JP6975531B2 - 布帛および繊維製品 - Google Patents

布帛および繊維製品 Download PDF

Info

Publication number
JP6975531B2
JP6975531B2 JP2016172788A JP2016172788A JP6975531B2 JP 6975531 B2 JP6975531 B2 JP 6975531B2 JP 2016172788 A JP2016172788 A JP 2016172788A JP 2016172788 A JP2016172788 A JP 2016172788A JP 6975531 B2 JP6975531 B2 JP 6975531B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
fibers
fabric
total aromatic
aromatic polyamide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016172788A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018040068A (ja
Inventor
博樹 島田
憲二 岩下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP2016172788A priority Critical patent/JP6975531B2/ja
Publication of JP2018040068A publication Critical patent/JP2018040068A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6975531B2 publication Critical patent/JP6975531B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Woven Fabrics (AREA)
  • Professional, Industrial, Or Sporting Protective Garments (AREA)

Description

本発明は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含む布帛であって、極めて優れた難燃性および抗ピリング性を有する布帛および繊維製品に関する。
従来、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含む布帛は難燃性に優れるため、作業服や消防服などの防護衣として用いられている(例えば特許文献1や特許文献2参照)。
一方、防護衣においてさらに外観の優れたものが求められている。
国際公開第2012/053460号パンフレット 特開2014−91307号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含む布帛であって、極めて優れた難燃性および抗ピリング性を有する布帛および繊維製品を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含むエアジェット紡績糸を用いて布帛を構成することにより極めて優れた難燃性および抗ピリング性が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含む布帛であって、JIS L1076−1992 A法ICI型10時間に規定される布帛のピリングが3級以上、かつJIS L1091−1992 A−4法に規定される燃焼性測定において残炎が2.0秒以下であることを特徴とする布帛。」が提供される。
その際、JIS L1091−1992 A−4法に規定される燃焼性測定において炭化長が100mm以下であることが好ましい。また、目付けが5〜7oz/ydの範囲内であることが好ましい。また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維が、有機染料または有機顔料または無機顔料を含むことが好ましい。また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維がエアジェット紡績糸の構成繊維として布帛に含まれることが好ましい。その際、前記エアジェット紡績糸において、結束部間距離が100〜1000μmの範囲内であることが好ましい。また、前記エアジェット紡績糸において、JIS L1095−1990 7.22 B法の毛羽試験で長さ1mm以上の毛羽数が10mあたり1000本以下であることが好ましい。また、前記エアジェット紡績糸にS撚り方向の双糸撚りが施され、該双糸撚りの撚数が100〜2000T/mの範囲内であることが好ましい。また、前記エアジェット紡績糸において、メタ型全芳香族ポリアミド繊維が短繊維として鞘部に配され、複合繊維または弾性繊維または仮撚捲縮加工糸が芯部に配されていることが好ましい。
本発明の布帛において、布帛がさらに、パラ型全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリベンズイミダゾール(PBI)繊維、ポリベンズチアゾール(PBTZ)繊維、ポリイミド(PI)繊維、ポリスルホンアミド(PSA)繊維、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維、ポリエーテルイミド(PEI)繊維、ポリアリレート(PAr)繊維、メラミン繊維、フェノール繊維、フッ素系繊維、およびポリフェニレンスルフィド(PPS)繊維からなる群より選択されるいずれか1種以上を含むことが好ましい。また、布帛がさらに、セルロース繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、獣毛繊維、ポリウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテート繊維およびポリカーボネート繊維からなる群より選択されるいずれか1種以上を含むことが好ましい。また、 布帛の経方向または緯方向において、JIS L1096−1990 6.14.1 B法の伸長率で8%以上であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の布帛を用いてなり、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品が提供される。
本発明によれば、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含む布帛であって、極めて優れた難燃性および抗ピリング性を有する布帛および繊維製品が得られる。
結束部間距離の説明図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、本発明で用いるメタ型全芳香族ポリアミド繊維とは、その繰返し単位の85モル%以上がm−フェニレンイソフタルアミドであるポリマーからなる繊維である。かかるメタ型全芳香族ポリアミドは、15モル%未満の範囲内で第3成分を含んだ共重合体であっても差しつかえない。
このようなメタ型全芳香族ポリアミドは、従来から公知の界面重合法により製造することができ、そのポリマーの重合度としては、0.5g/100mlの濃度のN−メチル−2−ピロリドン溶液で測定した固有粘度(I.V.)が1.3〜1.9dl/gの範囲のものが好ましく用いられる。
上記メタ型全芳香族ポリアミドにはアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩が含有されていてもよい。アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩としては、ヘキシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ヘキシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラフェニルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルテトラデシルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩等の化合物が好ましく例示される。なかでもドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、又はドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩は、入手しやすく、熱的安定性も良好なうえ、N−メチル−2−ピロリドンに対する溶解度も高いため特に好ましく例示される。
上記アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩の含有割合は、十分な染色性の改良効果を得るために、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドに対して2.5モル%以上、好ましくは3.0〜7.0モル%の範囲にあるものが好ましい。
また、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドとアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を混合する方法としては、溶媒中にポリ−m−フェニレンイソフタルアミドを混合、溶解し、それにアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を溶媒に溶解する方法などが用いられそのいずれを用いてもよい。このようにして得られたドープは、従来から公知の方法により繊維に形成される。
メタ型全芳香族ポリアミド繊維に用いるポリマーは、染着性や耐変褪色性を向上させる等目的で、下記の式(2)で示される反復構造単位を含む芳香族ポリアミド骨格中に、反復構造の主たる構成単位とは異なる芳香族ジアミン成分、または芳香族ジカルボン酸ハライド成分を、第3成分として芳香族ポリアミドの反復構造単位の全量に対し1〜10mol%となるように共重合させることも可能である。
−(NH−Ar1−NH−CO−Ar1−CO)− ・・・式(1)
ここで、Ar1はメタ配位又は平行軸方向以外に結合基を有する2価の芳香族基である。
また、第3成分として共重合させることも可能であり、式(2)、(3)に示した芳香族ジアミンの具体例としては、例えば、p−フェニレンジアミン、クロロフェニレンジアミン、メチルフェニレンジアミン、アセチルフェニレンジアミン、アミノアニシジン、ベンジジン、ビス(アミノフェニル)エーテル、ビス(アミノフェニル)スルホン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノアゾベンゼン等が挙げられる。式(4)、(5)に示すような芳香族ジカルボン酸ジクロライドの具体例としては、例えば、テレフタル酸クロライド、1,4−ナフタレンジカルボン酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライド、4,4’−ビフェニルジカルボン酸クロライド、5−クロルイソフタル酸クロライド、5−メトキシイソフタル酸クロライド、ビス(クロロカルボニルフェニル)エーテルなどが挙げられる。
N−Ar2−NH ・・・式(2)
N−Ar2−Y−Ar2−NH ・・・式(3)
XOC−Ar3−COX ・・・式(4)
XOC−Ar3−Y−Ar3−COX ・・・式(5)
ここで、Ar2はAr1とは異なる2価の芳香族基、Ar3はAr1とは異なる2価の芳香族基、Yは酸素原子、硫黄原子、アルキレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は官能基であり、Xはハロゲン原子を表す。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の結晶化度は、染料の吸尽性がよく、より少ない染料でまたは染色条件が弱くても狙いの色に調整し易いという点で、5〜35%であることが好ましい。さらには、染料の表面偏在が起こり難く耐変褪色性も高い点および実用上必要な寸法安定性も確保できる点で15〜25%であることがより好ましい。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維が難燃剤を含んでいてもよい。用いる難燃剤としては特開平10−251981号公報に記載されたものや、無機系の金属および担体、金属含有担体の表面を被覆したものなどが例示されるが、優れた難燃性を得る上でリン系難燃剤が好ましい。含有量としては繊維重量対比1〜15重量%が好ましい。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維が、有機染料または有機顔料または無機顔料を含んでいてもよい。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の残存溶媒量は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の優れた難燃性能を損なわない点で、0.1重量%以下(好ましくは0.001〜0.1重量%)であることが好ましい。
前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維は以下の方法により製造することができ、特に後述する方法により、結晶化度や残存溶媒量を上記範囲とすることができる。
メタ型全芳香族ポリアミドポリマーの重合方法としては、特に限定する必要はなく、例えば特公昭35−14399号公報、米国特許第3360595号公報、特公昭47−10863号公報などに記載された溶液重合法、界面重合法を用いてもよい。
紡糸溶液としては、とくに限定する必要はないが、上記溶液重合や界面重合などで得られた、芳香族コポリアミドポリマーを含むアミド系溶媒溶液を用いても良いし、上記重合溶液から該ポリマーを単離し、これをアミド系溶媒に溶解したものを用いても良い。
ここで用いられるアミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどを例示することができるが、とくにN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
上記の通り得られた共重合芳香族ポリアミドポリマー溶液は、さらにアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を含むことにより安定化され、より高濃度、低温での使用が可能となり好ましい。好ましくはアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩がポリマー溶液の全重量に対して1重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下である。その際、前記のような難燃剤を含ませてもよい。
紡糸・凝固工程においては、上記で得られた紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)を凝固液中に紡出して凝固させる。
紡糸装置としては特に限定されるものではなく、従来公知の湿式紡糸装置を使用することができる。また、安定して湿式紡糸できるものであれば、紡糸口金の紡糸孔数、配列状態、孔形状等は特に制限する必要はなく、例えば、孔数が1000〜30000個、紡糸孔径が0.05〜0.2mmのスフ用の多ホール紡糸口金等を用いてもよい。
また、紡糸口金から紡出する際の紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)の温度は、20〜90℃の範囲が適当である。
繊維を得るために用いる凝固浴としては、実質的に無機塩を含まない、アミド系溶媒、好ましくはNMPの濃度が45〜60質量%の水溶液を、浴液の温度10〜50℃の範囲で用いる。アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が45質量%未満ではスキンが厚い構造となってしまい、洗浄工程における洗浄効率が低下し、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となる。一方、アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が60質量%を超える場合には、繊維内部に至るまで均一な凝固を行うことができず、このためやはり、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となる。なお、凝固浴中への繊維の浸漬時間は、0.1〜30秒の範囲が適当である。
引続き、アミド系溶媒、好ましくはNMPの濃度が45〜60質量%の水溶液であり、浴液の温度を10〜50℃の範囲とした可塑延伸浴中にて、3〜4倍の延伸倍率で延伸を行う。延伸後、10〜30℃のNMPの濃度が20〜40質量%の水溶液、続いて50〜70℃の温水浴を通して十分に洗浄を行う。
洗浄後の繊維は、温度270〜290℃にて乾熱処理を施し、上記の結晶化度および残存溶媒量の範囲を満たすメタ型全芳香族アラミド繊維を得ることができる。
前記メタ型全芳香族アラミド繊維において、繊維は、長繊維(マルチフィラメント)でもよいし短繊維でもよい。特に、他の繊維と混紡する上で繊維長25〜200mmの短繊維が好ましい。また、単繊維繊度としては1〜5dtexの範囲が好ましい。
本発明の布帛にさらに、パラ型全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリベンズイミダゾール(PBI)繊維、ポリベンズチアゾール(PBTZ)繊維、ポリイミド(PI)繊維、ポリスルホンアミド(PSA)繊維、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維、ポリエーテルイミド(PEI)繊維、ポリアリレート(PAr)繊維、メラミン繊維、フェノール繊維、フッ素系繊維、およびポリフェニレンスルフィド(PPS)繊維からなる群より選択されるいずれか1種以上が含まれることが好ましい。
また、さらに、セルロース繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、獣毛繊維、ポリウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテート繊維およびポリカーボネート繊維からなる群より選択されるいずれか1種以上が含まれることが好ましい。
本発明の布帛において、JIS L1076−1992 A法ICI型10時間に規定される布帛のピリングが3級以上である。かかるピリングが3級よりも小さいと優れた外観品位が得られないおそれがある。
前記のような抗ピリング性を有する布帛を得るには、メタ型全芳香族ポリアミド繊維をエアジェット紡績糸の構成繊維として布帛に含ませるとよい。かかるエアジェット紡績糸はメタ型全芳香族ポリアミド繊維のみで構成されていてもよいし、メタ型全芳香族ポリアミド繊維と、伸縮性繊維などのメタ型全芳香族ポリアミド繊維以外の繊維とで構成されていてもよい。
前記エアジェット紡績糸としては、例えば村田機械製、MJS型式結束紡績装置)に供給し、短繊維スライバ(練条スライバが良い)をドラフト後、互いに逆方向に仮撚を付与する2つの直列に配された旋回流ジェットまたは施撚体で結束紡績したものが好ましい。
ここで、前記エアジェット紡績糸において、優れた抗ピリング性を得る上で、結束部間距離が100〜1000μmの範囲内であることが好ましい。また、前記エアジェット紡績糸において、優れた抗ピリング性を得る上で、JIS L1095−1990 7.22 B法の毛羽試験で長さ1mm以上の毛羽数が10mあたり1000本以下であることが好ましい。また、前記エアジェット紡績糸にS撚り方向の双糸撚りが施され、該双糸撚りの撚数が100〜2000T/mの範囲内であることが好ましい。
また、前記の伸縮性繊維としては、ポリウレタン繊維やポリエーテルエステル繊維などの弾性繊維、ポリエステル繊維などからなる仮撚捲縮加工糸、複合繊維などが例示される。
複合繊維は2成分がサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に貼り合わされた複合繊維である。布帛の熱処理工程で複合繊維が3次元コイル捲縮の形態をとり、複合糸に伸縮性が付与され、その結果、布帛にも伸縮性が付与される。前記複合繊維を形成する2成分としては、ポリエステルとポリエステルとの組合せ、ポリエステルとナイロンとの組合せなどが例示される。より具体的には、ポリトリメチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレートとの組合せ、ポリトリメチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートとの組合せ、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートとの組合せなどが好ましい。
また、エアジェット紡績糸は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維が短繊維として鞘部に配され、伸縮性糸が芯部に配されてなる長短複合糸(コアヤーン)であると、布帛に抗ピリング性だけでなくストレッチ性も付加され好ましい。
ここで、コアヤーンは、特開2001−164432号公報などに記載されている通り、ドラフトされた繊維束および伸縮性糸からなる芯繊維をノズルブロックおよび中空ガイド軸体に供給し、中空ガイド軸体の先端部に旋回気流を作用させることにより、繊維束を構成する繊維の後端を反転させて中空ガイド軸体の先端に巻き付けながら、芯繊維の長さ方向全体にわたって鞘繊維を略均一に巻き付けた複合糸である。
その際、芯部(芯繊維)に配される伸縮性糸としては、前記のような複合繊維が好ましい。
また、ストレッチ性としては、布帛の経方向または緯方向において、JIS L1096−1990 6.14.1 B法(定荷重法)の伸長率で8%以上(より好ましくは8〜40%)であることが好ましい。
布帛の布帛組織としては特に限定されないが、織物または編物であることが好ましい。織物であれば、平組織、綾組織、朱子組織などが例示される。また、編物であれば、機械編、かぎ針編、棒針編、アフガン編、レース編などが例示される。例えば、織物であれば、経方向および/または緯方向に、前記のエアジェット紡績糸を全量配してもよいし、前記エアジェット紡績糸と他の糸を、例えば1:1、2:1、3:1、1:2、1:3の配列比で配列させてもよい。なお、製編織の方法は特に限定されず、通常の編機や織機を用いた方法でよい。
次いで、かかる布帛に、精錬、リラックス、染色処理、セットなどの熱処理を施すと、布帛に前記複合繊維が含まれる場合、2成分がサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に貼り合わされた複合繊維が3次元コイル捲縮の形態をとり、布帛に伸縮性が付与される。
かかる布帛には、吸水加工、撥水加工、起毛加工、難燃加工、紫外線遮蔽あるいは抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
布帛にはメタ型全芳香族ポリアミド繊維が含まれるので難燃性に優れる。その際、JIS L1091−1992 A−4法に規定される燃焼性測定において残炎が2.0秒以下であることが肝要である。
また、前記布帛において、JIS L1091−1992 A−4法に規定される燃焼性測定において炭化長が100mm以下(より好ましくは10〜80mm)であることが好ましい。
また、前記布帛において、軽量性と遮熱性とを両立させる上で、目付けが5〜7oz/ydの範囲内であることが好ましい。
本発明の布帛は、前記の構成を有するので、極めて優れた難燃性および抗ピリング性を有する。
次に、本発明の繊維製品は、前記の布帛を用いてなり、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品である。
かかる繊維製品は前記の布帛を用いているので、極めて優れた難燃性および抗ピリング性を有する。
ここで、前記の布帛を他の布帛と積層し、国際公開第2012/053460号パンフレットに記載されているような、表地層、透湿防水機能を有する中間層および/または遮熱層で構成してもよい。その際、表地層が前記布帛からなることが好ましい。
ここで、中間層には、上記の織編物等に更にポリテトラフルオロエチレン等の透湿防水層膜フィルムをラミネート加工あるいはコーティングなどにより付与したものを用いることにより、優れた透湿防水機能と耐薬品性も付与することができる。
また、遮熱層は、高収縮性繊維を2〜20%以下混合させ、遮熱層構造物を80℃以上の乾湿熱条件に接触させることにより収縮し、厚みが増した(嵩高な)遮熱層を得ることが好ましい。より嵩高な遮熱層を得るには、例えば、製織物の経糸に使用(設計配列)することにより80℃以上の乾湿熱条件に接触した時、経方向に収縮が発生し、著しい嵩高な遮熱層が得られ、また、高収縮性繊維とそうではない繊維を交互配列させることより、断熱緩衝材(エアーパッキン)のような製編織物を得ることも可能となる。
積層布帛の目付けとしては400〜600g/mであることが好ましい。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の各物性は下記の方法により測定したものである。
(1)布帛の難燃性(垂直燃焼試験)
JIS L1091−1992 A−4法により残炎時間、残ジン時間、炭化長を測定した。
(2)ストレッチ性(伸長率)
JIS L1096−1990 6.14.1 B法(定荷重法)で測定した。
(3)布帛の抗ピリング性
JIS L1076−1992 A法ICI型10時間にて測定した。
(4)結束部間距離
図1に示すように結束部の端部〜となりの結束部の端部までの距離を測定した。n数5で平均値を算出した。
[実施例1]
村田機械社製、MJS型式結束紡績装置を用いて、単繊維繊度2.2dtex、カット長(繊維長)51mm、LOIが33であるポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人株式会社製「コーネックス」(商標名))からなる短繊維(MA)と、単繊維繊度1.7dtex、カット長(繊維長)51mm、LOIが25であるコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人株式会社製「テクノーラ」(商標名))からなる短繊維(PA)を重量割合(前者:後者)95:5の割合で供給し、短繊維スライバをドラフト後、互いに逆方向に仮撚を付与する2つの直列に配された旋回流ジェット又は施撚体で結束紡績した。その際、紡出速度150m/分、ローラーゲージ56、53、ノズル圧3〜3.5kg/cmにて、英式綿番手で40番単糸を得た。
得られた紡績糸において、結束間隔は500μmであった。また、その紡績糸の1mm以上の毛羽数は919本/10mであった。次いで、前記紡績糸2本を合糸し、ダブルツイスターにて上撚数20.9T/2.54cmにて撚糸した後、真空スチームセット機にてセット温度120℃、セット時間20分の条件で撚り止めセットし、難燃合撚糸Aを得た。織物密度が経62本/2.54cm、緯48本/2.54cmで織物組織が綾織にて織り成した。織り成した織物を毛焼−精練‐セット(温度190℃×時間30秒)の仕上げ加工を施した。限界酸素指数は32.0、評価結果を表1に示す。
[実施例2]
メタ型全芳香族アラミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミド繊維80質量%とポリエチレンテレフタレート(PET)短繊維(繊維長38mm)を用いた以外は、実施例1と同様の条件で実施した。その単糸紡績糸の結束間隔が400μmであった。また紡績糸の1mm以上の毛羽数は、870本/10mであった。
[実施例3]
複合繊維として、固有粘度が互いに異なる2種類のポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を偏心芯鞘型に貼り合せた総繊度40dtex/24フィラメント、伸度26%、沸水収縮率55.0%のマルチフィラメント(長繊維)を用意した。次いで、前記実施例1の紡績糸2本を合糸し、ダブルツイスターにて上撚数20.9T/2.54cmにて撚糸した後、真空スチームセット機にてセット温度120℃、セット時間20分の条件で撚り止めセットし、難燃合撚糸を使用し、前記紡績糸2本と複合繊維(マルチフィラメント)1本とを合糸し、ダブルツイスターにて上撚数19.8T/2.54cmにて撚糸した後、真空スチームセット機にてセット温度80℃、セット時間20分の条件で撚り止めセットし、複合糸を得た。次いで、経糸に前記難燃合撚糸Aを100%配し、緯糸に前記複合糸Bを100%配して、織物密度が経62本/2.54cm、緯48本/2.54cmで織物組織が綾織にて織り成した以外は、実施例1同様の条件で実施した。その紡績糸の結束間隔が400μmであった。また紡績糸の1mm以上の毛羽数は、812本/10mであった。
[比較例1]
PTT/PTTマルチフィラメント繊維を使用しない以外は、実施例3と同様にした。単糸紡績糸の結束間隔が400μmであった。また、紡績糸の1mm以上の毛羽数は1511本/10mであった。
[比較例2]
結束間隔が2000μmである紡績糸を使用した以外は実施例1と同様とした。
[比較例3]
メタ型全芳香族ポリアミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミド繊維をポリエチレンテレフタレート(PET)に変更した以外は実施例1と同様とした。
Figure 0006975531
本発明によれば、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含む布帛であって、極めて優れた難燃性および抗ピリング性を有する布帛および繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (8)

  1. メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含む布帛であって、JIS L1076−1992 A法ICI型10時間に規定される布帛のピリングが3級以上、かつJIS L1091−1992 A−4法に規定される燃焼性測定において残炎が2.0秒以下であり、
    メタ型全芳香族ポリアミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミド繊維とを含み、かつ撚糸を施したエアジェット紡績糸を含む布帛であり、
    前記エアジェット紡績糸が、複合繊維と合糸し、撚糸を施されてなり、
    前記エアジェット紡績糸において、結束部間距離が100〜1000μmの範囲内であり、
    前記エアジェット紡績糸において、JIS L1095−1990 7.22 B法の毛羽試験で長さ1mm以上の毛羽数が10mあたり1000本以下であり、
    かつ布帛の経方向または緯方向において、JIS L1096−1990 6.14.1 B法(定荷重法)の伸長率で8%以上であることを特徴とする布帛。
  2. JIS L1091−1992 A−4法に規定される燃焼性測定において炭化長が100mm以下である、請求項1に記載の布帛。
  3. 目付けが5〜7oz/ydの範囲内である、請求項1または請求項2に記載の布帛。
  4. メタ型全芳香族ポリアミド繊維が、有機染料または有機顔料または無機顔料を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の布帛。
  5. 前記エアジェット紡績糸にS撚り方向の双糸撚りが施され、該双糸撚りの撚数が100〜2000T/mの範囲内である、請求項1〜4のいずれかに記載の布帛。
  6. 布帛がさらに、パラ型全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリベンズイミダゾール(PBI)繊維、ポリベンズチアゾール(PBTZ)繊維、ポリイミド(PI)繊維、ポリスルホンアミド(PSA)繊維、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維、ポリエーテルイミド(PEI)繊維、ポリアリレート(PAr)繊維、メラミン繊維、フェノール繊維、フッ素系繊維、およびポリフェニレンスルフィド(PPS)繊維からなる群より選択されるいずれか1種以上を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の布帛。
  7. 布帛がさらに、セルロース繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、獣毛繊維、ポリウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテート繊維およびポリカーボネート繊維からなる群より選択されるいずれか1種以上を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の布帛。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載された布帛を用いてなり、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
JP2016172788A 2016-09-05 2016-09-05 布帛および繊維製品 Active JP6975531B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016172788A JP6975531B2 (ja) 2016-09-05 2016-09-05 布帛および繊維製品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016172788A JP6975531B2 (ja) 2016-09-05 2016-09-05 布帛および繊維製品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018040068A JP2018040068A (ja) 2018-03-15
JP6975531B2 true JP6975531B2 (ja) 2021-12-01

Family

ID=61625133

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016172788A Active JP6975531B2 (ja) 2016-09-05 2016-09-05 布帛および繊維製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6975531B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020002475A (ja) * 2018-06-25 2020-01-09 帝人株式会社 布帛および繊維製品
CN109930270B (zh) * 2019-03-08 2020-06-12 东华大学 一种含阻燃聚酯纤维和聚芳酯纤维的混纺纱的生产方法
CN111020824A (zh) * 2019-11-28 2020-04-17 江苏新凯盛企业发展有限公司 一种轻质、丰厚、保暖摇粒绒面料制作工艺
WO2024053510A1 (ja) * 2022-09-05 2024-03-14 帝人株式会社 織物および繊維製品

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004197243A (ja) * 2002-12-16 2004-07-15 Toyobo Co Ltd 抗ピリング性織物
US20050079783A1 (en) * 2003-10-08 2005-04-14 Campbell Paul C. Flame resistant fabrics having high resistance to pilling, and methods of making same
JP2005213708A (ja) * 2004-02-02 2005-08-11 Teijin Techno Products Ltd 難燃性複合糸
US20120102632A1 (en) * 2010-10-28 2012-05-03 E.I. Du Pont De Nemours And Company Arc resistant garment containing a multilayer fabric laminate and processes for making same
AU2013293487B2 (en) * 2012-07-27 2017-09-07 Drifire, Llc Fiber blends for wash durable thermal and comfort properties
JP6072538B2 (ja) * 2012-12-28 2017-02-01 帝人株式会社 高ピリング性耐熱布帛
JP6158602B2 (ja) * 2013-06-11 2017-07-05 帝人株式会社 伸縮性難燃布帛および繊維製品
JP6355720B2 (ja) * 2014-04-14 2018-07-11 帝人株式会社 着色した有機繊維および布帛および衣料および布帛の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018040068A (ja) 2018-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6388659B2 (ja) 布帛および繊維製品
CN105283593B (zh) 布帛和纤维制品
KR102041835B1 (ko) 아크 및 화염 보호용 섬유 블렌드, 얀, 천, 및 의복
JP6820754B2 (ja) 布帛および繊維製品
JP6162463B2 (ja) 紡績糸および布帛および衣料
JP6975531B2 (ja) 布帛および繊維製品
JP2010537074A (ja) ジアミノジフェニルスルホンから誘導された繊維とモダクリル繊維とのブレンドから製造された難燃性紡績スフ糸、それから製造された布及び衣類並びにそれらの製造方法
JP2018021275A (ja) 積層布帛および繊維製品
KR20200138345A (ko) 패브릭 및 섬유 제품
JP2018135620A (ja) 織物および繊維製品
JP2020002475A (ja) 布帛および繊維製品
JP2020026596A (ja) 布帛および防護製品
JP2020026595A (ja) 布帛および防護製品
WO2017145609A1 (ja) 布テープおよび繊維製品
JP2018188753A (ja) 布帛および繊維製品
JP6873683B2 (ja) 三層構造織編物および繊維製品
JP6449616B2 (ja) 布帛および繊維製品および布帛の処理方法
JP2014221955A (ja) 布帛および衣料
JP2014214387A (ja) 布帛および衣料
JP2019099945A (ja) 防蚊用布帛および繊維製品
JP2017197882A (ja) 難燃性布帛および繊維製品
JP6811632B2 (ja) 繊維製品
JP6857470B2 (ja) ミシン糸および繊維製品
JP2021188196A (ja) 布帛および繊維製品
JP2020026598A (ja) 織物および防護製品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190606

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200602

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210413

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210511

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211019

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211108

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6975531

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150