JP6996158B2 - コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、陽極箔と陰極箔とを備えて蓄電するコンデンサに関する。
電解コンデンサなどのコンデンサでは、たとえばアルミニウムからなる陽極箔、陰極箔およびこれらに挟まれるセパレータを巻回して作製されたコンデンサ素子に電解液を含浸させることが知られている(例えば、特許文献1)。このようなコンデンサの静電容量C(単位:[F])は、陽極箔の陰極箔に対向する面の実効面積をS[m2]、陽極箔の表面に形成された酸化皮膜の厚さをd[m]、酸化皮膜の比誘電率をεとすると、以下の式(1)で表される。
C=8.854×10-12×ε・S/d ・・・・(1)
特開2012-89688号公報
コンデンサは静電容量の増加が要望されている。静電容量を大きくする手法の一つに陽極箔のエッチング層の厚さを厚くする方法、つまり、前記式(1)の実効面積Sを大きくする方法がある。しかし、この場合、陽極箔の箔厚が大きくなることから、コンデンサが大型化する。コンデンサは、静電容量の増加とともに小型化も要望されるため、この手法は好ましくない。そこで、コンデンサの大きさを維持または小型化しつつ、静電容量の増加を実現する方法として、陽極箔の酸化皮膜の厚さを薄くする、つまり、前記式(1)の厚さdを小さくする方法がある。ところで、コンデンサの耐電圧は、陽極箔の酸化皮膜の厚さdに依存する。酸化皮膜を薄くすると、酸化皮膜の厚さの減少量に応じて陽極箔の耐電圧は低下し、漏れ電流が増加する。漏れ電流が発生すると、アノード分極反応として、電解液中の水の乖離により存在する水酸化物イオン(OH-)から酸素イオン(O2-)が生成し、陽極箔のアルミニウムと反応して酸化皮膜が形成されるとともに、電子が生成される。つまり、漏れ電流の増加は、電子の生成量を著しく増加させる。なお、その際、電解液と陽極箔上の酸化皮膜界面ではプロトン(H+)が増加する。
陽極箔の酸化皮膜の厚さが減少すると、コンデンサの漏れ電流が増加し、アノード分極反応により生成される電子の量が増加する。この電子が陰極箔に移動すると、カソード分極反応として、陰極箔近傍に存在する電解液中のプロトンと結合し、原子状水素(Had)が生成される。二つの原子状水素が結合すると、分子状水素(H2ガス)が生成される。ここで、分子状水素を生成するカソード分極反応の反応量は、ファラデーの法則に則って、コンデンサの漏れ電流に対応するアノード分極反応の反応量に比例して大きくなる。つまり、静電容量Cを大きくするために陽極箔の酸化皮膜を薄くすると、分子状水素の発生量の増加により短期間にコンデンサの内部圧力が上昇し、コンデンサの寿命が短くなるという課題がある。
特許文献1には、斯かる課題の開示や示唆はない。本願発明は、特許文献1に開示や示唆がない課題に着目し、それを解決しようとするものである。そこで、本発明は、コンデンサ内で発生する原子状水素から分子状水素が生成されることを抑制して、分子状水素の増加によるコンデンサの圧力上昇を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一側面によれば、コンデンサは、陽極箔と陰極箔の巻回により形成されるコンデンサ素子と、電解液を含ませた前記コンデンサ素子を内部に収納する外装ケースとを備え、前記陰極箔の表面にチタンを含む水素反応膜が形成され、該水素反応膜に含まれるチタンが前記外装ケース内で発生する原子状水素と反応し、前記陽極箔の耐電圧比率と、前記陰極箔のチタン付着量との関係が、以下の式で示される範囲である。
Figure 0006996158000001
ただし、yは、前記耐電圧比率であって、前記コンデンサの定格電圧一ボルトあたりの皮膜耐電圧であり、xは、前記チタン付着量であって、一平方メートルあたりの前記陰極箔に形成された前記水素反応膜に含まれるチタンの量(単位:g/m 2 )であり、0より大きく、aは、-0.021または-0.020であり、Tは、前記コンデンサの上限動作温度(単位:℃)であり、Lは、前記コンデンサの動作時間(単位:h)である。なお、ここでいう動作時間とは、外装ケースの内部の圧力が所定の圧力を超えて圧力弁が動作するまでの時間をいう。
上記コンデンサにおいて、前記陽極箔がトンネル状ピットを備える中高圧用の陽極箔でもよい。
上記コンデンサにおいて、前記陽極箔は、200V以上の皮膜耐電圧Vtを備えてもよい。
上記目的を達成するためには、本発明の一側面によれば、コンデンサの製造方法は、陰極箔の表面に、原子状水素と反応するチタンを含む水素反応膜を形成する工程と、前記陰極箔の表面へのチタン付着量を、前記チタン付着量と陽極箔の耐電圧比率とが以下の式で示される関係になるように調整する工程と、前記陽極箔と前記陰極箔とを巻回してコンデンサ素子を形成する工程と、前記コンデンサ素子に電解液を含浸する工程と、
前記コンデンサ素子を外装ケースに収納する工程とを含む。
Figure 0006996158000002
ただし、yは、前記耐電圧比率であって、前記コンデンサの定格電圧一ボルトあたりの皮膜耐電圧であり、xは、前記チタン付着量であって、一平方メートルあたりの前記陰極箔に形成された前記水素反応膜に含まれるチタンの量(単位:g/m 2 )であり、0より大きく、aは、-0.021または-0.020であり、Tは、前記コンデンサの上限動作温度(単位:℃)であり、Lは、前記コンデンサの動作時間(単位:h)である。なお、ここでいう動作時間とは、外装ケースの内部の圧力が所定の圧力を超えて圧力弁が動作するまでの時間をいう。
本発明によれば、以下のいずれかの効果が得られる。
(1) 陰極箔の表面に原子状水素と反応する水素反応膜が形成されているので、外装ケース内で発生する原子状水素と反応し、分子状水素の生成および増加を抑制し、コンデンサの圧力の上昇を抑制することができる。
(2) 陰極箔の表面に形成された水素反応膜がコンデンサの圧力の上昇を抑制するので、水素反応膜を含まないコンデンサに比べて、陽極箔の皮膜耐電圧を下げることができる。つまり、単位対向面積あたりの静電容量Cを増加させることができる。
(3) 陰極箔の表面に形成された水素反応膜がコンデンサの圧力の上昇を抑制するので、水素反応膜を含まないコンデンサに比べて、コンデンサの動作時間(コンデンサの寿命)を長くすることができる。
そして、本発明の他の目的、特徴および利点は、添付図面、実施の形態および実施例を参照することにより、一層明確になるであろう。
一実施の形態に係るコンデンサを示す図である。 コンデンサの耐久力と陽極箔の皮膜耐電圧の関係の一例を示すグラフである。 陰極箔の表面に水素反応膜を形成する処理の一例を示す図である。 実施例および参考例に係るコンデンサの高さの変化を示すグラフである。
一実施の形態
本発明の一実施の形態について、図1のAおよび図1のBを参照して説明する。図1のAは、一実施の形態に係るコンデンサを示している。図1のAでは、コンデンサの内部構造を示すため、コンデンサの右半分がコンデンサの中心を通る切断面で示されている。図1のBは、図1のAに示されている領域Bを拡大して示している。
コンデンサ2は、陽極箔と陰極箔を有するコンデンサであって、たとえばアルミニウム電解コンデンサである。このコンデンサ2は、外装ケース4、コンデンサ素子6および封口体8を備えている。コンデンサ素子6は外装ケース4の内部に収納され、封口体8は外装ケース4の開口部に設置されている。
外装ケース4は、コンデンサ素子6および図示しない電解液を収納する収納部5を含んでいる。外装ケース4は、たとえば有底筒状であり、アルミニウムなどの金属またはマンガンやマグネシウムを含むアルミニウム合金などの硬質材料により形成される。硬質な外装ケース4は、剛性を有するとともに、高温度環境下であっても、加締め部10が緩むことはなく、封口体8を固定する固定力が維持される。外装ケース4の底面には、圧力弁9が備えられる。外装ケース4の内部の圧力が所定の圧力を超えると、圧力弁9が開き、コンデンサ2の破裂を防止する。この圧力弁9が開くと、コンデンサの寿命が尽きることになる。
封口体8は、外装ケース4の開口部を封止する。そして、コンデンサ素子6は外装ケース4および封口体8により外装ケース4の内部に封入される。封口体8は、たとえばフェノール樹脂などの樹脂を含む樹脂板、またはゴムなどの弾性体により形成され、収納部5に対し、空気や水分などを遮断している。
封口体8は、外部端子12A、12Bを含んでいる。この外部端子12A、12Bは、封口体8を貫通する導電部材であって、外部端子12A、12Bの内側端は、コンデンサ素子6の一端側に接続している。たとえば、外部端子12Aはコンデンサ素子6の陽極箔14に接続し、外部端子12Bは陰極箔16に接続する。外部端子12A、12Bの外側端は、封口体8の外部に突出し、たとえば基板上の電気回路に接続される。封口体8は、外装ケース4の開口部に対するカーリング処理と外装ケース4の外周面を周方向に沿って形成される加締め部10により、外装ケース4の開口部に固定されている。
コンデンサ素子6は、陽極箔14、陰極箔16およびセパレータ18を含んでいる。陽極箔14、陰極箔16およびセパレータ18は、積層体を形成する。この積層体が巻回されて、コンデンサ素子6を形成する。コンデンサ素子6は、たとえば円柱形状である。陽極箔14はコンデンサ2の陽極を構成し、陰極箔16はコンデンサ2の陰極を構成する。セパレータ18は、陽極箔14および陰極箔16に挟まれるように、陽極箔14および陰極箔16の間に配置される。このセパレータ18は、たとえば電解液を保持する電解紙であって、陽極箔14と陰極箔16の接触を防止する。
陽極箔14は、たとえばアルミニウム箔で形成される。陽極箔14の表面には、エッチング処理により凹凸が形成され、化成処理により酸化皮膜20が形成されている。この陽極箔14は、たとえば中高圧用の陽極箔であり、表面の凹凸は、トンネルエッチングにより形成されたトンネル状ピット(穴)を含んでいる。トンネル状ピットの直径は、たとえば約1[μm]であり、長さは、たとえば数十[μm]であり、密度は、たとえば105~108[個/cm-2]である。陽極箔14は、酸化皮膜20により、例えば200ボルト以上の皮膜耐電圧Vtを有する。この皮膜耐電圧Vtは、一般社団法人 電子情報技術産業協会(Japan Electronics and Information Technology Industries Association:JEITA)により規格されたJEITA規格(JEITA Standards)のEIAJ RC-2364A「アルミニウム電解コンデンサ用電極はくの試験方法」(1999年3月改訂)に基づき測定される耐電圧である。
陰極箔16は、たとえばアルミニウム箔で形成される。この陰極箔16の表面には、水素反応膜22が形成されている。水素反応膜22は、プロトンが電子に結合して生成される原子状水素と反応して、原子状水素と結合する。たとえば、水素反応膜22は、原子状水素を膜中に取り込む。この水素反応膜22が原子状水素と結合するので、原子状水素同士の結合が抑制され、水素ガスなどの分子状水素の発生および増加が抑制される。水素反応膜22は、原子状水素と反応する部材を含んでいればよく、たとえば純チタン、窒化チタンおよび炭化チタンなどのチタン化合物、チタン合金、またはこれらの混合部材である。この水素反応膜22は、たとえば真空蒸着法、化学蒸着法、イオンプレーティング法またはスパッタリング法により形成する。
〔水素反応膜22による陽極箔14の皮膜耐電圧の低減〕
水素反応膜22は、既述のとおり原子状水素と反応し、分子状水素の増加を抑制するので、コンデンサ2は、水素反応膜22を含まないコンデンサよりも多くの原子状水素の生成を許容することができる。陽極箔14の酸化皮膜20の厚さdを薄くし(つまり、陽極箔14の皮膜耐電圧を低下させ)、原子状水素の生成量が増加しても、たとえばコンデンサ2の使用開始からコンデンサ2の使用終了までのコンデンサ2の動作時間(つまりコンデンサの寿命時間)を維持することができる。このとき、酸化皮膜20の厚さdが薄くなるので、コンデンサ2の静電容量Cを増加させることができる。
図2は、コンデンサ2の耐久力と陽極箔14の皮膜耐電圧Vtの関係の一例を示している。ここでいうコンデンサ2の耐久力とは、外装ケース4の内部の圧力が所定の圧力を超えて圧力弁9が動作するまでの時間をいい、たとえば、85[℃]、105[℃]などのコンデンサの上限動作温度と2000時間、4000時間などのコンデンサの動作時間により表される。図2に示されているグラフの横軸(X軸)は、一平方メートルあたりの陰極箔16に付着しているチタンの付着量(単位:[g/m2])(以下、「Ti付着量」という)を表し、縦軸(Y軸)は、コンデンサの定格電圧(Work Voltage:WV)一ボルトあたりの皮膜耐電圧(Vt/WV)(以下、「耐電圧比率」という)を表している。なお、Ti付着量では、陰極箔16の両面における水素反応膜22のチタンの付着量を考慮している。直線L1は、85[℃]の上限動作温度において2000時間の動作時間を得るために必要な耐電圧比率を示し、直線L2は、85[℃]の上限動作温度において4000時間の動作時間を得るために必要な耐電圧比率を示し、直線L3は、105[℃]の上限動作温度において2000時間の動作時間を得るために必要な耐電圧比率を示し、直線L4は、105[℃]の上限動作温度において4000時間の動作時間を得るために必要な耐電圧比率を示している。図2に示されているグラフ上のマーカーは、Ti付着量および耐電圧比率が異なるコンデンサ2の耐久力を評価する実験から得られた実験値である。図2のグラフ上の直線L1、L2、L3、L4は、グラフ上のマーカーに基づき引かれた近似曲線(線形近似)である。図2のグラフは、Ti付着量および皮膜耐電圧Vtが異なるコンデンサ2を評価するにあたり、新しい発想の下で創作されたグラフである。図2に示されているグラフの縦軸および横軸の設定、およびこのグラフに示されているデータは、本発明の技術分野の進歩に貢献し得る有益なデータである。
直線L1、L2、L3、L4は、それぞれ以下の式(2)~(5)で表される。
L1: y=-0.020x+1.326 ・・・・(2)
L2: y=-0.020x+1.366 ・・・・(3)
L3: y=-0.021x+1.407 ・・・・(4)
L4: y=-0.021x+1.449 ・・・・(5)
ここで、yは、耐電圧比率であり、xは、Ti付着量である。
これらの直線L1、L2、L3、L4のR-2 乗値(R2)は、それぞれ0.998、0.998、0.998、0.997である。R-2 乗値(R2)は、最小二乗法による近似関数の決定関数である。ここで直線L1、L2、L3、L4のR-2 乗値(R2)がいずれも0.997≦R2<1の範囲であることから、これらのR-2 乗値(R2)は、近似曲線(直線L1、L2、L3、L4)が信頼できることを表す。
係数a、上限動作温度T、動作時間Lを用いて、これらの式(2)~(5)は、以下の式(6)にまとめることができる。
Figure 0006996158000003
・・・・(6)

ただし、aは-0.021または-0.020である。
耐電圧比率が式(6)の右辺の値以上であると、コンデンサ2は、式(6)の上限動作温度Tおよび動作時間Lにより設定される耐久力以上の耐久力を得ることができる。この式(6)を用いることで、コンデンサ2の仕様に係る上限動作温度T、動作時間Lおよびコンデンサの定格電圧、ならびにTi付着量から、陽極箔14に必要な皮膜耐電圧Vtを容易に決定することができる。
y軸上の直線L1、L2、L3、L4の切片、つまりy切片は、水素反応膜22を含まないコンデンサにおいて要求される耐電圧比率を表している。直線L1、L2、L3、L4において、Ti付着量が増加するにつれて、耐電圧比率が減少する。つまり、陰極箔16に水素反応膜22を形成することで、耐久力を維持しつつ、陽極箔14の耐電圧比率および皮膜耐電圧Vtを小さくすることができる。耐電圧比率が小さくなるにつれて、つまり、皮膜耐電圧Vtが小さくなるにつれて、酸化皮膜20の厚さdは薄くなり、コンデンサの静電容量Cを増加させることができる。
〔水素反応膜22によるコンデンサ2の耐久力の向上〕
水素反応膜22が分子状水素の増加を抑制するので、外装ケース4の内部圧力の上昇を抑制することができ、外装ケース4に形成された圧力弁9の作動時期を遅らせることができる。つまり、圧力弁9の作動により使用終了となるコンデンサ2の動作時間を、水素反応膜22を含まないコンデンサの動作時間よりも長くすることができる。
図2に示されているグラフの直線L1から、Ti付着量が0[g/m2]であり耐電圧比率が1.326であるとき、コンデンサの耐久力は、たとえば85[℃]の上限動作温度と2000時間の動作時間により表される。この耐電圧比率を維持しつつ、Ti付着量が2.0[g/m2]に増加すると、グラフの直線L2から、コンデンサの耐久力は、たとえば85[℃]の上限動作温度と4000時間の動作時間により表される。つまり、水素反応膜22を含むことでコンデンサ2の耐久力を向上させることができる。
〔Ti付着量の分析方法〕
Ti付着量は、たとえばICP発光分光分析法(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy:ICP-AES)により定量することができる。Ti付着量は、たとえば次のようにして測定される。既知の面積(たとえば2.2[cm2])の陰極箔16を切り出し、この切り出した陰極箔16を熱濃硫酸(たとえば4[ml])により全て溶解して溶解液を得る。この溶解液を蒸留水で50[ml]にメスアップし、溶解液の希釈液を得る。この希釈液中のチタン濃度をICP発光分光分析装置(たとえばSIIナノテクノロジー株式会社製、型番:SPS5100)により定量する。そして、一平方メートルあたりの陰極箔16のTi付着量を求める。
〔Ti付着量〕
水素反応膜22は、原子状水素と反応する性質を備えていればよく、Ti付着量の最小量に特定の制限はない。たとえばICP発光分光分析装置の検出下限程度のTi付着量(たとえば、0.1[g/m2]程度)であってもよい。また、Ti付着量の最大量に特定の制限はない。たとえば水素反応膜22による重量増加、または水素反応膜22の形成による陰極箔16の巻回の容易性または困難性の観点から、Ti付着量の最大量を制限すればよい。
〔陰極箔16への水素反応膜22の形成〕
図3は、陰極箔16の表面に水素反応膜22を形成する処理の一例を示している。図3に示す例では、蒸発源38-1、38-2を用いた真空蒸着により水素反応膜22が形成される。水素反応膜22は、陰極箔16の表面に形成される。図3に示すように、陰極箔16のロール32を真空容器30内に回転可能に設置する。陰極箔16は、反転部34を通って巻取りロール36に巻き取られる。反転部34は反転ロール34-1、24-2を含み、陰極箔16の上下を反転させる。真空容器30の内部は、真空蒸着に適した真空度(たとえば、10-3~10-4[Pa])まで減圧される。
ロール32から送り出された陰極箔16の下側面(第1の表面)には、蒸発源38-1の上部で水素反応膜22が形成される。反転部34で反転された陰極箔16の下側面(第2の表面)には、蒸発源38-2の上部で水素反応膜22が形成される。蒸発源38-1、38-2は、ヒータ、高周波コイル、電子ビームなどの加熱装置、およびるつぼを含む。るつぼ内にはチタンなどの成膜材料40が設置され、加熱装置がるつぼを加熱して、るつぼ内の成膜材料40を蒸発および発散させる。発散した成膜材料40が陰極箔16の表面に付着して水素反応膜22が形成される。水素反応膜22として純チタン膜を形成する場合には、チタンを成膜材料40として、成膜すればよい。また、水素反応膜22として窒化チタン膜を形成する場合には、チタンを成膜材料40として、真空容器30内に窒素ガスを導入しつつ成膜すればよい。窒素ガスの導入量を調整することで、水素反応膜22に含まれる窒化チタンの含有割合を調整することができる。
〔陽極箔14の作製〕
アルミニウム箔の表面をエッチングした後、この表面を化成処理により化成させ、表面に酸化皮膜20が形成された陽極箔14を作製する。
〔コンデンサ2の製造〕
酸化皮膜20が形成された陽極箔14と、水素反応膜22が形成された陰極箔16の間にセパレータ18を挟んで、陽極箔14、セパレータ18および陰極箔16を含む積層体を形成する。この積層体を巻回して、コンデンサ素子6を作製する。コンデンサ素子6を電解液に浸漬させ、コンデンサ素子6に電解液を含ませる。
コンデンサ素子6を封口体8の外部端子12A、12Bに接続し、コンデンサ素子6および封口体8を外装ケース4の収納部5に収納し、外装ケース4の開口部で封口体8を外装ケース4に固定し、コンデンサ2を得る。
〔一実施の形態の機能および効果〕
(1) 水素反応膜22が原子状水素と結合するので、原子状水素同士の結合が抑制され、分子状水素の生成および増加が抑制される。電解液中のプロトンは、水素反応膜22が形成された陰極箔16側で電子と結合するので、水素反応膜22は、効率的に原子状水素と結合することができる。
(2) 分子状水素の生成および増加が抑制されるので、陽極箔14の皮膜耐電圧を低下させて、静電容量Cを増加させることができる。
(3) 分子状水素の生成および増加が抑制されるので、コンデンサ2の耐久力を増加させることができる。つまり、高い耐久性を有するコンデンサ2を得ることができる。
(4) Ti付着量に応じて陽極箔14の耐電圧比率および皮膜耐電圧Vtを設定することができる。つまり、陽極箔14の耐電圧比率および皮膜耐電圧Vtを容易に決定することができる。
〔一実施の形態の変形例〕
(1) 上記実施の形態では、陰極箔16の両面に水素反応膜22を形成しているが、陰極箔16の片面に水素反応膜22を形成してもよい。陰極箔16の片面に形成された水素反応膜22が原子状水素と結合し、分子状水素の発生および増加を抑制することができる。陰極箔16の片面に水素反応膜22を形成する場合、水素反応膜22の形成負担が軽減される。
(2) 上記実施の形態は、中高圧用の陽極箔14を含む中高圧用のコンデンサ2の例であるが、コンデンサ2は、低圧用のコンデンサ2であってもよい。低圧用のコンデンサ2よりも高い電圧で使用される中高圧用のコンデンサ2において、可燃性を有する水素への対応は重要である。しかしながら、低圧用のコンデンサ2が水素反応膜22を含むことで、低圧用のコンデンサ2は、中高圧用のコンデンサ2と同様に水素ガスの発生および増加を抑制することができる。
(3) 上記実施の形態では、水素反応膜22はチタンを含んでいるが、水素と反応および結合する金属を含んでいればよく、たとえばマグネシウム(Mg)、バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)等の水素と親和性の高い金属を含む膜であってもよい。
(4) 上記実施の形態では、陽極箔14および陰極箔16にアルミニウム箔を用いたアルミニウム電解コンデンサを示しているが、陽極箔14および陰極箔16の材料は、アルミニウム箔に限定されるものではない。たとえば、タンタルを陽極に用いたタンタル電解コンデンサであってもよい。
〔実施例1および実施例2〕
実施例1および実施例2のコンデンサは、上記実施の形態で既述したコンデンサ2と同様の構成を有している。実施例1および実施例2のコンデンサのTi付着量、皮膜耐電圧Vt、耐電圧比率、静電容量Cおよび容量比率は、表1に示す値に設定されている。
基準例、参考例1および参考例2のコンデンサのTi付着量、皮膜耐電圧Vt、耐電圧比率、静電容量Cおよび容量比率は、表1に示す値に設定されている。基準例、参考例1および参考例2のコンデンサのTi付着量は、0[g/m2]であり、基準例、参考例1および参考例2のコンデンサは、水素反応膜22を含んでいない。
基準例、実施例1、実施例2、参考例1および参考例2(以下「第1の例群」という)のコンデンサの直径は30[mm]であり、高さは40[mm]であり、定格電圧(WV)は450[V]である。第1の例群のコンデンサの容量比率は、基準例の静電容量Cを100[%]としたときの第1の例群の各コンデンサの静電容量Cの比率である。
Figure 0006996158000004
〔寿命確認試験〕
第1の例群のコンデンサに105[℃]で定格電圧450[V]を印加し、第1の例群のコンデンサの動作時間、つまり定格電圧の印加開始から圧力弁が作動するまでの時間を確認した。表2は、第1の例群における動作時間を示している。
Figure 0006996158000005
静電容量Cを基準例の390[μF]から430[μF]に増加させるため、参考例1に示すように、単に陽極箔の皮膜耐電圧Vtを619.7[V]に下げると、分子状水素の発生により内部圧力の上昇が早くなり、動作時間が1,000時間に短くなる。しかしながら、実施例1に示すように、陽極箔の皮膜耐電圧Vtの低下に対応して、既述の耐電圧比率を基に計算した量のチタン(1.3[g/m2])を陰極箔に付着させることで、基準例と同等の動作時間(2,000時間)を維持しつつ、430[μF]の静電容量Cを得ることができる。
静電容量Cを基準例の390[μF]から440[μF]に増加させるため、参考例2に示すように、単に陽極箔の皮膜耐電圧Vtを592.2[V]に下げると、分子状水素の発生により内部圧力の上昇が早くなり、動作時間が500時間に短くなる。しかしながら、実施例2に示すように、陽極箔の皮膜耐電圧Vtの低下に対応して、既述の耐電圧比率を基に計算した量のチタン(4.4[g/m2])を陰極箔に付着させることで、基準例と同等の動作時間(2,000時間)を維持しつつ、440[μF]の静電容量Cを得ることができる。
〔実施例3~実施例6〕
実施例3~実施例6のコンデンサは、上記実施の形態で既述したコンデンサ2と同様の構成を有している。実施例3~実施例6のコンデンサのTi付着量、皮膜耐電圧Vt、耐電圧比率、および動作時間は、表3に示す値に設定されている。
参考例3~参考例5のコンデンサのTi付着量、皮膜耐電圧Vt、耐電圧比率、および動作時間は、表3に示す値に設定されている。参考例3~参考例5のコンデンサのTi付着量は、0[g/m2]であり、参考例3~参考例5のコンデンサは、水素反応膜22を含んでいない。
実施例3~実施例6および参考例3~参考例5(以下「第2の例群」という)のコンデンサの直径は30[mm]であり、高さは40[mm]であり、定格電圧(WV)は450[V]である。
Figure 0006996158000006
〔コンデンサの高さ変化〕
第2の例群のコンデンサに105[℃]で定格電圧450[V]を印加し、コンデンサの底面をコンデンサの高さ方向(外装ケース4の開口部と底面を結ぶ線に沿う方向)に膨張させ、この膨張によるコンデンサの高さの変化を確認した。図4のAは、実施例5と参考例3のコンデンサの底面の膨張に伴う高さの膨張量(高さ膨張量ΔL)を示している。実施例5と参考例3のコンデンサの耐電圧比率は、1.316であり同じである。しかしながら、Ti付着量が4.4[g/m2]である実施例5の高さ膨張量ΔLは、同時間における参考例3の高さ膨張量ΔLよりも少なくなる。その結果、実施例5の高さ膨張量ΔLは、約2000時間で1.8[mm]以上に到達するのに対し、参考例3の高さ膨張量ΔLは、約500時間で1.8[mm]以上になる。第2の例群のコンデンサの圧力弁は、高さ膨張量ΔLがおよそ1.8[mm]になると、動作し、開弁するように設定される。よって、実施例5では、4.4[g/m2]の水素反応膜22により、コンデンサの動作時間が参考例3よりも1500時間延びることが分かる。
図4のBは、2000時間の動作時間を有するコンデンサの例を示している。実施例3、実施例5および参考例4の高さ膨張量ΔLは、ほぼ同じように変化し、約2000時間で1.8[mm]に到達する。実施例3、実施例5および参考例4の高さの変化から、高さ膨張量ΔLが同じように変化するコンデンサにおいて、Ti付着量が増加すると、耐電圧比率が下がることが分かる。
図4のCは、4000時間の動作時間を有するコンデンサの例を示している。2000時間の動作時間を有するコンデンサの例と同様に、実施例4、実施例6および参考例5の高さ膨張量ΔLは、ほぼ同じように変化する。実施例4、実施例6および参考例5の外径の変化から、高さ膨張量ΔLが同じように変化するコンデンサにおいて、Ti付着量が増加すると、耐電圧比率が下がることが分かる。
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施形態および実施例等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
本発明は、たとえば電源回路、インバータまたは車載用のコンデンサまたはその製造方法として利用できる。
2 コンデンサ
4 外装ケース
5 収納部
6 コンデンサ素子
8 封口体
9 圧力弁
10 加締め部
12A、12B 外部端子
14 陽極箔
16 陰極箔
18 セパレータ
20 酸化皮膜
22 水素反応膜
30 真空容器
32 ロール
34 反転部
24-1、34-2 反転ロール
36 巻取りロール
38-1、38-2 蒸発源
40 成膜材料

Claims (4)

  1. 陽極箔と陰極箔の巻回により形成されるコンデンサ素子と、
    電解液を含ませた前記コンデンサ素子を内部に収納する外装ケースと、
    を備え、
    前記陰極箔の表面にチタンを含む水素反応膜が形成され、該水素反応膜に含まれるチタンが前記外装ケース内で発生する原子状水素と反応し、
    前記陽極箔の耐電圧比率と、前記陰極箔のチタン付着量との関係が、以下の式で示される範囲であることを特徴とするコンデンサ。
    Figure 0006996158000007
    ただし、
    yは、前記耐電圧比率であって、前記コンデンサの定格電圧一ボルトあたりの皮膜耐電圧であり、
    xは、前記チタン付着量であって、一平方メートルあたりの前記陰極箔に形成された前記水素反応膜に含まれるチタンの量(単位:g/m 2 )であり、0より大きく、
    aは、-0.021または-0.020であり、
    Tは、前記コンデンサの上限動作温度(単位:℃)であり、
    Lは、前記コンデンサの動作時間(単位:h)である。
  2. 前記陽極箔がトンネル状ピットを備える中高圧用の陽極箔であることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ。
  3. 前記陽極箔は、200V以上の皮膜耐電圧Vtを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンデンサ。
  4. 陰極箔の表面に、原子状水素と反応するチタンを含む水素反応膜を形成する工程と、
    前記陰極箔の表面へのチタン付着量を、前記チタン付着量と陽極箔の耐電圧比率とが以下の式で示される関係になるように調整する工程と、
    前記陽極箔と前記陰極箔とを巻回してコンデンサ素子を形成する工程と、
    前記コンデンサ素子に電解液を含浸する工程と、
    前記コンデンサ素子を外装ケースに収納する工程と、
    を含むことを特徴とするコンデンサの製造方法。
    Figure 0006996158000008
    ただし、
    yは、前記耐電圧比率であって、前記コンデンサの定格電圧一ボルトあたりの皮膜耐電圧であり、
    xは、前記チタン付着量であって、一平方メートルあたりの前記陰極箔に形成された前記水素反応膜に含まれるチタンの量(単位:g/m 2 )であり、0より大きく、
    aは、-0.021または-0.020であり、
    Tは、前記コンデンサの上限動作温度(単位:℃)であり、
    Lは、前記コンデンサの動作時間(単位:h)である。
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