JP7007715B2 - 状態判定装置、貨幣処理機状態判定システム、状態判定方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、状態判定装置、貨幣処理機状態判定システム、状態判定方法及びプログラムに関する。
貨幣処理機におけるエラー対策として、エラーの要因を除去する仕組みを設ける方法がある。
例えば、特許文献1には、硬貨通路の入口部にジャム硬貨排除機構を備える硬貨処理機が開示されている。この硬貨処理機では、回転円盤の周縁部に硬貨通路の入口部が位置するように回転円盤および硬貨通路が配置されている。回転円盤上の硬貨は、回転円盤が回転する遠心力で硬貨通路へ順次送り出される。
ここで、貨幣通路の入口部には、複数枚の硬貨が重なった状態で硬貨通路に進入することを防止するための厚み規制部材が設けられている。厚み規制部材と回転円盤との間に複数の硬貨がくさび状に重なって一度に入り込んだ場合など、貨幣通路の入口部でジャムが生じる可能性がある。
そこで、この貨幣処理機では、貨幣通路の入口部にジャム硬貨排除機構を設け、硬貨がつかえたことを検出するとその硬貨を排除する。これにより、この貨幣処理機では、貨幣通路の入口部に硬貨がつかえた場合に、エラーを発生させてつかえた硬貨を人手で排除する必要なしに、自動的に排除することができる。
特開平6-44433号公報
貨幣処理機におけるもう1つのエラー対策として、貨幣処理機内部のクリーニングおよび部品交換など貨幣処理機のメンテナンスを行う方法がある。貨幣処理機など機器のメンテナンスが、定期的に行われることが一般的であるのに対し、機器内の汚れまたは部品の消耗等によるエラーの発生頻度は機器の使用状況に依存する。一旦エラーが発生すると、エラーを解消するまで機器を使用できないといった不都合が生じるため、エラー発生前にメンテナンスを行ってエラーの要因を解消できることが好ましい。
エラー発生前にメンテナンスを行うために、貨幣処理機の状態を判定することが考えられる。貨幣処理機の状態がわかれば、ユーザや保守員はその状態に基づいてメンテナンスの要否を判断することができる。しかしながら、貨幣処理機から得られる膨大なセンサデータを解析して、貨幣処理機の状態を判定することは困難である。
本発明は、貨幣処理機の状態を精度よく判定することができる状態判定装置、貨幣処理機状態判定システム、状態判定方法及びプログラムを提供する。
本発明の第1の態様によれば、状態判定装置は、貨幣処理機における貨幣の搬送に関するセンサデータを取得する取得部と、前記貨幣処理機における貨幣の搬送に関するセンサデータを入力値として前記貨幣処理機の異常度合いを示す出力値を出力するモデルを記憶する記憶部と、前記取得部により取得されたセンサデータと前記記憶部に記憶されたモデルとを用いて、前記貨幣処理機の状態を判定する状態判定部とを備え、前記記憶部は、貨幣の金種毎に前記モデルを記憶し、前記状態判定部は、貨幣の金種毎に異常の有無を判定する。
前記状態判定部は、前記貨幣の金種毎のモデルからの出力値をもとに複数の金種の貨幣全体について前記貨幣処理機の異常の有無を判定するようにしてもよい。
本発明の第2の態様によれば、状態判定装置は、貨幣処理機における貨幣の搬送に関するセンサデータを取得する取得部と、前記貨幣処理機における貨幣の搬送に関するセンサデータを入力値として前記貨幣処理機の異常度合いを示す出力値を出力するモデルを記憶する記憶部と、前記取得部により取得されたセンサデータと前記記憶部に記憶されたモデルとを用いて、前記貨幣処理機の状態を判定する状態判定部と、前記貨幣処理機でエラーが発生した場合、前記エラーが発生した貨幣処理機のセンサによる測定で得られたセンサデータのうち、エラー発生から過去の第1期間におけるセンサデータに基づく学習用データを異常時の学習用データとし、前記第1期間よりも過去の第2期間におけるセンサデータに基づく学習用データを正常時の学習用データとして機械学習を行うことで、前記センサによる測定で得られたセンサデータの入力に対して前記貨幣処理機の異常の度合いの判定値を出力するモデルを更新する機械学習処理部を備える。
前記第1期間および前記第2期間の何れも、前記貨幣処理機における貨幣搬送枚数で特定される期間であってもよい。
前記モデルを用いて前記貨幣処理機に対するメンテナンスを促す報知の要否を判定する報知処理部と、前記報知処理部が前記報知の必要ありと判定した場合、当該報知を出力する出力部と、を備えるようにしてもよい。
前記モデルを用いて前記貨幣処理機における異常の有無を判定する状態判定部を備え、前記機械学習処理部は、前記貨幣処理機でエラーが発生し、かつ、前記状態判定部が前記貨幣処理機における異常無しと判定した場合に、前記モデルの更新を行うようにしてもよい。
本発明の第の態様によれば、貨幣処理機状態判定システムは、状態判定装置と貨幣処理機とを備え、前記状態判定装置は、貨幣処理機における貨幣の搬送に関するセンサデータを取得する取得部と、前記貨幣処理機における貨幣の搬送に関するセンサデータを入力値として前記貨幣処理機の異常度合いを示す出力値を出力するモデルを記憶する記憶部と、前記取得部により取得されたセンサデータと前記記憶部に記憶されたモデルとを用いて、前記貨幣処理機の状態を判定する状態判定部とを備え、前記記憶部は、貨幣の金種毎に前記モデルを記憶し、前記状態判定部は、貨幣の金種毎に異常の有無を判定する。
本発明の第の態様によれば、状態判定方法は、貨幣処理機の状態を判定する状態判定装置における状態判定方法であって、前記状態判定装置は、貨幣処理機における貨幣の搬送に関するセンサデータを取得する工程と、得られたセンサデータと、前記貨幣処理機における貨幣の搬送に関するセンサデータを入力値として前記貨幣処理機の異常度合いを示す出力値を出力する金種毎のモデルとを用いて、前記貨幣処理機の状態を金種毎に判定する工程とを含む。
本発明の第態様によれば、プログラムは、コンピュータに、貨幣処理機における貨幣の搬送に関するセンサデータを取得する工程と、得られたセンサデータと、前記貨幣処理機における貨幣の搬送に関するセンサデータを入力値として前記貨幣処理機の異常度合いを示す出力値を出力する金種毎のモデルとを用いて、前記貨幣処理機の状態を金種毎に判定する工程とを実行させるためのプログラムである。
本発明によれば、貨幣処理機の状態を精度よく判定することができる。
本発明の第一実施形態に係る貨幣処理機状態判定システムの機能構成を示す概略ブロック図である。 同実施形態に係る硬貨の搬送経路におけるセンサの設置例を示す図である。 同実施形態に係る状態判定装置がモデルの学習に用いる学習用データのデータ構造例を示す図である。 同実施形態に係るモデル記憶部が記憶するモデルの例を示す図である。 同実施形態で追加学習時の学習用データに対する貨幣処理機の状態の決定方法の例を示す図である。 同実施形態に係る機械学習処理部が行う前処理の手順の例を示すフローチャートである。 同実施形態に係る機械学習処理部が初期のモデルを生成する処理手順の例を示すフローチャートである。 同実施形態に係る機械学習処理部が追加学習を行う処理手順の例を示すフローチャートである。 同実施形態に係る状態判定装置が報知の要否および追加学習の要否を判定する処理手順の例を示すフローチャートである。 本発明の第二実施形態に係る貨幣処理機状態判定システムの機能構成を示す概略ブロック図である。
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態に係る貨幣処理機状態判定システムの機能構成を示す概略ブロック図である。図1に示すように、貨幣処理機状態判定システム1は、貨幣処理機100と、状態判定装置200とを備える。貨幣処理機100は、貨幣処理側通信部110と、貨幣処理部120と、貨幣処理側記憶部180と、貨幣処理側制御部190とを備える。貨幣処理側記憶部180は、センサ情報記憶部181と、金種情報記憶部182と、エラー情報記憶部183と、保守情報記憶部184とを備える。状態判定装置200は、サーバ側通信部210と、出力部220と、サーバ側記憶部280と、サーバ側制御部290とを備える。サーバ側記憶部280は、モデル記憶部281を備える。サーバ側制御部290は、機械学習処理部291と、状態判定部292と、報知処理部293とを備える。
また、貨幣処理機100と状態判定装置200とは通信ネットワーク900を介して通信接続する。状態判定装置200と通信接続する貨幣処理機100の数は1台以上であればよい。
通信ネットワーク900は、貨幣処理機100と状態判定装置200との通信を仲介する。通信ネットワーク900としていろいろな通信ネットワークを用いることができる。例えば、通信ネットワーク900としてインターネットまたは電話回線、あるいはこれらの組合せを用いるようにしてもよい。あるいは、通信ネットワーク900として貨幣処理機状態判定システム1専用の通信ネットワークを構築するようにしてもよい。
貨幣処理機状態判定システム1は、貨幣の処理、および、貨幣の処理を実行する貨幣処理機100の状態管理を行う。
貨幣処理機100は、貨幣の処理を行う。以下では、貨幣処理機100が硬貨包装機である場合を例に説明するが、これに限定されない。貨幣処理機100として、例えば入出金機または紙幣硬貨計数機など、貨幣の処理を行い、貨幣の処理に関するエラー(貨幣の詰まり、搬送不良等)が発生する場合があり、かつ、貨幣の処理に関するメンテナンスが行われるいろいろな機器を用いることができる。
貨幣処理側通信部110は、他の機器と通信を行う。特に、貨幣処理側通信部110は、通信ネットワーク900を介して状態判定装置200のサーバ側通信部210と通信接続する。
貨幣処理部120は、貨幣の処理を実行する。例えば、貨幣処理機100が硬貨包装機である場合、貨幣処理部120は、硬貨の投入を受け、投入された硬貨のうち指定された硬貨を選別し、選別した硬貨を50枚ずつ包装して棒金を生成する。
貨幣処理部120はセンサを備えている。状態判定装置200の機械学習処理部291は、貨幣処理部120のセンサによるセンサ値に基づいて機械学習を行うことで、貨幣処理機100のメンテナンスの要否判定用のモデルを生成し更新する。貨幣処理部120が備えるセンサについて、図2を参照して硬貨の搬送経路の場合を例に説明する。
図2は、硬貨の搬送経路におけるセンサの設置例を示す図である。貨幣処理機100は、投入された硬貨を1枚ずつ搬送経路121へ送出する。貨幣処理機100が硬貨包装機である場合、搬送経路121では、入口122側から1枚ずつ硬貨の挿入を受け、硬貨の金種を判定し、硬貨でないと判定した物を排除し、包装対象の硬貨を選別し、包装対象の硬貨が50枚(包装分の枚数)に達すると、包装が完了するまで次の硬貨を通さない。ここでいう硬貨は、1円、5円、10円、50円、100円および500円の6金種の硬貨である。貨幣処理機状態判定システム1は、これら6金種の硬貨以外のコインを硬貨でない物として扱う。
図2の構成で、選別モジュール123が、選別モジュール123自らを通過するものが硬貨か否か、および、硬貨である場合は硬貨の金種を判定する。
停止タイミングセンサ131は、発光部131aと受光部131bとを備え、発光部131aからの光が受光部131bに到達するか否かで、硬貨の通過の有無を検出する。これにより、停止タイミングセンサ131は、包装対象の硬貨が包装分の枚数に達した場合に次の硬貨を止めるタイミングを検出する。
例えば、搬送経路121上で停止タイミングセンサ131の近傍かつ上流(入口122側)に、硬貨を停止させるための機構を設けておく。停止タイミングセンサ131が、包装対象の硬貨の50枚目の通過を検出すると、この機構が動作して次の硬貨を通過させなくなる。
停止タイミングセンサ131は、特定の種類のセンサに限定されず、停止タイミングセンサ131自らの領域を通過する硬貨の有無を検出できるものであればよい。ここでいうセンサの領域は、センサが硬貨等の通過物を検出可能な位置である。
排除タイミングセンサ132は、硬貨でないと判定された物を排除するタイミングを検出する。排除タイミングセンサ132が、硬貨でないと判定された物が排除タイミングセンサ132自らに到達したことを検出すると、排除口124が開口する。これにより、硬貨でないと判定された物は、排除口124から搬送経路121の外へ排除される。
排除タイミングセンサ132は、排除タイミングセンサ左132aと、排除タイミングセンサ右132bとの組み合わせで構成されている。排除タイミングセンサ左132a、排除タイミングセンサ右132bの各々は、光センサを用いて構成され、センサ自らの領域を通過する物の有無を検出する。検出漏れを防ぐために、排除タイミングセンサ左132aと排除タイミングセンサ右132bとが、搬送経路121の幅方向(通貨の進行方向に対して直角方向)に並んで配置されている。
排除タイミングセンサ132は、特定の種類のセンサに限定されず、排除タイミングセンサ132自らの領域を通過する硬貨の有無を検出できるものであればよい。
選別タイミングセンサ133は、包装対象の硬貨を選別するタイミングを検出する。選別タイミングセンサ133が、包装対象以外の硬貨と判定された硬貨が選別タイミングセンサ133自らに到達したことを検出すると、選別口125が開口する。これにより、包装対象以外の硬貨が選別口125から搬送経路121の外へ排出される。一方、包装対象の硬貨と判定された硬貨が選別タイミングセンサ133に到達しても選別口125は閉じたままである。これにより、包装対象の硬貨は、搬送経路121の下流側へ送出され、50枚毎に纏められて包装される。
選別タイミングセンサ133は、選別タイミングセンサ左133aと、選別タイミングセンサ右133bとの組み合わせで構成されている。選別タイミングセンサ左133a、選別タイミングセンサ右133bの各々は、光センサを用いて構成され、センサ自らの領域を通過する物の有無を検出する。検出漏れを防ぐために、選別タイミングセンサ左133aと選別タイミングセンサ右133bとが、搬送経路121の幅方向に並んで配置されている。
選別タイミングセンサ133は、特定の種類のセンサに限定されず、選別タイミングセンサ133自らの領域を通過する硬貨の有無を検出できるものであればよい。
停止タイミングセンサ131と、排除タイミングセンサ132と、選別タイミングセンサ133とを総称して、センサ130と表記する。
状態判定装置200の機械学習処理部291が学習に用いるセンサデータは、センサ値(センサ130による測定値)そのものであってもよいし、センサの測定結果に基づく演算で得られるものであってもよい。
図2のように、機械学習処理部291が、貨幣処理機100に本来設置されるセンサを用いて学習を行うことで、学習用に別途センサを用いる必要がない。この点で、貨幣処理機100のハードウェア構成が複雑にならずに済む。
機械学習処理部291が学習に用いるセンサは、特定のものに限定されず、貨幣処理機100の異常の有無に応じたセンサデータを得られるものであればよい。
図3は、状態判定装置200がモデルの学習に用いる学習用データのデータ構造例を示す図である。
図3の例で、学習用データは、モデルへの入力データを示す「入力」欄と、モデルからの出力データを示す「出力」欄とを含んで構成される。「入力」欄の各値は、値のレンジ(とり得る最大値および最小値の大きさ)が学習に影響することを避けるため、0~1の範囲に正規化されている。
「入力」欄の「第1区間up」欄には、停止タイミングセンサ131のセンサ値が立ち上がってから、排除タイミングセンサ132のセンサ値が立ち上がるまでの時間(を正規化した値)が格納される。ここでいうセンサ値の立ち上がりは、硬貨がセンサの領域に到達してセンサが硬貨を検出するようになることである。センサ値の立ち下がりは、硬貨がセンサの領域を通り過ぎてセンサが硬貨を検出しなくなることである。「第1区間」は、停止タイミングセンサ131から排除タイミングセンサ132までの区間を示す。「up」は、センサ値の立ちあがりを示す。
「第2区間up」欄には、排除タイミングセンサ132のセンサ値が立ち上がってから、選別タイミングセンサ133のセンサ値が立ち上がるまでの時間(を正規化した値)が格納される。「第2区間」は、排除タイミングセンサ132から選別タイミングセンサ133までの区間を示す。
「第1区間down」欄には、停止タイミングセンサ131のセンサ値が立ち下がってから、排除タイミングセンサ132のセンサ値が立ち下がるまでの時間(を正規化した値)が格納される。「down」は、センサ値の立ち下がりを示す。
「第2区間down」欄には、排除タイミングセンサ132のセンサ値が立ち下がってから、選別タイミングセンサ133のセンサ値が立ち下がるまでの時間(を正規化した値)が格納される。
「131滞留」欄には、停止タイミングセンサ131のセンサ値が立ち上がってから、停止タイミングセンサ131のセンサ値が立ち下がるまでの時間(を正規化した値)が格納される。ここで、硬貨がセンサの領域に位置することを、硬貨がセンサに滞留すると称する。「131滞留」欄の値は、硬貨が停止タイミングセンサ131に滞留した時間を示す。硬貨がセンサ間を移動する移動時間だけでなく、移動時間と相関関係がある滞留時間を入力値として用いることで予測精度が高めることができる。
「132滞留」欄には、排除タイミングセンサ132のセンサ値が立ち上がってから、排除タイミングセンサ132のセンサ値が立ち下がるまでの時間(を正規化した値)が格納される。「132滞留」欄の値は、硬貨が排除タイミングセンサ132に滞留した時間を示す。
「133滞留」欄には、選別タイミングセンサ133のセンサ値が立ち上がってから、選別タイミングセンサ133のセンサ値が立ち下がるまでの時間(を正規化した値)が格納される。「133滞留」欄の値は、硬貨が選別タイミングセンサ133に滞留した時間を示す。
「出力」欄には、搬送経路121の状態に応じた所定の値が格納される。具体的には、搬送経路121が正常である場合、出力欄には「0.9」が格納される。搬送経路121が異常である場合、出力欄には「0.1」が格納される。
貨幣処理機100の開発段階、生産段階およびテスト段階では、貨幣処理機100の実機を用いて実験を行い、学習用データを取得することが考えられる。この場合、搬送経路121に汚れを付着させた状態、または、搬送経路121に異物を挿入した模擬的な異常状態でデータを取得することで、搬送経路121の異常時のデータを取得することができる。一方、搬送経路121に模擬的な異常を発生させていない正常な状態でデータを取得することで、搬送経路121の正常時のデータを取得することができる。
搬送経路121が正常な状態は、貨幣処理部120が正常な状態の例に該当する。貨幣処理部120が正常な状態を、貨幣処理機100が正常な状態とも称する。搬送経路121が異常な状態は、貨幣処理部120が異常な状態の例に該当する。貨幣処理部120が異常な状態を、貨幣処理機100が異常な状態とも称する。
貨幣処理機100の運用時に学習用データを取得する場合、実験時と異なり搬送経路121が正常か異常かは、必ずしも明確に定まらない。この場合、後述するように、例えばエラー発生時からその2日前までを異常とし、エラー発生時の2日前から4日前までを正常とするなど、エラー発生時を基準に過去に遡って正常または異常を決定するようにしてもよい。
貨幣処理機100が紙幣を扱う場合も、硬貨を扱う場合と同様、紙幣がセンサ間を移動する移動時間および紙幣がセンサに滞留する滞留時間をセンサデータとして用いることができる。さらに、貨幣処理機100が紙幣を扱う場合、紙幣の斜行(搬送方向に対する傾き)の度合いや搬送モータの回転速度もセンサデータとして用いることができる。
貨幣処理側記憶部180は、各種データを記憶する。貨幣処理側記憶部180は、貨幣処理機100が備える記憶デバイスを用いて構成される。
センサ情報記憶部181は、センサデータを硬貨の種類(金種)と対応付けて貨幣1枚毎に記憶する。
なお、センサデータが、センサの測定結果から演算で得られる場合、センサ情報記憶部181が、センサの測定結果を記憶するようにしてもよい。この場合、状態判定装置200側でセンサの測定結果からセンサデータを生成するようにしてもよい。
貨幣処理機100が状態判定装置200へセンサデータを送信する頻度は、いろいろな頻度に設定可能である。例えば、貨幣処理機100が、1動作毎にセンサデータを状態判定装置200へ送信するなど短い頻度でセンサデータを送信するようにしてもよい。ここでいう1動作は、貨幣処理機100が行う一纏まりの動作である。貨幣処理機100が硬貨包装機である場合、棒金1本を巻く一連の動作を1動作とすることができる。あるいは、貨幣処理機100に対する入金1回など、1回の取引における一連の動作を1動作とすることができる。
センサ情報記憶部181が記憶するセンサデータのうち、状態判定装置200へ送信済みのセンサデータは削除可能である。貨幣処理機100が短い頻度でセンサデータを状態判定装置200へ送信することで、センサ情報記憶部181の記憶容量が小さくて済む。
金種情報記憶部182は、各金種に関するデータを記憶する。例えば、金種情報記憶部182は、金種毎の硬貨の大きさまたは磁気情報など、選別モジュール123が硬貨の種類(金種)を判定するための情報を記憶している。
エラー情報記憶部183は、貨幣処理部120で発生したエラーの履歴情報を記憶する。ここでいうエラーは、貨幣処理機100等の機器が、機器自らにおける異常を検出して行う、異常の通知である。
保守情報記憶部184は、貨幣処理部120に対して行われたメンテナンスの履歴情報を記憶する。
貨幣処理側制御部190は、貨幣処理機100の各部を制御して各種処理を実行する。貨幣処理側制御部190は、例えば貨幣処理機100が備えるCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が、貨幣処理側記憶部180からプログラムを読み出して実行することで構成される。
状態判定装置200は、貨幣処理機100の状態を管理する。状態判定装置200は、貨幣処理機100からセンサデータを取得し、得られたセンサデータに基づいてメンテナンスを促す報知の要否を判定する。また、状態判定装置200は、得られたセンサデータを用いて報知用のモデルの更新を行う。状態判定装置200は、例えばワークステーション(Workstation)等のコンピュータを用いて構成される。
状態判定装置200がサーバとして構成され、複数の貨幣処理機100に共通でモデルを用いるようにしてもよい。これにより、状態判定装置200は、多数のセンサデータを取得して、貨幣処理機100毎にモデルを設ける場合よりもモデルの更新頻度を高めることができる。多数の学習用モデルを用いて学習を行える点で、状態判定装置200は、精度の高いモデルを得られる。
あるいは、状態判定装置200が貨幣処理機100毎にモデルを備えるようにしてもよい。これにより、状態判定装置200は貨幣処理機100毎の特性をモデルに反映させることができ、この点で精度の高いモデルを得られる。
サーバ側通信部210は、他の機器と通信を行う。特に、サーバ側通信部210は、通信ネットワーク900を介して貨幣処理機100の貨幣処理側通信部110と通信接続する。
サーバ側通信部210は、貨幣処理機100における貨幣の搬送に関するセンサデータを取得する取得部の例に該当する。
出力部220は、貨幣処理機100のメンテナンスが必要である旨を報知する報知情報を出力する。例えば、状態判定装置200が備えるディスプレイおよびスピーカが出力部220として用いられ、貨幣処理機100のメンテナンスが必要である旨のメッセージをディスプレイに表示し、報知音をスピーカから出力するようにしてもよい。あるいは、サーバ側通信部210を出力部220として用いて、保守作業員のスマートフォン(Smartphone)またはパソコン(Personal Computer;PC)など、保守作業員が使用する端末装置に報知情報を送信するようにしてもよい。
サーバ側記憶部280は、各種データを記憶する。サーバ側記憶部280は、状態判定装置200が備える記憶デバイスを用いて構成される。
モデル記憶部281は、貨幣処理機100における異常の有無を判定するためのモデルを記憶する。モデル記憶部281は、金種毎にモデルを記憶する。
モデル記憶部281は、貨幣処理機100における貨幣の搬送に関するセンサデータを入力値として貨幣処理機100の異常度合いを示す出力値を出力するモデルを記憶する記憶部の例に該当する。
図4は、モデル記憶部281が記憶するモデルの例を示す図である。
図4に示すモデルは、入力層511、中間層513および出力層515の3層のニューラルネットワークにて構成されている。入力層511は、m個(mは正整数)の入力ノード511-1~511-mを備える。中間層513は、n個(nは正整数)の中間ノード513-1~513-nを備える。出力層515は、1個の出力ノード515-1を備える。
入力ノード511-1~511-mの各々と、中間ノード513-1~513-nの各々とは、入力-中間間経路512-1-1~511-m-nで接続されている。入力-中間間経路512-1-1~512-m-nを総称して、入力-中間間経路512と表記する。
中間ノード513-1~513-nの各々と、出力ノード515-1とは、中間-出力間経路514-1-1~514-n-1で接続されている。中間-出力間経路514-1-1~514-n-1を総称して中間-出力間経路514と表記する。
これらの経路の各々はシグモイド関数で構成され、各径路に荷重(重み付け係数)が設定される。図4に示すモデルでは、入力層511各ノードにて値の入力を受けると、入力された値に対して入力-中間間経路512で荷重を乗算して中間層513の各ノードへ出力する。中間層513の各ノードでは、入力された値の平均をとる。
さらに、図4に示すモデルでは、中間層513に入力された値に対して中間-出力間経路514で荷重を乗算して出力層515のノード(出力ノード515-1)へ出力する。出力層515のノードでは、入力された値の平均をとる。
かかる構成にて、図4に示すモデルは、入力層511の各ノードに0~1の範囲の実数値の入力データの入力を受けて、出力層515のノードから0~1の範囲の実数値の出力データを出力する。
この出力データの値と閾値とを比較して、出力データの値が閾値より大きい場合に、貨幣処理機100に異常有りと判定することができる。
入力層511のノードの数は、例えば7個とすることができる。中間層513のノードの数は、例えば50個とすることができる。出力層515のノードの数は、例えば1個とすることができる。
但し、状態判定装置200が用いるモデルは、図4に示すものに限定されない。例えば、中間層が2層以上設けられていてもよい。また、各層のノードの数は上述した数に限定されない。さらには、状態判定装置200が用いるモデルは学習可能なモデルであればよく、ニューラルネットワークに限定されない。
サーバ側制御部290は、状態判定装置200の各部を制御して各種処理を行う。サーバ側制御部290は、状態判定装置200が備えるCPUがサーバ側記憶部280からプログラムを読み出して実行することで構成される。
機械学習処理部291は、モデル記憶部281が記憶する金種毎のモデルの各々を機械学習にて生成および更新する。具体的には、機械学習処理部291は、学習用データを用いて入力-中間間経路512の各荷重および中間-出力間経路514の各荷重の値を調整する。
機械学習処理部291が、ニューラルネットワークを用いて貨幣処理機100の状態を判定することで、人手で判定を行う場合と比較して判定時間を短縮することができ、また、人間では予測できないようなデータ間の相関関係を考慮した判定を行って、メンテナンスの要否を判定することが可能となる。
機械学習処理部291が用いる学習方法として誤差逆伝播法とモーメンタム法との組み合わせを用いることができる。この場合、モーメンタム定数を例えば0.9に設定する。但し、機械学習処理部291が用いる学習方法は特定の方法に限定されず、いろいろな学習方法を適用可能である。
機械学習処理部291は、初期学習にてモデルを生成し、追加学習にてモデルの更新を繰り返す。初期学習では、機械学習処理部291は、上述した貨幣処理機100を用いた実験で得られた学習用データを用いて、入力-中間間経路512の各荷重および中間-出力間経路514の各荷重の値を設定する。追加学習では、機械学習処理部291は、貨幣処理機100の運用時に得られた学習用データを用いて、入力-中間間経路512の各荷重および中間-出力間経路514の各荷重の値を更新する。
追加学習の場合、学習用データを得られた各時点で貨幣処理機100が正常か異常かは、必ずしも明確でない。そこで、機械学習処理部291は、エラー発生時を基準として貨幣処理機100の状態を正常または異常の何れかに決定し、学習用データにおける出力値を設定する。
図5は、追加学習時の学習用データに対する貨幣処理機100の状態の決定方法の例を示す図である。
図5の例で、機械学習処理部291は、貨幣処理機100にエラーが発生したタイミングを基準時として、エラー発生時からその2日前までのタイミングで得られた学習用データを異常時の学習用データと決定し、エラー発生2日前から4日前までのタイミングで得られた学習用データを正常時の学習用データと決定している。
機械学習処理部291は、学習閾値を基準に、エラー発生時から学習閾値までの学習用データを異常時のデータと決定し、学習閾値から過去の所定期間(例えば、エラー発生時から学習閾値までの期間と同じ期間)の学習用データを正常時のデータと決定する。ここでいう学習閾値は、追加学習のための学習用データを正常時のデータと異常時のデータとに振り分ける基準となる閾値である。図5の例では、学習閾値は、エラー発生2日前に設定されている。
図5に示すエラー発生時からその2日前までの期間は、エラー発生から過去の第1期間の例に該当する。エラー発生2日前から4日前までの期間は、第1期間よりも過去の第2期間の例に該当する。
また、機械学習処理部291は、報知処理部293が報知の必要無しと判定し、貨幣処理機100でエラーが発生し、かつ、状態判定部292が貨幣処理機100における異常無しと判定した場合に、モデルの更新を行う。報知処理部293が報知を必要と判定している場合、状態判定部292が異常有りと判定した場合のいずれも、現状のモデルで異常を検出できており、モデルを更新する必要はないと考えられる。この場合に機械学習処理部291がモデルの更新を行わないよう抑制することで、機械学習処理部291の負荷が小さくて済む。
状態判定部292は、機械学習処理部291が生成および更新したモデルを用いて貨幣処理機100における異常の有無を判定する。特に、状態判定部292は、貨幣1枚毎、および、複数枚の貨幣毎それぞれに異常の有無を判定する。貨幣一枚毎の判定では正常と判定される場合でも、複数の貨幣全体、あるいは複数の金種の貨幣全体で見ると、異常の傾向が強くエラー発生が予測される場合が考えられる。状態判定部292が、硬貨1枚毎、および、複数枚の貨幣毎それぞれに異常の有無を判定することで、複数の貨幣全体、あるいは複数の金種の貨幣全体で見て異常の傾向が強い場合も異常と判定することができる。
報知処理部293は、機械学習処理部291が生成および更新したモデルを用いて貨幣処理機100に対するメンテナンスを促す報知の要否を判定する。報知処理部293は、機械学習処理部291が金種別に生成および更新したモデルを用いて、貨幣1枚毎、および、複数枚の貨幣毎それぞれに異常の有無を判定する。
状態判定部292も報知処理部293も、モデルからの同じ出力に対して閾値を適用して判定を行う。一方、状態判定部292がモデル更新の要否の判定に用いる判定閾値と、報知処理部293が判定に用いる報知閾値とは、異なる値に設定することができる。例えば、判定閾値には0.5など一定の値を設定し、報知閾値の値については、貨幣処理機100を運用する顧客の要望に応じて値を可変に設定することができる。具体的には、こまめなメンテナンスを希望する顧客の場合、報知閾値の値を0.4など小さめの値に設定することで、状態判定装置200が、比較的軽微な異常の段階でメンテナンスを促す報知を行うようになる。一方、メンテナンスの回数が少ないことを希望する顧客の場合、報知閾値の値を0.6など大きめの値に設定することで、状態判定装置200によるメンテナンスの報知の頻度を下げ、異常の傾向が強まった場合にメンテナンスを実施することができる。
次に、図6~図8を参照して、状態判定装置200の動作について説明する。
図6は、機械学習処理部291が行う前処理の手順の例を示すフローチャートである。この前処理で、機械学習処理部291は、センサデータから学習用データを生成する。
図6の処理で、機械学習処理部291は、センサデータ値から学習用データの項目の値を算出する(ステップS101)。例えば、機械学習処理部291は、あるセンサにおけるセンサ値の立ち上がりの時刻と立ち下がりの時刻との差を、そのセンサにおける貨幣の滞留時間として算出する。上述したように、センサ値の立ち上がり時刻は、貨幣がセンサに差し掛かってセンサ値がオフ(非検出)の値からオン(検出)の値に切り替わった時刻である。センサ値の立ち下がり時刻は貨幣がセンサを通り抜けてセンサ値がオン(検出)の値からオフ(非検出)の値に切り替わった時刻である。センサにおける貨幣の滞留時間は、貨幣がセンサに差し掛かってからそのセンサを通り抜けるまでの時間である。
但し、貨幣処理機100がステップS101の処理を行うようにしてもよい。この場合、貨幣処理機100から状態判定装置200へ学習用データの項目の値を送信し、状態判定装置200側ではステップS101の処理を行わない。
次に、機械学習処理部291は、学習用データの各項目の値を0~1の範囲の値にする正規化を行う(ステップS102)。学習用データの項目毎のレンジ(とり得る値の範囲)の大きさの違いが、学習に対する影響の度合いの違いとなることを避けるためである。
例えば、機械学習処理部291は、学習用データの項目の値から、その最小値として定められている所定値を減算する。さらに機械学習処理部291は、得られた減算結果を、その学習用データの項目の最大値として定められている所定値から最小値として定められている所定値を減算した値で除算する。
次に、機械学習処理部291は、学習用データのうち同じ値の組合せを取り除くバッティング処理を行う(ステップS103)。
ここで、学習用データの中に同じ値の組合せが含まれる場合、その値の組合せが正常として扱われるか異常として扱われるかは、貨幣処理機100の運用によって異なり得る。同じ値の組合せが正常、異常の両方に割り振られていると、適切な学習を行えない可能性がある。そこで、機械学習処理部291は、同じ値の組合せが正常、異常の両方に割り振られることを避けるためにバッティング処理を行う。
例えば、機械学習処理部291が、学習用データにおける同じ値の組合せの出現について、正常に割り当てられている回数と、異常に割り当てられている回数とを計数し、いずれか多い方の値の組合せを1つだけ残すようにしてもよい。あるいは、機械学習処理部291が、学習用データにおける同じ値の組合せを全て削除するようにしてもよい。
ステップS103の後、図6の処理を終了する。
図7は、機械学習処理部291が初期のモデルを生成する処理手順の例を示すフローチャートである。
図7の処理で、機械学習処理部291は、センサデータを取得する(ステップS201)。
次に、機械学習処理部291は、図6を参照して説明した前処理を行う(ステップS202)。これにより、機械学習処理部291は、センサデータから学習用データを取得する。
そして、機械学習処理部291は、得られた学習用データを用いて学習を行い、モデルを構築する(ステップS203)。機械学習処理部291は、得られたモデルを学習済みモデルとしてモデル記憶部281に記憶させる(ステップS204)。
ステップS204の後、図7の処理を終了する。
図8は、機械学習処理部291が追加学習を行う処理手順の例を示すフローチャートである。図9を参照して後述するように、機械学習処理部291は、貨幣処理機100にエラーが発生した場合に図8の処理を行う。
図8の処理で、機械学習処理部291は、学習閾値をエラー発生の2日前に設定する(ステップS311)。上述したように、学習閾値は、追加学習のための学習用データを正常時のデータと異常時のデータとに振り分ける基準となる閾値である。
ここで、実験またはシミュレーション等によって学習用データ取得する場合は、正常または異常を想定して貨幣処理機100の状態が設定されており、得られた学習用データを正常または異常の何れかに振り分けることができる。
一方、運用時にエラーが生じた場合、エラーの前の期間におけるデータを正常時のデータとすべきが異常時のデータとすべきかは、必ずしも決まっていない。そこで、機械学習処理部291は、エラーの前の期間におけるデータを学習(教師有り学習)に用いられるように、学習閾値を設定し、設定した学習閾値を用いてエラーの前の期間におけるデータを正常または異常の何れかに振り分ける。
なお、学習閾値の具体的な値は、図8に示すエラー発生2日前に限定されない。例えば、機械学習処理部291が学習閾値をエラー発生1日前に設定するなど、2日以外の日単位で学習閾値を設定するようにしてもよい。あるいは、機械学習処理部291が、学習閾値をエラー発生6時間前に設定するなど、日単位以外の単位で学習閾値を設定するようにしてもよい。また、学習閾値に用いる時間は、単純な時間(カレンダー上の時間)であってもよいし、貨幣処理機100の稼動時間であってもよい。
あるいは、機械学習処理部291が、貨幣処理機100における貨幣搬送枚数でエラー発生から1000枚前など、時間以外の基準による学習閾値を設定するようにしてもよい。
ステップS311で学習閾値を設定した機械学習処理部291は、学習用データの基となるセンサデータを取得する(ステップS312)。例えば、機械学習処理部291は、学習閾値の設定である2日の倍の4日分のセンサデータを取得する。但し、機械学習処理部291がセンサデータを取得する期間は、これに限定されない。例えば、学習閾値が貨幣処理機100における貨幣搬送枚数でエラー発生から1000枚前に設定されている場合、機械学習処理部291が、エラー発生から2000枚前からエラー発生時までのセンサデータを取得するようにしてもよい。
次に、機械学習処理部291は、得られたセンサデータを正常データと異常データとに区分する(ステップS313)。ここでいう正常データは、貨幣処理機100が正常状態にあるとして扱われるデータである。異常データは、貨幣処理機100が異常状態にあるとして扱われるデータである。
次に、機械学習処理部291は、図7を参照して説明した前処理を行う(ステップS314)。これにより、機械学習処理部291は、センサデータに基づく学習用データを取得する。
そして、機械学習処理部291は、得られた学習用データを用いて機械学習を行い、学習済みモデルを更新する(ステップS315)。
ステップS315の後、図8の処理を終了する。
図9は、状態判定装置200が報知の要否および追加学習の要否を判定する処理手順の例を示すフローチャートである。
図9の処理で、サーバ側制御部290は、センサデータを取得し、正規化を行う(ステップS401)。ステップS401で得られるセンサデータは、報知の要否およびモデルの更新の要否を判定するために用いられる。
次に、サーバ側制御部290は、貨幣処理機100におけるエラー発生の有無を判定する(ステップS402)。具体的には、貨幣処理機100が、センサデータに加えて、発生させたエラーの情報を状態判定装置200へ送信する。サーバ側制御部290は、貨幣処理機100が送信する、発生させたエラーの情報の有無を判定することで、貨幣処理機100におけるエラー発生の有無を判定する。
エラーが発生していると判定した場合(ステップS402:YES)、状態判定部292は、貨幣処理機100の状態判定に用いるためのモデルを選択する(ステップS411)。具体的には、状態判定部292は、モデル記憶部281が金種毎に記憶しているモデルのうち、判定対象となっている金種のモデルを選択する。
次に、状態判定部292は、選択したモデルにステップS401で得られたセンサデータを入力して、モデルからの出力値を算出する(ステップS412)。金種毎のモデルにセンサデータを入力して得られる出力値を金種出力値とも称する。
そして、状態判定部292は、算出した金種出力値が判定閾値以下か否かを判定する(ステップS404)。金種出力値が判定閾値以下であると判定した場合(ステップS413:NO)、状態判定部292は、全ての金種のデータについて判定を行ったか否かを判定する(ステップS431)。判定を行っていない金種があると判定した場合(ステップS431:NO)、ステップS411へ戻り、まだ判定を行っていない金種に対する処理を引き続き行う。
一方、ステップS431で全ての金種について判定を行ったと判定した場合(ステップS431:YES)、図9の処理を終了する。
一方、ステップS413で、金種出力値が判定閾値より大きいと判定した場合(ステップS413:YES)、機械学習処理部291は、図8を参照して説明した追加学習を行う(ステップS421)。この場合、エラーの傾向を検知して小さい値の金種出力値を算出すべきであるのに対し、実際に得られた金種出力値は判定閾値より大きいことから、モデルを更新するために機械学習処理部291が追加学習を行う。
ステップS421の後、ステップS431へ遷移する。
一方、ステップS402でエラーが発生していないと判定した場合(ステップS402:NO)、報知処理部293は、報知の要否の判定に用いるためのモデルおよび報知閾値を選択する(ステップS411)。具体的には、報知処理部293は、モデル記憶部281が金種毎に記憶しているモデルのうち、判定対象となっている金種のモデルを選択する。また、報知閾値には金種別報知閾値と全体報知閾値との2種類があり、サーバ側記憶部280が、金種毎に金種別報知閾値を記憶し、各金種に共通で全体報知閾値を記憶しておく。報知処理部293は、サーバ側記憶部280が金種毎に記憶している金種別報知閾値のうち、判定対象となっている金種の金種別報知閾値を選択する。
次に、報知処理部293は、選択したモデルにステップS401で得られたセンサデータを入力して、モデルからの出力値を算出する(ステップS442)。ステップS442での処理は、ステップS412での処理と同様である。
そして、報知処理部293は、算出した金種出力値が金種別報知閾値以下か否かを判定する(ステップS443)。
金種出力値が金種別報知閾値以下であると判定した場合(ステップS443:YES)、報知処理部293は、保守作業員へ予防保守を報知する(ステップS471)。ここでいう予防保守は、エラー発生等の不具合を未然に防止するための保守である。
ステップS471の後、図9の処理を終了する。
一方、ステップS443で金種出力値が金種別報知閾値よりも大きいと判定した場合(ステップS443:NO)、報知処理部293は、全ての金種のデータについて判定を行ったか否かを判定する(ステップS451)。判定を行っていない金種があると判定した場合(ステップS451:NO)、ステップS441へ戻り、まだ判定を行っていない金種に対する処理を引き続き行う。
一方、ステップS451で全ての金種について判定を行ったと判定した場合(ステップS451:YES)、報知処理部293は、金種の割合を用いて、金種別出力値から全体出力値を算出する(ステップS461)。
そして、報知処理部293は、算出した全体出力値が全体報知閾値以下か否かを判定する(ステップS462)。全体報知閾値は、例えば0.5に設定されるなど、予め定数値に設定される。
全体出力値が全体報知閾値以下であると判定した場合(ステップS462:YES)、ステップS471へ進む。
一方、ステップS462で、全体出力値が全体報知閾値より大きいと判定した場合(ステップS462:NO)、図9の処理を終了する。
一方、ステップS431で、金種出力値が判定閾値以上であったと判定した場合(ステップS431:NO)、ステップS451へ進む。
以上のように、サーバ側通信部210は、貨幣処理機100における貨幣の搬送に関するセンサデータを取得する。モデル記憶部281は、貨幣処理機100における貨幣の搬送に関するセンサデータを入力値として貨幣処理機100の異常度合いを示す出力値を出力するモデルを記憶する。状態判定部292は、サーバ側通信部210により取得されたセンサデータとモデル記憶部281に記憶されたモデルとを用いて、貨幣処理機100の状態を判定する。
このように状態判定部292がモデルを用いて貨幣処理機100の状態を判定することで、貨幣処理機100の状態を精度よく判定することができる。例えば、状態判定部292が機械学習によって得られたモデルを用いて貨幣処理機100の状態を判定することで、人間による判定では気付かないようなセンサデータと貨幣処理機100との関係に基づいて、貨幣処理機100の異常の傾向を検出できる可能性がある。
また、モデル記憶部281は、貨幣の金種毎にモデルを記憶する。状態判定部292は、貨幣の金種毎に異常の有無を判定する。
このように、状態判定部292は貨幣の金種毎に異常の有無を判定することで、特定の金種について貨幣処理機100に異常が生じる場合に、当該異常を検出することができ、また、当該異常が生じる金種を特定することができる。状態判定装置200によれば、この点で、貨幣処理機100の状態を精度よく判定することができる。
また、状態判定部292は、貨幣の金種毎のモデルからの出力値をもとに複数の金種の貨幣全体について貨幣処理機100の異常の有無を判定する。
貨幣の金種毎の判定では正常と判定される場合でも、複数の金種全体で見ると、貨幣処理機100の異常の傾向が強くエラー発生が予測される場合が考えられる。状態判定部292が、複数の金種の貨幣全体について貨幣処理機100の異常の有無を判定することで、複数の金種全体で見て異常の傾向が強い場合も異常と判定することができる。
また、機械学習処理部291は、貨幣処理機100でエラーが発生した場合、エラーが発生した貨幣処理機100のセンサによる測定で得られたセンサデータのうち、エラー発生から過去の第1期間におけるセンサデータに基づく学習用データを異常時の学習用データとし、第1期間よりも過去の第2期間におけるセンサデータに基づく学習用データを正常時の学習用データとして機械学習を行うことでモデルを更新する。
これにより、状態判定装置200では、貨幣処理機100の運用時のデータを用いて、貨幣処理機100の状態判定処理を更新できる。ここで、貨幣処理機100の運用時には、貨幣処理機100の状態が正常か異常かは必ずしも明確でない。これに対し、状態判定装置200では、機械学習処理部291が、第1期間における学習用データを異常時の学習用データとし、第2期間における学習用データを正常時の学習用データとして学習を行う。これにより、状態判定装置200では、貨幣処理機100の運用時のデータを用いて、貨幣処理機100の状態判定処理を更新することが可能になる。
また、貨幣処理機100の内部状態の変化として、メンテナンス後など良好な状態にある貨幣処理機100が、時間経過とともに汚れの付着および部品の消耗等によって徐々に状態が悪化し、エラー発生に至ることが考えられる。
この場合、機械学習処理部291が、エラー発生時に近い過去の第1期間における学習用データを異常時の学習用データとして機械学習を行うことで、貨幣処理機100の状態が比較的悪化した期間における学習用データを異常時の学習用データとして機械学習を行うことができる。また、機械学習処理部291が、第1期間よりも過去の第2期間における学習用データを正常時の学習用データとして機械学習を行うことで、貨幣処理機100の状態が比較的良好な期間における学習用データを正常時の学習用データとして機械学習を行うことができる。この点で、機械学習処理部291が高精度に機械学習を行うことができ、高精度なモデルを得られることが期待される。
また、報知処理部293は、モデル記憶部281が記憶するモデルを用いて貨幣処理機100に対するメンテナンスを促す報知の要否を判定する。出力部220は、報知処理部293が報知の必要ありと判定した場合、当該報知を出力する。
状態判定装置200によれば、出力部220が出力する報知に応じて保守作業員が貨幣処理機100のメンテナンスを行うことで、貨幣処理機100におけるエラーの発生を低減させることができる。
また、状態判定装置200がメンテナンスを促す報知の要否の判定を行うことで、この処理を貨幣処理機100側で行う場合よりも、ハードウェア構成の変更が容易である。例えば、大量のデータを処理する場合、状態判定装置200のCPUのアップグレードおよびハードディスク等の記憶媒体の増設を比較的容易に行える。状態判定装置200が貨幣処理機100の状態判定を行う点についても同様である。
また、状態判定部292は、モデル記憶部281が記憶するモデルを用いて貨幣処理機100における異常の有無を判定する。機械学習処理部291は、貨幣処理機100でエラーが発生し、かつ、状態判定部292が貨幣処理機100における異常無しと判定した場合に、モデルの更新を行う。
ここで、貨幣処理機100でのエラー発生時に状態判定部92が貨幣処理機100における異常有りと判定している場合、正しく判定できている点で、モデルの更新は不要と考えられる。この場合に機械学習処理部291がモデルの更新を行わないよう抑制することで、機械学習処理部291の負荷が小さくて済む。
なお、状態判定部292がステップS402~S451で行う処理と、ステップS461~S471で行う処理とは、ステップS461~S471での処理の方が大きい単位を対象とするいろいろな処理とすることができる。
例えば、状態判定部292が、ステップS402~S451で貨幣1枚毎に判定を行い、ステップS461~S471で複数枚の硬貨毎に判定を行うようにしてもよい。貨幣処理機100が硬貨包装機である場合、ステップS461~S471で硬貨50枚毎(棒金1本分毎)に判定を行うようにしてもよい。
あるいは、状態判定部292が、ステップS402~S451で金種1種類毎に判定を行い、ステップS461~S471で複数の金種毎(複数種類の金種毎)に判定を行うようにしてもよい。例えば、状態判定部292がステップS461~S471で6種類の金種全体について判定を行う場合、ステップS461で式(1)に基づいて全体出力を算出するようにしてもよい。
Figure 0007007715000001
ここで、n1、n5、n10、n50、n100、n500は、それぞれ、1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、500円玉、500円玉についてのセンサデータの平均値である。p1、p5、p10、p50、p100、p500は、それぞれ、1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、500円玉、500円玉の枚数の、全体の枚数に占める割合である。
状態判定部292は、式(1)を用いて、金種毎の枚数に応じてセンサデータの重み付け平均を行う。
あるいは、状態判定部292が、ステップS402~S451で金種1種類毎に判定を行い、ステップS461~S471で1動作毎に判定を行うようにしてもよい。
<第二実施形態>
第一実施形態では、状態判定装置200が報知を行う場合を例に説明した。これに対し、貨幣処理機が報知を行うようにしてもよい。第二実施形態では、貨幣処理機が報知を行う場合について説明する。
図10は、本発明の第二実施形態に係る貨幣処理機状態判定システムの機能構成を示す概略ブロック図である。図10に示すように、貨幣処理機状態判定システム2は、貨幣処理機300と、モデル管理装置400とを備える。貨幣処理機300は、貨幣処理部120と、出力部220と、貨幣処理側IF(Interface)部310と、貨幣処理側記憶部380と、貨幣処理側制御部390とを備える。貨幣処理側記憶部380は、センサ情報記憶部181と、金種情報記憶部182と、エラー情報記憶部183と、保守情報記憶部184と、学習済みモデル記憶部385とを備える。貨幣処理側制御部390は、状態判定部292と、報知処理部293とを備える。モデル管理装置400は、サーバ側記憶部280と、サーバ側IF部410と、サーバ側制御部490とを備える。サーバ側記憶部280は、モデル記憶部281を備える。サーバ側制御部490は、機械学習処理部291を備える。
図10の各部のうち、図1の各部に対応して同様の機能を有する部分には、同一の符号(120、181、182、183、184、220、280、281、291、292、293)を付して説明を省略する。
図1に示される貨幣処理機状態判定システム1では、貨幣処理機100と状態判定装置200とが通信ネットワーク900を介して通信接続する、いわゆるオンラインの構成となっている。これに対し、図10に示される貨幣処理機状態判定システム2では、貨幣処理機300とモデル管理装置400とが可搬記憶媒体910を介してデータのやり取りを行う、いわゆるオフラインの構成となっている。そのために、貨幣処理機300は貨幣処理側IF部310を備え、モデル管理装置400は、サーバ側IF部410を備えている。
可搬記憶媒体910は、持ち運び可能な記憶媒体であり、貨幣処理機300とモデル管理装置400との間のデータのやり取りを仲介する。可搬記憶媒体910は、貨幣処理機300に接続されてセンサデータ等のデータを書き込まれた後、モデル管理装置400に接続されて、貨幣処理機300に書き込まれたデータを読み出される。また、可搬記憶媒体910は、モデル管理装置400に接続されて学習済みモデル等のデータを書き込まれた後、貨幣処理機300に接続されて、モデル管理装置400に書き込まれたデータを読み出される。ここでいう接続は、データの入出力が可能な接続であればよい。例えば、可搬記憶媒体910が、貨幣処理機300またはモデル管理装置400のポートに差し込まれるなど、貨幣処理機300またはモデル管理装置400と物理的に接続されるようにしてもよい。あるいは、可搬記憶媒体910が、貨幣処理機300またはモデル管理装置400と近距離無線通信等によって通信接続するようにしてもよい。
可搬記憶媒体910は、例えばUSB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリであってもよいが、これに限定されない。
貨幣処理側IF部310およびサーバ側IF部410は、それぞれ、可搬記憶媒体910に対してデータの入出力を行う。例えば、可搬記憶媒体910がUSBフラッシュメモリである場合、貨幣処理側IF部310およびサーバ側IF部410は、それぞれ、USBポートを含んで構成される。
なお、貨幣処理機300が貨幣処理側IF部310に加えて貨幣処理側通信部110を備えていてもよい。モデル管理装置400がサーバ側IF部410に加えてサーバ側通信部210を備えていてもよい。また、図1の構成で、貨幣処理機100が貨幣処理側通信部110に加えて貨幣処理側IF部310を備えていてもよい。状態判定装置200がサーバ側通信部210に加えてサーバ側IF部410を備えていてもよい。
また、貨幣処理機状態判定システム1では状態判定装置200が出力部220を備え、状態判定装置200のサーバ側制御部290が状態判定部292および報知処理部293を備えているのに対し、貨幣処理機状態判定システム2では、貨幣処理機300が出力部220を備え、貨幣処理機300の貨幣処理側制御部390が状態判定部292および報知処理部293を備えている。また、貨幣処理側記憶部380は、図1の貨幣処理機100が備える各部に加えて学習済みモデル記憶部385を備えている。
貨幣処理機状態判定システム1では、状態判定装置200が貨幣処理機100の状態を判定して報知を行うのに対し、貨幣処理機状態判定システム2では、上記の構成により、貨幣処理機300自らが、貨幣処理機300の状態を判定して報知を行う。
貨幣処理機状態判定システム2では、モデル管理装置400がモデルの学習を行い、貨幣処理機300がモデルを用いた状態判定および報知を行う。そのために、モデル管理装置400の機械学習処理部291が生成または更新したモデルを可搬記憶媒体910が貨幣処理機300へ伝達する。貨幣処理機300では、学習済みモデル記憶部385が当該モデルを記憶する。状態判定部292は、学習済みモデル記憶部385からモデルを読み出して、貨幣処理機300の状態を判定する。
例えば、貨幣処理機300にエラーが発生して保守作業員が呼ばれたときに、保守作業員がモデル管理装置400から可搬記憶媒体910にコピーされた最新のモデルを持参して現場へ向かう。保守作業員は、現場で、可搬記憶媒体910にコピーされた最新のモデルを学習済みモデル記憶部385に書き込む(記憶させる)。
そのために、貨幣処理機300のセンサ情報記憶部181は、直近4日分のセンサデータを記憶しておき、貨幣処理機300にエラーが発生すると、エラー発生からその4日前までのデータを保持する。
貨幣処理機300の状態判定部292が行う処理は、図9を参照して説明した、状態判定装置200の状態判定部292が行う処理と同様である。なお、第2実施形態でもモデルの生成および更新はモデル管理装置400が行う。図9のステップS441で、モデル管理装置400の機械学習処理部491が、可搬記憶媒体910を介して貨幣処理機300から得られたセンサデータに基づいて追加学習を行うことで、モデルを更新する。更新されたモデルは可搬記憶媒体910を介して貨幣処理機300に伝達され、学習済みモデル記憶部385が当該モデルを記憶する。
第二実施形態で、貨幣処理部120は、センサを備えてセンサデータを取得する点で、貨幣処理機における貨幣の搬送に関するセンサデータを取得する取得部の例に該当する。学習済みモデル記憶部385は、貨幣処理機300における貨幣の搬送に関するセンサデータを入力値として貨幣処理機300の異常度合いを示す出力値を出力するモデルを記憶する記憶部の例に該当する。
また、第二実施形態では、貨幣処理機300が状態判定装置の例に該当し、貨幣処理機300自らの状態を判定する。
以上のように、貨幣処理部120は、貨幣処理機300における貨幣の搬送に関するセンサデータを取得する。学習済みモデル記憶部385は、貨幣処理機300における貨幣の搬送に関するセンサデータを入力値として貨幣処理機300の異常度合いを示す出力値を出力するモデルを記憶する。状態判定部292は、貨幣処理部120により取得されたセンサデータと学習済みモデル記憶部385に記憶されたモデルとを用いて、貨幣処理機300の状態を判定する。
このように状態判定部292がモデルを用いて貨幣処理機300の状態を判定することで、貨幣処理機300の状態を精度よく判定することができる。例えば、状態判定部292が機械学習によって得られたモデルを用いて貨幣処理機300の状態を判定することで、人間による判定では気付かないようなセンサデータと貨幣処理機300との関係に基づいて、貨幣処理機300の異常の傾向を検出できる可能性がある。
また、図10に示す構成では、貨幣処理機300を通信ネットワークに接続する必要がない点で、通信機能を有していない貨幣処理機にも容易に本発明を適用できる。
また、貨幣処理機300とモデル管理装置400とのデータのやり取りに通信ネットワークを使用しない点で、通信ネットワークの帯域を圧迫しない。
また、上記各実施形態では、貨幣処理機300とモデル管理装置400とを別装置として構成したが、貨幣処理機300がモデル管理装置400の各部を備える一体の装置として構成してもよい。
なお、貨幣処理側制御部190、サーバ側制御部290、貨幣処理側制御部390、および、サーバ側制御部490の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
1、2 貨幣処理機状態判定システム
100、300 貨幣処理機
110 貨幣処理側通信部
120 貨幣処理部
180、380 貨幣処理側記憶部
181 センサ情報記憶部
182 金種情報記憶部
183 エラー情報記憶部
184 保守情報記憶部
190、390 貨幣処理側制御部
200 状態判定装置
210 サーバ側通信部
220 出力部
280 サーバ側記憶部
281 モデル記憶部
290、490 サーバ側制御部
291 機械学習処理部
292 状態判定部
293 報知処理部
310 貨幣処理側IF部
385 学習済みモデル記憶部
400 モデル管理装置
410 サーバ側IF部
900 通信ネットワーク
910 可搬記憶媒体

Claims (9)

  1. 貨幣処理機における貨幣の搬送に関するセンサデータを取得する取得部と、
    前記貨幣処理機における貨幣の搬送に関するセンサデータを入力値として前記貨幣処理機の異常度合いを示す出力値を出力するモデルを記憶する記憶部と、
    前記取得部により取得されたセンサデータと前記記憶部に記憶されたモデルとを用いて、前記貨幣処理機の状態を判定する状態判定部と
    を備え
    前記記憶部は、貨幣の金種毎に前記モデルを記憶し、
    前記状態判定部は、貨幣の金種毎に異常の有無を判定する状態判定装置。
  2. 前記状態判定部は、前記貨幣の金種毎の前記モデルからの出力値をもとに複数の金種の貨幣全体について前記貨幣処理機の異常の有無を判定する、請求項に記載の状態判定装置。
  3. 貨幣処理機における貨幣の搬送に関するセンサデータを取得する取得部と、
    前記貨幣処理機における貨幣の搬送に関するセンサデータを入力値として前記貨幣処理機の異常度合いを示す出力値を出力するモデルを記憶する記憶部と、
    前記取得部により取得されたセンサデータと前記記憶部に記憶されたモデルとを用いて、前記貨幣処理機の状態を判定する状態判定部と、
    前記貨幣処理機でエラーが発生した場合、前記エラーが発生した貨幣処理機のセンサによる測定で得られたセンサデータのうち、エラー発生から過去の第1期間におけるセンサデータに基づく学習用データを異常時の学習用データとし、前記第1期間よりも過去の第2期間におけるセンサデータに基づく学習用データを正常時の学習用データとして機械学習を行うことで、前記モデルを更新する機械学習処理部
    を備える状態判定装置。
  4. 前記第1期間および前記第2期間の何れも、前記貨幣処理機における貨幣搬送枚数で特定される期間である、請求項3に記載の状態判定装置。
  5. 前記モデルを用いて前記貨幣処理機に対するメンテナンスを促す報知の要否を判定する報知処理部と、
    前記報知処理部が前記報知の必要ありと判定した場合、当該報知を出力する出力部と、 を備える請求項1ないし4のいずれか1項に記載の状態判定装置。
  6. 前記モデルを用いて前記貨幣処理機における異常の有無を判定する状態判定部を備え、 前記機械学習処理部は、前記貨幣処理機でエラーが発生し、かつ、前記状態判定部が前記貨幣処理機における異常無しと判定した場合に、前記モデルの更新を行う、
    請求項3または4に記載の状態判定装置。
  7. 貨幣処理機における貨幣の搬送に関するセンサデータを取得する取得部と、
    前記貨幣処理機における貨幣の搬送に関するセンサデータを入力値として前記貨幣処理機の異常度合いを示す出力値を出力するモデルを記憶する記憶部と、
    前記取得部により取得されたセンサデータと前記記憶部に記憶されたモデルとを用いて、前記貨幣処理機の状態を判定する状態判定部と
    を備え
    前記記憶部は、貨幣の金種毎に前記モデルを記憶し、
    前記状態判定部は、貨幣の金種毎に異常の有無を判定する貨幣処理機状態判定システム。
  8. 貨幣処理機の状態を判定する状態判定装置における状態判定方法であって、
    前記状態判定装置は、
    貨幣処理機における貨幣の搬送に関するセンサデータを取得する工程と、
    得られたセンサデータと、前記貨幣処理機における貨幣の搬送に関するセンサデータを入力値として前記貨幣処理機の異常度合いを示す出力値を出力する金種毎のモデルとを用いて、前記貨幣処理機の状態を金種毎に判定する工程と
    を含む状態判定方法。
  9. コンピュータに、
    貨幣処理機における貨幣の搬送に関するセンサデータを取得する工程と、
    得られたセンサデータと、前記貨幣処理機における貨幣の搬送に関するセンサデータを入力値として前記貨幣処理機の異常度合いを示す出力値を出力する金種毎のモデルとを用いて、前記貨幣処理機の状態を金種毎に判定する工程と
    を実行させるためのプログラム。
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