JP6989908B2 - 補強材の連結構造および連結方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地山補強土工法で使用される補強材の連結構造および連結方法に関する。
傾斜地崩壊対策に用いられる地山補強土工法として、ロックボルト工が知られている。ロックボルト工は、ロックボルトや異形棒鋼等の補強材を地山に挿入し、地山の変形に伴う受動的な引張力を当該補強材に作用させることにより、地山の変形および土塊のすべりを抑止する工法である。そして、特許文献1には、隣接する補強材の頭部をワイヤで連結させることにより、傾斜地のさらなる安定化を図る工法が開示されている。
このようなロックボルト工は、アンカー体を定着部とするグラウンドアンカー工とは異なり、法面全体を定着部とする工法であるため、隣接する補強材の頭部間を連結させるワイヤの張りが不足していたり、ワイヤに伸びが生じた場合、傾斜地の安定性が低下するおそれがある。
特開2014-177835号公報
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、傾斜地の安定性を向上させた補強材の連結構造および連結方法を提供することを課題としてなされたものである。
上記課題を解決するために、本発明に係る補強材の連結構造は、法面に配置された補強材の連結構造であって、隣接する補強材の相互の頭部間を連結させる平板状の連結棒を有し、前記連結棒は、一方の補強材に装着される連結棒と、他方の補強材に装着される連結棒と、両方の補強材を繋ぐ連結棒とに分割され、前記補強材に装着された連結棒には、長さ方向中心部に形成された補強材挿通孔と、長さ方向両端部に形成されたボルト挿通孔とが設けられ、前記両方の補強材を繋ぐ連結棒の両端部には、長さ方向に沿って延びる長孔が設けられ、前記一方の補強材に装着された連結棒の一端側の前記ボルト挿通孔にボルトが挿通され、該ボルトの先端部が前記補強材を繋ぐ連結棒の一端側の前記長孔に挿通され、前記ボルトの先端部に装着されたナットを締め付けることにより、前記一方の補強材に装着された連結棒の一端側と前記補強材を繋ぐ連結棒の一端側とが固定され、前記他方の補強材に装着された連結棒の一端側の前記ボルト挿通孔にボルトが挿通され、該ボルトの先端部が前記補強材を繋ぐ連結棒の他端側の前記長孔に挿通され、前記ボルトの先端部に装着されたナットを締め付けることにより、前記他方の補強材に装着された連結棒の一端側と前記補強材を繋ぐ連結棒の他端側とが固定されることを特徴とする。
また、本発明に係る補強材の連結方法は、法面に配置された補強材の連結方法であって、隣接する補強材の相互の頭部間を平板状の連結棒により連結させるに際し、前記連結棒を、一方の補強材に装着させる平板状の連結棒と、他方の補強材に装着させる平板状の連結棒と、両方の補強材を繋ぐ平板状の連結棒とに分割し、前記補強材に装着させる連結棒に、長さ方向中心部に形成した補強材挿通孔と、長さ方向両端部に形成したボルト挿通孔とを設け、前記両方の補強材を繋ぐ連結棒の両端部に、長さ方向に沿って延びる長孔を設け、前記一方の補強材に装着した連結棒の一端側の前記ボルト挿通孔にボルトを挿通し、該ボルトの先端部を、前記補強材を繋ぐ連結棒の一端側の前記長孔に挿通し、前記ボルトの先端部に装着したナットを締め付けることにより、前記一方の補強材に装着した連結棒の一端側と前記補強材を繋ぐ連結棒の一端側とを固定するステップと、前記他方の補強材に装着した連結棒の一端側の前記ボルト挿通孔にボルトを挿通し、該ボルトの先端部を、前記補強材を繋ぐ連結棒の他端側の前記長孔に挿通し、前記ボルトの先端部に装着したナットを締め付けることにより、前記他方の補強材に装着した連結棒の一端側と前記補強材を繋ぐ連結棒の他端側とを固定するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、傾斜地の安定性を向上させることができる。
第1実施形態に係る補強材の連結構造の概念図である。 図1におけるX1-X1断面を示す図である。 第1実施形態に係る補強材の連結構造の説明図であって、縦に隣接するロックボルト間の連結構造を示す図である。 縦に隣接するロックボルトに装着されたフラットバー間の連結構造を示す図である。 図4におけるX2-X2矢視図である。 第1実施形態で使用されるロックボルトに装着されるフラットバーの平面図である。 図6のフラットバー同士を繋ぐフラットバーの平面図である。 第1実施形態に係る補強材の連結構造の説明図であって、横に隣接するロックボルト間の連結構造を示す図である。 横に隣接するロックボルトに装着されたフラットバー間の連結構造を示す図である。 図9におけるX3-X3矢視図である。 第2実施形態に係る補強材の連結構造の概念図である。 第2実施形態に係る補強材の連結構造の説明図である。 他の実施形態に係る補強材の連結構造の概念図である。 他の実施例(フラットバー非接地型)の説明図である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を添付した図を参照して説明する。
図1は、第1実施形態に係る補強材の連結構造(以下「連結構造」と称する)の概念図である。なお、第1実施形態の連結構造では、補強材にロックボルトが用いられる。ここで、説明の便宜上、法面2に配置された複数本のロックボルトを包括してロックボルト3と称し、個々のロックボルトについては、例えば「3A」のように必要に応じて数字にアルファベットを付与する。さらに、図1における上下および左右方向をそのまま上下および左右方向と称する。
ロックボルト3は、ロックボルト工により法面2に施工されたものである。図1に示されるように、ロックボルト3は、法面2に沿って上下方向に延び、かつ左右方向に一定間隔D1をあけて配置された複数本の縦の枠線G1(第1枠線)と、法面2に沿って左右方向に延び、かつ上下方向に一定間隔D2をあけて配置された複数本の横の枠線G2(第2枠線)との交点(以下「ボルト挿入位置」と称する)に配置される。なお、第1実施形態において、縦の枠線G1の間隔D1と横の枠線G2の間隔D2とは等しく設定される(D1= D2)。
ロックボルト3は、法面2に対して垂直に打設され、図2に示されるように、注入材4を介して地山1(地盤)に定着させる。これにより、地山の変形に伴う受動的な引張力をロックボルト3に作用させる。なお、第1実施形態では、注入材4としてセメントミルクが用いられるが、これに限定することを意図するものではない。
ボルト挿入位置には、接地面5A(図2参照)を有する受圧板5が配置される。該受圧板5は、基部6と、該基部6から側方(上下左右方向)へ延びる4つの延出部7とを有する。図2に示されるように、受圧板5の基部6の中央には、ロックボルト3の頭部(法面2から突出した先端部分)を挿通させる軸孔8が形成される。受圧板5の上面5Bには、ロックボルト3の頭部に装着されたロックナット18を収容する凹部9が形成される。受圧板5は、ロックナット18が締め付けられることでロックボルト3に発生する軸力により法面2に押し付けられる。なお、第1実施形態における受圧板5の材料には、SS400等の機械構造用炭素鋼鋼材が用いられるが、鋳鉄、コンクリート、合成樹脂、繊維強化プラスチック等を適宜用いることができる。
隣接するロックボルト3の相互の頭部間は、フラットバー(平板状の連結棒)を用いて連結される。ここで、説明の便宜上、ロックボルト3の頭部に装着されるフラットバーを包括してフラットバー11と称し、個々のフラットバーについては、例えば「11A」のように必要に応じて数字にアルファベットを付与する。また、フラットバー11および後述されるフラットバー10は、JISG3101で規定されるSS400の平鋼が用いられるが、機械構造用炭素鋼鋼材に限定することを意図するものでなく、例えば、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等の繊維強化プラスチック(FRP)を適宜用いることができる。
ここで、説明の便宜上、同一の縦の枠線G1上に位置し、かつ隣接するロックボルト3をロックボルト3A,3Bと称し、当該ロックボルト3A,3Bの連結構造を説明する。図3に示されるように、ロックボルト3A,3Bの相互の頭部間は、フラットバー11A,11B,10により連結される。フラットバー11Aの全長L1(図1参照)は、受圧板5の一辺の幅W1(図1参照)より長く、かつ縦(上下方向)の枠中心間隔D2(図1参照)より短く設定される。
フラットバー11Aの長さ方向中心部には、図6に示されるように、当該フラットバー11Aを板厚方向に貫通するロックボルト挿通孔12Aが形成される。該ロックボルト挿通孔12Aの内径は、ロックボルト3が所定のはめあいで嵌合されるように定められる。フラットバー11Aの長さ方向両端部には、所定間隔をあけて配置された一対のボルト挿通孔13A,13Aが、ロックボルト挿通孔12Aを対称中心として対称に設けられる。フラットバー11Aは、ロックボルト挿通孔12Aにロックボルト3Aの頭部が挿通されることで当該ロックボルト3Aに装着される。
なお、フラットバー11Aの一端側のボルト挿通孔13A,13Aおよび他端側のボルト挿通孔13A,13Aならびにロックボルト挿通孔12Aは、同一直線上に配置される。また、第1実施形態におけるフラットバー11Bは、フラットバー11Aと同一形状をなす。よって、明細書の記載を簡潔にすることを目的に、フラットバー11Bについての詳細な説明を省略する。
図3に示されるように、フラットバー10は、ロックボルト3Aの頭部に装着されたフラットバー11Aと、ロックボルト3Bの頭部に装着されたフラットバー11Bとの間に介装される。換言すると、ロックボルト3A,3Bの相互の頭部間は、ロックボルト3Aの頭部に装着されたフラットバー11Aとロックボルト3Bの頭部に装着されたフラットバー11Bとを、フラットバー10で繋ぐことにより連結される。フラットバー10は、一端側がフラットバー11Aの一端側(図3における下側)の上面に重ねられ、他端側がフラットバー11Bの一端側(図3における上側)の上面に重ねられる。
フラットバー10の両端部、すなわち、フラットバー11A,11Bに重ねられる部分には、当該フラットバー10の長さ方向(縦の枠線G1に沿う方向)に沿って延びる長孔14A,14B(図7参照)が設けられる。フラットバー10の一端側の長孔14Aには、フラットバー11Aの一端側の各ボルト挿通孔13A,13Aに挿通された各ボルト15A,15A(図4参照)の先端部が挿通される。各ボルト15A,15Aの先端部には、ナット16A,16A(図5参照)が装着される。一方、フラットバー10の他端側の長孔14Bには、フラットバー11Bの一端側の各ボルト挿通孔13B,13Bに挿通された各ボルト15B,15B(図4参照)の先端部が挿通される。各ボルト15B,15Bの先端部には、ナット16B,16B(図5参照)が装着される。
ロックボルト3A,3Bの相互の頭部間は、ボルト15A,15Aに装着されたナット、およびボルト15B,15Bに装着されたナットを締め付けることで連結される。なお、フラットバー10の各長孔14A,14Bの全長(長円形の長さ)は、想定される枠中心間距離D2に基づき定められる。また、第1実施形態では、1つの長孔14につき2本のボルト15を挿通させたが、ボルト挿通孔13と長孔14とを一対一で対応させる(長孔14を2分割する)ように構成することができる。
ここで、説明の便宜上、同一の横の枠線G2上に位置し、かつ隣接するロックボルト3を「ロックボルト3A,3C」と称し、当該ロックボルト3A,3Cの連結構造を説明する。図8に示されるように、ロックボルト3A,3Cの相互の頭部間は、フラットバー21A,21C,20により連結される。第1実施形態において、フラットバー21A,21Cは、前述したフラットバー11A,11Bと同一形状をなす。換言すると、フラットバー11A,11B,21A,21Cは、説明の便宜上符号を変えているが同一部品である。同様に、第1実施形態において、フラットバー20は、前述したフラットバー10と同一部品である。よって、明細書の記載を簡潔にすることを目的に、フラットバー21A,21C,20についての詳細な説明を省略する。
図1を参照すると、フラットバー21Aは、縦のフラットバー11Aが装着されたロックボルト3Aの頭部に装着され、横の枠線G2に沿って延びるように配置される。すなわち、フラットバー11Aとフラットバー21Aとはクロス状に配置され、交差部のロックボルト挿通孔12A,12Bにはロックボルト3Aが挿通される。他方、フラットバー21Cは、縦のフラットバー11Cが装着されたロックボルト3Cの頭部に装着され、横の枠線G2に沿って延びるように配置される。すなわち、フラットバー11Cとフラットバー21Cとはクロス状に配置され、交差部のロックボルト挿通孔22A,22Cにはロックボルト3Cが挿通される。図8に示されるように、ロックボルト3A,3Cの相互の頭部間は、ロックボルト3Aの頭部に装着されたフラットバー21Aとロックボルト3Cの頭部に装着されたフラットバー21Cとを、フラットバー20で繋ぐことにより連結される。
次に、第1実施形態に係る補強材の連結方法を説明する。なお、法面2に定められた各ボルト挿入位置には、予めロックボルト3が打設されている。
最初に、同一の縦の枠線G1上に配置されたロックボルト3の連結方法を説明する。まず、主に図3を参照すると、ロックボルト3Aの頭部にフラットバー11Aのロックボルト挿通孔12Aを挿通させ、当該ロックボルト3Aにフラットバー11Aを装着する。同様に、ロックボルト3Bの頭部にフラットバー11Bのロックボルト挿通孔12Bを挿通させ、当該ロックボルト3Bにフラットバー11Bを装着する。
次に、フラットバー11Aの一端側の上面にフラットバー10の一端側を重ねるとともにフラットバー11Bの一端側の上面にフラットバー10の他端側を重ねる。この状態で、主に図4、図5を参照すると、フラットバー11Aの一端側の各ボルト挿通孔13A,13A(図6参照)にボルト15A,15Aを挿通させるとともに各ボルト15A,15Aの先端部をフラットバー10の一端側の長孔14Aに挿通させ、さらに各ボルト15A,15Aの先端部にナット16A,16Aを装着する。同様に、フラットバー11Bの一端側の各ボルト挿通孔13B,13B(図6参照)にボルト15B,15Bを挿通させるとともに各ボルト15B,15Bの先端部をフラットバー10の他端側の長孔14Bに挿通させ、さらに各ボルト15B,15Bの先端部にナット16B,16Bを装着する。
この状態で、各ナット16A,16A,16B,16Bを締め付けることにより、ロックボルト3Aとロックボルト3Bとの頭部間がフラットバー11A,11B,10を介して連結される。引き続き、同一の縦の枠線G1上に配置されたロックボルト3の頭部間を同じ要領で順次連結させる。
次に、同一の横の枠線G2上に配置されたロックボルト3の連結方法を説明する。まず、主に図8を参照すると、フラットバー11Aが装着されているロックボルト3Aの頭部にフラットバー21Aのロックボルト挿通孔22Aを挿通させ、当該ロックボルト3Aにフラットバー21Aを装着する。同様に、フラットバー11Cが装着されているロックボルト3Cの頭部にフラットバー21Cのロックボルト挿通孔22Cを挿通させ、当該ロックボルト3Cにフラットバー21Cを装着する。
次に、フラットバー21Aの一端側の上面にフラットバー20の一端側を重ねるとともにフラットバー21Cの一端側の上面にフラットバー20の他端側を重ねる。この状態で、主に図9、図10を参照すると、フラットバー21Aの一端側の各ボルト挿通孔23A,23A(図6参照)にボルト25A,25Aを挿通させるとともに各ボルト25A,25Aの先端部をフラットバー20の一端側の長孔24Aに挿通させ、さらに各ボルト25A,25Aの先端部にナット26A,26Aを装着する。同様に、フラットバー21Cの一端側の各ボルト挿通孔23C,23C(図6参照)にボルト25C,25Cを挿通させるとともに各ボルト25C,25Cの先端部をフラットバー20の他端側の長孔24Cに挿通させ、さらに各ボルト25C,25Cの先端部にナット26C,26Cを装着する。
この状態で、各ナット26A,26A,26C,26Cを締め付けることにより、ロックボルト3Aとロックボルト3Cとの頭部間がフラットバー21A,21C,20を介して連結される。引き続き、同一の横の枠線G2上に配置されたロックボルト3の頭部間を同じ要領で順次連結させる。このようにして隣接するロックボルト3の頭部間を連結させることにより、全体で格子状の法枠が形成される。最後に、各ボルト挿入位置に受圧板5を配置した後、各ロックボルト3の頭部にロックナット18を装着するとともに当該ロックナット18を所定のトルクで締め付ける。
第1実施形態では以下の効果を奏する。
第1実施形態によれば、隣接するロックボルト(補強材)の相互の頭部間がフラットバー(平板状の連結棒)により連結されるので、一部のロックボルトに作用する引張力を、フラットバーを介して全体のロックボルトに分散させることができる。
このように地山の変形に伴う受動的な引張力をフラットバーで連結されたすべてのロックボルトで受ける(負担する)ので、地山の変形および土塊のすべりを抑止することが可能であり、傾斜地の安定性を向上させることができる。
また、第1実施形態では、フラットバー(連結棒)としてSS400の平鋼(機械的性質については「JIS3101」参照)を用いたので、隣接するロックボルトの頭部間をワイヤで繋ぐ従来技術のように、ワイヤが伸びることで一部のロックボルトに引張力が集中することがなく、地山の変形および土塊のすべりをより確実に抑止することができる。
また、第1実施形態では、同一の枠線上に配置された隣接するロックボルト間を連結させるフラットバーを、一方のロックボルトに装着されるフラットバーと、他方のロックボルトに装着されるフラットバーと、両方のフラットバーを連結させるフラットバー(連結用フラットバー)とに分割構成し、連結用フラットバー側のボルト挿通孔を連結方向(フラットバーの長さ方向)に延びる長孔としたので、隣接するロックボルト間の距離の誤差を当該長孔で吸収することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を主に第1実施形態との相違部分を中心に説明する。
なお、第1実施形態と同一または対応する部位については、同一称呼および同一の符号で表す。また、図11における上下および左右方向をそのまま上下および左右方向と称する。
前述した第1実施形態では、ロックボルト3Aの頭部に装着されたフラットバー11A(21A)とロックボルト3B(3C)の頭部に装着されたフラットバー11B(21C)とが、フラットバー10(20)で繋がれることにより、隣接するロックボルト3A,3B(3C)の頭部間が連結される。すなわち、第1実施形態は、隣接するロックボルト3A,3B(3C)の頭部間を連結させる平板状の連結棒が、フラットバー11A(21A)、フラットバー11B(21C)、およびフラットバー10(20)に分割されて構成されている。
これに対し、第2実施形態は、直線上に隣接する一連のロックボルト3(補強材)が単一のフラットバー41,51(連結棒)で連結される、すなわち、同一の縦の枠線G1上に配置される複数本(第2実施形態では4本)のロックボルト3が繋ぎ目のない単一のフラットバー41で連結されるとともに、同一の横の枠線G2上に配置される複数本(第2実施形態では3本)のロックボルト3が繋ぎ目のない単一のフラットバー51で連結される。
図12に示されるように、フラットバー41には、同一の縦の枠線G1上に配置される各ロックボルト3に対応する複数個(図12に1個のみ示される)のロックボルト挿通孔42が形成される。各ロックボルト挿通孔42は、フラットバー41の長さ方向(縦の枠線G1に沿う方向)に沿って延びる長孔により形成される。他方、フラットバー51には、同一の横の枠線G2上に配置される各ロックボルト3に対応する複数個(図12に1個のみ示される)のロックボルト挿通孔52が形成される。各ロックボルト挿通孔52は、フラットバー51の長さ方向(横の枠線G2に沿う方向)に沿って延びる長孔により形成される。
そして、法面2のロックボルト挿入位置に打設されたロックボルト3の頭部間を連結させる場合、まず、同一の縦の枠線G1上に配置された各ロックボルト3の頭部に、フラットバー41の対応するロックボルト挿通孔42を挿通させる。次に、同一の横の枠線G2上に配置された各ロックボルト3の頭部に、フラットバー51の対応するロックボルト挿通孔52を挿通させる。これにより、直線上に隣接する一連のロックボルト3(補強材)が単一のフラットバー41,51(連結棒)で連結される。
ここで、フラットバー41,51のロックボルト挿通孔42,52は長孔であるため、ロックボルト挿通孔42,52に挿通されたロックボルト3と当該ロックボルト挿通孔42,52との間には隙間が形成される。一部のロックボルトに作用する引張力を、フラットバー41,51を介して全体のロックボルト3に分散させるには、当該隙間を埋める、換言すると、ロックボルト3とロックボルト挿通孔42,52(長孔)との遊びをなくす必要がある。当該遊びをなくすには、隙間に治具を挿入したり、隙間を充填剤で埋める等の手段を適宜選択することができる。
そして、各ボルト挿入位置に受圧板5を配置した後、各ロックボルト3の頭部にロックナット18(図2参照)を装着するとともに当該ロックナット18を所定のトルクで締め付ける。
第2実施形態によれば、前述した第1実施形態と同等の作用効果を奏する。
なお、第1および第2実施形態では、連結棒にフラットバー(平鋼)を用いたが、連結棒をフラットバーに限定することを意図するものではなく、連結棒として、例えば、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を含む繊維強化プラスチック(FRP)等からなる平板を用いることができる。
なお、前述した第1および第2実施形態は、次のように構成することができる。
第1および第2実施形態では、ロックボルト3(補強材)が法面2に格子状に配置された場合、換言すると、ボルト挿入位置が複数本の縦の枠線G1と複数本の横の枠線G2との交点である場合を説明したが、図13に示されるように、ロックボルト3が法面2に千鳥状に配置される場合、換言すると、ボルト挿入位置が複数本の右斜め下方向へ延びる斜線S1と複数本の右斜め上方向へ延びる斜線S2との交点である場合にも、第1および第2実施形態の連結構造を適用することができる。なお、図13は、法面2に千鳥状に配置されたロックボルト3を第2実施形態の連結構造を適用して連結させた態様を示す。
また、第1および第2実施形態は、フラットバー(平板状の連結棒)を法面2に接地させる接地型であったが、図14に示されるように、フラットバー31を法面2から浮かせる非接地型とすることができる。図14に示される実施例では、既設のロックボルト3(補強材)の頭部のロックナット18から突出した部分にフラットバー31のロックボルト挿通孔32を挿通させた後、ロックボルト3の頭部にナット33を装着させ、ロックボルト3の頭部に装着された一対のナット18,33でフラットバー31を挟み込む。これにより、受圧板5が設けられた既設のロックボルト3に、後付けでフラットバー31を取り付けることが可能であり、ロックボルト3が既設された傾斜地の安定性をより向上させることができる。
1 地山、2 法面、3 ロックボルト(補強材)、10,11,20,21 フラットバー(連結棒)

Claims (5)

  1. 法面に配置された補強材の連結構造であって、
    隣接する補強材の相互の頭部間を連結させる平板状の連結棒を有し、
    前記連結棒は、一方の補強材に装着される連結棒と、他方の補強材に装着される連結棒と、両方の補強材を繋ぐ連結棒とに分割され、
    前記補強材に装着された連結棒には、長さ方向中心部に形成された補強材挿通孔と、長さ方向両端部に形成されたボルト挿通孔とが設けられ、
    前記両方の補強材を繋ぐ連結棒の両端部には、長さ方向に沿って延びる長孔が設けられ、
    前記一方の補強材に装着された連結棒の一端側の前記ボルト挿通孔にボルトが挿通され、該ボルトの先端部が前記補強材を繋ぐ連結棒の一端側の前記長孔に挿通され、前記ボルトの先端部に装着されたナットを締め付けることにより、前記一方の補強材に装着された連結棒の一端側と前記補強材を繋ぐ連結棒の一端側とが固定され、
    前記他方の補強材に装着された連結棒の一端側の前記ボルト挿通孔にボルトが挿通され、該ボルトの先端部が前記補強材を繋ぐ連結棒の他端側の前記長孔に挿通され、前記ボルトの先端部に装着されたナットを締め付けることにより、前記他方の補強材に装着された連結棒の一端側と前記補強材を繋ぐ連結棒の他端側とが固定されることを特徴とする補強材の連結構造。
  2. 法面に配置された補強材の連結構造であって、
    同一の枠線上で隣接する一連の補強部材の相互の頭部間を連結させる平板状の連結棒を有し、
    前記連結棒には、同一の枠線上に配置された各補強材の頭部に対応する複数個のボルト挿通孔が設けられ、
    各ボルト挿通孔は、前記連結棒の長さ方向に沿って延びる長孔により形成され、
    第1枠線上に配置された各補強材の頭部には、前記連結棒の各ボルト挿通孔が挿通され、
    前記第1枠線と交差する第2枠線上に配置された各補強材の頭部には、前記連結棒の各ボルト挿通孔が挿通され、
    各補強材の頭部に装着されたナットを締め付けることにより、同一の枠線上の隣接する一連の前記補強材が単一の前記連結棒で連結されることを特徴とする補強材の連結構造。
  3. 前記平板状の連結棒は、フラットバーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の補強材の連結構造。
  4. 法面に配置された補強材の連結方法であって、
    隣接する補強材の相互の頭部間を平板状の連結棒により連結させるに際し、
    前記連結棒を、一方の補強材に装着させる平板状の連結棒と、他方の補強材に装着させる平板状の連結棒と、両方の補強材を繋ぐ平板状の連結棒とに分割し、
    前記補強材に装着させる連結棒に、長さ方向中心部に形成した補強材挿通孔と、長さ方向両端部に形成したボルト挿通孔とを設け、
    前記両方の補強材を繋ぐ連結棒の両端部に、長さ方向に沿って延びる長孔を設け、
    前記一方の補強材に装着した連結棒の一端側の前記ボルト挿通孔にボルトを挿通し、該ボルトの先端部を、前記補強材を繋ぐ連結棒の一端側の前記長孔に挿通し、前記ボルトの先端部に装着したナットを締め付けることにより、前記一方の補強材に装着した連結棒の一端側と前記補強材を繋ぐ連結棒の一端側とを固定するステップと、
    前記他方の補強材に装着した連結棒の一端側の前記ボルト挿通孔にボルトを挿通し、該ボルトの先端部を、前記補強材を繋ぐ連結棒の他端側の前記長孔に挿通し、前記ボルトの先端部に装着したナットを締め付けることにより、前記他方の補強材に装着した連結棒の一端側と前記補強材を繋ぐ連結棒の他端側とを固定するステップと、を含むことを特徴とする補強材の連結方法。
  5. 法面に配置された補強材の連結方法であって、
    同一の枠線上で隣接する一連の補強部材の相互の頭部間を平板状の連結棒により連結させるに際し、
    前記連結棒に、同一の枠線上に配置された各補強材の頭部に対応する複数個のボルト挿通孔を設け、
    各ボルト挿通孔を、前記連結棒の長さ方向に沿って延びる長孔により形成し、
    第1枠線上に配置された各補強材の頭部に、前記連結棒の各ボルト挿通孔を挿通し、
    前記第1枠線と交差する第2枠線上に配置された各補強材の頭部に、前記連結棒の各ボルト挿通孔を挿通し、
    前記補強材の頭部に装着したナットを締め付けることにより、同一の枠線上の隣接する一連の前記補強材を単一の連結棒で連結させることを特徴とする補強材の連結方法。
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