JP6990134B2 - 切削装置及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、軸線周りに回転する被加工材に工具の刃先を押し当てて被加工材を切削加工する切削装置及びその制御方法に関する。
自動旋盤やマシニングセンタ等の工作機械を切削装置として使用し、主軸に固定保持した丸棒材などの被加工材(ワーク)をその軸線の周りに回転させ、送り方向に送り動作させた工具の刃先を被加工材に押し当てることで、被加工材を切削加工して種々の製品を製造することが、部品製造業などにおいて広く行われている。
このような切削装置として、工具を送り方向に沿って所定の振動数で振動(往復動)させながら送り動作させるようにした、いわゆる振動切削を行うものが知られている(例えば特許文献1参照)。振動切削を行う切削装置によれば、切削加工時に工具により被加工材が切削されない空振り期間を生じさせることで、切屑を順次分断させて切屑の処理性を高めることができる。
特開2018-5423号公報
振動切削を行う切削装置では、被加工材の材質や工具の送り速度等の加工条件に応じて、振動切削を行う際の工具の振幅を適宜変更可能に構成されるのが一般的である。この場合、所望の振幅値が操作パネル等の入力部に入力され、当該振幅値となるように工具の振幅が制御される。
しかし、工具の振幅の制御は、工具を送り方向に駆動する工具駆動手段のサーボモータ等の駆動源の作動を制御することによって行われるので、工具を所望の振幅値で振動させるように駆動源の作動を制御しても、工具駆動手段が有する摺動部の摩擦や振動特性等の様々な要因によって振幅が減衰されてしまい、また、振動が高速であるために十分な精度でフィードバック制御を行うことも困難であることから、工具の刃先における振幅が所望の振幅値よりも小さくなってしまうという問題があった。
そして、振幅の減衰幅は切削装置の個体差や設置場所等によっても相違するので、工具の刃先における振幅が所望の振幅値よりも小さくなってしまうと、場合によっては、工具の振幅が振動切削に必要な振幅を下回って切屑が分断されなくなるという問題が生じることになる。
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、工具を所望の振幅で振動させることが可能な切削装置及びその制御方法を提供することにある。
本発明の切削装置は、被加工材を軸線の周りに回転させる主軸と、工具を送り方向に振動させながら送り動作させる工具駆動手段と、指令振幅値に基づいて前記工具の振動の振幅を制御する振幅制御手段と、を有し、軸線周りに回転する前記被加工材に前記工具の刃先を押し当てて該被加工材を切削加工する切削装置であって、前記工具駆動手段に駆動される前記工具の振動の実振幅値と指令振幅値との相関関係を示す相関データが記憶された記憶手段と、前記工具の目標振幅値が入力される入力部と、前記入力部に入力された前記目標振幅値が前記記憶手段に記憶された前記相関データにおける前記実振幅値となるように前記切削加工における指令振幅値を設定する指令振幅値設定手段と、を有することを特徴とする。
本発明の切削装置は、上記構成おいて、前記相関データが、複数の前記指令振幅値と複数の前記実振幅値との相関関係を含み、前記指令振幅値設定手段が、複数の前記実振幅値の中から前記入力部に入力された前記目標振幅値に近い順に2つの前記実振幅値を選択し、これら2つの前記実振幅値を通る直線の方程式に基づき前記目標振幅値に対応する振幅値を取得し、該振幅値を前記切削加工における前記指令振幅値として設定するのが好ましい。
本発明の切削装置は、上記構成おいて、前記工具の刃先の振幅を変位計により直接測定して得た前記工具の振動の補正用実振幅値と前記工具駆動手段に設けられた位置検出手段により間接的に測定して得た前記工具の振動の補正用推定振幅値との相関関係を示す副相関データが前記記憶手段に記憶されており、前記工具に前記切削加工の空振り動作をさせたときに、前記指令振幅値設定手段が、前記記憶手段に記憶された前記副相関データにおける前記補正用実振幅値と前記補正用推定振幅値との相関関係に基づいて前記位置検出手段により間接的に測定される前記工具の振動の推定振幅値に対応する前記工具の推定実振幅値を算出し、該推定実振幅値を前記実振幅値とみなして前記指令振幅値の設定を行うのが好ましい。
本発明の切削装置の制御方法は、被加工材を軸線の周りに回転させる主軸と、工具を送り方向に振動させながら送り動作させる工具駆動手段と、指令振幅値に基づいて前記工具の振動の振幅を制御する振幅制御手段と、を有し、軸線周りに回転する前記被加工材に前記工具の刃先を押し当てて該被加工材を切削加工する切削装置の制御方法であって、前記工具駆動手段に駆動される前記工具の振動の実振幅値と指令振幅値との相関関係を示す相関データを記憶手段に記憶させ、前記工具の目標振幅値が入力部に入力されたときに、指令振幅値設定手段が、前記入力部に入力された前記目標振幅値が前記記憶手段に記憶された前記相関データにおける前記実振幅値となるように前記切削加工における指令振幅値を設定することを特徴とする。
本発明の切削装置の制御方法は、上記構成おいて、前記相関データが、複数の前記指令振幅値と複数の前記実振幅値との相関関係を含み、前記指令振幅値設定手段が、複数の前記実振幅値の中から前記入力部に入力された前記目標振幅値に近い順に2つの前記実振幅値を選択し、これら2つの前記実振幅値を通る直線の方程式に基づき前記目標振幅値に対応する振幅値を取得し、該振幅値を前記切削加工における前記指令振幅値として設定するのが好ましい。
本発明の切削装置の制御方法は、上記構成おいて、前記工具の刃先の振幅を変位計により直接測定して得た前記工具の振動の補正用実振幅値と前記工具駆動手段に設けられた位置検出手段により間接的に測定して得た前記工具の振動の補正用推定振幅値との相関関係を示す副相関データを前記記憶手段に記憶させ、前記工具に前記切削加工の空振り動作をさせたときに、前記指令振幅値設定手段が、前記記憶手段に記憶された前記副相関データにおける前記補正用実振幅値と前記補正用推定振幅値との相関関係に基づいて前記位置検出手段により間接的に測定される前記工具の振動の推定振幅値に対応する前記工具の推定実振幅値を算出し、該推定実振幅値を前記実振幅値とみなして前記指令振幅値の設定を行うのが好ましい。
本発明によれば、工具を所望の振幅で振動させることが可能な切削装置及びその制御方法を提供することができる。
本発明の一実施の形態の切削装置の構成を概略で示す図である。 工具の実振幅値を測定している様子を示す図である。 指令振幅値と実振幅値との相関関係を示す特性線図である。 目標振幅値が図3に示す相関関係おける実振幅値となるように指令振幅値を設定する手順を示す説明図である。 相関テーブル1を作成する手順を示すフローチャート図である。 相関テーブル2を作成する手順を示すフローチャート図である。 相関テーブル2を用いて目標振幅値から指令振幅値を設定し、振動切削を開始する手順を示すフローチャート図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ例示説明する。
図1に示す本発明の一実施の形態の切削装置1は、自動旋盤として構成されたものであり、被加工材(ワーク)2を把持する主軸3を有している。
主軸3は図示しない主軸台により支持されて回転自在となっており、その先端に設けられたチャック3aにより被加工材2を把持することができる。主軸3は、例えば電動モーター等の駆動源(不図示)により駆動されて回転し、チャック3aで把持した被加工材2を軸線Oの周りに回転させることができる。
主軸3に把持される被加工材2としては、例えば鋼材等の金属材料によって断面円形の棒状に形成された部材を用いることができる。
切削装置1には刃物台10が設けられている。刃物台10はホルダ11を備え、ホルダ11に保持されて刃物台10には工具12が装着されている。工具12は先端に被加工材2を切削加工するための刃先12aを備え、工具本体(シャンク)12bにおいてホルダ11に保持されている。
本実施の形態では、工具12として、刃先12aが工具本体12bに着脱自在に固定される交換式のチップとして構成されたものを示すが、工具12として工具本体12bに刃先12aが一体に設けられた構成のものを用いることもできる。
切削装置1には工具駆動手段としてのボールネジ機構20が設けられている。ボールネジ機構20は、送りネジ機構とも呼ばれるものであり、駆動源であるサーボモータ21と、サーボモータ21により駆動されて回転するネジ軸22と、ネジ軸22にネジ結合するナット23とを備えている。詳細は図示しないが、ネジ軸22とナット23との間には、これらの間で転がり運動する複数のボールが配置されている。
ネジ軸22は、その軸心が主軸3の軸線Oに対して平行となるように配置されている。ナット23はネジ軸22の回転方向に対して回り止めされており、サーボモータ21が作動してネジ軸22が回転すると主軸3の軸線Oに沿うZ軸方向に移動する。サーボモータ21の回転方向を反対向きに切り替えることで、ナット23の移動方向を反対向きに切り替えることができる。
刃物台10はナット23に固定されており、ナット23とともにZ軸方向に移動する。すなわち、ボールネジ機構20により刃物台10を駆動してZ軸方向に移動させることで、工具12を被加工材2に対してZ軸方向に沿う送り方向に送り動作させることができる。このとき、サーボモータ21の回転を制御することで、工具12を所定の送り速度で送り動作させることができるとともに、工具12を送り方向に振動させながら送り動作させることができる。
詳細は図示しないが、刃物台10には、工具12を被加工材2に対する切込み方向(X軸方向)に移動させるX軸駆動機構が設けられており、X軸駆動機構により工具12の被加工材2に対する切り込み位置を変更することができる。
切削装置1には、その作動を制御する制御部30が設けられている。制御部30は、CPU(中央演算処理装置)等の演算部30aと、メモリ等の記憶手段としての記憶部30bとを備えたマイクロコンピュータとして構成されている。
制御部30には、例えばタッチパネル式のディスプレイやキーボード等を備えた操作パネル等の入力部31が接続されている。切削加工を行う前に、入力部31から制御部30には、主軸3の回転数、工具12の被加工材2への切込み深さ、工具12の送り方向への送り速度、工具12に与える振動の振動数と目標振幅値などの加工条件を入力することができる。
また、制御部30には、サーボモータ21に設けられた位置検出手段としてのロータリー式のエンコーダ32が接続されている。エンコーダ32は、サーボモータ21(ネジ軸22)の回転位置を検出し、その回転位置の情報を出力するものである。制御部30は、エンコーダ32から入力されるサーボモータ21の回転位置の情報に基づいて、工具12の刃先12aのZ軸方向の位置を認識することができる。
記憶部30bには、切削加工の加工プログラムが記憶されており、制御部30は、入力部31に入力された加工条件、エンコーダ32からの情報及び加工プログラムの加工指令等に基づいて、主軸3、サーボモータ21及びX軸駆動機構の作動を統合的に制御して、工具12による被加工材2の切削加工を実行する。
例えば、制御部30は、被加工材2を把持する主軸3を所定の回転数で回転させ、X軸駆動機構により工具12を所望の切込み位置にまで移動させるとともに、ボールネジ機構20のサーボモータ21の回転を制御して工具12を送り方向に送り動作させることで、軸線Oの周りに回転する被加工材2に工具12の刃先12aを押し当てて被加工材2の切削加工を実行する。
また、制御部30は、送り方向へ送り動作する工具12に、当該送り方向に沿う方向への振動を重畳させるようにサーボモータ21の回転を制御することができる。当該制御は、エンコーダ32により得られる工具12の刃先12aのZ軸方向の位置をフィードバックしつつ行われる。これにより、工具12を送り方向に振動させながら送り動作させて、被加工材2を振動切削することができる。被加工材2を振動切削することにより、切削加工時に工具12により被加工材2が切削されない空振り期間を生じさせて切屑を順次分断させ、切屑の処理性を高めることができる。
制御部30は振幅制御手段としての機能を有しており、振動切削時に工具12に加える送り方向の振動の振幅を制御する。より具体的には、制御部30は、入力部31から制御部30に入力された工具12の目標振幅値から設定される指令振幅値に基づいて工具12に加える振動の振幅を制御する。
なお、工具12の振動数は、予め設定された複数種類の振動数から任意の振動数を選択して設定することができる。
入力部31に入力された工具12の目標振幅値に基づいて指令振幅値を設定するために、記憶部30bには、ボールネジ機構20により駆動される工具12の振動の実振幅値と指令振幅値との相関関係を示す相関データが記憶されている。この相関データは、切削装置1が客先に向けて出荷される前に、予め実験等により取得されて記憶部30bに記憶されている。
相関データにおける工具12の刃先12aの実振幅値は、制御部30が、ある指令振幅値でサーボモータ21の作動制御を行って工具12を振動させたときの工具12の刃先12aの実際の振幅のことである。具体的には、工具12の刃先12aの実振幅値は、図2に示すように、主軸3に被加工材2を装着することなく工具12に切削加工における振動切削と同様の動作を空振り動作として行わせたときにおける工具12の刃先12aの振幅を、指令振幅値と振動数とを変えながら変位計40により直接測定して取得したものである。
工具12の刃先12aの実振幅値を直接測定する変位計40としては、例えばレーザー式のものなど、工具12の刃先12aの位置を、エンコーダ32よりも高精度に測定可能なものが用いられる。変位計40は、工具12の刃先12aの実振幅値を測定した後、切削装置1が出荷される前に切削装置1から取り外される。
上記のように、工具12の振動の振動数として制御部30において選択可能な各振動数fa~fnについて、指令振幅値の値を変更しつつ、それぞれの指令振幅値に対応した工具12の刃先12aの実振幅値を変位計40により測定し、これらを特性線図として纏めることで、図3に示すように、複数の工具12の振動の実振幅値と複数の指令振幅値との相関関係を含む相関データが得られる。なお、相関データは、図3に示す特性線図の形式に限らず、データテーブルの形式で記憶部30bに記憶されてもよい。
図3において、工具12の振動の実振幅値と指令振幅値とが一致する場合(減衰が生じない場合)の相関関係が破線で示されている。当該破線との比較から解るように、工具12を所望の指令振幅値で振動させるようにサーボモータ21の作動を制御しても、ボールネジ機構20が有する摺動部の摩擦やバックラッシ、振動特性等の様々な要因によって振幅が減衰され、工具12の刃先12aにおける実振幅値は指令振幅値よりも小さくなる。
そこで、本実施の形態では、指令振幅値設定手段としての機能を有する制御部30において、入力部31に入力される工具12の目標振幅値が、記憶部30bに記憶された相関データにおける実振幅値となるように、切削加工における指令振幅値を設定する。
例えば、制御部30は、図4に示すように、振動数faとして振動切削を行う際、入力部31に目標振幅値TAが入力されたときに、図3の振動数faの相関データにおいて、実振幅値が目標振幅値TAと同一の値となる指令振幅値CAを、切削加工時におけるサーボモータ21の制御に用いられる工具12の振幅の指令振幅値として設定する。
より具体的には、制御部30は、図4において、複数の実振幅値のデータの中から、入力部31に入力された目標振幅値TAに値が近い順に2つの実振幅値RA1、RA2を選択し、これら2つの実振幅値RA1、RA2を通る直線の方程式に基づいて目標振幅値TAに対応する指令振幅値CAを算出し、当該指令振幅値CAを指令振幅値として設定する。例えば、実振幅値RA1の座標が(x1、y1)、実振幅値RA2(x2、y2)であるとすると、2つの実振幅値RA1、RA2を通る直線の方程式は、y=((y2-y1)/(x2-x1))x+(y1-(y2-y1)x1/(x2-x1))、すなわちx=(y-(y1-(y2-y1)x1/(x2-x1)))(x2-x1)/(y2-y1)となり、当該方程式のyに目標振幅値TAの値を代入したxの値を指令振幅値CAとして得ることができる。
このように、本実施の形態の切削装置1及びその制御方法では、工具12の振動の実振幅値と指令振幅値との相関関係を示す相関データを予め記憶部30bに記憶させておき、切削加工を行う際、入力部31に目標振幅値が入力されたときに、当該目標振幅値が記憶部30bに記憶された相関データにおける実振幅値となるように指令振幅値を設定するようにしている。これにより、サーボモータ21と工具12の刃先12aとの間で生じる振動の減衰を考慮した指令振幅値で工具12の振幅の制御が行なわれるようにして、サーボモータ21と工具12の刃先12aとの間における振動の減衰の影響を最小限として、入力部31に入力される所望の振幅値で工具12の刃先12aを振動させることができる。したがって、理論上は振動切削により切屑が分断される値の指令振幅値を入力しても、実際の切削加工(振動切削)において工具12の振幅が減衰により減少して切屑が分断されなくなるという問題を生じさせることなく、所望の振幅値で工具12を確実に振動させて、切屑を分断させながら切削加工(振動切削)を行うことができる。
次に、本発明の他の実施の形態の切削装置1及びその制御方法について説明する。
他の実施の形態においては、記憶部30bには、ボールネジ機構20により駆動される工具12の振動の実振幅値と指令振幅値との相関関係を示す相関データに加えて、工具12の刃先12aの振幅を変位計40により直接測定して得た工具12の振動の補正用実振幅値と、サーボモータ21に設けられたエンコーダ32により間接的に測定して得た工具12の振動の補正用推定振幅値との相関関係を示す副相関データが相関テーブル1として記憶されている。この副相関データである相関テーブル1も、切削装置1が客先に向けて出荷される前に、予め実験等により取得されて記憶部30bに記憶されている。
より具体的には、相関テーブル1は、図5に示す手順で作成されて記憶部30bに記憶される。すなわち、補正値測定用プログラムにより切削装置1に振動切削の空振り動作をさせ(ステップS1)、その状態で、指令振幅値と振動数を変えながら、変位計40により工具12の刃先12aの振幅を直接測定して複数の補正用実振幅値を得るとともに、エンコーダ32により工具12の刃先12aの振幅を間接的に測定して複数の補正用推定振幅値を得て、これらを記憶部30bの相関テーブル1に書き込んで記憶させる(ステップS3)。完成した相関テーブル1を表1に示す。なお、表1に示す相関テーブル1においては、表の一部においてのみ具体的な数値を記載している。
Figure 0006990134000001
次に、切削装置1が客先に出荷された後、例えば切削装置1の据付け時や定期点検時に、以下の手順で相関テーブル2を作成する。
より具体的には、相関テーブル2は、図6に示す手順で作成されて記憶部30bに記憶される。すなわち、補正値測定用プログラムにより切削装置1に振動切削の空振り動作をさせ(ステップS4)、その状態で、指令振幅値と振動数を変えながら、エンコーダ32により工具12の刃先12aの振幅を間接的に測定して複数の推定振幅値を得て(ステップS5)、これらを記憶部30bの相関テーブル2に書き込んで記憶させる(ステップS6)。そして、相関テーブル1における工具12の複数の補正用実振幅値と複数の補正用推定振幅値との相関関係から、相関テーブル2においてエンコーダ32により測定された推定振幅値に対応する推定実振幅値を算出し、これを相関テーブル2の変位計の欄に書き込んで記憶させる(ステップS7)。推定実振幅値は、エンコーダ32により測定された工具12の推定振幅値に基づき、当該工具12の振幅を変位計により測定した場合に得られるであろうと推定される工具12の実振幅値である。
例えば、相関テーブル1において、指令振幅値が10(μm)、振動数がfaの場合の変位計40により測定された補正用実振幅値が6(μm)、エンコーダ32により測定された補正用推定振幅値が8(μm)の場合には、補正用実振幅値は補正用推定振幅値の6/8倍であるので、相関テーブル2において、指令振幅値が10(μm)、振動数がfaの場合の推定振幅値5.3に対応する推定実振幅値は5.3×6/8=4(μm)であると算出される。以下同様に、各指令振幅値、振動数に対応する推定実振幅値を算出し、算出結果を相関テーブル2の変位計の欄に書き込んで相関テーブル2を完成させる。このような方法によって相関テーブル2において変位計の欄に記載される推定実振幅値は、切削装置1を出荷の際に、当該切削装置1を移動等することで値に変動が生じた実振幅値を、エンコーダ32による測定値に基づいて補正したものである。完成した相関テーブル2を表2に示す。なお、表2に示す相関テーブル2においては、表の一部においてのみ具体的な数値を記載している。
Figure 0006990134000002
相関テーブル2が完成すると、切削装置1による切削加工を行う前に、入力部31に所望の目標振幅値を入力することで、当該目標振幅値で工具12を振動させるように切削装置1の作動が制御される。すなわち、入力部31に所望の目標振幅値を入力すると、図7に示すように、入力部31に入力された加工プログラムから工具12の目標振幅値が読み取られ(ステップS8)、次いで、制御部30は、相関テーブル2において変位計の欄に記載された推定実振幅値を図3に示す実振幅値とみなして、図4に示す場合と同様の方法で指令振幅値が設定される(ステップS9)。そして、指令振幅値が設定されると、当該指令振幅値で振動切削が開始される(ステップS10)。
このように、他の実施の形態の切削装置1及びその制御方法では、切削装置1を客先に出荷する前に、工具12の刃先12aの振幅を変位計40により直接測定して得た工具12の振動の補正用実振幅値と、サーボモータ21に設けられたエンコーダ32により間接的に測定して得た工具12の振動の補正用推定振幅値との相関関係を示す相関テーブル1(副相関データ)を記憶部30bに記憶させるようにしたので、出荷前後において、切削装置1の移動、切削装置1の床との固定状態、床の振動特定、工具12を保持するホルダ11の重量や位置等の相違により、工具12の振動の減衰量が相違する場合であってもサーボモータ21のエンコーダ32を用いて工具12の推定振幅値を測定し、この推定振幅値と相関テーブル1の相関関係とに基づいて工具12の実振幅値の推定値である推定実振幅値を得ることができる。したがって、変位計40を所持していない客先においても、エンコーダ32を用いて測定された推定振幅値から、工具12の実振幅値の推定値である推定実振幅値を容易かつ高精度に得ることができるので、当該推定実振幅値を、図2に示す実振幅値の補正値とみなして指令振幅値を設定することで、工具12を所望の振幅で高精度に振動させることができる。
また、サーボモータ21が通常備えるエンコーダ32を用いて工具12の推定振幅値を測定することで、工具12の実振幅値の推定値である推定実振幅値を得ることができるので、追加の部品等を用いることなく、変位計40を用いて設定する場合と同様の高精度な値の指令振幅値を設定することができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、工具12を送り方向に送り動作させる工具駆動手段としては、上記したボールネジ機構20に限らず、例えばリニアモータ駆動機構などの種々の構成のものを用いることができる。
また、変位計40は、レーザー式のものに限らず、工具12の刃先12aの位置を、エンコーダ32よりも高精度に測定可能なものであれば、他の構成のものを用いることができる。
さらに、位置検出手段は、ロータリー式のエンコーダ32に限らず、工具駆動手段の駆動源の出力変位から工具12の刃先12aの変位を検出することができるものであれば、例えばリニア式のエンコーダ(リニアスケール)等の種々の構成のものを用いることができる。
1 切削装置
2 被加工材
3 主軸
3a チャック
10 刃物台
11 ホルダ
12 工具
12a 刃先
12b 工具本体
20 ボールネジ機構(工具駆動手段)
21 サーボモータ
22 ネジ軸
23 ナット
30 制御部(振幅制御手段、指令振幅値設定手段)
30a 演算部
30b 記憶部(記憶手段)
31 入力部
32 エンコーダ(位置検出手段)
40 変位計
O 軸線
TA 目標振幅値
CA 指令振幅値
RA1 実振幅値
RA2 実振幅値

Claims (6)

  1. 被加工材を軸線の周りに回転させる主軸と、
    工具を送り方向に振動させながら送り動作させる工具駆動手段と、
    指令振幅値に基づいて前記工具の振動の振幅を制御する振幅制御手段と、を有し、
    軸線周りに回転する前記被加工材に前記工具の刃先を押し当てて該被加工材を切削加工する切削装置であって、
    前記工具駆動手段に駆動される前記工具の振動の実振幅値と指令振幅値との相関関係を示す相関データが記憶された記憶手段と、
    前記工具の目標振幅値が入力される入力部と、
    前記入力部に入力された前記目標振幅値が前記記憶手段に記憶された前記相関データにおける前記実振幅値となるように前記切削加工における指令振幅値を設定する指令振幅値設定手段と、を有することを特徴とする切削装置。
  2. 前記相関データが、複数の前記指令振幅値と複数の前記実振幅値との相関関係を含み、
    前記指令振幅値設定手段が、複数の前記実振幅値の中から前記入力部に入力された前記目標振幅値に近い順に2つの前記実振幅値を選択し、これら2つの前記実振幅値を通る直線の方程式に基づき前記目標振幅値に対応する振幅値を取得し、該振幅値を前記切削加工における前記指令振幅値として設定する、請求項1に記載の切削装置。
  3. 前記工具の刃先の振幅を変位計により直接測定して得た前記工具の振動の補正用実振幅値と前記工具駆動手段に設けられた位置検出手段により間接的に測定して得た前記工具の振動の補正用推定振幅値との相関関係を示す副相関データが前記記憶手段に記憶されており、
    前記工具に前記切削加工の空振り動作をさせたときに、前記指令振幅値設定手段が、前記記憶手段に記憶された前記副相関データにおける前記補正用実振幅値と前記補正用推定振幅値との相関関係に基づいて前記位置検出手段により間接的に測定される前記工具の振動の推定振幅値に対応する前記工具の推定実振幅値を算出し、該推定実振幅値を前記実振幅値とみなして前記指令振幅値の設定を行う、請求項1または2に記載の切削装置。
  4. 被加工材を軸線の周りに回転させる主軸と、
    工具を送り方向に振動させながら送り動作させる工具駆動手段と、
    指令振幅値に基づいて前記工具の振動の振幅を制御する振幅制御手段と、を有し、
    軸線周りに回転する前記被加工材に前記工具の刃先を押し当てて該被加工材を切削加工する切削装置の制御方法であって、
    前記工具駆動手段に駆動される前記工具の振動の実振幅値と指令振幅値との相関関係を示す相関データを記憶手段に記憶させ、
    前記工具の目標振幅値が入力部に入力されたときに、指令振幅値設定手段が、前記入力部に入力された前記目標振幅値が前記記憶手段に記憶された前記相関データにおける前記実振幅値となるように前記切削加工における指令振幅値を設定することを特徴とする切削装置の制御方法。
  5. 前記相関データが、複数の前記指令振幅値と複数の前記実振幅値との相関関係を含み、
    前記指令振幅値設定手段が、複数の前記実振幅値の中から前記入力部に入力された前記目標振幅値に近い順に2つの前記実振幅値を選択し、これら2つの前記実振幅値を通る直線の方程式に基づき前記目標振幅値に対応する振幅値を取得し、該振幅値を前記切削加工における前記指令振幅値として設定する、請求項4に記載の切削装置の制御方法。
  6. 前記工具の刃先の振幅を変位計により直接測定して得た前記工具の振動の補正用実振幅値と前記工具駆動手段に設けられた位置検出手段により間接的に測定して得た前記工具の振動の補正用推定振幅値との相関関係を示す副相関データを前記記憶手段に記憶させ、
    前記工具に前記切削加工の空振り動作をさせたときに、前記指令振幅値設定手段が、前記記憶手段に記憶された前記副相関データにおける前記補正用実振幅値と前記補正用推定振幅値との相関関係に基づいて前記位置検出手段により間接的に測定される前記工具の振動の推定振幅値に対応する前記工具の推定実振幅値を算出し、該推定実振幅値を前記実振幅値とみなして前記指令振幅値の設定を行う、請求項4または5に記載の切削装置の制御方法。
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