JP7021014B2 - 半導体デバイス用基板用の洗浄剤組成物 - Google Patents

半導体デバイス用基板用の洗浄剤組成物 Download PDF

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Description

本開示は、半導体デバイス用基板用の洗浄剤組成物、該洗浄剤組成物を用いた半導体デバイス用基板の洗浄方法及び半導体デバイス用基板の製造方法に関する。
近年、半導体集積回路等の半導体デバイスは、処理能力向上に伴い微細化が進んでいる。微細化が進むにしたがって、基板各層における平坦性の高い精度が求められている。さらに、配線等が描かれた、硬さや性質の異なる複数種類の表面を同時に平坦化することが生産効率の面等から求められようになってきている。
半導体デバイス用基板の平坦性を確保する技術として化学機械研磨(CMP)が一般的に行われている。CMPでは、研磨砥粒を含む研磨剤(スラリー)を供給しながら研磨パッドを用いて基板表面を研磨し、平坦化する。研磨剤としてシリカスラリーが広く用いられているが、酸化セリウム粒子(セリア)スラリーも用いられている。シリカスラリーは、主に銅等の金属部と二酸化シリコン(SiO2)部を有する基板表面の研磨に利用され、セリアスラリーは、主にSiO2部と窒化ケイ素(Si34)部を有する基板表面の研磨に利用されている。そして、シリカスラリーやセリアスラリーを用いたCMPの後は、基板表面に残存する研磨くずや砥粒由来の異物(パーティクル)を除去するために、洗浄が必要である。CMP後の基板の洗浄に用いられる洗浄剤組成物及び洗浄方法として、例えば、下記の洗浄剤組成物や洗浄方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、セリアに対する洗浄性、並びに、セリア及びシリカの分散性に優れる、カルボン酸基を有するビニル系モノマー由来の構成単位及びスルホン酸基を有するビニル系モノマー由来の構成単位を含むポリマー(成分A)、スルホン酸基を有する芳香族モノマー由来の構成単位を含む、成分A以外のポリマー(成分B)、硫酸(成分C)、還元剤(成分D)及び水(成分E)を含有する、半導体デバイス用基板用の洗浄剤組成物が提案されている。
特許文献2には、セリアに対する洗浄性に優れ、洗浄後の基板の表面粗さの悪化を抑制できる、炭素数10以上22以下のモノアミンのエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド付加物、硫酸、還元剤及び水を含有する、半導体デバイス用基板用の酸性洗浄剤組成物が提案されている。
特許文献3には、基板上の酸化セリウムまたは酸化マンガンに起因した汚染物質を除去し得る洗浄方法として、半導体基板に化学的機械的研磨を施した後、該基板を還元剤と酸とからなる混合溶液を用いて洗浄する半導体基板の洗浄方法が提案されている。
特開2018-46153号公報 特開2017-120844号公報 特開平11-251280号公報
セリアスラリーを用いたCMPの後には、基板表面に残留する研磨砥粒であるセリアの除去を目的として、通常フッ酸洗浄が行われている。一方で、近年、半導体デバイス分野では微細化目的で配線幅を狭くする傾向にあるため、下地を形成している二酸化シリコン等の熱酸化膜のスクラッチや表面荒れの影響が大きくなっている。さらに、フッ酸洗浄では熱酸化膜に対する溶解性が強すぎるためにスクラッチの発生や表面粗さといった課題が発生し、洗浄後の工程に影響し、半導体デバイスの収率の低下及び品質の低下を招いている。そのため、フッ酸に代わり、平坦性を低下させることなく、基板表面に残留するセリアに対する洗浄性に優れる洗浄剤が求められている。しかし、上記特許文献に開示されている洗浄剤組成物では、基板表面に残留するセリアに対する洗浄性が十分ではなかった。
そこで、本開示は、基板表面に残留するセリアに対する洗浄性に優れる半導体デバイス用基板用の洗浄剤組成物、該洗浄剤組成物を用いた半導体デバイス用基板の洗浄方法及び半導体デバイス用基板の製造方法を提供する。
本開示は、一態様において、下記式(I)で表されるモノマーa1又はその無水物由来の構成単位a1、下記式(II)で表されるモノマーa2由来の構成単位a2及び下記式(III)で表されるモノマーa3由来の構成単位a3を含むポリマー(成分A)と、硫酸(成分B)と、水(成分C)とを含有する、半導体デバイス用基板用の洗浄剤組成物に関する。
Figure 0007021014000001
〔式(I)中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、又は-(CH2)pCOOM1を示し、R4は、-(CH2qCOO(AO)n-X、又は-(CH2rO(AO)m-Yを示し、M1は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム基、又はアンモニウム基を示し、p、q及びrはそれぞれ独立に、0以上2以下の整数を示し、AOは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基を示し、n及びmはそれぞれ独立に、AOの平均付加モル数であって、4以上300以下の数を示し、X及びYはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。〕
Figure 0007021014000002
〔式(II)中、R5、R6及びR7はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、R8は炭素数2以上4以下のアルキレン基を示し、M2は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム基、又はアンモニウム基を示す。〕
Figure 0007021014000003
〔式(III)中、R9、R10、R11、R14、R15及びR16はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、R12及びR13は炭素数2以上4以下のアルキレン基を示し、M3は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム基、又はアンモニウム基を示す。〕
本開示は、一態様において、本開示に係る洗浄剤組成物を用いて、被洗浄基板を洗浄する工程を含み、前記被洗浄基板は、半導体デバイス用基板の製造に用いられる基板である、基板の洗浄方法に関する。
本開示は、一態様において、本開示に係る洗浄剤組成物を用いて、被洗浄基板を洗浄する工程を含む、半導体デバイス用基板の製造方法に関する。
本開示によれば、一実施形態において、基板表面に残留するセリアに対する洗浄性に優れる半導体デバイス用基板用の洗浄剤組成物を提供できる。
本開示は、セリアスラリーを用いたCMP後の基板の洗浄に、上記成分A~成分Cを含有する洗浄剤組成物を用いると、基板表面に残留するセリアを効率よく洗浄できるという知見に基づく。
すなわち、本開示は、一態様において、上記式(I)で表されるモノマーa1又はその無水物由来の構成単位a1、上記式(II)で表されるモノマーa2由来の構成単位a2及び上記式(III)で表されるモノマーa3由来の構成単位a3を含むポリマー(成分A)と、硫酸(成分B)と、水(成分C)とを含有する、半導体デバイス用基板用の洗浄剤組成物(以下、「本開示に係る洗浄剤組成物」ともいう)に関する。本開示によれば、基板表面に残留するセリアに対する洗浄性に優れる半導体デバイス用基板用の洗浄剤組成物を提供できる。そして、本開示に係る洗浄剤組成物を用いることによって、高品質の半導体デバイス用基板が得られうる。
本開示に係る洗浄剤組成物における効果の作用メカニズムの詳細は不明な部分があるが、以下のように推定される。
セリアスラリーを用いたCMPの後には、基板表面に研磨砥粒であるセリアが残留する。セリアが付着した基板を本開示の洗浄剤組成物を用いて洗浄すると、基板表面とセリアの間に分散性能の高い成分Aが浸透してセリア表面に吸着することにより、洗浄液組成物中にセリア粒子が分散し、基板表面が清浄化されると考えられる。特に、成分Aがモノマーa2及びモノマーa3を構成単位として有していることにより、セリアへの吸着性が向上するため、洗浄性が向上すると考えられる。また、成分Aが吸着したセリア粒子は、成分Aがモノマーa1を構成単位として有していることにより、セリア粒子同士の接触やセリア粒子と基板表面との接触が抑制されるため、洗浄液組成物中にセリア粒子が分散し、基板表面への再付着を抑制できると考えられる。本開示の洗浄剤組成物が還元剤(成分D)をさらに含む場合、成分Dが存在することで、基板表面とセリアの間への成分Aの浸透を促進でき、洗浄性が向上すると考えられる。
但し、本開示はこのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
[成分A:ポリマー]
本開示に係る洗浄剤組成物に含まれる成分Aは、下記式(I)で表されるモノマーa1又はその無水物由来の構成単位a1、下記式(II)で表されるモノマーa2由来の構成単位a2及び下記式(III)で表されるモノマーa3由来の構成単位a3を含むポリマーである。本開示において成分Aは、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
<モノマーa1>
Figure 0007021014000004
式(I)中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、又は-(CH2)pCOOM1を示し、R4は、-(CH2qCOO(AO)n-X、又は-(CH2rO(AO)m-Yを示し、M1は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム基、又はアンモニウム基を示し、p、q及びrはそれぞれ独立に、0以上2以下の整数を示し、AOは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基を示し、n及びmはそれぞれ独立に、AOの平均付加モル数であって、4以上300以下の数を示し、X及びYはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。
式(I)中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、又は-(CH2)pCOOM1から選ばれる少なくとも1種であって、洗浄性向上の観点から、R1及びR3は水素原子、R2は水素原子又はメチル基が好ましく、R1及びR3は水素原子、R2はメチル基がより好ましい。R4は、-(CH2qCOO(AO)n-X、又は-(CH2rO(AO)m-Yから選ばれる少なくとも1種であって、洗浄性向上の観点から、R4は-(CH2qCOO(AO)n-Xが好ましい。
式(I)中、p、q及びrはそれぞれ独立に、0以上2以下の整数であって、入手性及び洗浄性向上の観点から、1以下が好ましく、0がより好ましい。
式(I)中、AOは、炭素数2又は3のアルキレンオキシ基を示し、該アルキレンオキシ基は直鎖状及び分岐状のいずれの形態であってもよい。AOは1種であっても2種以上であってもよい。AOが2種以上のとき、その付加形式はランダム状であってもブロック状であってもよい。AOとしては、例えば、オキシエチレン(EO)基、オキシプロピレン(PO)基が挙げられ、洗浄性向上の観点から、オキシエチレン(EO)基が好ましい。
式(I)中、m及びnはそれぞれ独立に、0以上300以下の数であって、洗浄性向上の観点から、200以下が好ましく、150以下がより好ましく、130以下がさらに好ましい。
式(I)中、M1は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム基、又はアンモニウム基を示す。M1が、水素原子の場合、モノマーa1はカルボン酸である。M1が、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム基、又はアンモニウム基の場合は、モノマーa1はカルボン酸の塩である。M1は、洗浄性向上の観点から、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム基、又はアンモニウム基が好ましく、有機アンモニウム基、又はアンモニウム基がより好ましい。
式(I)中、Xは、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。Xは、洗浄性向上の観点から、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましい。該アルキル基は、直鎖状及び分岐状のいずれの形態であってもよい。炭素数1以上3以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、又はイソプロピル基が挙げられ、同様の観点から、メチル基が好ましい。
式(I)中、Yは、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。Yは、洗浄性向上の観点から、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましい。該アルキル基は、直鎖状及び分岐状のいずれの形態であってもよい。炭素数1以上3以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、又はイソプロピル基が挙げられる。
モノマーa1の一実施形態としては、式(I)中のR1及びR3が水素原子で、R2が水素原子又はメチル基で、R4が-(CH2qCOO(AO)n-Xであって、qが0の場合、例えば、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、プロポキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、及びプロポキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリル酸エステル等から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、洗浄性向上の観点から、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、及びプロポキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種が好ましく、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステルがより好ましく、メトキシポリエチレングリコールメタクリル酸エステルがよりさらに好ましい。「(メタ)アクリル酸エステル」とは、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの少なくとも1種を意味する。
モノマーa1のその他の実施形態としては、式(I)中のR1~R3が水素原子で、R4が-(CH2qCOO(AO)n-Xであって、qが1の場合、例えば、メトキシポリエチレングリコール-3-ブテン酸エステル、エトキシポリエチレングリコール-3-ブテン酸エステル、プロポキシポリエチレングリコール-3-ブテン酸エステル、メトキシポリプロピレングリコール-3-ブテン酸エステル、エトキシポリプロピレングリコール-3-ブテン酸エステル、及びプロポキシポリプロピレングリコール-3-ブテン酸エステル等から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
モノマーa1のその他の実施形態としては、式(I)中のR1~R3が水素原子で、R4が-(CH2qCOO(AO)n-Xであって、qが2の場合、例えば、メトキシポリエチレングリコール-4-ペンテン酸エステル、エトキシポリエチレングリコール-4-ペンテン酸エステル、プロポキシポリエチレングリコール-4-ペンテン酸エステル、メトキシポリプロピレングリコール-4-ペンテン酸エステル、エトキシポリプロピレングリコール-4-ペンテン酸エステル、及びプロポキシポリプロピレングリコール-4-ペンテン酸エステル等から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
モノマーa1のその他の実施形態としては、式(I)中のR1~R3が水素原子で、R4が-(CH2rO(AO)m-Yであって、rが0の場合、例えば、ポリエチレングリコールビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、エトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、プロポキシポリエチレングリコールビニルエーテル、ポリプロピレングリコールビニルエーテル、メトキシポリプロピレングリコールビニルエーテル、エトキシポリプロピレングリコールビニルエーテル、プロポキシポリプロピレングリコールビニルエーテル、ポリエチレングリコールイソプロペニルエーテル、及びポリプロレングリコールイソプロペニルエーテル等から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
モノマーa1のその他の実施形態としては、式(I)中のR1~R3が水素原子で、R4が-(CH2rO(AO)m-Yであって、rが1の場合、例えば、ポリエチレングリコールアリルエーテル、メトキシポリエチレングリコールアリルエーテル、エトキシポリエチレングリコールアリルエーテル、プロポキシポリエチレングリコールアリルエーテル、ポリプロピレングリコールアリルエーテル、メトキシポリプロピレングリコールアリルエーテル、エトキシポリプロピレングリコールアリルエーテル、プロポキシポリプロピレングリコールアリルエーテル、ポリエチレングリコール-2-メチルアリルエーテル、ポリプロレングリコール-2-メチルアリルエーテル、ポリエチレングリコール-2-ブテニルエーテル、及びポリプロレングリコール-2-ブテニルエーテル等から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
モノマーa1のその他の実施形態としては、式(I)中のR1~R3が水素原子で、R4が-(CH2rO(AO)m-Yであって、rが2の場合、例えば、ポリエチレングリコール-3-ブテニルエーテル、メトキシポリエチレングリコール-3-ブテニルエーテル、エトキシポリエチレングリコール-3-ブテニルエーテル、プロポキシポリエチレングリコール-3-ブテニルエーテル、ポリプロピレングリコール-3-ブテニルエーテル、メトキシポリプロピレングリコール-3-ブテニルエーテル、エトキシポリプロピレングリコール-3-ブテニルエーテル、プロポキシポリプロピレングリコール-3-ブテニルエーテル、ポリエチレングリコール-3-メチル-3-ブテニルエーテル、メトキシポリエチレングリコール-3-メチル-3-ブテニルエーテル、エトキシポリエチレングリコール-3-メチル-3-ブテニルエーテル、プロポキシポリエチレングリコール-3-メチル-3-ブテニルエーテル、ポリプロレングリコール-3-メチル-3-ブテニルエーテル、メトキシポリプロレングリコール-3-メチル-3-ブテニルエーテル、エトキシポリプロレングリコール-3-メチル-3-ブテニルエーテル、及びプロポキシポリプロレングリコール-3-メチル-3-ブテニルエーテル等から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
<モノマーa2>
Figure 0007021014000005
式(II)中、R5、R6及びR7はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、R8は炭素数2以上4以下のアルキレン基を示し、M2は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム基、又はアンモニウム基を示す。
式(II)中、R5、R6及びR7はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基から選ばれる少なくとも1種であって、洗浄性向上の観点から、R5及びR7は水素原子、R6はメチル基が好ましい。R8は、炭素数2以上4以下のアルキレン基から選ばれる少なくとも1種であって、洗浄性向上の観点から、R8はエチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
式(II)中、M2は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム基、又はアンモニウム基を示す。M2が、水素原子の場合、モノマーa2はリン酸である。M2が、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム基、又はアンモニウム基の場合は、モノマーa2はリン酸の塩である。M2は、洗浄性向上の観点から、水素原子、アルカリ金属、有機アンモニウム基、又はアンモニウム基が好ましく、水素原子、有機アンモニウム基、又はアンモニウム基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
モノマーa2の一実施形態としては、式(II)中のR5、R6及びR7が水素原子で、R8が炭素数2以上4以下のアルキレン基であって、M2が水素原子の場合、例えば、リン酸モノ(2-ヒドロキシエチル)アクリル酸エステル、リン酸モノ(2-ヒドロキシプロピル)アクリル酸エステル、リン酸モノ(2-ヒドロキシイソプロピル)アクリル酸エステル、及びリン酸モノ(2-ヒドロキシブチル)アクリル酸エステル等から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、洗浄性向上の観点から、リン酸モノ(2-ヒドロキシエチル)アクリル酸エステルが好ましい。
モノマーa2のその他の実施形態としては、式(II)中のR5及びR7が水素原子、R6がメチル基で、R8が炭素数2以上4以下のアルキレン基であって、M2が水素原子の場合、例えば、リン酸モノ(2-ヒドロキシエチル)メタクリル酸エステル、リン酸モノ(2-ヒドロキシプロピル)メタクリル酸エステル、リン酸モノ(2-ヒドロキシイソプロピル)メタクリル酸エステル、及びリン酸モノ(2-ヒドロキシブチル)メタクリル酸エステル等から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、洗浄性向上の観点から、リン酸モノ(2-ヒドロキシエチル)メタクリル酸エステルが好ましい。
<モノマーa3>
Figure 0007021014000006
式(III)中、R9、R10、R11、R14、R15及びR16はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、R12及びR13は炭素数2以上4以下のアルキレン基を示し、M3は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム基、又はアンモニウム基を示す。
式(III)中、R9、R10、R11、R14、R15及びR16はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基から選ばれる少なくとも1種であって、洗浄性向上の観点から、R9、R11、R15及びR16は水素原子、R10及びR14はメチル基が好ましい。R12及びR13は炭素数2以上4以下のアルキレン基から選ばれる少なくとも1種であって、洗浄性向上の観点から、R12及びR13はエチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
式(III)中、M3は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム基、又はアンモニウム基を示す。M3が、水素原子の場合、モノマーa3はリン酸である。M3が、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム基、又はアンモニウム基の場合は、モノマーa3はリン酸の塩である。M3は、洗浄性向上の観点から、水素原子、アルカリ金属、有機アンモニウム基、又はアンモニウム基が好ましく、水素原子、有機アンモニウム基、又はアンモニウム基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
モノマーa3の一実施形態としては、式(III)中のR9、R10、R11、R14、R15及びR16が水素原子で、R12及びR13が炭素数2以上4以下のアルキレン基であって、M3が水素原子の場合、例えば、リン酸ビス〔(2-ヒドロキシエチル)アクリル酸〕エステル、リン酸ビス〔(2-ヒドロキシプロピル)アクリル酸〕エステル、リン酸ビス〔(2-ヒドロキシイソプロピル)アクリル酸〕エステル、及びリン酸ビス〔(2-ヒドロキシブチル)アクリル酸〕エステル等から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、洗浄性向上の観点から、リン酸ビス〔(2-ヒドロキシエチル)アクリル酸〕エステルが好ましい。
モノマーa3のその他の実施形態としては、式(III)中のR9、R11、R15及びR16は水素原子、R10及びR14はメチル基で、R12及びR13が炭素数2以上4以下のアルキレン基であって、M3が水素原子の場合、例えば、リン酸ビス〔(2-ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステル、リン酸ビス〔(2-ヒドロキシプロピル)メタクリル酸〕エステル、リン酸ビス〔(2-ヒドロキシイソプロピル)メタクリル酸〕エステル、及びリン酸ビス〔(2-ヒドロキシブチル)メタクリル酸〕エステル等から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、洗浄性向上の観点から、リン酸ビス〔(2-ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルが好ましい。
成分Aの全構成単位中の構成単位a1の含有量(モル部)は、洗浄性向上の観点から、成分Aの全構成単位(100モル部)に対して、30モル部以上が好ましく、40モル部以上がより好ましく、45モル部以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、85モル部以下が好ましく、80モル部以下がより好ましく、75モル部以下がさらに好ましい。より具体的には、構成単位a1の含有量(モル部)は、成分Aの全構成単位(100モル部)に対して、30モル部以上85モル部以下が好ましく、40モル部以上80モル部以下がより好ましく、45モル部以上75モル部以下がさらに好ましい。
成分Aの全構成単位中の構成単位a2の含有量(モル部)は、洗浄性向上の観点から、成分Aの全構成単位(100モル部)に対して、9モル部以上が好ましく、12モル部以上がより好ましく、18モル部以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、50モル部以下が好ましく、45モル部以下がより好ましく、40モル部以下がさらに好ましい。より具体的には、構成単位a2の含有量(モル部)は、成分Aの全構成単位(100モル部)に対して、9モル部以上50モル部以下が好ましく、12モル部以上45モル部以下がより好ましく、18モル部以上40モル部以下がさらに好ましい。
成分Aの全構成単位中の構成単位a3の含有量(モル部)は、洗浄性向上の観点から、成分Aの全構成単位(100モル部)に対して、3モル部以上が好ましく、4モル部以上がより好ましく、6モル部以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、20モル部以下が好ましく、17モル部以下がより好ましく、15モル部以下がさらに好ましい。より具体的には、構成単位a3の含有量(モル部)は、成分Aの全構成単位(100モル部)に対して、3モル部以上20モル部以下が好ましく、4モル部以上17モル部以下がより好ましく、6モル部以上15モル部以下がさらに好ましい。
成分Aの全構成単位中の構成単位a2及びa3の合計含有量(モル部)は、洗浄性向上の観点から、成分Aの全構成単位(100モル部)に対して、12モル部以上が好ましく、16モル部以上がより好ましく、24モル部以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、70モル部以下が好ましく、60モル部以下がより好ましく、55モル部以下がさらに好ましい。より具体的には、構成単位a2及びa3の合計含有量(モル部)は、成分Aの全構成単位(100モル部)に対して、12モル部以上70モル部以下が好ましく、16モル部以上60モル部以下がより好ましく、24モル部以上55モル部以下がさらに好ましい。
成分Aの全構成単位中の構成単位a1の含有量と構成単位a2及びa3の合計含有量とのモル比[a1/(a2+a3)]は、洗浄性向上の観点から、0.1以上が好ましく、0.3以上がより好ましく、0.8以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、10以下が好ましく、7以下がより好ましく、5以下がさらに好ましい。より具体的には、モル比[a1/(a2+a3)]は、0.1以上10以下が好ましく、0.3以上7以下がより好ましく、0.8以上5以下がさらに好ましい。
成分Aの全構成単位中の構成単位a2と構成単位a3とのモル比(a2/a3)は、洗浄性向上の観点から、0.5以上が好ましく、1以上がより好ましく、2以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、10以下が好ましく、5以下がより好ましく、3以下がさらに好ましい。より具体的には、モル比(a2/a3)は、0.5以上10以下が好ましく、1以上5以下がより好ましく、2以上3以下がさらに好ましい。
成分Aの全構成単位中の構成単位a1、a2、a3の合計含有量(モル部)は、洗浄性向上の観点から、成分Aの全構成単位(100モル部)に対して、80モル部以上が好ましく、90モル部以上がより好ましく、95モル部以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、100モル部以下が好ましい。より具体的には、構成単位a1、a2、a3の合計含有量(モル部)は、成分Aの全構成単位(100モル部)に対して、80モル部以上100モル部以下が好ましく、90モル部以上100モル部以下がより好ましく、95モル部以上100モル部以下がさらに好ましい。
成分Aは、構成単位a1、a2、a3以外のその他の構成単位をさらに含有することができる。その他の構成単位としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、スチレン、エチレン、プロピレン、ビニルアルコール、アリルアルコール等が挙げられる。
成分Aは、例えば、モノマーa1、モノマーa2及びモノマーa3を含むモノマー混合物を溶液重合法で重合させる等の公知の方法により得ることができる。溶液重合に用いられる溶媒としては、水;トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素;エタノール、2-プロパノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル;等が挙げられる。重合に用いられる重合開始剤としては、公知のラジカル開始剤を用いることができ、例えば、過硫酸アンモニウム塩が挙げられる。重合の際、連鎖移動剤をさらに用いることができ、例えば、2-メルカプトエタノール、β-メルカプトプロピオン酸等のチオール系連鎖移動剤が挙げられる。本開示において、成分Aの全構成単位中の各構成単位の含有量は、重合に用いるモノマー全量に対する各モノマーの使用量の割合とみなすことができる。
成分Aを構成する各構成単位の配列は、ランダム、ブロック、又はグラフトのいずれでもよい。
成分Aの重量平均分子量は、洗浄性向上の観点から、8,000以上が好ましく、15,000以上がより好ましく、20,000以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、150,000以下が好ましく、100,000以下がより好ましく、50,000以下がさらに好ましい。より具体的には、成分Aの重量平均分子量は、8,000以上150,000以下が好ましく、15,000以上100,000以下がより好ましく、20,000以上50,000以下がさらに好ましい。本開示において成分Aの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(ポリエチレングリコール換算)によるものであり、具体的には、実施例に記載の方法により測定できる。
本開示に係る洗浄剤組成物の洗浄時における成分Aの含有量は、洗浄性向上の観点から、0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.02質量%以上がさらに好ましく、0.03質量%以上がよりさらに好ましく、そして、洗浄性向上及び排水処理負荷低減の観点から、1質量%以下が好ましく、0.8質量%以下がより好ましく、0.6質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下がよりさらに好ましい。より具体的には、成分Aの含有量は、0.005質量%以上1質量%以下が好ましく、0.01質量%以上0.8質量%以下がより好ましく、0.02質量%以上0.6質量%以下がさらに好ましく、0.03質量%以上0.5質量%以下がよりさらに好ましい。
[成分B:硫酸]
本開示に係る洗浄剤組成物は、硫酸(成分B)を含む。
本開示に係る洗浄剤組成物の洗浄時における成分Bの含有量は、洗浄性向上の観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましく、そして、同様の観点から、0.5質量%以下が好ましく、0.3質量%以下がより好ましく、0.2質量%以下がさらに好ましく、0.1質量%以下がよりさらに好ましい。より具体的には、成分Bの含有量は、0.01質量%以上0.5質量%以下が好ましく、0.02質量%以上0.3質量%以下がより好ましく、0.02質量%以上0.2質量%以下がさらに好ましく、0.02質量%以上0.1質量%以下がよりさらに好ましい。
本開示に係る洗浄剤組成物中の成分Aと成分Bとの質量比(成分Aの含有量/成分Bの含有量)は、洗浄性向上の観点から、0.1以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、1.0以上がさらに好ましく、1.5以上がよりさらに好ましく、そして、同様の観点から、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、12以下がさらに好ましく、10以下がよりさらに好ましい。より具体的には、成分Aと成分Bとの質量比は、0.1以上20以下が好ましく、0.5以上15以下がより好ましく、1.0以上12以下がさらに好ましく、1.5以上10以下がよりさらに好ましい。
[成分C:水]
本開示に係る洗浄剤組成物に含まれる成分Cの水としては、イオン交換水、RO水、蒸留水、純水、超純水が使用されうる。成分Cの含有量は、本開示に係る洗浄剤組成物の使用態様にあわせて適宜設定すればよい。
本開示に係る洗浄剤組成物の洗浄時における成分Cの含有量は、洗浄性向上の観点から、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、97質量%以上がさらに好ましく、98質量%以上がよりさらに好ましく、そして、同様の観点から、99.9質量%以下が好ましく、99.85質量%以下がより好ましい。より具体的には、洗浄時における成分Cの含有量は、90質量%以上99.9質量%以下が好ましく、95質量%以上99.85質量%以下がより好ましく、97質量%以上99.85質量%以下がさらに好ましく、98質量%以上99.85質量%以下がよりさらに好ましい。
[成分D:還元剤]
本開示に係る洗浄剤組成物は、一又は複数実施形態において、還元剤(成分D)をさらに含むことができる。
成分Dとしては、酸性条件下において還元性を有するものであればよく、例えば、チオ尿素、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、過酸化水素、亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、次亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム等)、チオ硫酸塩(例えば、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム等)、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等)、リン系還元剤(例えば、トリス-2-カルボキシエチルホスフィン等)、アミン系還元剤(例えば、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、トリプトファン、ヒスチジン、メチオニン、フェニルアラニン等)、フェノール系還元剤(例えば、カテコール、レソルシノール、ヒドロキノン、ピロガロール、フロログルシノール、1,2,4-ベンゼントリオール、ジブチルヒドロキシトルエン等)、1,4-ナフトキノン-2-スルホン酸、没食子酸及びそれらの誘導体等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。洗浄性向上の観点からは、チオ尿素及びアスコルビン酸の少なくとも一方が好ましい。アスコルビン酸としては、例えば、L-アスコルビン酸、エリソルビン酸及びこれらの塩から選ばれる1種以上が挙げられ、洗浄性向上の観点から、L-アスコルビン酸及びその塩から選ばれる1種以上が好ましく、L-アスコルビン酸がより好ましい。
本開示に係る洗浄剤組成物の洗浄時における成分Dの含有量は、洗浄性向上の観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.002質量%以上がより好ましく、0.004質量%以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.2質量%以下がさらに好ましい。より具体的には、成分Dの含有量は、0.001質量%以上1質量%以下が好ましく、0.002質量%以上0.5質量%以下がより好ましく、0.004質量%以上0.2質量%以下がさらに好ましい。
本開示に係る洗浄剤組成物中の成分Aと成分Dとの質量比(成分Aの含有量/成分Dの含有量)は、洗浄性向上の観点から、0.05以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、0.2以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、5以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下がさらに好ましい。より具体的には、成分Aと成分Dとの質量比は、0.05以上5以下が好ましく、0.1以上4以下がより好ましく、0.2以上3以下がさらに好ましい。
[その他の成分]
本開示に係る洗浄剤組成物は、上記成分A~D以外に、必要に応じてその他の成分を含有することができる。その他の成分としては、成分A以外のポリマー、成分B以外の酸、キレート剤(例えば、ヒドロキシエチルアミノ酢酸、ヒドロキシエチルイミノ2酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸等のアミノカルボン酸類)、可溶化剤、防腐剤、防錆剤、殺菌剤、抗菌剤、シリコーン系消泡剤、酸化防止剤、エステル類(例えば、ヤシ脂肪酸メチルや酢酸ベンジル等)、アルコール類等が挙げられる。本開示に係る洗浄剤組成物の洗浄時におけるその他の成分の含有量は、本開示の効果を妨げない観点から、0質量%以上2質量%以下が好ましく、0質量%以上1.5質量%以下がより好ましく、0質量%以上1.3質量%以下がさらに好ましく、0質量%以上1質量%以下がよりさらに好ましい。
[洗浄剤組成物のpH]
本開示に係る洗浄剤組成物の洗浄時のpHは、洗浄性向上の観点から、5以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下がさらに好ましく、2.5以下がよりさらに好ましく、そして、1以上が好ましい。より具体的には、本開示に係る洗浄剤組成物の洗浄時のpHは、1以上5以下が好ましく、1以上4以下がより好ましく、1以上3以下がさらに好ましく、1以上2.5以下がよりさらに好ましい。
本開示に係る洗浄剤組成物のpHの調整は、成分B(硫酸)を用いて行うことができるが、例えば、硝酸等の無機酸;オキシカルボン酸、多価カルボン酸、アミノポリカルボン酸、アミノ酸等の有機酸;及びそれらの金属塩やアンモニウム塩、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミン等の塩基性物質;等を用いて行うこともできる。
本開示において「洗浄時のpH」とは、25℃における洗浄剤組成物の使用時(希釈後)のpHであり、pHメータを用いて測定できる。具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
[洗浄剤組成物の製造方法]
本開示に係る洗浄剤組成物は、例えば、前記成分A~C及び必要に応じて成分D及びその他の成分を公知の方法で配合することにより製造できる。例えば、本開示に係る洗浄剤組成物は、少なくとも前記成分A~Cを配合してなるものとすることができる。したがって、本開示は、一態様において、少なくとも前記成分A~Cを配合する工程を含む、洗浄剤組成物の製造方法に関する。本開示において「配合する」とは、成分A~C及び必要に応じて成分D及びその他の成分を同時に又は任意の順に混合することを含む。本開示に係る洗浄剤組成物の製造方法において、各成分の配合量は、上述した本開示に係る洗浄剤組成物の各成分の含有量と同じとすることができる。
本開示において「洗浄剤組成物の洗浄時における各成分の含有量」とは、一又は複数の実施形態において、洗浄工程に使用される、すなわち、洗浄への使用を開始する時点(使用時)での洗浄剤組成物の各成分の含有量をいう。
本開示に係る洗浄剤組成物は、分離や析出等を起こして保管安定性を損なわない範囲で成分Cの水の量を減らした濃縮物として調製してもよい。洗浄剤組成物の濃縮物は、輸送及び貯蔵の観点から、希釈倍率10倍以上の濃縮物とすることが好ましく、保管安定性の観点から、希釈倍率100倍以下の濃縮物とすることが好ましい。洗浄剤組成物の濃縮物は、使用時に各成分が上述した含有量(すなわち、洗浄時の含有量)になるよう水で希釈して使用することができる。さらに洗浄剤組成物の濃縮物は、使用時に各成分を別々に添加して使用することもできる。本開示において洗浄剤組成物の濃縮物の「使用時」又は「洗浄時」とは、洗浄剤組成物の濃縮物が希釈された状態をいう。
本開示に係る洗浄剤組成物の濃縮物のpHは、希釈後の洗浄性向上の観点から、5以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下がさらに好ましく、2.5以下がよりさらに好ましい。本開示において洗浄剤組成物の濃縮物のpHは、上述した洗浄時のpHと同様の方法で測定できる。
[被洗浄基板]
本開示に係る洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、セリアを含む研磨液組成物(セリアスラリー)を用いた研磨後の基板の洗浄、セリア及びシリカを含む研磨液組成物を用いた研磨後の基板の洗浄、セリアスラリーを用いたCMP後の基板の洗浄、セリア及びシリカを含む研磨液組成物を用いたCMP後の基板の洗浄、基板表面にセリア砥粒由来の異物が付着した基板の洗浄、又は、基板表面にセリア及びシリカ砥粒由来の異物が付着した基板の洗浄に使用されうる。本開示に係る洗浄剤組成物は、種々の材料及び形状の被洗浄基板に対して使用できる。
被洗浄基板としては、例えば、研磨後の基板が挙げられ、具体的には、セリアを含む研磨液組成物を用いた研磨後の基板、セリア及びシリカを含む研磨液組成物を用いた研磨後の基板、セリアを含む研磨液組成物を用いたCMP後の基板、セリア及びシリカを含む研磨液組成物を用いたCMP後の基板、基板表面にセリア砥粒由来の異物が付着した基板、又は、基板表面にセリア及びシリカ砥粒由来の異物が付着した基板が挙げられる。基板としては、例えば、シリコン基板、ガラス基板、セラミックス基板等の半導体デバイス用基板が挙げられる。したがって、本開示は、その他の態様において、本開示に係る洗浄剤組成物の半導体デバイス用基板の洗浄への使用に関する。
被洗浄基板の表面材料は特に限定されず、例えば、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、熱シリコン酸化膜、ノンドープシリケートガラス膜、リンドープシリケートガラス膜、ボロンドープシリケートガラス膜、リンボロンドープシリケートガラス膜、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)膜、プラズマCVD酸化膜、シリコン窒化膜、シリコンカーバイド膜、シリコンオキサイドカーバイド膜、又はシリコンオキサイドカーバイドナイトライド膜等が挙げられる。さらに、ガラス、石英、水晶、セラミックス等も挙げられる。一又は複数の実施形態において、被洗浄基板は、これら材料単独で構成される基板でもよいし、2種以上の材料がある分布を持ってパターニングされた基板や積層された基板でもよい。
[基板の洗浄方法]
本開示は、一態様において、本開示に係る洗浄剤組成物を用いて、被洗浄基板を洗浄する工程を含み、前記被洗浄基板は、半導体デバイス用基板の製造に用いられる基板である、基板の洗浄方法(以下、「本開示に係る洗浄方法」ともいう)に関する。被洗浄基板としては、上述した基板を用いることができる。前記洗浄工程は、一又は複数の実施形態において、被洗浄基板に本開示に係る洗浄剤組成物を接触させる工程を含むことができる。被洗浄基板を本開示に係る洗浄剤組成物を用いて洗浄する方法としては、例えば、洗浄槽に浸漬して接触させる方法、超音波洗浄装置の浴槽内で接触させる方法、洗浄剤組成物をスプレー状に射出して接触させる方法、回転させている被洗浄基板上に洗浄剤組成物を吐出させたり、吹き付けたりして接触させる方法、超音波を洗浄剤組成物に印加しながらスプレー状に射出して接触させる方法及び洗浄剤組成物を吹きかけながらブラシ等を介して接触させる方法等が挙げられる。
本開示に係る洗浄剤組成物が濃縮物である場合、本開示に係る洗浄方法は、洗浄剤組成物の濃縮物を希釈する希釈工程をさらに含むことができる。本開示に係る洗浄方法は、被洗浄基板を洗浄剤組成物に接触させた後、水でリンスし、乾燥する工程を含むことが好ましい。本開示の洗浄方法であれば、基板表面に残留するセリアを効率よく除去できる。本開示に係る洗浄方法による洗浄性の観点から、CMPには、セリアを含む研磨液組成物、又は、セリア及びシリカを含む研磨液組成物を用いることが好ましい。本開示に係る洗浄方法は、本開示に係る洗浄剤組成物の洗浄力が発揮されやすい点から、本開示に係る洗浄剤組成物と被洗浄基板との接触時に超音波を照射することが好ましく、その超音波は比較的強いものであることがより好ましい。超音波の照射条件としては、同様の観点から、20~2,000kHzが好ましく、40~2,000kHzがより好ましく、40~1,500kHzがさらに好ましい。
[半導体デバイス用基板の製造方法]
本開示は、一態様において、本開示に係る洗浄剤組成物を用いて、被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含む、半導体デバイス用基板の製造方法(以下、「本開示に係る基板製造方法」ともいう)に関する。被洗浄基板としては、上述した基板を用いることができる。本開示に係る基板製造方法の洗浄工程における洗浄方法や洗浄条件は、上述した本開示に係る洗浄方法の洗浄工程と同じとすることができる。
本開示に係る基板製造方法は、一実施形態において、素子分離構造を形成する工程で行われるセリアを含む研磨液組成物(セリアスラリー)を用いてCMPを行う工程、及び本開示に係る洗浄剤組成物を用いて被洗浄基板を洗浄する工程を含むことができる。
本開示に係る基板製造方法は、その他の実施形態において、下記工程1及び工程2を含むことができる。
工程1:セリアを含む研磨液組成物を用いて基板を研磨する工程
工程2:本開示に係る洗浄剤組成物を用いて工程1で研磨された基板を洗浄する工程
ここで、CMPを行う工程の具体例を以下に示す。
まず、シリコン基板を酸化炉内で酸素に晒して二酸化シリコン層を含むシリコン基板を形成する。次いで、シリコン基板の二酸化シリコン層側、例えば二酸化シリコン層上に、窒化珪素(Si34)膜を、例えばCVD法(化学気相成長法)にて形成する。次に、このようにして得られたシリコン基板と前記シリコン基板の一方の主面側に配置された窒化珪素膜とを含む基板、例えば、シリコン基板とシリコン基板の一方の主面上に配置された窒化珪素膜とを含む基板、又はシリコン基板とシリコン基板の一方の主面上に配置された窒化珪素膜とからなる基板に、フォトリソグラフィー技術を用いて窒化珪素膜を貫通し溝底がシリコン基板内に達したトレンチを形成する。次いで、例えばシランガスと酸素ガスを用いたCVD法により、トレンチ埋め込み用の酸化珪素(SiO2)膜を形成し、前記トレンチに酸化珪素が埋め込まれ、トレンチ及び窒化珪素膜が酸化珪素膜で覆われた被研磨基板を得る。酸化珪素膜の形成により、前記トレンチは酸化珪素膜の酸化珪素で満たされ、窒化珪素膜の前記シリコン基板側の面の反対面は酸化珪素膜によって被覆される。このようにして形成された酸化珪素膜のシリコン基板側の面の反対面は、下層の凸凹に対応して形成された、段差を有する。次いで、CMP法により、酸化珪素膜を、少なくとも窒化珪素膜のシリコン基板側の面の反対面が露出するまでセリアスラリーで研磨し、より好ましくは、酸化珪素膜の表面と窒化珪素膜の表面とが面一になるまで酸化珪素膜を研磨する。
本開示に係る基板製造方法は、被洗浄基板の洗浄に本開示に係る洗浄剤組成物を用いることにより、CMP後の基板表面に残留する砥粒や研磨屑等の異物が低減され、異物が残留することに起因する後工程における不良発生が抑制されるから、信頼性の高い半導体デバイス用基板の製造が可能になる。さらに、本開示に係る洗浄方法を行うことにより、CMP後の基板表面の砥粒や研磨屑等の残渣の洗浄が容易になることから、洗浄時間が短縮化でき、半導体デバイス用基板の製造効率を向上できる。
[キット]
本開示は、一態様において、本開示に係る洗浄方法及び/又は本開示に係る基板製造方法に使用するためのキットに関する。本開示に係るキットの一実施形態としては、例えば、成分Aを含有する溶液(第1液)と、成分Bを含有する溶液(第2液)とを、相互に混合されていない状態で含み、これらが使用時に混合されるキット(2液型洗浄剤組成物)が挙げられる。前記第1液及び第2液の各々には、必要に応じて上述した成分D及びその他の成分が混合されていてもよい。前記第1液及び第2液の少なくとも一方は、成分C(水)の一部又は全部を含有することができる。前記第1液と前記第2液とが混合された後、必要に応じて成分C(水)で希釈されてもよい。
以下に、実施例により本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
1.ポリマー(成分A)の調製
表1に示すポリマーA1~A3の調製には、下記のモノマーを用いた。
<モノマーa1-1>
メトキシポリエチレングリコールモノメタクリル酸エステル[EO平均付加モル数23、新中村化学株式会社製、M-230G][式(I)で表現すると、R1,R3=水素原子、R2=CH3、R4=-(CH2)qCOO(EO)n-X(q=0、n=23、X=CH3)]
<モノマーa1-2>
メトキシポリエチレングリコールモノメタクリル酸エステル[EO平均付加モル数9、新中村化学株式会社製、M-90G][式(I)で表現すると、R1,R3=水素原子、R2=CH3、R4=-(CH2)qCOO(EO)n-X(q=0、n=9、X=CH3)]
<モノマーa1-3>
80℃に溶融したエチレンオキシド付加モル数120のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(重量平均分子量5344)1000質量部を、温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び冷却凝縮器を備えたガラス製反応容器に仕込んだ。次に、ハイドロキノン3質量部、p-トルエンスルホン酸32質量部を投入した。ここでポリエチレングリコールモノメチルエーテルとメタクリル酸の合計質量1kg当たり6mL/minとなる流量で空気を反応液中に導入し、さらに反応容器の気相部に12mL/minの流量で窒素を導入しながら、メタクリル酸483質量部(ポリエチレングリコールモノメチルエーテルに対して30モル倍となる量)を投入し、加熱及び反応容器内の減圧を開始した。圧力は26.7kPaに制御し、反応液温度が105℃に到達した時点を反応開始時刻とし、引き続き加熱して反応液温度を110℃に維持して反応水とメタクリル酸を留出させながら反応を行った。圧力は、反応開始1時間後に12~13.3kPaに減圧したのち、そのまま維持した。反応開始から6時間後に圧力を常圧に戻し、p-トルエンスルホン酸に対して1.05倍当量の48%水酸化ナトリウム水溶液を添加して中和し、反応を終了させた。その後、反応液温度を130℃以下に維持し、真空蒸留法により、未反応のメタクリル酸を回収し、エステル化反応物を得た。100℃まで冷却後、この反応物に飽和食塩水200質量部、トルエン1000質量部を加え、50℃に調整した。分層した下層の抜出、飽和食塩水200質量部の追加、分層、を5回繰り返した後、トルエンを留去し、精製されたメトキシポリエチレングリコールモノメタクリル酸エステル(EO平均付加モル数120、モノマーa1-3)[式(I)で表現すると、R1,R3=水素原子、R2=CH3、R4=-(CH2)qCOO(EO)n-X(q=0、n=120、X=CH3)]を得た。
<モノマーa2-1>
リン酸モノ(2-ヒドロキシエチル)メタクリル酸エステル[式(II)で表現すると、R5,R7=水素原子、R6=CH3、R8=エチレン基、M2=水素原子]
<モノマーa3-1>
リン酸ビス〔(2-ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステル[式(III)で表現すると、R9,R11,R15,R16=水素原子、R10,R14=CH3、R12,R13=エチレン基、M3:水素原子]
<ポリマーA1の製造例>
撹拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水 726.3gを仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。モノマーa1-1を130.0gとモノマーa2-1及びモノマーa3-1の混合物(ユニケミカル株式会社製、ホスマーM) 28.2gとメルカプトプロピオン酸 3.35gとを混合したものと、過硫酸アンモニウム 5.0gを水 45.0gに溶解したものとを、それぞれ1.5時間かけて滴下した。1時間の熟成後、過硫酸アンモニウム 2.5gを水 15.0gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後1.5時間同温度(80℃)で熟成した。熟成終了後に20%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、重量平均分子量43000の共重合体(ポリマーA1)を得た。
<ポリマーA2の製造例>
攪拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水 726.3gを仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。モノマーa1-2を150.0gとモノマーa2-1及びモノマーa3-1の混合物(ユニケミカル株式会社製、ホスマーM) 28.2gと3-メルカプトプロピオン酸 5.34gとを混合したものと、過硫酸アンモニウム 9.2gを水 45.0gに溶解したものとを、それぞれ1.5時間かけて滴下した。1時間の熟成後、過硫酸アンモニウム 4.6gを水 15.0gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後1.5時間同温度(80℃)で熟成した。熟成終了後に20%水酸化ナトリウム溶液で中和し、重量平均分子量27000の共重合体(ポリマーA2)を得た。
<ポリマーA3の製造例>
攪拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水 317.0gを仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で75℃まで昇温した。モノマーa1-3を323.0gとメタクリル酸 46.5gと水 239.0gを混合溶解したものと、2-メルカプトエタノール 1.90g及び過硫酸アンモニウム 4.17gを水 37.53gに溶解したものとを、それぞれ2時間かけて滴下した。過硫酸アンモニウム 1.39gを水 12.51gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後1時間同温度(75℃)で熟成した。熟成終了後に48%水酸化ナトリウム溶液で中和し、重量平均分子量39000の共重合体(ポリマーA3)を得た。
[重量平均分子量の測定]
使用した各ポリマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下「GPC」ともいう)法を用いて下記条件で測定した。測定結果を表1に示した。
<GPC条件>
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー株式会社製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CH3CN=9/1(体積比)
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプル濃度:0.5mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール換算
Figure 0007021014000007
2.洗浄剤組成物の調製(実施例1~6及び比較例1~4)
100mLガラスビーカーに、表2に示す含有量となるように、各成分を秤量し、下記条件で混合することにより、実施例1~6及び比較例1~4の洗浄剤組成物を調製した。表2中の各成分の数値は、断りのない限り、質量%であり、有効分で示す。表2中のpHは、25℃における洗浄剤組成物のpHであり、pHメータ(東亜ディーケーケー株式会社製、HM-30G)を用いて測定し、電極を洗浄剤組成物に浸漬して1分後の数値である。
<混合条件>
液温度:25℃
攪拌機:マグネチックスターラー(50mm回転子)
回転数:300rpm
攪拌時間:10分
表2に示す洗浄剤組成物の調製において、成分B、成分C及び成分Dには以下のものを用いた。
硫酸[富士フィルム和光純薬株式会社製、高純度特級](成分B)
水[栗田工業株式会社製の連続純水製造装置(ピュアコンティ PC-2000VRL型)とサブシステム(マクエース KC-05H型)を用いて製造した超純水](成分C)
アスコルビン酸[関東化学株式会社製、L(+)-アスコルビン酸(特級)](成分D)
チオ尿素[ナカライテスク株式会社製、JIS試薬特級](成分D)
3.試験片の作成
水に不定形セリア(焼成粉砕セリアGPL-C1010、昭和電工株式会社製)、ポリアクリル酸アンモニウム塩(重量平均分子量21000)を混合し、各濃度が0.5質量%、0.4質量%である研磨液組成物を調製した。研磨前の試験片として、シリコンウエハの片面に、TEOS-プラズマCVD法で厚さ2000nmの酸化珪素膜を形成したものから、40mm×40mmに切り出した酸化珪素膜試験片を用いた。また、研磨装置には定盤径300mmのムサシノ電子株式会社製「MA-300」を、研磨パッドにはニッタ・ハース株式会社製の積層パッド「IC1000/SUBA400」を用いた。研磨装置の定盤に、研磨パッドを貼り付け、試験片をホルダーにセットし、試験片の酸化珪素膜を形成した面が下になるように、すなわち酸化珪素膜が研磨パッドに接するように、ホルダーを研磨パッドに載せた。さらに、試験片にかかる荷重が300g重/cm2となるように、錘をホルダーに載せ、研磨パッドを貼り付けた定盤の中心に、研磨液組成物を50mL/分の速度で滴下しながら、定盤及びホルダーのそれぞれを同じ回転方向に90回転/分で1分間回転させて、酸化珪素膜試験片の研磨を行い、洗浄評価用試験片を作製した。
4.洗浄剤組成物の評価
調製した実施例1~6及び比較例1~4の洗浄剤組成物を用いて下記の評価を行った。
洗浄評価用試験片を洗浄剤組成物に60秒間浸漬し、流水ですすぎ、乾燥後、株式会社日立テクノロジーズ製「卓上顕微鏡 Miniscope TM3030」にて試験片の表面を観察した。10000倍の観察視野にて確認できる残留セリア砥粒の個数をカウントした。表2において、個数が少ないほど、洗浄性に優れることを示す。
Figure 0007021014000008
表2に示すとおり、実施例1~6の洗浄剤組成物は、比較例1~4の洗浄剤組成物に比べて、セリアに対する洗浄性に優れていた。
本開示の洗浄剤組成物は、半導体デバイス用基板の製造工程で用いられる洗浄剤組成物として有用であり、セリアが付着した基板の洗浄工程の短縮化及び製造される半導体デバイス用基板の性能・信頼性の向上が可能となり、半導体装置の生産性を向上できる。

Claims (10)

  1. 下記式(I)で表されるモノマーa1又はその無水物由来の構成単位a1、下記式(II)で表されるモノマーa2由来の構成単位a2及び下記式(III)で表されるモノマーa3由来の構成単位a3を含むポリマー(成分A)と、硫酸(成分B)と、水(成分C)とを含有する、半導体デバイス用基板用の洗浄剤組成物。
    Figure 0007021014000009
    〔式(I)中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、又は-(CH2)pCOOM1を示し、R4は、-(CH2qCOO(AO)n-X、又は-(CH2rO(AO)m-Yを示し、M1は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム基、又はアンモニウム基を示し、p、q及びrはそれぞれ独立に、0以上2以下の整数を示し、AOは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基を示し、n及びmはそれぞれ独立に、AOの平均付加モル数であって、4以上300以下の数を示し、X及びYはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。〕
    Figure 0007021014000010
    〔式(II)中、R5、R6及びR7はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、R8は炭素数2以上4以下のアルキレン基を示し、M2は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム基、又はアンモニウム基を示す。〕
    Figure 0007021014000011
    〔式(III)中、R9、R10、R11、R14、R15及びR16はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、R12及びR13は炭素数2以上4以下のアルキレン基を示し、M3は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、有機アンモニウム基、又はアンモニウム基を示す。〕
  2. 成分Aの重量平均分子量が、8000以上150000以下である、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
  3. 成分Aの全構成単位中の構成単位a1の含有量と構成単位a2及びa3の合計含有量のモル比[a1/(a2+a3)]が、0.1以上10以下である、請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
  4. 成分Aと成分Bとの質量比(成分Aの含有量/成分Bの含有量)が0.1以上20以下である、請求項1から3のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
  5. 使用時におけるpHが5以下である、請求項1から4のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
  6. さらに還元剤(成分D)を含有する、請求項1から5のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の洗浄剤組成物を用いて、被洗浄基板を洗浄する工程を含み、前記被洗浄基板は、半導体デバイス用基板の製造に用いられる基板である、基板の洗浄方法。
  8. 前記被洗浄基板が、セリアを含む研磨液組成物を用いて研磨された基板である、請求項7に記載の基板の洗浄方法。
  9. 請求項1から6のいずれかに記載の洗浄剤組成物を用いて、被洗浄基板を洗浄する工程を含む、半導体デバイス用基板の製造方法。
  10. 前記被洗浄基板が、セリアを含む研磨液組成物を用いて研磨された基板である、請求項9に記載の半導体デバイス用基板の製造方法。
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