JP7029068B2 - タングステン酸化物の処理方法及び六フッ化タングステンの製造方法 - Google Patents

タングステン酸化物の処理方法及び六フッ化タングステンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、タングステン酸化物を六フッ化タングステンと化学反応させて、タングステン酸フッ化物へ変換させる処理方法などに関する。
金属タングステンおよびタングステン化合物を化学気相蒸着する際の前駆体として、六フッ化タングステンが知られている。これら前駆体の工業的な製造方法として、反応式(1-1)~(1-2)に示すように、金属タングステンとフッ素又は三フッ化窒素を接触させる方法が知られている。
W+3F→WF …反応式(1-1)
W+2NF→WF+N …反応式(1-2)
六フッ化タングステンの工業的な製造方法では、金属タングステンが使用されているが、大気に一度でも暴露された金属タングステンは表面酸化物で覆われている。この酸化物は、反応式(2-1)、(2-2)、(3-1)、(3-2)に示すように、F及びNFによってタングステン酸フッ化物及び六フッ化タングステンに転化される。しかし、これらの転化反応は、金属タングステンとF、及びNFとの反応(反応式(1-1)、(1-2))よりも、見掛けの反応速度が遅いため、反応初期ではFとNFの転化率が低下する。
WO+2F→WOF+O …反応式(2-1)
WO+4/3NF→WOF+O+2/3N …反応式(2-2)
WOF+F→WF+1/2O…反応式(3-1)
WOF+2/3NF→WF+1/3N+1/2O…反応式(3-2)
そこで、転化率を向上させるために、金属タングステンの表面酸化物を除去することが求められる。
金属タングステンの表面酸化物を除去するための考えられる一つ目の方法は、酸化物を還元させる方法であり、還元剤が水素ガスの場合、温度800K以上でタングステン酸化物は還元されて金属タングステンに変換されることが報告されている(反応式(4)参照)。
WO+xH→W+xHO …反応式(4)
二つ目の方法として、排気系内に堆積したタングステン酸化物とFまたはフッ素含有ハロゲン間化合物(ClF、ClF、ClF、BrF、BrF、BrF、IF、IF、IF等)とを接触させ、タングステン酸化物を蒸気圧の高い化合物に変換して除去する方法が開示されている(特許文献1参照)。
フッ化ナトリウムを成型助剤として成型したタングステン酸化物と、フッ素又は三フッ化窒素を400℃程度で反応させ、六フッ化タングステンを得る方法が開示されている(特許文献2、3参照)。この方法から、三つ目の方法として、酸化物にFとNFを接触させ、六フッ化タングステンに変換して除去できることが予想される(反応式(5-1)、(5-2)参照)。
WO+3F→WF+3/2O …反応式(5-1)
WO+2NF→WF+3/2O+N …反応式(5-2)
四つ目の方法として、アルカリ水溶液(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)を酸化物に接触させて、タングステン酸塩に変換させることで酸化物を除去する方法が考えられる(反応式(6-1)、(6-2)参照)。
WO+2NaOH(aq)→NaWO(aq)+HO …反応式(6-1)
WO+2KOH(aq)→KWO(aq)+HO …反応式(6-2)
表1にWF、WOF、WOの1気圧での沸点と融点を示す。
Figure 0007029068000001
特開平9-249975号公報 特開平1-234302号公報 特開平1-234304号公報
しかしながら、タングステン酸化物を金属タングステンに還元するために水素ガスを利用する前記反応式(4)の方法を、工業的規模の製造を行う装置に適用する場合、可燃性ガスの水素を利用するため、支燃性ガスである六フッ化タングステン、フッ素、及び三フッ化窒素との接触で爆発的に反応するおそれがあり危険を伴う。また、還元させる際の温度が500℃以上と高く、さらに、還元により生じた水分を除去する必要があるため、適用することは難しい。
また、特許文献1に記載の方法は、ハロゲン間化合物に含まれる塩素、臭素、ヨウ素が六フッ化タングステンに不純物として混入するおそれがあるため、適用することが難しい。また、ハロゲン間化合物の反応性が高いため、酸化物だけでなく、下地層、例えば金属タングステンやウエハ基板など、とも反応するため、適用することが難しい。
特許文献2、3による酸化膜の除去方法(前記反応式(5-1)、(5-2))については、生成する酸素が金属タングステンと反応して再び酸化物を形成するため、除去するために時間を要する。また、フッ素と三フッ化窒素は反応性が高いため、酸化物だけでなく、下地層のタングステンとも前記の反応式(1-1)、(1-2)のとおり優先的に且つ局所的に反応するため、金属タングステンの酸化物を均一且つ選択的に除去させることが難しい。
アルカリ水溶液による酸化膜の湿式除去方法は、タングステン酸化物を効率良く除去できるが、水分を除去するのに乾燥させる際に再度酸化膜が形成されるため、適用することが難しい。
本発明の課題は、反応温度が500℃未満で、かつ反応によって酸素及び水を生成させることなく、金属タングステンに対して選択的にタングステン酸化物を蒸気圧の高い物質へ変換する方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、六フッ化タングステンは金属タングステンとほとんど反応しないが、タングステン酸化物を六フッ化タングステンに接触させると、反応式(7)に示す反応などにより、蒸気圧の高いタングステン酸フッ化物に転化され、タングステン酸化物を除去できることに着目し、本発明にいたった。
WO+2WF→3WOF …反応式(7)
本発明によれば、反応温度が500℃未満で、かつ反応によって酸素及び水を生成させることなく、金属タングステンに対して選択的にタングステン酸化物を蒸気圧の高い物質へ変換することができる。
本発明の一実施形態に係る自然酸化膜の処理装置10を示す図である。 本発明の他の実施形態に係るタングステン酸化物膜の処理装置20を示す図である。 実施例・比較例における処理装置30を示す図である。
本発明のタングステン酸化物の処理方法などの実施形態を、詳細に説明する。しかしながら、本発明は、以下に示す実施の形態に限定されるものではない。
本発明のタングステン酸化物の処理方法は、一般式WO(0<x≦3)で表されるタングステン酸化物を六フッ化タングステンと温度0℃以上500℃未満で接触させて、化学反応によって、蒸気圧の高いタングステン酸フッ化物WO6-2y(0<y<3)へ変換することを特徴とする。タングステン酸化物としては、例えば、WO、WO、Wからなる群から選ばれる物質を挙げることができ、タングステン酸フッ化物としては、例えば、WOF、WOからなる群から選ばれる物質を挙げることができる。六フッ化タングステンは、金属タングステンとほとんど反応せず、金属タングステンに対して選択的にタングステン酸化物と反応する。
例えば、タングステン酸化物WO(融点1400℃、沸点1800℃)を六フッ化タングステンWFと接触させると、前述の反応式(7)に示すように、化学反応によって酸素を発生させることなく、タングステン酸フッ化物WOF(融点106℃、沸点187℃)に変換することができる。WOFは、WOよりも遥かに蒸気圧が高いため、80℃程度で容易に除去される。
<温度>
タングステン酸化物と六フッ化タングステンが接触するときの温度として、0℃以上500℃未満であることが好ましく、80℃以上350℃以下であることがより好ましい。0℃未満では六フッ化タングステンが固化して、タングステン酸化物との反応が遅くなるため好ましくない。80℃未満ではタングステン酸化物と六フッ化タングステンは反応し、タングステン酸フッ化物WOFが生成するが、生成物を気化させるための後処理が別途必要となる。後処理の方法は特に限定されないが、例えば、加熱、脱気、不活性ガスによるパージなどがある。不活性ガスとしては、金属タングステン、六フッ化タングステンと反応しない材料、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、四フッ化炭素などを使用することができる。350℃を超える場合、本発明を実施するための容器の材質が制限されるため好ましくない。500℃以上の場合、本発明を実施するための容器の材質が更に制限されるため好ましくない。特に、180℃以上であると、短時間でタングステン酸化物をタングステン酸フッ化物に変換することができる点で好ましい、
<六フッ化タングステンとタングステン酸化物の接触方法>
タングステン酸化物と接触させる際の六フッ化タングステンの状態として、液体及び気体の状態を選択することができるが、六フッ化タングステンは融点2℃、沸点17℃であることから、取扱いやすい気体の状態が好ましい。
タングステン酸化物と六フッ化タングステンを接触させる方法として、バッチ式、連続式の何れでもよい。六フッ化タングステンは静止(固定)していてもよく、移動(流動)していてもよい。接触されるタングステン酸化物についても同様である。
<六フッ化タングステンの供給方法>
タングステン酸化物と接触させる際の六フッ化タングステンの供給方法として、タングステン酸化物に接触するガス中に六フッ化タングステンが含まれていればよく、六フッ化タングステンを直接供給する方法だけに限定されず、間接的に供給する方法でもよい。間接的に供給する方法として、例えば、原料としてフッ素、三フッ化窒素、及び金属タングステンを使用して反応式(1-1)、(1-2)によって生成した六フッ化タングステンを接触させてもよい。但し、未反応のフッ素、三フッ化窒素が六フッ化タングステンに含まれている場合、未反応のフッ素、三フッ化窒素が処理対象となるタングステン酸化物の下地層と反応するおそれがあるため、フッ素、三フッ化窒素の転化率は99%以上が好ましい。
<六フッ化タングステンとタングステン酸化物を接触させる際の雰囲気>
タングステン酸化物と六フッ化タングステンを接触させるとき、容器及び装置の雰囲気に水分及び酸素が含まれると、タングステン酸化物の下地層が酸化されるおそれがあるため、水分及び酸素が極力含まれない、例えば、水分と酸素の濃度が100体積ppm未満の雰囲気が好ましい。容器及び装置の雰囲気として、不活性ガスを挙げることができる。
<圧力>
六フッ化タングステンとタングステン酸化物を接触させる際の圧力が絶対圧で0.01kPa以上300kPa以下であることが好ましく、絶対圧で0.01kPa以上100kPa以下であることがより好ましい。絶対圧0.01kPa未満では、圧力を保持するための設備の負荷が大きくなるため、好ましくない。300kPa以上では、六フッ化タングステンが液化する可能性がある上に、装置から六フッ化タングステンが漏えいするおそれがあるため好ましくない。
(金属タングステンの自然酸化膜のクリーニング方法)
本発明のタングステン酸化物の処理方法を用いたクリーニング方法の一実施形態を、図1を用いて説明する。図1に示す自然酸化膜の処理装置10は、自然酸化膜を有する金属タングステン11が充填された容器12、金属タングステン供給器13、六フッ化タングステンガス供給器14、不活性ガス供給器15、排出ライン16で構成される。金属タングステン供給器13からは、金属タングステンが供給される。金属タングステンの形状は特に限定されないが、粉末状、粒状、塊状、棒状、板状などの形状が挙げられる。排出ライン16の後段は図示しない真空脱気ポンプ及び無害化装置に接続されている。処理装置10は図示しない温度調整器によって温度制御できる。
以下、金属タングステンの自然酸化膜のクリーニング方法を説明する。金属タングステン供給器13から容器12に金属タングステン11を供給する。排出ライン16と不活性ガス供給器15を用いて、容器12を複数回ガス置換する。容器12を減圧にして、六フッ化タングステン供給器14から六フッ化タングステンを供給し、反応式(7)の進行によって圧力が減少する。容器12を所定温度に加熱し、所定時間経過後、排出ライン16から、未反応の六フッ化タングステンガス、及び生成した酸フッ化金属をガスとして排気する。なお、不活性ガス供給器15から不活性ガスを供給しながら、不活性ガスを同伴させて排出ライン16から酸フッ化金属をガスとして排気してもよい。
金属タングステン供給器13から容器12に金属タングステン11を供給する方法として、連続的及び間欠的、いずれの供給方式でもよい。金属タングステン供給器13の雰囲気は通常は不活性ガスであるが、雰囲気に六フッ化タングステンガスを添加して、金属タングステンを供給する際に六フッ化タングステンガスを同伴させてもよい。供給する方法として、例えば、ホッパーにロータリーバルブ、スクリューフィーダー、テーブルフィーダー、ビンディスチャージャーなどの供給器を接続し、容器12に供給する方法を用いることができる。また、ホッパーから容器12に直接、自由落下によって供給してもよい。
該クリーニング方法により、金属タングステンの自然酸化膜を、下地層の金属タングステンを反応させず、且つ反応によって酸素と水を発生させることなく、プラズマレスで500℃未満で除去することができる。
このようにして自然酸化膜を除去した金属タングステンに対して、フッ素ガスや三フッ化窒素ガスを供給して、前記の反応式(1-1)、(1-2)の反応により、六フッ化タングステンを得ることができる。自然酸化膜が無いため、反応初期より、金属タングステンとフッ素ガスなどが反応し、F又はNFの転化率が高くなる。
(タングステン膜の酸化膜のクリーニング方法)
本発明の酸化膜の処理方法を用いたクリーニング方法の他の実施形態を、図2を用いて説明する。図2に示すタングステン酸化物膜の処理装置20は、チャンバー21、ステージ22、六フッ化タングステンガス供給器23、窒素ガス供給器24、排出ライン25で構成され、ステージ22上には、サンプル26が設置されている。排出ライン25の後段は図示しない真空脱気ポンプ及び無害化装置に接続されている。処理装置20は図示しない温度調整器によって温度制御できる。
サンプル26は、金属タングステンを含む膜の上にタングステン酸化物膜を形成したサンプルであり、例えば、シリコンウェハなどの基板に金属タングステンを含む膜が形成され、その上にさらにタングステン酸化物膜が形成されたサンプルが挙げられる。金属タングステンを含む膜には、金属タングステンの膜だけでなく、タングステンと他の金属の合金の膜も含まれる。また、タングステン酸化物膜には、スパッタリング法などにより形成されたタングステン酸化物の膜だけでなく、金属タングステンを含む膜の自然酸化膜も含まれる。
以下、サンプル26のタングステン酸化物膜のクリーニング方法を説明する。排出ライン25と不活性ガス供給器24を用いて、チャンバー21を複数回、不活性ガスで置換する。チャンバー21を減圧にして、六フッ化タングステン供給器23から六フッ化タングステンを供給し、反応式(7)の進行によって圧力が減少する。チャンバー21を所定温度に加熱し、所定時間経過後、排出ライン25から、未反応の六フッ化タングステンガス、及び生成した酸フッ化金属をガスとして排気する。なお、不活性ガス供給器24から不活性ガスを供給しながら、排出ライン25から不活性ガスに同伴させて酸フッ化金属ガスを排気してもよい。
該クリーニング方法により、金属タングステンを含む膜の上に形成されたタングステン酸化物膜を、下地層の金属タングステンを反応させず、且つ酸素と水を発生させることなく、プラズマレスで500℃未満で除去することができる。
また、本発明のタングステン酸化物の処理方法により自然酸化膜を除去した金属タングステンに、フッ素ガスまたは三フッ化窒素ガスを供給・反応させることにより、六フッ化タングステンを好適に得ることができる。
具体的な実施例により、本発明のタングステン酸化物の処理方法を説明する。実施例におけるタングステン酸化物の処理を評価する実験装置を図3に示す。しかしながら、本発明のタングステン酸化物の処理方法は、以下の実施例により限定されるものではない。以下の実施例・比較例では、表面にタングステン酸化物を有する金属タングステン板を用いて、六フッ化タングステンとタングステン酸化物又は金属タングステンとの反応を評価した。
[実施例1]
タングステン酸化物を除去する処理装置30に関して、Ni製の外径25.4mm、内径22.1mm、長さ300mmの容器32に、ヒーター36が具備され、タングステン酸化物を処理するための処理ガス供給器33、装置をガス置換するための窒素ガス供給器34、真空ポンプが後段に設置されている排出ライン35が接続されている。容器32に大気暴露によってタングステン酸化物が表面に形成された金属タングステン板(厚さ2mm、縦10mm、横10mm)を設置し、排出ライン35で真空脱気、及び窒素ガス供給器34から窒素ガスの供給を複数回実施して、容器32を窒素ガスで置換した。処理ガスで処理する前の金属タングステン板の表面をX線光電子分光分析装置(ULVAC-PHI製、PHI5000 VersaProbeIIシリーズ)で表面を分析した結果、金属タングステン(軌道4f7/2、束縛エネルギー31.6eV)に対するタングステン酸化物(軌道4f7/2、束縛エネルギー36.1eV)のピーク面積比WO/Wは2.5を超えていた。ヒーター36を温度80℃に加熱して、処理ガス供給器33から六フッ化タングステンガスを流量10sccm(0℃、1atmにおける体積流量cm/min)で60分間流通後、排出ライン35と窒素ガス供給器34を利用して容器32を窒素ガスで置換した。容器32が室温程度まで降温したことを確認して、大気に暴露させないように金属タングステン板を取り出して、X線光電子分光分析装置による表面分析ではWO/W=0.9であり、重量変化は±0.1%未満だった。
[実施例2]
ヒーター36の温度を110℃にする以外は、実施例1と同様に金属タングステン板を処理した。X線光電子分光分析装置による表面分析ではWO/Wは0.8であり、重量変化は±0.1%未満だった。
[実施例3]
ヒーター36の温度を180℃にする以外は、実施例1と同様に金属タングステン板を処理した。X線光電子分光分析装置による表面分析ではWO/Wは0.01未満であり、重量変化は±0.1%未満だった。
[実施例4]
ヒーター36の温度を200℃にする以外は、実施例1と同様に金属タングステン板を処理した。X線光電子分光分析装置による表面分析ではWO/Wは0.01未満であり、重量変化は±0.1%未満だった。
[比較例1]
処理ガス供給器33から供給する処理ガスを窒素ガスとする以外は、実施例4と同様に金属タングステン板を処理した。X線光電子分光分析装置による表面分析ではWO/Wは2.5を超えており、重量変化は±0.1%未満だった。
[比較例2]
処理ガス供給器33から供給する処理ガスを水素ガスとする以外は、実施例4と同様に金属タングステン板を処理した。X線光電子分光分析装置による表面分析ではWO/Wは2.5を超えており、重量変化は±0.1%未満だった。
[比較例3]
ヒーター36の温度を250℃とし、処理ガス供給器33から供給する処理ガスをフッ素とする以外は、実施例1と同様に金属タングステン板を処理した。処理中、容器の温度が初期の設定温度より上昇した。X線光電子分光分析装置による表面分析ではWO/Wは<0.01であり、重量は30%減少した。
[比較例4]
処理ガス供給器33から供給する処理ガスを三フッ化窒素とする以外は、比較例3と同様に金属タングステン板を処理した。処理中、容器の温度が初期の設定温度より上昇した。X線光電子分光分析装置による表面分析ではWO/Wは<0.01であり、重量は38%減少した。
[比較例5]
ヒーター36の温度を25℃とし、処理ガス供給器33から供給する処理ガスを三フッ化塩素とする以外は、比較例3と同様に金属タングステン板を処理した。処理中、容器の温度が初期の設定温度より上昇した。X線光電子分光分析装置による表面分析ではWO/Wは<0.01であり、重量は32%減少した。
以上の実施例、比較例を以下の表にまとめた。
Figure 0007029068000002
以上の通り、処理ガスとして、六フッ化タングステンを用いた場合、タングステン酸化物(膜)の下地材である金属タングステンと反応することなく、タングステン酸化物を選択的に除去できた。一方、従来の技術である水素を処理ガスとして用いた場合、六フッ化タングステンでは酸化物を除去できた200℃では、タングステン酸化物を除去及び還元することはできなかった。また、処理ガスとして、フッ素、三フッ化窒素、及び三フッ化塩素を処理ガスとして用いた場合、タングステン酸化物を除去することはできたが、下地材である金属タングステンと反応し、タングステン酸化物のみを選択的に除去することはできなかった。
10 処理装置
11 自然酸化膜を有する金属タングステン
12 容器
13 金属タングステン供給器
14 六フッ化タングステン供給器
15 不活性ガス供給器
16 排出ライン
101、102、103、104 仕切弁
20 処理装置
21 チャンバー
22 ステージ
23 六フッ化タングステン供給器
24 不活性ガス供給器
25 排出ライン
26 サンプル
201、202、203 仕切弁
30 処理装置
31 自然酸化膜を有する金属タングステン板
32 容器
33 処理ガス供給器
34 窒素ガス供給器
35 排出ライン
36 ヒーター
301、302、303 仕切弁

Claims (5)

  1. 一般式WO(0<x≦3)で表されるタングステン酸化物を、温度0℃以上500℃未満で六フッ化タングステンと接触させて、化学反応によって一般式WO6-2y(0<y<3)で表されるタングステン酸フッ化物へ変換することを特徴とするタングステン酸化物の処理方法。
  2. 前記温度が80℃以上500℃未満であることを特徴とする請求項1に記載のタングステン酸化物の処理方法。
  3. 前記タングステン酸化物が、金属タングステンの自然酸化膜であることを特徴とする請求項1に記載のタングステン酸化物の処理方法。
  4. 前記タングステン酸化物が、金属タングステンを含む膜の上に形成されたタングステン酸化物膜であることを特徴とする請求項1に記載のタングステン酸化物の処理方法。
  5. 金属タングステンの自然酸化膜を、請求項1に記載のタングステン酸化物の処理方法により除去する工程と、
    自然酸化膜を除去した前記金属タングステンにフッ素ガスまたは三フッ化窒素ガスを供給し、化学反応によって六フッ化タングステンを得る工程と、
    を有することを特徴とする六フッ化タングステンの製造方法。
JP2018152165A 2017-08-29 2018-08-13 タングステン酸化物の処理方法及び六フッ化タングステンの製造方法 Active JP7029068B2 (ja)

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