JP6989318B2 - エンジン - Google Patents

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Description

本発明は、シリンダ内でピストンが往復運動するエンジンに関する。
例えば、自動車の4サイクルのガソリンエンジンの場合、ピストンがシリンダ内で2往復運動する間に、シリンダ内に混合気(燃料を含んだ空気)を吸い込む吸入行程と、混合気を圧縮する圧縮行程と、圧縮した混合気に点火して、混合気を燃焼させる燃焼行程と、燃焼ガスを排気する排気行程との4つの行程がある。この4つの行程のうちの吸入行程と燃焼行程では、ピストンが上死点側から下死点側に移動する。このピストンの下死点側への移動中に、ピストンの背面側(クランクシャフト側)にはガス(例えば、空気)が存在するので、ピストンの移動に伴ってシリンダ内から押し出されたガスがクランクケースに入る。この際、このガスがピストンの下死点側への移動に対して抵抗となり、ポンピングロスが発生する。このポンピングロスの原因は、例えば、クランクケース内の容積が小さいことや、ピストンの背面側のガスの流路が狭いことである。
このピストンの背面側のポンピングロスを低減させる技術が提案されている。例えば、特許文献1には、複数の気筒が形成されたシリンダブロックと、このシリンダブロックに締結固定されたクランクケースとによって、クランクシャフトを支持する複数の隔壁が各気筒に対応する各クランク室を区画するように形成された多気筒内燃機関が開示されている。この多気筒内燃機関では、複数の隔壁に、隔壁を挟んで隣り合う各一対の隣接クランク室同士を連通させる連通孔がそれぞれ形成されている。この連通孔により、隣接する気筒(シリンダ)間でピストンが逆方向に移動するときに、隣接するクランク室間のガスの移動が許容される。
特開2010−180747号公報
上述したように、特許文献1に開示の技術によれば、クランクケース内の隣接するクランク室間に連通孔が形成されているので、任意の気筒の吸入行程や燃焼行程のときに、下死点側に移動するピストンの背面側のガスがシリンダからクランク室に入った後に、このクランク室に入ったガスが隣接するクランク室に連通孔を介して移動することができる。しかしながら、該連通孔を介してガスが移動するためにはガスがシリンダからクランク室に入る必要があり、また、例えばブロック強度などの観点から上記連通孔の径を十分に取ることができないような場合には、ピストンの背面側のポンピングロスを十分に低減できないおそれがある。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、ピストンの背面側のポンピングロスを十分に低減させることが可能なエンジンを提供することを目的とする。
本発明に係るエンジンは、複数のシリンダが設けられるシリンダブロックと、シリンダ内に往復動自在に収容されるピストンと、ピストンに取り付けられるピストンリングと、ピストンに連結されるクランクシャフトと、を備え、シリンダの周壁には、当該シリンダ内においてピストンが下死点に位置している場合のピストリングの位置よりもクランクシャフト側かつ当該シリンダと隣り合う他のシリンダ側に開口される開口部が形成され、シリンダブロックには、複数のシリンダのうちの隣り合う一のシリンダの開口部と他のシリンダの開口部とを連通する連通路が形成されることを特徴とする。
本発明に係るエンジンでは、各シリンダの周壁に開口部がそれぞれ形成されており、この開口部が隣のシリンダ側かつピストンリングよりもクランクシャフト側に開口されている。また、本発明に係るエンジンでは、隣り合うシリンダの開口部間を連通する連通路がシリンダブロックに形成されている。この各シリンダの開口部及びシリンダブロックの連通路を介して、隣り合う一のシリンダにおけるシリンダの背面側(クランクシャフト側)と他のシリンダにおける背面側とが連通される。これにより、例えば、一のシリンダ内のピストンが上死点側から下死点側に移動しているときに、この一のピストンの背面側に存在するガスを隣の他のシリンダのピストンの背面側に移動させることができる。特に、開口部がピストンリングよりもクランクシャフト側に開口されているので、ピストンリングがシリンダの周壁に対して摺動可能であり、ピストンリングによる機能を損なうことなく、可能な範囲内で開口部を大きくすることができ、シリンダ間のガスの移動量を多くすることができる。これにより、下死点側に移動するピストンによってシリンダ内から押し出されるガスのうちクランクケース内に入るガスの量が少なくなる。そのため、ピストンの下死点側への移動に対する抵抗を低減させることができる。このように、本発明に係るエンジンによれば、ピストンの背面側のポンピングロスを十分に低減させることが可能となる。
本発明に係るエンジンでは、シリンダブロックに設けられるシリンダライナを備え、開口部は、シリンダライナに形成されることが好ましい。このように構成することで、各シリンダライナに形成された開口部及び隣り合うシリンダライナの開口部間を連通する連通路により、隣り合う一のシリンダにおける背面側と他のシリンダにおける背面側とを連通させることができる。
本発明に係るエンジンでは、ピストンは、ピストンリングが装着されるピストン本体と、当該ピストン本体のクランクシャフト側に設けられたピストンスカートと、を有し、開口部は、シリンダ内においてピストンが下死点に位置している場合のピストンスカートの対向する一対のスカート部間の切欠部の形状に沿って形成されることが好ましい。このようにピストンスカートにおける切欠部の形状に沿った開口部(ひいては、連通路)が形成されることで、ピストンスカートの対向する一対のスカート部がシリンダの周壁に対して摺動可能であり、ピストンスカートによる機能を損なうことなく、可能な範囲内で開口部を大きくすることができる。なお、この開口部やシリンダブロックの連通路が大きいほど、エンジンを軽量化することができる。
本発明に係るエンジンでは、連通路は、複数のシリンダのうちの隣り合う一のシリンダと他のシリンダのうち、一のシリンダ内のピストンが下死点側に移動しているときに他のシリンダ内のピストンが上死点側に移動する組み合わせの一のシリンダと他のシリンダとの間に形成されることが好ましい。例えば、一のピストンが下死点側に移動しているときに、隣の他のピストンが上死点側に移動している場合、他のシリンダにおけるピストンの背面側の大きくなる空間に、一のシリンダにおけるピストンの背面側のガスを移動させることができる。また、上死点側にピストンが移動する他のシリンダではピストンの背面側にガスが入ってくるので、このガスによりピストンの上死点側への移動をアシストすることができる。
本発明によれば、ピストンの背面側のポンピングロスを十分に低減させることが可能となる。
実施形態に係るエンジンの概略構成を示す断面図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。 図1に示すシリンダライナの斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
実施形態では、本発明に係るエンジンを、自動車に搭載される水平対向型の4気筒ガソリンエンジンに適用する。図1及び図2を参照して、実施形態に係るエンジン1について説明する。図1は、実施形態に係るエンジン1の概略構成を示す断面図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。なお、図1、図2では、エンジン1における一部分(シリンダブロックの部分)を示しており、シリンダヘッドやオイルパンなどの他の部分を省略している。また、図1、図2の各断面図では、シリンダブロックやシリンダライナを断面で示しているが、一部の部品(ピストンなど)を外観で示している。
エンジン1は、シリンダブロック2を備えている。シリンダブロック2の車幅方向D1(自動車の左右方向)における一方側の端部と他方側の端部には、吸気弁や排気弁などが設けられるシリンダヘッド(図示省略)がそれぞれ取り付けられている。この各弁は、複数のカムを有するカムシャフトなどからなる動弁機構(図示省略)によって開閉される。シリンダブロック2の下端部には、エンジンオイルが貯留されるオイルパン(図示省略)が取り付けられている。
シリンダブロック2には、車幅方向D1における中央部にクランクケース2aが形成されている。クランクケース2aには、クランクシャフト3が回転自在に支持されている。クランクシャフト3は、例えば、5個のクランクジャーナル3aと、4個のクランクピン3bと、8個のバランスウェイト3cと、8個のクランクアーム3dとを備えている。クランクジャーナル3aは、クランクシャフト3の回転中心となる。クランクピン3bは、クランクシャフト3(クランクジャーナル3a)の回転中心軸Aから偏心されており、クランクジャーナル3aと交互に配置される。バランスウェイト3cは、クランクアーム3dと一体で形成され、クランクピン3bの逆位相側に配置される。クランクアーム3dは、隣り合うクランクジャーナル3aとクランクピン3bとの間に配置され、クランクジャーナル3aとクランクピン3bとを連結する。
シリンダブロック2には、車幅方向D1においてクランクケース2aを挟んで一方側に2個のシリンダ用穴部2b,2cが形成され、他方側に2個のシリンダ用穴部2d,2eが形成されている。シリンダ用穴部2bとシリンダ用穴部2cとは、車幅方向D1と直交する自動車の前後方向D2において、所定間隔をあけて並列に配置される。シリンダ用穴部2dとシリンダ用穴部2eとは、前後方向D2において所定間隔をあけて並列に配置される。
シリンダ用穴部2b,2c,2d,2eは、シリンダブロック2の車幅方向D1における端部からクランクケース2aまで延在し、断面形状が略円形状である。シリンダ用穴部2b,2c,2d,2eの一端部は、開口されており、上述したシリンダヘッドが配設されている。シリンダ用穴部2b,2c,2d,2eの他端部は、クランクケース2aに連通されている。
シリンダブロック2のシリンダ用穴部2b,2c,2d,2eには、中空の円筒状のシリンダライナ4A,4B,4C,4Dがそれぞれ嵌入されて、固定されている。このように構成されることで、シリンダブロック2には、シリンダ(気筒)5A,5B,5C,5Dが設けられる。各シリンダライナ4A,4B,4C,4Dの周壁4aは、各シリンダ5A,5B,5C,5Dの周壁(摺動面)となる。
各シリンダ5A,5B,5C,5Dには、ピストン6A,6B,6C,6Dが往復動自在にそれぞれ収容されている。ピストン6A,6B,6C,6Dは、ピストン本体6aと、このピストン本体6aのクランクシャフト3側に形成されたピストンスカート6bとを有する。ピストン本体6aは、略円筒形状に形成されている。ピストン本体6aの外周面には、例えば、円環状のピストンリング溝が3本設けられており、この各ピストンリング溝にピストンリング6c,6d,6eが装着されている。ピストンリング6c,6d,6eは、外径がピストン本体6aの外径よりも僅かに大きく、シリンダライナ4A,4B,4C,4Dの周壁4aに接する。
シリンダヘッド側(カムシャフト側)のピストンリング6cは、トップリングと呼ばれ、コンプレッションリングである。中間のピストンリング6dは、セカンドリングと呼ばれ、コンプレッションリングである。コンプレッションリングは、燃焼室からのガス漏れ防止などの機能を有する。クランクシャフト3側のピストンリング6eは、オイルリングである。オイルリングは、余分なエンジンオイルの掻き落としや燃焼室へのエンジンオイルの浸入防止などの機能を有する。
ピストンスカート6bは、シリンダ5A,5B,5C,5D内で往復運動するピストン6A,6B,6C,6Dの首振り抑制などの機能を有する。ピストンスカート6bは、ピストンピン(図示省略)を挟んで対向する一対のスカート部6f,6fを有する。スカート部6fは、ピストン本体6aからクランクシャフト3側に延在する。ピストンスカート6bには、一方のスカート部6fと他方のスカート部6fとの間に、対向する一対の切欠部6g,6gが形成されている。切欠部6gの形状は、対向するスカート部6f,6fの形状に応じた形状である。
各ピストン6A,6B,6C,6Dには、ピストンピンにより、コネクティングロッド7A,7B,7C,7Dの一端が回転自在にそれぞれ取り付けられている。各コネクティングロッド7A,7B,7C,7Dの他端は、クランクアーム3d,3d間に保持されたクランクピン3bに回転自在にそれぞれ取り付けられている。エンジン1では、このコネクティングロッド7A,7B,7C,7Dを介して、シリンダ5A,5B,5C,5D内でのピストン6A,6B,6C,6Dの往復運動(直線運動)が回転運動に変換され、クランクシャフト3を回転させる。ピストン6A,6B,6C,6Dが2往復運動(クランクシャフト3が2回転)する間に、エンジン1の1サイクルである吸入行程、圧縮行程、燃焼行程、排気行程の4つの行程(4ストローク)が行われる。
この4つの行程のうちの吸入行程と燃焼行程では、ピストン6A,6B,6C,6Dが上死点側から下死点側に移動する。このとき、下死点側へのピストン6A,6B,6C,6Dの移動に対して、シリンダ5A,5B,5C,5D内におけるピストン6A,6B,6C,6Dの背面側(クランクシャフト3側)に存在するガス(例えば、空気)が抵抗となる。この抵抗が大きくなると、ピストン6A,6B,6C,6Dの背面側のポンピングロスが大きくなり、燃費が悪化する。
そこで、エンジン1は、このピストン6A,6B,6C,6Dの背面側のポンピングロスを低減させるために、前後方向D2において隣り合うシリンダ5Aとシリンダ5Bとの間、シリンダ5Cとシリンダ5Dとの間で、その背面側のガスの移動を許容する構造を有している。そのために、エンジン1は、シリンダライナ4A,4B,4C,4Dに開口部4bがそれぞれ形成され、シリンダブロック2に連通路(連通孔)2g,2hが形成される。
図3も参照して、シリンダライナ4A,4B,4C,4Dの開口部4bについて説明する。以下ではシリンダライナ4Aの開口部4bについて説明するが、他の各シリンダライナ4B,4C,4Dの開口部4bも同様のものであるので、説明を省略する。図3は、シリンダライナ4Aの斜視図を示す。図3には、シリンダライナ4A以外に、シリンダ5A(シリンダライナ4A)内で下死点に位置している場合のピストン6Aの外観を二点鎖線で示している。
シリンダライナ4Aのクランクシャフト3側には、周方向においてピストン6Aのピストンスカート6bにおける対向する一対の切欠部6g,6gの各位置に対応させて、対向する一対の開口部4b,4bが形成されている。このシリンダライナ4Aにおける一対の開口部4b,4bのうちの一方の開口部4bは前後方向D2において隣り合うシリンダライナ4B側に開口され、他方の開口部4bはシリンダライナ4Bの反対側に開口されている。
開口部4bは、シリンダライナ4Aにおけるクランクシャフト3側において、略凹状に開口されている。特に、開口部4bは、ピストン6Aが下死点に位置している場合のピストンスカート6bの切欠部6g(シリンダライナ4Aの周壁4aに対して摺動しない部分)の形状に沿って形成(開口)されている。したがって、この開口部4bの形状は、ピストンスカート6bの切欠部6gの形状に応じた形状となる。このような開口部4b,4bを設けることにより、中空の円筒状のシリンダライナ4Aの一部が欠けるが、ピストン6Aがシリンダ5A内で往復運動しているときに、ピストンスカート6bのスカート部6f,6f及びピストンリング6c,6d,6eをシリンダライナ4Aの周壁4aに対して摺動させることが可能である。なお、シリンダ用穴部2bには、このシリンダライナ4Aに形成された開口部4b,4bの形状に沿った段差が形成されている。
図3等に示す例では、シリンダライナ4Aにはピストンスカート6bの一対の切欠部6g,6gに対応させて一対の開口部4b,4bが設けられているが、前後方向D2において隣り合うシリンダライナ4B側にのみ開口部4bを設ける構成としてもよい。つまり、シリンダライナ4Bの反対側の開口部4bを設けない構成としてもよい。
連通路2g,2hについて説明する。シリンダブロック2には、前後方向D2において隣り合うシリンダ5Aとシリンダ5Bとの間に連通路2gが形成され、前後方向D2において隣り合うシリンダ5Cとシリンダ5Dとの間に連通路2hが形成されている。
連通路2gは、対向するシリンダライナ4Aの開口部4bとシリンダライナ4Bの開口部4bとを連通するように形成されている。連通路2hは、対向するシリンダライナ4Cの開口部4bとシリンダライナ4Dの開口部4bとを連通するように形成されている。この連通路2g,2hの断面形状は、開口部4bの形状に応じた形状である。
このようにエンジン1に設けられる開口部4bと連通路2g,2hによる作用について説明する。以下では車幅方向D1の一方側において隣り合うシリンダ5A,5B間(ピストン6A、6B間)における作用を例として説明するが、車幅方向D1の他方側において隣り合うシリンダ5C,5D間(ピストン6C,6D間)でも同様の作用である。
対向するシリンダライナ4Aに形成された開口部4b及びシリンダライナ4Bの開口部4bと、シリンダブロック2に形成された連通路2gとにより、シリンダ5Aにおけるピストン6Aの背面側(クランクシャフト3側)とシリンダ5Bにおけるピストン6Bの背面側とが連通される。また、前後方向D2に隣り合うピストン6Aとピストン6Bとは、往復運動しているときに(エンジン1の稼動中)、互いに逆方向に移動する。
例えば、ピストン6Aが上死点側から下死点側に移動しているときに(吸入行程、燃焼行程)、ピストン6Bが下死点側から上死点側に移動し(圧縮行程、排気行程)、ピストン6Aが下死点に到達するとピストン6Bが上死点に到達する。この下死点側へのピストン6Aの移動中、シリンダ5A内におけるピストン6Aの背面側の空間が小さくなり、シリンダ5A内におけるピストン6Aの背面側のガス(例えば、空気)が押圧される。この押圧されたガス(シリンダ5A内から押し出されたガス)が、シリンダライナ4A,4Bの各開口部4b,4b及び連通路2gを通ってシリンダ5B側に流れ、シリンダ5B内におけるピストン6Bの背面側の空間に流入する。この際、ピストン6Bは上死点側に移動中であるので、シリンダ5B内におけるピストン6Bの背面側の空間が大きくなる。
シリンダライナ4A,4Bの各開口部4b及び連通路2gはピストンスカート6bの切欠部6gの形状に合わせて形成されているので、シリンダ5Aとシリンダ5Bとの間のガスの流路の断面積が大きく、シリンダ5Aからシリンダ5Bに流入するガスの流量が多い。したがって、ピストン6Aに押圧されてシリンダ5A内から押し出されるガス(ピストン6Aの背面側のガス)のうち、シリンダ5Aからクランクケース2a内に流入するガスの量が少なくなる。そのため、例えば、クランクケース2aの容積が小さい場合でも、ピストン6Aの背面側のガスによるピストン6Aの下死点側への移動に対する抵抗が低減される。同様に、ピストン6Bが上死点側から下死点側に移動している場合も、ピストン6Bの背面側のガスによるピストン6Bの下死点側への移動に対する抵抗が低減される。
なお、上述したうように、シリンダ5A,5Bの摺動面となるシリンダライナ4A,4Bには開口部4bが形成されているが、往復運動するピストン6A,6Bの各ピストンスカート6bのスカート部6f,6f及びピストンリング6c,6d,6eを各シリンダライナ4A,4Bの周壁4aに対して摺動させることができる。したがって、ピストン6A,6Bの往復運動中に、上述したピストンスカート6bによる機能や、ピストンリング6c,6d,6eによる各機能が損なわれることはない。
実施形態に係るエンジン1によれば、各シリンダライナ4A,4B,4C,4Dの開口部4bとシリンダブロック2の連通路2g,2hによってシリンダ5A,5B間及びシリンダ5C,5D間がそれぞれ連通されることで、ピストン6A,6B,6C,6Dの背面側のポンピングロスを十分に低減させることができる。このポンピングロスが低減することで、エンジン1が搭載される自動車の燃費を向上させることができる。
実施形態に係るエンジン1によれば、開口部4b(連通路2g,2h)がピストンスカート6bの切欠部6gの形状に合わせて形成されているので、ピストンスカート6bやピストンリング6c,6d,6eによる機能を損なうことなく開口部4b(ひいては、連通路2g,2h)を大きくすることができ、シリンダ5A,5B間、シリンダ5C,5D間のガスの移動量(流量)を多くすることができる。なお、開口部4bや連通路2g,2hが大きいほど、エンジン1を軽量化することができる。
実施形態に係るエンジン1によれば、互いに逆方向に移動するシリンダ5A,5B間、シリンダ5C,5D間が各開口部4b,4b及び連通路2g,2hによってそれぞれ連通されているので、一方のシリンダ内のピストンが下死点側に移動しているときに隣の他方のシリンダ内のピストンが上死点側に移動している場合に、他方のシリンダにおけるピストンの背面側の大きくなる空間に一方のシリンダにおけるピストンの背面側のガスを移動させることができる。さらに、上死点側にピストンが移動する他方のシリンダ側では、ピストンの背面側にガスが入ってくるので、このガスによりピストンの上死点側への移動をアシストすることができる。これにより、エンジン1が搭載される自動車の燃費を更に向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では水平対向型の4気筒ガソリンエンジン1に適用したが、直列型やV型などの他の気筒配置、6気筒などの他の気筒数などの他の形態のエンジンにも適用可能である。例えば、直列型のエンジンに適用した場合、直列に並べられた複数のシリンダの中でも隣り合う一のシリンダが上死点側に移動しているときに他のシリンダが下死点側に移動する(つまり、逆方向に移動する)組み合わせのシリンダ間にのみ連通路を形成することが好ましい。例えば、直列型の4気筒ガソリンエンジンの場合、直列に並べられた第1〜第4のシリンダにおいて、第1のシリンダと第2のシリンダとの間、第3のシリンダと第4のシリンダとの間に連通路を形成するとよい。
上記実施形態ではシリンダブロック2のシリンダ用穴部2b,2c,2d,2eに別体としてシリンダライナ4A,4B,4C,4Dがそれぞれ設けられたシリンダ5A,5B,5C,5Dを備えるエンジン1に適用したが、ライナレスのシリンダを備えるエンジンに適用することも可能である。このエンジンに適用する場合、シリンダブロックに形成されたシリンダの周壁(例えば、シリンダの摺動面に所定の処理が施された周壁)に実施形態と同様の形状の開口部が形成される。
上記実施形態ではシリンダライナ4A,4B,C,4Dの開口部4bの形状がピストンスカート6bの切欠部6gの形状に沿うように形成されているが、開口部がピストンスカート6bのスカート部6f,6fを含む範囲まで開口されていなければ、切欠部6gの形状に沿うように形成されていない構成としてもよい。例えば、ピストンリング6e(オイルリング)よりもクランクシャフト3側であれば、開口部をピストンスカート6bの切欠部6gよりもピストンリング6e側に広げる構成としてもよい。
1 エンジン
2 シリンダブロック
2a クランクケース
2b,2c,2d,2e シリンダ用穴部
2g,2h 連通路
3 クランクシャフト
4A,4B,4C,4D シリンダライナ
4a 周壁
4b 開口部
5A,5B,5C,5D シリンダ
6A,6B,6C,6D ピストン
6a ピストン本体
6b ピストンスカート
6c,6d,6e ピストンリング
6f スカート部
6g 切欠部
7A,7B,7C,7D コネクティングロッド

Claims (3)

  1. 数のシリンダが設けられるシリンダブロックと、
    前記シリンダ内に往復動自在に収容されるピストンと、
    前記ピストンに取り付けられるピストンリングと、
    前記ピストンに連結されるクランクシャフトと、
    を備え、
    前記ピストンは、前記ピストンリングが装着されるピストン本体と、当該ピストン本体の前記クランクシャフト側に設けられたピストンスカートと、を有し、
    前記シリンダの周壁には、当該シリンダ内において前記ピストンが下死点に位置している場合の前記ピストリングの位置よりも前記クランクシャフト側かつ当該シリンダと隣り合う他のシリンダ側に開口される開口部が形成され、
    前記シリンダブロックには、前記複数のシリンダのうちの隣り合う一のシリンダの開口部と他のシリンダの開口部とを連通する連通路が形成され
    前記開口部は、前記シリンダ内において前記ピストンが下死点に位置している場合の前記ピストンスカートの対向する一対のスカート部間の切欠部の形状に沿って形成されることを特徴とするエンジン。
  2. 前記シリンダブロックに設けられるシリンダライナを備え、
    前記開口部は、前記シリンダライナに形成されることを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
  3. 前記連通路は、前記複数のシリンダのうちの隣り合う一のシリンダと他のシリンダのうち、一のシリンダ内のピストンが下死点側に移動しているときに他のシリンダ内のピストンが上死点側に移動する組み合わせの一のシリンダと他のシリンダとの間に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン。
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