ナフタレンジチオール、2,4-ジメチルベンゼン-1,3-ジチオール、4,5-ジメチルベンゼン-1,3-ジチオール、9,10-アントラセンジメタンチオール、1,3-ビス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,4-ビス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2-ビス(2-メルカプトエチルチオメチル)ベンゼン、1,3-ビス(2-メルカプトエチルチオメチル)ベンゼン、1,4-ビス(2-メルカプトエチルチオメチル)ベンゼン、1,2,3-トリス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4-トリス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3,5-トリス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,4-テトラキス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,5-テトラキス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4,5-テトラキス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン等の芳香族ポリチオールなどである。これらの化合物を、単独で用いる他、2種類以上併用することも可能である。
本発明の成形体は、前述の通り、繊維、フィルム、シート、ペレット、粉体の他、基材に対する塗膜等の形状とすることができる。本発明の成形体は、各種成形品として、非帯電性が要求される分野、例えば自動車部品、OA機器、家電製品部品、電気・電子分野、あるいはその保管・収納ケース、チューブなどの用途で用いられる。特に、前記低温・低湿度条件、及び高温・高湿度条件において、安定した表面抵抗値を有するポリエーテル重合体は、帯電防止材として好適に用いられる。
本願は、2016年6月6日に出願された日本国特許出願第2016-112994号および2016年10月17日に出願された日本国特許出願第2016-203895号に基づく優先権の利益を主張するものである。2016年6月6日に出願された日本国特許出願第2016-112994号の明細書の全内容および2016年10月17日に出願された日本国特許出願第2016-203895号の明細書の全内容が、本願の参考のため援用される。
以下、本発明を実施例、比較例により具体的に説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
<重合体の分析>
実施例・比較例で得られたポリエーテル重合体の共重合組成は、ポリエーテル重合体を重クロロホルムに溶解し、H-NMRにより各ユニットの積分値を求め、その算出結果から組成比を求めた。装置としては、日本電子株式会社製のJNM GSX-270型を用いた。
実施例・比較例で得られたポリエーテル重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、以下の方法により求めた。
装置:株式会社島津製作所製GPCシステム
カラム:昭和電工株式会社製Shodex KD-807、KD-806M、KD-806、KD-803
検出器:示差屈折計
溶媒:ジメチルホルムアミド(リチウムブロマイド1mmol/L)
流速:1mL/min
カラム温度:60℃
分子量標準物質:昭和電工株式会社製標準ポリスチレン
(ガラス転移温度(Tg)、結晶融解熱量(ΔHc)の測定)
実施例・比較例で得られたポリエーテル重合体のガラス転移温度(Tg)と結晶融解熱量(ΔHc)を次の様にして測定した。即ち、エスアイアイテクノロジー社製の示差走査熱量計「DSC6220」を用いて、測定用アルミパンに試料10mgをつめて、加熱速度を10℃/分で180℃まで昇温し、同温度で3分間保持した後、冷却速度10℃/分で-100℃まで降温し、同温度で3分間保持した後、再度10℃/分で180℃まで昇温した際のサーモグラムからガラス転移温度(Tg)を求めた。結晶融解熱量(ΔHc)は、2回目の昇温過程における融解に伴う発熱ピークの面積より求めた。
<重合用触媒の製造>
重合用触媒の製造攪拌機、温度計、及びコンデンサーを備えた三つ口フラスコにトリブチル錫クロライド10g、及びトリブチルフォスフェート35gを投入し、窒素気流下に攪拌しながら250℃で20分間加熱して留出物を留去させ、残留物として室温で固体状の縮合物を得た。以降これを重合用触媒として使用した(以下、縮合物触媒と記載する。)。
(実施例1)
内容量10Lのジャケット付きステンレス製反応器の内部を窒素置換し、上記縮合物触媒10g、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル(EHGEとも記載する)443g、メタクリル酸グリシジル(GMAとも記載する)70g、及び溶媒としてノルマルヘキサン4126gを仕込み、エチレンオキシド(EOとも記載する)355gは2-エチルヘキシルグリシジルエーテルの重合率をガスクロマトグラフィーで追跡しながら、逐次添加した。反応温度を28℃に維持したまま8時間後にメタノール16gを加えて重合反応を停止した。デカンテーションにより粒子状の重合体を取り出した後、減圧下、40℃で8時間乾燥してポリエーテル共重合体251gを得た。得られたポリエーテル共重合体の共重合組成は、エチレンオキシド由来の構成単位86モル%、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル由来の構成単位11モル%、メタクリル酸グリシジル由来の構成単位3モル%であった。得られたポリエーテル共重合体の共重合組成、及び重量平均分子量については表1に示す。
(実施例2)
重合時の仕込み物及びその量を、縮合物触媒10g、1,2-エポキシヘキサン(EHとも記載する)580g、メタクリル酸グリシジル110g、及びノルマルヘキサン3750gとし、エチレンオキシドの量を399gとした以外は実施例1と同様の手順でポリエーテル共重合体517gを得た。得られたポリエーテル共重合体の共重合組成は、エチレンオキシド由来の構成単位74モル%、1,2-エポキシヘキサン由来の構成単位22モル%、メタクリル酸グリシジル由来の構成単位4モル%であった。得られたポリエーテル共重合体の共重合組成、及び重量平均分子量については表1に示す。
(実施例3)
重合時の仕込み物及びその量を、縮合物触媒10g、1,2-エポキシブタン(EBとも記載する)480g、メタクリル酸グリシジル126g、及びノルマルヘキサン3750gとし、エチレンオキシドの量を644gとした以外は実施例1と同様の手順でポリエーテル共重合体806gを得た。尚、エチレンオキシドは1,2-エポキシブタンの重合率をガスクロマトグラフィーで追跡しながら、逐次添加した。得られたポリエーテル共重合体の共重合組成は、エチレンオキシド由来の構成単位68モル%、1,2-エポキシブタン由来の構成単位28モル%、メタクリル酸グリシジル由来の構成単位4モル%であった。得られたポリエーテル共重合体の共重合組成、及び重量平均分子量については表1に示す。
(比較例1)
内容量10Lのジャケット付きステンレス製反応器の内部を窒素置換し、上記縮合物触媒10g、プロピレンオキシド(POとも記載する)144g及び溶媒としてノルマルヘキサン3750gを仕込み、エチレンオキシド1106gはプロピレンオキシドの重合率をガスクロマトグラフィーで追跡しながら、逐次添加した。反応温度を28℃に維持したまま8時間後にメタノール16gを加えて重合反応を停止した。デカンテーションにより粒子状の重合体を取り出した後、減圧下、40℃で8時間乾燥してポリエーテル共重合体1086gを得た。得られたポリエーテル共重合体の共重合組成は、プロピレンオキシド由来の構成単位9モル%、エチレンオキシド由来の構成単位91モル%であった。得られたポリエーテル共重合体の共重合組成、及び重量平均分子量については表1に示す。
(比較例2)
重合時の仕込み物及びその量を、縮合物触媒10g、プロピレンオキシド59g、アリルグリシジルエーテル(AGEとも記載する)175g、及びノルマルヘキサン3750gとし、エチレンオキシドの量を1015gとした以外は比較例1と同様の手順でポリエーテル共重合体1007gを得た。尚、エチレンオキシドはプロピレンオキシドの重合率をガスクロマトグラフィーで追跡しながら、逐次添加した。得られたポリエーテル共重合体の共重合組成は、プロピレンオキシド由来の構成単位4モル%、エチレンオキシド由来の構成単位モル90%、アリルグリシジルエーテル由来の構成単位6モル%であった。得られたポリエーテル共重合体の共重合組成、及び重量平均分子量については表1に示す。
(比較例3)
重合時の仕込み物及びその量を、縮合物触媒10g、フェニルグリシジルエーテル(PhGEとも記載する)536g、メタクリル酸グリシジル68g、及びノルマルヘキサン4050gとし、エチレンオキシドの量を346gとした以外は実施例1と同様の手順でポリエーテル共重合体881gを得た。得られたポリエーテル共重合体の共重合組成は、エチレンオキシド由来の構成単位66モル%、フェニルグリシジルエーテル由来の構成単位30モル%、メタクリル酸グリシジル由来の構成単位4モル%であった。得られたポリエーテル共重合体の共重合組成、及び重量平均分子量については表1に示す。
上記実施例1~3および比較例1~3で得られたポリエーテル共重合体の表面抵抗値と吸水率を後記の通り測定するため、下記の通り試験片を作製した。
<試験片の作製>
実施例1~3のポリエーテル共重合体及び比較例1~3のポリエーテル共重合体それぞれを金型の上に敷き詰め、160℃に温度設定した真空加熱プレス機で2分間プレスすることにより、1mm厚のポリマーシートを成形し、実施例1~3、及び比較例1~3の試験片とした。
<試験片の乾燥>
実施例1~3、及び比較例1~3の各試験片に対し、露点-50℃に調整されたドライブースにおいて48時間状態調節後、試験片の重量を測定した。その重量を乾燥状態における重量とした。
<23℃、50%RHにおける表面抵抗値、吸水率の測定>
乾燥させた実施例1~3、及び比較例1~3の各試験片に対し、温度23℃、湿度50%RH(以下「23℃×50%RH」または「23℃50%」と示すことがある)に調節した恒温恒湿槽内で48時間状態調節し、同恒温恒湿槽内で表面抵抗値の測定を行った。測定は絶縁抵抗計(三菱化学株式会社製、ハイレスタUX MCP-HT800)を用いて、100ボルトの電圧を印加し、1分後の抵抗値を読み取り表面抵抗値を算出した。測定結果は表1に記載した。
また、温度23℃、湿度50%RHに調節した恒温恒湿槽内で48時間状態調節した試験片の重量を測定し、乾燥状態における試験片の重量からの増加率を以下の式より算出して、23℃、50%RHにおける吸水率として、表1に併記した。
23℃、50%RHにおける吸水率(重量%)=((温度23℃、湿度50%RHで状態調節されたポリエーテル重合体の重量-乾燥状態におけるポリエーテル重合体の重量)/乾燥状態におけるポリエーテル重合体の重量)×100
<10℃、15%RHにおける表面抵抗値と35℃、85%RHにおける表面抵抗値の測定>
また、表1の実施例2、3および比較例1、2については、10℃、15%RHにおける表面抵抗値と35℃、85%RHにおける表面抵抗値も、下記の通り測定した。
即ち、乾燥させた実施例2~3、及び比較例1~2の各試験片に対し、温度10℃、湿度15%RH(低温低湿条件、以下「10℃×15%RH」または「10℃15%」と示すことがある。)に調節した恒温恒湿槽内で48時間状態調節し、同恒温恒湿槽内で各例の表面抵抗値の測定を行った。
乾燥させた実施例2~3、及び比較例1~2の各試験片に対し、温度35℃、湿度85%RH(高温高湿条件、以下「35℃×85%RH」または「35℃85%」と示すことがある)に調節した恒温恒湿槽内で48時間状態調節し、同恒温恒湿槽内で各例の表面抵抗値の測定を行った。
測定は絶縁抵抗計(三菱化学株式会社製、ハイレスタUX MCP-HT800)を用いて、100ボルトの電圧を印加し、1分後の抵抗値を読み取り表面抵抗値を算出した。測定結果は表2に記載した。
<外観変化評価>
乾燥させた実施例1~3、及び比較例1~3の各試験片を温度35℃、湿度85%RHに調節した恒温恒湿槽内で48時間状態調節し、高温高湿環境下における外観変化を以下の基準で目視評価を行った。その結果を表1に示す。
○:そり変形なし
×:そり変形あり
Figure 0007031582000001
Figure 0007031582000002
実施例、及び比較例で得られた各ポリエーテル共重合体の評価は次の通りである。表1中、吸水率が1%前後である実施例1~3のポリエーテル共重合体は、高温高湿環境時における外観変化の点で優れていることが明らかである。エチレンオキシドと共重合可能なアルキルオキシランのうち、本発明範囲外である炭素数3で構成されるプロピレンオキシドを用いた比較例1~2のポリエーテル共重合体は実施例1~3の共重合体と表面抵抗値は遜色ないものの、吸水率が高く、高温高湿環境下における外観変化の点で著しく劣る。比較例3のポリエーテル共重合体は表面抵抗値が高く、半導電性と吸水率のバランス特性において、実施例1~3のポリエーテル共重合体に劣る。
また表2中、実施例2~3のポリエーテル共重合体は、低温・低湿度条件、及び高温・高湿度条件において、1.0×10~1.0×1012(Ω/sq.)の表面抵抗値を有するポリエーテル重合体であり、比較例1、2のポリエーテル共重合体は低温・低湿度条件、及び高温・高湿度条件において、幅の広い表面抵抗値を有することになり、帯電防止材等の用途で好ましくない結果であった。
<成形体の実施例>
(実施例4)
実施例3で得られたポリエーテル共重合体をテトラヒドロフランに固形分濃度15重量%になるように溶解後、光重合開始剤イルガキュア907(2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン)をポリエーテル共重合体100重量部に対して、1.5重量部加え均一な溶液を調製した。PETフィルム上に一定量の溶液を垂らした後、アプリケーターでコーティングし、テトラヒドロフランを蒸発させることで均一な100μm膜厚のフィルムを作成した。高圧水銀ランプを光源とするUV照射機にて、1J/cm照射し架橋フィルム(成形体)を得た。
<成形体の乾燥>
実施例4の成形体に対し、露点-50℃に調整されたドライブースにおいて48時間状態調節を行った。
<表面抵抗値の測定>
乾燥させた実施例4の成形体に対し、温度10℃、湿度15%RH(低温低湿条件)に調節した恒温恒湿槽内で48時間状態調節し、同恒温恒湿槽内で上記成形体の表面抵抗値の測定を行った。
乾燥させた実施例4の成形体に対し、温度23℃、湿度50%RHに調節した恒温恒湿槽内で48時間状態調節し、同恒温恒湿槽内で上記成形体の表面抵抗値の測定を行った。
また、乾燥させた実施例4の成形体に対し、温度35℃、湿度85%RH(高温高湿条件)に調節した恒温恒湿槽内で48時間状態調節し、同恒温恒湿槽内で上記成形体の表面抵抗値の測定を行った。
測定は絶縁抵抗計(三菱化学株式会社製、ハイレスタUX MCP-HT800)を用いて、100ボルトの電圧を印加し、1分後の抵抗値を読み取り表面抵抗値を算出した。測定結果は表3に記載した。
<環境変動評価>
上記表面抵抗値の測定で得られた10℃×15%RH環境下、23℃×50%RH環境下、35℃×85%RH環境下、それぞれの表面抵抗値をもとに、23℃×50%RH(標準環境)に対する表面抵抗値の環境変動値を求めた。その結果を表3に示す。尚、標準環境に対する表面抵抗値の変化が小さいほど環境依存性が小さいことになる。
上記表面抵抗値の環境変動値は、10℃×15%RH環境下での表面抵抗値の常用対数と23℃×50%RH環境下での表面抵抗値の常用対数の差と、23℃×50%RH環境下での表面抵抗値の常用対数と35℃×85%RH環境下での表面抵抗値の常用対数の差の、両数値の差より算出される。より具体的には以下の計算式で算出される。
表面抵抗値の環境変動値=[log10(10℃×15%RHでの表面抵抗値)-log10(23℃×50%RHでの表面抵抗値)]-[log10(23℃×35%RHでの表面抵抗値)-log10(35℃×85%RHでの表面抵抗値)]
Figure 0007031582000003
次に、導電性付与剤を添加した実施例として、下記の実施例5、6および実施例7を示す。
(実施例5)
実施例3で得られたポリエーテル共重合体をテトラヒドロフランに固形分濃度15重量%になるように溶解後、光重合開始剤イルガキュア907(2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン)をポリエーテル共重合体100重量部に対して1.5重量部と、ナトリウム塩(トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、東京化成工業株式会社製)を、ポリエーテル共重合体100重量部に対して、5重量部を加え均一な溶液を調製した。PETフィルム上に一定量の溶液を垂らした後、アプリケーターでコーティングし、テトラヒドロフランを蒸発させることで均一な100μm膜厚のフィルムを作成した。高圧水銀ランプを光源とするUV照射機にて、1J/cm照射し架橋フィルム(成形体)を得た。
(実施例6)
実施例3で得られたポリエーテル共重合体をテトラヒドロフランに固形分濃度15重量%になるように溶解後、光重合開始剤イルガキュア907(2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン)をポリエーテル共重合体100重量部に対して1.5重量部と、カリウム塩(トリフルオロメタンスルホン酸カリウム、東京化成工業株式会社製)を、ポリエーテル共重合体100重量部に対して、10重量部を加え均一な溶液を調製した。PETフィルム上に一定量の溶液を垂らした後、アプリケーターでコーティングし、テトラヒドロフランを蒸発させることで均一な100μm膜厚のフィルムを作成した。高圧水銀ランプを光源とするUV照射機にて、1J/cm照射し架橋フィルム(成形体)を得た。
上記実施例5および実施例6で得られた成形体について、上記実施例4と同様にして、表面抵抗値の測定と環境変動評価を行った。その結果を下記表4に示す。
Figure 0007031582000004
(実施例7)
実施例3で得られたポリエーテル共重合体20重量部とカリウム塩(トリフルオロメタンスルホン酸カリウム、東京化成工業株式会社製)5重量部、ABS樹脂(EX-18A、UMGABS株式会社製)75重量部とをブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて溶融混練して、樹脂組成物を得た。上記樹脂組成物を射出成形機(型番「SE18DUZ」、住友重機械工業株式会社製)を用い、シリンダー温度250℃、金型温度70℃の条件で成形し、成形品を得た。そして該成形品から試験片(40mm角、1mm厚)を切り出して得た。この試験片について、上記実施例4と同様にして、表面抵抗値の測定と環境変動評価を行った。その結果を下記表5に示す。
Figure 0007031582000005
次に、本発明のポリエーテル共重合体を用いて得た成形品(実施例8)と、本発明以外のポリエーテル共重合体を用いて得た成形品(比較例3)の特性を比較した。
(実施例8)
実施例3で得られたポリエーテル共重合体20重量部とABS樹脂(EX-18A、UMGABS株式会社製)80重量部とを、ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて溶融混練して、樹脂組成物を得た。上記樹脂組成物を射出成形機(型番「SE18DUZ」、住友重機械工業株式会社製)を用い、シリンダー温度250℃、金型温度70℃の条件で成形し、成形品を得た。そして該成形品から試験片(40mm角、1mm厚)を切り出して得た。
(比較例3)
実施例3で得られたポリエーテル共重合体20重量部を比較例2で得られたポリエーテル共重合体20重量部に変更した以外は、実施例8と同様の操作を行い、試験片を得た。
上記各試験片について、上記実施例4と同様にして、表面抵抗値の測定と環境変動評価を行った。その結果を下記表6に示す。
<外観評価>
上記試験片を23℃の水に7日間浸漬し、下記の通り、表面に水ぶくれが発生したか否かで外観を評価した。その結果を下記表6に示す。
水ぶくれが発生しない(外観が良好):○
水ぶくれが発生した(外観が不良):×
Figure 0007031582000006
上記実施例4~8および比較例3の結果から、本発明のポリエーテル共重合体を成形品の製造に用いれば、ポリエーテル共重合体との混合対象が様々であっても、得られた成形品の表面抵抗値の環境変動を抑えられることがわかる。
本発明のポリエーテル重合体は以上のように構成されており、表面抵抗値が、23℃、50%RHの条件下;と、10℃、15%RHと35℃、85%RHの条件下;の少なくともいずれかで所定の範囲内にあり、優れた半導電性を示すと共に、吸水率とのバランス特性に優れ、形状安定性に優れている。特に本発明の低温・低湿度条件、及び高温・高湿度条件において、安定した表面抵抗値を有する。ポリエーテル共重合体は、樹脂やゴムに混合し帯電防止材として利用されているが、今後はゴムとしての弾性や耐薬品性、耐熱性等を併せ持つ帯電防止素材単体としての利用も期待される。

Claims (5)

  1. ポリエーテル重合体、またはその架橋物を含む帯電防止材であって、
    前記ポリエーテル重合体は、23℃、50%RHにおける吸水率が1.5重量%以下であり、かつ表面抵抗値が1.0×1012(Ω/sq.)以下であることを特徴とし、
    前記ポリエーテル重合体は、(A)エチレンオキシド由来の構成単位65~90モルパーセント、(B)炭素数4以上で構成されるオキシラン単量体由来の構成単位30~8モルパーセント、(C)架橋性官能基を有するオキシラン単量体由来の構成単位1~8モルパーセントを含有し、
    前記炭素数4以上で構成されるオキシラン単量体が、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、または炭素数4~10で構成されるアルキレンオキシドである帯電防止材
  2. 前記ポリエーテル重合体の10℃、15%RHにおける表面抵抗値、及び、35℃、85%RHにおける表面抵抗値がいずれも1.0×108~1.0×1012(Ω/sq.)であることを特徴とする請求項1に記載の帯電防止材
  3. 前記(C)架橋性官能基を有するオキシラン単量体がメタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテルであることを特徴とする請求項またはに記載の帯電防止材
  4. 請求項1~のいずれかに記載の帯電防止材と;導電性付与剤、ゴム、樹脂及び溶媒から選択される少なくとも1種と;を含有する帯電防止材含有組成物。
  5. 請求項1~のいずれかに記載の帯電防止材または帯電防止材含有組成物を用いて作製された成形体。
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