JP7021931B2 - 泡吐出用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は泡吐出用組成物に関する。更に詳しくは、手肌用洗剤、食器用洗剤、住居用洗剤、防カビ・殺カビ剤等の家庭品用途、保湿液、毛髪トリートメント、染毛剤等の香粧品用途、その他泡ダレ抑制が求められる用途に好適に使用し得る泡吐出用組成物に関する。
近年、洗剤や香粧品等の分野において、泡(気泡)を吐出するタイプの製品が市販されている。泡と対象物との接触時間をできるだけ長くするためには、経時的に泡が下方に移動する泡ダレを抑制することが望ましい。
泡ダレを抑制するための技術の一つに、高分子増粘剤の使用がある。高分子増粘剤としては、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩等の水溶性のセルロース誘導体、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール等の合成高分子、クインスシード、ビーガム、キサンタンガム、ヒアルロン酸塩等の天然高分子多糖類等が挙げられる。しかしながら、高分子増粘剤を用いた上記アプローチでは、著しい増粘に伴う操作性や泡質の顕著な悪化により、現実的な解決手段とは言えない。
一方、近年これら高分子増粘剤の中でも、天然に多量に存在し、生分解性が良好なセルロース繊維をミクロフィブリル化して利用する研究が盛んに行われており、泡組成物との複合化例も存在する。
例えば、特許文献1では、化学的に未変性の微細セルロース繊維を、水および界面活性剤と複合化し、撹拌により泡立てることで、泡の分散状態を良好に保つ旨の技術が開示されている。特許文献2では、カルボキシ基やカチオン基を導入して化学変性された微細セルロース繊維を特許文献1と同様の用途に使用することが開示されている。
特表2015-527451号公報 特開2017-066283号公報
本発明は、泡ダレが抑制できることだけではなく、泡形成時の操作性及び泡質にも優れたアニオン変性セルロース繊維を含有する泡吐出用組成物に関する。
即ち、本発明の要旨は、下記の〔1〕~〔5〕に関する。
〔1〕 セルロースI型結晶を有するアニオン性基含有微細セルロース繊維、水、及び界面活性剤を含有する泡吐出用組成物。
〔2〕 前記〔1〕に記載の泡吐出用組成物が、泡吐出容器に充填されてなる、洗浄剤物品、除菌剤物品、抗菌剤物品、殺カビ剤物品又は染毛剤物品。
〔3〕 前記〔1〕に記載の泡吐出用組成物を、泡吐出容器を用いて気泡組成物を吐出させる工程を含む、気泡組成物の製造方法。
〔4〕 前記〔3〕に記載の製造方法によって製造される発泡倍率が5倍以上である気泡組成物。
〔5〕 水及び界面活性剤を含有する泡吐出用組成物が充填された泡吐出容器を用いて気泡組成物を吐出させた際の泡ダレを抑制する方法であって、該泡吐出用組成物に、セルロースI型結晶を有するアニオン性基含有微細セルロース繊維を含有させる、該気泡組成物の泡ダレを抑制する方法。
本発明の泡吐出用組成物は、顕著な泡ダレ抑制効果を発現しながらも、泡吐出容器を用いて適度な押圧で吐出が可能であることから操作性が良好であり、更に発泡倍率が高い良好な泡質の泡を調製できるという優れた効果を奏する。
〔泡吐出用組成物〕
本発明の泡吐出用組成物は、泡吐出用途に用いるアニオン性基含有微細セルロース繊維、水、及び界面活性剤を含有する組成物である。
(アニオン性基含有微細セルロース繊維)
本発明におけるアニオン性基含有微細セルロース繊維はセルロースI型結晶を有する。セルロースI型とは天然セルロースの結晶形のことであり、セルロースI型結晶化度とは、セルロース全体のうち結晶領域量の占める割合のことを意味する。以下、セルロースI型結晶を有するアニオン性基含有微細セルロース繊維を、「本発明における微細セルロース繊維」と称する場合がある。
本発明における微細セルロース繊維の結晶化度は、泡ダレ抑制効果発現の観点から、好ましくは30%以上であり、より好ましくは35%以上であり、更に好ましくは40%以上であり、更に好ましくは45%以上である。また、使用するセルロース原料コストの観点から、好ましくは95%以下であり、より好ましくは90%以下であり、更に好ましくは85%以下であり、更に好ましくは80%以下である。なお、本明細書において、本発明における微細セルロース繊維等のセルロースの結晶化度は、具体的には後述の実施例に記載の方法により測定される。
好ましいアニオン性基の種類としては、入手性および泡ダレ抑制効果発現の観点からカルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基が好ましく、カルボキシ基がより好ましい。
本発明における微細セルロース繊維は、平均繊維径、アニオン性基含有量及び/又は平均アスペクト比が特定のものであれば好ましい。
本発明における微細セルロース繊維の平均繊維径は、結晶性を持たせることで泡ダレ抑制効果を発現する観点から、好ましくは2nm以上であり、より好ましくは2.5nm以上であり、更に好ましくは3nm以上である。また、微細構造にすることで構造粘性を発現する観点から、好ましくは100nm以下であり、より好ましくは50nm以下であり、更に好ましくは20nm以下であり、更に好ましくは10nm以下であり、更に好ましくは5nm以下である。なお、本明細書において、微細セルロース繊維の平均繊維径は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定することができ、具体的には後述の実施例に記載の方法により測定される。
本発明における微細セルロース繊維の平均アスペクト比(繊維長/繊維径)は、泡ダレ抑制効果発現の観点から、好ましくは10以上であり、より好ましくは20以上であり、更に好ましくは30以上であり、更に好ましくは40以上である。また、コストおよび取扱い性の観点から、好ましくは1000以下であり、より好ましくは500以下であり、更に好ましくは400以下であり、更に好ましくは350以下である。平均アスペクト比は、平均繊維径測定時と同様に原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定することができ、具体的には後述の実施例に記載の方法により測定される。
本発明における微細セルロース繊維のアニオン性基含有量は、泡ダレ抑制効果発現の観点から、好ましくは0.1mmol/g以上であり、より好ましくは0.4mmol/g以上であり、更に好ましくは0.6mmol/g以上であり、更に好ましくは0.8mmol/g以上である。また、取り扱い性及びコストの観点から、好ましくは3.0mmol/g以下であり、より好ましくは2.7mmol/g以下であり、更に好ましくは2.5mmol/g以下であり、更に好ましくは2.0mmol/g以下である。なお、「アニオン性基含有量」とは、本発明における微細セルロース繊維を構成するセルロース中のアニオン性基の総量を意味する。このようなアニオン性基の含有量の範囲とするためには、例えば還元処理を行うか、又は更に酸化処理を行うことによって調整することができる。アニオン性基含有量とは、アニオン性基含有セルロース繊維を構成するセルロース繊維中のアニオン性基の総量を意味し、後述の実施例に記載の方法により測定される。
本発明における微細セルロース繊維は、特に限定なく公知の方法、例えば、原料のセルロース繊維に酸化処理又はアニオン性基の付加処理を施す工程及び微細化処理を行う工程を含む方法によって得ることができる。
原料のセルロース繊維としては、環境面から好ましくは天然セルロース繊維であり、例えば、針葉樹系パルプ、広葉樹系パルプ等の木材パルプ;コットンリンター、コットンリントのような綿系パルプ;麦わらパルプ、バガスパルプ等の非木材系パルプ;バクテリアセルロース等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(i)セルロース繊維にアニオン性基としてカルボキシ基を導入する場合
アニオン性基としてカルボキシ基を採用する場合、具体的には、特開2011-140632号公報に記載の方法を参照することができ、例えば、天然セルロース繊維をN-オキシル化合物存在下で酸化して、アルカリ金属塩型のカルボキシ基含有セルロース繊維を得る工程(酸化処理工程)と得られた繊維を微細化処理する工程(微細化工程)を含む製造方法により得ることができる。
原料のセルロース繊維にカルボキシ基を導入する場合、例えば、原料のセルロース繊維に対して、触媒として2,2,6,6,-テトラメチル-1-ピペリジン-N-オキシル(TEMPO)を使用し、更に次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤、臭化ナトリウム等の臭化物を併用して酸化する方法を用いることができる。なお、更に追酸化処理又は還元処理を行うことで、アルデヒドを除去した酸化セルロース繊維を調製することもできる。TEMPOを触媒として原料のセルロース繊維の酸化を行うことにより、セルロース構成単位のC6位の基(-CHOH)が選択的にカルボキシ基に変換される。従って、本発明における酸化セルロース繊維の好ましい態様として、TEMPO酸化由来のもの、即ちセルロース構成単位のC6位がカルボキシ基であるセルロース繊維が挙げられる。
前記酸化反応で得られるカルボキシ基含有セルロース繊維は、触媒として用いるTEMPO等のN-オキシル化合物や副生塩を含む。そのまま次工程を行ってもよいが、精製を行って純度の高いカルボキシ基含有セルロース繊維を得ることもできる。精製方法としては、酸化反応における溶媒の種類、生成物の酸化の程度、精製の程度により最適な方法を採用することができる。例えば、良溶媒として水、貧溶媒としてメタノール、エタノール、アセトン等を用いた再沈殿、ヘキサン等の水と相分離する溶媒へのTEMPO等の抽出、透析等による精製等が挙げられる。
前記精製工程後、得られたカルボキシ基含有セルロース繊維を微細化する工程を行う。微細化工程では、前記精製工程を経たカルボキシ基含有セルロース繊維を溶媒中に分散させ、微細化処理を行うことが好ましい。この微細化工程を行うことにより、平均繊維径及び平均アスペクト比がそれぞれ前記範囲にある微細セルロース繊維が得られる。具体的には、特開2013-151661号の微細化工程の説明を参照して実施することができる。
微細化工程後に得られるカルボキシ基含有微細セルロース繊維の形態としては、必要に応じ、固形分濃度を調整した懸濁液状(目視的に無色透明又は不透明な液)、あるいは乾燥処理した粉末状(但し、微細セルロース繊維が凝集した粉末状であり、セルロース粒子を意味するものではない。また適宜、溶媒を所定量含んでいても良い。)とすることもできる。なお、懸濁液状にする場合、分散媒として水のみを使用してもよく、水と他の有機溶媒(例えば、エタノール等のアルコール類)や界面活性剤、酸、塩基等との混合溶媒を使用してもよい。
このような天然セルロース繊維の酸化処理及び微細化処理により、セルロース構成単位のC6位の水酸基がアルデヒド基を経由してカルボキシ基へと選択的に酸化され、微細化されたセルロース繊維を得ることができる。
(ii)セルロース繊維にアニオン性基としてスルホン酸基又はリン酸基を導入する場合
セルロース繊維へスルホン酸基を導入する方法としては、セルロース繊維に硫酸を添加し加熱する方法等が挙げられる。次いで、上記と同様の微細化処理を行う。
セルロース繊維へリン酸基を導入する方法としては、乾燥状態又は湿潤状態のセルロース繊維に、リン酸又はリン酸誘導体の粉末や水溶液を混合する方法や、セルロース繊維の分散液にリン酸又はリン酸誘導体の水溶液を添加する方法等が挙げられる。これらの方法を採用した場合、一般的に、リン酸又はリン酸誘導体の粉末や水溶液を混合または添加した後に、脱水処理及び加熱処理等を行う。次いで、上記と同様の微細化処理を行う。
アニオン性基含有微細セルロース繊維におけるアニオン性基の対となるイオン(カウンターイオン)としては、例えば、製造時のアルカリ存在下で生じるナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン及びアルミニウムイオン等の金属イオンや、これらの金属イオンを酸で置換して生じるプロトン等が挙げられる。
本発明における微細セルロース繊維の、本発明の泡吐出用組成物中の含有量は、泡吐出性及び泡ダレ抑制の観点から好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、更に好ましくは0.2質量%以上であり、一方、同様の観点から好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、更に好ましくは3質量%以下である。
(水)
本発明の泡吐出用組成物には水が含まれる。本発明の泡吐出用組成物中の水の含有量は、泡吐出性及び泡ダレ抑制の観点から、好ましくは75質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、更に好ましくは85質量%以上であり、一方、同様の観点から、好ましくは98質量%以下であり、より好ましくは97質量%以下であり、更に好ましくは96質量%以下である。
(界面活性剤)
本発明の泡吐出用組成物は界面活性剤を含有する。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤が挙げられる。この中でも、泡ダレ抑制の観点から、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含むことが好ましく、非イオン性界面活性剤がさらに好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油等のポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の多価アルコールエステル型非イオン界面活性剤、アルキルグリコシド型非イオン界面活性剤、アミンオキサイド型非イオン界面活性剤及び脂肪酸アルカノールアミド型非イオン界面活性剤が挙げられる。
これらの中では、泡ダレ抑制の観点から、好ましくはポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤、多価アルコールエステル型非イオン界面活性剤、アルキルグリコシド型非イオン界面活性剤、アミンオキサイド型非イオン界面活性剤であり、それぞれ、泡ダレ抑制の観点から、アルキル基や脂肪酸の炭素数は10以上18以下が好ましく、オキシアルキレン基の平均付加モル数は1以上12以下が好ましく、オキシアルキレン基はオキシエチレン基が好ましい。
ポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤としては、泡ダレ抑制の観点から、炭素数10以上18以下の直鎖又は分岐鎖アルキル基とオキシエチレン基の平均付加モル数が1以上12以下のポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましく、炭素数10以上18以下の分岐鎖のアルキル基とオキシエチレン基の平均付加モル数が1以上12以下のポリオキシエチレンアルキルエーテルがより好ましい。
多価アルコールエステル型非イオン界面活性剤としては、泡ダレ抑制の観点から炭素数10以上16以下のショ糖脂肪酸エステルが好ましく、炭素数10以上14以下のショ糖脂肪酸エステルが好ましい。
アルキルグリコシド型非イオン界面活性剤としては、泡ダレ抑制の観点から炭素数10以上16以下のアルキルグリコシドが好ましく、炭素数10以上14以下のアルキルグリコシドが好ましい。
アミンオキサイド型非イオン界面活性剤としては、泡ダレ抑制の観点から、アルキルジメチルアミンオキサイドが好ましい。アルキルジメチルアミンオキサイドとしては、炭素数8~18、好ましくは炭素数10~16のアルキル基を有するものが好ましく、ラウリルジメチルアミンオキサイド及びミリスチルジメチルアミンオキサイドがより好ましい。
陰イオン性界面活性剤としては、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、カルボン酸塩、リン酸エステル塩及びアミノ酸塩のものが好ましい。具体的には、硫酸エステル塩として、アルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等が挙げられ、スルホン酸塩としは、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩、アルカンスルホン酸塩、アシルイセチオネート、アシルメチルタウレート等が挙げられ、カルボン酸塩としては、高級脂肪酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩等が挙げられ、リン酸エステル塩としては、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられ、アミノ酸塩としては、アシルグルタミン酸塩、アラニン誘導体、N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム等のグリシン誘導体、アルギニン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、ベタイン系界面活性剤が挙げられる。これらの中では、泡ダレ抑制の観点から、イミダゾリン系ベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、スルホベタイン等が好ましく、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルスルホベタイン、脂肪酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン及び脂肪酸アミドプロピルスルホベタイン等のスルホベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインがより好ましい。
脂肪酸アミドプロピルベタイン及びアルキルヒドロキシスルホベタインは、炭素数8~18、特に炭素数10~16のアルキル基を有するものが好ましく、特にラウリン酸アミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウリルスルホベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルスルホベタイン等が好ましい。
陽イオン性界面活性剤の例としては、アミド基、エステル基又はエーテル基で分断されていてもよい炭素数12~28の炭化水素基を有する第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、又は3級アミンの鉱酸又は有機酸の塩が挙げられる。これらの中では、泡ダレ抑制の観点から、好ましくは第4級アンモニウム塩であり、より好ましくは下記一般式(1)で表されるものである。
Figure 0007021931000001
〔式中、Rは炭素数6~16、好ましくは8~12のアルキル基、R、Rは、それぞれ独立してメチル基又はエチル基、好ましくはメチル基、Rはメチル基、エチル基又はベンジル基、好ましくはメチル基又はベンジル基、更に好ましくはベンジル基である。またXはハロゲンイオン又はRSO であり、Rは炭素数1~5のアルキル基である。このうちXとしてはハロゲンイオンが好ましく、なかでもCl、Brがより好ましい。〕
本発明の泡吐出用組成物中の界面活性剤の含有量は、泡吐出性及び泡ダレ抑制の観点から好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、更に好ましくは1.0質量%以上であり、更に好ましくは2.5質量%以上であり、一方、同様の観点から好ましくは25質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下であり、更に好ましくは15質量%以下であり、更に好ましくは10質量%以下である。界面活性剤の含有量は、本発明の泡吐出用組成物に含まれる全ての界面活性剤の合計量である。
本発明の組成物中、本発明における微細セルロース繊維と界面活性剤との比率は、本発明の効果を発現する観点から、〔本発明における微細セルロース繊維/界面活性剤〕の質量比で、好ましくは0.0004以上であり、より好ましくは0.005以上であり、更に好ましくは0.01以上であり、更に好ましくは0.05以上である。一方、同様の観点から、当該比率は、好ましくは1000以下であり、より好ましくは50以下であり、更に好ましくは3以下であり、更に好ましくは0.7以下である。
本発明の泡吐出用組成物には任意成分、例えば、香料、染毛剤、染料、顔料、紫外線吸収剤、保湿剤、粘度調整剤、抗菌剤、殺菌剤、殺カビ剤、pH調整剤、無機粉末、酸化防止剤、栄養剤、生理活性成分などが含有されていてもよい。本発明の泡吐出用組成物中のかかる任意成分の含有量は、当該成分により期待される効果を発揮させる観点から、好ましくは0.001質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、更に好ましくは0.2質量%以上であり、更に好ましくは0.2質量%以上であり、一方、泡吐出性及び泡ダレ抑制の観点から、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、更に好ましくは1質量%以下である。
本発明の泡吐出用組成物の粘度としては、泡ダレ抑制の観点から、25℃の粘度が好ましくは1mPa・s以上であり、より好ましくは3mPa・s以上であり、更に好ましくは5mPa・s以上であり、泡吐出容器から泡として好適に吐出できるものとする観点から、好ましくは100mPa・s以下であり、より好ましくは50mPa・s以下であり、更に好ましくは30mPa・s以下である。具体的には後述の実施例に記載の方法により測定される。
〔洗浄剤物品、除菌剤物品、抗菌剤物品、殺カビ剤物品又は染毛剤物品〕
本発明の洗浄剤物品、除菌剤物品、抗菌剤物品、殺カビ剤物品又は染毛剤物品は、本発明の前記泡吐出用組成物が、泡吐出容器、例えば泡吐出機構を有する種々の容器、より具体的には、泡吐出機構を有するトリガースプレーヤーを具備する容器又は泡吐出機構を有するポンプフォーマーを具備する容器に充填されてなる物品である。
本発明の吐出用組成物には界面活性剤が含まれているので、泡吐出容器に吐出用組成物を充填したものを洗浄剤物品、除菌剤物品、抗菌剤物品とすることができる。
殺カビ剤物品に関しては、吐出用組成物に殺カビ剤を添加したものを泡吐出容器に充填したものを殺カビ剤物品とすることができる。殺カビ剤としては、過酸化水素及び水中で過酸化水素を生成する過炭酸塩、トリポリリン酸塩・過酸化水素付加物、ピロリン酸塩・過酸化水素付加物、尿素・過酸化水素付加物、硫酸塩・過酸化水素付加物、過ホウ酸塩、過ケイ酸塩、過酸化塩等の酸素系漂白剤、および次亜塩素酸ナトリウム等のハロゲン系漂白剤が挙げられる。殺カビ剤物品における殺カビ剤の量は、吐出用組成物100質量部に対して、殺カビ効果の観点から、好ましくは0.1質量部以上であり、より好ましくは0.5質量部以上であり、更に好ましくは1.0質量部以上であり、更に好ましくは1.5質量部以上であり、更に好ましくは2.0質量部以上であり、一方、保存安定性の観点から、好ましくは30質量部以下であり、より好ましくは20質量部以下であり、更に好ましくは10質量部以下であり、更に好ましくは5.0質量部以下であり、更に好ましくは3.0質量部以下である。
染毛剤物品に関しては、吐出用組成物に染毛剤を添加したものを泡吐出容器に充填したものを染毛剤物品とすることができる。染毛剤としては、インドリン誘導体、インドール誘導体等の空気により自動酸化される空気酸化型染料、酸化能を有する酵素とその酵素により酸化重合される酸化染料中間体、トルエンジアミン等の酸化型染料や、直接染料、ピロガロール等の非酸化型染料をそれぞれ単独で又は混合して使用することができる。染毛剤物品における染毛剤の量は、吐出用組成物100質量部に対して、染毛効果の観点から、好ましくは0.001質量部以上であり、より好ましくは0.005質量部以上であり、更に好ましくは0.01質量部以上であり、更に好ましくは0.05質量部以上であり、更に好ましくは0.1質量部以上であり、更に好ましくは0.3質量部以上であり、一方、保存安定性の観点から、好ましくは10質量部以下であり、より好ましくは7質量部以下であり、更に好ましくは5質量部以下であり、更に好ましくは4質量部以下である。
泡吐出容器としては、泡吐出機構を有する公知のポンプフォーマーを具備する容器、泡吐出機構を有するスクイズフォーマーを具備する容器、泡吐出機構を有する電動式泡立て器を具備する容器、泡吐出機構を有する蓄圧式ポンプフォーマーを具備する容器、泡吐出機構を有するトリガースプレーヤーを具備する容器等を使用することができる。より具体的には、例えば、食品と容器(vol.35, No.10, p588~593(1994); vol.35,No.11, p624~627(1994); vol.36, No.3, p154~158(1995))に記載のポンプフォーマーE3タイプ、同f2タイプ(以上、大和製罐社)、スクイズフォーマー(大和製罐社)、電動泡立て器(松下電工社)、エアスプレーフォーマー(エアスプレーインターナショナル社)や、実公平6-34858号公報、特公昭63-2668号公報に記載のトリガー式スプレイヤー等が挙げられる。
泡吐出容器は、ネット等の泡均質化手段を有するものであり、目詰まりの発生防止の観点から薄肉のネットを有することが好ましい。この場合、ネットのメッシュとしては、好ましくは50~400メッシュであり、より好ましくは70~350メッシュであり、更に好ましくは100~320メッシュである。ここで、メッシュとは、1インチ当たりの目の数をいう。この範囲のメッシュのネットを使用することにより、クリーミーな泡を生成することができる。また、このようなメッシュの材質としては、ナイロン、ポリエステル等を好ましく例示することができる。
〔気泡組成物の製造方法〕
本発明の気泡組成物の製造方法は、本発明の前記泡吐出用組成物を、泡吐出容器を用いて該泡吐出用組成物を吐出させる工程を含む。
本発明の泡吐出用組成物を泡吐出容器より吐出する場合、泡吐出容器から泡として好適に吐出できるものとする観点と泡ダレ抑制の観点から、空気と泡吐出用組成物との体積比(空気/組成物)、即ち発泡倍率は、好ましくは5倍以上であり、より好ましくは8倍以上であり、より好ましくは10倍以上である。また、泡吐出容器における操作の容易性及び容器の軽量化や小型化を図る観点から、発泡倍率は、好ましくは40倍以下であり、より好ましくは35倍以下であり、更に好ましくは30倍以下である。泡の発泡倍率は、例えば、泡吐出機構を有するポンプフォーマーを具備する容器の空気室の容量を調整することにより、所望の値に調整できる。なお、発泡倍率は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
〔気泡組成物〕
本発明の気泡組成物は、本発明の前記製造方法によって製造される発泡倍率が5倍以上の気泡組成物である。本発明の気泡組成物は泡ダレが抑制されているので、対象面と長時間接触することが可能であり、従って、気泡組成物に含有されている成分による作用、例えば洗浄作用、殺カビ作用及び染毛作用をより効果的に発揮させることができる。本発明の気泡組成物の発泡倍率の好ましい範囲は前記と同様である。
〔気泡組成物の泡ダレを抑制する方法〕
本発明の気泡組成物の泡ダレを抑制する方法は、水及び界面活性剤を含有する泡吐出用組成物が充填された泡吐出容器を用いて気泡組成物を吐出させた際の泡ダレを抑制する方法であって、該泡吐出用組成物に、セルロースI型結晶を有するアニオン性基含有微細セルロース繊維、即ち、本発明における微細セルロース繊維を含有させる、泡ダレを抑制する方法である。
本発明者らは、泡ダレを抑制するために鋭意検討したところ、本発明における微細セルロース繊維を泡吐出組成物に配合し、前述の泡吐出容器を用いて気泡組成物を吐出させることで、意外にも泡ダレ抑制効果が顕著に向上することを見出した。
このような泡ダレ抑制効果が発現するメカニズムは、アニオン性基含有微細セルロース繊維が泡膜中でネットワーク構造を形成し、増粘することにより泡の移動が抑制されるため、泡ダレが抑制されると推定される。しかも従来の高分子増粘剤とは異なり、アニオン性基含有微細セルロース繊維は、泡吐出時のせん断力により大きく減粘する特異なレオロジー特性を有するので、泡吐出容器の操作性を低下させないという利点も有する。
なお、前記特許文献1は、きめが細かくクリーミーな泡を形成し、泡の分散状態を良好に保ち、気泡の崩壊を抑制(気泡安定性)に優れた気泡含有組成物用添加剤の提供を目的としたものであり、泡ダレ抑制に優れる泡吐出組成物を得る発想はない。また、前記特許文献2の、水性溶液並びに水中油型エマルション中に分散した固体粒子の安定化、および気体/液体泡沫系の安定化を目的としたものであり、泡ダレ抑制に優れる泡吐出組成物を得る発想はない。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。使用した薬品は断りのない限り和光純薬製のものを用いた。
(セルロースの結晶化度)
セルロースの結晶化度は、X線回折法による回折強度値からSegal法により算出したセルロースI型結晶化度であり、下記計算式(A)により定義される。
セルロースI型結晶化度(%)=[(I22.6-I18.5)/I22.6]×100 (A)
〔式中、I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、I18.5は,アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す。〕
(本発明における微細セルロース繊維の平均繊維径および平均アスペクト比)
測定対象のセルロース繊維に水を加えて、その濃度が0.0001質量%の分散液を調製した。該分散液をマイカ(雲母)上に滴下して乾燥したものを観察試料として、原子間力顕微鏡(AFM、Nanoscope III Tapping mode AFM、Digital instrument社製、プローブはナノセンサーズ社製Point Probe(NCH)を使用)を用いて、該観察試料中のセルロース繊維の繊維高さを測定した。その際、該セルロース繊維が確認できる顕微鏡画像において、セルロース繊維を100本以上抽出し、それらの繊維高さから平均繊維径を算出する。繊維方向の距離より、平均繊維長を算出した。平均アスペクト比は平均繊維長/平均繊維径より算出した。
(アニオン性基含有微細セルロース繊維のアニオン性基含有量)
乾燥質量0.5gの、測定対象のセルロース繊維を100mLビーカーにとり、イオン交換水を加えて全体で55mLとし、そこに0.01M塩化ナトリウム水溶液5mLを加えて分散液を調製した。測定対象のセルロース繊維が十分に分散するまで該分散液を攪拌した。この分散液に0.1M塩酸を加えてpHを2.5~3に調整し、自動滴定装置(東亜ディーケーケー社製、商品名:AUT-50)を用い、0.05M水酸化ナトリウム水溶液を待ち時間60秒の条件で該分散液に滴下し、1分ごとの電導度及びpHの値を測定した。pH11程度になるまで測定を続け、電導度曲線を得た。この電導度曲線から、水酸化ナトリウム滴定量を求め、次式により、測定対象のセルロース繊維のアニオン性基含有量を算出した。
アニオン性基含有量(mmol/g)=水酸化ナトリウム滴定量×水酸化ナトリウム水溶液濃度(0.05M)/測定対象のセルロース繊維の質量(0.5g)
(泡吐出用組成物の粘度)
泡吐出用組成物(以下の実施例等では処方液)の粘度は、レオメーター(Anton Paar社製、商品名:MCR502)で、コーンプレート(CP75-1)を用い、25℃、せん断速度1000(1/s)で測定して得た。
(アニオン性基含有微細セルロース繊維の調製)
調製例1
針葉樹の漂白クラフトパルプ(フレッチャー チャレンジ カナダ社製、商品名「Machenzie」、CSF650ml)を天然セルロース繊維として用いた。TEMPOとしては、市販品(ALDRICH社製、Free radical、98質量%)を用いた。次亜塩素酸ナトリウム及び臭化ナトリウムは市販品を用いた。
まず、針葉樹の漂白クラフトパルプ繊維100gを9900gのイオン交換水で十分に攪拌した後、該パルプ質量100gに対し、TEMPO1.25g、臭化ナトリウム12.5g、次亜塩素酸ナトリウム28.4gをこの順で添加した。自動滴定装置(東亜ディーケーケー社製、商品名:AUT-701)でpHスタット滴定を用い、0.5M水酸化ナトリウムを滴下してpHを10.5に保持した。反応を120分(20℃)行った。その後、酸化パルプ3.9gとイオン交換水296.1gを高圧ホモジナイザー(スギノマシン社製、商品名:スターバーストラボ HJP-2 5005)を用いて245MPaで酸化パルプの微細化処理を2回行い、カルボキシ基含有微細セルロース繊維の分散液1(固形分濃度1.3質量%)を得た。このカルボキシ基含有微細セルロース繊維の平均繊維径は3.3nm、アスペクト比は320、カルボキシ基含有量は1.8mmol/g、結晶化度は57%であった。
調製例2
調製例1で得られた酸化パルプ92.54gを、1000gのイオン交換水で希釈し、濃塩酸を346g(原料セルロース繊維の絶乾質量100質量部に対して389質量部)加えて、酸化パルプの固形分濃度2.34質量%、塩酸濃度2.5Mの分散液(pH1以下)を調製し、60分間、105℃で還流させて酸化パルプの酸加水分解処理を行った。得られた酸化パルプを十分に洗浄し、固形分濃度40質量%の酸加水分解された酸化パルプを得た。その後、この酸化パルプ5.0gとイオン交換水35.0gを前記高圧ホモジナイザーを用いて150MPaで酸化パルプの微細化処理を10回行い、カルボキシ基含有微細セルロース繊維の分散液2(固形分濃度5.0質量%)を得た。このカルボキシ基含有微細セルロース繊維の平均繊維径は4.0nm、アスペクト比は50、カルボキシ基含有量は1.6mmol/g、結晶化度は57%であった。
(処方液の調製)
参考例1
高級アルコールエトキシレートの5質量%水溶液を処方液とした。
実施例1
300mLビーカーに前記カルボキシ基含有微細セルロース繊維の分散液1(固形分濃度1.3質量%)23.1g、イオン交換水71.9gを加え、5000rpmの回転数で10分間撹拌を行った後に、高級アルコールエトキシレート5gを混合し、処方液を得た。得られた処方液の25℃での粘度を測定した結果、10mPa・sであった。
実施例2
カルボキシ基含有微細セルロース繊維の分散液1の量及びイオン交換水の量を表1に示す量に変更した点以外は実施例1と同様の操作を行って処方液を得た。
実施例3
分散液の種類をカルボキシ基含有微細セルロース繊維の分散液2に変更し、その量及びイオン交換水の量を表1に示す量に変更した点以外は実施例2と同様の操作を行って処方液を得た。
実施例4~9
界面活性剤の種類を表1に示すものに変更した点以外は実施例1と同様の操作を行って処方液を得た。
比較例1
300mLビーカーに前記カルボキシ基含有微細セルロース繊維の分散液1(固形分濃度1.3質量%)34.6g、CMC3.8g、イオン交換水60.9gを加え、5000rpmの回転数で10分間撹拌を行った後に、ショ糖ラウリン酸エステル0.67gを混合して処方液を得た。
比較例2
調製例1で得られたカルボキシ基含有微細セルロース繊維をCMCに変更し、CMCの量を2.5g、イオン交換水の量を92.5gに変更した点以外は実施例1と同様の操作を行って処方液を得た。
試験例
参考例、各実施例及び比較例2については、泡吐出容器(株式会社吉野製作所製、泡吐出機構を有するポンプフォーマーを具備する容器;メッシュ部の目の大きさは、泡が先に通過するのが200メッシュ、後に通過するのも200メッシュである2枚メッシュ品)を用いて各処方液を吐出して泡を作製し、得られた泡について下記の評価を行った。比較例1については、この泡吐出容器を使用せずに、得られた処方液を8000rpmの回転数で5分間撹拌させることで泡を作製し、得られた泡の発泡倍率、泡ダレ時間を測定した。結果を表1に示す。
(泡吐出性評価方法)
泡吐出性は、前記泡吐出容器により各処方液を吐出し、室温(25℃)下目視によって評価した。
○:細かく均一な泡を吐出可能
×:泡吐出不可能
さらに、参考例、各実施例及び比較例2の吐出時の押圧を押力試験機(押速度30mm/s)で測定した結果、25.0~35.0Nの範囲であった。このことから、子供やお年寄りをはじめとした十分な力で泡吐出容器を操作できない人でも簡単に泡を形成できることが分かった。
(発泡倍率評価方法)
20mLの半球状プラスチック容器に、各処方液の泡をすり切りまで入れ、泡の質量を計測し以下の式より発泡倍率を算出した。
発泡倍率 = 20mL/泡の質量(g) × 処方液の比重(g/mL)
(泡ダレ時間測定方法)
垂直に立てたプラスチック板(PP製)の垂直面上に各処方液の約1gの泡を置き、室温(25℃)で泡が30cm落下する時間を測定した。
Figure 0007021931000002
略号や各成分の詳細は次の通りである。
CNF1:調製例1で調製されたカルボキシ基含有微細セルロース繊維
CNF2:調製例2で調製されたカルボキシ基含有微細セルロース繊維
CMC:カルボキシメチルセルロース(第一工業製薬社製、商品名:セロゲンF-5A)
高級アルコールエトキシレート:下記式の構造を有する化合物(日本触媒社製、商品名:ソフタノール90)
Figure 0007021931000003
〔式中、m+n=9~11であり、x=9である。〕
POE(9)ラウリルエーテル:ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル(青木油脂工業株式会社製、商品名:ブラウノン EL-1509P)
ドデシルグルコシド:以下の合成品
ラウリルアルコール(花王株式会社製、商品名:カルコール2098)93.17g(5モル)、無水グルコース(和光純薬工業株式会社製、D(+)-グルコース、試薬特級)18.02g(1モル)、及びp-トルエンスルホン酸一水和物0.27g(0.014モル)を200mL5つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下で、115~117℃に昇温し、攪拌しながら2時間還流した。過剰の未反応アルコールを150℃、0.67kPaで蒸留除去し、ドデシルグルコシドを得た。
ショ糖ラウリン酸エステル:(三菱ケミカルフーズ社製、商品名:リョートーシュガーエステルL-1695)
ラウリル硫酸Na:(花王株式会社製、商品名:エマール0)
ラウリン酸の中和物:(花王株式会社製、商品名:ルナックL-98)を水酸化ナトリウムで中和したもの。
ラウリン酸アミドプロピルベタイン:(花王株式会社製、商品名:アンヒトール20AB)
PF:泡吐出容器(前記の泡吐出機構を有するポンプフォーマーを具備する容器)
上記の結果より、本発明の泡吐出用組成物は、泡吐出性が良好であり、泡ダレ時間も長いものであった。また、発泡倍率も高いので、泡質も良好であった。なお、参考例1は、カルボキシ基含有微細セルロース繊維を含まない従来品の処方液を想定した組成である。
比較例1は、泡吐出容器を使用せずに処方液を強く撹拌することによって処方液の泡を作製した例である。比較例1の処方液には、実施例で使用されたカルボキシ基含有微細セルロース繊維が含まれていたのにも関わらず、泡ダレ時間は参考例1と同程度であり、発泡倍率は非常に小さかった。このことから、本発明の泡吐出用組成物を泡吐出容器に適用することによって、泡ダレを抑制する効果が発揮されることが示唆される。
本発明の泡吐出用組成物は、手肌用洗剤、食器用洗剤、住居用洗剤、防カビ・殺カビ剤等の家庭品用途、保湿液、毛髪トリートメント、染毛剤等の香粧品用途、その他泡ダレ抑制が求められる用途に好適に使用し得る泡吐出用組成物として利用することができる。

Claims (8)

  1. セルロースI型結晶を有するアニオン性基含有微細セルロース繊維、水、及び界面活性剤を含有する、25℃の粘度が100mPa・s以下の泡吐出用組成物を、泡吐出容器を用いて吐出させて製造される、発泡倍率が5倍以上40倍以下である気泡組成物
  2. 界面活性剤が非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選択される1種以上の界面活性剤を含むものである、請求項1に記載の気泡組成物
  3. 界面活性剤の含有量が0.01質量%以上25質量%以下である、請求項1又は2に記載の気泡組成物
  4. アニオン性基含有微細セルロース繊維の平均繊維径が2nm以上100nm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の気泡組成物
  5. アニオン性基含有微細セルロース繊維の含有量が0.01質量%以上10質量%以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の気泡組成物
  6. アニオン性基含有微細セルロース繊維が、TEMPO酸化由来のものである、請求項1~5のいずれか1項に記載の気泡組成物
  7. 空気と泡吐出用組成物との発泡倍率が5倍以上40倍以下である気泡組成物であって、該泡吐出用組成物は、セルロースI型結晶を有するアニオン性基含有微細セルロース繊維、水、及び界面活性剤を含有し、25℃の粘度が100mPa・s以下である、気泡組成物。
  8. 水及び界面活性剤を含有する、25℃の粘度が100mPa・s以下の泡吐出用組成物が充填された泡吐出容器を用いて、発泡倍率が5倍以上40倍以下である気泡組成物を吐出させた際の泡ダレを抑制する方法であって、該泡吐出用組成物に、セルロースI型結晶を有するアニオン性基含有微細セルロース繊維を含有させる、該気泡組成物の泡ダレを抑制する方法。
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