JP6993787B2 - 光触媒活性の評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は光触媒活性の評価方法に関する。
人工光合成は、植物の光合成を模倣する形で太陽光により水から水素を得る、或いは、二酸化炭素を原料に有機物を得る反応技術であり、サステイナブルな有用資源を生み出す夢の技術として期待されている。特に光触媒反応により水から水素を製造する技術は、コストに最も寄与し、太陽光エネルギー変換効率が10%を超えれば、商業的に実現可能であると言われている。
しかしながら、現状の太陽光エネルギー変換効率は目標未達であり、目標達成のためには更なるブレイクスルーが必要である。エネルギー変換効率を向上させるには、光触媒の吸収波長領域を近赤外領域まで広げることと、吸収した光子数のうちの反応に使われる電子数の割合、つまり、量子収率を向上させることとが必要であり、特に後者の量子収率を向上させることが最も重要である。ところが、量子収率の低下については、光照射により発生した電子及びホール(以下、両者を合わせて「キャリア」という。)が光触媒内で再結合し失活することが原因であると言われているものの、量子収率を向上させるための明確な要因は未解明である。
そこで近年、量子収率の向上、すなわち光触媒活性の向上に寄与する要因が何かを、光触媒のキャリアダイナミクス解析によって明らかにしようとする試みが進められている。例えば、非特許文献1及び2では、光触媒の過渡吸収スペクトルによって、発生したキャリアの寿命を測定し、そのキャリア寿命と光触媒活性とについて議論している。また、非特許文献3では、アナターゼ型酸化チタンナノ結晶膜について、透過型過渡吸収スペクトルを測定し、キャリアに由来するスペクトルを分離して議論している。
M.Salmi, N.Tkachenko, V.Vehmanen, R.Lamminmaki, S.Karvinen, H.Lemmetyinen, (2004)"The effect of calcination on photocatalytic activity of TiO2 particles: femtosecond study,"J. Photochem. Photobiol., A. 163, 395-401. A.Yamakata, J.J.M.Vequizo, H.Matsunaga,(2015)"Distinctive Behavior of photogenerated electrons and holes in anatase rutile TiO2 powders," J. Phys. Chem.,C.119, 24538-24545 T.Yoshihara, R.Katoh, A.Furube, Y.Tamaki, M.Murai, K.Hara, S.Murata, H.Arakawa, M.Tachiya,(2004)"Identification of reactive species in photoexecited nanocrystalline TiO2 films by wide-wavelength-range(400-2500nm) transient absorption spectroscopy,"J. Phys. Chem.,B.108, 3817-3823
光触媒反応は、光触媒内において高いエネルギー状態の励起電子とホールとに電荷分離し、励起電子が還元反応を、また、ホールが酸化反応を、それぞれ起こすことにより生じる。しかしながら、従来の解析方法では、発生したキャリアについて、具体的な励起電子やホールの挙動が明確でなく、そのため光触媒活性とキャリア寿命との相関が不明確であるという問題があった。
本発明の課題は、光触媒に発生した励起電子又はホールの挙動を明確化することができる光触媒活性の評価方法を提供することである。
本発明は、ポンプ・プローブ分光法により測定される光触媒の拡散反射スペクトルの時系列データを得る手順1と、前記手順1で得た拡散反射スペクトルの時系列データを所定のモデルに当てはめて複数のスペクトル成分に分離する手順2と、前記手順2で分離した複数のスペクトル成分から、前記光触媒に発生した励起電子又はホールに由来するものを抽出する手順3とを有する光触媒活性の評価方法である。
本発明によれば、光触媒の拡散反射スペクトルの時系列データを複数のスペクトル成分に分離し、それらの中から光触媒に発生した励起電子又はホールに由来するものを抽出するので、そのスペクトル成分を解析することにより励起電子又はホールの挙動を明確化することができる。
光触媒の触媒作用を示す図である。 拡散反射スペクトル測定装置の構成を示す図である。 ポンプ光及びプローブ光の照射タイミングを示す図である。 過渡吸収スペクトルを示す図である。 酸化チタンの拡散反射スペクトルの時系列データを示す図である。 酸化チタンの第1スペクトル成分の経時変化を示す図である。 酸化チタンの第2スペクトル成分の経時変化を示す図である。 酸化チタンの第3スペクトル成分の経時変化を示す図である。 サンプル1の第2スペクトル成分を示す図である。 サンプル2の第2スペクトル成分を示す図である。 サンプル3の第2スペクトル成分を示す図である。 サンプル4の第2スペクトル成分を示す図である。 第2スペクトル成分の時定数と酸素生成速度との関係を示すグラフである。
以下、実施形態について詳細に説明する。
光触媒Cは、図1に示すように、所定波長の光が照射されると、その光を吸収して基底状態にあった電子eがエネルギー準位の高い励起状態となり、光触媒C内では、励起電子eとそれが抜けた後のホールhとに電荷分離する。そして、これらの励起電子e及びホールhからなるキャリアによって光触媒反応の促進が図られ、例えば、光触媒Cが水相Wに接触している場合、励起電子eが還元反応に利用されて水素イオンHから水素Hを生成すると共に、ホールhが酸化反応に利用されて水HOから水素イオンHと酸素Oを生成する。その一方、光触媒C内に発生したキャリアの励起電子e及びホールhは、それぞれ同じエネルギー準位内を移動し、或いは、それらが再結合することにより失活し、光化学反応に直接的に関与しない挙動や光化学反応を阻害する挙動も示す。光触媒Cによる光触媒反応を効果的に促進させるには、光触媒活性の高い光触媒Cを用いることが望まれるが、そのためには具体的なキャリア種である励起電子eやホールhの挙動を明確化した光触媒Cの光触媒活性の評価が必要である。
かかる目的に合致した実施形態に係る光触媒活性の評価方法は、以下の手順1~3を有する。
(手順1)
実施形態に係る光触媒活性の評価方法では、手順1として、ポンプ・プローブ分光法により測定される光触媒の拡散反射スペクトルの時系列データ、つまり、過渡吸収スペクトルを得る。
図2は、ポンプ・プローブ分光法により光触媒の拡散反射スペクトルの測定に用いる拡散反射スペクトル測定装置10の一例を示す。
この拡散反射スペクトル測定装置10は、試料台11、ポンプ光源12、プローブ光源13、レンズ部材14、色ガラスフィルタ15、軸外し放物面鏡16、分光器17、検出器18、及びデータ出力部19を備えている。分光器17と検出器18とは光導波路Lで接続されており、検出器18とデータ出力部19とは電線Lで接続されている。また、ポンプ光源12及びプローブ光源13は図示しない発光制御部に接続されている。
試料台11は、測定対象の試料Sの光触媒がセットされる。
ポンプ光源12は、パルス状のポンプ光を発するパルスレーザで構成されている。かかるパルスレーザとしては、例えば固体レーザや半導体レーザやファイバレーザ等が挙げられる。ポンプ光源12は、試料台の斜め方向に設けられており、ポンプ光を試料台11上の試料Sに対して斜め方向から照射する。なお、ポンプ光源12は、試料台11の対面方向に設けられ、ポンプ光を試料台11上の試料Sに対して対面方向から照射する構成であってもよい。
プローブ光源13は、所定波長範囲のパルス状のプローブ光を発する例えば白色光源やハロゲンランプ等で構成されている。プローブ光源13は、試料台11の斜め方向に設けられており、プローブ光を試料台11上の試料Sに対して斜め方向から照射する。なお、プローブ光源13は、試料台の対面方向に設けられ、プローブ光を試料台11上の試料Sに対して対面方向から照射する構成であってもよい。但し、拡散反射光の集光量を高める観点からは、プローブ光源13は、プローブ光を試料台11上の試料Sに対して斜め方向から照射するように設けられていることが好ましい。
レンズ部材14は、試料台11に対向するように設けられており、試料台11上の試料Sに対して照射されたプローブ光の拡散反射光を集光する。
レンズ部材14の開口数は、波長によらず拡散反射光の集光量を高め高SN比での測定を行う観点から、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.20以上、更に好ましくは0.30以上であり、立体障害とならずにポンプ光とプローブ光を入射させやすくする観点から、好ましくは0.70以下、より好ましくは0.60以下、更に好ましくは0.50以下である。レンズ部材14の開口数は、好ましくは0.10以上0.70以下、より好ましくは0.20以上0.60以下、更に好ましくは0.30以上0.50以下である。
また、レンズ部材14は、波長に依らず拡散反射光の集光量を高める観点から、波長650nmの光に対する焦点距離と波長800nmの光に対する焦点距離との差(絶対値)が、好ましくは50μm以下、より好ましくは20μm以下、より好ましくは5μm以下、更に好ましくは1μm以下である。
レンズ部材14は、高SN比での測定を行う観点から、対物側が試料S側となるように設けられた顕微鏡用の対物レンズで構成されていることが好ましい。
レンズ部材14が顕微鏡用の対物レンズで構成されている場合、顕微鏡用の対物レンズで構成されたレンズ部材14の作動距離は、立体障害とならずにポンプ光とプローブ光を入射させやすくする観点から、好ましくは10.0mm以上、より好ましくは15.0mm以上、更に好ましくは20.0mm以上であり、また、波長によらず拡散反射光の集光量を高める観点から、好ましくは50mm以下、より好ましくは40.0mm以下、更に好ましくは30.0mm以下である。レンズ部材14の作動距離は、好ましくは10.0mm以上40.0mm以下、より好ましくは15.0mm以上40.0mm以下、更に好ましくは20.0mm以上30.0mm以下である。レンズ部材14の先端から試料台11上の試料Sまでの距離は、この作動距離と同一であることが好ましい。
また、顕微鏡用の対物レンズで構成されたレンズ部材14の倍率は、波長によらず拡散反射光の集光量を高める観点から、好ましくは5倍以上、より好ましくは10倍以上であり、また、同様の観点から、好ましくは50倍以下、より好ましくは30倍以下である。レンズ部材14の倍率は、好ましくは5倍以上50倍以下、より好ましくは10倍以上30倍以下である。
色ガラスフィルタ15は、レンズ部材14から試料S側とは反対側に間隔をおいて設けられており、レンズ部材14からの拡散反射光のうちの不要な波長成分を吸収してカットする。
軸外し放物面鏡16は、色ガラスフィルタ15から試料S側とは反対側に間隔をおいて設けられており、色ガラスフィルタ15からの拡散反射光を反射して側方の軸外し放物面鏡16の外部の焦点に集光する。
分光器17は、プリズムや回折格子等の分散素子を含む分光器本体17aと、そこから延びる光ファイバケーブル17bと、その先端に設けられたヘッド部材17cとを有し、分光器本体17aから延びる光ファイバケーブル17bの先端のヘッド部材17cの受光面が軸外し放物面鏡16の焦点に位置付けられている。分光器17は、軸外し放物面鏡16から拡散反射光をヘッド部材17cで受光して光ファイバケーブル17bを介して分光器本体17aに取り込み、その拡散反射光を分散素子によって分光する。
検出器18は、光電変換素子を含み、分光器17からの分光された拡散反射光を光電変換素子によって電気信号情報に変換する。なお、この電気信号情報は、拡散反射光、従って、プローブ光の波長範囲における光強度分布情報に相当するものである。
データ出力部19は、コンピュータで構成されており、検出器18からの電気信号情報に所定のデータ処理を施して拡散反射スペクトルを出力する。
以上の構成の拡散反射スペクトル測定装置10を用いたポンプ・プローブ分光法による拡散反射スペクトルの時系列データの測定方法について説明する。
まず、例えば厚膜状や粉末状の光触媒の試料Sを試料台11にセットする。試料Sは、真空条件下(例えば10-3Torr以下の雰囲気)に設けることが好ましく、また、石英セル等に入れて配置してもよい。
そして、図3に示す第1波のように、ポンプ光源12からパルス状のポンプ光を発し、それを試料台11上の試料Sに対して照射するのに続いて、プローブ光源13からパルス状のプローブ光を発し、試料Sの光触媒にポンプ光を照射してから遅延時間t後に、それを試料台11上の試料Sに対して照射する。
このとき、試料台11上の試料Sは、ポンプ光が照射されたときに光触媒に含まれる電子が励起状態となり、その励起電子が時間の経過と共に反応に使用され或いは失活して基底状態に戻ることとなるが、試料Sの光触媒にポンプ光を照射してから遅延時間t後のその状態が、試料Sに照射されて拡散反射したプローブ光の拡散反射光に検出されることとなる。この拡散反射光は、レンズ部材14を通過した後、色ガラスフィルタ15及び軸外し放物面鏡16を順に介して分光器17に入力されて分光される。分光された拡散反射光は検出器18において電気信号情報に変換される。その一方、いずれかの段階で、試料Sにポンプ光を照射せずにプローブ光だけを照射した場合の分光された拡散反射光の基準電気信号情報を得ておく。データ出力部19では、プローブ光の波長範囲において、基準電気信号情報に基づく拡散反射光の光強度R及びポンプ光を照射したときの電気信号情報に基づく拡散反射光の光強度Rから、過渡吸収強度値が(R-R)/Rとして算出され、その結果、図4に示すように、遅延時間tでの拡散反射スペクトルが出力される。
同様に、図3に示す第2及び第3波のように、試料Sにポンプ光を照射してからプローブ光を照射するまでの遅延時間をtやtに変量して試料Sに対してプローブ光を照射する。このとき、データ出力部19では、図4に示すように、遅延時間t及びtでの拡散反射スペクトルが出力される。
この拡散反射スペクトルの時系列データの測定は、励起電子やホールといった具体的なキャリア種と光触媒活性との関係の対比を有効に行う観点から、試料Sの光触媒にポンプ光を照射してから1ナノ秒以上1ミリ秒以下の範囲を時分割して行うことが好ましく、1ナノ秒以上100マイクロ秒以下の範囲を時分割して行うことがより好ましい。時分割の測定間のインターバルは例えば500ピコ秒以上10ナノ秒以下である。このインターバルは、一定であっても、一定でなくても、どちらでもよい。保存する測定データ量の軽減と測定精度との両立を図る観点からは、このインターバルは、遅延時間tが長くなるに従って長くなるように設定することが好ましい。
以上のような過渡吸収スペクトル測定により、具体的に光触媒の酸化チタンを試料Sとした場合、図5に示すような拡散反射スペクトルの時系列データを得ることができる。なお、図5では、遅延時間tが2ns、10ns、50ns、100ns、及び200nsでの拡散反射スペクトルを太線で示す。
(手順2)
実施形態に係る光触媒活性の評価方法では、手順2として、手順1で得た拡散反射スペクトルの時系列データを所定のモデルに当てはめて複数のスペクトル成分に分離する。
過渡吸収スペクトル測定により得られる拡散反射スペクトルの時系列データは、光触媒内部及び表面の励起電子及びホールの生成及び失活の挙動がすべて複合化した情報を含む。そこで、この手順2では、その複合化した情報を含む拡散反射スペクトルの時系列データを複数のスペクトル成分に分離する。
拡散反射スペクトルの時系列データは、例えば下記式(1)で一般化されるモデルに当てはめることができる。
Figure 0006993787000001
comp:成分数
l,λ(t,θ):l成分の装置に関わるパラメータθ及び時間tに依存する関数
ε(λ):l成分のスペクトル
具体的に、このモデルが、成分数ncomp=3とし、各々が相互に独立して指数関数的に減少する複数のスペクトル成分の和として表されるモデルである場合、下記式(2)に示すような微分方程式を立てることができ、これを解くと第1~第3項で構成される下記式(3)を得ることができる。
Figure 0006993787000002
τ:時定数
Figure 0006993787000003
DAS(θ):l成分の装置に関わるパラメータθに依存する関数
そして、図5に示す光触媒の酸化チタンを試料としたときの拡散反射スペクトルの時系列データを、この式(3)のモデルに最小自乗法等によりフィッティングすると、第1~第3項の3個のスペクトル成分に分離することができる。また、式(3)の第1~第3項を順に第1~第3スペクトル成分とすると、それぞれ図6A~Cに分離して示すことができる。更に、各スペクトル成分の減少の速さの指標となる時定数τ(初期過渡吸収強度値がその1/e倍まで減少するのに要する時間)を求めることができる。この場合、第1スペクトル成分の時定数τ=3ns、第2スペクトル成分の時定数τ=59ns、及び第3スペクトル成分の時定数τ=34μsである。
(手順3)
実施形態に係る光触媒活性の評価方法では、手順3として、手順2で分離した複数のスペクトル成分から、光触媒に発生した励起電子又はホールに由来するものを抽出する。
この手順3では、手順2で分離した複数のスペクトル成分のそれぞれについて、光触媒に発生した励起電子及びホールのそれぞれとの関係を検証し、その帰属を行い、励起電子又はホールに由来するものを抽出して関連付ける。
この抽出は、電子捕捉剤又はホール捕捉剤の存在下における光触媒について、手順1及び2に従って得た複数のスペクトル成分との対比に基づいて行うことができる。つまり、電子捕捉剤が存在すると時定数τが小さくなるスペクトル成分は、電子捕捉剤の存在によって励起電子の寿命が短くなったことが予測されるので、励起電子に由来するものと帰属させることができる。また、ホール捕捉剤が存在すると時定数τが小さくなるスペクトル成分は、ホール捕捉剤の存在によってホールの寿命が短くなったことが予測されるので、ホールに由来するものと帰属させることができる。更に、電子捕捉剤及びホール捕捉剤のいずれが存在しても時定数τに変化が見られないスペクトル成分は、光触媒内部のキャリアに由来するものと帰属させることができる。ここで、電子捕捉剤としては、例えば、酸素、メチルビオローゲン等が挙げられる。ホール捕捉剤としては、例えば、メタノール、チオシアン酸塩等が挙げられる。
具体的に、図5に示す光触媒の酸化チタンを試料としたときの拡散反射スペクトルの時系列データを3個のスペクトル成分に分離したうちの図6Bに示す第2スペクトル成分について、時定数τは59nsであるが、光触媒の表面のホールとの反応性の高い化学種であるメタノールの存在下、すなわち、ホール捕捉剤の存在下では、その時定数τが6nsと短いことが確認されており、従って、この第2スペクトル成分は、ホールに由来するものと帰属させて抽出することができる。
また、この抽出は、励起電子又はホールを貯蔵できる助触媒を担持した光触媒について、手順1及び2に従って得た複数のスペクトル成分との対比に基づいて行うこともできる。つまり、励起電子を貯蔵できる助触媒を担持することにより時定数τが大きくなる成分は、光触媒内のホールの寿命が長くなったことが予想されるので、ホールに由来するものと帰属させることができる。また、ホールを貯蔵できる助触媒を担持することにより時定数τが大きくなる成分は、光触媒内の励起電子の寿命が長くなったことが予想されるので、励起電子に由来するものと帰属させることができる。更に、励起電子又はホールを貯蔵できる助触媒いずれによっても時定数τに変化が見られないスペクトル成分は、光触媒内部のキャリアに由来するものと帰属させることができる。ここで、励起電子を貯蔵できる助触媒としては、例えば、白金、金、銀等が挙げられる。ホールを貯蔵できる助触媒としては、例えば、酸化コバルト、酸化イリジウム等が挙げられる。
以上のような実施形態に係る光触媒活性の評価方法によれば、光触媒の拡散反射スペクトルの時系列データを複数のスペクトル成分に分離し、それらの中から光触媒に発生した励起電子又はホールに由来するものを抽出するので、そのスペクトル成分を解析することにより励起電子又はホールの挙動を明確化することができる。
そして、この手順3では、光触媒に発生した励起電子又はホールに由来するスペクトル成分の時定数τを、励起電子又はホールの寿命指標として評価することができる。その結果、光触媒活性と具体的なキャリア種である励起電子の寿命やホールの寿命との相関を明確化することができる。例えば、時定数τが大きいほど、失活せずに高エネルギー状態をとれる、従って、光触媒活性が高いと評価することができる。
また、光触媒では、ポンプ光が照射されると、価電子帯と伝導帯との間のトラップ準位にトラップされた電子や伝導帯準位に存在する電子が更に高いエネルギー準位に励起される挙動も示す。このため、励起電子に由来するスペクトル成分には、それらの挙動が反映される。従って、例えば、同じバンド構造を有する光触媒を比較するとき、励起電子に由来するスペクトル成分において、短波長側の吸収が大きいものがあれば、それは電子が深いトラップ準位にトラップされており、そのため還元能力が低いと評価することができる。ホールの場合も、同様の考え方で評価することができる。
更に、発明者らは、光触媒の表面の励起電子やホールの時定数τがナノ秒やミリ秒のオーダーであることから、1ナノ秒以上1ミリ秒以下の範囲を時分割して光触媒自身の過渡吸収スペクトルを測定すれば、光触媒活性に直接関与するタイムスケールを解析でき、励起電子やホールといった具体的なキャリア種と光触媒活性との関係の対比を有効に行うことができることを見出した。
なお、上記実施形態では、拡散反射スペクトルの時系列データを当てはめるモデルを、各々が相互に独立して指数関数的に減少する複数のスペクトル成分の和として表されるモデルとする構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、下記式(4)の微分方程式で示されるように、第1スペクトル成分が第2スペクトル成分を生成するのに続いて、逐次的に第2スペクトル成分が第3スペクトル成分を生成し、その第3スペクトル成分が指数関数的に減少するモデルとする構成であってもよく、また、下記式(5)の微分方程式で示されるように、第1スペクトル成分が第2スペクトル成分を生成するのと並列して第1スペクトル成分が第3スペクトル成分をも生成し、その第3スペクトル成分が指数関数的に減少するモデルとする構成であってもよい。
Figure 0006993787000004
,K:定数
Figure 0006993787000005
12,K13,K23:定数
上述した実施形態に関し、更に以下の構成を開示する。
<1>ポンプ・プローブ分光法により測定される光触媒の拡散反射スペクトルの時系列データを得る手順1と、
前記手順1で得た拡散反射スペクトルの時系列データを所定のモデルに当てはめて複数のスペクトル成分に分離する手順2と、
前記手順2で分離した複数のスペクトル成分から、前記光触媒に発生した励起電子又はホールに由来するものを抽出する手順3と、
を有する光触媒活性の評価方法。
<2>前記ポンプ・プローブ分光法による測定では、前記光触媒の試料を真空条件下に設ける<1>に記載された光触媒活性の評価方法。
<3>前記拡散反射スペクトルの時系列データが、前記光触媒にポンプ光を照射してから、好ましくは1ナノ秒以上1ミリ秒以下の範囲、より好ましくは1ナノ秒以上100マイクロ秒以下の範囲を時分割して測定したデータを含む<1>又は<2>に記載された光触媒活性の評価方法。
<4>前記モデルは、下記式(1)で一般化されるモデルである<1>乃至<5>のいずれかに記載された光触媒活性の評価方法。
Figure 0006993787000006
comp:成分数
l,λ(t,θ):l成分の装置に関わるパラメータθ及び時間tに依存する関数
ε(λ):l成分のスペクトル
<5>前記モデルは、前記拡散反射スペクトルの時系列データが、各々が相互に独立して指数関数的に減少する前記複数のスペクトル成分の和として表されるモデルである<1>乃至<4>のいずれかに記載された光触媒活性の評価方法。
<6>前記手順3では、前記光触媒に発生した励起電子又はホールに由来するスペクトル成分の時定数を前記励起電子又はホールの寿命指標とする<5>に記載された光触媒活性の評価方法。
<7>前記手順3における抽出を、電子捕捉剤又はホール捕捉剤の存在下における前記光触媒について、前記手順1及び2に従って得た複数のスペクトル成分との対比に基づいて行う<1>乃至<6>のいずれかに記載された光触媒活性の評価方法。
<8>前記電子捕捉剤が酸素又はメチルビオローゲンを含む<7>に記載された光触媒活性の評価方法。
<9>前記ホール捕捉剤がメタノール又はチオシアン酸塩を含む<7>に記載された光触媒活性の評価方法。
(拡散反射スペクトル測定装置)
サブナノ秒過渡吸収スペクトロメーター(EOS Ultrafast Systems社製)に、ポンプ光源としてのチタンサファイアレーザ(Hurricane-X スペクトラ・フィジックス社製)及び光パラメトリック増幅器(OPA800CF スペクトラ・フィジックス社製)を設けると共に、レンズ部材としての顕微鏡用の対物レンズ(M Plan Apo NIR 20× ミツトヨ社製、開口数0.40、作動距離20.0mm、波長650nmの光に対する焦点距離と波長800nmの光に対する焦点距離との差0.70μm)を、対物側が試料側となるように設けた図1に示すのと同様の構成の拡散反射スペクトル測定装置を準備した。
(サンプル)
メーカーの異なる4種の粉末状のルチル型酸化チタンの試料をそれぞれ光触媒のサンプル1~4とした。
(試験方法)
<光触媒の分析試験>
光触媒のサンプル1~4のそれぞれについて、以下の分析試験を行った。
光触媒の試料約200mgを石英セルに入れて内部をアルゴンガスで置換した後、セル内部を10-3Torr以下に減圧して封じた。これを上記拡散反射スペクトル測定装置の試料台にセットした。
次いで、上記実施形態の手順1に従い、試料に対してポンプ光(波長355nm、1パルス当たりの光強度0.15μJ、パルス幅約200fs、ビーム径約20μm)及びプローブ光(波長390~900nm、パルス幅約500ps、ビーム径約10μm)を照射することによりポンプ・プローブ分光法による拡散反射スペクトルを時系列に測定した。遅延時間は1~100μsの範囲で変量し、プロット数は200及び積算時間は60分とした。
続いて、上記実施形態の手順2に従い、手順1で得た拡散反射スペクトルの時系列データを式(3)のモデルに当てはめて3個の第1~第3スペクトル成分に分離した。
そして、上記実施形態の手順3で記載した通り、第2スペクトル成分が光触媒の表面のホールに由来するものと帰属されることから、サンプル1~4のそれぞれの第2スペクトル成分に着目した。
<光触媒の性能試験>
サンプル1~4のそれぞれについて、以下の性能試験を行った。
ガラス製の反応容器に、水180mlと、その水に対して1.5質量%の光触媒の試料及びヨウ素酸ナトリウム56μmolを加えた後、水酸化ナトリウムによりpH11に調整した。
そして、アルゴンガス雰囲気下、超高圧水銀灯(SX-UID502HUV ウシオ電機製)から、紫外光透過可視吸収フィルター(UG)を介し、試料に対し、照射光強度250mW/cmの光を照射し、発生する酸素ガスの生成速度をTCD検出器のガスクロマトグラフ(GC-8A 島津製作所社製)により定量した。
(試験結果)
図7A~Dは、サンプル1~4の第2スペクトル成分を示す。また、サンプル1~4のそれぞれの第2スペクトル成分の時定数τ及び酸素ガス生成速度を表1に示す。
Figure 0006993787000007
図7A~Dによれば、サンプル1、3、及び4では、スペクトル形状が近似しているのに対し、サンプル2のみが波長420nm付近の吸収が大きいことが分かる。これは、光触媒の表面のホールが深くトラップされていることによるものであると考えられ、そのために酸化能力が低いことが予測される。水分解反応による酸素生成速度を比較すると、確かに、サンプル2は、サンプル1、3、及び4に比べて酸素生成速度が極端に低いことが分かる。
図8は、サンプル1、3、及び4における第2スペクトル成分の時定数τと酸素ガス生成速度との関係を示す。
図8によれば、スペクトル形状が類似しているサンプル1、3、及び4では、時定数τ、つまり、光触媒の表面のホールの寿命が長い程、酸素生成速度が高いことが分かる。これは、光触媒の表面のホールと水との反応が、この反応の律速過程であることから、そのホールの寿命を長くすることが、酸素生成速度を速くする、つまり、光触媒活性を高くすることに直接寄与することを示唆するものであると考えられる。なお、サンプル2では、時定数τが995nsであって、数値的には光触媒の表面のホールの寿命が非常に長く現れているが、前述の通り、酸化能力を喪失しているために光触媒活性が低くなっているものと考えられる。
本発明は光触媒活性の評価方法の技術分野について有用である。
10 拡散反射スペクトル測定装置
11 試料台
12 ポンプ光源
13 プローブ光源
14 レンズ部材
15 色ガラスフィルタ
16 軸外し放物面鏡
17 分光器
17a 分光器本体
17b 光ファイバケーブル
17c ヘッド部材
18 検出器
19 データ出力部
電線
光導波路
S 試料

Claims (4)

  1. ポンプ・プローブ分光法により測定される光触媒の拡散反射スペクトルの時系列データを得る手順1と、
    前記手順1で得た拡散反射スペクトルの時系列データを所定のモデルに当てはめて複数のスペクトル成分に分離する手順2と、
    前記手順2で分離した複数のスペクトル成分から、前記光触媒に発生した励起電子又はホールに由来するものを抽出する手順3と、
    を有する光触媒活性の評価方法であって、
    前記拡散反射スペクトルの時系列データが、前記光触媒にポンプ光を照射してから1ナノ秒以上1ミリ秒以下の範囲を時分割して測定したデータを含み、
    前記モデルは、前記拡散反射スペクトルの時系列データが、各々が相互に独立して指数関数的に減少する前記複数のスペクトル成分の和として表され且つ下記式(1)で一般化されるモデルであり、
    Figure 0006993787000008
    comp :成分数
    l,λ (t,θ):l成分の装置に関わるパラメータθ及び時間tに依存する関数
    ε (λ):l成分のスペクトル
    前記手順3における抽出を、電子捕捉剤又はホール捕捉剤の存在下における前記光触媒について、前記手順1及び2に従って得た複数のスペクトル成分との対比に基づいて行い、
    前記手順3では、前記光触媒に発生した励起電子又はホールに由来するスペクトル成分の時定数を前記励起電子又はホールの寿命指標とする光触媒活性の評価方法。
  2. 前記電子捕捉剤が酸素又はメチルビオローゲンを含む請求項に記載された光触媒活性の評価方法。
  3. 前記ホール捕捉剤がメタノール又はチオシアン酸塩を含む請求項に記載された光触媒活性の評価方法。
  4. 前記ポンプ・プローブ分光法による測定では、前記光触媒の試料を真空条件下に設ける請求項1乃至のいずれかに記載された光触媒活性の評価方法。
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