JP6973080B2 - 電磁波吸収積層体、筐体および電磁波吸収積層体の使用方法 - Google Patents

電磁波吸収積層体、筐体および電磁波吸収積層体の使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、電磁波吸収積層体、筐体および電磁波吸収積層体の使用方法に関する。
近年、インターネット等の情報通信技術の発達および普及に伴い、パーソナルコンピューターや携帯電話等の通信機器に限らず、これまで電磁波を利用してこなかった様々な電子機器においても電磁波の利用が検討されるようになってきた。これと同時に、電磁波を利用する電子機器については、他の電子機器から放出された電磁波ノイズによる影響で生じる、当該電子機器の誤作動や機能不全、さらには故障等といった種々の不都合が生じることを抑制するために、数多くの検討がなされてきた。特に、電磁波吸収材については、種々の報告がなされている。
こうした電磁波吸収材に関する技術として、例えば、以下の技術がある。
特許文献1には、広帯域の電磁波を吸収するために有用な技術として、薄層黒鉛を含む材料により形成された2層以上の積層体からなる平板状の電磁波吸収帯を備えた電磁波吸収体が開示されている。
特許文献2には、低周波帯域における電磁波吸収性能を向上させた技術として、ピーク周波数が6.4GHz以下である電磁波吸収材料を含むマトリックスからなる誘電体層と、誘電体層の一方の面に積層された分割導電膜層と、誘電体層の他方の面に積層された電磁波反射層と、誘電体層と分割導電膜層の間にあって、誘電体層と前記分割導電膜層の対向する面とを互いに接合する樹脂層と、を有した電磁波吸収体が開示されている。
特開2015−23036号公報 特開2013−201359号公報
しかしながら、本発明者らは、特許文献1や特許文献2等に記載されている従来の電磁波吸収材からなる筐体に電子機器を収容してもなお、依然として、筐体内に収容した電子機器の誤作動や機能不全、さらには故障等といった電磁波ノイズに起因した種々の不都合が生じる場合があった。そこで、本発明者らは、従来の電磁波吸収材によって上述した不都合が生じる要因について鋭意検討した。その結果、吸収されることなく当該筐体(電磁波吸収材)を透過した電磁波が、電子機器の誤作動、機能不全または故障等に影響を及ぼしている可能性があることを見出した。さらに、本発明者は、筐体内に収容している電子機器自体が発した電磁波が当該筐体を構成する電磁波吸収材に反射し、かかる電子機器に電磁波ノイズとして取り込まれた場合にも、上述した不都合が生じる可能性があることを見出した。
そこで、本発明は、良好な電磁波遮蔽性と良好な電磁波吸収性とを両立した電磁波吸収積層体、筐体および上記電磁波吸収積層体の使用方法を提供する。
本発明者は、上記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、入射した電磁波を複数回に分けて吸収することができる積層構造とすることが、その設計指針として有効であるという知見を得て、本発明を完成させた。
本発明によれば、熱硬化性樹脂と、磁性金属で構成された粒子および/または繊維とを含む第1の樹脂材料により形成された磁性材層と、
熱硬化性樹脂と、導電材とを含む第2の樹脂材料により形成された導電材層と、を有し、
前記磁性材層の電磁波反射量をRaとし、前記導電材層の電磁波反射量をRbとした時、Ra≦Rbの関係を満たす電磁波吸収積層体が提供される。
さらに、本発明によれば、上記電磁波吸収積層体で構成された筐体が提供される。
さらに、本発明によれば、上記電磁波吸収積層体を準備する工程と、
前記電磁波吸収積層体により電子装置の表面を覆う工程と、
を含む、電磁波吸収積層体の使用方法が提供される。
本発明によれば、良好な電磁波遮蔽性と良好な電磁波吸収性とを両立した電磁波吸収積層体、筐体および上記電磁波吸収積層体の使用方法を提供できる。
図1は、本実施形態に係る電磁波吸収積層体の一例を模式的に示す断面図である。 図2(a)および(b)は、本実施形態に係る電磁波吸収積層体の使用方法を説明するための図である。 図3(a)および(b)は、本実施形態に係る電磁波吸収積層体の使用方法を説明するための図である。 図4は、本実施形態に係る抄造体の一例を模式的に示す斜視図である。 図5は、本実施形態に係る電磁波吸収積層体の一例を模式的に示す断面図である。 図6(a)〜(c)は、本実施形態に係る抄造体の製造方法の一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の電磁波吸収積層体、筐体および電磁波吸収積層体の使用方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて説明する。
<電磁波吸収積層体>
図1は、本実施形態に係る電磁波吸収積層体の一例を模式的に示す断面図である。図2(a)および(b)は、本実施形態に係る電磁波吸収積層体の使用方法を説明するための図である。図3(a)および(b)は、本実施形態に係る電磁波吸収積層体の使用方法を説明するための図である。図4は、本実施形態に係る抄造体の一例を模式的に示す斜視図である。また、図5は、本実施形態に係る電磁波吸収積層体の一例を模式的に示す断面図である。
本実施形態に係る電磁波吸収積層体150(以下、本積層体150ともいう。)は、電子装置(電子機器)50の表面を覆うために用いる。かかる本積層体150は、熱硬化性樹脂と、磁性金属で構成された粒子および/または繊維とを含む第1の樹脂材料により形成された磁性材層100と、熱硬化性樹脂と、導電材とを含む第2の樹脂材料により形成された導電材層200と、を有する。そして、本積層体150における磁性材層100と導電材層200とは、磁性材層100の電磁波反射量をRaとし、導電材層200の電磁波反射量をRbとした時、Ra≦Rbの関係を満たす。磁性材層100と導電材層200とが上記関係を満たすことにより、良好な電磁波遮蔽性と良好な電磁波吸収性とを両立した電磁波吸収積層体150を実現することが可能である。なお、本積層体150は、5GHz以上18GHz以下の周波数の電磁波を遮蔽することを想定している。
ここで、磁性金属とは、磁性および導電性の両方の観点において電磁波を吸収できる金属材料のことを指す。
従来の電磁波吸収材で構成された筐体に電子機器を収容してもなお、依然として、筐体内に収容した電子機器の誤作動や機能不全、さらには故障等といった電磁波ノイズに起因した種々の不都合が生じる場合があった。この原因について本発明者らが鋭意検討した結果、筐体(電磁波吸収材)を透過した微量の電磁波や、電子機器自体から発せられ、筐体に反射された微量の電磁波が上述した不都合の諸要因となっている可能性があることを見出した。なお、本発明者の得た知見によれば、従来の電磁波吸収材においては、電子機器が放出した電磁波全量に対して約4割程度の量の電磁波が吸収されずに当該電磁波吸収材を透過または反射してしまうことがほとんどであった。
本実施形態に係る電磁波吸収積層体150は、入射した電磁波を複数回に分けて吸収することができる積層構造を採用することにより、従来の電磁波吸収材に係る上記不都合を解消することができる。本発明者は、電磁波が、電場と磁場の両方が交互に振動しながら空間を伝わる波であることに着目した。本積層体150は、導電材として機能する磁性金属を含む導電材層200と、磁性材として機能する磁性金属を含む磁性材層100と、を備えた積層構造を有している。なお、導電材として機能する磁性金属は、上記電場が加わった場合に流れる電流を熱エネルギーに変換する発熱機構を備えている。また、磁性材として機能する磁性金属は、上記磁場が加わった場合に流れる電流を熱エネルギーに変換する発熱機構を備えている。つまり、本積層体150は、電場の観点から電磁波を吸収する層と、磁場の観点から電磁波を吸収する層とを備えている。それ故、本実施形態に係る電磁波吸収積層体150は、従来の電磁波吸収材と比べて、優れた電磁波吸収性を有する。
また、一般に、導電材として機能する磁性金属を含む導電材層の方が、磁性材として機能する磁性金属を含む磁性材層と比べて、電磁波反射性に優れていることが知られている。こうした事情を踏まえると、本実施形態に係る本積層体150によれば、上記電場および磁場の2つの観点での電磁波吸収だけでなく、いずれか一方の層を一度透過し、その後他方の層に反射して再度入射した電磁波までをも吸収することが可能である。これにより、本実施形態に係る電磁波吸収積層体150は、優れた電磁波吸収性とともに、従来の電磁波吸収材と比べて、優れた電磁波遮蔽性も有する。
まず、本実施形態に係る電磁波吸収積層体150の使用方法について説明する。
ここで、本積層体150を使用する場合には、まず、上述した本積層体150を準備する。次に、準備した本積層体150により所望の電子装置50の表面を覆う。このとき、本積層体150は、上記電子装置50を収容できる大きさに加工された筐体であってもよいし、上記電子装置50の表面に貼り付けるためにシート状に加工されてもよい。
以下、本積層体150の使用方法について、本積層体150が筐体に加工された場合を例に挙げて、図2および図3を参照して説明する。
図2(a)に示す本積層体150は、筐体内に収容した電子装置50を当該筐体の外部に配された電子装置50から発生した電磁波から保護するため、導電材層200の磁性材層100とは反対側の面が、当該筐体内に収容した電子装置50の表面と対向するように配置されている。すなわち、図2(a)に示す本積層体150では、導電材層200が電子装置50の表面と対向するように配置されている。この場合、図2(b)に示すように、本積層体150は、少なくとも3段階に分けて筐体外部の電子装置50が放出する電磁波を吸収することができる。具体的には、まず、磁性材層100において磁場の観点から電磁波を吸収する(第1の吸収、図2(b)の(1))。次いで、磁性材層100において吸収されずに当該磁性材層100を透過した電磁波を導電材層200において電場の観点から吸収する(第2の吸収、図2(b)の(2))。その後、導電材層200に反射して磁性材層100に再度入射した電磁波を磁場の観点から再度吸収する(第3の吸収、図2(b)の(3))。こうすることで、電磁波の周波数が5GHz以上18GHz以下である場合には、筐体外部の電子装置50が放出した電磁波全量内、最低でも99%以上の電磁波をカットすることができる。具体的には、本積層体150の構成により、筐体外部の電子装置50が放出した電磁波全量内8割以上を吸収することが可能であり、かつ吸収できなかった残存電磁波についてもそのほとんどを透過させずに反射することが可能である。
また、図3(a)に示す本積層体150は、筐体内に収容している電子装置50自体が発した電磁波により当該電子装置50が故障することを防ぐため、磁性材層100の導電材層200とは反対側の面が、当該筐体内に収容した電子装置50の表面と対向するように配置されている。すなわち、図3(a)に示す本積層体150では、磁性材層100が電子装置50の表面と対向するように配置されている。この場合、図3(b)に示すように、本積層体150は、少なくとも3段階に分けて電子装置50が放出する電磁波を吸収することができる。具体的には、まず、磁性材層100において磁場の観点から電磁波を吸収する(第1の吸収、図3(b)の(1))。次いで、磁性材層100において吸収されずに当該磁性材層100を透過した電磁波を導電材層200において電場の観点から吸収する(第2の吸収、図3(b)の(2))。その後、導電材層200に反射して磁性材層100に再度入射した電磁波を磁場の観点から再度吸収する(第3の吸収、図3(b)の(3))。こうすることで、電磁波の周波数が5GHz以上18GHz以下である場合には、筐体内に収容した電子装置50が放出した電磁波全量内、最低でも99%以上の電磁波をカットすることができる。具体的には、本積層体150の構成により、電子装置50が放出した電磁波全量内8割以上を吸収することが可能であり、かつ吸収できなかった残存電磁波についてもそのほとんどを透過させずに反射することが可能である。
以上を踏まえると、本積層体150は、導電材層200、磁性材層100および導電材層200が、この順に積層された少なくとも3層以上の積層構造を有していることが好ましい。こうすることで、当該筐体の外部に配された電子装置50が放出した電磁波と、筐体内に収容している電子装置50自体が放出した電磁波の両方により、筐体内に収容している電子装置50が故障することを防ぐことが可能である。
ここで、本件に係る電子装置50の具体例としては、携帯電話、パーソナルコンピューター、テレビ、無線LAN機能を持つ筺体(約5GHz)および車載センサ等が挙げられる。また、本積層体150によれば、電子装置50の種類に限らず、5GHz以上18GHz以下の周波数の電磁波であれば、良好な電磁波遮蔽性と電磁波吸収性とを両立することができる。
次に、上述したいずれかの方法で使用することを想定した本実施形態に係る電磁波吸収積層体150の構成について説明する。ここで、本積層体150を構成する導電材層200と磁性材層100とは、いずれも、各層を形成する樹脂材料からなる抄造体を成形して得られた層であることが好ましい。なお、本積層体150は、導電材層200と磁性材層100のいずれか一方のみが、抄造体を成形して得られた層であってもよい。
ここで、抄造体は、繊維材料を漉く手法を使用して得られた物の状態を示す技術用語として一般的に使用されている。この状態は、例えば、特許第4675276号公報および特許第5426399号公報に記載されている。同文献によれば、当該抄造体は、繊維や樹脂等の原料を分散媒に分散させた原料スラリーから、液体分が脱水され、フィルター上に残った湿潤状態の固形分を指す、と記載されている。ここでいう上記湿潤状態とは、乾燥および加熱処理を施す前の硬化状態、すなわち、ポストキュア前の硬化状態を意味する。また、同文献によれば、当該抄造体は、成形型内で加熱して乾燥成形することにより得られる成形体に利用される。すなわち、抄造体は成形材料として用いられると記載されている。
以下、本積層体150について、導電材層200と磁性材層100との両方が抄造体を成形して得られた層である場合を例に挙げて詳説する。つまり、後述する本積層体150は、かかる抄造体を、例えば、加熱加圧プレス処理等の手法により成形して得られた成形物からなる積層構造を有している。なお、当該抄造体は、シート状の形態であってもよいし、所望の成型品形状を模倣した形状に加工された素形体の形態であってもよい。
まず、上記抄造体について図4を参照して説明する。
図4においては、抄造体のうちの点線で示される領域の拡大図が示されている。本実施形態に係る抄造体10は、バインダー樹脂Aと、繊維材料(フィラー)Bと、を含む。また、繊維材料Bは、当該抄造体10の電磁波遮蔽特性を向上させる観点から、図4に示すように、抄造体10の平面方向に配向されていることが好ましい。言い換えれば、繊維材料(フィラー)Bは、抄造体10の面内方向から見た際に、ランダムに配向しており、一方、抄造体10の厚み方向から見た際に、抄造体10の平面方向に配向されていることが好ましい。なお、本明細書において、繊維材料Bが抄造体10の平面方向に配向しているとは、繊維材料Bの大多数が抄造体10の平面方向に配向していればよく、全ての繊維材料Bが抄造体10の平面方向に配向していなくてもよい。例えば、繊維材料Bの90%以上が抄造体10の平面方向に配向していればよい。なお、本明細書中において「繊維材料」には、繊維状をなす材料以外に、扁平状、針状等の非球状の材料も含む。繊維材料Bとして、扁平状の材料(扁平状フィラー)を用いた場合には、扁平状フィラーは、その厚肉方向が抄造体10の平面方向と略平行となるようにして配向する。
また、抄造体10に含まれるバインダー樹脂Aは、繊維材料(フィラー)B同士を結着する結着材として機能するとともに、後の加熱処理により抄造体10を成形体とするための成形材として機能する。抄造体10におけるバインダー樹脂Aは完全硬化していない状態、例えば、Bステージ状態にある。抄造体10を、使用するバインダー樹脂Aの硬化温度で加熱することにより、別の形状に変形することができるとともに、バインダー樹脂Aを完全硬化して成形体を得ることができる。抄造体10は、成形体を製造するための成形材料として使用される。
本実施形態に係る抄造体10は、後述する抄造法により得られ、以下の点において構造上の特徴A〜Cを有する。
(特徴A)抄造体10の表面の平面視において(抄造体10の面内方向において)、繊維材料がランダムに配向している。
(特徴B)抄造体10の厚み方向の断面視において、繊維材料の配向状態が高度に制御されており、繊維材料が特定方向に配向している。言い換えれば、抄造体10の厚み方向において、繊維材料は積層した状態である。
(特徴C)繊維材料同士がバインダー樹脂で結着している。
本実施形態に係る抄造体10は、抄造法によって形成されているため、繊維材料(フィラー)Bを抄造体10中に均一に分散させることや、繊維材料(フィラー)B同士の絡み合いを適度に作ることができると推定されている。必ずしも明らかではないが、これらの理由から、抄造体10を用いて形成される電磁波吸収積層体150の電磁波遮蔽性と電磁波吸収性とを高いレベルで両立することができると考えられる。また、抄造法は加工性に優れることから、抄造体10の意匠性を向上させることもできる。また、抄造法は、抄造体10を構成する材料の組み合わせに制約が少ない。このため、電磁波吸収積層体に求められる特性に応じて、バインダー樹脂Aおよび繊維材料(フィラー)Bとともに他の各種添加剤を適宜使用することができる。
抄造体10は、例えば平板状の形状を有することができる。
上述したように、繊維材料(フィラー)Bは、抄造体10内において抄造体10の平面方向に配向されている。これにより、特に抄造体10の厚み方向における抄造体10の電磁波遮蔽性を向上させることができる。図4に示される抄造体10の厚さ方向の断面拡大図では、繊維材料(フィラー)B(図4中においてB)が抄造体10の平面方向に配向されており、繊維材料(フィラー)Bの間にバインダー樹脂A(図4中においてA)が介在している場合が例示されている。この場合、繊維材料(フィラー)B同士は、例えばバインダー樹脂Aによって互いに結着される。繊維材料Bが抄造体10の平面方向に配向することにより、繊維材料Bのネットワーク構造が形成され、導電パスがつながり易くなる。これにより、抄造体10の電磁波遮蔽性をより向上させることができる。また、抄造体10では、繊維材料Bが抄造体10の平面方向に配向するため、繊維材料Bの含有量が少ない場合でも、繊維材料Bのネットワーク構造を確実に形成して、抄造体10の電磁波遮蔽性を向上させることができる。すなわち、抄造体10を用いることにより、抄造法以外の方法により導電材層等を成形する場合に比べて、繊維材料Bの含有量を減らしつつ、高い電磁波遮蔽性を有する導電材層または磁性材層を形成することできる。
図4に示される抄造体10の平面拡大図では、繊維材料(フィラー)Bが面内においてランダムに配置されており、互いに絡み合っている場合が例示されている。繊維材料(フィラー)Bは、平面視において、直線状の形状を有していてもよく、湾曲していてもよく、折れ曲がっていてもよい。また、平面視においても、繊維材料(フィラー)Bの間には、例えばバインダー樹脂Aが介在している。
また、抄造体10において、繊維材料(フィラー)Bの長手方向と抄造体10の面方向とのなす角度は、0〜10°程度であることが好ましく、0〜8°程度であることがより好ましい。かかる条件を満たすように繊維材料(フィラー)Bが配向することにより、抄造体10の厚さ方向に、繊維材料(フィラー)Bがより均一に積層された状態となる。かかる抄造体10を用いて形成される本積層体150では、電磁波遮蔽性と電磁波吸収性とをより高いレベルで両立することができる。
本積層体150の導電材層200と磁性材層100との両方が上述した構造的特徴を有した抄造体10を成形して得られた層である場合、各層において繊維材料(フィラー)B(導電材または磁性材)が厚み方向において所定の方向を向くように制御されている。そのため、導電材層および磁性材層を抄造体10以外の成形体で成形した場合と比べて、電磁波吸収性および電磁波遮蔽性のいずれもが飛躍的に優れた本積層体150を得ることができる。
また、図1に示す本積層体150は、磁性材層100と導電材層200とが接合して形成されているが、各層の間に中間層を設けてもよい。そして、本積層体150において磁性材層100と導電材層200とが互いに接合している場合、図5に示すように、磁性材層100と導電材層200との接合界面領域に、磁性材層100を形成する樹脂材料と、導電材層200を形成する樹脂材料とが混在した中間層を有することが好ましい。具体的には、磁性材層100と導電材層200との接合界面がジャギー構造を形成していることが好ましい。こうすることで、磁性材層100と導電材層200との接合界面領域を、見かけ上、グラデーションがかかっているように形成することができる。これにより、上記各層を形成する樹脂材料間の特性インピーダンスの差を少なくすることができるため、本積層体150における磁性材層100と導電材層200との接合界面での電磁波反射量を低減させることができる。これにより、磁性材層100において吸収されずに当該磁性材層100を透過した電磁波が導電材層200に到達する量が増大し、導電材層200において電場の観点から吸収される電磁波量が増えることになる。そのため、結果として、本積層体150による電磁波吸収量自体が増えるため、本積層体150の電磁波遮蔽性能をより一層向上させることができる。なお、ジャギー構造を形成するためには、磁性材層100および導電材層200を、それぞれ、後述する抄造法を用いて得られた抄造体から成形するのが好ましい。より具体的には、まず、磁性材層100および導電材層200の各構成材料で形成された抄造体に対して、所望のジャギー構造が得られるように表面加工を施す。次に、各抄造体の表面加工が施された表面側が接触するように、抄造体同士を積層する。その後、この積層体を、プレス成形等により成形することにより、電磁波吸収積層体を得る。このようなジャギー構造は、抄造体同士を重ねて成形(例えば、プレス成形)することにより容易に形成することができ、一般的な、フィルムの積層体や、塗布・乾燥して得られた積層体では、得ることができない。また、射出成形法や押出成形法では、積層が難しいため、ジャギー構造を形成するためには適さない。
次に、抄造体10の製造方法について説明する。
図6(a)〜(c)は、本実施形態に係る抄造体10の製造方法の一例を模式的に示す断面図である。
抄造体10は、例えば、湿式抄造法を用いて製造される。本実施形態に係る抄造体10の製造方法は、例えば、抄造法を用いて、バインダー樹脂Aと、繊維材料(フィラー)Bとを含む材料組成物を調製する工程を含む。そのため、後述においては、熱硬化性樹脂Aと、フィラーBとを含む材料組成物を抄造する場合を例に挙げて説明する。
まず、図6(a)に示すように、調整された材料組成物を溶媒に添加して撹拌し、分散させる。ここでは、熱硬化性樹脂A、フィラーB、および必要に応じた他の添加剤を含む材料組成物を溶媒中へ添加して撹拌し、分散させることとなる。これにより、抄造体10を形成するためのワニス状の材料組成物を得ることができる。各成分を溶媒に分散させる方法としては、例えばディスパーザーを用いて撹拌する方法が挙げられる。なお、図6において、符号Aは熱硬化性樹脂を、符号Bはフィラーを、それぞれ示している。
上記溶媒としては、上記材料組成物の構成材料を分散させる過程において揮発しにくいこと、抄造体10中への残存を抑制するために脱溶媒をしやすいこと、脱溶媒によってエネルギーが増大してしまうことを抑制すること、等の観点から、沸点が50℃以上200℃以下である溶媒が好ましい。このような溶媒の具体例としては、水や、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、エチレングリコール等のアルコール類や、アセトン、メチルエチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類や、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸メチル等のエステル類や、テトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル、ジオキサン、フルフラール等のエーテル類等を挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、供給量が豊富であり、安価、環境負荷が低い、安全性も高く扱いやすいという理由から水を用いることが特に好ましい。
ワニス状の材料組成物を得る上記工程において、熱硬化性樹脂Aとしては、例えば、平均粒径500μm以下の固体状態の熱硬化性樹脂を使用することができる。これにより、後述する熱硬化性樹脂を含む材料組成物を凝集させる工程において、材料組成物の凝集状態をより形成しやすくすることができる。ワニス状の材料組成物を得る上記工程において、熱硬化性樹脂の平均粒径は1nm以上300μm以下であることがより好ましい。このような平均粒径を有する熱硬化性樹脂Aは、例えばアトマイザー粉砕機等を用いて粉砕処理を行うことにより得ることが可能である。なお、熱硬化性樹脂Aの平均粒径は、例えば(株)島津製作所製のSALD−7000等のレーザ回折式粒度分布測定装置を用いて、質量基準の50%粒子径を平均粒径として求めることができる。
本実施形態においては、上記で得られたワニス状の材料組成物中に、凝集剤を添加することが好ましい。これにより、溶媒中の熱硬化性樹脂Aと、フィラーBと、をフロック状に凝集させて凝集物Fを得ることがより容易となる。
次に、図6(b)に示すように、底面がメッシュ30で構成された容器に、溶媒と、上記で得られた凝集物Fと、を入れてメッシュ30から溶媒を排出する。これにより、凝集物Fと溶媒とを互いに分離することができる。このとき、メッシュ30上には凝集物Fがシート状となって残存することとなる。本実施形態においては、メッシュ30の形状を適宜選択することによって、得られる抄造体10の形状を調整することが可能である。
本実施形態においては、上記で得られたシート状の凝集物Fを取り出して、乾燥炉内に入れて乾燥させて、溶媒をさらに除去することができる。このようにして、図6(c)に示すような抄造体10が製造されることとなる。
その後、得られた抄造体10を成形することにより、所望の層を得ることができる。ここで、本実施形態に係る磁性材層100または導電材層200を成形する方法としては、例えばプレス成形等が挙げられる。具体的には、まず、プレス板で、抄造体10をプレスするとともに、プレス板の外周側に熱板を配置して加熱する。これにより、磁性材層100または導電材層200を構成する成形体を得ることができる。なお、抄造体10中にバインダー樹脂Aとして熱硬化性樹脂が含まれる場合には、例えば成形体中の熱硬化性樹脂が半硬化状態となるように、以上の成形工程を行うことができる。これにより、成形体を他の部材へラミネートした後に成形体を熱硬化させることができるため、成形体と他の部材をより強力に互いに固着させることが可能となる。
以下、磁性材層100または導電材層200を形成する材料について、詳細に説明する。
<磁性材層100を形成する樹脂材料>
磁性材層100を形成する樹脂材料(第1の樹脂材料)は、上述した通り、熱硬化性樹脂と、磁性金属で構成された粒子および/または繊維とを含む。ここで、磁性材層100が抄造体を成形してなる層である場合、上記熱硬化性樹脂は、図4に示したバインダー樹脂Aとして機能する。また、上記磁性金属で構成された粒子および/または繊維は、図4に示したフィラーBとして機能する。
(バインダー樹脂A)
バインダー樹脂Aは、その名の通り、抄造体内において、フィラーBを結着するためのバインダーとして作用する。それ故、かかるバインダー樹脂Aは、フィラーBを結着し得る樹脂であればよい。このバインダー樹脂A、つまり熱硬化性樹脂としては、例えば、非加熱状態にある常温(25℃)において固形状の形態にある樹脂を使用することが、抄造体10を安定的に作製する観点から好ましい。
熱硬化性樹脂の具体例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、およびポリウレタン等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、成形性の観点から、フェノール樹脂およびエポキシ樹脂のうちの少なくとも一方を含むことが好ましい。
本実施形態において磁性材層100を形成するための抄造体(以下、抄造体Xともいう。)は、例えば、粒状または粉状の形状を有する熱硬化性樹脂を含むことができる。これにより、抄造体Xを硬化して得られた硬化物の機械特性をより効果的に向上させることができる。この理由は明らかではないが、抄造体Xを加熱加圧して成形する際に、熱硬化性樹脂が粒状または粉状の形状を有することにより溶融時の含浸性が向上し、フィラーBと、熱硬化性樹脂との界面が良好に形成されることによると推定されている。本実施形態においては、例えば粉粒体である熱硬化性樹脂と、フィラーBと、を抄造して抄造体Xを製造することにより、粒状または粉状の形状を有する熱硬化性樹脂を含む抄造体Xを実現することが可能である。
粒状または粉状の形状を有する熱硬化性樹脂としては、例えば平均粒径500μm以下の樹脂を含むことができる。抄造体Xを硬化して得られた硬化物の機械特性をより効果的に向上させる観点からは、粒状または粉状の形状を有する熱硬化性樹脂の平均粒径が1nm以上300μm以下であることがより好ましい。このような平均粒径を有する熱硬化性樹脂は、例えばアトマイザー粉砕機等を用いて粉砕処理を行うことにより得ることが可能である。なお、熱硬化性樹脂の平均粒径は、例えば(株)島津製作所製のSALD−7000等のレーザ回折式粒度分布測定装置を用いて、質量基準の50%粒子径を平均粒径として求めることができる。
熱硬化性樹脂の含有量は、抄造体X全量に対して5重量%以上であることが好ましく、15重量%以上であることがより好ましく、20重量%以上であることが最も好ましい。これにより、抄造体Xの加工性や軽量性をより効果的に向上させることができる。一方で、熱硬化性樹脂の含有量は、抄造体X全量に対して80重量%以下であることが好ましく、60重量%以下であることがより好ましく、40重量%以下であることが最も好ましい。これにより、抄造体Xを硬化して得られた硬化物の熱的特性をより効果的に向上させることが可能となる。
(繊維材料(フィラー)B)
本実施形態に係る抄造体Xは、フィラーBとして、磁性金属で構成された粒子または繊維を含む。ここで、磁性金属で構成された繊維は、単独の金属元素で構成される金属繊維であっても、複数の金属で構成される合金繊維であってもよい。かかる金属繊維は、例えばアルミニウム、銀、銅、マグネシウム、鉄、クロム、ニッケル、チタン、亜鉛、錫、モリブデンおよびタングステンからなる群から選択される1種または2種以上の金属元素を含むことが好ましい。なお、本実施形態における磁性金属で構成された繊維としては、例えば日本精線(株)やベカルトジャパン(株)製のステンレス繊維、虹技(株)製の銅繊維、アルミニウム繊維、黄銅繊維、鋼繊維、チタン繊維、リン青銅繊維等が市販品として入手可能であるが、これらに限定されない。これらの磁性金属からなる繊維は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、磁性金属からなる繊維としては、必要特性に応じてシランカップリング剤、アルミネートカップリング剤、チタネートカップリング剤等で表面処理した繊維や、樹脂との密着性や取り扱い性を向上させるために収束剤処理をした繊維を使用してもよい。
磁性金属で構成された繊維の繊維長は、例えば100μm以上200mm以下であることが好ましく、500μm以上50mm以下であることがより好ましく、500μm以上10mm以下であることが特に好ましい。また、磁性金属からなる繊維の繊維幅は、例えば0.5μm以上1mm以下であることが好ましく、3μm以上100μm以下であることがより好ましい。磁性金属からなる繊維の繊維長および繊維幅を上述の範囲とすることにより、磁性金属からなる繊維のアスペクト比を所望の範囲内とすることがより容易となる。このため、抄造体Xを成形して得られた本積層体150の強度をより効果的に向上させることができる。また、抄造体X中におけるフィラーBの均一分散性の向上に寄与することも可能となる。
磁性金属からなる繊維の含有量は、抄造体X全体に対して15重量%以上であることが好ましく、30重量%以上であることがより好ましく、45重量%以上であることが特に好ましい。これにより、抄造体Xを成型して得られる成形体について、機械的特性や熱的特性、電磁波遮蔽性のいずれの特性もより効果的に向上させることができる。一方で、磁性金属からなる繊維の含有量は、抄造体X全体に対して80重量%以下であることが好ましく、70重量%以下であることがより好ましく、65重量%以下であることが特に好ましい。これにより、抄造体Xの加工性や軽量性を向上させることができる。また、磁性金属からなる繊維の分散性をより効果的に向上させて、抄造体Xを成型して得られる成形体の機械的特性や熱的特性、電磁波遮蔽性の向上に寄与することも可能である。
上記磁性金属で構成された粒子は、磁性を帯びることが可能な金属により形成された粒子であればよい。かかる金属の具体例としては、Fe、Ni及びCo等の金属、さらには、Fe−Co合金、Fe−Cr合金、Fe−Ni合金、Ni−Co合金、Fe−Cr−Si合金、Fe−Ni−Mo合金、Fe−Si合金およびFe−Si−Al合金等の合金等が挙げられる。また、さらには上記金属および合金に、Al、Co、Cr、Cu、Mn、Mo、Nb、TiおよびZnのうち1種類以上の副成分を添加した合金等が挙げられる。中でも、鉄およびアルミニウムを含む合金粒子であることが好ましい。
上記磁性金属で構成された粒子に含まれるAl、Co、Cr、Cu、Mn、Mo、Nb、Ti及びZn等の副成分は、その含有量が過剰に多くなると、磁束密度の低下等の影響が生じる。そのため、副成分の合計量が10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることが特に好ましい。また、別の副成分として、上記元素以外の微量成分(例えばO、C、P、Mn等)が、合金の原料に由来したり、合金の製造過程で混入することがあるが、本発明の目的を阻害しない限り許容される。これらの微量成分は、合計1質量%以下であることが好ましい。また、磁性金属からなる粒子の形状としては、扁平状、粒状、板状および針状等が挙げられる。
磁性金属で構成された粒子の含有量は、抄造体X全体に対して15重量%以上であることが好ましく、30重量%以上であることがより好ましく、45重量%以上であることが特に好ましい。これにより、抄造体Xを成型して得られる成形体について、機械的特性や熱的特性、電磁波遮蔽性のいずれの特性もより効果的に向上させることができる。一方で、磁性金属で構成された粒子の含有量は、抄造体X全体に対して80重量%以下であることが好ましく、70重量%以下であることがより好ましく、65重量%以下であることが特に好ましい。これにより、抄造体Xの加工性や軽量性を向上させることができる。また、磁性金属で構成された粒子の分散性をより効果的に向上させて、抄造体Xを成型して得られる成形体の機械的特性や熱的特性、電磁波遮蔽性の向上に寄与することも可能である。
フィラーBは、必要特性に応じて、以下の繊維状フィラーや、繊維状フィラーよりもアスペクト比の低い他のフィラーを含んでいてもよい。さらに、上記繊維状フィラーや、上記繊維状フィラーよりもアスペクト比の低い他のフィラーは、シランカップリング剤、アルミネートカップリング剤、チタネートカップリング剤等で表面処理されてもよいし、樹脂との密着性や取り扱い性を向上させるために収束剤処理されてもよい。
上記繊維状フィラーは、例えば炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維等の無機繊維;木材繊維、木綿、麻、羊毛等の天然繊維;レーヨン繊維等の再生繊維;セルロース繊維等の半合成繊維;ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、エチレンビニルアルコール繊維等の合成繊維から選択される1種または2種以上を含むことができる。これらの中でも、熱伝導性を向上させる観点からは、無機繊維を含むことが好ましく、炭素繊維を含むことがより好ましい。また、機械的特性を向上させる観点からは、合成繊維および無機繊維のうちの1種または2種以上を含むことがより好ましい。また、曲げ強さを向上させる観点からは、炭素繊維を含むことが特に好ましい。また、耐衝撃性を向上させる観点からは、アラミド繊維を含むことが特に好ましい。
また、繊維状フィラーのアスペクト比は、100以上であることが好ましく、150以上であることがより好ましく、200以上であることが特に好ましい。一方で、繊維状フィラーのアスペクト比は、抄造体Xの製造容易性や、抄造体Xを成形して得られた硬化物の強度を向上させる観点から、1000以下であることが好ましく、700以下であることがより好ましい。なお、繊維状フィラーのアスペクト比は、繊維長/繊維幅により求められる。また、本明細書における繊維状フィラーは、後述するパルプCを含まない概念である。
繊維状フィラーの繊維長は、例えば100μm以上200mm以下であることが好ましく、500μm以上50mm以下であることがより好ましく、500μm以上10mm以下であることが特に好ましい。また、繊維状フィラーの繊維幅は、例えば0.5μm以上1mm以下であることが好ましく、3μm以上100μm以下であることがより好ましい。繊維状フィラーの繊維長および繊維幅を上記範囲内とすることにより、繊維状フィラーのアスペクト比を所望の範囲内とすることがより容易となる。
上記繊維状フィラーよりもアスペクト比の低い他のフィラーは、例えば、アスペクト比が50以下のフィラーである。このような他のフィラーを含むことによって、他のフィラーを上述した繊維状フィラーに絡みつかせることが可能であり、その結果、得られる成形品の機械的強度を向上させることができる。また、かかるアスペクト比は、50以下であると好ましく、30以下であることがより好ましく、20以下であることが特に好ましい。
上記他のフィラーの繊維長または長径は、例えば1μm以上10mm以下であることが好ましく、10μm以上1mm以下であることがより好ましく、10μm以上500μm以下であることが特に好ましい。また、上記他のフィラーの繊維幅または短径は、例えば0.5μm以上500μm以下であることが好ましく、1μm以上100μm以下であることがより好ましい。これにより、アスペクト比を所望の範囲内とすることがより容易となる。こうすることで得られた成形体の、熱的特性、機械的特性、および電磁波遮蔽性能のバランスの向上を図ることもできる。
上記他のフィラーは、必要特性に応じて種々の形状を有することができる。本実施形態においては、かかる他のフィラーとして、例えばミルドファイバー等の繊維材料、または粉粒体のうちの少なくとも一方を用いることができる。
ここで、上記他のフィラーが繊維材料を含む場合、かかる他のフィラーは、例えばアルミニウム、銀、銅、マグネシウム、鉄、クロム、ニッケル、チタン、亜鉛、錫、モリブデンおよびタングステンからなる群から選択される1種または2種以上の金属元素を含む金属繊維;炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維等の無機繊維;木材繊維、木綿、麻、羊毛等の天然繊維;レーヨン繊維等の再生繊維;セルロース繊維等の半合成繊維;ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、エチレンビニルアルコール繊維等の合成繊維から選択される1種または2種以上を含むことができる。これらの中でも、熱伝導性を向上させる観点からは、金属繊維および無機繊維のうちの1種または2種以上を含むことが好ましく、金属繊維および炭素繊維のうちの少なくとも一方を含むことがより好ましい。機械的特性と熱伝導性とのバランスを向上させる観点からは、炭素繊維を少なくとも含むことが特に好ましい。
上記他のフィラーが繊維材料を含む場合、かかる他のフィラーは、例えば黒鉛、カーボンブラック、炭、コークス、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン等の炭素材料、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラスのようなケイ酸塩、酸化チタン、アルミナのような酸化物、ケイ酸マグネシウム、溶融シリカ、結晶シリカのようなケイ素化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトのような炭酸塩、酸化亜鉛、酸化マグネシウムのような酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムのような水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウムのような硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムのようなホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素のような窒化物から選択される1種または2種以上の粉粒体を含むことができる。これらの中でも、機械的特性と熱伝導性とのバランスを向上させる観点からは、炭素材料を含むことが好ましく、黒鉛またはカーボンブラックのうちの少なくとも一方を含むことがより好ましい。
(パルプC)
抄造体Xは、例えばパルプCを含むことができる。パルプCは、フィブリル構造を有する繊維材料であり、例えば機械的または化学的に繊維材料をフィブリル化することによって得ることができる。上述した抄造法を用いた抄造体の製造方法においては、熱硬化性樹脂、フィラーBとともにパルプCを抄造することによって、熱硬化性樹脂をより効果的に凝集させることができる。これにより、より安定的な抄造体Xの製造を実現することが可能となる。
パルプCとしては、例えばリンターパルプ、木材パルプ等のセルロース繊維、ケナフ、ジュート、竹等の天然繊維、パラ型全芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)やその共重合体、芳香族ポリエステル繊維、ポリベンザゾール繊維、メタ型アラミド繊維やその共重合体、アクリル繊維、アクリロニトリル繊維、ポリイミド繊維、ポリアミド繊維等の有機繊維のフィブリル化物が挙げられる。パルプCは、これらのうちの1種または2種以上を含むことができる。これらの中でも、抄造体Xを用いた成形品の機械的特性や電磁波遮蔽特性を向上させる観点や、フィラーBの分散性を向上させる観点からは、アラミド繊維により構成されるアラミドパルプ、およびアクリロニトリル繊維により構成されるポリアクリロニトリルパルプのうちのいずれか一方または双方を含むことが特に好ましい。
パルプCの含有量は、抄造体X全量に対して0.5重量%以上であることが好ましく、1.5重量%以上であることがより好ましく、2重量%以上であることが特に好ましい。これにより、抄造時における熱硬化性樹脂の凝集をより効果的に発生させて、さらに安定的な抄造体Xの製造を実現することができる。また、パルプCの含有量は、抄造体X全量に対して15重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましく、8重量%以下であることが特に好ましい。これにより、抄造体Xを硬化して得られた硬化物の機械的特性や熱的特性をより効果的に向上させることが可能となる。
(凝集剤D)
抄造体Xは、例えば凝集剤Dを含むことができる。凝集剤Dは、上述した抄造法を用いた抄造体Xの製造方法において、熱硬化性樹脂、繊維材料をフロック状に凝集させる機能を有する。このため、より安定的な樹脂シートの製造を実現することができる。
凝集剤Dは、例えばカチオン性高分子凝集剤、アニオン性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、および両性高分子凝集剤から選択される1種または2種以上を含むことができる。このような凝集剤Dの例示としては、カチオン性ポリアクリルアミド、アニオン性ポリアクリルアミド、ホフマンポリアクリルアミド、マンニックポリアクリルアミド、両性共重合ポリアクリルアミド、カチオン化澱粉、両性澱粉、ポリエチレンオキサイド等を挙げることができる。また、凝集剤Dにおいて、そのポリマー構造や分子量、水酸基やイオン性基等の官能基量等は、必要特性に応じて特に制限無く調整することが可能である。
凝集剤Dの含有量は、上述した抄造体Xの構成材料の合計量に対して0.05重量%以上であることが好ましく、0.1重量%以上であることがより好ましく、0.15重量%以上であることが特に好ましい。これにより、抄造法を用いた抄造体Xの製造において、収率の向上を図ることができる。一方で、凝集剤Dの含有量は、上述した抄造体Xの構成材料の合計量に対して3重量%以下であることが好ましく、2重量%以下であることがより好ましく、1.5重量%以下であることが特に好ましい。これにより、抄造法を用いた抄造体Xの製造において、脱水処理等をより容易にかつ安定的に行うことが可能となる。
抄造体Xは、例えば上述の各成分の他に、イオン交換能を有する粉末状物質を含むことができる。イオン交換能を有する粉末状物質としては、例えば粘土鉱物、鱗片状シリカ微粒子、ハイドロタルサイト類、フッ素テニオライト及び膨潤性合成雲母から選ばれる1種またな2種以上の層間化合物を用いることが好ましい。粘土鉱物としては、例えばスメクタイト、ハロイサイト、カネマイト、ケニヤイト、燐酸ジルコニウム及び燐酸チタニウム等が挙げられる。ハイドロタルサイト類としては、たとえばハイドロタルサイト、ハイドロタルサイト状物質等が挙げられる。フッ素テニオライトとしては、例えばリチウム型フッ素テニオライト、ナトリウム型フッ素テニオライト等が挙げられる。膨潤性合成雲母としては、例えばナトリウム型四珪素フッ素雲母、リチウム型四珪素フッ素雲母等が挙げられる。これらの層間化合物は、天然物であってもよく、合成された化合物であってもよい。これらのうちでは、粘土鉱物がより好ましく、スメクタイトが天然物から合成物まで存在し、選択の幅が広いという点においてさらに好ましい。スメクタイトとしては、例えばモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト及びスチーブンサイト等が挙げられ、これらのうち、いずれか1種以上を使用できる。モンモリロナイトは、アルミニウムの含水ケイ酸塩であるが、モンモリロナイトを主成分とし、他に石英や雲母、長石、ゼオライト等の鉱物を含んでいるベントナイトであってもよい。着色や不純物を気にする用途に用いる場合等には、不純物が少ない合成スメクタイト(スメクトン)が好ましい。
また、抄造体Xは、例えば特性向上を目的とした酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、離型剤、可塑剤、難燃剤、樹脂の硬化触媒や硬化促進剤、顔料、乾燥紙力向上剤、湿潤紙力向上剤等の紙力向上剤、歩留まり向上剤、濾水性向上剤、サイズ定着剤、消泡剤、酸性抄紙用ロジン系サイズ剤、中性製紙用ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー系サイズ剤、アルケニルコハク酸無水物系サイズ剤、特殊変性ロジン系サイズ剤等のサイズ剤、硫酸バンド、塩化アルミ、ポリ塩化アルミ等の凝結剤等の添加剤から選択される1種または2種以上を、生産条件調整や、要求される物性を発現させることを目的として含むことができる。
<導電材層200を形成する材料>
導電材層200を形成する樹脂材料(第2の樹脂材料)は、上述した通り、熱硬化性樹脂と、導電材とを含む。ここで、上記熱硬化性樹脂は、導電材層200が抄造体を成形してなる層である場合、図4に示したバインダー樹脂Aとして機能する。次いで、上記導電材は、導電材層200が抄造体を成形してなる層である場合、図4に示したフィラーBとして機能する。
また、導電材層200を形成する樹脂材料は、フィラーB以外は、磁性材層100を形成する材料と同じ材料を使用することができる。なお、以下の説明においては、導電材層200を形成するための抄造体を抄造体Yと称する。
(フィラーB)
本実施形態に係る抄造体YにはフィラーBとして、導電材を含有させる。かかる導電材としては、導電性を帯びることが可能な材料により形成された繊維や粒子等が挙げられる。かかる繊維としては、金属繊維や炭素繊維等が挙げられる。そして、上述した金属繊維を構成する金属材料の具体例としては、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、チタン、タングステン、錫、鉛、鉄、銀、クロム、炭素或いはこれらの合金等が挙げられる。中でも、鉄およびアルミニウムを含む合金粒子であることが好ましい。また、上記導電材が粒子である場合、その形状としては、扁平状、粒状、板状および針状等が挙げられる。
そして、本実施形態に係る導電材は、抄造体Y内に形成されているフィラーBのネットワーク構造による導電効果と、磁性による電磁波吸収効果とを両立する観点から、扁平形状に加工された磁性粒子(扁平状の磁性粒子)であることが好ましい。抄造体Y内における扁平状の磁性粒子は、前述したように、その厚肉方向が抄造体Yの平面方向と略平行となるようにして配向することにより、抄造体Yの導電性が向上する。その結果、抄造体Yを用いた導電材層200の電磁波遮蔽性をより向上させることができる。なお、扁平状の磁性粒子を、抄造体YのフィラーBとして含ませることにより、上述した効果が得られる。抄造法以外の方法では、扁平状の磁性粒子が成形体中に均一に分散しづらいため、その他の形状(例えば、球状等)のフィラーBを用いる方がよい。
導電材の含有量は、抄造体Y全体に対して15重量%以上であることが好ましく、30重量%以上であることがより好ましく、45重量%以上であることが特に好ましい。これにより、抄造体Yを成型して得られる成形体について、機械的特性や熱的特性、電磁波遮蔽性のいずれの特性もより効果的に向上させることができる。一方で、導電材の含有量は、抄造体Y全体に対して80重量%以下であることが好ましく、70重量%以下であることがより好ましく、65重量%以下であることが特に好ましい。これにより、抄造体Yの加工性や軽量性を向上させることができる。また、導電材の分散性をより効果的に向上させて、抄造体Yを成型して得られる成形体の機械的特性や熱的特性、電磁波遮蔽性の向上に寄与することも可能である。
フィラーBは、必要特性に応じて、以下の繊維状フィラーや、繊維状フィラーよりもアスペクト比の低い他のフィラーを用いてもよい。くわえて、上記繊維状フィラーや、上記繊維状フィラーよりもアスペクト比の低い他のフィラーは、シランカップリング剤、アルミネートカップリング剤、チタネートカップリング剤等で表面処理されてもよいし、樹脂との密着性や取り扱い性を向上させるために収束剤処理されていてもよい。
上記繊維状フィラーは、例えば炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維等の無機繊維;木材繊維、木綿、麻、羊毛等の天然繊維;レーヨン繊維等の再生繊維;セルロース繊維等の半合成繊維;ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、エチレンビニルアルコール繊維等の合成繊維から選択される1種または2種以上を含むことができる。これらの中でも、熱伝導性を向上させる観点からは、無機繊維を含むことが好ましく、炭素繊維を含むことがより好ましい。また、機械的特性を向上させる観点からは、合成繊維および無機繊維のうちの1種または2種以上を含むことがより好ましい。特に曲げ強さを向上させる観点からは、炭素繊維を含むことが特に好ましい。また、耐衝撃性を向上させる観点からは、アラミド繊維を含むことが特に好ましい。
また、繊維状フィラーのアスペクト比は、100以上であることが好ましく、150以上であるとより好ましく、200以上であることが特に好ましい。一方で、繊維状フィラーのアスペクト比は、抄造体Yの製造容易性や、抄造体Yを成形して得られた硬化物の強度を向上させる観点から、1000以下であることが好ましく、700以下であることがより好ましい。なお、繊維状フィラーのアスペクト比は、繊維長/繊維幅により求められる。また、本明細書における繊維状フィラーは、パルプCを含まない概念である。
繊維状フィラーの繊維長は、例えば100μm以上200mm以下であることが好ましく、500μm以上50mm以下であることがより好ましく、500μm以上10mm以下であることが特に好ましい。また、繊維状フィラーの繊維幅は、例えば0.5μm以上1mm以下であることが好ましく、3μm以上100μm以下であることがより好ましい。繊維状フィラーの繊維長および繊維幅を上述の範囲とすることにより、繊維状フィラーのアスペクト比を所望の範囲内とすることがより容易となる。
上記繊維状フィラーよりもアスペクト比の低い他のフィラーは、例えば、アスペクト比が50以下のである。こうすることによって、上述した繊維状フィラーとの絡みつかせることが可能であり、得られる成形品の機械的強度を向上させることができる。また、かかるアスペクト比は、50以下であると好ましく、30以下であることがより好ましく、20以下であることが特に好ましい。
上記繊維状フィラーよりもアスペクト比の低い他のフィラーの繊維長または長径は、例えば1μm以上10mm以下であることが好ましく、10μm以上1mm以下であることがより好ましく、10μm以上500μm以下であることが特に好ましい。また、上記他のフィラーの繊維幅または短径は、例えば0.5μm以上500μm以下であることが好ましく、1μm以上100μm以下であることがより好ましい。これにより、アスペクト比を所望の範囲内とすることがより容易となる。こうすることで得られた成形体の、熱的特性、機械的特性、および電磁波遮蔽性能のバランスの向上を図ることもできる。
上記繊維状フィラーよりもアスペクト比の低い他のフィラーは、必要特性に応じて種々の形状を有することができる。本実施形態においては、かかる他のフィラーとして、例えばミルドファイバー等の繊維材料、または粉粒体のうちの少なくとも一方を用いることができる。
ここで、上記繊維状フィラーよりもアスペクト比の低い他のフィラーが繊維材料を含む場合、かかる他のフィラーは、例えばアルミニウム、銀、銅、マグネシウム、鉄、クロム、ニッケル、チタン、亜鉛、錫、モリブデンおよびタングステンからなる群から選択される1種または2種以上の金属元素を含む金属繊維;炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維等の無機繊維;木材繊維、木綿、麻、羊毛等の天然繊維;レーヨン繊維等の再生繊維;セルロース繊維等の半合成繊維;ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、エチレンビニルアルコール繊維等の合成繊維から選択される1種または2種以上を含むことができる。これらの中でも、熱伝導性を向上させる観点からは、金属繊維および無機繊維のうちの1種または2種以上を含むことが好ましく、金属繊維および炭素繊維のうちの少なくとも一方を含むことがより好ましい。機械的特性と熱伝導性のバランスを向上させる観点からは、炭素繊維を少なくとも含むことが特に好ましい。
上記繊維状フィラーよりもアスペクト比の低い他のフィラーが繊維材料を含む場合、かかる他のフィラーは、例えば黒鉛、カーボンブラック、炭、コークス、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン等の炭素材料、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラスのようなケイ酸塩、酸化チタン、アルミナのような酸化物、ケイ酸マグネシウム、溶融シリカ、結晶シリカのようなケイ素化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトのような炭酸塩、酸化亜鉛、酸化マグネシウムのような酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムのような水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウムのような硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムのようなホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素のような窒化物から選択される1種または2種以上の粉粒体を含むことができる。これらの中でも、機械的特性と熱伝導性のバランスを向上させる観点からは、炭素材料を含むことが好ましく、黒鉛またはカーボンブラックのうちの少なくとも一方を含むことがより好ましい。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
次に、本発明の実施例および比較例について説明する。
<実施例:電磁波吸収積層体を形成するための樹脂シートの製造>
各実施例について、次のようにして電磁波吸収積層体を形成するための樹脂シートを製造した。
まず、磁性材層を形成するために用いる素形体を以下の方法で作製した。
表1に示す配合量の、アトマイザー粉砕機で平均粒径45μm(質量基準の50%粒子径)に粉砕したバインダー樹脂Aと、フィラーBと、パルプCとからなる構成材料を、溶媒である水に添加して、ディスパーザーで30分撹拌して混合物を得た。ここでは、構成材料(バインダー樹脂A、フィラーBおよびパルプC)の合計100重量部を10000重量部の水に添加した。次いで、あらかじめ水に溶解させた凝集剤Dを、上述した構成材料と、かかる凝集剤Dとの合計量に対して1重量%添加し、構成材料をフロック状に凝集させた。次に、得られた凝集物を30メッシュの金属網で水と分離した。その後、分離後の凝集物を、磁性材層を形成するために用いる素形体として用いた。なお、最終生成物である電磁波吸収積層体において、磁性材層と導電材層との接合界面にジャギー構造を形成する場合、得られた素形体において、後述する導電材層を形成するために用いる素形体と接合させる側の面に、所望のジャギー構造が得られるように表面加工を施した。
次に、導電材層を形成するために用いる素形体を、上述した磁性材層を形成するために用いる素形体と同様の方法で作製した。なお、最終生成物である電磁波吸収積層体において、磁性材層と導電材層との接合界面にジャギー構造を形成する場合、得られた素形体において、磁性材層を形成するために用いる素形体と接合させる側の面に、所望のジャギー構造が得られるように表面加工を施した。
次に、得られた2種類の素形体(凝集物)を積層した上で、かかる凝集物の積層体を脱水プレスし、さらに50℃の乾燥器に5時間入れて乾燥させて、複合樹脂組成物により構成される樹脂シートを得た。収率は97%であった。
<比較例:電磁波吸収積層体を形成するための樹脂シートの製造>
各比較例について、次のようにして電磁波吸収積層体を形成するための樹脂シートを製造した。
表1に示す配合量の、アトマイザー粉砕機で平均粒径45μm(質量基準の50%粒子径)に粉砕したバインダー樹脂Aと、フィラーBと、パルプCとからなる構成材料を、溶媒である水に添加して、ディスパーザーで30分撹拌して混合物を得た。ここでは、構成材料(バインダー樹脂A、フィラーBおよびパルプC)の合計100重量部を10000重量部の水に添加した。次いで、あらかじめ水に溶解させた凝集剤Dを、上述した構成材料と、かかる凝集剤Dとの合計量に対して1重量%添加し、構成材料をフロック状に凝集させた。次に、得られた凝集物を30メッシュの金属網で水と分離した。その後、分離後の凝集物を脱水プレスし、さらに50℃の乾燥器に5時間入れて乾燥させて、複合樹脂組成物により構成される形成するための樹脂シートを得た。収率は97%であった。
各実施例および比較例について、フィラーBが樹脂シート中において樹脂シートの平面方向に配向されていることを確認した。表1に示す各成分の詳細は、下記のとおりである。なお、表1中における各成分の配合割合の単位は、重量%である。
(バインダー樹脂A)
・フェノール樹脂:レゾール樹脂(PR−51723、住友ベークライト(株)製)
(フィラーB)
・アラミド繊維:繊維長3mm、繊維幅12μm
・ステンレス鋼繊維(SUS繊維):繊維長5mm、繊維幅10μm
・ケイ素鋼球状粉末(磁性球形粉末):山陽特殊製鋼社製、FM79DF6H、平均粒径50μm
・ケイ素鋼扁平粉末(磁性扁平粉末):山陽特殊製鋼社製、FME3DH、長辺100μm、厚み約3μm
(パルプC)
・アラミドパルプ:ケブラーパルプ1F303(東レ・デュポン(株)製)
(凝集剤D)
・合成スメクタイト:スメクトン(クニミネ工業社製)
<電磁波吸収体の製造>
上述した方法で得られた樹脂シートを、圧力300kg/cm、温度180℃の条件で10分間熱処理することにより、各実施例および比較例に係る電磁波吸収体を作製した。なお、比較例に係る電磁波吸収体は、導電材層と磁性材層とを備える積層体ではなく、導電材と磁性材とを同一層に含む単層で構成されていた。なお、以下の表1には、かかる単層のことを、混合層と称して比較例に係る結果を示す。
また、実施例の電磁波吸収体における導電材層と磁性材層との厚みは、それぞれ1mmであった。一方、比較例の電磁波吸収体の厚みは2mmであった。
実施例および比較例の電磁波吸収体を用いて、以下の評価を行った。
・電磁波吸収体の電磁波吸収量:まず、得られた電磁波吸収体を同心円状に切削して試験片を作製した。次いで、得られた試験片と、ネットワークアナライザ(アジレント・テクノロジー社製)とを用いて、同軸管法(IEC62333規格に準ずる)により、周波数5GHz、8GHz、10GHz、12GHz、14GHz、16GHzおよび18GHzの電磁波減衰量(電磁波吸収量)の測定を行った。なお、かかる測定に用いた同軸管は、キーコム社製のS−GPC7(外径:6.97mm、内径:3.05mm)を用いた。なお、電磁波吸収量の単位は、%である。
・磁性材層の電磁波反射量Raおよび導電材層の電磁波反射量Rb:実施例の電磁波吸収体を構成する磁性材層と導電材層とのそれぞれについて、以下の方法で電磁波反射量を測定した。
まず、上述した方法で、磁性材層を形成するために用いる素形体と、導電材層を形成するために用いる素形体とを、積層することなくそれぞれ、脱水プレスし、さらに50℃の乾燥器に5時間入れて乾燥させて、複合樹脂組成物により構成される樹脂シートを得た。次に、得られた樹脂シートを圧力300kg/cm、温度180℃の条件で10分間熱処理することにより、硬化物を作製した。この硬化物を同心円状に切削して試験片を作製した。次いで、得られた試験片と、ネットワークアナライザ(アジレント・テクノロジー社製)とを用いて、同軸管法(IEC62333規格に準ずる)により、当該試験片について周波数5GHz、8GHz、10GHz、12GHz、14GHz、16GHz、18GHzの電磁波の反射減衰量(電磁波反射量)を求めた。なお、かかる測定に用いた同軸管は、キーコム社製のS−GPC7(外径:6.97mm、内径:3.05mm)を用いた。なお、電磁波反射量の単位は、%である。
・混合層の電磁波反射量Rc:上述した方法で作製した混合層を形成するために用いる素形体を用いた厚さ2mmの樹脂シートから得られた試験片を用いたという点以外は、上記磁性材層の電磁波反射量Raおよび上記導電材層の電磁波反射量Rbと同様の方法で、電磁波反射量Rcを求めた。
上記評価項目に関する評価結果を、導電材層、磁性材層および混合層の配合組成とあわせて以下の表1に示す。
Figure 0006973080
実施例の電磁波吸収積層体は、いずれも、良好な電磁波遮蔽性と良好な電磁波吸収性とを両立した電磁波吸収積層体であった。そのため、実施例の電磁波吸収積層体を用いて図3(a)に示すように電子装置の表面を覆った場合、かかる電子装置に誤作動や機能不全等の不都合が生じることを効果的に抑制できると考えられる。一方、比較例の電磁波吸収体は、実施例と比べて、電磁波遮蔽性という点において劣っていた。そのため、比較例の電磁波吸収体を用いて図3(a)に示すように電子装置の表面を覆った場合、電子装置の誤作動や機能不全等の不都合の発生を、要求水準を満たす程度に抑制できないと考えられる。
また、実施例1の磁性材層および導電材層の構成材料を、それぞれ、塗工・乾燥して得られた素形体を積層して、樹脂シートを得た。かかる樹脂シートを用いて、実施例1と同様にして、電磁波吸収体を製造した。その結果、かかる電磁波吸収体も、良好な電磁波遮蔽性と良好な電磁波吸収性とを有していた。
本発明の電磁波吸収積層体は、熱硬化性樹脂と磁性金属で構成された粒子および/または繊維とを含む第1の樹脂材料により形成された磁性材層と、熱硬化性樹脂と導電材とを含む第2の樹脂材料により形成された導電材層とを有する。また、本発明の電磁波吸収積層体では、導電材層の電磁波反射量Rbと磁性材層の電磁波反射量Raとが、Ra≦Rbの関係を満足する。かかる条件を満足する電磁波吸収積層体は、良好な電磁波遮蔽性と良好な電磁波吸収性とを両立することができる。そのため、かかる電磁波吸収積層体で電子機器(装置)の表面を覆った場合に、電子機器に誤作動や機能不全等の不都合が生じることを効果的に抑制することができる。したがって、本発明は、産業上の利用可能性を有する。

Claims (13)

  1. 熱硬化性樹脂と、磁性金属で構成された粒子および/または繊維とを含む第1の樹脂材料により形成された磁性材層と、
    熱硬化性樹脂と、導電材とを含む第2の樹脂材料により形成された導電材層と、を有し、
    前記磁性材層および前記導電材層が、前記第1の樹脂材料および前記第2の樹脂材料をそれぞれシート成形して得られた樹脂シートを積層して、加圧しながら熱処理を行って得られる、前記第1の樹脂材料の硬化物および前記第2の樹脂材料の硬化物であり、
    前記第1の樹脂材料および前記第2の樹脂材料を、それぞれ単独でシート成形し、圧力300kg/cm、温度180℃の条件で10分間熱処理することにより、前記第1の樹脂材料の前記硬化物および前記第2の樹脂材料の前記硬化物を準備し、周波数5〜18GHzの所定の周波数の電磁波における、IEC62333規格に準拠した同軸管法で測定した前記第1の樹脂材料の前記硬化物の電磁波反射量をRa、前記第2の樹脂材料の前記硬化物の電磁波反射量をRbとした時、Ra<Rbの関係を満たすことを特徴とする電磁波吸収積層体。
  2. 前記導電材は、鉄およびアルミニウムを含む合金粒子である、請求項1に記載の電磁波吸収積層体。
  3. 前記導電材は、扁平形状に加工された磁性粒子である、請求項1または2に記載の電磁波吸収積層体。
  4. 前記磁性金属で構成された粒子は、鉄およびアルミニウムを含む合金粒子である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電磁波吸収積層体。
  5. 前記熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂およびポリウレタンからなる群より選択される1種又は2種以上を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電磁波吸収積層体。
  6. 前記磁性材層と、前記導電材層とが接合してなる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電磁波吸収積層体。
  7. 前記磁性材層と前記導電材層との間に、前記第1の樹脂材料と、前記第2の樹脂材料とが混在した中間層をさらに有する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電磁波吸収積層体。
  8. 前記磁性材層は、前記第1の樹脂材料を含む抄造体で構成されている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電磁波吸収積層体。
  9. 前記導電材層は、前記第2の樹脂材料を含む抄造体で構成されている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の電磁波吸収積層体。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の電磁波吸収積層体で構成された筐体。
  11. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の電磁波吸収積層体を準備する工程と、
    前記電磁波吸収積層体により電子装置の表面を覆う工程と、
    を含む、電磁波吸収積層体の使用方法。
  12. 前記電子装置の表面を覆う工程は、前記電磁波吸収積層体を、前記磁性材層が前記電子装置の表面と対向するように配置する工程を含む、請求項11に記載の電磁波吸収積層体の使用方法。
  13. 前記電子装置の表面を覆う工程は、前記電磁波吸収積層体を、前記導電材層が、前記電子装置の表面と対向するように配置する工程を含む、請求項11に記載の電磁波吸収積層体の使用方法。
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