JP6979791B2 - 両親媒性ブロック共重合体を利用した塗料用レベリング剤 - Google Patents

両親媒性ブロック共重合体を利用した塗料用レベリング剤 Download PDF

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Description

この発明は、塗料に少量添加することにより、塗装時の平滑性を付与すると共に、塗装工程でハジキの原因となる異物が存在しても塗装欠陥の発生を防止することができる、塗料用レベリング剤に関するものである。
工業ライン塗装によって塗装される塗料、例えば自動車用塗料、プレコートメタル用塗料(以下PCMと略称する)、家電用塗料、等の高級塗料は防蝕性能だけではなく美観に優れた高度な仕上がり外観が要求される。それ故、仕上がり塗面は、ハジキ、クレーター、フィッシュアイ、曇り等が無く、外観が平滑であることが必要不可欠とされている。この機能を満たすための塗料用添加剤としては、レベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、光沢付与剤、ハジキ防止剤などの表面調整剤が用いられている。
従来からライン塗装においてはエアースプレー等の霧化塗装やロールコーター等の高速連続塗装が行われている。これらの塗装方法では、コンプレッサーやロールコーターマシーン等に使用している潤滑油のミストや塗料自身のミストなどが、被塗物の表面に付着する場合があり、これらのミストを原因としてハジキが発生することが問題となっていた。このほか、自動車用塗料のように数回に渡って塗装し、研磨する塗装ラインにおいては、サンドペーパーの研磨かすや、作業中の人の手による汚染を原因とするハジキが問題となることがある(これらのハジキ要因物質を以下異種ダストと表現する)。
これらの塗装時のハジキの問題を解決する手段として、従来より変性シリコーンオイルや表面張力の低いビニルポリマーが使用されている。例えば特許文献1には炭素数2〜4のアルキル基を持つビニルエーテルポリマーが有用なことが、特許文献2には、塗料、インキ等のコーティング剤に少量配合して塗装時の優れた基材湿潤性やハジキ防止性を付与し、さらにそれを塗装した塗装膜に優れたレベリング性を付与し、上塗り付着性の阻害も起こさない添加剤が記載されている。
特公平1−234478号 特許第5111665号
しかし、近年環境対応型のため塗料がハイソリッド化されたり、水性化されたりすることにより、塗料に使われる樹脂が高極性化し、かつ、溶剤による塗面の濡れ拡がり効果が低下したことに伴い、ハジキの問題は解決しにくくなっている。さらに、変性シリコーンオイルや表面張力の低いビニルポリマーを配合すると塗料を重ね塗りする際に層間密着性を阻害したり、上塗り面の色調が変化したりする、いわゆるリコート性を悪くする場合があった。
従って、この発明の目的は、いわゆるリコート性を阻害することなく、異種ダストに対するハジキを防止することにより、平滑な塗装面を与えるレベリング剤(平滑剤)を提供することである。
本発明者らは、様々な検討を重ねた結果、一般式[I]
Figure 0006979791
[式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は炭素数1から10のアルキレン基、R3は炭素数1から4のアルキル基、nは5〜50の整数をそれぞれ表す。]
で示される、(メタ)アクリロイルオキシ基持つシリコーンオイルが、一般式[II]
Figure 0006979791
[式中、R4は水素原子又はメチル基、R5は炭素原子数1〜12のアルキル基を表す。]
で示される(メタ)アクリルエステルからなる主鎖ポリマーにリビングラジカル重合でグラフト重合することによって形成された疎水性シリコーングラフトポリマー部、および、一般式[III]
Figure 0006979791
[式中、R6は水素原子又はメチル基、R7は水素原子又は炭素原子数1〜18のアルキル基、mは1〜50の整数をそれぞれ表す。]
で示されるオキシエチレン基を持つ(メタ)アクリル酸エステルが、上記一般式[II]で示される(メタ)アクリル酸エステルからなる主鎖ポリマーにリビングラジカル重合することによって形成された親水性グラフトポリマー部、を含んでなる両親媒性ブロック共重合体を主成分とする塗料用レベリング剤であって、上記両親媒性ブロック共重合体を構成するモノマーの全重量に基づいて、上記式[I]のモノマー、上記式[II]のモノマー、及び上記式[III]のモノマーの重合割合が、各々2〜50重量%、20〜80重量%、及び、20〜80重量%、好ましくは各々5〜35重量%、20〜50重量%及び30〜60重量%であり、上記疎水性グラフトポリマー部のポリスチレン換算の数平均分子量が、1000〜30000、好ましくは2000〜20000であり、上記親水性グラフトポリマー部のポリスチレン換算の数平均分子量が、1000〜30000、好ましくは2000〜20000であり、上記両親媒性ブロック共重合体のポリスチレン換算の
数平均分子量が、2000〜60000、好ましくは5000〜30000であることを特徴とする塗料用レベリング剤を塗料に配合することにより、塗装時にレベリング性(平滑性)を付与しつつ、異種ダストによるハジキを防止する効果が得られ、且つ、リコート性にも影響を与えないことを発見した。
上記両親媒性のブロックコポリマーは、ジブロック型、トリブロック型、または、マルチブロック型のグラフトコポリマーのいずれであっても塗料用レベリング剤として同様の効果を発揮する。
さらに、式[I]、式[II]及び/又は式[III]のモノマー成分と共重合可能な他の重合性二重結合基を持つモノマーが、ブロック共重合体を構成するモノマーの全重量に基づいて40重量%を超えない範囲でブロック共重合体の主鎖を構成している、数平均分子量が2000から60000、好ましくは5000〜30000の両親媒性ブロック共重合体においても同様の効果が得られることを発見した。
式[I]のモノマーの重量%が2%より少ないと、レベリング剤自身が十分な異種ダスト防止性を示すための効果が認められない。又、50重量%より多くなると、リコート性に悪影響を及ぼす。
式[II]のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを20から80重量%共重合するのは、良好な平滑性を得る効果を出すためであり、炭素原子数が12より長鎖のアルキル基R5を持つモノマーでは、十分な平滑性を与えることは出来ない。又、式[III]のポリアルキレングリコールの重合数(m)が50を越える場合は塗膜の耐水性に悪影響を与える。
上記に示した割合で構成される成分式[I]のモノマーと式[II]のモノマーとからなる疎水性グラフトポリマー部及び式[III]のモノマーと式[II]のモノマーとからなる親水性グラフトポリマー部よりなる両親媒性ブロック共重合体は、ジブロック型でもトリブロック型でも同じ効果が得られる。さらには、上記数平均分子量内であれば、マルチブロック化しても同様の効果が得られる。
上記に示した割合で構成される両親媒性ブロック共重合体中において、ブロック共重合体を構成するモノマーの全重量に基づいて、40重量%を超えない範囲で、共重合性二重結合を持つ他のモノマーがブロック共重合体の主鎖を構成している共重合体も、同じように良好なレベリング性と、異種ダストによるハジキを防止する効果が認められる。40重量%を超えた範囲で共重合すると、良好なレベリング性と、異種ダストによるハジキを防止する効果が得られない。
両親媒性ブロック型共重合体の数平均分子量が、2000より小さい場合、又は60000より大きい場合は、塗料に配合した両親媒性ブロック型重合体が、塗装時に塗料表面に配向する能力を十分に持たない為に、十分なレベリング性及びはじき防止性を得ることが出来ない。
一般式[I]で示されるアクリロイルオキシ基、又は、メタクリロイルオキシ基を持つシリコーンオイルの例としては、JNC株式会社から市販されているサイラプレーンFM−0711、サイラプレーンFM−0721や信越シリコーン株式会社から市販されているX−22−174ASX、X−22−174BX、KF−2012等が挙げられる。
一般式[II]で示される炭素数が1から12の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メ
タ)アクリル酸ノルマルプロピルエステル、(メタ)アクリル酸イソプロピルエステル、(メタ)アクリル酸ノルマルブチルエステル、(メタ)アクリル酸イソブチルエステル、(メタ)アクリル酸ターシャリーブチルエステル、(メタ)アクリル酸ノルマルオクチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸イソノニルエステル、(メタ)アクリル酸ノルマルドデシルエステル、(メタ)アクリル酸イソドデシルエステル等が挙げられる。
一般式[III]で示される(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸2−オクトシエチルエステル、(メタ)アクリル酸2−ラウロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチルエステル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルカルビトールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール(エチレングリコールの重合数2〜50のもの)エステル等が挙げられる。
本発明中の両親媒性ブロック共重合体においては、全重量に基づいて40重量%を超えない範囲で、上記以外のモノマーよりなるセグメントが主鎖に含まれていても良い。このセグメントを構成するモノマーに制限はなく、例えば(メタ)アクリル酸ステアリルエステル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチルエステル等の上記範囲外の(メタ)アクリル酸エステル;アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクロイルモルフォリンなどのアクリルアミド類;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル系化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレート等のビニルエステルやアリル化合物;エチルビニルエーテル、ノルマルプロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ノルマルブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ターシャリーブチルビニルエーテル、ノルマルオクチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、フルオロオレフィンマレイミド等のその他のビニル系化合物などが挙げられる。
本発明で用いる両親媒性ブロック型共重合物を合成する方法としては、原子移動ラジカル重合(Atom Transfer Radical Polymerization,ATRP)法、可逆的付加−開裂連鎖移動重合(Reversible Addition−Fragmentation Chain Transfer Polymerization,RAFT重合)法、有機テルル化合物を用いる重合(Organo tellurium−mediated Living Radical Polymerization,TERP)法等がある。以下に各重合法の総説を挙げる。
ATRP総説:
M.Ouchi,T.Terashima,M.Sawamoto,Chem.Rev.,109,4963(2009).
RAFT総説:
Graeme Moad,Ezio Rizzardo,San H Thang,Polymer,49,1079(2008)
TERP総説:
Shigeru Yamago,Chem.Rev.,109,5051(2009).
本発明は、ブロック共重合体の機能に関する発明であるから、合成方法によって何ら制限されるものではない。
本発明の塗料用レベリング剤を使用するのに適する塗料は、異種ダストによるハジキが問題となるようなより高外観が要求される塗料である。例えば、酸触媒を用いたアクリルメラミン型ハイソリッド塗料や酸エポキシ硬化型アクリル塗料、ポリエステルメラミン塗料などの焼き付け型塗料を用いた自動車トップコート用塗料又は、家電製品用PCMを主とする高外観塗装用塗料、或いは、フッ素樹脂塗料、アクリルウレタン塗料やポリエステルウレタン塗料などの常温乾燥型塗料を用いた自動車補修用塗料やプラスチック用塗料などに対して、本発明のレベリング剤は、塗装時の異種ダストによるハジキ防止性とレベリング性を同時に与えることができる。
本発明による塗料用レベリング剤を塗料に添加する時期は任意であって、顔料を混練する過程で、或いは、塗料を製造した後に添加する事が出来る。
本発明による塗料用レベリング剤の添加量は、塗料の樹脂の種類や、顔料の配合組成などにより異なるが、通常固形分換算で塗料ビヒクルに対し0.01から5重量%、好ましくは、0.1から1重量%である。
添加量が0.01重量%より少ないと異種ダストに対するハジキ防止性を付与できないし、レベリング性を十分に与える事が出来ない。また、5重量%より多く添加すると、塗料の消泡性に悪影響を及ぼしたり、リコート性を阻害する可能性が大きくなるので好ましくない。
次に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下における「部」及び「%」は、それぞれ、「重量部」及び「重量%」を示す。
製造実施例1 (ATRP法)
撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、トルエン(300g)、メタクリル酸エチル(60g)、下記式aのメトキシポリエチレングリコール#1000(n=23モル)モノメタクリレート(150g)、開始剤としてのエチル2−ブロモイソブチレート(EtBrIB;2.0g)、2−エチルヘキサン酸スズ(II)(1.6g)、およびグルコース(0.28g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、予めN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(20g)中に溶解した、臭化銅(II)(46mg)およびN,N,N’,N’−テトラキス(2−ピリジルメチル)エチレンジアミン(TPEN)(88mg)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、80℃で5時間重合した。5時間後の時点で、サンプリングしてEtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で10100(Mw/Mn=1.23)であった。そして、5時間後の時点でサイラプレーンFM−0711(60g)およびメタクリル酸エチル(30g)を加えて更に80℃で7時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、EtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。上記重合により得られた両親媒性ポリマーの数平均分子量は、ポリスチレン換算で18100(Mw/Mn=1.19)、モノマー転化率は、90.1%であった。疎水性グラフト部の分子量は、18100−10100=8000として計算した。ロータリーエバポレーターを用いて、トルエンを除去後、20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルA−1)。
Figure 0006979791
Figure 0006979791
製造実施例2(ATRP法)
撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、トルエン(300g)、メタクリル酸エチル(60g)、下記式bのメトキシポリエチレングリコール#600(n=13モル)モノアクリレート(150g)、開始剤としてのエチル2−ブロモイソブチレート(EtBrIB;2.0g)、2−エチルヘキサン酸スズ(II)(1.6g)、およびグルコース(0.28g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、予めDMF(20g)中に溶解した、臭化銅(II)(46mg)およびN,N,N’,N’−テトラキス(2−ピリジルメチル)エチレンジアミン(TPEN)(88mg)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、80℃で5時間重合した。5時間後の時点で、サンプリングしてEtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で9500(Mw/Mn=1.35)であった。そして、5時間後の時点で、サイラプレーンFM−0711(60g)、メタクリル酸エチル(30g)を加えて更に80℃で7時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、EtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。合成したアクリル系共重合物の数平均分子量は、ポリスチレン換算で15900(Mw/Mn=1.32)、モノマー転化率は、94.4%であった。疎水性グラフト部の分子量は、15900−9500=6400として計算した。ロータリーエバポレーターを用いて、トルエンを除去後、20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルA−2)。
Figure 0006979791
製造実施例3(ATRP法)
撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、トルエン(300g)、メタクリル酸エチル(60g)、下記式cのおよびメト
キシポリエチレングリコール#400(n=9モル)モノアクリレート(150g)、開始剤としてのエチル2−ブロモイソブチレート(EtBrIB;2.0g)、2−エチルヘキサン酸スズ(II)(1.6g)、およびグルコース(0.28g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、予めDMF(20g)中に溶解した、臭化銅(II)(46mg)およびN,N,N’,N’−テトラキス(2−ピリジルメチル)エチレンジアミン(TPEN)(88mg)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、80℃で5時間重合した。5時間後の時点で、サンプリングしてEtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で10600(Mw/Mn=1.46)であった。そして、5時間後の時点で、サイラプレーンFM−0711(60g)、メタクリル酸エチル(30g)を加えて更に80℃で7時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、EtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。合成したアクリル系共重合物の数平均分子量は、ポリスチレン換算で18000(Mw/Mn=1.42)、モノマー転化率は、98.5%であった。疎水性グラフト部の分子量は、18000−10600=7400として計算した。ロータリーエバポレーターを用いて、トルエンを除去後、20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルA−3)。
Figure 0006979791
製造実施例4(ATRP法)
撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、トルエン(300g)、メタクリル酸エチル(EMA)(60g)、前記式aのメトキシポリエチレングリコール#1000(n=23モル)モノメタクリレート(150g)、開始剤としてのエチル2−ブロモイソブチレート(EtBrIB;2.0g)、2−エチルヘキサン酸スズ(II)(1.6g)、およびグルコース(0.28g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、予めDMF(20g)中に溶解した、臭化銅(II)(46mg)およびN,N,N’,N’−テトラキス(2−ピリジルメチル)エチレンジアミン(TPEN)(88mg)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、80℃で5時間重合した。5時間後の時点で、サンプリングしてEtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で9400(Mw/Mn=1.41)であった。そして、5時間後の時点で、下記構造のX−22−174BX(60g)およびメタクリル酸エチル(30g)を加えて更に80℃で7時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、EtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。上記重合により得られた両親媒性ポリマーの数平均分子量は、ポリスチレン換算で17600(Mw/Mn=1.46)、モノマー転化率は、97.3%であった。疎水性グラフト部の分子量は、17600−9400=8200として計算した。ロータリーエバポレーターを用いて、トルエンを除去後、20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルA−4)。
Figure 0006979791
製造実施例5(ATRP法)
撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、トルエン(300g)、メタクリル酸エチル(60g)、前記式aのメトキシポリエチレングリコール#1000(n=23モル)モノメタクリレート(150g)、開始剤としてのエチル2−ブロモイソブチレート(EtBrIB;2.0g)、2−エチルヘキサン酸スズ(II)(1.6g)およびグルコース(0.28g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、予めDMF(20g)中に溶解した、臭化銅(II)(46mg)およびN,N,N’,N’−テトラキス(2−ピリジルメチル)エチレンジアミン(TPEN)(88mg)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、80℃で5時間重合した。5時間後の時点で、サンプリングしてEtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で7100(Mw/Mn=1.20)であった。そして、5時間後の時点で、下記構造のKF−2012(60g)およびメタクリル酸エチル(30g)を加えて更に80℃で7時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、EtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。上記重合により得られた両親媒性ポリマーの数平均分子量は、ポリスチレン換算で12000(Mw/Mn=1.30)、モノマー転化率は、89.5%であった。疎水性グラフト部の分子量は、12000−7100=4900として計算した。ロータリーエバポレーターを用いて、トルエンを除去後、20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルA−5)。
Figure 0006979791
製造実施例6(ATRP法)
撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、トルエン(300g)、アクリル酸イソブチル(60g)、前記式aのメトキシポリエチレングリコール#1000(n=23モル)モノメタクリレート(150g)、開始剤としてのエチル2−ブロモイソブチレート(EtBrIB;2.0g)、2−エチルヘキサン酸スズ(II)(1.6g)、およびグルコース(0.28g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、予めDMF(20g)中に溶解した、臭化銅(II)(46mg
)およびN,N,N’,N’−テトラキス(2−ピリジルメチル)エチレンジアミン(TPEN)(88mg)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、80℃で5時間重合した。5時間後の時点で、サンプリングしてEtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で10000(Mw/Mn=1.17)であった。そして、5時間後の時点で、サイラプレーンFM−0711(60g)およびアクリル酸イソブチル(30g)を加えて更に80℃で7時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、EtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。上記重合により得られた両親媒性ポリマーの数平均分子量は、ポリスチレン換算で14600(Mw/Mn=1.19)、モノマー転化率は、95.3%であった。疎水性グラフト部の分子量は、14600−10000=4600として計算した。ロータリーエバポレーターを用いて、トルエンを除去後、20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルA−6)。
製造実施例7(ATRP法)
撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、トルエン(300g)、メタクリル酸エチル(120g)、前記式aのメトキシポリエチレングリコール#1000(n=23モル)モノメタクリレート(90g)、開始剤としてのエチル2−ブロモイソブチレート(EtBrIB;3.2g)、2−エチルヘキサン酸スズ(II)(1.6g)、およびグルコース(0.28g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、予めDMF(20g)中に溶解した、臭化銅(II)(46mg)およびN,N,N’,N’−テトラキス(2−ピリジルメチル)エチレンジアミン(TPEN)(88mg)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、80℃で5時間重合した。5時間後の時点で、サンプリングしてEtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で7500(Mw/Mn=1.28)であった。そして、5時間後の時点で、サイラプレーンFM−0711(60g)およびメタクリル酸エチル(30g)を加えて更に80℃で7時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、EtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。上記重合により得られた両親媒性ポリマーの数平均分子量は、ポリスチレン換算で16300(Mw/Mn=1.40)、モノマー転化率は、97.4%であった。疎水性グラフト部の分子量は、16300−7500=8800として計算した。ロータリーエバポレーターを用いて、トルエンを除去後、20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルA−7)。
製造実施例8(ATRP法)
撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、トルエン(300g)、メタクリル酸エチル(45g)、前記式aのメトキシポリエチレングリコール#1000(n=23モル)モノメタクリレート(120g)、開始剤としてのエチル2−ブロモイソブチレート(EtBrIB;2.0g)、2−エチルヘキサン酸スズ(II)(1.6g)、およびグルコース(0.28g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、予めDMF(20g)中に溶解した、臭化銅(II)(46mg)およびN,N,N’,N’−テトラキス(2−ピリジルメチル)エチレンジアミン(TPEN)(88mg)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、80℃で5時間重合した。5時間後の時点で、サンプリングしてEtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で4600(Mw/Mn=1.36)であった。そして、5時間後の時点で、サイラプレーンFM−0711(105g)およびメタクリル
酸エチル(30g)を加えて更に80℃で7時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、EtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。上記重合により得られた両親媒性ポリマーの数平均分子量は、ポリスチレン換算で11900(Mw/Mn=1.40)、モノマー転化率は、98.8%であった。疎水性グラフト部の分子量は、11900−4600=7300として計算した。ロータリーエバポレーターを用いて、トルエンを除去後、20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルA−8)。
製造実施例9(ATRP法)
撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、トルエン(300g)、よびメタクリル酸エチル(60g)、前記式aのメトキシポリエチレングリコール#1000(n=23モル)モノメタクリレート(150g)、開始剤としてのエチル2−ブロモイソブチレート(EtBrIB;0.4g)、2−エチルヘキサン酸スズ(II)(1.6g)、およびグルコース(0.28g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、予めDMF(20g)中に溶解した、臭化銅(II)(46mg)およびN,N,N’,N’−テトラキス(2−ピリジルメチル)エチレンジアミン(TPEN)(88mg)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、80℃で5時間重合した。5時間後の時点で、サンプリングしてEtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で29300(Mw/Mn=1.32)であった。そして、5時間後の時点で、サイラプレーンFM−0711(60g)およびメタクリル酸エチル(30g)を加えて更に80℃で7時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、EtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。上記重合により得られた両親媒性ポリマーの数平均分子量は、ポリスチレン換算で52500(Mw/Mn=1.36)、モノマー転化率は、88.3%であった。疎水性グラフト部の分子量は、52500−29300=232000として計算した。ロータリーエバポレーターを用いて、トルエンを除去後、20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルA−9)。
製造実施例10(ATRP法)
撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、トルエン(300g)、メタクリル酸エチル(60g)、前記式aのメトキシポリエチレングリコール#1000(n=23モル)モノメタクリレート(150g)、開始剤としてのエチル2−ブロモイソブチレート(EtBrIB;8.2g)、2−エチルヘキサン酸スズ(II)(1.6g)、およびグルコース(0.28g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、予めDMF(20g)中に溶解した、臭化銅(II)(46mg)およびN,N,N’,N’−テトラキス(2−ピリジルメチル)エチレンジアミン(TPEN)(88mg)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、80℃で5時間重合した。5時間後の時点で、サンプリングしてEtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で3100(Mw/Mn=1.25)であった。そして、5時間後の時点で、サイラプレーンFM−0711(60g)およびメタクリル酸エチル(30g)を加えて更に80℃で7時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、EtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。上記重合により得られた両親媒性ポリマーの数平均分子量は、ポリスチレン換算で5600(Mw/Mn=1.26)、モノマー転化率は、96.9%であった。疎水性グラフト部の分子量は、5600−3100=2500として計算した。ロータリーエバポレーターを用いて、トルエンを除去後、20%
の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルA−10)。
製造実施例11(RAFT法)
撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)(300g)、アクリル酸ノルマルブチル(60g)、下記式dのメトキシポリエチレングリコール#200(n=4モル)モノアクリレート(150g)、および開始剤としてのS,S−ジベンジルトリチオカルボナート(2.5g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(0.1g)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、90℃で5時間重合した。5時間後の時点で、サンプリングしてS,S−ジベンジルトリチオカルボナートから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で7000(Mw/Mn=1.19)であった。そして、5時間後の時点で、サイラプレーンFM−0711(60g)およびアクリル酸ノルマルブチル(30g)を加えて更に90℃で7時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、S,S−ジベンジルトリチオカルボナートから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。S,S−ジベンジルトリチオカルボナートから生成するポリマーはS,S−ジベンジルトリチオカルボナートの両末端からモノマーが伸びる機構で反応が進むため、A−B−A型のトリブロックポリマーとなる。上記重合により得られた両親媒性ポリマーの数平均分子量は、ポリスチレン換算で13700(Mw/Mn=1.17)、モノマー転化率は、94.8%であった。疎水性グラフト部の分子量は、13700−7000=6700として計算した。20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルA−11)。
Figure 0006979791
製造実施例12(RAFT法)
撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)(300g)、アクリル酸ノルマルブチル(30g)、下記式eの2−メトキシエチルアクリレート(n=1モル)(180g)および開始剤としてのS,S−ジベンジルトリチオカルボナート(2.0g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(0.1g)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、90℃で5時間重合した。5時間後の時点で、サンプリングしてS,S−ジベンジルトリチオカルボナートから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で10600(Mw/Mn=1.16)であった。そして、5時間後の時点で、サイラプレーンFM−0711(60g)およびアクリル酸ノルマルブチル(30g)を加えて更に90℃で7時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、S,S−ジベンジルトリチオカルボナートから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。上記重合により得られた両親媒性ポリマーの数平均分子量は、ポリスチレン換算で13900(Mw/Mn=1.17)、モノマー転化率は、99.2%であった。疎水性グラフト部の分子量は、13700−7000=6700として計算した。20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルA−12)。
Figure 0006979791
製造実施例13(RAFT法)
撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)(300g)、アクリル酸ノルマルブチル(60g)、前記式aのメトキシポリエチレングリコール#1000(n=23モル)モノメタクリレート(150g)および開始剤としてのS,S−ジベンジルトリチオカルボナート(2.0g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(0.1g)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、90℃で5時間重合した。5時間後の時点で、サンプリングしてS,S−ジベンジルトリチオカルボナートから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で12700(Mw/Mn=1.19)であった。そして、5時間後の時点で、X22−174BX(60g)およびアクリル酸ノルマルブチル(30g)を加えて更に90℃で7時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、S,S−ジベンジルトリチオカルボナートから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。上記重合により得られた両親媒性ポリマーの数平均分子量は、ポリスチレン換算で23400(Mw/Mn=1.17)、モノマー転化率は、98.7%であった。疎水性グラフト部の分子量は、23400−12700=10700として計算した。20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルA−13)。
製造実施例14(RAFT法)
撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)(300g)、アクリル酸ノルマルブチル(105g)、前記式aのメトキシポリエチレングリコール#1000(n=23モル)モノメタクリレート(150g)および開始剤としてのS,S−ジベンジルトリチオカルボナート(2.0g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(0.1g)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、90℃で5時間重合した。5時間後の時点で、サンプリングしてS,S−ジベンジルトリチオカルボナートから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で12200(Mw/Mn=1.20)であった。そして、5時間後の時点で、X22−174BX(15g)およびアクリル酸ノルマルブチル(30g)を加えて更に90℃で7時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、S,S−ジベンジルトリチオカルボナートから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。上記重合により得られた両親媒性ポリマーの数平均分子量は、ポリスチレン換算で15700(Mw/Mn=1.23)、モノマー転化率は、97.9%であった。疎水性グラフト部の分子量は、15700−12200=3500として計算した。20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルA−14)。
製造実施例15(RAFT法)
撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)(300g)、アクリル酸ノルマルドデシル(60g)、前記式aのメトキシポリエチレングリコール#1000(n=23モル)モノメタクリレート(150g)および開始剤としてのS,S−ジベンジルトリチオカルボナート(4.8g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(0.2g)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、90℃で5時間重合した。5時間後の時点で、サンプリングしてS,S−ジベンジルトリチオカルボナートから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で3600(Mw/Mn=1.29)であった。そして、5時間後の時点で、サイラプレーンFM−0711(60g)およびアクリル酸ノルマルドデシル(30g)を加えて更に90℃で7時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、S,S−ジベンジルトリチオカルボナートから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。上記重合により得られた両親媒性ポリマーの数平均分子量は、ポリスチレン換算で8900(Mw/Mn=1.28)、モノマー転化率は、91.7%であった。疎水性グラフト部の分子量は、8900−3600=5300として計算した。20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルA−15)。
製造実施例16(RAFT法)
撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)(300g)、アクリル酸ノルマルブチル(30g)およびアクリル酸ベンジル(30g)、前記式aのメトキシポリエチレングリコール#1000(n=23モル)モノメタクリレート(150g)および開始剤としてのS,S−ジベンジルトリチオカルボナート(2.0g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(0.1g)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、90℃で5時間重合した。5時間後の時点で、サンプリングしてS,S−ジベンジルトリチオカルボナートから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で10600(Mw/Mn=1.18)であった。そして、5時間後の時点で、サイラプレーンFM−0711(60g)およびアクリル酸ノルマルブチル(30g)を加えて更に90℃で7時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、S,S−ジベンジルトリチオカルボナートから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。上記重合により得られた両親媒性ポリマーの数平均分子量は、ポリスチレン換算で15100(Mw/Mn=1.20)、モノマー転化率は、91.7%であった。疎水性グラフト部の分子量は、15100−10600=4500として計算した。20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルA−16)。
製造実施例17(RAFT法)
撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)(300g)、アクリル酸ノルマルブチル(30g)、前記式aのメトキシポリエチレングリコール#1000(n=23モル)モノメタクリレート(100g)、および開始剤としてのS,S−ジベンジルトリチオカルボナート(5.5g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した
後、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(0.2g)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、90℃で5時間重合した。5時間後の時点で、サンプリングしてS,S−ジベンジルトリチオカルボナートから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で6700(Mw/Mn=1.16)であった。そして、5時間後の時点で、サイラプレーンFM−0711(40g)およびアクリル酸ノルマルブチル(30g)を加えて更に90℃で5時間重合した。反応開始から10時間の時点で、サンプリングしてS,S−ジベンジルトリチオカルボナートから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた両親媒性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で10800(Mw/Mn=1.25)であった。疎水性グラフト部の分子量は、10800−6700=4100として計算した。そして、反応開始から10時間の時点で、アクリル酸ノルマルブチル(30g)および前記式aのメトキシポリエチレングリコール#1000(n=23モル)モノメタクリレート(100g)を加えて更に90℃で5時間重合した。反応開始から15時間の時点で、サンプリングしてS,S−ジベンジルトリチオカルボナートから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた両親媒性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で16700(Mw/Mn=1.20)であった。親水性グラフト部の二つの部分の合計の分子量は、16700−10800+6700=9700として計算した。更に、反応開始から15時間の時点で、サイラプレーンFM−0711(40g)およびアクリル酸ノルマルブチル(30g)を加えて90℃で5時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、S,S−ジベンジルトリチオカルボナートから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。上記重合により得られた両親媒性マルチブロックポリマーの数平均分子量は、ポリスチレン換算で22200(Mw/Mn=1.23)、モノマー転化率は、97.9%であった。疎水性グラフト部の二つの部分の合計の分子量は、22200−9700=12500として計算した。20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルA−17)。
製造実施例18(TERP法)
TERP法で用いられるテルル化合物は通常空気中で簡単に分解するため、取り扱いが容易ではないが、市販されているジフェニルジテルリドは、酸素による分解が起こらないので、下記の文献を参考に重合を行った。
・S.Matsumoto.et al.,Macromolecules,46,8111(2013)
・S.Yamago,Chem.rev.,109,5051,(2009)
撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、モノマー兼溶媒としてのイソブチルビニルエーテル(500g)、前記式aのメトキシポリエチレングリコール#1000(n=23モル)モノメタクリレート(100g)、アクリル酸ノルマルブチル(80g)、開始剤としてのジフェニルジテルリド(8.2g)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN:3.1g)、および2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル) (V−70:8.2g)を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、60℃まで昇温し、重合を開始した。反応開始から8時間後の時点で、サンプリングしてジフェニルジテルリドから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で5500(Mw/Mn=1.26)であった。そして、8時間後に、サイラプレーンFM−0711(60g)およびアクリル酸ノルマルブチル(60g)を加えて、更に60℃で8時間重合した。共役/非共役型(アクリル/ビニルエーテル)のジブロックポリマーを合成した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、ジフェニルジテルリドから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。更に、イソブチルビニルエーテルとアクリル酸ノルマルブチルの共重合比を1H−NMRを用いて測定した。上記重合により得られた両親媒性ポリマーの数平均分子量は、ポリスチレン換算で11000(Mw/Mn=1.33)、モノマー転化率は、イソブチルビニルエーテルも含めて49.5%であった。疎水性グラフト部の分子量は、11000−5500=5500として計算した。イソブチルビニルエーテルとアクリル酸ノルマルブチルの共重合比は、1H−NMRよりアクリル酸ノルマルブチル140gに対して、イソブチルビニルエーテル100gの割合であった。ロータリーエバポレーターを用いて、未反応のイソブチルビニルエーテルを除去後、20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルA−18)。
製造比較例1(ランダム共重合体:ATRP法)
リビング重合法(ATRP法)を用いて、疎水性グラフト鎖と親水性グラフト鎖がランダムに存在する重合体を合成した。撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、トルエン(300g)、メタクリル酸エチル(90g)、前記式aのメトキシポリエチレングリコール#1000(n=23モル)モノメタクリレート(150g)、サイラプレーンFM−0711(60g)、開始剤としてのエチル2−ブロモイソブチレート(EtBrIB;2.0g)、2−エチルヘキサン酸スズ(II)(1.6g)、およびグルコース(0.28g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、予めDMF(20g)中に溶解した、臭化銅(II)(46mg)およびN,N,N’,N’−テトラキス(2−ピリジルメチル)エチレンジアミン(TPEN)(88mg)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、80℃で12時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、EtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。上記重合により得られたランダム共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で14400(Mw/Mn=1.46)、モノマー転化率は、93.9%であった。ロータリーエバポレーターを用いて、トルエンを除去後、20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルN−1)。
製造比較例2(ランダム共重合体:RAFT法)
リビング重合法(RAFT法)を用いて、疎水性グラフト鎖と親水性グラフト鎖がランダムに存在する重合体を合成した。撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)(300g)、アクリル酸ノルマルブチル(90g)、前記式bのメトキシポリエチレングリコール#600(n=13モル)モノアクリレート(150g)、サイラプレーンFM−0711 60g、および開始剤としてのS,S−ジベンジルトリチオカルボナート(3.0g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(0.1g)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、90℃で12時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、S,S−ジベンジルトリチオカルボナートから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。上記重合により得られたランダム共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で9510(Mw/Mn=1.39)、モノマー転化率は、96.9%であった。20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルN−2)。
製造比較例3(ランダム共重合体)
開始剤に過酸化物を用いる従来のラジカル重合法で、疎水性グラフト鎖と親水性グラフ
ト鎖がランダムに存在する重合体を合成した。撹拌装置、還流冷却器、滴下ロート、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)150部を仕込み、窒素ガスを導入しながら135℃に昇温した後、下に示す滴下溶液(a−1)を滴下ロートにより2時間で等速滴下した。
滴下溶液(n−1)
前記式aのメトキシポリエチレングリコール#1000(n=23モル)モノメタクリレート 150部
アクリル酸ノルマルブチルエステル 90部
サイラプレーンFM−0711 60部
PEGMEA 150部
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト 7.5部
2,2−ジ−(t−アミルパーオキシ)ブタン 4.1部

滴下溶液(n−1)の滴下終了1時間後、2,2−ジ−(t−アミルパーオキシ)ブタン 1.5部を加え、さらに、135℃をキープしつつ3時間反応させた。合成したアクリル系共重合物のゲルパーミエーションクロマトグラフによるポリスチレン換算の数平均分子量は、4900(Mw/Mn=2.03)であった。20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルN−3)。
製造比較例4(ATRP法)
リビング重合法(ATRP法)を用いて、数平均分子量が請求範囲外の高分子量両親媒性共重合体を重合した。撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、トルエン(300g)、メタクリル酸エチル(60g)、前記式aのメトキシポリエチレングリコール#1000(n=23モル)モノメタクリレート(150g)、開始剤としてのエチル2−ブロモイソブチレート(EtBrIB;0.2g)、2−エチルヘキサン酸スズ(II)(1.6g)、およびグルコース(0.28g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、予めDMF(20g)中に溶解した、臭化銅(II)(46mg)およびN,N,N’,N’−テトラキス(2−ピリジルメチル)エチレンジアミン(TPEN)(88mg)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、80℃で5時間重合した。反応開始から5時間後の時点で、サンプリングしてEtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で31000(Mw/Mn=1.41)であった。そして、反応開始から5時間後の時点で、サイラプレーンFM−0711(60g)およびメタクリル酸エチル(30g)を加えて更に80℃で7時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、EtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。上記重合により得られた両親媒性ポリマーの数平均分子量は、ポリスチレン換算で66300(Mw/Mn=1.46)、モノマー転化率は、91.4%であった。疎水性グラフト部の分子量は、66300−31000=35300として計算した。ロータリーエバポレーターを用いて、トルエンを除去後、20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルN−4)。
製造比較例5(ATRP法)
リビング重合法(ATRP法)を用いて、数平均分子量が請求範囲外の低分子量両親媒性共重合体を重合した。撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、トルエン(300g)、メタクリル酸エチル(60g)、前記式aのメトキシポリエチレングリコール#1000(n=23モル)モノメタクリレート(150g)、開始剤としてのエチル2−ブロモイソブチレート(EtBrIB;3
0.8g)、2−エチルヘキサン酸スズ(II)(1.6g)およびグルコース(0.28g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、予めDMF(20g)中に溶解した、臭化銅(II)(46mg)およびN,N,N’,N’−テトラキス(2−ピリジルメチル)エチレンジアミン(TPEN)(88mg)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、80℃で5時間重合した。反応開始から5時間後の時点で、サンプリングしてEtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で810(Mw/Mn=1.46)であった。そして、反応開始から5時間後の時点で、サイラプレーンFM−0711(60g)およびメタクリル酸エチル(30g)を加えて更に80℃で7時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、EtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。上記重合により得られた両親媒性ポリマーの数平均分子量は、ポリスチレン換算で1860(Mw/Mn=1.45)、モノマー転化率は、96.2%であった。疎水性グラフト部の分子量は、1860−810=1050として計算した。ロータリーエバポレーターを用いて、トルエンを除去後、20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルN−5)。
製造比較例6(RAFT法)
リビング重合法(RAFT法)を用いて、疎水グラフト鎖部のシリコーンマクロマー量が請求範囲より少ない両親媒性共重合体を重合した。撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)(300g)、アクリル酸ノルマルブチル(60g)、前記式aのメトキシポリエチレングリコール#1000(n=23モル)モノメタクリレート(150g)、および開始剤としてのS,S−ジベンジルトリチオカルボナート(2.5g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(0.1g)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、90℃で5時間重合した。反応開始から5時間後の時点で、サンプリングしてS,S−ジベンジルトリチオカルボナートから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で8700(Mw/Mn=1.25)であった。そして、反応開始から5時間後の時点で、サイラプレーンFM−0711(5g)およびアクリル酸ノルマルブチル(85g)を加えて更に90℃で7時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、S,S−ジベンジルトリチオカルボナートから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。上記重合により得られた両親媒性ポリマーの数平均分子量は、ポリスチレン換算で15700(Mw/Mn=1.23)、モノマー転化率は、97.9%であった。疎水性グラフト部の分子量は、15700−8700=7000として計算した。20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルN−6)。
製造比較例7(RAFT法)
リビング重合法(RAFT法)を用いて、疎水グラフト鎖部のシリコーンマクロマー量が請求範囲より多い両親媒性共重合体を重合した。撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)(300g)、アクリル酸ノルマルブチル(30g)、前記式aのメトキシポリエチレングリコール#1000(n=23モル)モノメタクリレート(80g)、および開始剤としてのS,S−ジベンジルトリチオカルボナート(2.7g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(0.1g)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、9
0℃で5時間重合した。反応開始から5時間後の時点で、サンプリングしてS,S−ジベンジルトリチオカルボナートから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で5200(Mw/Mn=1.30)であった。そして、反応開始から5時間後の時点で、X22−174BX(160g)およびアクリル酸ノルマルブチル(30g)を加えて更に90℃で7時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、S,S−ジベンジルトリチオカルボナートから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。上記重合により得られた両親媒性ポリマーの数平均分子量は、ポリスチレン換算で23800(Mw/Mn=1.32)、モノマー転化率は、95.6%であった。疎水性グラフト部の分子量は、23800−5200=18600として計算した。20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルN−7)。
製造比較例8(ATRP法)
リビング重合法(ATRP法)を用いて、疎水グラフト鎖部のシリコーンマクロマーの分子量が請求範囲より大きい両親媒性共重合体を重合した。撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、トルエン(300g)、メタクリル酸エチル(60g)、前記式aのメトキシポリエチレングリコール#1000(n=23モル)モノメタクリレート(150g)、開始剤としてのエチル2−ブロモイソブチレート(EtBrIB;1.0g)、2−エチルヘキサン酸スズ(II)(1.6g)およびグルコース(0.28g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、予めDMF(20g)中に溶解した、臭化銅(II)(46mg)およびN,N,N’,N’−テトラキス(2−ピリジルメチル)エチレンジアミン(TPEN)(88mg)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、80℃で5時間重合した。反応開始から5時間後の時点で、サンプリングしてEtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で11700(Mw/Mn=1.30)であった。そして、反応開始から5時間後の時点で、下記のサイラプレーンFM−0725(60g)およびメタクリル酸エチル(30g)を加えて更に80℃で7時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、EtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。上記重合により得られた両親媒性ポリマーの数平均分子量は、ポリスチレン換算で28900(Mw/Mn=1.45)、モノマー転化率は、89.2%であった。疎水性グラフト部の分子量は、28900−11700=17200として計算した。ロータリーエバポレーターを用いて、トルエンを除去後、20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルN−8)。
Figure 0006979791
製造比較例9(ATRP法)
リビング重合法(ATRP法)を用いて、親水グラフト鎖部のポリオキシエチマクロマ
ー量が請求範囲より少ない両親媒性共重合体を重合した。撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、トルエン(300g)、メタクリル酸エチル(160g)、前記式aのメトキシポリエチレングリコール#1000(n=23モル)モノメタクリレート(50g)、開始剤としてのエチル2−ブロモイソブチレート(EtBrIB;4.0g)、2−エチルヘキサン酸スズ(II)(1.6g)およびグルコース(0.28g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、予めDMF(20g)中に溶解した、臭化銅(II)(46mg)およびN,N,N’,N’−テトラキス(2−ピリジルメチル)エチレンジアミン(TPEN)(88mg)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、80℃で5時間重合した。反応開始から5時間後の時点で、サンプリングしてエチルEtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で5800(Mw/Mn=1.30)であった。そして、反応開始から5時間後の時点で、サイラプレーンFM−0711(60g)およびメタクリル酸エチル(30g)を加えて更に80℃で7時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、EtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。上記重合により得られた両親媒性ポリマーの数平均分子量は、ポリスチレン換算で9600(Mw/Mn=1.16)、モノマー転化率は、96.4%であった。疎水性グラフト部の分子量は、9600−4800=4800として計算した。ロータリーエバポレーターを用いて、トルエンを除去後、20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルN−9)。
製造比較例10(RAFT法)
リビング重合法(RAFT法)を用いて、親水グラフト鎖部のポリオキシエチレンマクロマー量が請求範囲より多い両親媒性共重合体を重合した。撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)(300g)、前記式dのメトキシポリエチレングリコール#200(n=4モル)モノアクリレート(210g)、および開始剤としてのS,S−ジベンジルトリチオカルボナート(2.0g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(0.1g)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、90℃で5時間重合した。反応開始から5時間後の時点で、サンプリングしてS,S−ジベンジルトリチオカルボナートから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で10900(Mw/Mn=1.36)であった。そして、反応開始から5時間後の時点で、サイラプレーンFM−0711(60g)およびメトキシポリエチレングリコール#200(n=4モル)モノアクリレート(30g)を加えて更に90℃で7時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、S,S−ジベンジルトリチオカルボナートから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。上記重合により得られた両親媒性ポリマーの数平均分子量は、ポリスチレン換算で17800(Mw/Mn=1.35)、モノマー転化率は、92.3%であった。シリコーンマクロマーとポリエチレングリコールマクロマーが両方グラフトされたグラフト共重合体の分子量は、17800−10900=6900として計算した。20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルN−10)。
製造比較例11(ATRP法)
リビング重合法(ATRP法)を用いて、親水グラフト鎖部のポリオキシエチレンマクロマーの分子量が請求範囲より大きい両親媒性共重合体を重合した。撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、トルエン(3
00g)、メタクリル酸エチル(60g)、下記式fのメトキシポリエチレングリコール#4000(n=90モル)モノメタクリレート(150g)、開始剤としてのエチル2−ブロモイソブチレート(EtBrIB;1.8g)、2−エチルヘキサン酸スズ(II)(1.6g)およびグルコース(0.28g)を入れ、窒素ガスで十分脱気した後、予めDMF(20g)中に溶解した、臭化銅(II)(46mg)およびN,N,N’,N’−テトラキス(2−ピリジルメチル)エチレンジアミン(TPEN)(88mg)を加えた。引き続き窒素ガスを吹き込みながら、80℃で5時間重合した。反応開始から5時間後の時点で、サンプリングしてEtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布をGPCにより求めた。上記重合により得られた親水性グラフト共重合体の数平均分子量は、ポリスチレン換算で8500(Mw/Mn=1.35)であった。そして、反応開始から5時間後の時点で、サイラプレーンFM−0711(60g)およびメタクリル酸エチル(30g)を加えて更に80℃で7時間重合した。モノマー転化率は、n−オクタンを内部標準にしてガスクロマトグラフィ法により、EtBrIBから生成するポリマーの分子量及び分子量分布はGPCにより求めた。上記重合により得られた両親媒性ポリマーの数平均分子量は、ポリスチレン換算で13000(Mw/Mn=1.20)、モノマー転化率は、86.4%であった。疎水性グラフト部の分子量は、13000−8500=4500として計算した。ロータリーエバポレーターを用いて、トルエンを除去後、20%の濃度になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)で希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルN−11)。
Figure 0006979791
製造比較例12(市販のアクリルポリマー)
市販のアクリル系重合物のレベリング剤として、エチルアクリレート/2エチルヘキシルアクリレート共重合物(数平均分子量 8000)をPEGMEAで固形分が20%になるように希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルN−12)。
製造比較例13(市販のポリエーテル変性シリコーンオイル)
市販のポリエーテル変性シリコーン系のレベリング剤として、下記式gの両末端型/ポリエーテル変性(非反応性シリコーンオイル)をPEGMEAで固形分が20%になるように希釈した溶液を以降の塗料試験に用いた(試験サンプルN−13)。
Figure 0006979791
Figure 0006979791
Figure 0006979791
*)a:主鎖のポリジメチルシロキサン部の分子量
*)b:両末端部のPEGの付加モル数
EMA:メタクリル酸エチルエステル
NBA:アクリル酸ノルマルブチルエステル
IBA:アクリル酸イソブチルエステル
NLA:アクリル酸ノルマルドデシルエステル
BZA:アクリル酸ベンジルエステル
IBVE:イソブチルビニルエーテル
塗料試験例
以下に、製造実施例および製造比較例に示した各種レベリング剤の試験結果を示す。
第4表に示した配合の2液型アクリルポリオール/イソシアネート硬化型塗料組成物について、レベリング性とはじき防止性の性能試験を行った。
先ず、第3表、第4表および第5表の配合の塗料をそれぞれ作成した。第4表のトップコート用クリアー塗料(主剤)に、第1表の試験サンプルA−1〜A−18、および第2表の試験サンプルN−1〜N−13をそれぞれ添加し、ラボディスパーで2000回転で1分間分散した。
評価実施例1 (レベリング性の試験)
第5表に示した配合の中塗り用塗料を、その粘度をフォードカップ#4で18秒になるように調整した後、ブリキ板(200mm×300mm)にエアスプレー塗装し、140℃で20分間オーブンで焼き付けを行い中塗り塗装板を作成した。次いで、第3表のメタリックベース塗料を希釈溶剤を用いて塗料の粘度がフォードカップ#4で13秒になるように希釈した後、エアスプレーを用いて、乾燥後の塗膜が15μmになるように上記中塗り塗装板の上に塗装し、この塗装膜を室温で5分間乾燥した。別に、各試験サンプルを添加した上記トップコートクリアー塗料のPart A(主剤)とイソシアネート硬化剤とを攪拌混合後、希釈溶剤を用いて塗料の粘度がフォードカップ#4で25秒になるように希釈した。この希釈されたトップクリアー塗料をエアスプレーを用いて、上記メタリックベース塗膜の上に30μmの膜厚になるように塗装した。室温で5分間静置後、140℃のオーブンで30分間焼き付けた。塗膜のレベリング性の評価は、最良から最悪までの5段階の標準板と対比して、塗膜表面のレベリング性を目視で評価した。その結果を第7表に示す。
評価実施例2 (はじき防止性の試験)
第5表に示した配合の中塗り用塗料を、その粘度をフォードカップ#4で18秒になるように調整した後、ブリキ板(200mm×300mm)にエアスプレー塗装し、140℃で20分間オーブンで焼き付けを行い中塗り塗装板を作成した。室温まで冷却後、第6表に示した、各種異種ダスト物質を中塗り塗板上に付着させた。
別に、各種試験サンプルを添加した、第4表のトップコートクリアー塗料のPart A(主剤)とイソシアネート硬化剤とを攪拌混合後、希釈溶剤を用いて塗料の粘度がフォードカップ#4で25秒になるように希釈した。次いで、この希釈されたトップクリアー塗料をエアスプレーを用いて、30μmの膜厚になるように上記中塗り塗膜上に塗装し、室温で5分間静置後、80℃のオーブンで30分間焼き付けを行った後、異種ダスト(汚染物質)によるハジキの発生状況を観察し、「最良」(5)から「最悪」(1)までの5段階に評価した。その結果を第7表に示す。
評価実施例3(リコートオカサレ性の評価)
第3表のメタリックベース塗料を希釈溶剤を用いて塗料の粘度がフォードカップ#4で13秒になるように希釈した後、エアスプレーを用いて、乾燥後の塗膜が15μmになるように中塗り板の上に塗装し、この塗装膜を室温で5分間静置した。別に、試験サンプルを添加した第4表のトップコートクリアー塗料のPart A(主剤)とイソシアネート硬化剤とを攪拌混合した後、希釈溶剤を用いて塗料の粘度がフォードカップ#4で25秒になるように希釈した。このトップコートクリアー塗料をエアスプレーを用いて、30μ
mの膜厚になるように上記中塗り塗膜上に塗装し、室温で5分間静置後、140℃のオーブンで30分間焼き付けた。これを室温まで冷却後、そのクリアー塗装面を石油ベンジンで縞状にワイプした。石油ベンジンが乾燥したのち、該ワイプした塗装面の上に上記と同じ手順でメタリックベースコート塗料およびトップコートクリアー塗料をエアスプレーで再塗装し、140℃のオーブンで30分間焼き付けた。室温まで冷却後、ワイプした部分とワイプしなかった部分のベースコートの色目の変化の状況を観察した。塗膜の試験の評価は以下のように行った。石油ベンジンによる色目の変化(石ベンオカサレ性と表記する)と外観の評価は目視で行い、「最良」(5)から「最悪」(1)までの5段階に評価した。試験結果を第8表に示す。
評価実施例4(耐水性の評価)
各試験サンプルを添加した第4表のクリアー塗料のPart A(主剤)とイソシアネート硬化剤とを攪拌混合後、200μのアプリケーターでガラス板(120mm×160mm)に塗布し、80℃のオーブンで30分焼き付けた塗膜について、耐水性試験(耐白化性試験)を行った。耐水性試験においては、該塗板を80℃の温水に1時間浸漬し、そのまま水温が25℃になるまで放冷し、塗板を水槽から取り出して表面を静かにガーゼで拭き取ったのち、塗膜の透明性を目視で、「最良」(5)から「最悪」(1)までの5段階に評価した。試験結果を第8表に示す。
評価実施例5(表面張力の測定)
各試験サンプルを添加した第4表のクリアー塗料のPart A(主剤)とイソシアネート硬化剤とを攪拌混合後、200μのアプリケーターでガラス板(120mm×160mm)に塗布し、80℃のオーブンで30分焼き付けし、室温まで冷却したのち、水の接触角およびヘキサデカンの接触角を自動接触角計(協和界面化学社製:DM−501)で測定した。次いで、該塗板を25℃の水槽に1時間浸漬したのち取り出して、表面を静かにガーゼで拭き取った直後における水の接触角を測定した。それらの測定結果を第8表に示す。
Figure 0006979791
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疎水性のシリコーングラフト部と親水性のポリエチレングリコールグラフト部をブロックポリマー化した製造実施例のポリマーは、シリコーングラフト鎖の密度が高くなっているので、はじき防止効果が向上した。更に、ポリエーテルグラフト鎖部分が独立しているために、水を滴下した時にすぐに水の接触角が低下した。この理由により、塗料を塗り重ねた際の上塗りした塗料の濡れ性が向上した。これに対し、ランダムコポリマーでは、同じシリコーン量でははじき防止性が劣り、また、塗膜を完全に水中に浸漬しないと、水との接触角が低下しなかった。

Claims (4)

  1. 一般式[I]
    Figure 0006979791
    [式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は炭素数1から10のアルキレン基、R3は炭素数1から4のアルキル基、nは5〜50の整数をそれぞれ表す。]
    で示される、(メタ)アクリロイルオキシ基を持つシリコーンオイル、一般式[II]
    Figure 0006979791
    [式中、R4は水素原子又はメチル基、R5は炭素原子数1〜12のアルキル基を表す。]
    で示される(メタ)アクリルエステルとをリビングラジカル重合することによって疎水性シリコーングラフト部を持つポリマーを形成する工程、および、
    一般式[III]
    Figure 0006979791
    [式中、R6は水素原子又はメチル基、R7は水素原子又は炭素原子数1〜18のアルキル基、mは1〜50の整数をそれぞれ表す。]
    で示されるオキシエチレン基を持つ(メタ)アクリル酸エステル、上記一般式[II]で示される(メタ)アクリル酸エステルとをリビングラジカル重合することによって親水性オキシエチレングラフト部を持つポリマーを形成する工程とを含んでなることを特徴とする、両親媒性ブロック共重合体の製造方法であって、上記両親媒性ブロック共重合体を構成するモノマーの全重量に基づいて、上記式[I]のモノマー、上記式[II]のモノマー、及び上記式[III]のモノマーの重合割合が、各々2〜50重量%、20〜80重量%、および、20〜80重量%であり、上記疎水性シリコーングラフト部を持つポリマーのポリスチレン換算の数平均分子量が、1000〜30000であり、上記親水性オキシエチレングラフト部を持つポリマーのポリスチレン換算の数平均分子量が、1000〜30000であり、上記両親媒性ブロック共重合体のポリスチレン換算の数平均分子量が、2000〜60000である、両親媒性ブロック共重合体の製造方法
  2. 両親媒性ブロック共重合体を有効成分として含む塗料用レベリング剤の製造方法であって、上記両親媒性ブロック共重合体が請求項1に記載の方法によって製造される、塗料用レベリング剤の製造方法。
  3. 上記両親媒性のブロック共重合体が、ジブロック型、トリブロック型、または、マルチブロック型のブロック共重合体である、請求項1又は2に記載の製造方法
  4. 上記式[I]、[II]および[III]のモノマーと共重合可能な他の重合性二重結合基を持つモノマーが、ブロック共重合体を構成するモノマーの全重量に基づいて、40重量%を超えない範囲でブロック共重合体の主鎖を構成している、請求項1〜3のいずれか1に記載の製造方法
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