JP6975531B2 - 布帛および繊維製品 - Google Patents
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Description
一方、防護衣においてさらに外観の優れたものが求められている。
その際、JIS L1091−1992 A−4法に規定される燃焼性測定において炭化長が100mm以下であることが好ましい。また、目付けが5〜7oz/yd2の範囲内であることが好ましい。また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維が、有機染料または有機顔料または無機顔料を含むことが好ましい。また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維がエアジェット紡績糸の構成繊維として布帛に含まれることが好ましい。その際、前記エアジェット紡績糸において、結束部間距離が100〜1000μmの範囲内であることが好ましい。また、前記エアジェット紡績糸において、JIS L1095−1990 7.22 B法の毛羽試験で長さ1mm以上の毛羽数が10mあたり1000本以下であることが好ましい。また、前記エアジェット紡績糸にS撚り方向の双糸撚りが施され、該双糸撚りの撚数が100〜2000T/mの範囲内であることが好ましい。また、前記エアジェット紡績糸において、メタ型全芳香族ポリアミド繊維が短繊維として鞘部に配され、複合繊維または弾性繊維または仮撚捲縮加工糸が芯部に配されていることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の布帛を用いてなり、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品が提供される。
このようなメタ型全芳香族ポリアミドは、従来から公知の界面重合法により製造することができ、そのポリマーの重合度としては、0.5g/100mlの濃度のN−メチル−2−ピロリドン溶液で測定した固有粘度(I.V.)が1.3〜1.9dl/gの範囲のものが好ましく用いられる。
また、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドとアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を混合する方法としては、溶媒中にポリ−m−フェニレンイソフタルアミドを混合、溶解し、それにアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を溶媒に溶解する方法などが用いられそのいずれを用いてもよい。このようにして得られたドープは、従来から公知の方法により繊維に形成される。
−(NH−Ar1−NH−CO−Ar1−CO)− ・・・式(1)
ここで、Ar1はメタ配位又は平行軸方向以外に結合基を有する2価の芳香族基である。
H2N−Ar2−Y−Ar2−NH2 ・・・式(3)
XOC−Ar3−COX ・・・式(4)
XOC−Ar3−Y−Ar3−COX ・・・式(5)
ここで、Ar2はAr1とは異なる2価の芳香族基、Ar3はAr1とは異なる2価の芳香族基、Yは酸素原子、硫黄原子、アルキレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は官能基であり、Xはハロゲン原子を表す。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維が難燃剤を含んでいてもよい。用いる難燃剤としては特開平10−251981号公報に記載されたものや、無機系の金属および担体、金属含有担体の表面を被覆したものなどが例示されるが、優れた難燃性を得る上でリン系難燃剤が好ましい。含有量としては繊維重量対比1〜15重量%が好ましい。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維が、有機染料または有機顔料または無機顔料を含んでいてもよい。
前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維は以下の方法により製造することができ、特に後述する方法により、結晶化度や残存溶媒量を上記範囲とすることができる。
メタ型全芳香族ポリアミドポリマーの重合方法としては、特に限定する必要はなく、例えば特公昭35−14399号公報、米国特許第3360595号公報、特公昭47−10863号公報などに記載された溶液重合法、界面重合法を用いてもよい。
ここで用いられるアミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどを例示することができるが、とくにN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
紡糸・凝固工程においては、上記で得られた紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)を凝固液中に紡出して凝固させる。
また、紡糸口金から紡出する際の紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)の温度は、20〜90℃の範囲が適当である。
洗浄後の繊維は、温度270〜290℃にて乾熱処理を施し、上記の結晶化度および残存溶媒量の範囲を満たすメタ型全芳香族アラミド繊維を得ることができる。
前記メタ型全芳香族アラミド繊維において、繊維は、長繊維(マルチフィラメント)でもよいし短繊維でもよい。特に、他の繊維と混紡する上で繊維長25〜200mmの短繊維が好ましい。また、単繊維繊度としては1〜5dtexの範囲が好ましい。
また、さらに、セルロース繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、獣毛繊維、ポリウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテート繊維およびポリカーボネート繊維からなる群より選択されるいずれか1種以上が含まれることが好ましい。
前記のような抗ピリング性を有する布帛を得るには、メタ型全芳香族ポリアミド繊維をエアジェット紡績糸の構成繊維として布帛に含ませるとよい。かかるエアジェット紡績糸はメタ型全芳香族ポリアミド繊維のみで構成されていてもよいし、メタ型全芳香族ポリアミド繊維と、伸縮性繊維などのメタ型全芳香族ポリアミド繊維以外の繊維とで構成されていてもよい。
ここで、前記エアジェット紡績糸において、優れた抗ピリング性を得る上で、結束部間距離が100〜1000μmの範囲内であることが好ましい。また、前記エアジェット紡績糸において、優れた抗ピリング性を得る上で、JIS L1095−1990 7.22 B法の毛羽試験で長さ1mm以上の毛羽数が10mあたり1000本以下であることが好ましい。また、前記エアジェット紡績糸にS撚り方向の双糸撚りが施され、該双糸撚りの撚数が100〜2000T/mの範囲内であることが好ましい。
また、前記の伸縮性繊維としては、ポリウレタン繊維やポリエーテルエステル繊維などの弾性繊維、ポリエステル繊維などからなる仮撚捲縮加工糸、複合繊維などが例示される。
ここで、コアヤーンは、特開2001−164432号公報などに記載されている通り、ドラフトされた繊維束および伸縮性糸からなる芯繊維をノズルブロックおよび中空ガイド軸体に供給し、中空ガイド軸体の先端部に旋回気流を作用させることにより、繊維束を構成する繊維の後端を反転させて中空ガイド軸体の先端に巻き付けながら、芯繊維の長さ方向全体にわたって鞘繊維を略均一に巻き付けた複合糸である。
その際、芯部(芯繊維)に配される伸縮性糸としては、前記のような複合繊維が好ましい。
また、ストレッチ性としては、布帛の経方向または緯方向において、JIS L1096−1990 6.14.1 B法(定荷重法)の伸長率で8%以上(より好ましくは8〜40%)であることが好ましい。
かかる布帛には、吸水加工、撥水加工、起毛加工、難燃加工、紫外線遮蔽あるいは抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
また、前記布帛において、JIS L1091−1992 A−4法に規定される燃焼性測定において炭化長が100mm以下(より好ましくは10〜80mm)であることが好ましい。
また、前記布帛において、軽量性と遮熱性とを両立させる上で、目付けが5〜7oz/yd2の範囲内であることが好ましい。
次に、本発明の繊維製品は、前記の布帛を用いてなり、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品である。
かかる繊維製品は前記の布帛を用いているので、極めて優れた難燃性および抗ピリング性を有する。
ここで、中間層には、上記の織編物等に更にポリテトラフルオロエチレン等の透湿防水層膜フィルムをラミネート加工あるいはコーティングなどにより付与したものを用いることにより、優れた透湿防水機能と耐薬品性も付与することができる。
積層布帛の目付けとしては400〜600g/m2であることが好ましい。
(1)布帛の難燃性(垂直燃焼試験)
JIS L1091−1992 A−4法により残炎時間、残ジン時間、炭化長を測定した。
(2)ストレッチ性(伸長率)
JIS L1096−1990 6.14.1 B法(定荷重法)で測定した。
(3)布帛の抗ピリング性
JIS L1076−1992 A法ICI型10時間にて測定した。
(4)結束部間距離
図1に示すように結束部の端部〜となりの結束部の端部までの距離を測定した。n数5で平均値を算出した。
村田機械社製、MJS型式結束紡績装置を用いて、単繊維繊度2.2dtex、カット長(繊維長)51mm、LOIが33であるポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人株式会社製「コーネックス」(商標名))からなる短繊維(MA)と、単繊維繊度1.7dtex、カット長(繊維長)51mm、LOIが25であるコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人株式会社製「テクノーラ」(商標名))からなる短繊維(PA)を重量割合(前者:後者)95:5の割合で供給し、短繊維スライバをドラフト後、互いに逆方向に仮撚を付与する2つの直列に配された旋回流ジェット又は施撚体で結束紡績した。その際、紡出速度150m/分、ローラーゲージ56、53、ノズル圧3〜3.5kg/cm2にて、英式綿番手で40番単糸を得た。
メタ型全芳香族アラミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミド繊維80質量%とポリエチレンテレフタレート(PET)短繊維(繊維長38mm)を用いた以外は、実施例1と同様の条件で実施した。その単糸紡績糸の結束間隔が400μmであった。また紡績糸の1mm以上の毛羽数は、870本/10mであった。
複合繊維として、固有粘度が互いに異なる2種類のポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を偏心芯鞘型に貼り合せた総繊度40dtex/24フィラメント、伸度26%、沸水収縮率55.0%のマルチフィラメント(長繊維)を用意した。次いで、前記実施例1の紡績糸2本を合糸し、ダブルツイスターにて上撚数20.9T/2.54cmにて撚糸した後、真空スチームセット機にてセット温度120℃、セット時間20分の条件で撚り止めセットし、難燃合撚糸を使用し、前記紡績糸2本と複合繊維(マルチフィラメント)1本とを合糸し、ダブルツイスターにて上撚数19.8T/2.54cmにて撚糸した後、真空スチームセット機にてセット温度80℃、セット時間20分の条件で撚り止めセットし、複合糸を得た。次いで、経糸に前記難燃合撚糸Aを100%配し、緯糸に前記複合糸Bを100%配して、織物密度が経62本/2.54cm、緯48本/2.54cmで織物組織が綾織にて織り成した以外は、実施例1同様の条件で実施した。その紡績糸の結束間隔が400μmであった。また紡績糸の1mm以上の毛羽数は、812本/10mであった。
PTT/PTTマルチフィラメント繊維を使用しない以外は、実施例3と同様にした。単糸紡績糸の結束間隔が400μmであった。また、紡績糸の1mm以上の毛羽数は1511本/10mであった。
結束間隔が2000μmである紡績糸を使用した以外は実施例1と同様とした。
メタ型全芳香族ポリアミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミド繊維をポリエチレンテレフタレート(PET)に変更した以外は実施例1と同様とした。
Claims (8)
- メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含む布帛であって、JIS L1076−1992 A法ICI型10時間に規定される布帛のピリングが3級以上、かつJIS L1091−1992 A−4法に規定される燃焼性測定において残炎が2.0秒以下であり、
メタ型全芳香族ポリアミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミド繊維とを含み、かつ撚糸を施したエアジェット紡績糸を含む布帛であり、
前記エアジェット紡績糸が、複合繊維と合糸し、撚糸を施されてなり、
前記エアジェット紡績糸において、結束部間距離が100〜1000μmの範囲内であり、
前記エアジェット紡績糸において、JIS L1095−1990 7.22 B法の毛羽試験で長さ1mm以上の毛羽数が10mあたり1000本以下であり、
かつ布帛の経方向または緯方向において、JIS L1096−1990 6.14.1 B法(定荷重法)の伸長率で8%以上であることを特徴とする布帛。 - JIS L1091−1992 A−4法に規定される燃焼性測定において炭化長が100mm以下である、請求項1に記載の布帛。
- 目付けが5〜7oz/yd2の範囲内である、請求項1または請求項2に記載の布帛。
- メタ型全芳香族ポリアミド繊維が、有機染料または有機顔料または無機顔料を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の布帛。
- 前記エアジェット紡績糸にS撚り方向の双糸撚りが施され、該双糸撚りの撚数が100〜2000T/mの範囲内である、請求項1〜4のいずれかに記載の布帛。
- 布帛がさらに、パラ型全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリベンズイミダゾール(PBI)繊維、ポリベンズチアゾール(PBTZ)繊維、ポリイミド(PI)繊維、ポリスルホンアミド(PSA)繊維、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維、ポリエーテルイミド(PEI)繊維、ポリアリレート(PAr)繊維、メラミン繊維、フェノール繊維、フッ素系繊維、およびポリフェニレンスルフィド(PPS)繊維からなる群より選択されるいずれか1種以上を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の布帛。
- 布帛がさらに、セルロース繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、獣毛繊維、ポリウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテート繊維およびポリカーボネート繊維からなる群より選択されるいずれか1種以上を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の布帛。
- 請求項1〜7のいずれかに記載された布帛を用いてなり、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
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