JP7021405B2 - イソクエン酸脱水素酵素(idh)阻害剤 - Google Patents

イソクエン酸脱水素酵素(idh)阻害剤 Download PDF

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Description

本開示は、α-ケトグルタレート(α-KG)の、D-2-HGなどの2-ヒドロキシグルタレート(2-HG)への変換を阻害する化合物、1種または複数の前記化合物を有効成分として含む医薬組成物、およびα-KGのD-2-HGへの変換と関連する疾患を処置するための医薬の製造における前記化合物の使用に関する。
イソクエン酸脱水素酵素(IDH)は、トリカルボン酸(TCA)サイクルにおける細胞呼吸のための必須酵素である。TCAは、イソシトレートの酸化的脱カルボキシル化を触媒し、アルファ-ケトグルタレート(α-ケトグルタレート、α-KG)およびCOを産生する。ヒトにおいて、IDHは3種類のアイソフォームとして存在し、IDH3は、ミトコンドリアで、クエン酸サイクルの第3のステップを触媒し、同時にNADをNADHに変換する。アイソフォームのIDH1およびIDH2は、クエン酸サイクルと関連なく同じ反応を触媒し、かつ補助因子としてNAD+の代わりにNADP+を使用する。これらは、細胞質ゾルならびにミトコンドリアおよびペルオキシソームに局在する。
IDH1の特異的変異は、星状細胞腫、乏突起膠腫および多形性神経膠芽腫を含むいくつかの脳腫瘍で認められ、同時に変異は、より低グレードの神経膠腫から発生したほぼすべての場合の二次性膠芽腫で認められるが、高グレードの原発性多形性神経膠芽腫ではほとんど認められない。その腫瘍がIDH1変異を有する患者は、生存期間が長い[「An integrated genomic analysis of human glioblastoma multiforme」、Parsons,D.W.ら、Science、(2008年);「Analysis of the IDH1 codon 132 mutation in brain tumors」、Balss,J.ら、Acta Neuropathol、(2008年);Bleeker,F.E.ら、「IDH1 mutations at residue p.R132(IDH1(R132))occur frequently in high-grade gliomas but not in other solid tumors」、Hum Mutat、(2009年)]。IDH1およびIDH2変異は、p53変異および1p/19q染色体損失の前に生じ、神経膠腫発生の第1の事象と考えられている[「IDH1 mutations are early events in the development of astrcytomas and oligodendrogliomas」、Watanabe,T.ら、Am J Pathol、(2009年);「Mutational landscape and clonal architecture in grade II and III gliomas」、Suzuki,H.ら、Nat Genet、(2015年);「Comprehensive,Integrative Genomic Analysis of Diffuse Lower-Grade Gliomas」、Brat,D.J.ら、N Engl J Med、(2015年)]。さらに、IDH2およびIDH1の変異は、細胞遺伝学上正常な急性骨髄性白血病(AML)の最大で20%に認められている[「Recurring mutations found by sequencing an acute myeloid leukemia genome」、Mardis,E.R.ら、N Engl J Med、(2009年)]。いくつかの独立した追跡調査によれば、細胞遺伝学的に正常なAMLにおけるIDH1およびIDH2の変異率は、およそ20%である[「Recurring mutations found by sequencing an acute myeloid leukemia genome」、Mardis,E.R.ら、N Engl J Med,(2009年);「Prognostic impact of IDH2 mutations in cytogenetically normal acute myeloid leukemia」、Thol,F.ら、Blood、(2010年);「Acquired mutations in the genes encoding IDH1 and IDH2 both are recurrent aberrations in acute myeloid leukemia:prevalence and prognostic value」、Abbas,S.ら、Blood、(2010年);「The prognostic significance of IDH1 mutations in younger adult patients with acute myeloid leukemia is dependent on FLT3/ITD status」、Green,C.L.ら、Blood、(2010年);「IDH1 mutations are detected in 6.6% of 1414 AML patients and are assciated with intermediate risk karyotype and unfavorable prognosis in adults younger than 60 years and unmutated NPM1 status」、Schnittger,S.ら、Blood、(2010年)「Genomic and epigenomic landscapes of adult de novo acute myeloid leukemia」、N Engl J Med、(2013年)]。IDH変異は、75%の軟骨肉腫[「IDH1 and IDH2 mutations are frequent events in central chondrosarcoma and central and periosteal chondromas but not in other mesenchymal tumours」、Amary,M.F.ら、J Pathol、(2011年);「Ollier disease and Maffucci syndrome are caused by somatic mosaic mutations of IDH1 and IDH2」、Amary,M.F.ら、Nat Genet、(2011年)]、10~23%の肝内胆管細胞癌[「Frequent mutation of isocitrate dehydrogenase IDH1 and IDH2 in cholangiocarcinoma identified through broad-based tumor genotyping」、Borger、D.R.ら、Oncologist、(2012年);「Mutations in isocitrate dehydrogenase 1 and 2 occur frequently in intrahepatic cholangiocarcinomas and share hypermethylation targets with glioblastomas」、Wang、P.ら、Oncogene、(2012年)]、および血管免疫芽細胞性T細胞リンパ腫および黒色腫の一部の患者[「The consensus coding sequences of human breast and colorectal cancers」、Sjoblom,T.ら、Science、(2006年)]を含む他のタイプのがんでも報告されている。現在のところ、IDH1およびIDH2は、ヒトがんにおいて最も高い頻度で変異する代謝酵素遺伝子である。
これらの変異が、α-KGを2-HG(例えばD-2-HG)にさらに変換することは知られている。D-2-HGは非常に高濃度で蓄積され、アルファ-ケトグルタレートに依存する酵素の機能を阻害する。これによってDNAおよびヒストンの過剰メチル化状態が生じ、癌遺伝子を活性化しかつ腫瘍抑制遺伝子を不活性化する場合がある別の遺伝子発現につながる。最終的に、これは上記で開示されたタイプのがんをもたらすことになる[「The consensus coding sequences of human breast and colorectal cancers」、Sjoblom,T.ら、Science、(2006年)]。
したがって、α-KGをD-2-HGに変換するプロセスを阻害する阻害剤を開発することが望まれる。
1つの態様において、本開示は、式(I):
Figure 0007021405000001

によって表される化合物または薬学的に許容されるその塩、エステル、水和物、溶媒和物もしくは立体異性体を提供する。
別の態様において、本開示は、式(I)の化合物を製造する方法を提供する。
別の態様において、本開示は、1種または複数の式(I)の化合物、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物または立体異性体を含む医薬組成物をさらに提供する。
さらに別の態様において、本開示は、α-KGのD-2-HGへの変換と関連する疾患、例えばがんを処置するための医薬の製造における、式(I)の化合物、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物もしくは立体異性体、または本開示の医薬組成物の使用を提供する。
さらなる態様において、本開示は、α-KGのD-2-HGへの変換を阻害する方法を提供する。
別の態様において、本開示は、α-KGのD-2-HGへの変換と関連する疾患を処置する方法であって、式(I)の化合物、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物もしくは立体異性体または本開示の医薬組成物を使用することによる方法を提供する。
別の態様において、本開示は、変異体IDH、野生型IDHまたは両方を阻害する方法であって、式(I)の化合物、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物もしくは立体異性体または本開示の医薬組成物を使用することによる方法を提供する。
野生型および変異体IDH1/2によって触媒される代表的な反応を示す図である。 親HT1080細胞およびFlag標識D-2-HG DHを過剰発現している安定HT1080における2-HGの細胞内レベルを、GC-MS分析によって決定したことを示す図である(「D-2-hydroxyglutarate is essential for maintaining oncogenic property of mutant IDH-containing cancer cells but dispensable for cell growth」、Ma,S.ら、Oncotarget、(2015年)を改良した)。 2-HGピークを、D-2-HG標準によってさらに確認し、主要フラグメントm/z433を使用して定量が行われたことを示すグラフである。 IDH1-R132H、IDH1-R132C、およびIDH1-WTタンパク質それぞれに関するクーマシー染色を示す写真である。 マウスの肝ミクロソームにおける、インキュベート時間の関数としての本開示の例示的化合物の基質(本開示の例示的化合物)の残存百分率(%)の自然対数(すなわち、Ln(残存%))を示すグラフである。 ラットの肝ミクロソームにおける、インキュベート時間の関数としての本開示の例示的化合物のLn(残存%)を示すグラフである。 イヌの肝ミクロソームにおける、インキュベート時間の関数としての本開示の例示的化合物のLn(残存%)を示すグラフである。 サルの肝ミクロソームにおける、インキュベート時間の関数としての本開示の例示的化合物のLn(残存%)を示すグラフである。 ヒトの肝ミクロソームにおける、インキュベート時間の関数としての本開示の例示的化合物のLn(残存%)を示すグラフである。 マウス血漿における、インキュベート時間の関数としての本開示の例示的化合物のLn(残存%)を示すグラフである。 本開示の例示的化合物10mg・kg-1の単回p.o.用量をICRマウスに投与した後の、時間の関数としての平均血漿濃度を示すグラフである。 本開示の例示的化合物2mg・kg-1の単回i.v.用量をICRマウスに投与した後の、時間の関数としての平均血漿濃度を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物16の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Hの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物16の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Hの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物16の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Hの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物21の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Hの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物21の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Hの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物21の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Hの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物22の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Hの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物22の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Hの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物22の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Hの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物23の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Hの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物23の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Hの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物23の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Hの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物24の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Hの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物24の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Hの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物24の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Hの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物31の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Hの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物31の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Hの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物31の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Hの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物16の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Cの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物16の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Cの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物16の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Cの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物21の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Cの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物21の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Cの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物21の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Cの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物22の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Cの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物22の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Cの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物22の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Cの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物23の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Cの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物23の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Cの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物23の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Cの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物24の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Cの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物24の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Cの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物24の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Cの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物31の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Cの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物31の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Cの酵素活性を示すグラフである。 3回繰り返して試験が行われた化合物31の濃度の対数の関数としてプロットされた、IDH1 R132Cの酵素活性を示すグラフである。 10μMの各化合物1~20および陰性対照(DMSO)で処置した後のD-2-HG濃度を示すグラフである。
発明の具体的な説明
化合物
1つの態様において、本開示は、式(I):
Figure 0007021405000002

[式中、
ZおよびQは、独立に、CおよびNから選択され;
Aは、O、S、またはNRであり;
Wは、直鎖状または分岐状C1~6アルキレンであり;
Xは、C6~12アリール、C6~12ヘテロアリール、3~10員飽和または不飽和シクロアルキル、3~10員飽和または不飽和ヘテロシクロアルキルであり;
Yは、ハロ、シアノ、C1~12アルキル、C6~12アリール、C1~12アルコキシル、C6~12アリールオキシル、3~10員飽和もしくは不飽和シクロアルキル、3~10員飽和もしくは不飽和ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、-C(O)OR、-C(O)NRであり、これらは、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1~12アルキル、C2~12アルケニル、C2~12アルキニル、C5~10アリール、C1~12アルコキシ、3~10員飽和もしくは不飽和シクロアルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル、または3~10員ヘテロアリール、C5~10アリールオキシルのうちの1つまたは複数によって一置換または独立に多置換されていてもよく;
は、C1~12アルキル、3~10員飽和もしくは不飽和シクロアルキル、C6~12アラルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアラルキル、または-NRであり;
は、水素、-NR、-C(O)OR、または-C(O)NRであり;
、R、R、R、R、R、RおよびRは、独立に、水素、C1~12アルキル、3~10員飽和もしくは不飽和シクロアルキル、C6~12アリールから選択され、これらは、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1~12アルキル、C2~12アルケニル、C2~12アルキニル、C5~10アリール、C1~12アルコキシ、3~10員飽和もしくは不飽和シクロアルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル、または3~10員ヘテロアリール、C5~10アリールオキシルによって一置換または独立に多置換されていてもよく;
およびRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、N、S、およびOから選択される1つまたは複数の追加のヘテロ原子を含んでいてもよい4~8員ヘテロシクリルを形成してもよく、
およびRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、N、S、およびOから選択される1つまたは複数の追加のヘテロ原子を含んでいてもよい4~8員ヘテロシクリルを形成していてもよく;
nは0、1または2である]
の化合物および薬学的に許容されるその塩、エステル、水和物、または溶媒和物または立体異性体を提供する。
いくつかの実施形態において、ZはNである。
いくつかの実施形態において、QはNである。
いくつかの実施形態において、AはNRである。いくつかの実施形態において、AはNHである。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は式(Ia):
Figure 0007021405000003

[式中、
Wは、直鎖状または分岐状C1~6アルキレンであり;
Xは、C6~12アリール、C6~12ヘテロアリール、3~10員飽和または不飽和シクロアルキル、3~10員飽和または不飽和ヘテロシクロアルキルであり;
Yは、ハロ、シアノ、C1~12アルキル、C6~12アリール、C1~12アルコキシル、C6~12アリールオキシル、3~10員飽和もしくは不飽和シクロアルキル、3~10員飽和もしくは不飽和ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、-C(O)OR、-C(O)NRであり、これらは、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1~12アルキル、C2~12アルケニル、C2~12アルキニル、C5~10アリール、C1~12アルコキシ、3~10員飽和もしくは不飽和シクロアルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル、または3~10員ヘテロアリール、C5~10アリールオキシルのうちの1つまたは複数によって一置換または独立に多置換されていてもよく;
は、C1~12アルキル、3~10員飽和もしくは不飽和シクロアルキル、C6~12アラルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアラルキル、または-NRであり;
は、水素、-NR、-C(O)OR、または-C(O)NRであり;
、R、R、R、R、R、RおよびRは、独立に、水素、C1~12アルキル、3~10員飽和もしくは不飽和シクロアルキル、C6~12アリールから選択され、これらは、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1~12アルキル、C2~12アルケニル、C2~12アルキニル、C5~10アリール、C1~12アルコキシ、3~10員飽和もしくは不飽和シクロアルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル、または3~10員ヘテロアリール、C5~10アリールオキシルによって一置換または独立に多置換されていてもよく;
およびRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、N、S、およびOから選択される1つまたは複数の追加のヘテロ原子を含んでいてもよい4~8員ヘテロシクリルを形成していてもよく、
およびRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、N、S、およびOから選択される1つまたは複数の追加のヘテロ原子を含んでいてもよい4~8員ヘテロシクリルを形成していてもよく;
nは0、1または2である]
によって表される化合物および薬学的に許容されるその塩、エステル、水和物、溶媒和物または立体異性体である。
いくつかの実施形態において、式(I)中のAは、NRである。いくつかの実施形態において、式(I)または式(Ia)中のRは、水素である。
いくつかの実施形態において、式(I)または式(Ia)中のWは、分岐状C1~3アルキレンである。いくつかの実施形態において、式(I)または式(Ia)中のWは、メチレン、エチレン、またはプロピレンである。いくつかの実施形態において、Wは、1,1-エチレン、1,2-エチレン、1,1-プロピレン、1,2-プロピレン、1,3-プロピレン、または2,2-プロピレンである。いくつかの実施形態において、Wは1,1-エチレンである。
いくつかの実施形態において、式(I)または式(Ia)中のXは、C6~12アリールまたはC6~12ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Xは、フェニル、ピリジニルまたはピラゾリルである。
いくつかの実施形態において、式(I)または式(Ia)中のYは、以下:
Figure 0007021405000004

からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、(R)-立体配置、(S)-立体配置またはこれらの混合を有することができる。
特に、本開示の式(I)または式(Ia)の化合物は、以下の化合物1~37とすることができる。
Figure 0007021405000005
Figure 0007021405000006
Figure 0007021405000007
Figure 0007021405000008
Figure 0007021405000009
Figure 0007021405000010
Figure 0007021405000011
Figure 0007021405000012
Figure 0007021405000013
Figure 0007021405000014
Figure 0007021405000015
Figure 0007021405000016
Figure 0007021405000017
Figure 0007021405000018
簡潔にするために単一の実施形態の文脈において開示される本開示のさまざまな特徴は、個別にまたは任意の好適なサブコンビネーションで提供することもできる。
本明細書において使用される「置換されている」という用語は、化学基を指すときに、化学基が、置換基によって除去され、置き換えられた、1つまたは複数の水素原子を有することを意味する。本明細書において使用される「置換基」という用語は、当技術分野において公知の一般的な意味を有し、かつ親基に共有結合している、または適切な場合は縮合している化学的部分を指す。本明細書において使用される「置換されていてもよい」という用語は、化学基が置換基を有さない場合がある(すなわち置換されていない)または1つまたは複数の置換基を有する場合がある(すなわち置換されている)ことを意味する。所与の原子での置換は、原子価によって制限されることを理解されたい。
本明細書において使用される「Ci~j」という用語は、炭素原子数の範囲を示し、式中、iおよびjは整数であり、かつ炭素原子数の範囲には、両端値(すなわちiおよびj)および間の各整数点が含まれ、ここで、i∈{1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10}であり、jはiよりも大きく、j∈{2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40}である。例えば、C1~6は、1~6個の炭素原子の範囲を示し、それには、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子および6個の炭素原子が含まれる。
本明細書において使用される「アルキル」という用語は、他の用語の一部としてであろうとなかろうと、または独立に使用されていてもされていなくても、直鎖または分岐鎖であってもよい飽和または不飽和炭化水素基を指す。「Ci~jアルキル」という用語は、i~j個の炭素原子を有するアルキルを指す。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1~12、1~8、1~6、1~4、1~3、または1~2個の炭素原子を含む。飽和アルキル基の例としては、これらに限定されるものではないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、イソブチル、sec-ブチルなどの化学基;2-メチル-1-ブチル、n-ペンチル、3-ペンチル、n-ヘキシル、および1,2,2-トリメチルプロピルなどの高次ホモログなどが挙げられる。不飽和アルキル基の例としては、これらに限定されるものではないが、エテニル、n-プロペニル、イソプロペニル、n-ブテニル、sec-ブテニル、エチニル、プロピン-1-イル、およびプロピン-2-イルなどの化学基が挙げられる。
本明細書において使用される「アルキレン」という用語は、他の用語の一部であろうとなかろうと、または独立に使用されていてもされていなくても、二価アルキルを指す。アルキレン基の例としては、これらに限定されるものではないが、メチレン、1,1-エチレン、1,2-エチレン、1,1-プロピレン、1,2-プロピレン、1,3-プロピレン、および2,2-プロピレンなどが挙げられる。
本明細書において使用される「アリール」または「芳香族」という用語は、他の用語の一部としてであろうとなかろうと、または独立に使用されていてもされていなくても、環を形成する炭素原子間に二重結合および単結合を交互に有する単環式または多環式炭素環式環系ラジカルを指す。いくつかの実施形態において、アリール環系は、1つまたは複数の環中に、5~12、5~10、または5~8、6~12、6~10、または6~8個の炭素原子を有する。アリール基の例としては、これらに限定されるものではないが、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、およびイデニル(idenyl)などの化学基が挙げられる。
本明細書において使用される「アラルキル」または「アリールアルキル」という用語は、他の用語の一部としてであろうとなかろうと、または独立に使用されていてもされていなくても、式-アルキル-アリールの基を指す。「Ci~jアラルキル」という用語は、iからjの間の合計炭素数を有するアラルキルを指す。いくつかの実施形態において、アルキル部分は、1~6、1~4、1~3、または1~2個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態において、アラルキル基は、6~12、6~11、6~10、6~9、6~8、または6~7個の炭素原子を有する。アラルキル基の例としては、これらに限定されるものではないが、さまざまな-アルキル-ベンゼンおよび-アルキル-ナフタレンが挙げられる。
本明細書において使用される「アルケニル」という用語は、1つまたは複数の二重結合を有する直鎖または分岐状炭化水素鎖を指す。「Ci~jアルケニル」という用語は、iからjの間の合計炭素数を有するアルケニルを指す。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2~12、2~11、2~10、2~9、2~8、2~7、2~6、2~5、2~4または2~3個の炭素原子を有する。アルケニル基の例としては、これらに限定されるものではないが、アリル、プロペニル、2-ブテニル、3-ヘキセニル、および3-オクテニルなどが挙げられる。二重結合炭素のうちの1つは、アルケニル置換基の連結点であってもよい。
本明細書において使用される「アルキニル」という用語は、1つまたは複数の三重結合を有する直鎖または分岐状炭化水素鎖を指す。「Ci~jアルキニル」という用語は、iからjの間の合計炭素数を有するアルキニルを指す。いくつかの実施形態において、アルキニル基は、2~12、2~11、2~10、2~9、2~8、2~7、2~6、2~5、2~4または2~3個の炭素原子を有する。アルキニル基の例としては、これらに限定されるものではないが、エチニル、プロパルギル、および3-ヘキシニルなどが挙げられる。三重結合炭素のうちの1つは、任意選択で、アルキニル置換基の連結点であってもよい。
本明細書において使用される「シクロアルキル」という用語は、他の用語の一部としてであろうとなかろうと、または独立に使用されていてもされていなくても、環化アルキルおよび/またはアルケニル基を含む非芳香族環状炭化水素を指す。シクロアルキル基としては、単環式または多環式(例えば、2、3または4個の縮合環を有する)基およびスピロ環があり得る。いくつかの実施形態において、シクロアルキルは飽和シクロアルキルである。「i~j員シクロアルキル」という用語は、i~j個の環形成員を有するシクロアルキルを指す。シクロアルキル基は、3、4、5、6、7、8個の環形成炭素(C3~8)を有することができる。シクロアルキル基の例としては、これらに限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、およびシクロヘプタトリエニルなどが挙げられる。いくつかの実施形態において、本明細書において使用されるシクロアルキルは、1つまたは複数の芳香環、例えば、シクロペンタンおよびシクロヘキサンなどのベンゾまたはチエニル誘導体と縮合されていてもよい(すなわち、共通の結合を有する)。いくつかの実施形態において、縮合芳香環を含むシクロアルキル基は、縮合芳香環の環形成原子を含む、任意の環形成原子を介して連結することができる。
本明細書において使用される「ヘテロシクロアルキル」という用語は、環系中の少なくとも1つの環原子がヘテロ原子であり、かつ残りの環原子が炭素原子であるシクロアルキル基を指す。「i~j員ヘテロシクロアルキル」という用語は、i~j個の環形成員を有するヘテロシクロアルキルを指す。さらに、環は、1つまたは複数の二重結合を有していてもよいが、完全な共役系は有さない。いくつかの実施形態において、ヘテロシクロアルキルは、飽和ヘテロシクロアルキルである。ヘテロ原子の例としては、これらに限定されるものではないが、酸素、硫黄、窒素、およびリンなどが挙げられる。いくつかの実施形態において、ヘテロシクロアルキルは、3~8、3~6、または4~6個の環形成炭素を有する。ヘテロシクロアルキルの例としては、これらに限定されるものではないが、アゼチジン、アジリジン、ピロリジル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、およびホモピペラジニルなどが挙げられる。
本明細書において使用される「カルボシクリル」という用語は、すべての環原子が炭素であり、かつ3から12個の間の環炭素原子、3から10個の間の炭素原子、3から8個の間の炭素原子、および4から8個の間の炭素原子を含む、任意の環系を指す。カルボシクリル基は、飽和または部分不飽和であってもよいが、芳香環は含まない。カルボシクリル基の例としては、単環式、二環式、および三環式環系が挙げられる。他のカルボシクリル基としては、架橋環系(例えばビシクロ[2,2,1]ヘプテニル)が挙げられる。カルボシクリル基の具体例はシクロアルキルである。
本明細書において使用される「ヘテロシクリル」という用語は、1つまたは複数(例えば1、2または3個)の環原子が、ヘテロ原子によって置き換えられたカルボシクリル基を指し、ヘテロ原子としては、これらに限定されるものではないが、酸素、硫黄、窒素、およびリンなどが挙げられる。ヘテロシクリル基の具体例は、1つまたは複数の環原子がヘテロ原子によって置き換えられたシクロアルキル基である。1個のヘテロ原子を含む例示的なヘテロシクリル基としては、ピロリジン、テトラヒドロフランおよびピペリジンがあり、かつ2個のヘテロ原子を含む例示的なヘテロシクリル基としては、モルホリンおよびピペラジンが挙げられる。ヘテロシクリル基のさらなる具体例は、1つまたは複数の環原子がヘテロ原子によって置き換えられたシクロアルケニル基である。
本明細書において使用される「アルコキシ」という用語は、他の用語の一部としてであろうとなかろうと、または独立に使用されていてもされていなくても、式-O-アルキルの基を指す。「Ci~jアルコキシ」という用語は、アルコキシ基のアルキル部分がi~j個の炭素原子を有することを意味する。いくつかの実施形態において、アルキル部分は、1~6、1~5、1~4、1~3または1~2個の炭素原子を有する。アルコキシ基の例としては、これらに限定されるものではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、n-プロポキシおよびイソプロポキシ)、およびt-ブトキシなどが挙げられる。
本明細書において使用される「アリールオキシル」という用語は、式-O-アリールの基を指し、式中、アリール基はすでに開示されているとおりである。「Ci~jアリールオキシル」は、アリールオキシル基のアリール部分がi~j個の炭素原子を有することを意味する。いくつかの実施形態において、アリール部分は、5~10、5~8、または5~6個の炭素原子を有する。
本明細書において使用される「n員」という用語は(ここで、nは整数である)、典型的には、環系と組み合わせて用い、環系中の環形成原子の数を表す。例えば、ピペリジニルは、6員ヘテロシクロアルキル環の例であり、ピラゾリルは5員ヘテロアリール環の例であり、ピリジルは6員ヘテロアリール環の例であり、かつ1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレンは10員シクロアルキル基の例である。
本明細書において使用される「ヘテロアリール」という用語は、芳香環中の少なくとも1つの環原子がヘテロ原子であり、かつ残りの環原子が炭素原子であるアリール基を指す。「i~j員ヘテロアリール」という用語は、i~j個の環形成員を有するヘテロアリールを指す。ヘテロ原子の例としては、これらに限定されるものではないが、酸素、硫黄、窒素、およびリンなどが挙げられる。いくつかの実施形態において、ヘテロアリールは、5~10、5~8、または5~6個の環形成員を有することができる。いくつかの実施形態において、ヘテロアリールは、5員または6員ヘテロアリールである。ヘテロアリールの例としては、これらに限定されるものではないが、フラニル、チエニル、ピリジル、ピロリル、N-低級アルキルピロリル、ピリジル-N-酸化物、ピリミジル、ピラジニル、イミダゾリル、およびインドリルなどが挙げられる。
いくつかの実施形態において、5員ヘテロアリールは、5個の環原子を有する環を含むヘテロアリールとすることができ、1つまたは複数(例えば、1、2、または3個)の環原子は、N、O、P、およびSから独立に選択することができる。例示的な5員ヘテロアリールは、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,3,4-トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、および1,3,4-オキサジアゾリルなどである。
いくつかの実施形態において、6員ヘテロアリールは、6個の環原子を有する環を含むヘテロアリールとすることができ、1つまたは複数(例えば、1、2、または3個)の環原子は、N、O、P、およびSから独立に選択することができる。例示的な6員ヘテロアリールは、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアジニルおよびピリダジニルである。
本明細書において使用される「ハロ」および「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択される原子を指す。
本明細書において使用される「シアノ」という用語は、式-CNの基を指す。
本明細書において使用される「ヒドロキシル」という用語は、式-OHの基を指す。
本明細書において使用される「化合物」という用語は、すべての立体異性体(例えば、エナンチオマーおよびジアステレオマー)、幾何異性体、互変異性体、および図示される構造の同位体を含むことを意味する。1つの特定の互変異性形態として、名称または構造によって特定された本明細書における化合物は、特に規定がない限り、他の互変異性形態を含むことを意図する。
本明細書において開示される化合物は、不斉とする(例えば、1つまたは複数の立体中心を有する)ことができる。特に指示がない限り、エナンチオマーおよびジアステレオマーなどのすべての立体異性体が意図される。非対称的に置換されている炭素原子を含む本開示の化合物は、光学活性でまたはラセミ形態で単離することができる。光学不活性出発材料から光学活性形態を調製する方法は、ラセミ混合物の分解によってまたは立体選択的な合成によってなど、当技術分野において公知である。オレフィンおよび炭素-炭素二重結合などの多くの幾何異性体も、本明細書において開示される化合物に含むことができ、かつすべてのこのような安定な異性体が本開示で考慮される。本出願の化合物のシスおよびトランス幾何異性体が開示され、かつ異性体の混合物としてまたは分離された異性体形態として単離されてもよい。
いくつかの実施形態において、本明細書において開示される化合物は、(R)-立体配置を有する。いくつかの実施形態において、本明細書において開示される化合物は(S)-立体配置を有する。
本明細書において開示される化合物としてはまた、互変異性形態が挙げられる。互変異性形態としては、同じ実験式および総電荷を有する異性体プロトン化状態であるプロトトロピー互変異性体が挙げられる。プロトトロピー互変異性体の例としては、ケトン-エノール対、アミド-イミド酸対、ラクタム-ラクチム対、エナミン-イミン対、ならびにプロトンが、複素環系、例えば、1H-および3H-イミダゾール、1H-、2H-および4H-1,2,4-トリアゾール、1H-および2H-イソインドール、ならびに1H-および2H-ピラゾールのうちの2つ以上の位置を占めることができる環状形態が挙げられる。互変異性形態は、平衡状態または適切な置換によって1つの形態に立体的に固定されたものとすることができる。
本明細書において開示される化合物としてはまた、中間体または最終化合物において生じる原子のすべての同位体があり得る。同位体としては、同じ原子番号であるが異なる質量数を有する原子が挙げられる。例えば、水素の同位体としては、プロチウム、ジューテリウムおよびトリチウムが挙げられる。いくつかの実施形態において、水素の同位体は、プロチウムおよびジューテリウムである。
本開示の化合物はまた、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物または代謝産物の形態として使用してもよい。薬学的に許容される塩は、無機酸および有機酸のアルカリ塩を含み、酸には、これらに限定するものではないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エチルスルホン酸、リンゴ酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、マレイン酸、サリチル酸、安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸が含まれる。本開示の化合物がカルボキシルなどの酸性官能基を含むときに、好適な薬学的に許容されるカルボキシルの陽イオンは、当業者であれば周知であり、カルボキシルの陽イオンとしては、アルカリ、アルカリ土類、アンモニウム、第4級アンモニウムの陽イオンが挙げられる。
特に規定がない限り、「IDH」または「野生型IDH」は、イソシトレートのα-KGへの変換を触媒する正常IDH酵素を指す。例示的な正常IDH酵素としては、
ヒトIDH1タンパク質(NCBI登録番号:O75874.2、配列番号:1)
1 mskkisggsv vemqgdemtr iiwelikekl ifpyveldlh sydlgienrd atndqvtkda
61 aeaikkhnvg vkcatitpde krveefklkq mwkspngtir nilggtvfre aiickniprl
121 vsgwvkpiii grhaygdqyr atdfvvpgpg kveitytpsd gtqkvtylvh nfeegggvam
181 gmynqdksie dfahssfqma lskgwplyls tkntilkkyd grfkdifqei ydkqyksqfe
241 aqkiwyehrl iddmvaqamk seggfiwack nydgdvqsds vaqgygslgm mtsvlvcpdg
301 ktveaeaahg tvtrhyrmyq kgqetstnpi asifawtrgl ahrakldnnk elaffanale
361 evsietieag fmtkdlaaci kglpnvqrsd ylntfefmdk lgenlkikla qakl
ヒトIDH2タンパク質(NCBI登録番号:P48735.2、配列番号:2)
1 magylrvvrs lcrasgsrpa wapaaltapt sqeqprrhya dkrikvakpv vemdgdemtr
61 iiwqfikekl ilphvdiqlk yfdlglpnrd qtddqvtids alatqkysva vkcatitpde
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241 qkkwplymst kntilkaydg rfkdifqeif dkhyktdfdk nkiwyehrli ddmvaqvlks
301 sggfvwackn ydgdvqsdil aqgfgslglm tsvlvcpdgk tieaeaahgt vtrhyrehqk
361 grptstnpia sifawtrgle hrgkldgnqd lirfaqmlek vcvetvesga mtkdlagcih
421 glsnvklneh flnttdfldt iksnldralg rq
が挙げられる。
本明細書において使用される「IDH変異」という用語は、IDH酵素に対する任意の変異を指し、その変異は、「IDH変異体」、「変異体IDH」または「変異IDH」が、α-KGのD-2-HGへの変換を触媒することを可能にする。いくつかの実施形態において、「変異体IDH」は、α-KGのD-2-HGへの変換と、イソシトレートのα-KGへの変換の両方を触媒する。このような変異としては、これらに限定されるものではないが、IDH1におけるR132H、R132C、R132G、R132L、R132S;またはIDH2におけるR172K、R172M、R172Wが挙げられる。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、α-KGのD-2-HGへの変換を阻害する。いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、イソシトレートのα-KGへの変換を阻害する。いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、α-KGのD-2-HGへの変換と、イソシトレートのα-KGへの変換の両方を阻害する。いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、α-KGのD-2-HGへの変換を選択的に阻害することができるが、イソシトレートのα-KGへの変換は選択的に阻害できない。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、変異体IDHを阻害する。いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、野生型IDHを阻害する。いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、変異体IDHと野生型IDHの両方を阻害する。いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、変異体IDHを選択的に阻害することができるが、野生型IDHは選択的に阻害できない。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、0.01~1000μM、好ましくは0.01~500μM、0.01~100μM、0.01~80μM、0.01~50μM、0.01~40μM、0.01~30μM、または0.01~20μmM、より好ましくは0.01~10μM、0.01~5μM、または0.01~1μMのIC50値で、野生型IDHおよび/または変異体IDHを阻害する。
本明細書において使用される「選択的に阻害する」という用語は、野生型IDHに対する化合物のIC50が、IDH変異体に対する化合物のIC50よりも少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、好ましくは10倍、20倍、30倍または50倍高いことを意味する。
合成方法
その塩、エステル、水和物、または溶媒和物または立体異性体を含む、本明細書において提供される化合物の合成は、以下の一般的な合成スキームで示される。本明細書において提供される化合物は、任意の公知の有機合成技術を使用して調製することができ、かつ多数の可能な合成経路のいずれかに従って合成することができ、したがって、これらのスキームは、単なる例示にすぎず、かつ本明細書において提供される化合物の調製に使用することができる他の可能な方法を限定することを意味するものではない。さらに、スキーム中のステップはさらに例示するためのものであり、必要に応じて変更することができる。例中の化合物の実施形態は、研究のために、かつ規制当局へ提出の可能性があるために、中国で合成した。
本開示の化合物を調製するための反応は、好適な溶媒中で行うことができ、好適な溶媒は、有機合成の当業者によって容易に選択することができる。好適な溶媒は、反応が行われる温度で、例えば、溶媒の凍結温度~溶媒の沸騰温度の範囲とすることができる温度で、出発材料(反応物)、中間体、または生成物と実質的に非反応性とすることができる。所与の反応は、1種類の溶媒または1種類を超える溶媒の混合物中で行うことができる。特定の反応ステップに応じて、特定の反応ステップのための好適な溶媒を当業者によって選択することができる。
本開示の化合物の調製は、さまざまな化学基の保護および脱保護を伴うことができる。保護および脱保護の必要性、および適切な保護基の選択は、当業者によって容易に決定することができる。保護基の化学構造は、例えば、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、Wiley&Sons,Inc.、New York(1999年)で見い出すことができ、この文献は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
反応は、当技術分野において公知の任意の好適な方法に従ってモニターすることができる。例えば、生成物の形成は、核磁気共鳴分光法(例えば、Hまたは13C)、赤外線分光法、分光光度法(例えば、UV~可視)、質量分析法などの分光学的手段によって、または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、液体クロマトグラフィー-質量分光法(LCMS)、もしくは薄層クロマトグラフィー(TLC)などのクロマトグラフィー法によってモニターすることができる。化合物は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(「Preparative LC-MS Purification:Improved Compound Specific Method Optimization」、Karl F.Blom、Brian Glass、Richard Sparks、Andrew P.Combs J.Combi.Chem.2004年、6(6)、874~883頁、この文献は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれるものとする)および順相シリカクロマトグラフィーを含むさまざまな方法で、当業者によって精製することができる。
式(Ia)の中間体化合物は、スキーム1~5で示すように合成することができ、式(Ia)の化合物は、スキーム6~11で示すように合成することができる。
スキーム1:式(Ia)の中間体の合成
Figure 0007021405000019
ステップ1:化合物1001を、NBSおよびBPOと、CCl中で反応させ、化合物1002を得た(式中、Rの定義は上記で開示されるとおりである)。
ステップ2:化合物1002を、RNH HClと、CsCOの存在下で反応させ、化合物1004を得た(式中、Rの定義は上記で開示されるとおりである)。
スキーム2:式(Ia)の中間体の合成
Figure 0007021405000020
ステップ1:DCM中の化合物1005を、m-トリルボロン酸、Cu(OAc)およびTEAと反応させ、化合物1006を得た。
ステップ2:THF中の化合物1006を、(R)-(+)-2-メチル-2-プロパンスルフィンアミドと、Ti(OEt)の存在下で反応させ、化合物1007を得た。
ステップ3:無水THF中の化合物1007を、L-セレクトリドと反応させ、化合物1008を得た。
ステップ4:MeOH中の化合物1008を、HCl/MeOHと反応させ、化合物1009を得た。
スキーム3:式(Ia)の中間体の合成
Figure 0007021405000021
ステップ1:トルエン中の化合物1010を、p-クレゾール、CuIおよびCsCOと反応させ、化合物1011を得た。
ステップ2:THF中の化合物1011を、(R)-(+)-2-メチル-2-プロパンスルフィンアミドと、Ti(OEt)の存在下で反応させ、化合物1012を得た。
ステップ3:無水THF中の化合物1012を、L-セレクトリドと反応させ、化合物1013を得た。
ステップ4:MeOH中の化合物1013を、HCl/MeOHと反応させ、化合物1014を得た。
スキーム4:式(Ia)の中間体の合成
Figure 0007021405000022
ステップ1:トルエン中の化合物1015を、1-メチルピペラジンおよびKCOと反応させ、化合物1016を得た。
ステップ2:THF中の化合物1016を、(R)-(+)-2-メチル-2-プロパンスルフィンアミドと、Ti(OEt)の存在下で反応させ、化合物1017を得た。
ステップ3:無水THF中の化合物1017を、L-セレクトリドと反応させ、化合物1018を得た。
ステップ4:MeOH中の化合物1018を、HCl/MeOHと反応させ、化合物1019を得た。
スキーム5:式(Ia)の中間体の合成
Figure 0007021405000023
ステップ1:DCM中の化合物1020を、(4-フルオロフェニル)ボロン酸、Cu(OAc)およびTEAと反応させ、化合物1021を得た。
ステップ2:THF中の化合物1021を、(R)-(+)-2-メチル-2-プロパンスルフィンアミドと、Ti(OEt)の存在下で反応させ、化合物1022を得た。
ステップ3:無水THF中の化合物1022を、L-セレクトリドと反応させ、化合物1023を得た。
ステップ4:MeOH中の化合物1023を、HCl/MeOHと反応させ、化合物1024を得た。
スキーム6:式(Ia)の化合物の合成
Figure 0007021405000024
エチレングリコール中の化合物1004を、化合物1025およびTEAと反応させ、標的化合物を得た(式中、R、R、XおよびYの定義は、上記で開示されたとおりである)。
スキーム7:式(Ia)の化合物の合成
Figure 0007021405000025
ステップ1:THF中の化合物1026を、水中のNaOHと反応させ、化合物1027を得た。
ステップ2:DMF中の化合物1027を、アニリン、DIPEAおよびHATUと反応させ、標的化合物を得た。
スキーム8:式(Ia)の化合物の合成
Figure 0007021405000026
ジオキサン/HO中の化合物1028を、水中の1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール、CsCOおよびPd(dppf)Clと反応させ、標的化合物を得た。
スキーム9:式(Ia)の化合物の合成
Figure 0007021405000027
ステップ1:ジオキサン中の化合物1029を、tert-ブチルカルバメート、t-BuOK、Pd(PPhおよびX-phosと反応させ、化合物1030を得た。
ステップ2:MeOH中の化合物1030を、HCl/MeOHと反応させ、標的化合物を得た。
スキーム10:式(Ia)の化合物の合成
Figure 0007021405000028

THF中の化合物1031を、AcO、TEAおよびDMAPと反応させ、標的化合物を得た。
スキーム11:式(Ia)の化合物の合成
Figure 0007021405000029
THF中の化合物1032を、水中のNaOHと反応させ、標的化合物を得た。
医薬組成物
本開示は、本明細書において開示される少なくとも1種の化合物を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、本明細書において開示される1種を超える化合物を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、本明細書において開示される1種または複数の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む。
薬学的に許容される担体は、医薬分野において周知の様式で調製することができる、当技術分野における従来の医薬担体である。いくつかの実施形態において、本明細書において開示される化合物を、薬学的に許容される担体と混ぜて、医薬組成物を調製してもよい。
本明細書において使用される「薬学的に許容される」という表現は、健全な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織と接触させて使用するために好適であり、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、もしくは他の問題または合併症がなく、妥当な利点/リスク比に見合う、化合物、材料、組成物、および/または剤形を指す。いくつかの実施形態において、薬学的に許容される化合物、材料、組成物、および/または剤形は、動物、より詳細にはヒトに使用するための、規制当局(米国食品医薬品局、中国食品医薬品局または欧州医薬品庁など)によって承認されたもの、または一般的に認識されている薬局方(米国薬局方、中国薬局方または欧州薬局方など)に記載されているものを指す。
本明細書において使用される「薬学的に許容される担体」という用語は、本明細書において提供される化合物の、一方の位置、体液、組織、臓器(内部または外部)、または身体の一部から、もう一方の位置、体液、組織、臓器、または身体の一部への送達または運搬に関与する、液体もしくは固体フィラー、希釈剤、賦形剤、溶媒または封入材料などの薬学的に許容される材料、組成物またはビヒクルを指す。薬学的に許容される担体は、動物組織への接触に使用することができ、過剰な毒性または有害効果がない、ビヒクル、希釈剤、賦形剤、または他の材料とすることができる。例示的な薬学的に許容される担体としては、糖、デンプン、セルロース、モルト、トラガカント、ゼラチン、リンガー溶液、アルギン酸、等張生理食塩水、および緩衝剤などが挙げられる。本開示において用いることができる薬学的に許容される担体としては、「Remington Pharmaceutical Sciences」、Mack Pub.Co.、New Jersey(1991年)で開示されているものなどの、当技術分野において一般的に知られているものがあり、この文献は、参照によって本明細書に組み込まれるものとする。
薬学的に許容される担体として役割を果たすことができる材料のいくつかの例としては:(1)ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖;(2)コーンスターチおよびジャガイモデンプンなどのデンプン;(3)セルロース、ならびにナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのセルロースの誘導体;(4)トラガカント末;(5)モルト;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)ココアバターおよび坐剤ワックスなどの賦形剤、;(9)落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油およびダイズ油などの油、;(10)プロピレングリコールなどのグリコール;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールなどのポリオール;(12)オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル;(13)寒天;(14)水酸物マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)発熱因子不含水;(17)等張生理食塩水;(18)リンガー溶液;(19)エチルアルコールおよびプロパンアルコールなどのアルコール;(20)リン酸緩衝液;および(21)アセトンなどの医薬製剤で用いられる他の非毒性適合物質が挙げられる。
医薬組成物は、pH調整剤および緩衝剤、ならびに毒性調整剤など、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、および乳酸ナトリウムなどの生理学的条件に近づけるために必要とされるような薬学的に許容される補助物質を含んでいてもよい。
医薬組成物の形態は、多数の基準によって決まり、その基準としては、これらに限定されないが、投与経路、疾患の程度、または投与する用量が挙げられる。
医薬組成物は、経口、経鼻、直腸、経皮、静脈内、または筋肉内投与用に製剤化することができる。所望の投与経路に従って、医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、丸剤、糖衣錠剤、粉末剤、顆粒剤、サッシェ剤、カシェ剤、ロゼンジ剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤、エアロゾル剤(固体としてまたは液体媒体で)、噴霧剤、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、パッチ剤、吸入剤、または坐剤の形態で製剤化することができる。
医薬組成物は、当技術分野において公知の手順を用いることによって患者に投与した後に、有効成分の迅速な、持続的なまたは遅延的な放出を提供するように製剤化することができる。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、持続放出形態で製剤化される。本明細書において使用される「持続放出形態」という用語は、その有効成分が主に対象の胃腸管で長時間にわたって(徐放)、または特定の位置で(制御放出)、対象において生物学的吸収に関して利用可能となるように、活性薬剤が医薬組成物から放出されることを指す。いくつかの実施形態において、長時間は、約1時間~24時間、2時間~12時間、3時間~8時間、4時間~6時間、1~2日以上とすることができる。特定の実施形態において、長時間は、少なくとも約4時間、少なくとも約8時間、少なくとも約12時間、または少なくとも約24時間である。医薬組成物は、錠剤の形態で製剤化することができる。例えば、活性薬剤の放出速度は、胃腸液での活性薬剤の溶解、およびその後の錠剤または丸剤から外へのpHとは無関係な拡散によって制御することができるだけではなく、錠剤の崩壊および浸食の物理的なプロセスによって影響を与えることもできる。いくつかの実施形態において、「Medical Applications of Controlled Release」、LangerおよびWise(編)、CRC Pres.、Boca Raton、Florida(1974年);「Controlled Drug Bioavailability」、Drug Product Design and Performance、SmolenおよびBall(編)、Wiley、New York(1984年);RangerおよびPeppas、1983年、J Macromol.Sci.Rev.Macromol Chem.23:61;Levyら、1985年、Science 228:190も参照のこと;Duringら、1989年、Ann.Neurol.25:351;Howardら、1989年、J.Neurosurg.71:105で開示されるようなポリマー材料を、持続放出のために使用することができる。上記の参考文献は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれるものとする。
ある実施形態において、医薬組成物は、本明細書において提供される化合物を約0.01mg~約1000mg(例えば約0.01mg~約10mg、約0.1mg~約10mg、約1mg~約10mg、約5mg~約10mg、約5mg~約20mg、約5mg~約30mg、約5mg~約40mg、約5mg~約50mg、約10mg~約100mg、約20mg~約100mg、約30mg~約100mg、約40mg~約100mg、約50mg~約100mg、約50mg~約200mg、約50mg~約300mg、約50mg~約400mg、約50mg~約500mg、約100mg~約200mg、約100mg~約300mg、約100mg~約400mg、約100mg~約500mg、約200mg~約500mg、約300mg~約500mg、約400mg~約500mg、約500mg~約1000mg、約600mg~約1000mg、約700mg~約1000mg、約800mg~約1000mg、または約900mg~約1000mg)を含む。1日当たりの対象1名当たりの好適な投与量は約5mg~約500mg、好ましくは約5mg~約50mg、約50mg~約100mg、または約50mg~約500mgとすることができる。
特定の実施形態において、医薬組成物は単位剤形で製剤化することができ、各投与量は、本明細書において開示される化合物約0.01mg~約10mg、約0.1mg~約10mg、約1mg~約10mg、約5mg~約10mg、約5mg~約20mg、約5mg~約30mg、約5mg~約40mg、約5mg~約50mg、約10mg~約100mg、約20mg~約100mg、約30mg~約100mg、約40mg~約100mg、約50mg~約100mg、約50mg~約200mg、約50mg~約300mg、約50mg~約400mg、約50mg~約500mg、約100mg~約200mg、約100mg~約300mg、約100mg~約400mg、約100mg~約500mg、約200mg~約500mg、約300mg~約500mg、約400mg~約500mg、約500mg~約1000mg、約600mg~約1000mg、約700mg~約1000mg、約800mg~約1000mg、または約900mg~約1000mgを含む。「単位剤形」という用語は、ヒト対象および他の哺乳動物用の単位投与量として好適な、物理的に個別の単位を指し、各単位は、好適な医薬担体と共同で所望の治療的効果を得るように計算された所定量の活性材料を含む。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、本明細書において開示される1種または複数の化合物を第1の有効成分として含み、かつ第2の有効成分をさらに含む。第2の有効成分は、当技術分野において公知の任意の抗がん剤とすることができる。がんまたは腫瘍を処置するための抗がん剤の代表的な例としては、これらに限定されるものではないが、細胞シグナル伝達阻害剤(例えば、イマチニブ、ゲフィチニブ、ボルテゾミブ、エルロチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、ダサチニブ、ボリノスタット、ラパチニブ、テムシロリムス、ニロチニブ、エベロリムス、パゾパニブ、トラスツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ラニビズマブ、ペガプタニブ、およびパニツムマブなど)、有糸***阻害剤(例えば、パクリタキセル、ビンクリスチン、およびビンブラスチンなど)、アルキル化剤(例えば、シスプラチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、およびカルムスチンなど)、代謝産物拮抗物質(例えば、メトトレキサート、および5-FUなど)、インターカレート抗がん剤(intercalating anticancer agent)、(例えば、アクチノマイシン、アントラサイクリン、ブレオマイシン、およびマイトマイシン-Cなど)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、イリノテカン、トポテカン、およびテニポシドなど)、免疫療法剤(例えば、インターロイキン、およびインターフェロンなど)および抗ホルモン剤(例えば、タモキシフェン、およびラロキシフェンなど)があり得る。いくつかの実施形態において、第2の活性薬剤は、イブルチニブ、ベネトクラックス、イマチニブメシレート、ニロチニブ塩酸塩、ボスチニブ、ダサチニブ、エトポシド、リン酸フルダラビン、ポナチニブ、ビンクリスチンスルフェート、メトトレキサート、シクロホスファミド、ロムスチン、テニポシド、テモゾロミド、フォテムスチン、カルムスチン、ベバシズマブ、ピシバニール、フルオロウラシル、メルファラン、ゲムシタビン塩酸塩のうちの1種または複数である。
処置方法
本開示は、IDHと関連する疾患を処置する方法であって、1種または複数の化合物、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物もしくは立体異性体または本明細書において開示される医薬組成物の有効量を対象に投与することを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態において、1種または複数の化合物、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物もしくは立体異性体または本明細書において提供される医薬組成物は、非経口経路または非経口ではない経路を介して投与される。いくつかの実施形態において、1種または複数の化合物、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物もしくは立体異性体、または医薬組成物は、経口で、経腸で、経頬側で、経鼻で、経鼻腔で、経粘膜で、経表皮で(epidermally)、経皮で(transdermally)、経皮で(dermally)、経眼で、経肺で、経舌下で、経直腸で、経膣で、局所に、皮下に、静脈内に、筋肉内に、動脈内に、髄腔内に、関節包内に(intracapsularly)、眼窩内に、心臓内に(intracardiacally)、皮内に、腹腔内に、経気管で、表皮下に、関節内に、被膜下に、クモ膜下に、髄腔内に、または胸骨内に投与される。
本明細書において提供される化合物は、純粋な形態で、他の有効成分と組み合わせてまたは本開示の医薬組成物の形態で投与することができる。いくつかの実施形態において、本明細書において提供される化合物は、当技術分野において公知の1種または複数の抗がん剤と、同時にまたは連続的に組み合わせて、必要とする対象に投与することができる。いくつかの実施形態において、投与は、1日1回、1日2回、1日3回、または2日ごとに1回、3日ごとに1回、4日ごとに1回、5日ごとに1回、6日ごとに1回、1週に1回で行われる。
特定の実施形態において、本開示は、化合物、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物もしくは立体異性体、または本開示の医薬組成物の、α-KGのD-2-HGへの変換と関連する疾患を処置するための医薬の製造における使用を提供する。特定の実施形態において、本開示は、化合物、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物もしくは立体異性体、または本開示の医薬組成物の、変異体IDHと関連する疾患を処置するための医薬の製造における使用を提供する。
特定の実施形態において、α-KGのD-2-HGへの変換と関連する疾患は、がんを含む、変異体IDHと関連する疾患である。
特に、がんとしては、これらに限定されるものではないが、白血病、神経膠芽腫、黒色腫、軟骨肉腫、胆管細胞癌、骨肉腫、リンパ腫、肺がん、腺腫、骨髄腫、肝細胞癌、副腎皮質癌、膵臓がん、乳がん、前立腺がん、肝臓がん、胃がん、結腸がん、直腸結腸がん、卵巣がん、子宮頸がん、脳がん、食道がん、骨がん、精巣がん、皮膚がん、腎臓がん、中皮腫、神経芽細胞腫、甲状腺がん、頭頚部がん、食道がん、眼がん、前立腺がん、鼻咽頭がん、または口腔がんが挙げられる。いくつかの実施形態において、がんは、白血病、神経膠芽腫、または胆管細胞癌である。
本開示における化合物およびその医薬組成物は、哺乳動物における、特にヒトにおける、α-KGのD-2-HGへの変換と関連する疾患または状態のいずれかの発症または発生の予防または処置に使用することができる。いくつかの実施形態において、本開示における化合物およびその医薬組成物は、哺乳動物における、特にヒトにおける、変異体IDHと関連する疾患または状態のいずれかの発症または発生の予防または処置に使用することができる。
このような状況において、本開示はまた、本開示の化合物または医薬組成物を単独でまたは他の成分(例えば第2の有効成分、例えば抗がん剤)と組み合わせて処置するために好適な患者をスクリーニングする方法を提供する。この方法には、患者からの腫瘍試料をシーケンシングすること、および、患者におけるD-2-HGの蓄積を検出すること、または患者におけるIDHの変異状態を検出することが含まれる。
以下で本開示の一般的な方法をさらに説明する。本開示の化合物は、当技術分野において公知の方法によって調製してもよい。以下で本開示の好ましい化合物の詳細な調製方法を例示する。しかし、これらは決して本開示の化合物の調製方法を限定するものではない。
合成例
以下の例における化合物の構造を、核磁気共鳴(NMR)または/および質量分析法(ESI)によって特性決定した。NMRシフト(δ)を10-6(ppm)の単位で得た。H-NMRスペクトルを、ジメチルスルホキシド-d(DMSO-d)またはCDCl中、Varian Mercury VX 400分光器で、内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)を用いて記録した。
ESI-HRMS測定を、Agilent 1260-6230 TOF LC-MS質量分光器を用いて行った。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定を、Agilent 1200 LCで、Phenomen C18カラム(4.6mm×150mm、0.4μm)を使用して行った。
薄層クロマトグラフィーを、Yantai Huanghai HSGF254シリカゲルプレートを使用して行った。薄層クロマトグラフィー(TLC)に使用したシリカゲルプレートは、0.15mm~0.2mmであった。TLCによる生成物の分離および精製に使用したシリカゲルプレートは、0.4mm~0.5mmであった。
精製クロマトグラフィーカラムには、担体としてシリカゲルを使用する(200~300メッシュ、Yantai Huanghai co.製)。
本開示の公知の出発材料は、当技術分野において公知の方法を使用することによってもしくはその方法に従って合成することができる、またはAlfa Aesar、Langcaster、TCI、Aldrich、Bepharm、およびScohemから購入することができる。
特に規定がない限り、例における反応は、アルゴンまたは窒素雰囲気下ですべて行った。アルゴンまたは窒素雰囲気は、反応フラスコが約1Lの体積を有するアルゴンまたは窒素バルーンに連結されていることを指す。水素添加は、通常、真空下で水素を充填し、3回繰り返して行った。特に規定がない限り、例における反応温度は、周囲温度であり、その周囲温度は20℃~30℃であった。
例における反応の進行は、TLCによって監視した。反応に使用した溶離液系としては、ジクロロメタン-メタノール系および石油エーテル-酢酸エチル系が挙げられる。溶媒の体積比は、化合物の異なる極性によって調整した。
化合物の精製に使用したカラムクロマトグラフィーの溶離系およびTLCの溶離液系としては、ジクロロメタン-メタノール系および石油エーテル-酢酸エチル系が挙げられる。溶媒の体積比は、化合物の異なる極性によって調整した。トリエチルアミンおよび酢酸などの少量のアルカリ性または酸性剤を添加して、調整することができる。
合成例1
Figure 0007021405000030

(S)-4-(1-(4-ブロモフェニル)エチルアミノ)-2-エチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物1を、スキーム1および6に従って調製した。
ステップ1
Figure 0007021405000031

メチル3-(ブロモメチル)-2-クロロイソニコチネート
メチル2-クロロ-3-メチルイソニコチネート(6.00g、32.32mmol)のCCl(30mL)中溶液に、NBS(6.06g、33.94mmol)およびBPO(780mg、3.23mmol)を添加した。添加後、反応混合物を3時間加熱還流した。TLCによって、出発材料が消費されたことが示された。次いで、それを周囲温度に冷却し、得られた沈殿物をろ過によって除去し、CCl(5mL)で洗浄した。ろ液を真空中で濃縮し、粗製生成物メチル3-(ブロモメチル)-2-クロロイソニコチネートを黄色油状物として得、それをさらに精製することなく次のステップで使用した。
ステップ2
Figure 0007021405000032

4-クロロ-2-エチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
上記粗製生成物をTHF(50mL)中に溶解した。エタンアミン塩酸塩(2.64g、32.32mmol)およびCsCO(42.12g、129.28mmol)を反応混合物に添加した。それを周囲温度で12時間撹拌した。TLCによって、出発材料が消費されたことが示された。固形物をろ過によって除去し、酢酸エチル(10mL)で洗浄し、ろ液を真空中で濃縮した。粗製生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1で溶離させた)で精製し、所望の生成物を淡黄色固形物として得た(2.31g、収率36.2%、2ステップで)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.51 (d, J= 4.8 Hz, 1H), 7.64 (d, J= 4.8 Hz, 1H), 4.40 (s, 2H), 3.67 (q, J= 7.2 Hz, 2H), 1.28 (t, J= 7.2 Hz, 3H).
ステップ3
Figure 0007021405000033

(S)-4-((1-(4-ブロモフェニル)エチル)アミノ)-2-エチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
4-クロロ-2-エチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(150mg、0.76mmol)のエチレングリコール(15mL)中溶液に、(S)-1-(4-ブロモフェニル)エタンアミン(229mg、1.14mmol)およびTEA(232mg、2.29mmol)を添加した。反応混合物を150℃に加熱し、5時間撹拌した。それを周囲温度に冷却し、水30mLで希釈し、酢酸エチル(25mL×2)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗製生成物を、分取TLC(DCM:MeOH=20:1)で精製し、所望の生成物を白色固形物として得た(80mg、収率29.1%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.13 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.04 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 6.84 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 5.24 (br, 1H), 4.72 - 4.52 (m, 1H), 4.21 (s, 2H), 3.40 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.05 (s, 3H), 1.54 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.14 (t, J = 7.1 Hz, 3H). ESI-MS m/z 360.1 [M+H].
合成例2
Figure 0007021405000034

(S)-2-エチル-4-(1-(4-フルオロフェニル)エチルアミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物1を、スキーム1および6に従って調製した。合成方法は、(S)-1-(4-ブロモフェニル)エタンアミンを(S)-1-(4-フルオロフェニル)エタンアミンで置き換えたことを除いて、合成例1と同様であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.14 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.42-7.31(m, 2H), 7.27-7.09 (m, 2H), 6.99 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 5.28 (br, 1H), 4.61-4.41 (m, 1H), 4.15 (s, 2H), 3.51 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.35 (s, 3H), 1.58 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.12 (t, J = 7.2 Hz, 3H). ESI-MS m/z 300.1 [M+H].
合成例3
Figure 0007021405000035

(S)-2-エチル-4-(1-p-トリルエチルアミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物3を、スキーム1および6に従って調製した。合成方法は、(S)-1-(4-ブロモフェニル)エタンアミンを(S)-1-(4-メチルフェニル)エタンアミンで置き換えたことを除いて合成例1と同様であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.14 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.07 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 6.94 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.27 (br, 1H), 4.69 - 4.42 (m, 1H), 4.12 (s, 2H), 3.56 (q, J = 7.4 Hz, 2H), 2.25 (s, 3H), 1.52 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.16 (t, J = 7.4 Hz, 3H). ESI-MS m/z 296.2 [M+H].
合成例4
Figure 0007021405000036

(S)-2-シクロプロピル-4-(1-フェニルエチルアミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物4を、スキーム1および6に従って調製した。合成方法は、エタンアミン塩酸塩をシクロプロパンアミン塩酸塩で置き換え、かつ(S)-1-(4-ブロモフェニル)エタンアミンを(S)-1-フェニルエタンアミンで置き換えたことを除いて、合成例1と同様であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.12 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.24 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.20 - 7.13 (m, 1H), 6.91 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 5.30 (p, J = 7.0 Hz, 1H), 4.54 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 4.07 (s, 2H), 2.81 (h, J = 4.7, 3.6 Hz, 1H), 1.52 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.88 - 0.69 (m, 4H). ESI-MS m/z 294.2 [M+H].
合成例5
Figure 0007021405000037

(S)-2-ブチル-4-(1-フェニルエチルアミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物5を、スキーム1および6に従って調製した。合成方法は、エタンアミン塩酸塩をn-ブチルアミン塩酸塩で置き換え、かつ(S)-1-(4-ブロモフェニル)エタンアミンを(S)-1-フェニルエタンアミンで置き換えたことを除いて、合成例1と同様であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.14 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.22 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.12 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 6.95 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.41-5.22 (m, 1H), 4.07 (s, 2H), 3.62 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.61-1.68 (m, 2H), 1.35-1.42 (m, 2H), 0.95 (t, J = 7.4 Hz, 3H). ESI-MS m/z 310.2 [M+H].
合成例6
Figure 0007021405000038

(S)-2-ベンジル-4-(1-フェニルエチルアミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物6を、スキーム1および6に従って調製した。合成方法は、エタンアミン塩酸塩をベンジルアミンで置き換え、かつ(S)-1-(4-ブロモフェニル)エタンアミンを(S)-1-フェニルエタンアミンで置き換えたことを除いて、合成例1と同様であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.14 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.37 - 7.11 (m, 10H), 7.09 - 6.94 (m, 1H), 5.23 (q, J = 7.1 Hz, 1H), 4.69 (d, J = 2.7 Hz, 2H), 4.09 (s, 2H), 1.53 (s, 3H). ESI-MS m/z 344.2 [M+H].
合成例7
Figure 0007021405000039

(S)-2-(4-メトキシベンジル)-4-(1-フェニルエチルアミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物7を、スキーム1および6に従って調製した。合成方法は、エタンアミン塩酸塩を4-メトキシベンジルアミンで置き換え、かつ(S)-1-(4-ブロモフェニル)エタンアミンを(S)-1-フェニルエタンアミンで置き換えたことを除いて、合成例1と同様であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.14 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.31 - 7.15 (m, 5H), 7.14 - 7.08 (m, 2H), 7.01 - 6.95 (m, 1H), 6.82 - 6.74 (m, 2H), 5.26 (p, J = 6.9 Hz, 1H), 4.61 (d, J = 2.5 Hz, 2H), 4.17 (s, 2H), 3.95 (s, 2H), 3.71 (d, J = 1.9 Hz, 3H), 1.49 (d, J = 6.6 Hz, 3H). ESI-MS m/z 374.2 [M+H].
合成例8
Figure 0007021405000040

(S)-2-イソプロピル-4-(1-フェニルエチルアミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物8を、スキーム1および6に従って調製した。合成方法は、エタンアミン塩酸塩をイソプロピルアミンで置き換え、かつ(S)-1-(4-ブロモフェニル)エタンアミンを(S)-1-フェニルエタンアミンで置き換えたことを除いて、合成例1と同様であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.13 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.26 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.18 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 5.32 (p, J = 7.2 Hz, 1H), 4.68-4.49 (m, 2H), 4.07 (s, 2H), 1.54 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.18 (d, J = 6.7 Hz, 6H). ESI-MS m/z 296.2 [M+H].
合成例9
Figure 0007021405000041

(S)-2-(2-メトキシエチル)-4-(1-フェニルエチルアミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物9を、スキーム1および6に従って調製した。合成方法は、エタンアミン塩酸塩を2-メトキシエチルアミンで置き換え、かつ(S)-1-(4-ブロモフェニル)エタンアミンを(S)-1-フェニルエタンアミンで置き換えたことを除いて、合成例1と同様であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.15 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.33 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 7.26 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 7.23 - 7.13 (m, 1H), 6.96 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.32 (p, J = 7.1 Hz, 1H), 4.38 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 4.27 (s, 2H), 3.70 (t, J = 5.1 Hz, 2H), 3.53 (t, J = 5.0 Hz, 2H), 3.27 (s, 3H), 1.54 (d, J = 6.7 Hz, 3H). ESI-MS m/z 312.2 [M+H].
合成例10
Figure 0007021405000042

(S)-2-エチル-4-(1-フェニルエチルアミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物10を、スキーム1および6に従って調製した。合成方法は、(S)-1-(4-ブロモフェニル)エタンアミンを(S)-1-フェニルエタンアミンで置き換えたことを除いて、合成例1と同様であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.15 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.32 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 7.30 (s, 2H), 7.19 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 6.96 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 5.32 (p, J = 6.6 Hz, 1H), 4.46 (s, 1H), 4.13 (d, J = 3.0 Hz, 2H), 3.57 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.54 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.17 (t, J = 7.1 Hz, 3H). ESI-MS m/z 282.2 [M+H].
合成例11
Figure 0007021405000043

(S)-2-エチル-4-(1-(4-メトキシフェニル)エチルアミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物11を、スキーム1および6に従って調製した。合成方法は、(S)-1-(4-ブロモフェニル)エタンアミンを(S)-1-(4-メトキシフェニル)エタンアミンで置き換えたことを除いて、合成例1と同様であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.22 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.02 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 5.33 (p, J = 6.9 Hz, 1H), 4.49 (s, 1H), 4.18 (s, 2H), 3.79 (s, 3H), 3.64 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 1.59 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.29 - 1.23 (m, 3H). ESI-MS m/z 312.2 [M+H].
合成例12
Figure 0007021405000044

(S)-エチル-4-(1-(2-エチル-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イルアミノ)エチル)ベンゾエート
本開示の化合物12を、スキーム1および6に従って調製した。合成方法は、(S)-1-(4-ブロモフェニル)エタンアミンを(S)-エチル-4-((1-アミノ)エチル)ベンゾエートで置き換えたことを除いて、合成例1と同様であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.16 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 8.00 (dd, J = 16.5, 8.2 Hz, 2H), 7.43 (t, J = 9.1 Hz, 2H), 7.01 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 5.41 (p, J = 6.6 Hz, 1H), 4.70 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 4.34 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 4.24 (d, J = 5.2 Hz, 2H), 3.63 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.58 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 1.36 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.24 (t, J = 7.2 Hz, 3H). ESI-MS m/z 354.2 [M+H].
合成例13
Figure 0007021405000045

(S)-4-(1-(2-エチル-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イルアミノ)エチル)-N-フェニルベンズアミド
化合物12から出発し、スキーム7に従って本開示の化合物13を調製した。
ステップ1
Figure 0007021405000046

(S)-4-(1-((2-エチル-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)アミノ)エチル)安息香酸
化合物12(500mg、1.41mmol)のTHF(10mL)中溶液に、NaOH(141mg、3.54mmol)の水(5mL)中溶液を添加した。反応混合物を、周囲温度で5時間撹拌した。TLCによって、反応が完了したことが示された。混合物を濃縮し、大部分のTHFを除去し、水(10mL)で希釈し、2N HCl溶液を添加することによってpH7に酸性化した。得られた沈殿物をろ過によって収集し、水(5mL)で洗浄し、真空中、75℃で乾燥し、所望の生成物を白色固形物として得た(330mg、収率71.7%)。
ステップ2
Figure 0007021405000047

(S)-4-(1-((2-エチル-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)アミノ)エチル)-N-フェニルベンズアミド
(S)-4-(1-((2-エチル-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)アミノ)エチル)安息香酸(320mg、0.98mmol)のDMF(10mL)中溶液に、アニリン(110mg、1.18mmol)、DIPEA(254mg、1.97mmol)およびHATU(559mg、1.47mmol)を添加した。添加後、それを周囲温度で10時間撹拌した。TLCによって、反応が完了したことが示された。溶媒を真空中で濃縮することによって除去し、残渣を酢酸エチル(20mL)中に溶解し、水(15mL×2)および食塩水(15mL)で洗浄した。分離した有機層を濃縮し、粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=30:1で溶離させた)で精製し、所望の生成物を白色固形物として得た(120mg、収率30.5%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.18 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.92 (s, 1H), 7.81 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.63 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.48 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.36 (t, J = 7.9 Hz, 2H), 7.14 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.49 - 5.37 (m, 1H), 4.63 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 4.25 (d, J = 2.6 Hz, 2H), 3.64 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.31 - 3.23 (m, 1H), 1.61 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.25 (t, J = 7.3 Hz, 3H). ESI-MS m/z 401.2 [M+H].
合成例14
Figure 0007021405000048

(S)-2-エチル-4-(1-(4-(1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル)エチルアミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
化合物1から出発し、本開示の化合物14を、スキーム8に従って調製した。
化合物1(400mg、1.11mmol)のジオキサン/HO(15mL+5mL)中溶液に、1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール(348mg、1.67mmol)、CsCO(724mg、2.22mmol)およびPd(dppf)Cl(162mg、0.22mmol)を添加した。反応混合物を100℃で4時間加熱した。TLCによって、反応が完了したことが示された。溶媒を真空中で濃縮することによって除去し、残渣を酢酸エチル(20mL)中に溶解し、水(15mL)および食塩水(15mL)で洗浄した。分離した有機層を濃縮し、粗製生成物を分取TLC(DCM:MeOH=20:1)で精製し、所望の生成物を白色固形物として得た(150mg、収率37.3%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.20 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.77 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.71 (s, 1H), 7.45 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.03 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.40 (p, J = 6.8 Hz, 1H), 4.66 (s, 1H), 4.23 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 4.12 (d, J = 10.2 Hz, 3H), 3.68 - 3.59 (m, 2H), 1.62 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.24 (t, J = 7.2 Hz, 3H). ESI-MS m/z 363.2 [M+H].
合成例15
Figure 0007021405000049

(S)-2-エチル-4-(1-(4-(m-トリルオキシ)フェニル)エチルアミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物15を、スキーム1、2および6に従って調製した。
ステップ1
Figure 0007021405000050

1-(4-(m-トリルオキシ)フェニル)エタノン
1-(4-ヒドロキシフェニル)エタノン(3.00g、22.03mmol)のDCM(30mL)中溶液に、m-トリルボロン酸(4.50g、33.10mmol)、Cu(OAc)(8.00g、44.07mmol)およびTEA(11.15g、110.17mmol)を添加した。添加後、混合物を周囲温度で12時間撹拌した。TLCによって、1-(4-ヒドロキシフェニル)エタノンが消費されたことが示された。固形物をろ過によって除去し、DCM(10mL)で洗浄し、ろ液を水(30mL)で洗浄した。分離した有機層を真空中で濃縮し、粗製生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=20:1で溶離させた)で精製し、所望の生成物を淡黄色固形物として得た(2.00g、収率40.1%)。
ステップ2
Figure 0007021405000051

(R)-2-メチル-N-(1-(4-(m-トリルオキシ)フェニル)エチリデン)プロパン-2-スルフィンアミド
1-(4-(m-トリルオキシ)フェニル)エタノン(1.50g、6.63mmol)のTHF(20mL)中溶液に、(R)-(+)-2-メチル-2-プロパンスルフィンアミド(1.21g、9.94mmol)およびTi(OEt)(4.54g、19.89mmol)を添加した。反応混合物を16時間加熱還流した。TLCによって、出発材料が消費されたことが示された。それを周囲温度に冷却し、次いで水性飽和NaCl溶液(50mL)へ注ぎ入れた。得られた固形物をろ過によって除去し、酢酸エチル(10mL)で洗浄した。そして、ろ液を酢酸エチル(40mL)で抽出した。分離した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、粗製生成物を得(1.60g、収率73.3%)、それをさらに精製することなく次のステップで使用した。
ステップ3
Figure 0007021405000052

(R)-2-メチル-N-((S)-1-(4-(m-トリルオキシ)フェニル)エチル)プロパン-2-スルフィンアミド
(R)-2-メチル-N-(1-(4-(m-トリルオキシ)フェニル)エチリデン)プロパン-2-スルフィンアミド(800mg、2.30mmol)および無水THF(10mL)の混合物を-50℃に冷却し、L-セレクトリド(1M、4.6ml、4.60mmol)を混合物へ、N下、-50℃で撹拌しながら滴下した。混合物を1時間撹拌し、次いで周囲温度に加温した。完了時に、反応生成物を水(50mL)でクエンチし、酢酸エチル(60mL)で抽出した。分離した有機層を真空中で濃縮した。粗製生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:10で溶離させた)で精製し、所望の生成物を黄色固形物として得た(500mg、収率62.1%)。
ステップ4
Figure 0007021405000053

(S)-1-(4-(m-トリルオキシ)フェニル)エタンアミン塩酸塩
(R)-2-メチル-N-((S)-1-(4-(m-トリルオキシ)フェニル)エチル)プロパン-2-スルフィンアミド(450mg、1.28mmol)のMeOH(5mL)中溶液に、HCl/MeOH(4M、3.2mL、12.80mmol)を添加した。添加後、それを周囲温度で16時間撹拌した。MeOHを真空下で除去した。酢酸エチル(10mL)を残渣に添加し、30分間撹拌した。酢酸エチルを真空下で除去し、次いでMTBE(10mL)を残渣に添加し、1時間撹拌した。生成物をろ過によって収集し、MTBE(5mL)で洗浄し、真空中で乾燥し、所望の生成物をオフホワイト色固形物として得た(310mg、収率86.6%)。
ステップ5
Figure 0007021405000054

(S)-2-エチル-4-((1-(4-(m-トリルオキシ)フェニル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
合成例1のように得た、4-クロロ-2-エチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(120mg、0.61mmol)のエチレングリコール(10mL)中溶液に、(S)-1-(4-(m-トリルオキシ)フェニル)エタンアミン塩酸塩(208mg、0.92mmol)およびTEA(185mg、1.83mmol)を添加した。反応混合物を150℃に加熱し、5時間撹拌した。それを周囲温度に冷却し、水30mLで希釈し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗製生成物を、分取TLC(DCM:MeOH=20:1)で精製し、所望の生成物を白色固形物として得た(78mg、収率26.4%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.23 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.20 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 6.91 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.86 - 6.75 (m, 2H), 5.46 - 5.31 (m, 1H), 4.49 (s, 1H), 4.21 (d, J = 2.4 Hz, 2H), 3.65 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 2.32 (s, 3H), 1.61 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.25 (t, J = 7.3 Hz, 3H). ESI-MS m/z 388.2 [M+H].
合成例16
Figure 0007021405000055

(S)-2-エチル-4-(1-(4-(p-トリルオキシ)フェニル)エチルアミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物16を、スキーム1、2および6に従って調製した。合成方法は、m-トリルボロン酸をp-トリルボロン酸で置き換えたことを除いて、合成例15と同様であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.23 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.13 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.04 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 6.92 (dd, J = 13.5, 8.5 Hz, 4H), 5.37 (p, J = 6.6 Hz, 1H), 4.50 (s, 1H), 4.20 (d, J = 1.6 Hz, 2H), 3.65 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 2.33 (s, 3H), 1.60 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.25 (t, J = 7.3 Hz, 3H). ESI-MS m/z 388.2 [M+H].
合成例17
Figure 0007021405000056

(S)-2-エチル-4-(1-(4-(o-トリルオキシ)フェニル)エチルアミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物17を、スキーム1、2および6に従って調製した。合成方法は、m-トリルボロン酸をo-トリルボロン酸で置き換えたことを除いて、合成例15と同様であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.23 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.33 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.26 (dd, J = 8.7, 6.1 Hz, 1H), 7.20 - 7.11 (m, 2H), 7.06 (dd, J = 12.4, 6.1 Hz, 2H), 6.88 (t, J = 9.2 Hz, 2H), 5.37 (p, J = 6.7 Hz, 1H), 4.48 (s, 1H), 4.20 (d, J = 1.5 Hz, 2H), 3.65 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 2.36 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 2.23 (s, 3H), 1.59 (t, J = 9.8 Hz, 3H), 1.25 (t, J = 7.3 Hz, 3H). ESI-MS m/z 388.2 [M+H].
合成例18
Figure 0007021405000057

(S)-2-エチル-4-(1-(4-フェノキシフェニル)エチルアミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物18を、スキーム1、2および6に従って調製した。合成方法は、m-トリルボロン酸をフェニルボロン酸で置き換えたことを除いて、合成例15と同様であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.23 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.41 - 7.28 (m, 4H), 7.10 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 6.98 (dd, J = 11.8, 8.3 Hz, 4H), 5.39 (p, J = 7.0 Hz, 1H), 4.48 (s, 1H), 4.21 (s, 2H), 3.65 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 1.61 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.25 (t, J = 7.2 Hz, 3H). ESI-MS m/z 374.2 [M+H].
合成例19
Figure 0007021405000058

(S)-2-エチル-4-(1-(4-(4-メトキシフェノキシ)フェニル)エチルアミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物19を、スキーム1、2および6に従って調製した。合成方法は、m-トリルボロン酸を4-メトキシフェニルボロン酸で置き換えたことを除いて、合成例15と同様であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.22 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.04 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.88 (dd, J = 11.4, 8.8 Hz, 4H), 5.36 (p, J = 6.9 Hz, 1H), 4.49 (s, 1H), 4.19 (s, 2H), 3.80 (s, 3H), 3.65 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.60 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.25 (t, J = 7.2 Hz, 3H). ESI-MS m/z 404.2 [M+H].
合成例20
Figure 0007021405000059

(S)-2-エチル-4-(1-(4-(4-フルオロフェノキシ)フェニル)エチルアミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物20を、スキーム1、2および6に従って調製した。合成方法は、m-トリルボロン酸を4-フルオロフェニルボロン酸で置き換えたことを除いて、合成例15と同様であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.23 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.08 - 6.89 (m, 7H), 5.43 - 5.33 (m, 1H), 4.41 (s, 1H), 4.20 (s, 2H), 3.66 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.60 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.26 (t, J = 7.3 Hz, 3H). ESI-MS m/z 392.2 [M+H].
合成例21
Figure 0007021405000060

(S)-2-エチル-4-((1-(4-(3-フルオロフェノキシ)フェニル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物21を、スキーム1、2および6に従って調製した。化合物21の合成および特性決定方法は、m-トリルボロン酸を3-フルオロフェニルボロン酸で置き換えたことを除いて、合成例15と同様であった。
合成例22
Figure 0007021405000061

(S)-2-エチル-4-((1-(4-(2-フルオロフェノキシ)フェニル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物22を、スキーム1、2および6に従って調製した。化合物22の合成および特性決定方法は、m-トリルボロン酸を2-フルオロフェニルボロン酸で置き換えたことを除いて、合成例15と同様であった。
合成例23
Figure 0007021405000062

(S)-2-エチル-4-((1-(3-フルオロ-4-フェノキシフェニル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物23を、スキーム1、2および6に従って調製した。化合物23の合成および特性決定方法は、1-(4-ヒドロキシフェニル)エタノンを1-(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)エタノンで置き換え、かつm-トリルボロン酸をフェニルボロン酸で置き換えたことを除いて、合成例15と同様であった。
合成例24
Figure 0007021405000063

(S)-2-エチル-4-((1-(3-フルオロ-4-(p-トリルオキシ)フェニル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物24を、スキーム1、2および6に従って調製した。化合物24の合成および特性決定方法は、1-(4-ヒドロキシフェニル)エタノンを1-(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)エタノンで置き換え、かつm-トリルボロン酸をp-トリルボロン酸で置き換えたことを除いて、合成例15と同様であった。
合成例25
Figure 0007021405000064

(S)-2-エチル-4-((1-(6-(p-トリルオキシ)ピリジン-3-イル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物25を、スキーム1、3および6に従って調製した。
ステップ1
Figure 0007021405000065

1-(6-(p-トリルオキシ)ピリジン-3-イル)エタノン
1-(6-クロロピリジン-3-イル)エタノン(2.00g、12.85mmol)のトルエン(20mL)中溶液に、p-クレゾール(2.09g、19.28mmol)、CuI(450mg、2.57mmol)およびCsCO(8.38g、25.71mmol)を添加した。反応混合物を5時間加熱還流した。TLCによって、反応が完了したことが示された。固形物をろ過によって除去し、トルエン(5mL)で洗浄した。ろ液を飽和NaHCO水性溶液(15mL)および食塩水(15mL)で洗浄した。分離した有機層を濃縮し、粗製生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=6:1で溶離させた)で精製し、所望の生成物を白色固形物として得た(1.80g、収率61.6%)。
ステップ2
Figure 0007021405000066

(R)-2-メチル-N-(1-(6-(p-トリルオキシ)ピリジン-3-イル)エチリデン)プロパン-2-スルフィンアミド
1-(6-(p-トリルオキシ)ピリジン-3-イル)エタノン(1.50g、6.60mmol)のTHF(20mL)中溶液に、(R)-(+)-2-メチル-2-プロパンスルフィンアミド(1.20g、9.90mmol)およびTi(OEt)(4.52g、19.80mmol)を添加した。反応混合物を16時間加熱還流した。TLCによって、出発材料が消費されたことが示された。それを周囲温度に冷却し、次いで水性飽和NaCl溶液(50mL)に注ぎ入れた。得られた固形物をろ過によって除去し、酢酸エチル(10mL)で洗浄した。そして、ろ液を酢酸エチル(40mL)で抽出した。分離した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、粗製生成物を得(1.70g、収率77.9%)、それをさらに精製することなく次のステップで使用した。
ステップ3
Figure 0007021405000067

(R)-2-メチル-N-((S)-1-(6-(p-トリルオキシ)ピリジン-3-イル)エチル)プロパン-2-スルフィンアミド
(R)-2-メチル-N-(1-(6-(p-トリルオキシ)ピリジン-3-イル)エチリデン)プロパン-2-スルフィンアミド(800mg、2.42mmol)および無水THF(10mL)の混合物を-50℃に冷却し、L-セレクトリド(1M、4.6ml、4.60mmol)を混合物へ、N下、-50℃で撹拌しながら滴下した。混合物を1時間撹拌し、次いで周囲温度に加温した。完了時に、反応生成物を水(50mL)でクエンチし、酢酸エチル(60mL)で抽出した。分離した有機層を真空中で濃縮した。粗製生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:10で溶離させた)で精製し、所望の生成物を黄色固形物として得た(500mg、収率62.1%)。
ステップ4
Figure 0007021405000068

(S)-1-(6-(p-トリルオキシ)ピリジン-3-イル)エタンアミン二塩酸塩
(R)-2-メチル-N-((S)-1-(6-(p-トリルオキシ)ピリジン-3-イル)エチル)プロパン-2-スルフィンアミド(450mg、1.35mmol)のMeOH(5mL)中溶液に、HCl/MeOH(4M、3.4mL、13.50mmol)を添加した。添加後、それを周囲温度で16時間撹拌した。MeOHを真空下で除去した。酢酸エチル(10mL)を残渣に添加し、30分間撹拌した。酢酸エチルを真空下で除去し、次いでMTBE(10mL)を残渣に添加し、1時間撹拌した。生成物をろ過によって収集し、MTBE(5mL)で洗浄し、真空中で乾燥し、所望の生成物をオフホワイト色固形物として得た(310mg、収率76.0%)。
ステップ5
Figure 0007021405000069

(S)-2-エチル-4-((1-(6-(p-トリルオキシ)ピリジン-3-イル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
4-クロロ-2-エチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(120mg、0.61mmol)のエチレングリコール(10mL)中溶液に、(S)-1-(4-(p-トリルオキシ)フェニル)エタンアミン塩酸塩(276mg、0.92mmol)およびTEA(247mg、2.44mmol)を添加した。反応混合物を150℃に加熱し、5時間撹拌した。それを周囲温度に冷却し、水30mLで希釈し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗製生成物を、分取TLC(DCM:MeOH=20:1)で精製し、化合物25を白色固形物として得(60mg、25.3%)、それをNMRおよびMSによってさらに特性決定した。
合成例26
Figure 0007021405000070

(S)-2-エチル-4-((1-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)フェニル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物26を、スキーム1、4および6に従って調製した。
ステップ1
Figure 0007021405000071

1-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)フェニル)エタノン
1-(4-(ブロモメチル)フェニル)エタノン(5.00g、23.47mmol)のトルエン(50mL)中溶液に、1-メチルピペラジン(2.35g、23.47mmol)およびKCO(3.89g、28.16mmol)を添加した。添加後、それを70℃で3時間加熱した。TLCによって、反応が完了したことが示された。固形物をろ過によって除去し、トルエン(5mL)で洗浄した。ろ液を真空中で濃縮し、粗製生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1で溶離させた)で精製し、所望の生成物を淡黄色油状物として得た(2.80g、収率51.4%)。
ステップ2
Figure 0007021405000072

(R)-2-メチル-N-(1-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)フェニル)エチリデン)プロパン-2-スルフィンアミド
1-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)フェニル)エタノン(1.50g、6.46mmol)のTHF(20mL)中溶液に、(R)-(+)-2-メチル-2-プロパンスルフィンアミド(1.17g、9.68mmol)およびTi(OEt)(4.42g、19.37mmol)を添加した。反応混合物を16時間加熱還流した。TLCによって、出発材料が消費されたことが示された。それを周囲温度に冷却し、次いで水性飽和NaCl溶液(50mL)に注ぎ入れた。得られた固形物をろ過によって除去し、酢酸エチル(10mL)で洗浄した。そして、ろ液を酢酸エチル(40mL)で抽出した。分離した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、粗製生成物を得(1.70g、収率78.5%)、それをさらに精製することなく次のステップで使用した。
ステップ3
Figure 0007021405000073

(R)-2-メチル-N-((S)-1-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)フェニル)エチル)プロパン-2-スルフィンアミド
(R)-2-メチル-N-(1-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)フェニル)エチリデン)プロパン-2-スルフィンアミド(800mg 2.38mmol)および無水THF(10mL)の混合物を-50℃に冷却し、L-セレクトリド(1M、4.8ml、4.76mmol)を混合物へN下、-50℃で撹拌しながら滴下した。混合物を1時間撹拌し、次いで周囲温度に加温した。完了時に、反応生成物を水(50mL)でクエンチし、酢酸エチル(60mL)で抽出した。分離した有機層を真空中で濃縮した。粗製生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=20:1で溶離させた)で精製し、所望の生成物を黄色固形物として得た(550mg、収率68.3%)。
ステップ4
Figure 0007021405000074

(S)-1-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)フェニル)エタンアミン三塩酸塩
(R)-2-メチル-N-((S)-1-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)フェニル)エチル)プロパン-2-スルフィンアミド(450mg、1.33mmol)のMeOH(5mL)中溶液に、HCl/MeOH(4M、3.3mL、13.30mmol)を添加した。添加後、それを周囲温度で16時間撹拌した。MeOHを真空下で除去した。酢酸エチル(10mL)を残渣に添加し、30分間撹拌した。酢酸エチルを真空下で除去し、次いでMTBE(10mL)を残渣に添加し、1時間撹拌した。生成物をろ過によって収集し、MTBE(5mL)で洗浄し、真空中で乾燥し、所望の生成物をオフホワイト色固形物として得た(350mg、収率76.6%)。
ステップ5
Figure 0007021405000075

(S)-2-エチル-4-((1-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)フェニル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
4-クロロ-2-エチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(120mg、0.61mmol)のエチレングリコール(10mL)中溶液に、(S)-1-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)フェニル)エタンアミン三塩酸塩(314mg、0.92mmol)およびTEA(247mg、2.44mmol)を添加した。反応混合物を150℃に加熱し、5時間撹拌した。それを周囲温度に冷却し、水30mLで希釈し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗製生成物を、分取TLC(DCM:MeOH=20:1)で精製し、化合物26を白色固形物として得(52mg、収率21.7%)、それをNMRおよびMSによってさらに特性決定した。
合成例27
Figure 0007021405000076

(S)-2-エチル-4-((1-(1-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物27を、スキーム1、5および6に従って調製した。
ステップ1
Figure 0007021405000077

1-(1-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル)エタノン
1-(1H-ピラゾール-3-イル)エタノン(5.00g、45.41mmol)のDCM(50mL)中溶液に、(4-フルオロフェニル)ボロン酸(9.53g、68.11mmol)、Cu(OAc)(16.50g、90.82mmol)およびTEA(22.97g、227.04mmol)を添加した。添加後、混合物を周囲温度で12時間撹拌した。TLCによって、1-(1H-ピラゾール-3-イル)エタノンが消費されたことが示された。固形物をろ過によって除去し、DCM(20mL)で洗浄し、ろ液を水(50mL)で洗浄した。分離した有機層を真空中で濃縮し、粗製生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1で溶離させた)で精製し、所望の生成物を淡黄色固形物として得た(3.1g、収率33.4%)。
ステップ2
Figure 0007021405000078

(R)-N-(1-(1-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
1-(1-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル)エタノン(1.50g、7.35mmol)のTHF(20mL)中溶液に、(R)-(+)-2-メチル-2-プロパンスルフィンアミド(1.34g、11.02mmol)およびTi(OEt)(5.03g、22.04mmol)を添加した。反応混合物を16時間加熱還流した。TLCによって、出発材料が消費されたことが示された。それを周囲温度に冷却し、次いで水性飽和NaCl溶液(50mL)に注ぎ入れた。得られた固形物をろ過によって除去し、酢酸エチル(10mL)で洗浄した。そして、ろ液を酢酸エチル(40mL)で抽出した。分離した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、粗製生成物を得(1.90g、収率84.2%)、それをさらに精製することなく次のステップで使用した。
ステップ3
Figure 0007021405000079

(R)-N-((S)-1-(1-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
(R)-N-(1-(1-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル)エチリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(800mg 2.60mmol)および無水THF(10mL)の混合物を-50℃に冷却し、L-セレクトリド(1M、5.2mL、5.20mmol)を混合物に、N下、-50℃で、撹拌しながら滴下した。混合物を1時間撹拌し、次いで周囲温度に加温した。完了時に、反応生成物を水(50mL)でクエンチし、酢酸エチル(60mL)で抽出した。分離した有機層を真空中で濃縮した。粗製生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:15で溶離させた)で精製し、所望の生成物を黄色固形物として得た(360mg、収率44.7%)。
ステップ4
Figure 0007021405000080

(S)-1-(1-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル)エタンアミン塩酸塩
(R)-N-((S)-1-(1-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(360mg、1.16mmol)のMeOH(5mL)中溶液に、HCl/MeOH(4M、2.9mL、11.60mmol)を添加した。添加後、それを周囲温度で16時間撹拌した。MeOHを真空下で除去した。酢酸エチル(10mL)を残渣に添加し、30分間撹拌した。酢酸エチルを真空下で除去し、次いでMTBE(10mL)を残渣に添加し、1時間撹拌した。生成物をろ過によって収集し、MTBE(5mL)で洗浄し、真空中で乾燥し、所望の生成物をオフホワイト色固形物として得た(240mg、収率85.3%)。
ステップ5
Figure 0007021405000081

(S)-2-エチル-4-((1-(1-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
4-クロロ-2-エチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(120mg、0.61mmol)のエチレングリコール(10mL)中溶液に、(S)-1-(1-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル)エタンアミン塩酸塩(221mg、0.92mmol)およびTEA(185mg、1.83mmol)を添加した。反応混合物を150℃に加熱し、5時間撹拌した。それを周囲温度に冷却し、水30mLで希釈し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗製生成物を、分取TLC(DCM:MeOH=20:1)で精製し、化合物27を白色固形物として得(40mg、17.9%)、それをNMRおよびMSによってさらに特性決定した。
合成例28
Figure 0007021405000082

(S)-N-シクロヘキシル-4-(1-((2-エチル-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)アミノ)エチル)ベンズアミド
化合物12から出発し、本開示の化合物28を、スキーム7に従って調製した。合成および特性決定方法は、アニリンをシクロヘキシルアミンで置き換えたことを除いて、合成例13と同様であった。
合成例29
Figure 0007021405000083

(S)-N-シクロヘキシル-4-(1-((2-エチル-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)アミノ)エチル)-2-フルオロベンズアミド
本開示の化合物29を、スキーム1、6および7に従って調製した。化合物29を調製するための出発化合物(スキーム7に示す1026と同様である)を、(S)-1-(4-ブロモフェニル)エタンアミンを(S)-エチル-2-フルオロ-4-((1-アミノ)エチル)-ベンゾエートで置き換えたことを除いて、合成例1のように合成した。得られた出発化合物を使用して、化合物29を、アニリンをシクロヘキシルアミンで置き換えたことを除いて、合成例13のように調製し、NMRおよびMSによってさらに特性決定した。
合成例30
Figure 0007021405000084

(S)-2-メチル-4-((1-(4-(p-トリルオキシ)フェニル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物30を、スキーム1、2および6に従って調製した。合成方法は、m-トリルボロン酸をp-トリルボロン酸で置き換え、かつ4-クロロ-2-エチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンを4-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンで置き換えたことを除いて、合成例15と同様であり、4-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンは、エタンアミン塩酸塩をメチルアミンで置き換えたことを除いて合成例1のように得た。化合物30を、NMRおよびMSによってさらに特性決定した。
合成例31
Figure 0007021405000085
(S)-2-イソプロピル-4-((1-(4-(p-トリルオキシ)フェニル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物31を、スキーム1、2および6に従って調製した。合成方法は、m-トリルボロン酸をp-トリルボロン酸で置き換え、かつ4-クロロ-2-エチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンを4-クロロ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンで置き換えたことを除いて、合成例15と同様であり、4-クロロ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンは、エタンアミン塩酸塩をイソプロピルアミンで置き換えたことを除いて、合成例1のように得た。化合物31をNMRおよびMSによってさらに特性決定した。
合成例32
Figure 0007021405000086

(S)-2-(2-ヒドロキシエチル)-4-((1-(4-(p-トリルオキシ)フェニル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物32を、スキーム1、2および6に従って調製した。合成方法は、m-トリルボロン酸をp-トリルボロン酸で置き換え、かつ4-クロロ-2-エチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンを4-クロロ-2-(2-ヒドロキシエチル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンで置き換えたことを除いて、合成例15と同様であり、4-クロロ-2-(2-ヒドロキシエチル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンは、エタンアミン塩酸塩を2-ヒドロキシエタンアミンで置き換えたことを除いて、合成例1のように得た。化合物32をNMRおよびMSによってさらに特性決定した。
合成例33
Figure 0007021405000087

(S)-2-ベンジル-4-((1-(4-(p-トリルオキシ)フェニル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物33を、スキーム1、2および6に従って調製した。合成方法は、m-トリルボロン酸をp-トリルボロン酸で置き換え、かつ4-クロロ-2-エチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンを4-クロロ-2-ベンジル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンで置き換えたことを除いて、合成例15と同様であり、4-クロロ-2-ベンジル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンは、エタンアミン塩酸塩をベンジルアミンで置き換えたことを除いて、合成例1のように得た。化合物33を、NMRおよびMSによってさらに特性決定した。
合成例34
Figure 0007021405000088

(S)-2-フェネチル-4-((1-(4-(p-トリルオキシ)フェニル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物34を、スキーム1、2および6に従って調製した。合成方法は、m-トリルボロン酸をp-トリルボロン酸で置き換え、かつ4-クロロ-2-エチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンを4-クロロ-2-フェネチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンで置き換えたことを除いて、合成例15と同様であり、4-クロロ-2-フェネチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンは、エタンアミン塩酸塩をフェネチルアミンで置き換えたことを除いて、合成例1のように得た。化合物34をNMRおよびMSによってさらに特性決定した。
合成例35
Figure 0007021405000089

(S)-6-アミノ-2-エチル-4-((1-(4-(p-トリルオキシ)フェニル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
本開示の化合物35を、スキーム1、2、6および9に従って調製した。
ステップ1
Figure 0007021405000090

メチル3-(ブロモメチル)-2,6-ジクロロイソニコチネート
メチル2,6-ジクロロ-3-メチルイソニコチネート(10.00g、45.44mmol)のCCl(100mL)中溶液に、NBS(8.90g、49.99mmol)およびBPO(550mg、2.27mmol)を添加した。添加後、反応混合物を4時間加熱還流した。TLCによって、出発材料が消費されたことが示された。次いで、それを周囲温度に冷却し、得られた沈殿物をろ過によって除去し、CCl(10mL)で洗浄した。ろ液を真空中で濃縮し、粗製生成物を黄色固形物として得、それをさらに精製することなく次のステップで使用した。
ステップ2
Figure 0007021405000091

4,6-ジクロロ-2-エチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
上記粗製生成物をTHF(100mL)中に溶解した。エタンアミン塩酸塩(3.71g、45.44mmol)およびCsCO(59.23g、181.77mmol)を反応混合物に添加した。それを周囲温度で12時間撹拌した。TLCによって、出発材料が消費されたことが示された。固形物をろ過によって除去し、酢酸エチル(15mL)で洗浄し、ろ液を真空中で濃縮した。粗製生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1で溶離させた)で精製し、所望の生成物を淡黄色固形物として得た(5.40g、収率51.4%、2ステップで)。
ステップ3
Figure 0007021405000092

(S)-6-クロロ-2-エチル-4-((1-(4-(p-トリルオキシ)フェニル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
4,6-ジクロロ-2-エチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(4.00g、17.31mmol)のエチレングリコール(40mL)中溶液に、(S)-1-(4-(p-トリルオキシ)フェニル)エタンアミン(5.12g、22.50mmol)およびTEA(2.63g、25.97mmol)を添加した。反応混合物を150℃に加熱し、7時間撹拌した。それを周囲温度に冷却し、水80mLで希釈し、酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗製生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=30:1で溶離させた)で精製し、所望の生成物を得た(3.20g、収率43.8%)。
ステップ4
Figure 0007021405000093

(S)-tert-ブチル(2-エチル-1-オキソ-4-((1-(4-(p-トリルオキシ)フェニル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)カルバメート
(S)-6-クロロ-2-エチル-4-((1-(4-(p-トリルオキシ)フェニル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(2.00g、4.74mmol)のジオキサン(20mL)中溶液に、tert-ブチルカルバメート(1.11g、9.50mmol)、t-BuOK(1.42g、12.67mmol)、Pd(PPh(548mg、0.47mmol)およびX-phos(226mg、0.47mmol)を添加した。それをN雰囲気下、80℃で5時間加熱した。TLCによって、反応が完了したことが示された。溶媒を真空中で濃縮することによって除去し、残渣をDCM(150mL)中に溶解し、水(100mL×2)および食塩水(100mL)で洗浄した。分離した有機層を濃縮し、粗製生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=30:1で溶離させた)で精製し、所望の生成物を黄色固形物として得た(1.50g、収率63.0%)。
ステップ5
Figure 0007021405000094

(S)-6-アミノ-2-エチル-4-((1-(4-(p-トリルオキシ)フェニル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
(S)-tert-ブチル(2-エチル-1-オキソ-4-((1-(4-(p-トリルオキシ)フェニル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)カルバメート(1.00g、1.99mmol)のMeOH(15mL)中溶液に、HCl/MeOH(4M、5.0mL、19.90mmol)を添加した。それを周囲温度で5時間撹拌した。溶媒を真空中で濃縮し、粗製生成物をDCM(50mL)中に溶解し、飽和NaHCO水性溶液(30mL)および食塩水(30mL)で洗浄した。分離した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、化合物35を白色固形物として得(530mg、収率66.2%)、それをNMRおよびMSによってさらに特性決定した。
合成例36
Figure 0007021405000095

(S)-N-(2-エチル-1-オキソ-4-((1-(4-(p-トリルオキシ)フェニル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)アセトアミド
化合物35から出発し、本開示の化合物36を、スキーム10に従って調製した。
化合物35(200mg、0.50mmol)のTHF(10mL)中溶液に、AcO(76mg、0.75mmol)、TEA(101mg、0.99mmol)およびDMAP(6mg、0.05mmol)を添加した。添加後、それを周囲温度で5時間撹拌した。TLCによって、反応が完了したことが示された。溶媒を真空中で濃縮することによって除去し、残渣をDCM(20mL)中に溶解し、水(10mL×2)および食塩水(10mL)で洗浄した。分離した有機層を濃縮し、粗製生成物を、分取TLC(DCM:MeOH=10:1)で精製し、化合物36を白色固形物として得(40mg、収率18%)、それをNMRおよびMSによってさらに特性決定した。
合成例37
Figure 0007021405000096

(S)-2-エチル-1-オキソ-4-((1-(4-(p-トリルオキシ)フェニル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-7-カルボン酸
本開示の化合物37を、スキーム1、2、6および11に従って調製した。
ステップ1
Figure 0007021405000097

ジメチル5-(ブロモメチル)-6-クロロピリジン-3,4-ジカルボキシレート
ジメチル6-クロロ-5-メチルピリジン-3,4-ジカルボキシレート(5.00g、20.52mmol)のCCl(30mL)中溶液に、NBS(4.02g、22.57mmol)およびBPO(249mg、1.03mmol)を添加した。添加後、反応混合物を3時間加熱還流した。TLCによって、出発材料が消費されたことが示された。次いで、それを周囲温度に冷却し、得られた沈殿物をろ過によって除去し、CCl(5mL)で洗浄した。ろ液を真空中で濃縮し、粗製生成物を黄色固形物として得、それをさらに精製することなく次のステップで使用した。
ステップ2
Figure 0007021405000098

メチル4-クロロ-2-エチル-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-7-カルボキシレート
上記粗製生成物をTHF(150mL)中に溶解した。エタンアミン塩酸塩(1.67g、20.52mmol)およびCsCO(26.75g、82.09mmol)を反応混合物に添加した。それを周囲温度で12時間撹拌した。TLCによって、出発材料が消費されたことが示された。固形物をろ過によって除去し、酢酸エチル(10mL)で洗浄し、ろ液を真空中で濃縮した。粗製生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1で溶離させた)で精製し、所望の生成物を淡黄色固形物として得た(3.20g、収率61.2%、2ステップで)。
ステップ3
Figure 0007021405000099

(S)-メチル2-エチル-1-オキソ-4-((1-(4-(p-トリルオキシ)フェニル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-7-カルボキシレート
メチル4-クロロ-2-エチル-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-7-カルボキシレート(1.10g、4.32mmol)のエチレングリコール(20mL)中溶液に、(S)-1-(4-(p-トリルオキシ)フェニル)エタンアミン塩酸塩(1.71g、6.48mmol)およびTEA(874mg、8.64mmol)を添加した。反応混合物を150℃に加熱し、5時間撹拌した。それを周囲温度に冷却し、水50mLで希釈し、酢酸エチル(80mL×2)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗製生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=20:1で溶離させた)で精製し、所望の生成物を白色固形物として得た(1.20g、収率62.4%)。
ステップ4
Figure 0007021405000100

(S)-2-エチル-1-オキソ-4-((1-(4-(p-トリルオキシ)フェニル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-7-カルボン酸
(S)-メチル2-エチル-1-オキソ-4-((1-(4-(p-トリルオキシ)フェニル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-7-カルボキシレート(300mg、0.67mmol)を溶解させたTHF(15mL)中溶液に、NaOH(54mg、1.35mmol)の水(5mL)中溶液を添加した。添加後、それを周囲温度で5時間撹拌した。TLCによって、反応が完了したことが示された。有機溶媒を真空中で濃縮することによって除去し、残渣を水(10mL)で希釈し、MTBE(8mL)を混合物に添加し、10分間撹拌した。次いで有機層を抽出することによって除去し、水性層を、2N HCl水性溶液を添加することによってpH7に酸性化した。得られた沈殿物をろ過によって収集し、水(5mL)で洗浄し、真空中で乾燥し、化合物37を白色固形物として得(90mg、収率31.0%)、それをNMRおよびMSによってさらに特性決定した。
生物学的評価
試験1:野生型および変異体IDHタンパク質の精製
IDH1タンパク質の精製
本開示は、大腸菌(E.coli)における変異体および野生型組換えIDH1タンパク質を精製する方法を提供する。
野生型または変異体ヒトIDH1 cDNA配列を含むpSJ3プラスミドを、BL21株に形質転換する。単一コロニーを、LB培地5mlで、37℃で一晩培養する。開始培養物5mlを、培養物の密度が0.5~0.6 OD600に到達するまで、LB培地2L中で使い切る。タンパク質発現を、0.5mM IPTGによって20℃で一晩誘発する。細胞を、スピンさせて収集し、プロテイナーゼ阻害剤PMSFが補充されたTBS緩衝液(50mM トリス pH7.5、150mM NaCl)中に再懸濁する。細胞溶解物を超音波処理によって調製し、スピンさせて透明にする。上澄みをNi Separose 4Bカラム(GE Lifescienceから購入)に負荷する。カラムを、TBS溶液中の30mMイミダゾールで洗浄し、IDHタンパク質を、TBS溶液中の300mMイミダゾールで溶離させる。イミダゾールを、Amicon 3,000Da MWCOフィルターユニットによってろ過除去する。タンパク質を、10%グリセロールを含むTBS溶液中、-80℃で保管する。タンパク質濃度の定量化は、Shanghai Sangon製のブラッドフォードキットによって行う。
IDH2タンパク質の精製
IDH2タンパク質は、そのN-末端ミトコンドリア標的化シグナルのため、不溶性であり、かつ大腸菌から精製することができない。本開示は、昆虫細胞におけるバキュロウイルスを利用することによって、IDH2タンパク質を発現させ、精製する新規な方法を提供する。その同じ技術を使用して、IDH1(R132)変異体と類似しているヒトIDH2(R172KまたはR172S)変異体も発現させ、精製することができる。
IDH2タンパク質を精製するための別の方法は、ヒト293-F懸濁細胞を使用して安定細胞を確立し、野生型および変異体IDH2を発現させ、続いて、アフィニティーおよびイオン交換精製することである。
試験2:肝ミクロソームにおける代謝安定性アッセイ
マウス、ラット、イヌ、サルおよびヒトの肝ミクロソームを、Corning Inc.から購入し、使用前は-60℃で保管した。アセトニトリルおよびNADPHは、Honeywell International Inc.(New Jersey、U.S.)およびRoche Inc.(Basel、Swiss)から購入した。ミダゾラムは陽性対照として使用し、かつNational Institutes for Food and Drug Control(Beijing、China)から購入した。
試験化合物または対照化合物ミダゾラムを、3mM MgClを含むPBS(100mM、pH7.4)中の、0.5mg・mL-1(試験化合物用)または0.2mg・mL-1(対照用)のマウス、ラット、イヌ、サルまたはヒトの肝ミクロソームと、37℃の水浴槽中、1μMの事前設定した初期濃度でそれぞれ共インキュベートした。反応を、NADPHを添加し、1mMの最終濃度にすることによって開始した。各反応混合物の最終体積は0.2mlであり、かつすべての反応を2回繰り返して行った。各設定時点(0、5、15、30および60分)で、少量のアリコート(例えば、20μl)を、反応系からアセトニトリルを含む氷冷内部標準(IS)へ移し、反応をクエンチし、タンパク質を沈殿させた。ボルテックスをし、3700rpmで10分間遠心分離した後、上澄みをLC-MS/MSに注入して、分析した。
In vitroでのミクロソームクリアランスを、それらの初期濃度からの化合物消失の排出半減期(T1/2)の判定に基づいて推定した。各化合物(試験または対照)対ISのピーク面積比を計算した。Ln(%対照)対インキュベート時間(分)の曲線をプロットし、フィッティング直線の傾きを計算した。薬物排出速度定数k(分-1)、T1/2(分)、およびin vitroでの固有クリアランスCLint(mL・分-1・mg-1タンパク質)を、以下の式に従って計算した。
k=-傾き
1/2=0.693/k
CLint=k/Cタンパク質
[式中、Cタンパク質(mg・mL-1)は、インキュベート系中のミクロソームタンパク質濃度である]。
試験3:マウス血漿における代謝安定性アッセイ
ブランク雄/雌マウス血漿は、3D BioOptima(Suzhou、China)より提供され、使用前に新たに採取した。アセトニトリルは、Honeywell International Inc.(New Jersey、U.S.)から購入した。
各試験化合物を、マウス血漿と、37℃の水浴槽中で、2μMの事前設定した初期濃度で2時間共インキュベートし、各インキュベートミックスの最終体積は0.3mLであった。各設定時点(0、15、30、60、120分)で、少量のアリコート(それぞれ20μL)を、血漿試料から、マイクロ遠心管に移し、次いで、アセトニトリルを含むIS200μLに添加して、タンパク質を沈殿させた。ボルテックスをし、3700rpmで10分間遠心分離した後に、上澄みをLC-MS/MSに注入して、分析した。すべてのインキュベートは2回繰り返して行った。In vitroでの化合物の安定性を、以下の式を使用することによって計算した。
Figure 0007021405000101
式中、Cは、インキュベートしてから0.5、1、1.5および2時間後の、試料対ISの面積比であり、かつCは、インキュベート前の0時間での、試料対ISの面積比である。
試験4:In vivoでの薬物動態アッセイ
本開示の化合物の薬物動態特性を、ICRマウス(雄、6~8週齢、20.0~25.3g)において、p.o.およびi.v.投与後に評価した。
ICRマウスを、Vital River Laboratory Technology Co.,Ltd.(Beijing、China)から購入し、研究活動によって中断が必要になるときを除いて、滅菌床敷を備えた硬床式ポリプロピレンケージで、室内を湿度40%~70%、室温20~25℃、10~20回の換気/時間、および12時間明/暗サイクルに維持して飼育した。マウスにShanghai SLAC Laboratory Animal Co.,Ltd.(Shanghai、China)製の滅菌飼料および滅菌水を与えた。すべての動物を受け入れ時に検査し、少なくとも3日間順化させた。健康全般、体重、または必要に応じて他の関連データに基づいて、健康であると思われるもののみ選択して、研究した。各群の個々の動物を刻耳によって識別した。
処置前にマウスを一晩絶食させたが、水はすべての時間で自由に摂取させた。投薬する前に、各マウスを秤量し、各マウスに関する実用量体積を、以下の式を使用することによって計算した。
用量体積(mL)=[名目用量(mg・kg-1)/用量濃度(mg・mL-1)]×動物体重(kg)
実際の体重および実用量体積を、適宜に記録した。
各試験群に関しては、9匹のマウスを使用し、異なる群のマウスに10mg・kg-1の単回p.o用量の、または2mg・kg-1の単回i.v.用量の試験化合物をそれぞれ与えた。血液試料(例えば、少なくとも120μg)を、あらかじめ決定された時点、例えば、投薬前、投薬から5分、15分、30分、1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、および24時間後でEDTA-K管に採取した。各マウスの血液試料を3つの不連続の時点で収集し、各時点で3匹のマウスをサンプリングに使用した。採取した試料を5500rpmで10分間遠心分離し、血漿試料を得、それを後でLC-MS/MSによって測定した。血漿濃度対時間のデータを、直線回帰分析によって処理した。すべての薬物動態パラメーターを、Pharsight Phoenix 6.3の非コンパートメントモデルを使用して計算した。
試験5:化合物のIDH阻害および選択性に関する生化学的アッセイ
本開示は、IDH酵素活性を直接検出することによって、化合物のIDH阻害および選択性を検出するための生化学的アッセイ方法を提供する。
図1は、野生型および変異体IDH1/2によって触媒される反応を示す。野生型IDH酵素がα-KG産生反応を触媒する場合、その酵素はNADPをNADPHに変換できるであろう。変異体IDH酵素がD-2-HG産生反応を触媒する場合、その酵素はNADPHをNADPへ変換するはずである。こうして、野生型および変異体IDH1/2の活性は、野生型IDH1/2によって触媒される反応におけるNADPHレベル変化を監視することによって測定することができ、新たに生成されたNADPHは、ジアフォラーゼ-レザズリン結合反応によってすぐに利用され、蛍光性(励起544nm、放出590nmで)であるレゾルフィンを生成し、したがってNADPHは間接的に監視され;一方で、変異体IDH1/2によって触媒される反応の間は、NADPHが蛍光(励起340nm、放出460nmで)であるために、そのNADPHは直接的に監視される。反応におけるNADPHレベルの変化を監視することによって、酵素活性を急速におよび効率的に決定することができ、化合物のIC50もアッセイすることができるであろう。
試験化合物をDMSO中の50mM原液に調製し、-20℃で保管した。各試験化合物原液(stock)をさらに希釈し、200μM、100μM、50μM、25μM、12.5μM、6.25μMおよび3.125μMの濃度の100×原液をそれぞれ得て、試験日に最終的に使用した。
野生型IDH1の阻害:
溶液Aを、1Mトリス-HCl pH7.5(300μL)、5M NaCl(450μL)、1M MgCl(150μL)、1M DTT(15μL)、20mg/mL BSA(37.5μL)、50mM NADP(20μL)、80mMイソシトレート(20μL)、100mMレザズリン(20μL)および0.1単位/μLジアフォラーゼ(50μL)を合わせ、続いて、脱イオン水を添加し、最終体積を15mLとすることによって調製した。
反応緩衝液を、1Mトリス-HCl pH7.5(200μL)、5M NaCl(300μL)、1M MgCl(100μL)、1M DTT(10μL)および20mg/mL BSA(25μL)を合わせ、続いて脱イオン水を添加し、最終体積を10mLとすることによって調製した。
溶液Bを、反応緩衝液(5mL)および107μM野生型IDH1(0.37μL)を合わせることによって調製した。
溶液A 148μLを、96-ウェルプレートP1の各試料ウェルに添加し、次いで、各濃度の試験化合物溶液2μLおよびDMSO(陰性対照/ブランク)2μLを個々の試料ウェルにそれぞれ添加した。溶液B 50μLを、試験化合物を有する各試料ウェルおよびDMSOのみを有する1つの試料ウェルに添加し、反応緩衝液50μLを、DMSOのみを有する別の試料ウェルにそれぞれ添加した。P1をBioTek Synergy H4マイクロプレートリーダー(BioTek Instruments Inc.、Winooski、U.S.)へ入れ、プログラムを以下のとおりにセットした。37℃、プレートの振とう 5秒、実行 動的様式、総検出時間 20分、検出間隔 40秒、検出様式 蛍光(励起544nm、放出590nmで)。データをエクスポートし、試験化合物に関する相対酵素活性および50%最大阻害濃度(IC50)を計算した。相対酵素活性を、時間に対してプロットされた各ウェルの放出590の読取り値の傾きの絶対値(これは野生型IDH1によって触媒されるNADPHの産生率を表す)として計算した。用量反応曲線を描き、フィッティングによってIC50を計算した。各試験化合物のIDH阻害および選択性は、IDH酵素活性に対する化合物の効果に従って評価することができる。
変異体IDH1(R132HまたはR132C)の阻害:
溶液Aを、1Mトリス-HCl pH7.5(300μL)、5M NaCl(450μL)、1M MgCl(150μL)、1M DTT(15μL)、20mg/mL BSA(37.5μL)、20mM NADPH(20μL)、および0.5mM α-KG(40μL)を合わせ、続いて、脱イオン水を添加し、最終体積を15mLとすることによって調製した。
反応緩衝液を、1Mトリス-HCl pH7.5(200μL)、5M NaCl(300μL)、1M MgCl(100μL)、1M DTT(10μL)および20mg/mL BSA(25μL)を合わせ、続いて脱イオン水を添加し、最終体積を10mLとすることによって調製した。
溶液Bを、反応緩衝液(5mL)および192μM IDH1-R132H(5.21μL)または107μM IDH1-R132C(4.67μL)を合わせることによって調製した。
溶液A 148μLを、96-ウェルプレートP1の各試料ウェルに添加し、次いで、各濃度の試験化合物溶液2μLおよびDMSO(陰性対照/ブランク)2μLを個々の試料ウェルにそれぞれ添加した。溶液B 50μLを、試験化合物を有する各試料ウェルおよびDMSOのみを有する1つの試料ウェルに添加し、反応緩衝液50μLを、DMSOのみを有する別の試料ウェルにそれぞれ添加した。P1をBioTek Synergy H4マイクロプレートリーダー(BioTek Instruments Inc.、Winooski、U.S.)へ入れ、プログラムを以下のとおりにセットした。37℃、プレートの振とう 5秒、実行 動的様式、総検出時間 20分、検出間隔 40秒、検出様式 蛍光(励起340nm、放出460nmで)。データをエクスポートし、試験化合物に関する相対酵素活性および50%最大阻害濃度(IC50)を計算した。相対酵素活性を、時間に対してプロットされた各ウェルの放出460の読取り値の傾きの絶対値(これはIDH1が調節するNADPHの利用を介したα-KGの2-HGへの変換率を表す)として計算した。用量反応曲線を描き、フィッティングによってIC50を計算した。各試験化合物のIDH阻害および選択性は、IDH酵素活性に対する化合物の効果に従って評価することができる。
試験6:化合物のIDH阻害および選択性に関する細胞ベースのアッセイ
本開示はまた、内因性ヘテロ接合IDH1 R132CおよびR132H変異をそれぞれ保持し、かつD-2-HGを蓄積する、ヒト線維肉腫細胞株HT1080および胆管細胞癌細胞株HCCC9810において、化合物のIDH阻害および選択性をアッセイするための細胞ベースの方法を提供する。腫瘍由来のIDH変異体は、α-KGを産生するその正常な活性を損失しており、かつD-2-HGを産生する新規の活性を獲得している。D-2-HGは、IDH変異腫瘍試料で特に高く認められる代謝産物である。正常な組織におけるその濃度はごくわずかであり、かつ正常な組織において知られている生理学的機能を有さない。変異体IDH1およびIDH2は、正常な細胞における機能を有さない新規の触媒活性を獲得するために、その結果として、変異体IDH酵素の阻害剤は、変異体IDHを発現している腫瘍細胞の成長を効果的に阻害するが、正常な細胞の成長に影響を与えないであろう。したがって、本方法を使用し、変異体IDHを有する細胞に高い特異性を有し、かつ正常な細胞に低い毒性を有する化合物をスクリーニングすることができる。
HT1080およびHCCC9810細胞を、効果的なIDH阻害剤で処置することによって、D-2-HGの合成はブロックされ、かつD-2-HG脱水素酵素で触媒される酸化反応によって、D-2-HGの濃度は減少する。したがって、本開示の化合物のIDH阻害活性および選択性は、細胞代謝産物におけるD-2-HGの減少によってアッセイすることができる。
細胞ベースのIDH阻害剤アッセイを行うために、HT1080およびHCCC9810細胞(または異なるIDH変異を保持する他の細胞株)を、10%FBSが補充されたDMEM中で培養する。細胞を、さまざまな異なる濃度の本開示の化合物で処置する。処置後のさまざまな時点(4から24時間の間)で、細胞培養上澄みを取り出し、細胞をPBSで1回または2回洗浄した。細胞代謝産物を、80%メタノール(-80℃未満にあらかじめ冷却された)を細胞に添加することによって抽出し、4℃の温度で60分間抽出し、遠心分離し、すべての不溶性構成成分を除去する。代謝産物(前述のステップからの透明な上澄み)を凍結乾燥し、20mg/ml O-メトキシアミンHClを含むピリジン中で復元し、70℃で40分間インキュベートする。室温に冷却後、MTBSTFA(N-tert-ブチルジメチルシリル-N-メチルトリフルオロアセトアミド、Sigma Aldrich)を4:7の体積比(例えば、MTBSTFA20μL対20mg/ml O-メトキシアミンHCl溶液35μL)で添加し、70℃で30分間、誘導を行う。D-2-HGを含む誘導された代謝産物をAgilent 7890A-5750 GC/MSシステムによって分析する。誘導された代謝産物1μlをAgilent 7890A-5750に注入して、D-2-HGの濃度を分析する。GCオーブン温度を、10℃/分で140℃~260℃、8℃/分で260℃~310℃、および310℃を5分間保持にプログラムする。キャリアガスの流速は1ml/分である。質量分光器を、70eVの電子衝撃(EI)様式で操作する。D-2-HGを内因性グルタミン酸に対して正規化する。
異なる濃度の各化合物の存在下でのIDHの活性は、陰性対照試料に対する相対D-2-HG濃度、およびIC50値によって表すことができ、各化合物に関する阻害および選択性を評価することができる。
試験7:化合物のIDH阻害および選択性に関する改善された細胞ベースのアッセイ
本開示はまた、HT1080およびHCCC9810細胞におけるD-2-HG脱水素酵素の安定な過剰発現に関与する化合物の、IDH阻害および選択性に関する改善された細胞ベースのアッセイを提供する。
以前の報告によれば、D-2-HG脱水素酵素が過剰発現すると、HT1080細胞におけるD-2-HGの半減期が減少し(図2Aおよび図2B)[「D-2-hydroxyglutarate is essential for maintaining oncogenic property of mutant IDH-containing cancer cells but dispensable for cell growth」、Ma,S.ら、Oncotarget、(2015年)]、細胞を、変異体IDH1阻害剤によるD-2-HG合成遮断に対してより感受性にする。それによって、この細胞ベースのアッセイの感受性および正確性が大きく高められることになる。改善された細胞ベースのアッセイでは、すべての他のステップは試験6で開示されたように行われる。
試験8:IDH変異体細胞の足場非依存性成長の阻害
足場非依存性細胞成長ががん細胞の基本的な特性であることは、十分に確立されている。足場非依存性成長の能力は、in vivoでの腫瘍細胞の腫瘍形成能および転移能と密接に関連する。
先行研究では、HT1080における変異体IDH1の欠失は、正常な培養条件での細胞増殖にわずかな影響を有するが、IDH1 H132C変異を有するHT1080細胞株の足場非依存性成長を強く阻害することが示されている[「D-2-hydroxyglutarate is essential for maintaining oncogenic property of mutant IDH-containing cancer cells but dispensable for cell growth」、Ma,S.ら、Oncotarget、(2015年)]。変異体IDH1の欠失はまた、HT1080細胞におけるD-2-HG産生をなくす。本開示において、足場非依存性成長(軟寒天でのコロニー形成)をまた、好都合なかつ有益なin vitroアッセイとして使用して、腫瘍阻害における化合物の活性を測定する。
本開示の化合物を使用し、IDH1 R132Cを含むHT1080およびIDH1 R132Hを含むHCCC9810などのIDH-変異体がん細胞株を処置し、化合物が軟寒天における細胞成長に影響を与えるかどうかを試験する。化合物を、軟寒天中にならびに軟寒天上の培地に、試験5および6の結果から各化合物に関して計算されたIC50値よりも高い濃度で添加する。コロニー形成を顕微鏡によって可視化する。実験終了時に、軟寒天プレートをクリスタルバイオレットで染色し、細胞コロニーを可視化して、定量化する。IDH1阻害が、軟寒天アッセイにおける足場非依存性成長を抑制することが実証されると、腫瘍阻害における変異体IDH阻害剤の活性をアッセイするために有益な、有効な、かつ好都合なアッセイが得られる。このアッセイは、変異体IDH1の阻害が、正常な培養条件下でHT1080細胞成長に影響を与えないために、特に有益である。
試験9:患者由来異種移植モデルにおけるIDH変異体腫瘍成長の阻害
先行研究では、変異体IDH R132Cを阻害すると、HT1080の腫瘍成長を抑制できるであろうことが異種移植実験によって示されている[「D-2-hydroxyglutarate is essential for maintaining oncogenic property of mutant IDH-containing cancer cells but dispensable for cell growth」、Ma,S.ら、Oncotarget、(2015年)]。患者由来異種移植マウス(PDX)モデルを、腫瘍阻害における化合物の活性を測定するための、好都合なかつ有益なin vivoアッセイとして本明細書において使用する。最初の実験として、IDH1変異体神経膠腫PDXモデルを、IDH1 R132H変異を有するBt142神経膠腫脳幹細胞株から確立する[「An in vivo patient-derived model of endogenous IDH1-mutant glioma」、Luchman,H.A.ら、Neuro Oncol、(2012年)]。このマウスモデルを使用し、IDH1 R132H変異を有する神経膠腫の抑制における本開示の化合物の有効性を試験する。本開示の化合物は、異種移植モデルにおいてIDH1 R132H変異を保持する腫瘍の成長を阻害する。
実施例1:IDH1 WT/R132H/R132Cタンパク質の精製
pSJ3-IDH1-R132H、pSJ3-IDH1-R132C、およびpSJ3-IDH1-WTプラスミドを、BL21株にそれぞれ形質転換した。IDH1 WT/R132H/R132Cタンパク質を、生物学的評価の項の試験1で開示された方法に従って、誘発し、精製した。各精製タンパク質に関する濃度をブラッドフォードアッセイによって判定した。図3は、IDH1-R132H、IDH1-R132C、およびIDH1-WTタンパク質それぞれに関するクーマシー染色を示し、タンパク質の発現および精製が成功したことを証明する。
実施例2:In Vitro代謝安定性研究
2.1 肝ミクロソームにおける代謝安定性
本研究において、化合物の代謝安定性を、生物学的評価の項の試験2で開示された方法に従って、マウス、ラット、イヌ、サルおよびヒトの肝ミクロソームで評価した。ミダゾラムを陽性対照として使用した。
各実験を、2回繰り返して独立に行い(#1および#2としてそれぞれ示す)、かつ例示的化合物16に関して得られたデータを表1~表5および図4A~図4Fに示す。陽性対照の結果と比較した、化合物16の代謝安定性の結果の概要を表6に示す。表6に示したすべての結果は、2つの独立した実験からの結果の平均値である。
Figure 0007021405000102
Figure 0007021405000103
Figure 0007021405000104
Figure 0007021405000105
Figure 0007021405000106
Figure 0007021405000107
結果より、化合物16は、異なる種の肝ミクロソームにおいて異なる代謝安定性を示し、in vitroで、サル、マウス、ラット、ヒトおよびイヌのように、速いクリアランスから遅いクリアランス(すなわち、サル>マウス>ラット>ヒト>イヌ)を伴う。陽性対照のミダゾラムと比較すると、ヒト肝ミクロソームにおける化合物16のクリアランスは遅く、化合物16がヒト肝ミクロソームにおいて中等度の安定性を有することが示される。
2.2 血漿における代謝安定性
本研究において、マウス血漿における化合物の代謝安定性を、生物学的評価の項の試験3で開示された方法に従って評価した。
各実験を、2回繰り返して独立に行った(#1および#2としてそれぞれ示す)。例示的化合物16に関して得られた結果を表7および図5に示す。
Figure 0007021405000108
結果より、化合物16の残存平均百分率は、2時間以内で98.5%を超え、化合物16が、少なくとも2時間にわたってマウス血漿中で安定なままであることが示される。
実施例3:In vivo薬物動態研究
化合物の薬物動態(PK)研究を、生物学的評価の項の試験4で開示された方法に従って、10mg・kg-1単回p.o.用量または2mg・kg-1の単回i.v.用量が投与されたICRマウス(雄、6~8週齢、20.0~25.3g、Vital River Laboratory Technology Co.,Ltd.)において行った。
各実験を、3回繰り返して独立に行った。図6において、10mg・kg-1をICRマウスにp.o.投与した後の例示的化合物23の血漿濃度を、時間の関数としてプロットした。図7において、2mg・kg-1をICRマウスにi.v.注射した後の例示的化合物23の血漿濃度を、時間の関数としてプロットした。各データは、エラーバーとして標準誤差(SEM)を有する、3回の実験の平均血漿濃度を表す。
化合物23のPKパラメーターを、p.o.およびi.v.投与に関してそれぞれ表8Aおよび表8Bに示す。
Figure 0007021405000109
Figure 0007021405000110
実施例4:化合物は、IDH1 R132HおよびIDH1 R132Cの活性を阻害する
化合物のIDH阻害活性を、生物学的評価の項の試験5に従って評価した。各化合物の変異体IDH1 R132H/R132C阻害に関する試験を3回繰り返して行った。IDH1 R132Hに関しては、例示的化合物16、21、22、23、24および31の酵素活性を、図8A~図8C、図9A~図9C、図10A~図10C、図11A~図11C、図12A~図12Cおよび図13A~図13Cの化合物の濃度の対数の関数としてそれぞれプロットする。IDH1 R132Hに対する化合物16、21、22、23、24および31のIC50値は1.0μM未満である。IDH1 R132Cに関しては、例示的化合物16、21、22、23、24および31の酵素活性を、図14A~図14C、図15A~図15C、図16A~図16C、図17A~図17C、図18A~図18Cおよび図19A~図19Cの化合物の濃度の対数の関数としてそれぞれプロットする。IDH1 R132Cに対する化合物16、21、22、23、24および31のIC50値は1.5μM未満である。IDH1 R132Cに対する化合物のIC50値を表9に示す。
Figure 0007021405000111
化合物の野生型IDH1阻害に関する試験も行った。その試験によって、化合物が、試験濃度(0.03125μM~2μM)では野生型IDH1に対して阻害効果を示さないことが示される。
従来の化学療法は、通常は、患者に対して一般的な非特異的効果および毒性効果を有する。この例で試験された化合物は、変異体IDHの標的化においては野生型IDHよりも高い特異性を示した。このようなより高い特異性によって、比較的低用量での化合物の使用が可能になり、内因性野生型酵素を阻害することによって生じる副作用が回避される。その結果、変異体IDHの標的化により、薬物設計およびプロセシングにおいて柔軟性が得られる。
実施例5:化合物はIDH1 R132CのD-2-HG産生活性を阻害する
HT1080細胞を35mmプレートで培養し、10μMの各化合物1~37で12時間処置し、D-2-HG濃度を、生物学的評価の項の試験6で開示された方法に従って分析した。いくつかの化合物で処置した後のD-2-HG濃度を図20に示した。
化合物のD-2-HG阻害活性をまた、生物学的評価の項の試験7で開示された方法に従って改善された細胞ベースのアッセイで評価した。D-2-HG脱水素酵素を過剰発現しているHT1080細胞を35mmプレートで培養し、0.5μM、1μM、2.5μMおよび5μMの濃度の各化合物1~37で12時間、それぞれ処置し、D-2-HG濃度を分析した。異なる濃度の例示的化合物16、21~24および31による、HT1080細胞におけるD-2-HGの阻害比を表10に示した。
Figure 0007021405000112
結果より、化合物は、IDH1 R132CのD-2-HG産生活性を効果的に阻害したことが示され、化合物の阻害活性は、化合物の濃度の増加に従って増加する。5μMの濃度では、すべての例示的化合物が70%超の阻害活性を示した。
実施例6:化合物は、HT1080細胞の足場非依存性成長を阻害する
HT1080細胞を35mmプレートで培養し、指数成長期で回収し、生物学的評価の項の試験8の記載に従って軟寒天で使用する。本開示の化合物は、IDH-変異体がん細胞の足場非依存性成長を阻害する。
実施例7:化合物は、PDXモデルにおけるIDH変異体腫瘍の成長を阻害する
生物学的評価の項の試験9の記載に従って動物試験を行う。本開示の化合物は、PDXモデルにおいてIDH1 R132H変異を保持している腫瘍の成長を阻害する。
参考文献
Figure 0007021405000113
Figure 0007021405000114

Claims (12)

  1. 式(Ia)に示す化学構造を有する化合物:
    Figure 0007021405000115


    または薬学的に許容されるその塩、水和物、もしくは溶媒和物である、化合物
    [式中、
    Wは、直鎖状または分岐状C1~6アルキレンであり;
    Xは、C6~12アリールであり;
    Yは、ハロ、シアノ、C1~12アルキル、C6~12アリール、C1~12アルコキシル、C6~12アリールオキシル、3~10員飽和もしくは不飽和シクロアルキル、3~10員飽和もしくは不飽和ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、-C(O)OR、-C(O)NRであり、これらは、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1~12アルキル、C2~12アルケニル、C2~12アルキニル、C 1~12アルコキシのうちの1つまたは複数によって一置換または独立に多置換されていてもよく;
    は、C1~12アルキル、3~10員飽和もしくは不飽和シクロアルキル、アラルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアラルキルであり;
    は、水素、-NR、-C(O)OR、または-C(O)NRであり;
    、R、R、R、R、R、RおよびRは、独立に、水素、C1~12アルキル、3~10員飽和または不飽和シクロアルキル、C6~12アリールから選択され、これらは、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1~12アルキル、C2~12アルケニル、C2~12アルキニル、C5~10アリール、C1~12アルコキシ、3~10員飽和または不飽和シクロアルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル、または3~10員ヘテロアリール、C5~10アリールオキシルによって一置換または独立に多置換されていてもよく;
    およびRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、N、S、およびOから選択される1つまたは複数の追加のヘテロ原子を含んでいてもよい4~8員ヘテロシクリルを形成していてもよく、
    およびRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、N、S、およびOから選択される1つまたは複数の追加のヘテロ原子を含んでいてもよい4~8員ヘテロシクリルを形成していてもよく;
    nは、0である]。
  2. が水素である、請求項に記載の化合物。
  3. Wが分岐状C1~3アルキレンである、請求項に記載の化合物。
  4. Xが、フェニルである、請求項に記載の化合物。
  5. Yが、以下:
    Figure 0007021405000116

    からなる群から選択される、請求項1または2に記載の化合物。
  6. (R)-立体配置、(S)-立体配置またはこれらの混合を有する請求項1からのいずれか一項に記載の化合物。
  7. 以下
    Figure 0007021405000117
    Figure 0007021405000118
    Figure 0007021405000119
    Figure 0007021405000120

    らなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  8. 第1の有効成分としての、請求項1からのいずれか一項に記載の、1種もしくは複数の化合物、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物または立体異性体と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
  9. 疾患を処置するための医薬組成物であって、請求項1からのいずれか一項に記載の1種もしくは複数の化合物、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物または立体異性体の有効量、または請求項に記載の医薬組成物を対象に投与することを含み、疾患が、α-KGのD-2-HGへの変換と関連する疾患である、前記医薬組成物
  10. 疾患ががんである、請求項9に記載の医薬組成物。
  11. 求項1からのいずれか一項に記載の1種もしくは複数の化合物、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物または立体異性体、または請求項に記載の医薬組成物を使用することによって、α-KGのD-2-HGへの変換を阻害するための医薬組成物
  12. 求項1からのいずれか一項に記載の1種もしくは複数の化合物、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物または立体異性体、または請求項に記載の医薬組成物を使用することによって、変異体IDH、野生型IDHまたは両方を阻害するための医薬組成物
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