JP7003477B2 - 静電アクチュエータ、静電アクチュエータの製造方法および表示装置 - Google Patents

静電アクチュエータ、静電アクチュエータの製造方法および表示装置 Download PDF

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Description

本開示は、静電アクチュエータ、静電アクチュエータの製造方法および表示装置に関する。
微小鏡面を用いた表示素子は、プロジェクター、光学顕微鏡、レーザープリンタなどの様々な光学機器のアプリケーションにおいて用いられている。上記表示素子は、複数の静電アクチュエータで構成されることがある。静電アクチュエータは、微小鏡面とともに、固体電極および可動電極を含み、与えられた電位に応じて可動電極が動作することにより、微小鏡面の動作を制御する。このような静電アクチュエータを備える表示素子の一つには、デジタルミラーデバイス(DMD)と呼ばれるものがある。デジタルミラーデバイスには、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術が用いられる。MEMS技術により製造されたデジタルミラーデバイスを用いることにより、光学機器の製造コストを低減させることができる。非特許文献1には、静電アクチュエータの製造方法が開示されている。
Robert Alan Conant, "Micromachined Mirrors", Kluwer Academic Publishers, P.82-87, 2013.
非特許文献1に記載された方法を用いて静電アクチュエータを製造する場合、シリコン基板同士の接合装置、基板の表面および裏面の両面アライメント可能なステッパーなど特殊な設備が必要となってしまう。また、可動電極と固定電極との間隙に所定の間隔を高精度で設ける必要があり、高精度の位置合わせが必要である。また、固定電極を形成した後、接合、さらに可動電極の形成が行われるので、固定電極が製造工程途中で破損する恐れがあり、アクチュエータを安定的に製造することが困難である。
このような課題に鑑み、本開示の実施形態における目的は、静電アクチュエータの製造において、電極間の高精度な位置合わせが容易であり、かつ破損しやすい構造を有する電極を安定して形成することにある。
本開示の一実施形態によると、第1面および第1面の反対側の第2面を有し、第1面側に凹部が設けられた基板と、凹部に設けられ、第1櫛歯部を有する固定電極と、平面視において固定電極の第1櫛歯部に対して千鳥状に配置された第2櫛歯部および基板の第1面と接続する部分を有し、外力に応じて動作する可動電極と、可動電極と接続され、可動電極とともに動作する微小鏡面と、基板の第1面の形状に沿って配置され、固定電極の下部と接する部分、および基板と固定電極との間に挟まれた部分を有する導電層と、を含み、基板は、アルカリ金属を含有するケイ酸ガラス基板である静電アクチュエータが提供される。
上記静電アクチュエータにおいて、基板の第2面には、アルカリ金属が析出する部分を有してもよい。
上記静電アクチュエータにおいて、固定電極と基板の第1面とが直接に接続する部分を有してもよい。
上記静電アクチュエータにおいて、導電層は、展性を有する金属を含んでもよい。
上記静電アクチュエータにおいて、導電層は、金、銅およびアルミニウムのいずれかを含んでもよい。
本開示の一実施形態によると、上記静電アクチュエータと、発光部と、レンズと、を含む、表示装置が提供される。
本開示の一実施形態によると、第1基板と、第1基板上に配置された絶縁層と、絶縁層上に配置された第1導電層とを有する積層体を用い、第1導電層を加工して、櫛歯形状を有する第1構造体と、第1構造体に対して千鳥状に配置された櫛歯形状を有する第2構造体と、第2構造体を支持する第3構造体を形成し、第1面および第1面の反対側に第2面を有し、第1面側に第1構造体および第2構造体が設けられた領域よりも広い領域を有する凹部が設けられた第2基板を用い、第2基板の第1面の形状を追従し、凹部の一部に間隙を有するように第2導電層を形成し、第3構造体と、第2基板の第1面の一部とを、第2導電層の一部を挟みながら第1接合を行い、第1基板および絶縁層を除去し、第3構造体の一部と、第2基板とが、第2導電層の間隙において接続するように第2接合を行う、静電アクチュエータの製造方法が提供される。
上記静電アクチュエータの製造方法において、第1基板は、半導体基板であって、第2基板は、アルカリ金属を含有するケイ酸ガラス基板であってもよい。
上記静電アクチュエータの製造方法において、第1接合および第2接合は、陽極接合により行ってもよい。
上記静電アクチュエータの製造方法において、導電層は、展性を有する金属を含んでもよい。
上記静電アクチュエータの製造方法において、導電層は、金、銅およびアルミニウムのいずれかを含んでもよい。
本開示の一実施形態によると、静電アクチュエータの製造において、電極間の高精度な位置合わせが容易であり、かつ破損しやすい構造を有する電極を安定して形成することができる。
本開示の一実施形態に係る表示素子を含む表示装置を説明する上面図である。 本開示の一実施形態に係る表示素子を説明する上面図である。 本開示の一実施形態に係る静電アクチュエータを説明する上面図である。 本開示の一実施形態に係る静電アクチュエータを説明する断面図である。 本開示の一実施形態に係る静電アクチュエータを説明する断面図である。 本開示の一実施形態に係る静電アクチュエータを説明する断面図である。 本開示の一実施形態に係る静電アクチュエータを説明する断面図である。 本開示の一実施形態に係る静電アクチュエータの動作を説明する断面図である。 本開示の一実施形態に係る静電アクチュエータの動作を説明する断面図である。 本開示の一実施形態に係る静電アクチュエータの動作を説明する断面図である。 本開示の一実施形態に係る静電アクチュエータの動作を説明する断面図である。 本開示の一実施形態に係る静電アクチュエータの製造方法を説明する断面図である。 本開示の一実施形態に係る静電アクチュエータの製造方法を説明する断面図である。 本開示の一実施形態に係る静電アクチュエータの製造方法を説明する断面図である。 本開示の一実施形態に係る静電アクチュエータの製造方法を説明する上面図である。 本開示の一実施形態に係る静電アクチュエータの製造方法を説明する断面図である。 本開示の一実施形態に係る静電アクチュエータの製造方法を説明する断面図である。 本開示の一実施形態に係る静電アクチュエータの製造方法を説明する断面図である。 本開示の一実施形態に係る静電アクチュエータの製造方法を説明する断面図である。 本開示の一実施形態に係る静電アクチュエータの製造方法を説明する断面図である。 本開示の一実施形態に係る静電アクチュエータの製造方法を説明する断面図である。 本開示の一実施形態に係る静電アクチュエータを説明する上面図である。
以下、本開示の各実施形態に係る静電アクチュエータ、静電アクチュエータの製造方法、および表示装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す各実施形態は本開示の実施形態の一例であって、本開示はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号(数字の後に-1、-2等を付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なったり、構成の一部が図面から省略されたりする場合がある。
(1-1.表示装置の構成)
図1は、表示装置10を示す上面図である。表示装置10は、筐体20に配置された発光部30、レンズ40、レンズ42および表示素子50を備える。
発光部30は、電圧が印加されることにより光31を出射する機能を有する。発光部30には、この例では発光ダイオード(LED)が用いられる。なお、発光部30は、LEDに限定されず、白熱電球、レーザダイオード(LD)、ハロゲンランプなどが用いられてもよい。
レンズ40は、発光部30からの光を屈折させて表示素子50に入射させる機能を有する。レンズ42は、表示素子50から入射された光を対象物60(具体的にはスクリーン)に拡大させて投射する機能を有する。
表示素子50は、レンズ40から入射された光を選択的にレンズ42に出射する機能を有する。表示素子50を拡大した上面図を図2に示す。
図2に示すように、表示素子50は、プリント基板70上に配置された集積回路80および静電アクチュエータ100を含む。プリント基板70は、外部の電源と接続される。集積回路80は、トランジスタを含むチップ化された半導体回路基板および配線基板を含む。上記半導体回路基板は、中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)としての機能、および記憶装置としての機能を有する。上記配線基板は、半導体回路基板および静電アクチュエータ100とプリント基板70とを接続する機能を有する。なお、配線基板を設けずに集積回路と、プリント基板とを直接に接続してもよい。
静電アクチュエータ100は、集積回路80から与えられた電圧に応じて駆動する。表示素子50において、静電アクチュエータ100は、複数設けられる。詳細は後述するが、静電アクチュエータ100の一部(静電アクチュエータ100-1および静電アクチュエータ100-3)は、電圧が印加されたときにON状態となる。このとき、図1のレンズ40からの光31が反射されて、レンズ42を介して、対象物60に投射される。一方、静電アクチュエータ100の他の一部(静電アクチュエータ100-2)は、OFF状態となり、入射した光は表示素子50の内部に設けた吸収体(図示せず)に向けて出射され、表示素子50の外部には出射されない。静電アクチュエータ100の構成について、以下に詳述する。
(1-2.静電アクチュエータの構成)
図3は、静電アクチュエータ100の上面図である。図4は、静電アクチュエータ100のA1-A2間の断面図である。図5は、静電アクチュエータ100のB1-B2間の断面図を示す。図6は、静電アクチュエータ100のD1-A2間の断面図を示す。図7は、静電アクチュエータ100のD1-B2間の断面図を示す。図3乃至図7に示すように、静電アクチュエータ100は、基板210、凹部220、穴230、導電層250、固定電極240(支持部244、櫛歯部246)、可動電極340(支持部344、櫛歯部346)および微小鏡面350を有する。
基板210には、絶縁性の材料が用いられる。この例では、基板210にはアルカリ金属を含有するケイ酸ガラス基板、ホウケイ酸ガラス基板(具体的にはナトリウムを含有するソーダガラス基板)が用いられる。基板210の厚さは、100μm以上800μm以下、好ましくは200μm以上500μm以下の範囲で適宜設定される。
基板210は、第1面210Aおよび第1面の反対側の第2面210Bを有する。また、基板210は、第2面210B側にアルカリ金属が析出した領域215を有する。なお、基板210は領域215を必ずしも有しなくてもよい。
また、基板210の第1面210A(図4に示す基板210の上面)には、凹部220および穴230が設けられる。穴230は微小鏡面350が回動する空間を確保するために形成される。また、穴230が設けられることにより、エアダンピング効果による微小鏡面350の駆動効率の低下が防止される。なお、穴230は、必ずしも設けられなくてもよい。
固定電極240は、基板210の第1面210Aおよび凹部220に設けられる。また、固定電極240は、微小鏡面350の両側に設けられる。具体的には、微小鏡面350の左側に固定電極240L、微小鏡面350の右側に固定電極240Rが配置される。固定電極240は、櫛歯形状を有する櫛歯部246および支持部244を有する。支持部244は、櫛歯部246を支持する。固定電極240の厚さは、10μm以上200μm以下の範囲で適宜設定される。固定電極240のうち櫛歯部246の幅は、1μm以上50μm以下の範囲で適宜設定される。
導電層250は、図6および図7に示すように一部において基板210の第1面210Aの形状に沿って配置される。導電層250は、固定電極240の下部と接する部分250Aを有する。また、導電層250は、基板210と、固定電極240の支持部244とに挟まれた部分250Bを有する。
導電層250には、展性を有する金属材料が用いられる。導電層250として、この例ではアルミニウム(Al)膜が用いられる。導電層250の膜厚は、10nm以上200nm以下で適宜設定される。なお、導電層250は、アルミニウムに限定されず、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、錫(Sn)、鉛(Pb)、白金(Pt)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)が用いられてもよいが、導電層130とのコンタクト抵抗が小さくなる材料が好ましい。
また、図3に示すように、導電層250は、凹部220において、間隙255を有する。そのため、図5および図7に示すように、固定電極240と基板210の第1面210Aとが直接に接続する部分240Aが設けられる。
可動電極340は、微小鏡面350の両側に設けられる。具体的には、微小鏡面350の左側に可動電極340L、微小鏡面350の右側に可動電極340Rが配置される。可動電極340は、支持部344および櫛歯形状を有する櫛歯部346を有する。支持部344は、櫛歯部346を支持する。可動電極340の櫛歯部346は、図3に示すように平面視において固定電極240の櫛歯部246に対して千鳥状に配置される。固定電極240は、可動電極340と千鳥状に配置される。また、可動電極340の支持部344は、図4および図5に示すように基板210と接続する部分340Aを有する。可動電極340は、外力(例えば電圧印加により生じる静電引力)が加えられることにより、位置が変化する部分を有する。具体的には、後述するように可動電極340の先端部346A(図10参照)が、固定電極240に引き込まれ回動する。可動電極340の厚さは、固定電極240と同じである。また、可動電極340のうち櫛歯部346の幅は、固定電極240の櫛歯部246と同じである。
微小鏡面350は、入射された光を反射する機能を有する。微小鏡面350は、この例では、上面視において円形を有し、微小鏡面350の直径は、100μm以上2mm以下の範囲で適宜設定される。微小鏡面350の厚さは、固定電極240および可動電極340と同じとなるように設定されるが、必ずしも同じでなくてもよい。微小鏡面350は、可動電極340の一部(支持部344)と接続され、加えられた外力(例えば電圧印加により生じる静電引力)に応じて可動電極340とともに回動する。
固定電極240、可動電極340および微小鏡面350には、同一の材料が用いられる。この例では、半導体材料が用いられ、具体的にはシリコン(Si)膜が用いられる。このとき、シリコン(Si)中には、シリコン中にホウ素(B)、リン(P)、ヒ素(As)などが多く(例えば1018~1020atoms/cm3程度)含まれることにより、固定電極240、可動電極340および微小鏡面350は導電性を有することができる。なお、微小鏡面350、固定電極240および可動電極340には、別の材料が用いられてもよい。例えば、砒化ガリウム(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、炭化シリコン(SiC)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム(SiGe)が用いられてもよいし、金属材料が用いられてもよい。
(1-3.静電アクチュエータの動作の説明)
図8は、外力印加前の静電アクチュエータ100のC1-C2間の断面図である。図9は、外力印加前の静電アクチュエータ100のD1-D2間の断面図である。図10は、外力印加後の静電アクチュエータ100のC1-C2間の断面図である。図11は、外力印加後の静電アクチュエータ100のD1-D2間の断面図である。
図8において、固定電極240と、可動電極340との間に外力(例えば電圧印加により生じる静電引力)が印加されると、図10に示すように、可動電極340が固定電極240と間に生じる静電引力により引き付けられるように動作する。具体的には、可動電極340の先端部346Aが回転軸340Cを中心に水平面に対して下方に角度θだけ回動する。この動作により、図9に示された微小鏡面350が、図11に示すように回転軸340Cを中心に水平面に対して下方に角度θだけ回動する。微小鏡面350の回動に応じて、発光部30から出射された光31が適宜反射されることにより、対象物60に投影され、動画または静止画が表示される。
(1-4.静電アクチュエータの製造方法)
次に、図1に示した静電アクチュエータ100の製造方法を図12乃至図21を用いて説明する。
まず、図12に示すように、基板110、絶縁層120および導電層130を有する積層体105を用いる。絶縁層120は、基板110上に配置される。導電層130は、絶縁層120上に配置される。
積層体105は、SOI(Silicon on Insulator)構造を有している。SOI基板の作製方法として、例えば、基板110、絶縁層120および導電層130は、一方のシリコン基板(ボンドウェーハと呼ぶ場合がある)に熱酸化膜を形成し、水素を添加し、他方のシリコン基板(ベースウェーハと呼ぶ場合がある)と貼り合わせて熱処理後剥離する、スマートカット法が用いられる。
また、導電層130には、不純物として、ホウ素(B)、リン(P)、ヒ素(As)などがイオン注入法により添加される。導電層130には、例えばヒ素(As)が1018~1020atoms/cm3程度添加されてもよい。これにより、導電層130は、導電性を有することができる。なお、導電層130の結晶作製時にはじめから不純物を導入してもよい。
なお、基板110は、シリコン基板に限定されず、他の半導体材料が用いられてもよい。例えば、基板110として炭化シリコン(SiC)などが用いられてもよい。また、基板110は、ガラス基板でもよい。
次に、図13に示すように、積層体105のうち、導電層130をフォトリソグラフィ法およびエッチング法を用いて加工することにより構造体132、構造体134、構造体136および構造体234(図15に記載)を形成する。構造体132は、微小鏡面350に相当する。構造体134は、可動電極340の支持部344に相当する。構造体136は、固定電極240の櫛歯部246および可動電極340の櫛歯部346に相当する。構造体234は、固定電極240の支持部244に相当する。なお、構造体136のうち、可動電極340の櫛歯部346となるものを構造体136-1とし、固定電極240の櫛歯部246となるものを構造体136-2とする。
上記導電層130のエッチングには、ドライエッチング法が用いられる。導電層130をエッチングしていき、絶縁層120が露出した時点で、エッチングを終了する。このとき、絶縁層120は、エッチング速度が導電層130と比べて十分低いことからエッチングストッパとして機能する。
なお、導電層130上に酸化シリコン膜などの絶縁体材料を用いたハードマスクを用いてもよい。構造体132、構造体134、構造体136および構造体234のうち、構造体136は、アスペクト比(構造体136の隙間に対する構造体136の高さの比率)が大きい。このため、ハードマスクを用いることにより、構造体134を安定して形成することができる。なお、このとき、構造体136-1および構造体136-2は、同時に形成されるため、位置合わせを行うことなく、所定の間隔を高精度で設けることができる。
また、上記シリコン膜をエッチングする場合、ドライエッチング法を用いてもよい。このとき、エッチング用のガスには六フッ化硫黄(SF6)、四フッ化メタン(CF4)、三フッ化メタン(CHF3)、水素(H2)またはアルゴン(Ar)が用いられる。これにより、シリコン膜と酸化シリコン膜との間において高いエッチング選択比(酸化シリコン膜のエッチング速度に対するシリコン膜のエッチング速度の比率)を有することができる。
図14は、積層体105と基板210との接合前の断面図である。基板210には、アルカリ金属を含むケイ酸ガラス基板が用いられる。具体的には、基板210にはナトリウムを含有するソーダガラスが用いられる。なお、基板210は、ソーダガラスに限定されず、別のアルカリ金属を含むケイ酸ガラス基板でもよい。例えば、リチウムを含んだケイ酸ガラス基板でもよい。
図15(A)は、接合前の積層体105の上面図(図3の下半分のみ記載)である。図15(B)は、基板210の上面図である。基板210には、接合前に凹部220および穴230を形成する。凹部220および穴230は、フォトリソグラフィ法およびエッチング法により形成される。凹部220は、構造体132および構造体136-1および構造体136-2が形成される領域よりも広い領域を有する。また、穴230は、構造体132よりも広い領域を有する。
導電層250は、基板210の第1面210A側に形成される。導電層250は、スパッタリング法、蒸着法、めっき法、フォトリソグラフィ法およびエッチング法を適宜組み合わせて形成される。このとき、導電層250は、基板210の形状(具体的には凹部220および穴230)に沿って形成される。導電層250の厚さは、10nm以上200nm以下で適宜設定される。また、導電層250には、展性を有する金属材料が用いられる。なお、導電層250は、陽極接合時の温度を加えて接触したときに構造体240と貼り付く材料であることが必要である。導電層250として、この例ではスパッタリング法により形成され、フォトリソグラフィ法およびエッチング法により加工されたアルミニウム(Al)膜が用いられる。
また、導電層250は、凹部220の一部に配置されない領域(間隙255)を有する。なお、間隙255は、後述する第2の陽極接合において用いられる。
図16は、第1接合時のA1-A2間の断面図である。図17(A)は、第1接合時のD1-A2間の断面図である。図17(B)は、第1接合時のD1-B2間の断面図である。図16、図17(A)および図17(B)に示すように、構造体234と、基板210の第1面210A側の一部(具体的には凹部220を除いた部分)とを導電層250の一部(部分250B)を挟みながら接合する。この例では、構造体134および構造体234と、基板210の第1面210Aの一部とを陽極接合により接合する。
このとき、基板210は、300℃以上400℃以下の範囲で加熱される。また、構造体144は、電源に接続された正電極と接続し、一方、基板210は、電源に接続された負電極と接続し、電極間に電圧が印加される。なお、与えられる電圧は、200V以上2000V以下の範囲で適宜設定される。例えば、基板110と基板210の間に1000V(1kV)の電圧が印加される。具体的には、構造体144側の電位を0V(基準電位)として、基板210側に-1kVの負の電圧が印加される。電圧が印加されることで、基板210中に含まれたナトリウムイオンが負電極方向に移動し、負電極の近くにナトリウムが析出する領域を有する。なお、析出量は、基板210中のナトリウムの濃度や陽極接合の温度、電圧、時間に応じて異なる。ナトリウムを基板210の外に逃がすようにすることも可能であり、必ずしも析出領域が設けられない場合がある。一方、基板210の第1面210A側には負電荷(具体的にはO2-)が残り、構造体144側に誘起された正電荷との間に静電引力が生じ、強く密着し、共有結合が生じる。
次に、図18に示すように、基板110を除去する。このとき、基板110は、ドライエッチング法により除去される。この例では、エッチング用ガスには六フッ化硫黄(SF6)、四フッ化メタン(CF4)、三フッ化メタン(CHF3)、水素(H2)またはアルゴン(Ar)が適宜組み合わせて用いられる。上記ガスを用いたエッチング処理は、絶縁層120がすべて露出するまで行われる。
次に、図19に示すように、絶縁層120を除去する。絶縁層120は、ドライエッチング法により除去される。この例では、エッチング用ガスとして四フッ化メタン(CF4)および酸素(O2)などが用いられる。
図20(A)は、第2接合前のD1-A2間の断面図である。図20(B)は、第2接合前のD1-B2間の断面図である。なお、このとき図20(B)に示すように、構造体234の一部は、図20(B)に示すように、導電層250が設けられない間隙255において、基板210の第1面210Aと対向する。
次に、構造体136-2および構造体234と基板210との間において第2の接合を行う。第2の接合は、陽極接合を用いて行う。陽極接合の処理条件は、第1の接合と同様としてもよい。基板210と構造体136-2および構造体234との間において、基板210側には構造体136に対して負の電圧が印加される。
このとき、導電層250は、構造体234と部分P1で接続されているため(図15(A)参照)、構造体134、構造体136-1、構造体136-2、構造体234および導電層250は、短絡状態であるといえる。そのため、陽極接合により電圧が印加されても基板210と構造体136-1とが同電位となり、構造体136-1が基板210に引き付けられることはない。
一方、図15(A)、図15(B)、図20(A)および図20(B)に示すように、構造体136-1、構造体136-2、構造体134および構造体234の一部は、導電層250の一部と対向しているが、構造体234の他の一部は間隙255と対向する部分を有する。構造体234の一部と間隙255との間には、陽極接合において基板210側には構造体136に対して負の電圧が印加されることで、静電引力が加わることになる。その結果、構造体136-2および構造体234は、基板210の第1面210A方向に引き寄せられる。最終的には、間隙255において、構造体234の一部と基板210とが接合し、基板210および導電層250上に固定電極240(支持部244および櫛歯部246)が形成される。
最後に、接続された部分P1をダイシング等により切断することにより、固定電極240と可動電極340とが分離されて、静電アクチュエータ100が製造される。なお、上記方法を用いることにより、可動電極と固定電極は同時に形成されるため、高度の位置合わせを行うことを必要としない。したがって、静電アクチュエータを容易に製造することができる。
また、本開示の実施形態では、可動電極と固定電極を同時に同じ形状を有するように形成するので、高度な技術を必要とせずに、安定して静電アクチュエータを製造することができる。
(変形例1)
なお、静電アクチュエータを製造する上で、積層体105として2つの熱酸化膜付きシリコン基板を貼り合せて、研磨加工で仕様の厚さに調整する、貼り合わせ法が用いられてもよい。また、シリコン基板に酸素を添加し、高温熱処理することにより、埋め込み酸化膜を形成したSIMOX(Separated by Implanted Oxygen)法が用いられてもよい。
また、絶縁層120および導電層130は、別々に形成されてもよい。絶縁層120には、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiNx)、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化アルミニウム(AlOx)などが用いられてもよい。絶縁層120は、熱酸化法、CVD法、PVD法、塗布法などにより形成されてもよい。
また、導電層130には、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、シリコン・ゲルマニウム(SiGe)、炭化シリコン(SiC)などが用いられてもよい。また、導電層130は、金属材料でもよい。導電層130は、CVD法(減圧CVD、常圧CVD法、プラズマCVD法など)、スパッタリング法などにより形成されてもよい。
(変形例2)
なお、穴230は、貫通して設けられてもよい。また、穴230は、フォトリソグラフィ法およびエッチング法以外の方法で形成されてもよい。例えば、穴230は、レーザ照射法(レーザアブレーション法)を用いて形成されてもよい。
(変形例3)
本開示の実施形態では、静電アクチュエータがDMDに用いられる例を記載したが、これに限定されない。本開示の静電アクチュエータは、スキャナなどの他の光学機器に用いられてもよいし、高周波無線機器や力学量センサなどのMEMS素子と組み合わせて用いられてもよい。
(変形例4)
本開示の実施形態において、静電アクチュエータ100の固定電極240のうち支持部244は、分離して設けられてもよい。図22に示すように、静電アクチュエータ100は、固定電極240において支持部244-1および支持部244-2を有する。このとき、基板210と支持部244-2とに挟まれた導電層250を介して固定電極240の櫛歯部246、支持部244-1および支持部244-2は接続されている。
10・・・表示装置、20・・・筐体、30・・・発光部、31・・・光、40・・・レンズ、42・・・レンズ、50・・・表示素子、60・・・対象物、70・・・プリント基板、80・・・集積回路、100・・・静電アクチュエータ、105・・・積層体、110・・・基板、120・・・絶縁層、130・・・導電層、132・・・構造体、134・・・構造体、136・・・構造体、140・・・構造体、144・・・構造体、210・・・基板、215・・・領域、220・・・凹部、230・・・穴、234・・・構造体、240・・・固定電極、244・・・支持部、246・・・櫛歯部、250・・・導電層、255・・・間隙、340・・・可動電極、344・・・支持部、346・・・櫛歯部、350・・・微小鏡面

Claims (11)

  1. 第1面および前記第1面の反対側の第2面を有し、前記第1面側に凹部が設けられた基板と、
    前記凹部に設けられ第1櫛歯部、および前記第1面に設けられ、前記第1櫛歯部を支持する支持部含む固定電極と、
    平面視において前記固定電極の前記第1櫛歯部に対して千鳥状に配置された第2櫛歯部および前記基板の第1面と接続する部分を有し、外力に応じて動作する可動電極と、
    前記可動電極と接続され、前記可動電極とともに動作する微小鏡面と、
    前記基板の前記第1面および前記凹部の形状に沿って連なって配置され、前記凹部において前記固定電極の下部と接する部分、および前記第1面において前記基板と前記固定電極の支持部との間に挟まれた部分を有する導電層と、を含み、
    前記基板は、アルカリ金属を含有するケイ酸ガラス基板である、
    静電アクチュエータ。
  2. 前記基板の前記第2面には、アルカリ金属が析出する部分を有する、
    請求項1に記載の静電アクチュエータ。
  3. 前記固定電極と前記基板の前記第1面とが直接的に接続する部分を有する、
    請求項1または2に記載の静電アクチュエータ。
  4. 前記導電層は、
    展性を有する金属を含む、
    請求項1乃至3のいずれか一に記載の静電アクチュエータ。
  5. 前記導電層は、金、銅およびアルミニウムのいずれかを含む、
    請求項1乃至3のいずれか一に記載の静電アクチュエータ。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一に記載の静電アクチュエータと、
    発光部と、
    レンズと、
    を備える、表示装置。
  7. 第1基板と、前記第1基板上に配置された絶縁層と、前記絶縁層上に配置された第1導電層と、を有する積層体を用い、
    前記第1導電層を加工して、櫛歯形状を有する第1構造体と、前記第1構造体に対して千鳥状に配置された櫛歯形状を有する第2構造体と、前記第2構造体を支持する第3構造体を形成し、
    第1面および前記第1面の反対側に第2面を有し、前記第1面側に前記第1構造体および前記第2構造体が設けられた領域よりも広い領域を有する凹部が設けられた第2基板を用い、
    前記第2基板の前記第1面の形状を追従し、前記凹部の一部に間隙を有するように第2導電層を形成し、
    前記第3構造体と、前記第2基板の前記第1面の一部とを、前記第2導電層の一部を挟みながら第1接合を行い、
    前記第1基板および前記絶縁層を除去し、
    前記第3構造体の一部と、前記第2基板とが、前記第2導電層の間隙において接続するように第2接合を行う、
    静電アクチュエータの製造方法。
  8. 前記第1基板は、半導体基板であって、
    前記第2基板は、アルカリ金属を含有するケイ酸ガラス基板である、
    請求項7に記載の静電アクチュエータの製造方法。
  9. 前記第1接合および前記第2接合は、陽極接合により行う、
    請求項8に記載の静電アクチュエータの製造方法。
  10. 前記第2導電層は、
    展性を有する金属を含む、
    請求項7乃至9のいずれか一に記載の静電アクチュエータの製造方法。
  11. 前記第2導電層は、金、銅およびアルミニウムのいずれかを含む、
    請求項7乃至9のいずれか一に記載の静電アクチュエータの製造方法。
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