JP7002870B2 - 燃料ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、燃料ポンプに関するものである。
例えば、特許文献1には、プランジャの往復移動によって燃料を加圧する加圧室と、高圧燃料を吐出する吐出通路とが形成された高圧ポンプ(燃料ポンプ)が開示されている。このような高圧ポンプにおいては、吐出流路に流入する燃料が所定値以上に高圧となった場合において、燃料を吐出流路から加圧室へと逆流させるリターン通路(リリーフ流路)が形成されている。また、このリターン通路には、燃料の圧力が所定値を超えると開弁されるリリーフ弁が設けられている。
特開2010-156256号公報
ところで、加圧室の前段において、燃料が貯留される燃料室が形成されている燃料ポンプにおいては、吐出流路と燃料室とを接続するリリーフ流路を形成することがある。このような構造の場合、吐出流路の高圧燃料は、リリーフ流路を介して燃料室へと流入することとなる。燃料室における燃料は吐出流路における高圧燃料と比較して低圧であり、かつ燃料室の容積は吐出流路よりも広い。このため、リリーフ流路を介して流入した高圧燃料は燃料室において急速に減圧され、燃料室内にキャビテーションが発生する。キャビテーションによって発生する気泡はエロージョンを引き起こし、長期間の使用においては燃料室内の部品、特に薄板によって製作されるダンパの薄肉化による性能低下を起こしうる。
今日においては、内燃機関の性能向上のため供給燃料圧力の高圧化が進み、強いキャビテーションが燃料室内に発生しやすい状況となっている。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、燃料ポンプにおいて、燃料室内のエロージョンを抑制し燃料室内の部品の性能低下を防ぐことを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、第1の手段として、燃料が貯留される燃料の圧力脈動を吸収するダンパが設置される燃料室と、シリンダ内部に摺動可能に保持されたプランジャと、前期プランジャの加圧行程によって減容し、上記燃料が加圧される加圧室と、上記加圧室に接続される燃料吐出流路と、下流で上記燃料室に接続されると共に上流で上記燃料吐出流路に接続されるリリーフ流路とが形成され、上記リリーフ流路に設けられるリリーフ弁を備える燃料ポンプであって、上記リリーフ流路は、上記リリーフ弁が内設されると共に上記リリーフ弁が設けられる第1流路と、上記第1流路が延在する向きに対して角度を有して上記第1流路の上記リリーフ弁よりも下流に接続される第2流路とを有する、という構成を採用する。
第2の手段として、上記第1の手段において、上記第1流路は上記リリーフ弁よりも下流側に延在する緩和空間を有し、上記第2流路は上記緩和空間と上記リリーフ弁との間において第1流路に接続されている、という構成を採用する。
第3の手段として、上記第1または第2の手段において、上記リリーフ流路は、上記第2流路と上記燃料室とを接続すると共に流路径が上記第2流路に対して縮径された絞り流路を有する、という構成を採用する。
第4の手段として、上記第1~第3のいずれかの手段において、上記リリーフ流路は、上記リリーフ弁よりも下流側の容積が、加圧行程において上記加圧室から吐出される燃料の最大容積よりも大きい、という構成を採用する。
本発明によれば、第1流路と第2流路とが角度をつけて接続されていることにより、第1流路に流入した高圧燃料の噴流は、第2流路へと進入するまでに勢いを弱められながら、徐々に燃料室へと流入する。このため、吐出流路からリリーフ流路へと流入した燃料は、徐々に勢いを弱められることで、キャビテーションにより発生した気泡をリリーフ流路内で消滅させることができ、燃料室内におけるエロージョンを抑制することができる。
本発明の一実施形態におけるプランジャポンプの概略構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態におけるプランジャポンプが備える吸入機構の一部を含む拡大断面図である。 本発明の一実施形態におけるプランジャポンプが有するボディの一部を含む拡大断面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る燃料ポンプ及び燃料ポンプの製造方法の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。また、以下の実施形態においては、本発明の燃料ポンプをプランジャポンプに適用した例について説明する。
図1は、本実施形態のプランジャポンプ1の概略構成を示す断面図である。この図に示すように、本実施形態のプランジャポンプ1は、ボディ2と、吸入機構3と、昇圧機構4と、吐出機構5と、ダンパ機構6とを備えている。なお、以下の説明では、燃料の昇圧を行うプランジャ(昇圧プランジャ4b)の軸芯を中心軸Lとし、この中心軸Lと直交する方向をボディ径方向と称し、ボディ径方向における中心軸L側をボディ径方向内側、ボディ径方向における中心軸Lと反対側をボディ径方向外側と称する。また、プランジャポンプ1の設置姿勢は限定されないものの、説明の便宜上、図1における上側を上方、図1における下側を下方と称する。
ボディ2(シリンダ)は、吸入機構3、昇圧機構4、吐出機構5及びダンパ機構6が取り付けられる基部であり、内部に燃料を案内する燃料流路が形成されている。図1に示すように、本実施形態のプランジャポンプ1においては、燃料流路として、吸入機構3の一部が嵌入される吸入流路R1と、吐出機構5の一部が嵌入される吐出流路R2(燃料吐出流路)とがボディ2の内部に形成されている。また、ボディ2の内部には、吸入流路R1と吐出流路R2とを繋ぐと共に燃料の加圧が行われる加圧室R3が設けられている。この加圧室R3は、ボディ径方向においてボディ2の中央部に配置され、ボディ2の内壁と後述の昇圧プランジャ4bとにより囲まれた空間であり、昇圧プランジャ4bの移動により、容積が変化する。
また、ボディ2は、加圧室R3から下方に貫通すると共に後述の昇圧プランジャ4bが移動可能に収容される貫通空間R5を有している。また、ボディ2は、吸入流路R1内に延出され、後述する吸入弁体3bに対して燃料の流れ方向の下流側(ボディ径方向内側)から対向配置されるスプリング保持部2bを有している。このスプリング保持部2bは、吸入弁体3bを付勢する後述の吸入スプリング3cが取り付けられると共に、吸入弁体3bの移動を燃料の流れ方向の下流側(ボディ径方向内側)から規制するストッパとしても機能する。
図3は、本実施形態におけるプランジャポンプ1が有するボディ2の一部を含む拡大断面図である。この図に示すように、ボディ2には、吐出流路R2とダンパ室Rd(燃料室)とを連通するリリーフ流路R6が形成されており、リリーフ流路R6のダンパ室Rdとの接続端において、略円筒状の絞り流路形成部材2cが設けられている。このリリーフ流路R6は、第1流路R6aと、第2流路R6bと、絞り流路R6cとを有している。第1流路R6aは、一端が吐出流路R2に接続されると共に、ボディ径方向内側に向けて形成された流路である。また、第1流路R6aは、後述するリリーフ弁5fが内設され、第2流路R6bと接続され、ボディ径方向において、吐出流路R2と接続された側の端部と反対側の端部と第2流路R6bとの接続部との間に、緩和空間R6dが形成されている。
第2流路R6bは、第1流路R6aに対して略直交して接続するように、中心軸Lの軸芯に沿う方向に向けて形成され、上側の端部において絞り流路R6cと接続されている。また、この第2流路R6bは、第1流路R6aと比較して、流路径が大きく、全体の容積が大きく設定されている。また、第1流路R6aと第2流路R6bとの合計容積は、加圧室R3における最大容積よりも大きくなるように設定されている。絞り流路R6cは、第2流路R6bと、ダンパ室Rdとに接続されており、絞り流路形成部材2cにより、第1流路R6a及び第2流路R6bと比較して流路径が縮径されている。
図2は、吸入機構3の一部を含む拡大断面図である。この図に示すように、本実施形態において、ボディ2の内部に形成された吸入流路R1は、ボディ2の外壁部から中央部(加圧室R3)に向けて同軸状に段階的に縮径され、領域R1a、領域R1b、領域R1c、領域R1d及び領域R1eを有している。最もボディ径方向外側に位置する領域R1aは、吸入機構3の後述するベース部3eの先端部が収容されている。領域R1aの次にボディ径方向内側に配置された領域R1bは、領域R1aよりも小径とされており、供給流路R4と接続されている。領域R1bの次にボディ径方向内側に配置された領域R1cは、領域R1bよりも小径とされており、吸入機構3のバルブシート3aが収容されている。領域R1cの次にボディ径方向内側に配置された領域R1dは、領域R1cよりも小径とされており、領域R1cと領域R1eとを接続している。領域R1cの次にボディ径方向内側に配置され、ボディ2の最も中央部側に配置された領域R1eは、領域R1dよりも小径とされており、領域R1dと加圧室R3とを接続している。この領域R1dには、上述のスプリング保持部2bが配置されている。
図2に示すように、吸入機構3は、バルブシート3aと、吸入弁体3bと、吸入スプリング3cと、ソレノイドユニット3dとを備えている。バルブシート3aは、吸入流路R1に配置されており、吸入弁体3bにより開閉される開口を有している。吸入弁体3bは、バルブシート3aのボディ径方向内側に配置されており、吸入スプリング3cによりボディ径方向に移動可能に保持されている。吸入スプリング3cは、ボディ2のスプリング保持部2bにボディ径方向内側の端部が外嵌されることにより保持され、ボディ径方向外側の端部が吸入弁体3bの中央部に設けられた突部に外嵌されている。この吸入スプリング3cは、吸入弁体3bの上流側の圧力が下流側の圧力に対して相対的に高くなった場合に、差圧により収縮可能とされた圧縮コイルバネであり、吸入弁体3bをボディ径方向外側に向けて付勢している。
ソレノイドユニット3dは、ベース部3eと、ガイド部材3fと、吸入プランジャ3gと、ソレノイドスプリング3hと、可動コア3iと、コイル3jと、固定コア3kと、コネクタ3mとを備えている。ベース部3eは、ボディ2に固定されると共に、ガイド部材3f、吸入プランジャ3g、ソレノイドスプリング3h、可動コア3i、コイル3j、固定コア3k及びコネクタ3mを直接あるいは間接的に支持している。このベース部3eは、中央部に貫通孔が形成された略円筒状に形状設定されており、先端部がボディ径方向外側からボディ2の吸入流路R1に挿入されている。
ガイド部材3fは、ベース部3eと同軸状に配置された略円筒形状の部品であり、ベース部3eに設けられた貫通孔に内嵌されている。このガイド部材3fは、吸入プランジャ3gがボディ径方向に移動可能に挿入される貫通孔を有する筒部3f1と、筒部3f1の外周面から突出して設けられると共にベース部3eに固定されるガイドフランジ3f2とを有している。
吸入プランジャ3gは、軸部3g1と、プランジャフランジ3g2とを有する。軸部3g1は、ガイド部材3fの筒部3f1の貫通孔に移動可能に挿入され、ガイド部材3fよりもボディ径方向に長い棒状の部位である。この軸部3g1は、ボディ径方向内側の端部がガイド部材3fよりもさらにボディ径方向内側に、ボディ径方向外側の端部がガイド部材3fよりもさらにボディ径方向外側に位置されている。
プランジャフランジ3g2は、軸部3g1の外周面から突出して設けられる板状の部位であり、ガイド部材3fよりもボディ径方向内側の位置に配置されている。このような吸入プランジャ3gは、ガイド部材3fのボディ径方向内側の端面と、バルブシート3aのボディ径方向外側の端面との間で、ボディ径方向に移動可能とされている。また、吸入プランジャ3gは、プランジャフランジ3g2がバルブシート3aにボディ径方向外側から当接した場合にボディ径方向内側への移動が規制され、プランジャフランジ3g2がガイド部材3fにボディ径方向内側から当接した場合にボディ径方向外側への移動が規制される。また、吸入プランジャ3gは、プランジャフランジ3g2がバルブシート3aに当接する場合には、軸部3g1のボディ径方向内側の端面が、閉姿勢とされた吸入弁体3bと当接可能とされている。
可動コア3iは、吸入プランジャ3gの軸部3g1のボディ径方向外側の端部が挿入されて固定されている。ソレノイドスプリング3hは、ガイド部材3fの筒部3f1に外嵌された圧縮コイルバネであり、ボディ径方向内側の端面がガイド部材3fのガイドフランジ3f2に当接され、ボディ径方向外側の端面が吸入プランジャ3gのプランジャフランジ3g2に当接されている。このようなソレノイドスプリング3hは、吸入プランジャ3gをボディ径方向内側に付勢している。このようなソレノイドスプリング3hは、コイル3jに通電されていない場合には、吸入弁体3bが開姿勢となるように、吸入プランジャ3gをボディ径方向内側に付勢する。
コイル3jは、ベース部3eと略同一の径で巻線が巻回されて略円筒形状とされており、ベース部3eのボディ径方向外側の端部と接続されている。このコイル3jは、コネクタ3mを介して外部より通電されることにより、磁界を発生する。固定コア3kは、コイル3jの中央に設けられた開口をボディ径方向外側から閉塞するようにコイル3jの内部に配設されている。コネクタ3mは、固定コア3kに支持されており、コイル3jと電気的に接続されている。このコネクタ3mは、本実施形態のプランジャポンプ1の外部に設置された電源装置(例えば車載用バッテリ)と接続されている。
図1に戻り、昇圧機構4は、バレル4aと、昇圧プランジャ4bと、下部フランジ4cと、昇圧スプリング4dとを備えている。バレル4aは、ボディ2の貫通空間R5に内嵌されており、昇圧プランジャ4bの昇降を案内する筒状の部品である。昇圧プランジャ4bは、上端面がボディ2の加圧室R3に臨むように昇降可能に保持されている。この昇圧プランジャ4bは、下端面が不図示のカムに同じく不図示のリフタを介して当接しており、車両に搭載されるエンジンの駆動によりカムが回転されると、カムの回転に応じて昇降される。下部フランジ4cは、昇圧プランジャ4bの下端部に接続されており、昇圧プランジャ4bの周面からボディ径方向外側に突出されている。昇圧スプリング4dは、ボディ2と下部フランジ4cとの間に介挿された圧縮コイルバネであり、下部フランジ4cを介して、下方に向けて昇圧プランジャ4bを付勢している。このような昇圧機構4は、昇圧プランジャ4bが上昇して加圧室R3を減容することにより、加圧室R3内の燃料を昇圧する。
吐出機構5は、吐出ノズル5aと、吐出バルブシート5bと、吐出弁体5cと、スプリング収容部5dと、吐出スプリング5eと、リリーフ弁5fとを備えている。吐出ノズル5aは、吐出流路R2に接続されるようにボディ2に固定された略円筒状の部品であり、本実施形態のプランジャポンプ1によって昇圧された燃料を外部に吐出する。
吐出バルブシート5bは、吐出流路R2の内部であって、吐出機構5の構成部品のうち最も加圧室R3寄り(ボディ径方向内側寄り)に配置されている。この吐出バルブシート5bは、吐出弁体5cにより開閉される開口を有している。吐出弁体5cは、吐出バルブシート5bのボディ径方向外側に配置されており、吐出スプリング5eによりボディ径方向に移動可能に保持されている。スプリング収容部5dは、吐出弁体5cを囲うように吐出バルブシート5bに外嵌されており、内部に吐出弁体5c及び吐出スプリング5eを収容している。このスプリング収容部5dは、周面や底面等に貫通孔が設けられた略円筒形状とされており、内部から外部に燃料が通過可能とされている。吐出スプリング5eは、スプリング収容部5dの内壁面と吐出弁体5cとの間に介挿された圧縮コイルバネであり、吐出弁体5cをボディ径方向内側(吐出バルブシート5b側)に向けて付勢している。
図3に示すように、リリーフ弁5fは、第1流路R6aに設けられ、リリーフバルブシート5f1と、リリーフ弁体5f2(弁体)と、リリーフスプリング5f3(付勢部材)と、スプリングリテーナ5f4とを有している。リリーフバルブシート5f1は、第1流路R6aの吐出流路R2側に配置され、リリーフ弁体5f2により開閉される開口を有している略円環状の部材である。リリーフ弁体5f2は、略球形状の部材であり、第1流路R6aにおいてリリーフバルブシート5f1の下流側、すなわち第2流路R6b側に配置されている。リリーフ弁体5f2は、吐出流路R2における燃料圧力が所定値未満の状態において、リリーフスプリング5f3に付勢されることによりリリーフバルブシート5f1に当接し、リリーフバルブシート5f1の開口を遮蔽している。
リリーフスプリング5f3は、リリーフ弁体5f2を閉弁方向に付勢しており、リリーフ弁体5f2の上流側の圧力が下流側の圧力に対して相対的に高くなった場合に、差圧により収縮する。スプリングリテーナ5f4は、リリーフ弁体5f2とリリーフスプリング5f3との間に設けられ、リリーフスプリング5f3の付勢力をリリーフ弁体5f2に伝える部材である。
このようなリリーフ弁5fは、吐出流路R2における高圧燃料の圧力が所定値以上になった場合に、燃料圧力により開弁され、リリーフ流路R6に高圧燃料を流入させる。
図1に示すように、ダンパ機構6は、カバー6aと、座バネ6bと、リテーナ6cと、パルセーションダンパ6dとを備えている。カバー6aは、ドーム形に形状設定されており、ボディ2との間にダンパ室Rdを形成するように、ボディ2の囲壁部2aに固定されている。座バネ6bは、ダンパ室Rdの底部(すなわちボディ2の天面)に載置されている。この座バネ6bは、リテーナ6cの下方に配置されており、リテーナ6cをカバー6aの内壁面に向けて付勢している。リテーナ6cは、パルセーションダンパ6dを保持する略リング状の部材であり、周面に対して複数の貫通孔が形成されている。パルセーションダンパ6dは、2枚のダイアフラムを内部空間が形成されるように上下方向に貼り合せた部材であり、リテーナ6cに囲まれた領域に収容されている。このパルセーションダンパ6dは、ダンパ室Rdの圧力に応じて、圧縮あるいは膨張し、ダンパ室Rd内の燃料の圧力脈動を吸収する。
このような構成を有する本実施形態のプランジャポンプ1では、昇圧プランジャ4bが下降され、加圧室R3の圧力が低下するタイミングに合わせて、吸入機構3のコイル3jへの通電を停止(あるいは通電される電流量を低減)する。これによって、ソレノイドスプリング3hの復元力によって吸入プランジャ3gがボディ径方向内側に移動され、バルブシート3aと吸入弁体3bとの間に隙間が形成される。バルブシート3aと吸入弁体3bとの間に隙間が形成されると、ダンパ室Rdに貯留されていた燃料が供給流路R4及び吸入流路R1を通じて加圧室R3に供給される。なお、コイル3jへの通電によって吸入プランジャ3gは極短時間でボディ径方向外側に引き戻されるが、昇圧プランジャ4bが上昇し、加圧室R3が減容されるまでの間は、バルブシート3aと吸入弁体3bとの間に隙間を流れる燃料の圧力によって吸入弁体3bが開いた状態が維持される。
昇圧プランジャ4bが上昇して加圧室R3が減容されると、吸入弁体3bがボディ径方向外側に押し戻され、吸入弁体3bが閉じた状態となり、加圧室R3内の燃料が昇圧される。なお、吸入弁体3bが完全に閉じた状態となるまでの間、加圧室R3内の燃料の一部は吸入流路R1及び供給流路R4を通じてダンパ室Rdに逆流する。このとき、パルセーションダンパ6dが圧縮され、これによってダンパ室Rdの圧力変動が吸収される。
加圧室R3において燃料が昇圧されると、吐出機構5の吐出弁体5cがボディ径方向外側に押圧されて、吐出弁体5cと吐出バルブシート5bとの間に隙間が形成される。この結果、加圧室R3にて昇圧された燃料は、吐出流路R2及び吐出ノズル5aを通じて、本実施形態のプランジャポンプ1の外部に吐出される。
また、吐出流路R2に流入した高圧燃料の圧力が所定値よりも上昇すると、リリーフ弁体5f2が燃料により下流側に押され、スプリングリテーナ5f4を介してリリーフスプリング5f3が圧縮されることで、リリーフバルブシート5f1から離れて下流側へと移動する。これにより、リリーフ弁5fが開弁され、第1流路R6a内に高圧燃料が流入する。高圧燃料の噴流は、第2流路R6bが第1流路R6aに対して略垂直に形成されているため、第1流路R6aと第2流路R6bとの接続部において流路を構成する壁面に衝突しながら上方へと向かう。このとき、第1流路R6a及び第2流路R6bの合計容積が、加圧室R3の行程容積より大きいため、第1流路R6a及び第2流路R6bへ流れ込んだ燃料は、再度加圧室R3において燃料が加圧されて吐出流路R2に流入した高圧燃料の圧力が所定値よりも上昇し得るまでの間リリーフ流路R6内に留まり、加圧室R3からさらに燃料が流入すると、第1流路R6a及び第2流路R6bから押し出され、絞り流路R6cを通過してダンパ室Rdへと流入する。
このような本実施形態に係るプランジャポンプ1によれば、第1流路R6aに対して第2流路R6bが角度を形成して接続されているため、吐出流路R2からリリーフ流路R6へと流入する高圧燃料の噴流は直進してダンパ室Rdに進入することができず、第1流路R6aから第2流路R6bへと流入する際にリリーフ流路R6を構成する壁面に衝突しつつ、予めリリーフ流路内に満たされていた低圧の燃料と混ざり合うことで勢いを弱められる。一般的に、エロージョンはキャビテーションによる気泡が勢い良く衝突することによって気泡がつぶれて起きるが、勢いを弱められた高圧燃料の噴流はダンパ室Rdに達してもダンパ室内の部品に強く衝突することはない。したがって、ダンパ室Rd内のエロージョンを抑制することができる。
また、本実施形態に係るプランジャポンプ1によれば、第1流路R6aはリリーフ弁5fよりも下流側に延在する緩和空間R6dを有し、第2流路R6bは緩和空間R6dとリリーフ弁5fとの間において第1流路R6aに接続されている。これにより、吐出流路R2からリリーフ流路R6へと流入する高圧燃料の噴流は緩和空間R6d内へ勢いを保ったまま進入した後、緩和空間R6dの底で弾き返されることで、予め緩和空間R6d内に満たされていた低圧の燃料とより強く混ざり合うこととなる。これによって高圧燃料の噴流はさらに勢いが弱められるため、ダンパ室Rd内のエロージョンを抑制することができる。
また、本実施形態に係るプランジャポンプ1によれば、リリーフ流路R6が絞り流路R6cを有している。これにより、リリーフ流路R6に高圧燃料が流入した際に、それまでリリーフ流路R6内に満たされていた燃料は、絞り流路R6cによってリリーフ流路R6から流出することを阻まれ、リリーフ流路R6内の圧力は一時的に上昇することになる。したがって、吐出流路R2からリリーフ流路R6内に流入する高圧燃料の圧力差が減少されリリーフ流路R6内におけるキャビテーションによる気泡の発生を抑制することができる。これによって、ダンパ室Rdにキャビテーションによる気泡が達することを防いで、ダンパ室Rd内のエロージョンを抑制することができる。
また、本実施形態に係るプランジャポンプ1によれば、第1流路R6a及び第2流路R6bの合計容積が、加圧室R3における行程容積より大きい。したがって、リリーフ流路R6に一度の加圧行程において流入した高圧燃料は、加圧室R3において次の加圧行程が開始されるまでの期間リリーフ流路R6内に留まり、キャビテーションによって発生した気泡が減少するための時間的猶予を得ることができる。これによっても、ダンパ室Rdにキャビテーションによる気泡が達することを防いで、ダンパ室Rd内のエロージョンを抑制することができる。
さらに、本実施形態に係るプランジャポンプ1によれば、第1流路R6aに設けられるリリーフ弁5fは、リリーフ弁体5f2を閉弁状態に付勢するリリーフスプリング5f3を有している。このため、リリーフ弁5fは、吐出流路R2における燃料の圧力が所定の圧力となった場合に、センサ等を用いることなく、燃料の圧力によりリリーフ流路R6に燃料が流入するように調整することができる。
また、このような構成とすることにより、ダンパ室Rdへと流入する燃料の圧力を低下させることができ、ダンパ室Rdにおいて、ダンパ室Rd内の部材に対して、高い圧力がかかることを抑制できる。したがって、ダンパ室Rdにおいて、従来と比較して耐圧性能の低い部材を用いることが可能となり、製造コストを削減することができる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
(1)上記実施形態においては、リリーフ流路R6において、第1流路R6a及び第2流路R6bの合計容積は、加圧室R3の行程容積よりも大きく設定されているが、本発明はこれに限定されない。第1流路R6a及び第2流路R6bの合計容積は、ダンパ室Rdにおける燃料の圧力に応じて任意に設定することが可能である。
(2)また、上記実施形態においては、絞り流路R6cは、第1流路R6aよりも流路径が小さい構成としたが、本発明はこれに限定されない。絞り流路R6cの流路径は、第1流路R6aより大きい構成を採用することも可能である。
(3)また、上記実施形態においては、ダンパ室Rd(燃料室)には、2枚のダイアフラムを有するパルセーションダンパ6dが設けられる構成としたが、本発明はこれに限定されない。パルセーションダンパ6dの形状及び構成が限定されるものではない。
(4)また、上記実施形態においては、本発明をプランジャポンプ1に適用した例について説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明は、電磁弁を有する燃料ポンプであって、吐出流路及び燃料室を有する構成であれば、どのような構成とすることも可能である。
1……プランジャポンプ
2……ボディ
3……吸入機構
4……昇圧機構
5……吐出機構
5f……リリーフ弁
R1……吸入流路
R2……吐出流路
R3……加圧室
R4……供給流路
R5……貫通空間
R6……リリーフ流路
R6a……第1流路
R6b……第2流路
R6c……流路
R6d……緩和空間
Rd……ダンパ室

Claims (1)

  1. 燃料が貯留される燃料の圧力脈動を吸収するダンパが設置される燃料室と、シリンダ内部に摺動可能に保持されたプランジャと、前記プランジャの加圧行程によって減容し、前記燃料が加圧される加圧室と、前記加圧室に接続される燃料吐出流路と、下流で前記燃料室に接続されると共に上流で前記燃料吐出流路に接続されるリリーフ流路とが形成され、前記リリーフ流路に設けられるリリーフ弁を備える燃料ポンプであって、
    前記リリーフ流路は、前記リリーフ弁が内設されると共に前記リリーフ弁が設けられる第1流路と、前記第1流路が延在する向きに対して角度を有して前記第1流路の前記リリーフ弁よりも下流に接続される第2流路とを有し、また前記第2流路内に配置され前記燃料室と接続すると共に流路径が前記第2流路に対して縮径された絞り流路を有する絞り通路形成部材を備え、さらに前記リリーフ弁から前記絞り流路までの容積が加圧行程において前記加圧室から吐出される燃料の最大容積よりも大きく、
    前記第1流路は、前記リリーフ弁よりも下流側に延在する緩和空間を有し、
    前記第2流路は、前記緩和空間と前記リリーフ弁との間において前記第1流路に接続され、
    前記絞り通路形成部材は、前記第2流路の最大径と略同一の外径を備え、また前記第2流路の前記燃料室側に配置される
    ことを特徴とする燃料ポンプ。
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