以下に、本発明の実施の形態にかかる表示データ生成装置、表示データ生成方法、および表示データ生成プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる表示データ生成装置の構成例を示す図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる表示データ生成装置1は、記憶部20と、処理部30とを備え、対象物の図面に3次元点データに基づく2次元点群を重畳した画像を表示装置2に表示する表示データを生成する。対象物は、例えば、トンネル、道路、橋、ガードレール、および水道管といった構造物である。
記憶部20には、対象物の3次元点群データ、軌跡データ、および図面データが記憶される。3次元点群データは、対象物を3次元点群で表すデータである。3次元点群は、複数の3次元点からなる集合である。3次元点群データには、複数の3次元点のデータが含まれており、各3次元点のデータには、3次元点の3次元における位置を示すデータが含まれる。
軌跡データは、対象物の延伸方向に沿った軌跡のデータである。かかる軌跡データは、例えば、対象物の延伸方向に沿った線のデータである。図面データは、正射投影で描画された対象物の2次元の図面のデータであり、例えば、設計図面のデータである。
処理部30は、データ取得部33と、点群データ生成部34と、表示データ生成部35と、表示データ出力部36とを備える。データ取得部33は、記憶部20から対象物の3次元点群データ、軌跡データ、および図面データを取得する。
点群データ生成部34は、データ取得部33によって取得された3次元点群データおよび軌跡データに基づいて、3次元点群データで示される3次元点群に含まれる複数の3次元点を軌跡に直交する直交平面に投影して得られる複数の2次元点を含む2次元点群のデータである2次元点群データを生成する。
図2は、実施の形態1にかかる対象物の3次元点群、軌跡、および直交平面との関係を示す図である。図2に示す例では、対象物の3次元点群60と、対象物の延伸方向に沿って延伸する軌跡61と、軌跡61に直交する直交平面62とが示されている。図2に示す例では、対象物はトンネルである。
なお、図2に示す軌跡61は、トンネル内部を延伸するが、トンネルの延伸方向に沿って延伸するものであればよく、トンネル外を延伸するものであってもよい。また、図2に示す例では、軌跡61が直線であるため、1つの直交平面62が示されているが、軌跡61が曲線である場合、軌跡61の延伸方向に直交平面62が設けられる。
表示データ生成部35は、データ取得部33によって取得された図面データと、点群データ生成部34によって生成された2次元点群データとに基づいて、対象物の図面に2次元点群を重畳した画像を表示装置2に表示する表示データを生成する。
表示データ出力部36は、表示データ生成部35によって生成された表示データを表示装置2へ出力する。表示装置2は、表示データ出力部36から取得した表示データに基づいて、対象物の図面に3次元点データに基づく2次元点群を重畳した画像を表示することができる。なお、表示装置2は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)またはOEL(Organic Electro-Luminescence)を含む。
図3は、実施の形態1にかかる対象物の図面に2次元点群を重畳した画像の例を示す図である。図3に示すように、対象物の図面71に2次元点群72が重畳された画像70が表示装置2に表示される。そのため、図面71と2次元点群72との差異を確認することで、例えば、実際の対象物が図面71通りに施工されているかを把握したり、対象物が経年劣化などによって生じた変状を把握したりすることができる。これにより、例えば、対象物の点検作業の時間とコストを削減することもできる。
以下、実施の形態1にかかる表示データ生成装置の構成についてさらに詳細に説明する。図4は、実施の形態1にかかる表示データ生成装置の詳細構成の一例を示す図である。図4に示すように、実施の形態1にかかる表示データ生成装置1は、通信部10と、記憶部20と、処理部30とを備える。
通信部10は、例えば、無線LAN(Local Area Network)通信、WAN(Wide Area Network)通信、または携帯電話通信などによって、ネットワーク7を介して3次元点群計測装置4と通信可能に接続される。ネットワーク7は、例えば、インターネットである。
記憶部20は、3次元点群データベース21と、図面データベース22と、軌跡データベース23とを備える。3次元点群データベース21は、3次元点群計測装置4によって計測日時毎に得られる対象物5の3次元点群データが含まれる。3次元点のデータには、3次元点の3次元における位置を示すデータとして、例えば、3次元点のXYZ軸座標系における座標を示すデータが含まれる。
3次元点群計測装置4は、撮像装置によって得られる対象物5の撮像データまたはレーザスキャナ装置によって得られる計測データから3次元点群データを生成する。例えば、3次元点群計測装置4は、対象物5の表面との間をレーザパルスが往復する時間および波長の位相差を計測し且つレーザパルスが発射した方向を計測することによって対象物5の形状を検出し、検出した形状を上述した3次元点群60のデータである3次元点群データとして出力する。なお、図4では、対象物5を1つ示しているが、3次元点群計測装置4は、複数の対象物5の各々を計測し、かかる計測結果に基づく3次元点群データを出力することができる。
図5は、実施の形態1にかかる3次元点群データベースのデータテーブルの一例を示す図である。図5に示すように、3次元点群データベース21のデータテーブルには、「対象物ID(Identifier)」、「点群ID」、「計測日時」、および「3次元点群データ」が互いに関連付けられたデータが含まれる。
「対象物ID」は、各対象物5に固有の識別情報である。「点群ID」は、各3次元点群データに固有の識別情報である。「計測日時」は、3次元点群データを得るために3次元点群計測装置4によって対象物5が計測された日時である。「3次元点群データ」は、3次元点群計測装置4によって得られる3次元点群データである。
図5に示す例では、対象物ID「O001」の3次元点群データとして、3次元点群データDT1,DT2,DT3,DT4,DT5が含まれ、対象物ID「O002」の3次元点群データとして、3次元点群データDT6,DT7などが含まれていることを示している。例えば、3次元点群データDT1は、2014年2月1日に3次元点群計測装置4によって計測された3次元点群60のデータであり、3次元点群データDT2は、2015年2月12日に3次元点群計測装置4によって計測された3次元点群60のデータである。以下、3次元点群データDT1,DT2,DT3,DT4,DT5,DT6,DT7の各々を個別に区別せずに示す場合、3次元点群データDTと記載する場合がある。
このように、3次元点群データベース21には、3次元点群計測装置4によって計測日時毎に得られる3次元点群データDTが含まれるが、3次元点群データベース21に含まれる3次元点群データDTは、3次元点群計測装置4以外の装置によって生成されてもよい。
図4に戻って、記憶部20に記憶される図面データベース22について説明する。図面データベース22は、各対象物5の図面71のデータが含まれる。対象物5の図面71は、正射投影で描画された対象物5の2次元の設計図面のデータである。対象物5の図面71には、例えば、対象物5の形状を示す図に加え、対象物5の各部の寸法などを示す情報が含まれる。対象物5の図面71は、対象物5がトンネルである場合、例えば、トンネルの断面形状を含む図である。また、対象物5の図面71は、対象物5が下水管である場合、下水管の断面形状を含む図である。
図6は、実施の形態1にかかる図面データベースのデータテーブルの一例を示す図である。図6に示すように、図面データベース22のデータテーブルには、「対象物ID」および「図面データ」が互いに関連付けられたデータが含まれる。「対象物ID」は、図5に示す対象物IDと同じである。「図面データ」は、対象物5の図面データである。
図6に示す例では、対象物ID「O001」の図面データとして、図面データDF1が含まれ、対象物ID「O002」の図面データとして、図面データDF2が含まれていることを示している。以下、図面データDF1,DF2の各々を個別に区別せずに示す場合、図面データDFと記載する。
図4に戻って、記憶部20に記憶される軌跡データベース23について説明する。軌跡データベース23は、各対象物5の軌跡61のデータである軌跡データが含まれる。軌跡データは、対象物5の延伸方向に沿って延伸する線のデータである。なお、軌跡データベース23に含まれる軌跡データは、対象物5の延伸方向に沿った線のデータに代えて、対象物5の延伸方向に沿って配列された複数の3次元点のデータと、これらの3次元点のそれぞれに対応付けられた方向ベクトルのデータとを含むデータであってもよい。かかる方向ベクトルは、例えば、3次元点を通る軌跡61の方向を示すデータである。
図7は、実施の形態1にかかる軌跡データベースのデータテーブルの一例を示す図である。図7に示すように、軌跡データベース23のデータテーブルには、「対象物ID」および「軌跡データ」が互いに関連付けられたデータが含まれる。「対象物ID」は、図5に示す対象物IDと同じである。「軌跡データ」は、対象物5の軌跡データである。
図7に示す例では、対象物ID「O001」の軌跡データとして、軌跡データDL1が含まれ、対象物ID「O002」の軌跡データとして、軌跡データDL2が含まれていることを示している。以下、軌跡データDL1,DL2の各々を個別に区別せずに示す場合、軌跡データDLと記載する。
なお、処理部30は、3次元点群データDTに基づいて軌跡データDLを生成する軌跡データ生成部としての機能を備えることもできる。例えば、対象物5がトンネルである場合、処理部30は、3次元点群データDTに基づき、3次元点群60で表されるトンネルの幅の中間位置をトンネルの入口から出口まで結ぶ線を軌跡61として特定することができる。なお、処理部30は、予め設定された計算モデルを用いて、3次元点群データDTに基づいて、軌跡データDLを生成することもできる。
図4に戻って、処理部30について説明する。図4に示すように、処理部30は、記憶処理部31と、受付部32と、データ取得部33と、点群データ生成部34と、表示データ生成部35と、表示データ出力部36とを備える。
記憶処理部31は、3次元点群計測装置4からネットワーク7を介して通信部10で受信される計測データを記憶部20の3次元点群データベース21に追加する。3次元点群計測装置4からの計測データには、対象物ID、計測日時データ、および3次元点群データDTが含まれており、記憶処理部31は、3次元点群計測装置4から取得した計測データに新たな点群IDを関連付けて3次元点群データベース21に追加する。また、記憶処理部31は、不図示の装置からネットワーク7および通信部10を介して図面データDFおよび軌跡データDLを取得することもできる。
受付部32は、利用者による入力装置3への種々の操作を受け付けることができる。例えば、受付部32は、入力装置3への利用者の操作として、対象物5の図面への点群の重畳を要求する操作である点群重畳操作を受け付けることができる。また、受付部32は、入力装置3への利用者の操作として、2次元点群を構成する2つの2次元点間の距離の表示を要求する操作である距離表示要求操作を受け付けることができる。また、受付部32は、計測日時が異なる複数の3次元点群60を図面に表示する操作である対象点群指定操作を受け付けることができる。
また、受付部32は、入力装置3への利用者の操作として、点群の表示態様を指定する操作である表示態様指定操作を受け付けることができる。なお、点群の表示態様には、例えば、点群の濃淡に応じた着色が行われる第1表示態様、および図面と点群との位置ずれに応じた強調表示が行われる第2表示態様などがある。受付部32は、入力装置3への利用者の操作として、2次元群との位置ずれを比較する図面上の対象物5の形状を示す線を比較対象の線として指定する操作である比較対象指定操作を受け付けることができる。
データ取得部33は、受付部32によって点群重畳操作が受け付けられている場合、点群重畳操作で指定された対象物IDのデータに関連付けられた3次元点群データDT、図面データDF、および軌跡データDLを記憶部20から取得する。なお、データ取得部33は、点群重畳操作によって複数の点群IDが指定されている場合、指定された複数の点群IDに関連付けられた複数の3次元点群データDTを記憶部20から取得する。
点群データ生成部34は、データ取得部33によって取得された3次元点群データDTおよび軌跡データDLに基づいて、2次元点群データDXを生成する。2次元点群データDXは、3次元点群データDTで示される3次元点群60に含まれる複数の3次元点を軌跡61に直交する直交平面に投影して得られる複数の2次元点を含む2次元点群のデータである。
かかる点群データ生成部34は、軌跡標本化部41と、直交平面演算部42と、3次元点抽出部43と、投影点演算部44と、データ生成部45とを備える。
軌跡標本化部41は、データ取得部33によって取得された軌跡データDLを標本化処理して対象物5の延伸方向に沿った複数の3次元点を生成する。図8は、実施の形態1にかかる表示データ生成装置による標本化処理を説明するための図である。なお、以下に説明する図8を含む複数の図面には、説明を分かりやすくするために、鉛直上向きを正方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。
図8に示す例では、軌跡標本化部41による標本化処理によって、軌跡データDLで示される軌跡61を通る複数の3次元点PL1~PL9のデータが生成される。図8に示す例では、理解を容易にするために、対象物5の3次元点群60に含まれる複数の3次元点のうち対象物5の延伸方向に沿った3次元点を示しており、一部の3次元点は図示されていない。以下において、3次元点PL1~PL9の各々を個別に区別せずに示す場合、3次元点PLと記載する場合がある。3次元点PLのデータには、3次元点PLの3次元の位置を示すデータと、3次元点PLの方向ベクトルのデータとが含まれる。方向ベクトルは、3次元点PLを通る軌跡61の方向を示すデータである。
軌跡標本化部41による標本化間隔は、軌跡61の状態に応じて変更される。例えば、軌跡標本化部41は、軌跡61のうち曲率が大きい部分ほど標本化間隔を小さくすることができる。また、軌跡標本化部41による標本化処理によって生成されるデータと軌跡データDLが同じ形式のデータである場合、軌跡標本化部41による標本化処理は行われない。なお、軌跡標本化部41による標本化間隔は、等間隔であってもよい。
図4に示す直交平面演算部42は、軌跡標本化部41によって生成された複数の3次元点PLのうち各々対応する3次元点PLを含み軌跡61に直交する複数の直交平面を演算する。図9は、実施の形態1にかかる表示データ生成装置によって演算される直交平面を説明するための図である。
図9に示す例では、複数の3次元点PL1~PL9のうち各々対応する3次元点PLを含み軌跡61に直交する複数の直交平面621~629が直交平面演算部42によって演算されている。以下、複数の直交平面621~629の各々を個別に区別せずに示す場合、直交平面62と記載する。
上述したように、3次元点PLのデータには、3次元点PLの3次元の位置を示すデータと、3次元点PLの方向ベクトルのデータとが含まれている。直交平面演算部42は、3次元点PLの3次元の位置を含み且つ3次元点PLの方向ベクトルに直交する平面を直交平面62として演算する。例えば、直交平面演算部42は、3次元点PL1の3次元の位置を含み且つ3次元点PL1の方向ベクトルに直交する平面を直交平面621として演算する。
図4に示す3次元点抽出部43は、データ取得部33によって取得された3次元点群データDTで示される3次元点群60に含まれる複数の3次元点PLのうち複数の直交平面62のいずれかから予め設定された距離Dth内にある3次元点を複数の直交平面62の各々について抽出する。図10は、実施の形態1にかかる表示データ生成装置による3次元点の抽出処理を説明するための図である。なお、図10は、説明を分かりやすくするために、Z軸方向から見た場合の、複数の3次元点PL1~PL9および複数の直交平面621~629を示している。
図10に示すように、3次元点抽出部43は、対象物5の3次元点群60を構成する複数の3次元点のうち複数の直交平面621~629のいずれかから予め設定された距離Dth内にある3次元点を複数の直交平面621~629の各々について抽出する。
図4に示す投影点演算部44は、3次元点抽出部43によって抽出された3次元点を複数の直交平面621~629のうち対応する直交平面62に投影して得られる投影点を演算する。図11は、実施の形態1にかかる表示データ生成装置によって演算される投影点を説明するための図である。
図11では、一つの直交平面62に対して、3次元点抽出部43によって抽出された3次元点が3次元点PA1~PA9である場合の例を示している。すなわち、3次元点PA1~PA9は、対象物5の3次元点群60を構成する複数の3次元点のうち一つの直交平面62に対して距離Dth以内にある3次元点である。
図11に示す例においては、投影点演算部44は、3次元点PA1~PA9を直交平面62に投影して得られる投影点PB1~PB9を演算する。3次元点PA1~PA9の直交平面62への投影は、3次元点PA1~PA9を直交平面62と直交する方向に直交平面62へ投影することによって行われる。
例えば、投影点PB1は、3次元点PA1を直交平面62と直交する方向に直交平面62へ投影して得られる。また、投影点PB2は、3次元点PA2を直交平面62と直交する方向に直交平面62へ投影して得られる。以下、投影点PB1~PB9の各々を個別に区別せずに示す場合、投影点PBと記載する場合がある。
図4に示すデータ生成部45は、投影点演算部44によって複数の直交平面62に投影して得られる複数の投影点PBを複数の直交平面62を重ね合わせることで一つの平面上に配置させた2次元点群のデータである2次元点群データDXを生成する。図12は、実施の形態1にかかる表示データ生成装置によって生成される2次元点群データを説明するための図である。
図12では、各直交平面62に投影された複数の投影点PBを含む投影点群PGBが示されている。図12に示すように、データ生成部45は、複数の直交平面621~629を重ね合わせることで、複数の投影点PBを一つの平面64上に配置させて得られる2次元点群72のデータである2次元点群データDXを生成する。
このように、点群データ生成部34は、データ取得部33によって取得された3次元点群データDTおよび軌跡データDLに基づいて、3次元点群データDTで示される3次元点群60に含まれる複数の3次元点を軌跡61に直交する直交平面62に投影して得られる複数の2次元点を含む2次元点群72のデータである2次元点群データDXを生成することができる。点群データ生成部34は、生成した2次元点群データDXを表示データ生成部35へ出力する。
次に、表示データ生成部35の構成について説明する。図4に示すように、表示データ生成部35は、データ生成部51と、密集度演算部52と、位置ずれ判定部53と、距離演算部54と、差分演算部55とを備える。
データ生成部51は、データ取得部33によって取得された図面データDFと、点群データ生成部34によって生成された2次元点群データDXとに基づいて、図面71に2次元点群72を重畳した画像を表示装置2に表示する表示データDWを生成する。
図13は、実施の形態1にかかる表示データ生成装置によって生成された表示データによって表示装置に表示される画像の一例を示す図である。図13に示すように、表示装置2には、表示データ生成装置1からの表示データDWによって、対象物5の図面71に2次元点群72が重畳された画像70が表示される。そのため、図面71と2次元点群72との差異を確認することで、図面71と実際の対象物5との差を容易に把握することができる。
データ生成部51は、図面データDFに含まれる寸法を示す情報に基づいて、図面で示される対象物5の寸法を特定し、図面71で示される対象物5の寸法を調整することができる。2次元点群データDXには、3次元点群計測装置4によって計測された実測値の情報が含まれており、図面71で示される対象物5の寸法または2次元点群72の寸法を調整することで、図面71で示される対象物5と2次元点群72で示される対象物5との寸法を合わせることができる。
そして、データ生成部51は、図面71と2次元点群72との位置合わせを、図面71に設定された不図示の基準位置と軌跡データDLで示される軌跡61とに基づいて行うことができる。例えば、軌跡61が対象物5の幅方向の中心に設定されている場合、図面71には軌跡61を通る位置に基準位置が設定される。
また、データ生成部51は、図面71から対象物5の形状を示す線を抽出する抽出処理と、図面71で示される対象物5の形状を示す線と2次元点群72との位置合わせを行う位置合わせ処理を行うこともできる。この場合、データ生成部51は、例えば、対象物5の形状パターンを複数含むテンプレートを用いて対象物5の形状を示す線を抽出する抽出処理を行うことができる。また、データ生成部51は、DNN(Deep Neural Network)などの機械学習器によって生成された計算モデルによって、対象物5の形状を示す線を抽出する抽出処理を行うことができる。
この場合も、データ生成部51は、図面データDFに含まれる寸法を示す情報に基づいて、抽出処理で抽出した対象物5の寸法または2次元点群72の寸法を調整する。データ生成部51は、2次元点群72および位置を変更しながら、抽出処理で抽出した対象物5の形状を示す線と最も一致する可能性が高い位置に2次元点群72を配置する位置合わせ処理を行うことができる。なお、データ生成部51による図面71と2次元点群72との位置合わせ処理は上述した処理に限定されない。
次に、表示態様指定操作によって表示データ生成装置1により生成される表示データDWについて説明する。データ生成部51は、受付部32によって第1表示態様を指定する表示態様指定操作を含む点群重畳操作が受け付けられた場合、密集度演算部52によって演算された密集度に基づいて、2次元点群72に含まれる各2次元点の色を変更することができる。
密集度演算部52は、2次元点群データDXに基づいて、2次元点群72に含まれる各2次元点が位置する領域の密集度を演算することができる。例えば、密集度演算部52は、2次元点群72が存在する領域を予め設定された複数の領域に分割し、分割された領域である分割領域毎に存在する2次元点の数を、各2次元点が位置する領域の密集度として演算することができる。
図14は、実施の形態1にかかる表示データ生成装置によって生成された表示データによって表示装置に表示される画像の他の例を示す図である。図14に示す例では、データ生成部51は、密集度が高い領域の2次元点と、密集度が低い領域の2次元点と、密集度が中間の領域の2次元点とにそれぞれ異なる色を設定している。例えば、データ生成部51は、15個以上の2次元点が存在する領域の2次元点を赤色に、5個以上15個未満の2次元点が存在する領域の2次元点を緑色に、4個以下の2次元点が存在する領域の2次元点を青色に各々設定することができる。
なお、図14に示す例では、2次元点の色は密集度に応じて3段階に分けられるが、データ生成部51は、2次元点の色を2段階または4段階以上に分けることもできる。また、データ生成部51は、属する領域の密集度が低い2次元点ほど色を濃くするなどの強調表示を行った表示データDWを生成することもできる。また、データ生成部51は、属する領域の密集度が高い2次元点ほど色を濃くするなどの強調表示を行った表示データDWを生成することもできる。
このように、密集度に応じた色で各2次元点が表示装置2によって表示されることから、表示データ生成装置1の利用者は、図面71と2次元点群72とのずれを容易に把握することができ、図面71と実際の対象物5との差をより容易に把握することができる。
また、データ生成部51は、受付部32によって第2表示態様を指定する表示態様指定操作を含む点群重畳操作が受け付けられた場合、位置ずれ判定部53によって判定された図面71における対象物5の形状を示す線と各2次元点との位置ずれに基づいて、位置ずれが予め設定された条件を満たす2次元点が表示装置2で強調表示されるデータを含む表示データDWを生成する。
位置ずれ判定部53は、図面データDFと2次元点群データDXとに基づいて、2次元点群データDXで示される2次元点群72に含まれる各2次元点と図面71における対象物5の形状を示す線との位置ずれを判定する。データ生成部51は、位置ずれ判定部53によって判定された位置ずれが予め設定された条件を満たす2次元点が表示装置2で強調表示されるデータを含む表示データDWを生成する。例えば、データ生成部51は、位置ずれ判定部53によって判定された位置ずれの大きさを3段階に分け、各2次元点を位置ずれの大きさ毎に色分けする処理を行うことができる。
図15は、実施の形態1にかかる表示データ生成装置によって生成された表示データによって表示装置に表示される画像の他の例を示す図である。図15に示す例では、データ生成部51は、位置ずれが小さい領域と、位置ずれが大きい領域と、位置ずれが中間の領域とにそれぞれ異なる色を設定している。例えば、データ生成部51は、位置ずれが大きい領域の2次元点を濃い赤色に、位置ずれが中間の領域の2次元点を薄い赤色に、位置ずれが小さい領域の2次元点を白色に各々設定することができる。これにより、位置ずれが大きい2次元点ほど表示装置2で強調表示されるデータを含む表示データDWを生成することができる。
なお、図15に示す例では、2次元点の色は位置ずれに応じて3段階に分けられるが、データ生成部51は、2次元点の色を2段階または4段階以上に分けることもできる。また、データ生成部51は、位置ずれが大きい2次元点ほど色を濃くするなどの強調表示を行った表示データDWを生成することもできる。また、データ生成部51は、位置ずれが小さい2次元点ほど色を濃くするなどの強調表示を行った表示データDWを生成することもできる。
このように、データ生成部51は、位置ずれに応じた色で各2次元点を表示装置2に表示する表示データDWを生成することから、表示データ生成装置1の利用者は、図面71と2次元点群72とのずれを容易に把握することができ、図面71と実際の対象物5との差をより容易に把握することができる。
また、データ生成部51は、図面71における対象物5の形状を示す線との位置ずれが予め設定された範囲を超える2次元点が単位面積当り予め設定された数以上ある領域である位置ずれ領域があるか否かを判定することができる。この場合、データ生成部51は、位置ずれ領域があると判定した場合、位置ずれ領域を強調表示した画像を表示装置2に表示する表示データDWを生成することができる。
図16は、実施の形態1にかかる表示データ生成装置によって生成された表示データによって表示装置に表示される画像の他の例を示す図である。図16に示す例では、データ生成部51は、図15に示す状態に加え、位置ずれ領域であると判定した領域を囲む枠74と、利用者に注意を喚起するためのマーク75とを含む画像70を表示装置2に表示する表示データDWを生成する。
なお、位置ずれ判定部53は、図面データDFに基づいて、図面71における対象物5の形状を示す線を、対象物5の形状パターンを複数含むテンプレートを用いて抽出することができる。また、位置ずれ判定部53は、図面データDFに基づいて、DNNなどの機械学習器によって生成された計算モデルによって、対象物5の形状を示す線を抽出することもできる。位置ずれ判定部53は、図面データDFに基づいて抽出した対象物5の形状を示す線と2次元点群72に含まれる各2次元点との位置ずれを判定することができる。
また、位置ずれ判定部53は、比較対象指定操作が受付部32によって受け付けられた場合、比較対象指定操作で指定された比較対象の線である対象物5の形状の一部を示す線と2次元点群72に含まれる各2次元点との位置ずれを判定することもできる。
このように、データ生成部51は、位置ずれが大きい領域を強調表示する画像を表示装置2に表示する表示データDWを生成することから、表示データ生成装置1の利用者は、図面71と2次元点群72とのずれを容易に把握することができ、図面71と実際の対象物5との差をより容易に把握することができる。
次に、距離表示要求操作によって表示データ生成装置1により生成される表示データDWについて説明する。図4に示す距離演算部54は、受付部32によって距離表示要求操作が受け付けられた場合、距離表示要求操作によって選択された2つの2次元点間の距離を演算することができる。
データ生成部51は、受付部32によって距離表示要求操作が受け付けられた場合、距離演算部54によって演算された2点間の距離を示す情報を表示装置2に表示するデータを含む表示データDWを生成することができる。かかる表示データDWによって、表示装置2は、距離表示要求操作によって選択された2つの2次元点間の距離、または距離表示要求操作によって選択された2つの2次元点に対応する2つの3次元点間の距離を示す情報を表示することができる。
図17は、実施の形態1にかかる表示データ生成装置によって生成された表示データによって表示装置に表示される画像の他の例を示す図である。図17に示す例では、データ生成部51は、図15に示す状態に加え、距離表示要求操作によって選択された2つの2次元点76,77間の距離を示す文字78を含む画像70を表示装置2に表示する表示データDWを生成する。なお、図17に示す例では、距離表示要求操作によって選択された2つの2次元点76,77が他の2次元点よりも大きく表示されるが、2次元点76,77は他の2次元点と同じ大きさであってもよい。
なお、受付部32によって受け付けられる距離表示要求操作は、入力装置3に含まれるマウスへの操作によって行われるが、受付部32は、トラックボール、スタイラスペン、またはタッチパネルなどの他のポインティングデバイスを入力装置3として距離表示要求操作を受け付けることもできる。
また、距離演算部54は、受付部32によって距離表示要求操作が受け付けられた場合、3次元点群60を構成する複数の3次元点のうち、距離表示要求操作によって選択された2つの2次元点に対応する2つの3次元点間の距離を演算することができる。この場合、データ生成部51は、距離表示要求操作によって選択された2つの2次元点に対応する2つの3次元点間の距離を示す情報を表示することができる。距離表示要求操作によって選択された2次元点に対応する3次元点は、2次元点に変換される前の3次元点であり、2次元点の投影前の3次元点である。距離演算部54は、点群データ生成部34から2次元点に対応する3次元点の情報を取得することができる。
このように、データ生成部51は、距離表示要求操作によって選択された2つの2次元点間の距離を示す情報、または距離表示要求操作によって選択された2つの2次元点に対応する2つの3次元点間の距離を示す情報を表示装置2に表示する表示データDWを生成することができる。そのため、表示データ生成装置1の利用者は対象物5が存在する場所に行くことなく、対象物5のうち所望する箇所の測定を行うことができる。
なお、受付部32は、軌跡61の延伸方向に沿った方向で互いの距離が予め設定された閾値Dth1以上閾値Dth2未満である2つの3次元点に対応する2つの2次元点の選択に限り距離表示要求操作として受け付けることもできる。これにより、データ生成部51は、対象物5の延伸方向に互いの距離が閾値Dth1以上閾値Dth2未満の位置にある2つの3次元点の距離を示す情報を含む画像70を表示装置2に表示する表示データDWを生成することができる。なお、受付部32は、入力装置3から閾値Dth1,Dth2の設定操作を受け付けることができる。これにより、利用者によって閾値Dth1,Dth2を設定することができる。
次に、比較対象指定操作によって表示データ生成装置1により生成される表示データDWについて説明する。データ取得部33は、受付部32によって対象点群指定操作を含む点群重畳操作が受け付けられた場合、対象点群指定操作で指定される複数の3次元点群60の点群IDに対応する3次元点群データDTを記憶部20から取得する。
例えば、3次元点群データベース21が図5に示す状態であり、且つ対象点群指定操作で指定される複数の3次元点群60の点群IDが「G004」,「G005」であるとする。この場合、データ取得部33は、記憶部20から3次元点群データDT4,DT5を取得する。点群データ生成部34は、3次元点群データDT4,DT5に基づいて、点群ID「G004」の3次元点群60に対応する2次元点群72のデータを含む2次元点群データDXと、点群ID「G005」の3次元点群60に対応する2次元点群72のデータを含む2次元点群データDXとを生成する。以下、点群ID「G004」の3次元点群60に対応する2次元点群72を2次元点群72aと記載し、点群ID「G005」の3次元点群60に対応する2次元点群72を2次元点群72bと記載する。
差分演算部55は、2次元点群72aと2次元点群72bとの差分を演算する。データ生成部51は、2次元点群72a,72bを図面71に重畳し且つ2次元点群72aと2次元点群72bとの差分の部分を表示装置2で強調表示する表示データDWを生成する。
図18は、実施の形態1にかかる表示データ生成装置によって生成された表示データによって表示装置に表示される画像の他の例を示す図である。図18に示す例では、データ生成部51は、図面71に2つの2次元点群72a,72bを重畳し、且つ2次元点群72aと2次元点群72bとの差分がある領域を囲む枠81と、利用者に注意を喚起するためのマーク82とを含む画像70を表示装置2に表示する表示データDWを生成する。枠81によって、計測日時の異なる2つの2次元点群間の差分が強調表示されるため、例えば、対象物5のうち経年変化が生じている部分を容易に把握することができる。
また、これらの2次元点群72a,72bは互いに異なる色で表示される。このように、異なる計測日時で得られる複数の3次元点群60を用いて生成される複数の2次元点群72a,72bが図面71に重畳されるため、対象物5の経年劣化による変位などを把握することができる。
データ生成部51は、計測日時の異なる2つの2次元点群72a,72b間の差分が予め設定された条件を満たす場合に、図18に示す差分がある領域を囲む枠81を表示することができる。例えば、データ生成部51は、変位量が予め設定された量を超える2次元点の数が予め設定された数以上の領域がある場合、かかる領域を強調表示することができる。
また、データ生成部51は、差分演算部55によって演算された2つの2次元点群72a,72b間の差分の領域を着色または色の濃さを変えることで、計測日時の異なる2つの2次元点群72a,72b間の差分を強調表示することができる。
つづいて、表示データ生成装置1の動作を、フローチャートを用いて説明する。図19は、実施の形態1にかかる表示データ生成装置の第1表示データ生成処理の一例を示すフローチャートである。
図19に示すように、表示データ生成装置1の処理部30は、入力装置3への点群重畳操作を受け付けた場合、データ取得処理を行う(ステップS10)。かかるステップS10の処理において、処理部30は、点群重畳操作で指定された対象物5の3次元点群データDT、軌跡データDL、および図面データDFを記憶部20から取得する。
処理部30は、ステップS10で取得した3次元点群データDTおよび軌跡データDLに基づいて、2次元点群データDXの生成処理を行う(ステップS11)。かかるステップS11の処理は、図20に示すステップS20~S23の処理であり、後で詳述する。
処理部30は、ステップS10で取得した図面データDFとステップS11で生成した2次元点群データDXとに表示データDWの生成処理を行う(ステップS12)。かかるステップS12の処理において、処理部30は、2次元点群72を図面71に重畳した画像70を表示装置2に表示する表示データDWを生成する。
処理部30は、ステップS12で生成した表示データDWを表示装置2へ出力し(ステップS13)、図19に示す処理を終了する。これにより、表示装置2において2次元点群72が重畳された図面71の画像が表示される。
図20は、実施の形態1にかかる表示データ生成装置の2次元点群データの生成処理の一例を示すフローチャートである。図20に示すように、処理部30は、まず、軌跡標本化処理を行う(ステップS20)。かかるステップS20の処理において、処理部30は、対象物5の延伸方向に沿った軌跡61を標本化して対象物5の延伸方向に沿った複数の3次元点を生成する。
処理部30は、直交平面演算処理を行う(ステップS21)。かかるステップS21の処理において、処理部30は、ステップS20で生成した複数の3次元点のうち各々対応する3次元点を含み軌跡61に直交する複数の直交平面62を演算する。
処理部30は、3次元点投影処理を行う(ステップS22)。かかるステップS22の処理において、処理部30は、図19に示すステップS10で取得された3次元点群データDTで示される3次元点群60に含まれる複数の3次元点のうち複数の直交平面のいずれかから予め設定された距離内にある3次元点を複数の直交平面の各々について抽出する。
処理部30は、重ね合わせ処理を行う(ステップS23)。かかるステップS23の処理において、処理部30は、複数の直交平面に投影して得られる複数の投影点を複数の直交平面62を重ね合わせることで一つの平面上に配置させた2次元点群72のデータである2次元点群データDXを生成する。処理部30は、ステップS23の処理を終了すると、図20に示す処理を終了する。
続いて、表示データ生成装置1が行う第2表示データ生成処理を説明する。図21は、実施の形態1にかかる表示データ生成装置の第2表示データ生成処理の一例を示すフローチャートである。なお、図21のステップS30,S31の処理は、図19に示すステップS10,S11の処理と同じであるため、説明を省略する。第2表示データ生成処理は、例えば、第1表示態様の表示態様指定操作を含む点群重畳操作を受け付けた場合に実行される。
図21に示すように、処理部30は、密集度の演算処理を行う(ステップS32)。かかるステップS32の処理において、ステップS31で生成した2次元点群データDXに基づいて、2次元点群72に含まれる各2次元点が位置する領域の密集度を演算する。
そして、処理部30は、ステップS32で演算した密集度に応じた色分け処理を行う(ステップS33)。かかる色分け処理において、処理部30は、図面71に重畳する2次元点群72に含まれる各2次元点を密集度に応じた色に設定する。処理部30は、各2次元点を密集度に応じた色で表した2次元点群72を図面71に重畳した画像70を表示装置2に表示する表示データDWを生成する表示データ生成処理を行う(ステップS34)。処理部30は、ステップS34で生成した表示データDWを表示装置2へ出力する表示データ出力処理を行う(ステップS35)。処理部30は、ステップS35の処理を終了すると、図21に示す処理を終了する。
続いて、表示データ生成装置1が行う第3表示データ生成処理を説明する。図22は、実施の形態1にかかる表示データ生成装置の第3表示データ生成処理の一例を示すフローチャートである。なお、図22のステップS40,S41の処理は、図19に示すステップS10,S11の処理と同じであるため、説明を省略する。第3表示データ生成処理は、例えば、第2表示態様の表示態様指定操作を含む点群重畳操作を受け付けた場合に実行される。
図22に示すように、処理部30は、位置ずれ判定処理を行う(ステップS42)。かかるステップS42の処理において、処理部30は、ステップS40で取得した図面データDFとステップS41で生成した2次元点群データDXとに基づいて、図面71と2次元点群72との位置ずれを判定する。
そして、処理部30は、ステップS42で演算した位置ずれに応じた強調処理を行う(ステップS43)。かかる強調処理において、処理部30は、例えば、図面71と2次元点群72との位置ずれが予め設定された条件を満たす場合、位置ずれが生じている部分を強調表示する情報である強調表示情報を生成する。処理部30は、図面71と2次元点群72との位置ずれが予め設定された条件を満たす部分を強調した状態で2次元点群72を図面71に重畳した画像70を表示装置2に表示する表示データDWを生成する表示データ生成処理を行う(ステップS44)。処理部30は、ステップS44で生成した表示データDWを表示装置2へ出力する表示データ出力処理を行う(ステップS45)。処理部30は、ステップS45の処理を終了すると、図22に示す処理を終了する。
続いて、表示データ生成装置1が行う第4表示データ生成処理を説明する。図23は、実施の形態1にかかる表示データ生成装置の第4表示データ生成処理の一例を示すフローチャートである。なお、図23のステップS50,S51の処理は、図19に示すステップS10,S11の処理と同じであるため、説明を省略する。第4表示データ生成処理は、例えば、距離表示要求操作を含む点群重畳操作を受け付けた場合に実行される。
図23に示すように、処理部30は、距離表示要求操作によって選択された2つの2次元点間の距離の演算処理を行う(ステップS52)。また、処理部30は、ステップS52の処理において、2次元点間の距離の演算に代えて、距離表示要求操作によって選択された2つの2次元点に対応する2つの3次元点間の距離を演算することもできる。
そして、処理部30は、ステップS52で演算した距離を示す情報を生成する(ステップS53)。処理部30は、2次元点群72を図面71に重畳した画像に、ステップS53で生成した距離を示す情報を追加した画像70を表示装置2に表示する表示データDWを生成する表示データ生成処理を行う(ステップS54)。処理部30は、ステップS54で生成した表示データDWを表示装置2へ出力する表示データ出力処理を行う(ステップS55)。処理部30は、ステップS55の処理を終了すると、図23に示す処理を終了する。
続いて、表示データ生成装置1が行う第5表示データ生成処理を説明する。図24は、実施の形態1にかかる表示データ生成装置の第5表示データ生成処理の一例を示すフローチャートである。第5表示データ生成処理は、例えば、対象点群指定操作を含む点群重畳操作を受け付けた場合に実行される。
図24に示すように、処理部30は、対象点群指定操作で指定された複数の点群IDに関連付けられた3次元点群データDT、軌跡データDL、および図面データDFを取得するデータ取得処理を行う(ステップS60)。そして、処理部30は、2次元点群データDXの生成処理を行う(ステップS61)。かかるステップS61の処理において、処理部30は、ステップS60で取得した3次元点群データDTおよび軌跡データDLに基づいて、2次元点群データDXを点群ID毎に生成する。
次に、処理部30は、ステップS61で生成された複数の2次元点群データDXに基づいて、点群間の差分演算処理を行う(ステップS62)。かかるステップS62の処理において、処理部30は、複数の2次元点群データDXで示される複数の2次元点群72間の差分を演算する。
処理部30は、ステップS62で演算した複数の2次元点群72間の差分を強調する強調処理を行う(ステップS63)。かかるステップS63の処理において、処理部30は、例えば、複数の2次元点群72間の差分の部分を強調する枠の情報を生成する。
そして、処理部30は、2次元点群72を図面71に重畳した画像に、ステップS63で生成した枠の情報を追加した画像70を表示装置2に表示する表示データDWを生成する表示データ生成処理を行う(ステップS64)。処理部30は、ステップS64で生成した表示データDWを表示装置2へ出力する表示データ出力処理を行う(ステップS65)。処理部30は、ステップS65の処理を終了すると、図24に示す処理を終了する。
図25は、実施の形態1にかかる表示データ生成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図25に示すように、表示データ生成装置1は、プロセッサ101と、メモリ102と、インタフェース回路103とを備えるコンピュータを含む。
プロセッサ101、メモリ102およびインタフェース回路103は、バス104によって互いにデータの送受信が可能である。通信部10は、インタフェース回路103によって実現される。記憶部20は、メモリ102によって実現される。プロセッサ101は、メモリ102に記憶された表示データ生成プログラムを読み出して実行することによって、記憶処理部31、受付部32、データ取得部33、点群データ生成部34、表示データ生成部35、および表示データ出力部36の機能を実行する。プロセッサ101は、処理回路の一例であり、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processer)、およびシステムLSI(Large Scale Integration)のうち一つ以上を含む。
メモリ102は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、およびEEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)のうち一つ以上を含む。また、メモリ102は、コンピュータが読み取り可能なプログラムが記録された記録媒体を含む。かかる記録媒体は、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルメモリ、光ディスク、コンパクトディスク、およびDVD(Digital Versatile Disc)のうち一つ以上を含む。なお、表示データ生成装置1は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路を含んでいてもよい。
以上のように、実施の形態1にかかる表示データ生成装置1は、データ取得部33と、点群データ生成部34と、表示データ生成部35とを備える。データ取得部33は、対象物5の3次元点群データDTと、対象物5の2次元の図面71のデータを含む図面データDFと、対象物5の延伸方向に沿った軌跡61のデータである軌跡データDLとを取得する。点群データ生成部34は、データ取得部33によって取得された3次元点群データDTおよび軌跡データDLに基づいて、3次元点群データDTで示される3次元点群60に含まれる複数の3次元点を軌跡61に直交する直交平面62に投影して得られる複数の2次元点を含む2次元点群72のデータである2次元点群データDXを生成する。表示データ生成部35は、データ取得部33によって取得された図面データDFと、点群データ生成部34によって生成された2次元点群データDXとに基づいて、図面71に2次元点群72を重畳した画像70を表示装置2に表示する表示データDWを生成する。これにより、表示データ生成装置1は、対象物5の3次元点群60に応じた複数の2次元点を対象物5の2次元の図面71上に重畳した表示データDWを生成することができる。したがって、例えば、対象物5が構造物である場合に、対象物5が図面71通りに建築されているか否かを簡易に調査することができる。
また、表示データ生成部35は、2次元点群72に含まれる各2次元点が位置する領域の密集度に基づいて、各2次元点の色を変更する。これにより、表示データ生成装置1の利用者は、図面71と2次元点群72とのずれを容易に把握することができ、図面71と実際の対象物5との差をより容易に把握することができる。
また、表示データ生成部35は、表示データDWとして、複数の2次元点のうち図面71との位置ずれが予め設定された条件を満たす2次元点を表示装置2で強調表示するデータを含む表示データDWを生成する。これにより、表示データ生成装置1の利用者は、図面71と2次元点群72とのずれを容易に把握することができ、図面71と実際の対象物5との差をより容易に把握することができる。
また、実施の形態1にかかる表示データ生成装置1は、2次元点群72に含まれる2つの2次元点の選択を受け付ける受付部32を備える。表示データ生成部35は、表示データDWとして、受付部32によって選択が受け付けられた2つの2次元点間の距離を示す情報または複数の3次元点のうち2つの2次元点に対応する2つの3次元点間の距離を示す情報を表示装置2に表示するデータを含む表示データDWを生成する。これにより、表示データ生成装置1の利用者は対象物5が存在する場所に行くことなく、対象物5のうち所望する箇所の測定を行うことができる。例えば、対象物5がトンネルの場合、天井の高さおよび内壁の幅などを測定することができる。
また、実施の形態1にかかる表示データ生成装置1は、複数の3次元点群データDTを記憶する記憶部20を備える。データ取得部33は、記憶部20から複数の3次元点群データDTを取得する。点群データ生成部34は、データ取得部33によって取得された複数の3次元点群データDTに基づき、複数の2次元点群データDXを生成する。表示データ生成部35は、複数の2次元点群データDXで示される複数の2次元点群間の差分に基づいて、複数の2次元点群間の差分の部分を表示装置2に強調表示するデータを含む表示データDWを生成する。これにより、表示データ生成装置1の利用者は、例えば、対象物5のうち経年変化が生じている部分を容易に把握することができる。
また、点群データ生成部34は、軌跡標本化部41と、直交平面演算部42と、3次元点抽出部43と、投影点演算部44と、データ生成部45とを備える。軌跡標本化部41は、データ取得部33によって取得された軌跡データDLを標本化処理して対象物5の延伸方向に沿った複数の3次元点を生成する。直交平面演算部42は、軌跡標本化部41によって生成された複数の3次元点のうち各々対応する3次元点を含み軌跡61に直交する複数の直交平面62を演算する。3次元点抽出部43は、データ取得部33によって取得された3次元点群データDTで示される複数の3次元点のうち複数の直交平面62のいずれかから予め設定された距離Dth内にある3次元点を複数の直交平面62の各々について抽出する。投影点演算部44は、3次元点抽出部43によって抽出された3次元点を複数の直交平面62のうち対応する直交平面62に投影して得られる投影点を演算する。データ生成部45は、投影点演算部44によって複数の直交平面62に投影して得られる複数の投影点を複数の直交平面62を重ね合わせることで一つの平面64上に配置させた2次元点群72のデータを2次元点群データDXとして生成する。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。