JP7017128B2 - 複合固体電解質、及び、全固体電池 - Google Patents

複合固体電解質、及び、全固体電池 Download PDF

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Description

本開示は、複合固体電解質、及び、全固体電池に関する。
近年におけるパソコン、ビデオカメラおよび携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業界等においても、電気自動車用あるいはハイブリッド自動車用の高出力かつ高容量の電池の開発が進められている。
全固体電池の中でも全固体リチウムイオン電池は、リチウムイオンの移動を伴う電池反応を利用するためエネルギー密度が高いという点、また、正極と負極の間に介在する電解質として、有機溶媒を含む電解液に替えて固体電解質を用いるという点で注目されている。
特許文献1には、電極層や固体電解質層にかかる面圧のバラツキを解消することを目的として、正極層、負極層及び固体電解質層の少なくとも1つにおいて、該層の外周領域に含まれる硫化物系固体電解質のヤング率が、前記外周領域の内側に位置する内側領域に含まれる硫化物系固体電解質のヤング率よりも小さいことを特徴とする、全固体電池が開示されている。
特許文献2には、固体酸化物電解質と電極との剥離や、固体酸化物電解質の亀裂を抑制することを目的として、固体酸化物電解質として、ジルコニアなどの固体酸化物からなる電解質材料と、シリカ等の絶縁性を有し前記電解質材料よりもヤング率が低い材料である低ヤング率材料と、を含む、固体酸化物型燃料電池が開示されている。
特開2011-154902号公報 特開2010-123416号公報
従来の固体電解質は、固体電解質層等の層として加圧成形された時にイオン伝導性と剥離強度との両立が充分ではないという問題がある。
本開示は、上記実情に鑑み、層として加圧成形された時にイオン伝導性と剥離強度とを両立することができる複合固体電解質及び、それを用いた全固体電池を提供することを目的とする。
本開示は、正極層を含む正極と、負極層を含む負極と、当該正極層及び当該負極層の間に配置される固体電解質層と、を備える全固体電池であって、
第1の硫化物系固体電解質粒子と、当該第1の硫化物系固体電解質粒子よりもヤング率が小さい第2の硫化物系固体電解質粒子と、を含む複合固体電解質を有し、
前記第1の硫化物系固体電解質粒子は、前記第2の硫化物系固体電解質粒子よりも平均粒径が小さく、
前記複合固体電解質は、前記正極層、前記負極層、及び前記固体電解質層からなる群より選ばれる少なくとも一種の層の中に含まれる、ことを特徴とする全固体電池を提供する。
本開示の全固体電池においては、前記複合固体電解質の総質量を100質量%としたとき、前記複合固体電解質中に前記第1の硫化物系固体電解質粒子が0.5質量%~15質量%含まれてもよい。
本開示の全固体電池においては、前記複合固体電解質の総質量を100質量%としたとき、前記複合固体電解質中に前記第1の硫化物系固体電解質粒子が1質量%~5質量%含まれてもよい。
本開示の全固体電池においては、前記第1の硫化物系固体電解質粒子のヤング率は30GPa~150GPaであり、前記第2の硫化物系固体電解質粒子のヤング率は15GPa~25GPaであってもよい。
本開示の全固体電池においては、前記第1の硫化物系固体電解質粒子の長軸の長さは0.3μm~1μmであり、前記第2の硫化物系固体電解質粒子の長軸の長さは2μm~3μmであってもよい。
本開示の全固体電池においては、前記第1の硫化物系固体電解質粒子のアスペクト比は1.5~5.0であり、前記第2の硫化物系固体電解質粒子のアスペクト比は1.0~1.2であってもよい。
本開示の全固体電池においては、前記第1の硫化物系固体電解質粒子は、前記第2の硫化物系固体電解質粒子の外周領域に配置されていてもよい。
本開示は、正極層を含む正極と、負極層を含む負極と、当該正極層及び当該負極層の間に配置される固体電解質層と、を備える全固体電池用の複合固体電解質であって、
前記複合固体電解質は、第1の硫化物系固体電解質粒子と、当該第1の硫化物系固体電解質粒子よりもヤング率が小さい第2の硫化物系固体電解質粒子と、を含み、
前記第1の硫化物系固体電解質粒子は、前記第2の硫化物系固体電解質粒子よりも平均粒径が小さいことを特徴とする複合固体電解質を提供する。
本開示は、層として加圧成形された時にイオン伝導性と剥離強度とを両立することができる複合固体電解質及び、それを用いた全固体電池を提供することができる。
複合固体電解質の加圧成形前の状態の一例を示す模式図である。 複合固体電解質の加圧成形後の状態の一例を示す模式図である。 本開示の全固体電池の一例を示す断面模式図である。 複合固体電解質中の第1の硫化物系固体電解質粒子の含有割合と固体電解質層のLiイオン伝導度及び剥離強度との関係を示す図である。
本開示は、正極層を含む正極と、負極層を含む負極と、当該正極層及び当該負極層の間に配置される固体電解質層と、を備える全固体電池であって、
第1の硫化物系固体電解質粒子と、当該第1の硫化物系固体電解質粒子よりもヤング率が小さい第2の硫化物系固体電解質粒子と、を含む複合固体電解質を有し、
前記第1の硫化物系固体電解質粒子は、前記第2の硫化物系固体電解質粒子よりも平均粒径が小さく、
前記複合固体電解質は、前記正極層、前記負極層、及び前記固体電解質層からなる群より選ばれる少なくとも一種の層の中に含まれる、ことを特徴とする全固体電池を提供する。
全固体電池は粒子を固めて成形されるが、粒子同士の集合体のため、一般的に、電極剛性が低く、脆性が高い。
そのため、全固体電池を非常に高い圧力で成型することや、電極層や固体電解質層にポリマーなどの形状保持剤を添加して、電極層や固体電解質層の強度を高めることが行われている。
一方、これらの方法は、全固体電池の生産性の低下や、全固体電池の性能の低下の要因となる。
本研究者らは、鋭意検討した結果、少なくとも硬さ、及び、大きさが異なり、必要に応じさらに形状の異なる2種類の硫化物系固体電解質粒子を混合した複合固体電解質を固体電解質層等の層の材料として用いることにより当該層中の固体電解質粒子同士の結着性を向上させることができ、当該層のイオン伝導性と剥離強度の両立を可能にすることができることを見出した。
これは、相対的に小さく硬い硫化物系固体電解質粒子と相対的に大きく柔らかい硫化物系固体電解質粒子とを混合することで、層形成の際の加圧成形により、柔らかい硫化物系固体電解質粒子が変形しながら粒子間で界面を形成し、それと同時に硬い硫化物系固体電解質粒子が柔らかい硫化物系固体電解質粒子に引っかかる、いわゆるアンカー効果が発現されることにより当該層の強度が向上するためと推察される。そして、本開示の複合固体電解質はイオン伝導体のみで構成されるため、上記層中にイオン伝導を阻害するものを含める必要がなく、当該層の所望のイオン伝導性を確保することができる。
[複合固体電解質]
本開示の複合固体電解質は、正極層を含む正極と、負極層を含む負極と、当該正極層及び当該負極層の間に配置される固体電解質層と、を備える全固体電池用の複合固体電解質であって、
前記複合固体電解質は、第1の硫化物系固体電解質粒子と、当該第1の硫化物系固体電解質粒子よりもヤング率が小さい第2の硫化物系固体電解質粒子と、を含み、
前記第1の硫化物系固体電解質粒子は、前記第2の硫化物系固体電解質粒子よりも平均粒径が小さいことを特徴とする。
複合固体電解質は、第1の硫化物系固体電解質粒子と、当該第1の硫化物系固体電解質粒子よりもヤング率が小さい第2の硫化物系固体電解質粒子と、を含む。また、複合固体電解質は、イオン伝導度向上の観点から、第1の硫化物系固体電解質粒子と第2の硫化物系固体電解質粒子で構成されていることが好ましい。
ヤング率は粒子の硬さの指標であり、ヤング率が大きいほど、粒子は硬く潰れにくい。
したがって、第1の硫化物系固体電解質粒子は、第2の硫化物系固体電解質粒子よりも硬い粒子である。
そのため、本開示の複合固体電解質は相対的に大きく柔らかい粒子の周りに相対的に小さく硬い粒子が配置されていることが特徴である。
第1の硫化物系固体電解質粒子のヤング率は下限が25GPaを超えることが好ましく、30GPa以上であることがより好ましく、80GPa以上であることが特に好ましく、上限が300GPa以下であってもよく、150GPa以下であってもよい。
第2の硫化物系固体電解質粒子のヤング率は下限が15GPa以上であってもよく、上限が25GPa以下であってもよい。
ヤング率は、例えば、ナノインデンター、走査型プローブ顕微鏡(Scanning Probe Microscope:SPM)等を用いて測定することができる。
第1の硫化物系固体電解質粒子は、第2の硫化物系固体電解質粒子よりも平均粒径が小さい。
本開示において、粒子の平均粒径は、特記しない限り、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定により測定される体積基準のメディアン径(D50)の値である。また、本開示においてメディアン径(D50)とは、粒子の粒径を小さい順に並べた場合に、粒子の累積体積が全体の体積の半分(50%)となる径(体積平均径)である。
第1の硫化物系固体電解質粒子の平均粒径は下限が0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましく、上限が2μm未満であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましく、0.9μm以下であることが特に好ましい。
第2の硫化物系固体電解質粒子の平均粒径は下限が2μm以上であることが好ましく、上限が5μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましい。
第1の硫化物系固体電解質粒子は、第2の硫化物系固体電解質粒子よりもアスペクト比が大きいことが好ましい。
アスペクト比は粒子における短軸長さに対する長軸長さの比である。アスペクト比が1に近づくほど粒子の形状が球状に近いことを示し、アスペクト比が1よりも大きくなればなるほど粒子の形状がより針状に近づくことを示す指標である。
したがって、第1の硫化物系固体電解質粒子は、第2の硫化物系固体電解質粒子よりも粒子の形状が針状であることが好ましい。
第1の硫化物系固体電解質粒子のアスペクト比は下限が1.2を超えることが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、2以上であることが特に好ましく、上限が5.0以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましい。
第2の硫化物系固体電解質粒子のアスペクト比は下限が1.0以上であることが好ましく、上限が1.2以下であることが好ましい。また、第2の硫化物系固体電解質粒子の形状は球状であることが好ましい。そのため、第2の硫化物系固体電解質粒子のアスペクト比は1.0であることが特に好ましい。
粒子のアスペクト比は、例えば、粒子の主面における最も長い線分を長軸とし、長軸に直交する線分の中で最も長い線分を短軸とし、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope;以下、TEMと称する。)や、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope;以下、SEMと称する。)等を用いて、長軸長さと短軸長さを測定することで、短軸長さに対する長軸長さの値をアスペクト比として算出することができる。
第1の硫化物系固体電解質粒子の長軸長さは下限が0.3μm以上であることが好ましく、上限が2.0μm未満であることが好ましく、1.0μm以下であることがより好ましい。
第2の硫化物系固体電解質粒子の長軸長さは下限が2.0μm以上であることが好ましく、上限が5.0μm以下であることが好ましく3.0μm以下であることがより好ましい。
粒子の長軸長さは、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)等を用いて測定することができる。
具体的には、粒子の長軸長さは、適切な倍率(例えば、5万~100万倍)の透過型電子顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡画像において、ある1つの粒子について、当該粒子の長軸長さを算出してもよい。また、長軸長さは、このようなTEM観察又はSEM観察による長軸長さの算出を同じ種類の複数個の粒子について行い、これらの粒子の長軸長さの平均値として算出してもよい。
第1の硫化物系固体電解質粒子は、複合固体電解質の総質量を100質量%としたとき、複合固体電解質中に、下限が好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上含まれていることが好ましく、上限が好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、特に好ましくは5質量%以下含まれていることが好ましい。
第2の硫化物系固体電解質粒子は、複合固体電解質の総質量を100質量%としたとき、複合固体電解質中に、下限が好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上含まれていることが好ましく、上限が好ましくは99.5質量%以下、より好ましくは99質量%以下含まれていることが好ましい。
複合固体電解質に用いることができる硫化物系固体電解質としては、例えば、LiS-P、LiS-SiS、LiX-LiS-SiS、LiX-LiS-P、LiX-LiO-LiS-P、LiX-LiS-P、LiX-LiPO-P、LiPS等が挙げられる。なお、上記「LiS-P」の記載は、LiSおよびPを含む原料組成物を用いてなる材料を意味し、他の記載についても同様である。また、上記LiXの「X」は、F、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン元素を示す。
第1の硫化物系固体電解質粒子の材料として用いる硫化物系固体電解質としては、LiPSCl、LiPS、Li10GeP12、及び、Li等が好ましい。
第2の硫化物系固体電解質粒子の材料として用いる硫化物系固体電解質としては、LiI-LiBr-LiPS、LiI-LiPS、LiBr-LiPS、LiI-LiPS11、及び、LiBr-Li11等が好ましい。
硫化物系固体電解質は、ガラスであってもよく、結晶材料であってもよく、ガラスセラミックスであってもよい。ガラスは、原料組成物(例えばLiSおよびPの混合物)を非晶質処理することにより得ることができる。非晶質処理としては、例えば、メカニカルミリングが挙げられる。メカニカルミリングは、乾式メカニカルミリングであっても良く、湿式メカニカルミリングであっても良いが、後者が好ましい。容器等の壁面に原料組成物が固着することを防止できるからである。また、ガラスセラミックスは、ガラスを熱処理することにより得ることができる。また、結晶材料は、例えば、原料組成物に対して固相反応処理することにより得ることができる。
本開示の全固体電池においては、複合固体電解質は、正極層、負極層、及び固体電解質層からなる群より選ばれる少なくとも一種の層の中に含まれていればよく、層として加圧成形された時にイオン伝導性と剥離強度との両立をより良好にする観点から固体電解質層に含まれていることが好ましい。
本開示において、複合固体電解質が上記層の中に含まれた状態とは、複合固体電解質が層として加圧成形された状態であることを示している。したがって、本開示の複合固体電解質は、加圧成形されたものであることが好ましい。
また、本開示の複合固体電解質は、全固体電池用である。
本開示の全固体電池においては、複合固体電解質中の第1の硫化物系固体電解質粒子は、第2の硫化物系固体電解質粒子の外周領域に配置されていてもよい。
本開示において外周領域とは、第2の硫化物系固体電解質粒子間の間隙が占める領域である。
本開示において第1の硫化物系固体電解質粒子が、第2の硫化物系固体電解質粒子の外周領域に配置されている状態とは、第2の硫化物系固体電解質粒子間の間隙が占める領域に第1の硫化物系固体電解質粒子が存在している状態等が挙げられる。
また、本開示においては、第1の硫化物系固体電解質粒子が、第2の硫化物系固体電解質粒子の外周領域に配置されている状態として、複合固体電解質の加圧成形等により、第2の硫化物系固体電解質粒子の表面の少なくとも一部に第1の硫化物系固体電解質粒子の少なくとも一部が埋まって、第1の硫化物系固体電解質粒子が第2の硫化物系固体電解質粒子に引っかかっている状態等も含まれる。
図1は、複合固体電解質の加圧成形前の状態の一例を示す模式図である。
図1に示すように、複合固体電解質20には第1の硫化物系固体電解質粒子21と第2の硫化物系固体電解質粒子22が含まれている。第1の硫化物系固体電解質粒子21は、第2の硫化物系固体電解質粒子22の外周領域(粒子間の間隙)に配置されている。そして、第1の硫化物系固体電解質粒子21は、第2の硫化物系固体電解質粒子22と接触している。
図2は、複合固体電解質の加圧成形後の状態の一例を示す模式図である。
図2に示すように、複合固体電解質20は、加圧成形により、第2の硫化物系固体電解質粒子22同士の界面が良好になっている。また、第1の硫化物系固体電解質粒子21の少なくとも一部が第2の硫化物系固体電解質粒子22の表面の少なくとも一部に埋まっている。これにより、アンカー効果が発現し、粒子間の結着性が向上し、固体電解質層等の層として加圧成形された場合に当該層の強度が向上すると推察される。
図3は、本開示の全固体電池の一例を示す断面模式図である。
図3に示すように、全固体電池100は、正極層12及び正極集電体14を含む正極16と、負極層13及び負極集電体15を含む負極17と、正極16と負極17の間に配置される固体電解質層11を備える。
[正極]
正極は、少なくとも正極層と、正極集電体を有する。
正極層は、正極活物質を含み、任意成分として、本開示の複合固体電解質、それ以外の固体電解質、導電材、バインダーが含まれていてもよい。
正極活物質の種類について特に制限はなく、例えば、LiCoO、LiNiCo1-x(0<x<1)、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiMnO、異種元素置換Li-Mnスピネル(LiMn1.5Ni0.5、LiMn1.5Al0.5、LiMn1.5Mg0.5、LiMn1.5Co0.5、LiMn1.5Fe0.5、LiMn1.5Zn0.5)、チタン酸リチウム(例えばLiTi12)、リン酸金属リチウム(LiFePO、LiMnPO、LiCoPO、LiNiPO)、遷移金属酸化物(V、MoO)、TiS、LiCoN、Si、SiO、LiSiO、LiSiO、リチウム貯蔵性金属間化合物(例えばMgSn、MgGe、MgSb、CuSb)等を挙げることができる。
正極活物質の形状は特に限定されるものではないが、粒子状であってもよい。
正極活物質の表面には、Liイオン伝導性酸化物を含有するコート層が形成されていても良い。正極活物質と、固体電解質との反応を抑制できるからである。
Liイオン伝導性酸化物としては、例えば、LiNbO、LiTi12、LiPOが挙げられる。コート層の厚さは、下限が例えば、0.1nm以上であり、1nm以上であっても良い。一方、コート層の厚さは、上限が例えば、100nm以下であり、20nm以下であっても良い。正極活物質表面におけるコート層の被覆率は、例えば、70%以上であり、90%以上であっても良い。
固体電解質としては、酸化物系固体電解質、硫化物系固体電解質等が挙げられる。
硫化物系固体電解質としては、上記複合固体電解質に用いることが可能な硫化物系固体電解質と同様のためここでの記載は省略する。
酸化物系固体電解質としては、例えばLi6.25LaZrAl0.2512、LiPO、Li3+xPO4-x(LiPON)等が挙げられる。
固体電解質の形状は、粒子状であることが好ましい。また、固体電解質が粒子である場合の当該粒子の平均粒径(D50)は、下限が例えば、0.01μm以上である。一方、固体電解質の平均粒径(D50)は、上限が例えば、10μm以下であり、5μm以下であっても良い。
固体電解質は、1種単独で、又は2種以上のものを用いることができる。
正極層における本開示の複合固体電解質、及びそれ以外の固体電解質の含有量は特に限定されるものではない。
導電材としては、例えば、炭素材料、金属材料が挙げられる。炭素材料としては、例えば、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)等のカーボンブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)等の繊維状炭素材料が挙げられる。
正極層における導電材の含有量は特に限定されるものではない。
バインダーとしては、アクリロニトリルブタジエンゴム(ABR)、ブタジエンゴム(BR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等を例示することができる。正極層におけるバインダーの含有量は特に限定されるものではない。
正極層の厚みについては特に限定されるものではない。
正極層を形成する方法としては、特に限定されないが、正極活物質及び必要に応じ他の成分を含む正極合剤の粉末を加圧成形する方法等が挙げられる。
[正極集電体]
正極集電体は、全固体電池の集電体として使用可能な公知の金属を用いることができる。そのような金属としては、Cu、Ni、Al、V、Au、Pt、Mg、Fe、Ti、Co、Cr、Zn、Ge、Inからなる群から選択される一又は二以上の元素を含む金属材料を例示することができる。
正極集電体の形態は特に限定されるものではなく、箔状、メッシュ状等、種々の形態とすることができる。
正極の全体としての形状は特に限定されるものではないが、シート状が好ましい。この場合、正極の全体としての厚みは特に限定されるものではなく、目的とする性能に応じて、適宜決定すればよい。
[固体電解質層]
固体電解質層は、本開示の複合固体電解質、及びそれ以外の固体電解質の少なくともいずれか一方を含み、本開示の複合固体電解質を含むことが好ましい。
固体電解質層中の本開示の複合固体電解質、の割合は、特に限定されるものではないが、例えば50質量%以上であり、60質量%以上100質量%以下の範囲内であってもよく、70質量%以上100質量%以下の範囲内であってもよく、100質量%であってもよい。
固体電解質層に含有させる固体電解質としては、上述した正極に含有させることが可能な固体電解質と同様であるためここでの記載は省略する。なお、固体電解質に用いる材料と複合固体電解質に用いる材料は同じであっても異なっていてもよい。
固体電解質層中の固体電解質の割合は、特に限定されるものではないが、例えば50質量%以上であり、60質量%以上100質量%以下の範囲内であってもよく、70質量%以上100質量%以下の範囲内であってもよく、100質量%であってもよい。
固体電解質層には、可塑性を発現させる等の観点から、固体電解質同士を結着させるバインダーを含有させることもできる。そのようなバインダーとしては、上述した正極に含有させることが可能なバインダー等を例示することができる。
固体電解質層に含有させるバインダーは5質量%以下とすることが好ましい。
固体電解質層の形状は特に限定されるものではないが、シート状が好ましい。
固体電解質層の厚みは特に限定されるものではなく、通常0.1μm以上1mm以下である。
固体電解質層を形成する方法としては、本開示の複合固体電解質及び必要に応じ他の成分を含む複合固体電解質材料の粉末を加圧成形する方法が挙げられる。複合固体電解質材料の粉末を加圧成形する場合には、通常、1MPa以上600MPa以下のプレス圧を負荷する。
本開示においては、上記加圧成形により、複合固体電解質中の第1の硫化物系固体電解質粒子と第2の硫化物系固体電解質粒子との間でアンカー効果が発現し、固体電解質層の引張強度を向上させることができる。
加圧方法としては、特に制限されないが、例えば、平板プレス、ロールプレス等を用いて圧力を付加する方法等が挙げられる。
固体電解質層のリチウムイオン伝導度は、下限が0.5mS/cm以上であることが好ましく、0.8mS/cm以上であることが好ましく、上限は特に限定されず、大きければ大きいほどよいが、1.5mS/cm未満であってもよく、1.4mS/cm以下であってもよい。
固体電解質層の剥離強度は、下限が0.2kN/mを超えていることが好ましく、0.3kN/m以上であることが好ましく、上限は特に限定されず、大きければ大きいほどよいが、0.7kN/m以下であってもよい。
[負極]
負極は、負極層と負極集電体を有する。
負極層は、負極活物質を含み、任意成分として、本開示の複合固体電解質、それ以外の固体電解質、導電材、及びバインダー等が含まれていてもよい。
負極活物質としては、従来公知の材料を用いることができ、例えば、金属リチウム(Li)、リチウム合金、炭素、Si、Si合金、LiTi12(LTO)等が挙げられる。
リチウム合金としては、LiSn、LiSi、LiAl、LiGe、LiSb、LiP、及び、LiIn等が挙げられる。
Si合金としては、Li等の金属との合金等が挙げられ、その他、Sn、Ge、Alからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属との合金であってもよい。
なお、Siは、全固体電池を組み立てた後に行われる初期充電によって、Li等の金属と反応してアモルファス合金を形成する。そして、合金となった部分は、放電によってリチウムイオン等の金属イオンが放出された後にもアモルファス化されたままとなる。したがって、本開示においてSiを用いた負極層は、Siがアモルファス合金化された状態を含む。
負極活物質の形状については、特に限定されるものではないが、例えば粒子状、薄膜状とすることができる。
負極活物質が粒子である場合の当該粒子の平均粒径(D50)は、例えば1nm以上100μm以下であることが好ましく、10nm以上30μm以下であることがより好ましい。
負極層の任意成分として含まれる本開示の複合固体電解質、それ以外の固体電解質、導電材、及び、バインダーは、正極層に含まれるものと同様のためここでの記載は省略する。
負極層を形成する方法としては、特に限定されないが、負極活物質及び必要に応じ他の成分を含む負極合剤の粉末を加圧成形する方法等が挙げられる。
負極集電体は、全固体電池の集電体として使用可能な公知の金属を用いることができる。そのような金属としては、Cu、Ni、Al、V、Au、Pt、Mg、Fe、Ti、Co、Cr、Zn、Ge、Inからなる群から選択される一又は二以上の元素を含む金属材料を例示することができる。
負極集電体の形態は特に限定されるものではなく、箔状、メッシュ状等、種々の形態とすることができる。
負極の全体としての形状は特に限定されるものではないが、シート状が好ましい。この場合、負極の全体としての厚みは特に限定されるものではなく、目的とする性能に応じて、適宜決定すればよい。
全固体電池は、必要に応じ、正極、負極、及び、固体電解質層を収容する外装体を備える。
外装体の形状としては、特に限定されないが、ラミネート型等を挙げることができる。
外装体の材質は、電解質に安定なものであれば特に限定されないが、ポリプロピレン、ポリエチレン、及び、アクリル樹脂等の樹脂等が挙げられる。
全固体電池としては、リチウムイオン電池、ナトリウム電池、マグネシウム電池及びカルシウム電池等を挙げることができ、好ましくはリチウムイオン電池であってもよい。
全固体電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型、及び角型等を挙げることができる。
本開示の全固体電池の製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法で製造することができる。
例えば、複合固体電解質を含む複合固体電解質材料の粉末を加圧成形することにより固体電解質層を形成する。そして、固体電解質層の一面上で正極合剤の粉末を加圧成形することにより正極層を得る。その後、固体電解質層の正極層を形成した面とは反対側の面上で負極合剤の粉末を加圧成形することにより負極層を得る。そして、得られた正極層-固体電解質層-負極層接合体を全固体電池とすることができる。
この場合、複合固体電解質材料の粉末、正極合剤の粉末、及び負極合剤の粉末を加圧成形する際のプレス圧は、通常1MPa以上600MPa以下程度である。
加圧方法としては、特に制限されないが、例えば、平板プレス、ロールプレス等を用いて圧力を付加する方法等が挙げられる。
また、全固体電池の製造方法として、正極合剤の粉末、複合固体電解質材料の粉末及び負極合剤の粉末を堆積させて、これらを一度に一体成形してもよい。
全固体電池の製造は、系内の水分をできるだけ除去した状態で行うとよい。例えば、各製造工程において、系内を減圧すること、系内を不活性ガス等の水分を実質的に含まないガスで置換すること等が有効と考えられる。
(実施例1)
[複合固体電解質の作製]
全ての実験操作は、露点-70℃以下のArガスによって雰囲気制御されたグローブボックス内で行った。
第1の硫化物系固体電解質粒子としてLiPSClの結晶の粒子を準備した。
第1の硫化物系固体電解質粒子の平均粒径(D50)は0.5μmであり、ヤング率は80GPaであり、アスペクト比は2であり、粒子の長軸長さは1μmであり、リチウムイオン伝導度は1mS/cmであった。
第2の硫化物系固体電解質粒子としてLiI-LiBr-LiPSのガラスセラミックスの粒子を準備した。
第2の硫化物系固体電解質粒子の平均粒径(D50)は3μmであり、ヤング率は15GPaであり、アスペクト比は1であり、粒子の長軸長さは3μmであり、リチウムイオン伝導度は3.2mS/cmであった。
第1の硫化物系固体電解質粒子:第2の硫化物系固体電解質粒子=0.5:99.5(質量%)の混合比となるように、第1の硫化物系固体電解質粒子と第2の硫化物系固体電解質粒子を乳鉢内に投入し、当該乳鉢で第1の硫化物系固体電解質粒子と第2の硫化物系固体電解質粒子を混合して複合固体電解質を得た。
(実施例2)
第1の硫化物系固体電解質粒子:第2の硫化物系固体電解質粒子=1:99(質量%)の混合比となるように、第1の硫化物系固体電解質粒子と第2の硫化物系固体電解質粒子を乳鉢内に投入したこと以外は、実施例1と同様に複合固体電解質を作製した。
(実施例3)
第1の硫化物系固体電解質粒子:第2の硫化物系固体電解質粒子=5:95(質量%)の混合比となるように、第1の硫化物系固体電解質粒子と第2の硫化物系固体電解質粒子を乳鉢内に投入したこと以外は、実施例1と同様に複合固体電解質を作製した。
(実施例4)
第1の硫化物系固体電解質粒子:第2の硫化物系固体電解質粒子=10:90(質量%)の混合比となるように、第1の硫化物系固体電解質粒子と第2の硫化物系固体電解質粒子を乳鉢内に投入したこと以外は、実施例1と同様に複合固体電解質を作製した。
(実施例5)
第1の硫化物系固体電解質粒子:第2の硫化物系固体電解質粒子=15:85(質量%)の混合比となるように、第1の硫化物系固体電解質粒子と第2の硫化物系固体電解質粒子を乳鉢内に投入したこと以外は、実施例1と同様に複合固体電解質を作製した。
(実施例6)
第1の硫化物系固体電解質粒子:第2の硫化物系固体電解質粒子=20:80(質量%)の混合比となるように、第1の硫化物系固体電解質粒子と第2の硫化物系固体電解質粒子を乳鉢内に投入したこと以外は、実施例1と同様に複合固体電解質を作製した。
(比較例1)
第1の硫化物系固体電解質粒子:第2の硫化物系固体電解質粒子=0:100(質量%)の混合比となるように、すなわち、第1の硫化物系固体電解質粒子を用いず、第2の硫化物系固体電解質粒子のみ用いたこと以外は、実施例1と同様に複合固体電解質を作製した。
[固体電解質層の作製]
実施例1~6および比較例1で得られた複合固体電解質を各々用いて以下の方法で実施例1~6および比較例1の固体電解質層を作製した。
複合固体電解質と溶媒としてヘプタンと、バインダーとしてPVdFとをポリプロピレン(PP)容器に投入し、複合固体電解質と溶媒とバインダーとを超音波ホモジナイザーで混合し、スラリーを得た。なお、バインダーのPP容器への投入量は、複合固体電解質の総質量を100質量%としたとき、複合固体電解質の総質量に対して2質量%とした。
得られたスラリーを、ドクターブレードを用いてアルミ箔上に塗布した。
そして、スラリーを100℃で1時間乾燥し、その後スラリーを6ton/cm(≒588MPa)の圧力でプレスして固体電解質層を得た。
[固体電解質層のLiイオン伝導度の測定]
その後、交流インピーダンス法によって実施例1~6および比較例1の固体電解質層のLiイオン伝導度(mS/cm)を測定した。結果を表1に示す。
[固体電解質層の剥離強度試験]
表面・界面物性解析装置として、Surface And Interfacial Cutting Analysis System(SAICAS(登録商標))を用いて、実施例1~6および比較例1の固体電解質層の剥離強度(kN/m)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0007017128000001
図4は、複合固体電解質中の第1の硫化物系固体電解質粒子の含有割合と固体電解質層のLiイオン伝導度及び剥離強度との関係を示す図である。
実施例1~6の固体電解質層の剥離強度は0.3kN/m~0.7kN/mであり、比較例1の固体電解質層の剥離強度は0.2kN/mである。したがって、実施例1~6の固体電解質層は比較例1の固体電解質層よりも剥離強度が向上している。
また、実施例1~6の固体電解質層のLiイオン伝導度は0.8mS/cm~1.4mS/cmであり、比較例1の固体電解質層のLiイオン伝導度は1.5mS/cmである。したがって、実施例1~6の固体電解質層は比較例1の固体電解質層よりもLiイオン伝導度が低下しているが、所望のLiイオン伝導度を確保することができていることがわかった。
よって、複合固体電解質中の第1の硫化物系固体電解質粒子の含有割合が0.5~20質量%であれば、固体電解質層のLiイオン伝導性と剥離強度との両立が可能であることが実証された。
さらに、実施例2~3の結果から、複合固体電解質中の第1の硫化物系固体電解質粒子の含有割合が1~5質量%であれば、固体電解質層のLiイオン伝導性と剥離強度との両立が良好となることが実証された。
なお、実施例4~6の結果から、複合固体電解質中の第1の硫化物系固体電解質粒子の含有割合が10質量%以上になると、固体電解質層の剥離強度が低下する。これは、第1の硫化物系固体電解質粒子が、相対的に硬いため、第1の硫化物系固体電解質粒子の含有割合が増加することで粒子間の結着性が低下したためであると推察される。
以上の結果から、相対的に小さく硬い第1の硫化物系固体電解質粒子と、相対的に大きく柔らかい第2の硫化物系固体電解質粒子との間でアンカー効果が得られることで、所望のリチウムイオン伝導性を確保しつつ、剥離強度が向上した固体電解質層が得られたと考えられる。
よって、本開示の複合固体電解質を固体電解質層以外の正極層や負極層に用いた場合も固体電解質層と同様に正極層や負極層の所望のリチウムイオン伝導性を確保しつつ、正極層や負極層の剥離強度を向上させることができると推察される。そして、正極層、負極層、及び固体電解質層からなる群より選ばれる少なくとも一種の層の中に本開示の複合固体電解質が含まれることにより全固体電池の所望の出力特性を確保しつつ、全固体電池の耐久性を向上させることができると推察される。
11 固体電解質層
12 正極層
13 負極層
14 正極集電体
15 負極集電体
16 正極
17 負極
20 複合固体電解質
21 第1の硫化物系固体電解質粒子
22 第2の硫化物系固体電解質粒子
100 全固体電池

Claims (12)

  1. 正極層を含む正極と、負極層を含む負極と、当該正極層及び当該負極層の間に配置される固体電解質層と、を備える全固体電池であって、
    第1の硫化物系固体電解質粒子と、当該第1の硫化物系固体電解質粒子よりもヤング率が小さい第2の硫化物系固体電解質粒子と、を含む複合固体電解質を有し、
    前記第1の硫化物系固体電解質粒子は、前記第2の硫化物系固体電解質粒子よりも平均粒径が小さく、
    前記複合固体電解質は、前記正極層、前記負極層、及び前記固体電解質層からなる群より選ばれる少なくとも一種の層の中に含まれる、ことを特徴とする全固体電池。
  2. 前記複合固体電解質の総質量を100質量%としたとき、前記複合固体電解質中に前記第1の硫化物系固体電解質粒子が0.5質量%~15質量%含まれる、請求項1に記載の全固体電池。
  3. 前記複合固体電解質の総質量を100質量%としたとき、前記複合固体電解質中に前記第1の硫化物系固体電解質粒子が1質量%~5質量%含まれる、請求項1又は2に記載の全固体電池。
  4. 前記第1の硫化物系固体電解質粒子のヤング率は30GPa~150GPaであり、前記第2の硫化物系固体電解質粒子のヤング率は15GPa~25GPaである、請求項1~3のいずれか一項に記載の全固体電池。
  5. 前記第1の硫化物系固体電解質粒子の長軸の長さは0.3μm~1μmであり、前記第2の硫化物系固体電解質粒子の長軸の長さは2μm~3μmである、請求項1~4のいずれか一項に記載の全固体電池。
  6. 前記第1の硫化物系固体電解質粒子のアスペクト比は1.5~5.0であり、前記第2の硫化物系固体電解質粒子のアスペクト比は1.0~1.2である、請求項1~5のいずれか一項に記載の全固体電池。
  7. 前記第1の硫化物系固体電解質粒子は、前記第2の硫化物系固体電解質粒子の外周領域に配置されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の全固体電池。
  8. 前記正極層は、正極活物質を含み、
    前記正極活物質は、表面にLiイオン伝導性酸化物を含有するコート層を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の全固体電池。
  9. 前記複合固体電解質は、少なくとも前記固体電解質層に含まれる、請求項1~8のいずれか一項に記載の全固体電池。
  10. 前記第1の硫化物系固体電解質粒子は、Li PS Cl、Li PS 、Li 10 GeP 12 、及び、Li からなる群より選ばれる少なくとも一種の硫化物系固体電解質であり、
    前記第2の硫化物系固体電解質粒子は、LiI-LiBr-Li PS 、LiI-Li PS 、LiBr-Li PS 、LiI-Li PS 11 、及び、LiBr-Li 11 からなる群より選ばれる少なくとも一種の硫化物系固体電解質である、請求項1~9のいずれか一項に記載の全固体電池。
  11. 正極層を含む正極と、負極層を含む負極と、当該正極層及び当該負極層の間に配置される固体電解質層と、を備える全固体電池用の複合固体電解質であって、
    前記複合固体電解質は、第1の硫化物系固体電解質粒子と、当該第1の硫化物系固体電解質粒子よりもヤング率が小さい第2の硫化物系固体電解質粒子と、を含み、
    前記第1の硫化物系固体電解質粒子は、前記第2の硫化物系固体電解質粒子よりも平均粒径が小さいことを特徴とする複合固体電解質。
  12. 前記複合固体電解質は、前記固体電解質層用である、請求項11に記載の複合固体電解質。
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