JP6968854B2 - 偏光板の製造方法及び偏光板 - Google Patents

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Description

本発明は、偏光板の製造方法及び偏光板に関する。
偏光板は、液晶表示装置等の画像表示装置を構成する光学部品の一つとして用いられている。画像表示装置は、スマートフォンやタブレット等の携帯端末にも使用されており、このような携帯端末にも偏光板が組み込まれることが知られている。
スマートフォンやタブレット等の携帯端末では、ディスプレイ(表示部)の周縁部に凹部が形成された形状とされることがある。上記のような凹部を有するディスプレイでは、ディスプレイの形状に合わせて凹部を有する偏光板が用いられる(例えば、特許文献1、2等)。凹部を有する偏光板を得る方法としては、原料偏光板に凹部を形成するように切断刃を用いて打抜く方法や、原料偏光板の端面に切削加工を施して凹部を形成する方法等が知られている(例えば、特許文献2等)。
特開2018−25630号公報 特開2018−12182号公報
原料偏光板の端面に対する切削加工は、通常2回以上行われる。この場合、まず比較的大きな切削幅で切削加工を行う粗削りを行い、その後、比較的小さな切削幅で切削加工を行う仕上げ削りが行われる。
上記の切削加工を施して凹部を有する偏光板を製造した場合、偏光板の結露ヒートショック試験により、凹部の周辺に長いクラックが発生する場合があることが見出された。スマートフォンやタブレット等の携帯端末では、表示領域の拡大やデザイン性の観点から狭額縁化が進められているものがある。このような狭額縁化が図られた携帯端末では、額縁によって長いクラックを隠蔽しにくくなっているため、表示不良等の問題が引き起こされることがあった。
本発明は、結露ヒートショック試験により、凹部の周辺に長いクラックが発生することを抑制することができる偏光板の製造方法及び偏光板の提供を目的とする。
本発明は、以下の偏光板の製造方法及び偏光板を提供する。
〔1〕 平面視において周縁部に凹部を有する偏光板の製造方法であって、
偏光子層の片面又は両面に保護層を有する原料偏光板を準備する工程と、
前記原料偏光板の周縁部に対してエンドミルを相対移動させながら、前記凹部を形成するように切削加工を施す工程[a]を含み、
前記工程[a]における前記切削加工は、切削幅が150μm以下となるように行う切削加工である、偏光板の製造方法。
〔2〕 前記原料偏光板は、前記凹部が形成される領域に凹形状の切欠き部を有する、〔1〕に記載の偏光板の製造方法。
〔3〕 前記工程[a]を2回以上行う、〔1〕又は〔2〕に記載の偏光板の製造方法。
〔4〕 さらに、前記原料偏光板の周縁部に対してエンドミルを相対移動させながら、前記凹部以外の前記偏光板の周縁部を形成するように切削加工を施す工程[b]を含む、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
〔5〕 前記工程[a]と前記工程[b]とを連続的に行う、〔4〕に記載の偏光板の製造方法。
〔6〕 前記偏光子層は、二色性色素が吸着配向しているポリビニルアルコール系樹脂層である、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
〔7〕 平面視において周縁部に凹部を有する偏光板であって、
前記偏光板は、偏光子層の片面又は両面に保護層を有し、
前記凹部の輪郭に沿う長さ5mmの任意の範囲に存在する縁から面方向に30μmの位置及び50μmの位置のいずれにもクレーズが存在しない、偏光板。
〔8〕 さらに、前記任意の範囲に存在する縁から面方向に10μmの位置に、クレーズが存在する又はクレーズが存在しない、〔7〕に記載の偏光板。
〔9〕 前記凹部の輪郭は、曲線状部分と直線状部分とを有し、
前記任意の範囲に存在する縁は、前記直線状部分における、前記曲線状部分に隣接する側から5mmの長さの範囲に存在する縁である、〔7〕又は〔8〕に記載の偏光板。
〔10〕 前記凹部の輪郭は、互いに対向するように設けられ且つそれぞれに直線状部分を有する2つの辺と、前記2つの辺を結び且つ直線状部分を有する1つの辺とを含み、
前記任意の範囲に存在する縁は、前記1つの辺の直線状部分における、前記1つの辺と前記2つの辺の一方とが接する側から5mmの長さの範囲に存在する縁である、〔7〕〜〔9〕のいずれかに記載の偏光板。
〔11〕 前記偏光子層は、二色性色素が吸着配向しているポリビニルアルコール系樹脂層である、〔7〕〜〔10〕のいずれかに記載の偏光板。
本発明によれば、結露ヒートショック試験により、凹部の周辺に長いクラックが発生することを抑制することができる偏光板を提供することができる。
本発明の偏光板の一例を模式的に示す概略平面図である。 本発明の偏光板の製造方法に用いるエンドミルの一例を模式的に示す概略正面図である。 (a)〜(d)は、本発明の偏光板の製造方法の一例を模式的に示す概略上面図である。 (a)〜(c)は、本発明の偏光板の製造方法の一例を模式的に示す概略上面図である。 (a)及び(b)は、エンドミルの回転方向と移動方向との関係を説明する説明図である。 本発明の偏光板の一例を模式的に示す概略断面図である。 (a)及び(b)は、偏光板の断面を走査型レーザー顕微鏡で観察した画像を示す図である。 (a)及び(b)は、本発明の偏光板の他の一例を模式的に示す概略平面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。
(偏光板の製造方法)
図1は、本実施形態の偏光板の一例を模式的に示す概略平面図である。本実施形態の偏光板の製造方法は、例えば図1に示すように、平面視において周縁部に凹部11を有する偏光板10の製造方法である。偏光板10の製造方法は、偏光子層の片面又は両面に保護層を有する原料偏光板30を準備する工程と、原料偏光板30の周縁部に対してエンドミル50を相対移動させながら、凹部11を形成するように切削加工を施す工程[a]を含む。工程[a]における切削加工は、切削幅が150μm以下となるように行う切削加工である。偏光板10の製造方法で行う切削加工には、研磨加工も含まれる。
図2は、偏光板の製造方法に用いるエンドミルの一例を模式的に示す概略正面図である。エンドミル50は、原料偏光板30の端面(厚み方向に沿う面)を切削するための切削工具である。エンドミル50は、図2に示すように、回転軸51を有する工具本体の一方の先端側に、外周面に切削刃52aを有する切削部52が設けられたものである。図2に示すエンドミル50では、切削刃52aが右刃である場合を示しているがこれに限定されない。例えば、切削刃52aは左刃であってもよく、刃のねじれの向きは右ねじれであってもよく左ねじれであってもよい。
エンドミル50の切削角度βは、例えば30°以上であり、40°以上であってもよく、45°以上であってもよく、また、通常70°以下であり、65°以下であってもよい。エンドミル50の切削角度β[°]は、エンドミル50のねじれ角をα[°]とすると下式:
β=90°−α
で表される。ねじれ角αは、図2に示すように、エンドミル50の外周面において切削刃52aが延在する方向d1と回転軸51とのなす角度である。言い換えれば、切削角度βは、図2に示すように、切削刃52aが延在する方向d1と回転軸51に垂直な方向d2とのなす角度である。
エンドミル50の直径φ(切削刃の回転によって描かれる最大の直径)は、例えば3mm以上であり、5mm以上であってもよく、また、30mm以下であってもよく、10mm以下であってもよく、6mm以下であってもよい。
上記のエンドミル50を用いて原料偏光板30の切削加工を行い、偏光板10を製造する方法では、例えば、切削装置の載置台に載置された原料偏光板30をクランプ等の固定具により固定し、エンドミル50又は載置台を移動することにより、原料偏光板30の周縁部に対してエンドミル50を相対移動させながら切削加工を行う。原料偏光板30の周縁部に対するエンドミル50の相対移動は、例えば、図3(a)〜(d)及び図4(a)〜(c)に示すように行うことができる。図3(a)〜(d)及び図4(a)〜(c)は、偏光板の製造方法の一例を模式的に示す概略上面図である。
偏光板10の製造方法では、まず、図3(a)に示すように、所定の形状及びサイズに切り出された原料偏光板30を準備する工程を行う。図3(a)では、一辺に凹形状の切欠き部31が形成された長方形状の原料偏光板30を示している。この原料偏光板30は、例えば、打抜き加工や切断加工等により長方形状に切り出された切り出し片の一辺に、さらに打抜き加工や切断加工等を行って切欠き部31を形成することによって得ることができる。原料偏光板30は、一度の打抜き加工又は一度の切断加工によって、切欠き部31を有する形状に切り出されてもよい。
次に、原料偏光板30の周縁部に対してエンドミル50を相対移動させながら切削加工を施す工程(以下、工程[A]ということがある。)を行う。工程[A]における切削加工は、回転軸51を中心にして回転するエンドミル50の切削部52を原料偏光板30の端面に接触させて行うことができる。原料偏光板30の端面は、原料偏光板30の厚み方向(面方向に直交する方向)に沿う面である。工程[A]を行うことにより、原料偏光板30切欠き部31の領域に、偏光板10の凹部11を形成し(工程[a])、切欠き部31以外の領域に、偏光板10の凹部11以外の周縁部を形成する(工程[b])ことができる。
より具体的には、原料偏光板30の周縁部に対して、例えば図3(a)〜(c)中にブロック矢印で示す方向にエンドミル50を相対移動させながら切削加工を行うことにより、図3(b)及び(c)に示すように、凹部11以外の偏光板10の周縁部を形成する工程[b]を行う。工程[b]は、図3(b)及び(c)に示すように、原料偏光板30の角部を面取りするように切削加工を行って角丸形状(Rを有する形状)を形成する工程を含むことができる。この工程[b]に連続してさらに切削加工を行うことにより、図3(d)に示すように凹部11を形成する工程[a]を行うことができる。工程[a]は、凹部11を形成するとともに、凹部11の角部を面取りするように切削加工を行って角丸形状(Rを有する形状)を形成する工程を含むことができる。
工程[a]は、原料偏光板30において凹部11が形成される領域に対して切削加工を施す工程であり、この工程[a]を1回以上行うことにより凹部11を形成する。工程[a]における切削加工は、1回あたりの切削幅が150μm以下となるように行う。切削幅は、原料偏光板30について、切削前の周縁部の輪郭と切削後の周縁部の輪郭とを同心状に重ね合わせたときの、切削前の周縁部の各位置(周縁部上の各点)と切削後の周縁部の各位置(周縁部上の各点)との間の最短距離である。切削幅は、140μm以下であってもよく、120μm以下であってもよく、100μm以下であってもよい。切削幅は、通常10μm以上であり、20μm以上であってもよい。
工程[a]は、切削幅が上記の範囲内であれば何回行ってもよい。工程[a]は、良好な切削端面を形成し、切削加工を効率よく行う観点から、2回以上行うことが好ましく、3回以上行ってもよく、また、通常10回以下であり、5回以下であることが好ましい。工程[a]を2回以上行う場合、いずれの回においても切削幅を150μm以下とすればよく、各回における切削幅は同じであってもよく、異なっていてもよい。工程[a]を2回以上行う場合は、例えば、先に切削幅の大きい切削加工を行い、その後、切削幅の小さい切削加工を行うようにしてもよい。
上記のように、偏光板10の製造方法では、凹部11を形成するために行う切削加工における1回あたりの切削幅を小さくしている。これにより、偏光板10の結露ヒートショック試験によって凹部11の周辺に長いクラックが発生することを抑制することができる。クラックとは、偏光板10の外面又は厚み方向に貫通している又は貫通していない割れ目であって、この割れ目の間が完全に引き離されているものをいう。
上記クラックは、結露ヒートショック試験による偏光板の収縮により、偏光板10の表面や偏光板10の内部に存在する後述するクレーズ(偏光板10の表面や内部の細かい亀裂)を起点として発生すると推測される。特に、偏光板10の凹部11では、結露ヒートショック試験による偏光板の収縮や膨張によって応力が集中しやすいため、上記クレーズを起点として凹部11の周辺に長いクラックが生じやすいと推測される。
これらの点から、結露ヒートショック試験による長いクラックの発生を低減するためには、偏光板10の凹部11の周辺に発生するクレーズを抑制する必要があると考えられる。クレーズは、打抜き加工、切断加工、又は切削加工等において、原料偏光板30に付与される負荷によって発生すると推測される。一方、上記のように切削加工における1回あたりの切削幅を小さくすることにより、原料偏光板30の切削加工によって生じる切削抵抗を相対的に小さくすることができると考えられる。また、切削加工の1回あたりの切削幅を小さくすることにより、切削加工に伴って偏光板に蓄積する負荷の量も相対的に低減することもできると考えられる。これらの点から、上記した工程[a]のように切削加工を行うことにより、偏光板10の凹部11の周辺に発生するクレーズを抑制できると推測される。その結果、1回あたりの切削幅を小さくして凹部11を形成した偏光板10では、結露ヒートショック試験による長いクラックの発生を抑制することができると考えられる。
特に、凹部11を有する偏光板10は、スマートフォンやタブレット等の携帯端末の表示装置に用いることが想定され、凹部11の領域には、受話口、スピーカー、カメラレンズ、各種センサ等が配置される。スマートフォンやタブレット等の携帯端末では、表示領域の拡大やデザイン性の観点から狭額縁化が進められている。そのため、比較的広い額縁を有する表示装置では額縁によって隠蔽されるために問題とならなかった長さのクラックであっても、狭額縁化が図られた表示装置では表示領域に悪影響を及ぼすため問題になることがある。上記のように、結露ヒートショック試験による長いクラックの発生が抑制された偏光板10は、狭額縁化が進められたスマートフォンやタブレット等の携帯端末等に好適に用いることができる。
図3(a)〜(d)のように切削加工を行って凹部11が形成された原料偏光板30は、例えば図4(a)〜(c)に示すようにさらに切削加工を施すことにより、偏光板10を製造することができる。図4(a)に示すように、図3(a)〜(d)に示す工程で切削加工が施されていない原料偏光板30の端部に対して、原料偏光板30の端面に、回転軸51を中心にして回転するエンドミル50の切削部52を接触させ、原料偏光板30の周縁部に対して、図4(a)中にブロック矢印で示す方向にエンドミル50を相対移動させながら切削加工を行う。これにより、図4(b)に示すように、凹部11以外の偏光板10の周縁部を形成する工程[b]を行う。工程[b]は、図4(b)に示すように、原料偏光板30の角部を面取りするように切削加工を行って角丸形状(Rを有する形状)を形成する工程を含むことができる。これにより、図1に示す周縁部に凹部11が形成された偏光板10を得ることができる(図4(c))。
上記した工程[b]における1回あたりの切削幅は特に限定されない。工程[b]における1回あたりの切削幅は、例えば150μm以下であってもよく、150μm超であってもよい。工程[b]における1回あたりの切削幅は、工程[b]の前又は後に行われる工程[a]と同じであってもよい。
工程[b]は、1回又は2回以上行うことができる。工程[b]は、良好な切削端面を形成し、切削加工を効率よく行う観点から、通常2回以上行うことが好ましく、3回以上行ってもよく、通常10回以下であり、5回以下であることが好ましい。工程[b]を行う回数は、工程[b]の前又は後に行われる工程[a]と同じであってもよい。
上記した工程[A]の切削加工において、エンドミル50の回転方向とエンドミル50の相対移動方向との関係は、特に限定されない。図5(a)及び(b)は、エンドミルの回転方向と相対移動方向との関係を説明する図である。上記切削加工では、図5(a)に示すように、原料偏光板30の端面とエンドミル50の切削部52との接触部分におけるエンドミル50の回転方向(図中、線矢印で示す方向)は、原料偏光板30の周縁部に対するエンドミル50の相対移動方向(図中、ブロック矢印で示す方向)と同じとなる、いわゆるアップ方向であってもよく、その逆のダウン方向であってもよい。ダウン方向とは、図5(b)に示すように、原料偏光板30の端面とエンドミル50の切削部52との接触部分におけるエンドミル50の回転方向(図中、線矢印で示す方向)が、原料偏光板30の周縁部に対するエンドミル50の相対移動方向(図中、ブロック矢印で示す方向)と逆になる方向をいう。凹部11の周辺に発生するクラックの長さを短くする観点から、上記工程[a]は、エンドミル50の回転方向をアップ方向として切削加工を行うことが好ましい。
上記した工程[A]の切削加工において、エンドミル50の回転速度は特に限定されないが、通常500rpm以上であり、1000rpm以上であってもよく、5000rpm以上であってもよく、10000rpm以上であってもよく、20000rpm以上であってもよい。エンドミル50の回転速度は、通常60000rpm以下であり、55000rpm以下であってもよく、50000rpm以下であってもよい。工程[A]が工程[a]及び工程[b]を含む場合、エンドミル50の回転速度は、工程[a]と工程[b]とで互いに同じであってもよく、互いに異なっていてもよく、また、工程[a]及び工程[b]を行う中で部分的に異ならせてもよい。
上記した工程[A]の切削加工において、原料偏光板30に対するエンドミル50の相対移動速度(送り速度)は特に限定されないが、通常100mm/分以上であり、500m/分以上であってもよく、1000mm/分以上であってもよく、また、通常3000mm/分以下であり、2500mm/分以下であってもよく、2000mm/分以下であってもよい。工程[A]が工程[a]及び工程[b]を含む場合、原料偏光板30に対するエンドミル50の相対移動速度(送り速度)は、工程[a]と工程[b]とで互いに同じであってもよく、互いに異なっていてもよく、工程[a]及び工程[b]を行う中で部分的に異ならせてもよい。
上記した工程[A]は、1枚の原料偏光板30で行ってもよく、2枚以上の原料偏光板30を積層して行ってもよい。原料偏光板30を積層する場合、積層枚数は原料偏光板30の厚みにもよるが、例えば10枚以上とすることができ、20枚以上であってもよく、30枚以上であってもよく、40枚以上であってもよく、また、通常100枚以下であり、80枚以下であってもよく、60枚以下であってもよい。
図3(a)〜(d)に示す切削工程と図4(a)〜(c)に示す切削工程とにおいて用いるエンドミル50は、互いに同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。異なるエンドミル50を用いる場合、エンドミルの種類(切削刃の形状、切削刃の向きや角度、切削刃のねじれの向きや角度等)が互いに異なっていてもよい。また、図3(a)〜(d)に示す切削工程と図4(a)〜(c)に示す切削工程とにおいて、各切削工程における切削条件(エンドミルの回転数、回転速度、相対移動速度、エンドミルの回転方向、相対移動方向等)は、互いに同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。
図3(a)〜(d)及び図4(a)〜(c)に示す偏光板10の製造方法では、図3及び図4において、原料偏光板30の周縁部に沿って反時計回りにエンドミル50が相対移動して切削加工を行う工程と(図3(a)〜(d))、原料偏光板30の周縁部に沿って時計回りにエンドミル50が相対移動して切削加工を行う工程(図4(a)〜(c))とを行うことにより、偏光板10を製造しているが、これに限定されない。例えば、原料偏光板30の周縁部に沿って反時計回り又は時計回りに1周するようにエンドミル50が相対移動して、原料偏光板30の切削加工を行うようにしてもよい。原料偏光板30の切削加工の開始位置及び終了位置も、図3(a)及び(d)に示す位置や、図4(a)及び(c)に示す位置に限定されず、任意の位置を選定することができる。
また、原料偏光板30の周縁部を2つの範囲に分割して、図3(a)〜(d)に示す工程と、図4(a)〜(c)に示す工程とによって切削加工を行う方法に限らず、原料偏光板30の周縁部を任意の範囲に分割して、各範囲について任意の順に切削加工を行ってもよい。この場合も、各工程で用いるエンドミル50の種類及び各工程における切削条件は、互いに同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。また、それぞれの範囲における切削加工を2回以上行ってもよい。
(偏光板)
図6は、偏光板の一例を模式的に示す概略断面図である。偏光板10は、図1に示すように平面視において周縁部に凹部11を有し、例えば図6に示すように、偏光子層1の両面に保護層2,3を有する。偏光板10は、保護層2,3のうちの一方のみを有するものであってもよい。偏光子層1は、二色性色素が吸着配向しているポリビニルアルコール系樹脂層である。保護層2,3は、偏光子層1に直接接するように設けられた層であってもよく、接着剤層又は粘着剤層を介して設けられた層であってもよい。偏光板10は、凹部11の輪郭に沿う長さ5mmの任意の範囲に存在する縁から面方向に30μmの位置及び50μmの位置のいずれにもクレーズが存在していない。
上記した任意の範囲内の縁は、偏光板10の凹部11の輪郭に沿う範囲であれば特に限定されない。凹部11の輪郭が5mm以上にわたって直線状になっている部分であることが好ましい。偏光板10の凹部11が直線状部分と曲線状部分とを含む場合、上記した任意の範囲内の縁は、直線状部分における、曲線状部分に隣接する(連なる)側から5mmの長さの範囲に存在する縁であることが好ましい。
具体的には、図1に示すように、偏光板10の凹部11の輪郭が、互いに対向するように設けられ且つそれぞれに直線状部分を有する2つの辺11a,11cと、この2つの辺11a,11cを結び且つ直線状部分を有する1つの辺11bとを有する場合、2つの辺のうちの一方の辺11aと1つの辺11bとが接する位置11ab、2つの辺のうちの他方の辺11cと1つの辺11bとが接する位置11bc、及びこれらの近傍において、湿熱ヒートショック試験による応力が集中しやすいと考えられる。そのため、上記した任意の範囲内の縁は、1つの辺11bの直線状部分において、2つの辺11a,11cのうちの一方と1つの辺11bとが接する側から5mmの長さの範囲に存在する縁とすることが好ましい。1つの辺11bの直線状部分とは、図1に示す偏光板10のように、凹部11が角丸部分を有する場合、2つの辺11a,11cのうちの一方と1つの辺11bとが接する部分が含まれる角丸部分を構成する曲線状部分を除いた直線状の部分である。
凹部11の輪郭は、偏光板10の周縁部のうち凹部11の輪郭を形成する部分の周縁部全体である。凹部11の輪郭を形成する部分と凹部11以外の周縁部の輪郭を形成する部分との境界は、当該境界が角部である場合は角部の頂点であり、当該境界が角丸を有する場合(角がR形状を有する場合)は角丸部分の輪郭長さを二等分する位置とする。偏光板10の凹部11の縁は、偏光板10の凹部11における端面(厚み方向に沿う面)のうちの面方向において最も外側に存在する部分の縁をいう。凹部11の縁から面方向の距離は、上記した任意の範囲に存在する縁が直線状である場合には、平面視において直線状の縁に直交する方向における距離である。上記した任意の範囲に存在する縁が曲線状である場合には、曲線状の縁のそれぞれの位置において、当該位置を通る接線に直交する方向における距離を、凹部11の縁から面方向の距離とする。
クレーズは、上記したように、偏光板10の表面や内部の細かい亀裂である。後述するように、偏光板10は偏光子層1及び保護層2,3以外の層を有していてもよいが、偏光板10のクレーズとは、偏光子層1及び保護層2,3に存在するものをいう。クレーズは、偏光板10の断面において、例えば図7(a)に示すように観察される。図7(a)及び(b)は、偏光板10の断面を走査型レーザー顕微鏡で観察した画像を示す図である。図7(a)は、偏光板10の断面にクレーズが存在する場合の画像の一例を示し、クレーズは、図7(a)中の破線囲みで示す部分に存在している。これに対し、偏光板10の断面にクレーズが存在しない場合は、図7(b)に示すように、図7(a)に破線囲みで示すような部分は確認されない。
偏光板10は、上記した凹部11の輪郭に沿う長さ5mmの任意の範囲において、上記したように、任意の範囲に存在する縁から面方向に30μmの位置及び50μmの位置のいずれにもクレーズが存在していない。さらに、偏光板10は、任意の範囲に存在する縁から面方向に10μmの位置に、クレーズが存在していてもよくクレーズが存在していなくてもよい。
結露ヒートショック試験によって発生する長いクラックは、偏光板10に存在するクレーズを起点として、凹部11の縁の方向及びこの縁の方向とは反対方向に向かって発生しやすいと推測される。このことから、偏光板10の凹部11の縁から面方向により離れた位置にクレーズが存在すると、結露ヒートショック試験により発生するクラックの長さが相対的に長くなると考えられる。したがって、上記のように、偏光板10が凹部11の縁から面方向に30μmの位置及び50μmの位置にクレーズを有していないことにより、結露ヒートショック試験によって偏光板10に長いクラックが発生することを抑制することができると考えられる。一方、偏光板10が凹部11の縁から面方向に10μmの位置にクレーズが存在していても、結露ヒートショック試験によって発生するクラックは短いと考えられる。そのため、スマートフォンやタブレット等の携帯端末の表示領域に悪影響を及ぼしにくいと考えられるが、偏光板10が凹部11の縁から面方向に10μmの位置にもクレーズは存在しない方が好ましい。
図8(a)及び(b)は、偏光板の他の一例を模式的に示す概略平面図である。偏光板10の平面視形状は特に限定されない。例えば、少なくとも一辺に凹部11を有する方形状や角丸方形状であってもよい。角丸方形状とは、図1、図8(a)及び(b)に示すように、方形状において4つの角のうち1つ以上(例えば、4つの角すべて)が所定の曲率半径を有する角丸形状となっている形状である。方形状とは、長方形状又は正方形状である。偏光板10の平面視形状は、方形状に限らず、方形状以外の多角形、円形、又は楕円形等であってもよい。
偏光板10の凹部11は、平面視において偏光板10の周縁部に1以上有することができる。偏光板10の平面視形状が、図1、図8(a)及び(b)に示すように角丸方形状である場合、その少なくとも一辺に1以上の凹部11を有することができ、例えば短辺のうちの一辺に凹部11を有することができる。凹部11は、一辺に2以上を有していてもよく、2以上の辺にそれぞれ1以上の凹部11を有していてもよい。
偏光板10の大きさは特に限定されないが、偏光板10が長方形状である場合、例えば、短辺の長さを30mm以上90mm以下とすることができ、長辺の長さを30mm以上170mm以下とすることができる。
偏光板10の凹部11の形状は特に限定されない。例えば、図1に示すように四角形状であってもよく、図8(a)に示すようにU字形状であってもよく、図8(b)に示すようにV字形状であってもよい。凹部11が四角形状である場合、長方形状に限らず、正方形状であってもよい。凹部の角部は面取りされた角丸形状であってもよい。図8(b)のように、V字形状の凹部11の頂部(面方向に最も入り込んだ部分)が面取りされていてもよい。図示していないが、偏光板10の凹部11の形状は、台形状、円弧形状、四角形や三角形以外の多角形状であってもよい。凹部11の形状は、図1、図8(a)及び(b)に示すように図中の左右方向において対称であってもよく、非対称であってもよい。凹部11の輪郭は、直線状部分及び曲線状部分のうちの一方から形成されてもよく、直線状部分及び曲線状部分の両方が含まれていてもよい。
図8(a)及び(b)に示すように凹部11がU字形状及びV字形状である場合、上記した凹部11の輪郭に沿う長さ5mmの任意の範囲に存在する縁は、凹部11の直線状部分の一部であることが好ましく、直線状部分における曲線状部分に隣接する(連なる)側から5mmの長さの範囲に存在する縁であることがより好ましい。具体的には、図8(a)及び(b)に示す偏光板10では、凹部11の頂部(面方向に最も入り込んだ部分)を含む曲線状部分に隣接する直線状部分において、曲線状部分に隣接する側から5mmの長さの範囲(例えば、図中、破線で囲む部分)に存在する縁とすることができる。
偏光板10の凹部11内部に設けられる角部は、面取りされて角丸形状(Rを有する形状)を有することが好ましい。凹部11内部に設けられる角部とは、凹部11に設けられる角部のうち、凹部11の輪郭と凹部11以外の周縁部との境界部分以外に存在する角部である。具体的には、例えば図1に示す偏光板10では、位置11ab及び位置11bcを角丸形状とすることが好ましい。凹部11内部の角部を角丸形状とすることにより、当該部分での結露ヒートショック試験によるクラックの発生を抑制しやすくなる。凹部11の輪郭と凹部11以外の周縁部との境界部分の角部も、面取りされて角丸形状(Rを有する形状)を有していてもよい。
偏光板10の凹部11の大きさは特に限定されないが、凹部11が形成された辺に沿う方向の最大長さ(図1、図8(a)及び(b)中のwで示す距離)は、例えば3mm以上160mm以下とすることができる。凹部11の最大深さ(凹部11が形成された辺に直交する方向、図1、図8(a)及び(b)中のdで示す距離)は、例えば0.5mm以上160mm以下とすることができる。
上記したように、偏光板10は、偏光子層1の片面又は両面に保護層2,3を有する。偏光板10が偏光子層1の両面に保護層2,3を有する場合、その端部において、偏光子層1の両面に設けられた2つの保護層2,3の間には偏光子層1が介在していてもよいが(図6)、偏光子層1を介在することなく直接重なり合っていてもよく、2つの保護層2,3が融着していてもよい。
偏光板10は、さらに、保護層2,3の偏光子層1とは反対側に、粘着剤層を備えていてもよく、粘着剤層の保護層2,3とは反対側にさらに剥離フィルムを備えていてもよい。粘着剤層及び剥離フィルムは、偏光板10の片面又は両面に設けることができる。粘着剤層は、例えば、偏光板10を、液晶表示装置や有機EL表示装置等の表示装置が有する画像表示素子に貼合するために用いることができる。剥離フィルムは、粘着剤層を被覆保護するためのものであり、粘着剤層に対して剥離可能である。
偏光板10は、さらに、保護層2,3の偏光子層1とは反対側に、光学機能層を備えていてもよい。光学機能層は、偏光板10の片面又は両面に設けることができる。偏光板10が上記した粘着剤層を有する場合、光学機能層は、偏光板10の粘着剤層が設けられる側とは反対側に設けられてもよく、偏光板10と粘着剤層との間に設けられてもよい。
偏光板10は、保護層2,3の偏光子層1とは反対側に、プロテクトフィルムを備えていてもよい。プロテクトフィルムは、偏光板10を用いた製品の製造や、偏光板10の製造や輸送に際して、偏光板10の表面に傷や汚れ等が生じることを抑制するために設けられる。偏光板10が光学機能層を有する場合、プロテクトフィルムは光学機能層の偏光子層1とは反対側に設けられる。プロテクトフィルムは偏光板10の表面に対して剥離可能である。
偏光板10は、表示装置の画像表示素子に積層されて用いることができる。表示装置としては、液晶表示装置又は有機EL表示装置等が挙げられる。表示装置が液晶表示装置である場合、液晶セルを有する液晶パネルの一方の表面に偏光板10を積層してもよく、液晶パネルの両面に偏光板10を積層してもよい。偏光板10を表示装置に適用する場合、偏光板10は粘着剤層又は接着剤層を介して画像表示素子に積層されることが好ましい。
(原料偏光板)
原料偏光板30は偏光板10を得るために用いられるものである。上記したように、原料偏光板30は、打抜き加工や切断加工等により、所定の形状及びサイズに切り出されたものであることが好ましい。このような原料偏光板30に対して、例えば上記した工程[A]による切削加工が施されることによって偏光板10を得ることができる。
原料偏光板30は、偏光子層の片面又は両面に保護層を有する。偏光子層は、二色性色素が吸着配向しているポリビニルアルコール系樹脂層である。保護層は、偏光子層に直接接するように設けられた層であってもよく、接着剤層又は粘着剤層を介して設けられた層であってもよい。原料偏光板30は通常、原料偏光板30の切削加工によって偏光板10を得るために、偏光板10と同じ層構造を有することが好ましい。したがって、原料偏光板30はその片面又は両面に、偏光板10が備えていてもよい上記した粘着剤層、光学機能層、プロテクトフィルム等を備えていてもよい。原料偏光板30が粘着剤層を備えている場合、粘着剤層の偏光子層とは反対側に剥離フィルムが設けられていることが好ましい。
原料偏光板30の平面視形状は特に限定されないが、原料偏光板30を用いて製造する偏光板10の形状に略相似する形状であることが好ましい。偏光板10は凹部11を有しているため、原料偏光板30も、例えば図3(a)に示すように、凹形状の切欠き部31を有することが好ましい。原料偏光板30の角部や切欠き部31の角部は、いずれも面取りされていなくてもよい。
原料偏光板30は、例えば、長尺の帯状の偏光子層と長尺の帯状の保護層とを貼合した長尺の帯状の積層体を得、この積層体から、上記した工程[A]での切削加工が行いやすいサイズに切り出すことによって得ることができる。原料偏光板30の切り出しは、打抜き加工や切断加工によって行うことができる。切断加工には、刃物やレーザーを用いることができる。原料偏光板30が凹形状の切欠き部31を有する場合、上記した積層体から所定サイズに切り出された積層体に、打抜き加工や切断加工によって切欠き部31を形成してもよく、上記した積層体の打抜き加工や切断加工によって、切欠き部31を有する原料偏光板30を得てもよい。
以下、偏光板10及び原料偏光板に用いられる各層について詳細に説明する。
(偏光子層)
偏光子層1は、延伸、染色及び架橋等の工程によって作製された、二色性色素が吸着配向しているフィルム状のポリビニルアルコール系樹脂層(PVAフィルム)であることが好ましい。偏光子層1は、公知の方法で作製することができるが、例えば次の手順で作製することができる。
まず、PVAフィルムを、一軸方向又は二軸方向に延伸する。一軸方向に延伸された偏光子層1の二色比は高い傾向がある。延伸に続いて、染色液を用いて、PVAフィルムをヨウ素、二色性色素(ポリヨウ素)又は有機染料によって染色する。染色液は、ホウ酸、硫酸亜鉛、又は塩化亜鉛を含んでいてもよい。染色前にPVAフィルムを水洗してもよい。水洗により、PVAフィルムの表面から、汚れ及びブロッキング防止剤を除去できる。また、水洗によってPVAフィルムが膨潤する結果、染色の斑(不均一な染色)の発生を抑制することができる。染色後のPVAフィルムを、架橋のために、架橋剤の溶液(例えば、ホウ酸の水溶液)で処理する。架橋剤による処理後、PVAフィルムを水洗し、続いて乾燥する。以上により、偏光子層1を得ることができる。
ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、例えば、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニル、又は、酢酸ビニルと他の単量体との共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体)が挙げられる。酢酸ビニルと共重合する他の単量体としては、エチレンの他に、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、又はアンモニウム基を有するアクリルアミド類が挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂は、アルデヒド類で変性されていてもよい。変性されたポリビニルアルコール系樹脂は、例えば、部分ホルマール化ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、又はポリビニルブチラールであってもよい。ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリビニルアルコールの脱水処理物、又はポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルムであってもよい。
上記で用いたPVAフィルムは、延伸前に染色を行ってもよく、染色液中で延伸を行ってもよい。延伸された偏光子層1の長さは、例えば、延伸前の長さの3〜7倍とすることができる。
偏光子層1の厚みは、例えば1μm以上とすることができ、3μm以上であってもよく、また、通常50μm以下であり、15μm以下であってよい。偏光子層1の厚みが小さいほど温度変化に伴う偏光子層1自体の収縮又は膨張が抑制され、偏光子層1自体の寸法の変化が抑制される。その結果、収縮や膨張に伴う応力が偏光子層1に作用しにくく、結露ヒートショック試験によって偏光子層1に発生するクラックが抑制されやすい。
(保護層)
保護層2,3は、透光性を有する光学的に透明な熱可塑性樹脂を用いて構成することができる。保護層2,3を構成する樹脂としては、鎖状ポリオレフィン系樹脂、環状オレフィンポリマー系樹脂(COP系樹脂)、セルロースエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、又はこれらの混合物若しくはこれらの共重合体等が挙げられる。「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルからなる群より選択される少なくとも一方を意味する。
鎖状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂のような鎖状オレフィンの単独重合体が挙げられる。鎖状ポリオレフィン系樹脂は、二種以上の鎖状オレフィンからなる共重合体であってもよい。
環状オレフィンポリマー系樹脂(環状ポリオレフィン系樹脂)としては、例えば、環状オレフィンの開環(共)重合体、又は環状オレフィンの付加重合体が挙げられる。環状オレフィンポリマー系樹脂は、例えば、環状オレフィンと鎖状オレフィンとの共重合体(例えば、ランダム共重合体)であってもよい。共重合体を構成する鎖状オレフィンは、例えば、エチレン又はプロピレンであってもよい。環状オレフィンポリマー系樹脂は、上記の重合体を不飽和カルボン酸若しくはその誘導体で変性したグラフト重合体、又はそれらの水素化物であってもよい。環状オレフィンポリマー系樹脂は、例えば、ノルボルネン又は多環ノルボルネン系モノマー等のノルボルネン系モノマーを用いたノルボルネン系樹脂であってもよい。
セルロースエステル系樹脂としては、例えば、セルローストリアセテート(トリアセチルセルロース(TAC))、セルロースジアセテート、セルローストリプロピオネート又はセルロースジプロピオネートが挙げられ、これらの共重合物を用いてもよい。セルロースエステル系樹脂は、水酸基の一部が他の置換基で修飾されたセルロースエステル系樹脂であってもよい。
ポリエステル系樹脂は、セルロースエステル系樹脂以外のポリエステル系樹脂が挙げられる。このようなポリエステル系樹脂としては、例えば、多価カルボン酸又はその誘導体と多価アルコールとの重縮合体が挙げられる。多価カルボン酸又はその誘導体としては、ジカルボン酸又はその誘導体が挙げられ、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、又はナフタレンジカルボン酸ジメチルが挙げられる。多価アルコールとしては、ジオールが挙げられ、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、又はシクロヘキサンジメタノールが挙げられる。
ポリエステル系樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリシクロへキサンジメチルテレフタレート、又はポリシクロヘキサンジメチルナフタレートが挙げられる。
ポリカーボネート系樹脂は、カルボナート基を介して重合単位(モノマー)が結合された重合体である。ポリカーボネート系樹脂は、修飾されたポリマー骨格を有する変性ポリカーボネートであってもよく、共重合ポリカーボネートであってもよい。
(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA));メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体;メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体;(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(例えば、MS樹脂);メタクリル酸メチルと脂環族炭化水素基を有する化合物との共重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体等)が挙げられる。
保護層2,3を構成する樹脂のガラス転移温度は、100℃以上であることが好ましく、120°以上であることがより好ましく、また、200℃以下であることが好ましく、150℃以下であることがより好ましい。保護層2,3のガラス転移温度が上記範囲であることにより、原料偏光板30の切削加工によって発生する熱により、偏光子層1の両面に設けられた保護層2,3の端部を相互に融着した状態とすることができる。
保護層2,3は、滑剤、可塑剤、分散剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、及び酸化防止剤からな群より選ばれる少なくとも一種の添加剤を含んでよい。
偏光板10が偏光子層1の両面に保護層2,3を有する場合、2つの保護層2,3の組成は、互いに同じであってもよく互いに異なっていてもよい。保護層2,3がトリアセチルセルロース(TAC)等のセルロースエステル系樹脂を含むことにより、結露ヒートショック試験により、凹部11の周辺に発生する長いクラックを抑制しやすくなる。一方、保護層2,3が環状オレフィンポリマー系樹脂(COP系樹脂)を含む場合、結露ヒートショック試験により、凹部11の周辺に発生するクラックが長くなりやすく、クラックの本数も増加する傾向にある。上記した偏光板の製造方法は、COP系樹脂を含む保護層2,3を有する偏光板を製造する場合にも長いクラックを抑制することができるため、好適である。
保護層2,3の厚みは、例えば5μm以上であり、10μm以上であってもよく、また、通常90μm以下であり、60μm以下であってもよい。偏光板10が偏光子層1の両面に保護層2,3を有する場合、2つの保護層2,3の厚みは、互いに同じであってもよく互いに異なっていてもよい。
保護層2,3は、光学機能を有するフィルムであってもよい。光学機能を有するフィルムとは、例えば、位相差フィルム又は輝度向上フィルムが挙げられる。位相差フィルムは、例えば、上記熱可塑性樹脂からなるフィルムを延伸したり、該フィルム上に液晶層等を形成したりすることによって得ることができる。
保護層2,3は、接着剤層を介して、偏光子層1上に積層することができる。接着剤層を構成する接着剤としては、ポリビニルアルコール等の水系接着剤、後述する活性エネルギー線硬化性樹脂が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂は、活性エネルギー線が照射されることにより、硬化する樹脂である。活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、可視光、電子線、又はX線が挙げられる。例えば、活性エネルギー線硬化性樹脂は、紫外線硬化性樹脂であってよい。
活性エネルギー線硬化性樹脂は、一種の樹脂を含むものであってもよく、複数種の樹脂を含んでいてもよい。例えば、活性エネルギー線硬化性樹脂は、カチオン重合性の硬化性化合物、又はラジカル重合性の硬化性化合物を含んでいてもよい。活性エネルギー線硬化性樹脂は、上記硬化性化合物の硬化反応を開始させるためのカチオン重合開始剤又はラジカル重合開始剤を含んでいてもよい。
カチオン重合性の硬化性化合物としては、例えば、エポキシ系化合物(分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物)、又はオキセタン系化合物(分子内に少なくとも一つのオキセタン環を有する化合物)が挙げられる。ラジカル重合性の硬化性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル系化合物(分子内に少なくとも一つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物)が挙げられる。ラジカル重合性の硬化性化合物としては、ラジカル重合性の二重結合を有するビニル系化合物が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂は、必要に応じて、カチオン重合促進剤、イオントラップ剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤、消泡剤、帯電防止剤、レベリング剤、又は溶剤等を含んでいてもよい。
(粘着剤層)
粘着剤層は、それ自体を被着体に貼り付けることで接着性を発現するものであり、いわゆる感圧型接着剤と称される粘着剤によって形成することができる。粘着剤としては、公知のものを用いることができるが、例えば、アクリル系感圧型接着剤、ゴム系感圧型接着剤、シリコーン系感圧型接着剤、又はウレタン系感圧型接着剤等が挙げられる。粘着剤層の厚みは、例えば2μm以上100μm以下とすることができる。
(剥離フィルム)
剥離フィルムは、上記したように、粘着剤層を被覆保護する目的で用いられる。剥離フィルムは、偏光板10を表示装置の画像表示素子等に貼合する際に、剥離除去される。剥離フィルムとしては、粘着剤層と接する側に離型処理を施した樹脂フィルムを用いることができる。樹脂フィルムとしては、保護層2,3を構成する樹脂として例示した樹脂を用いたフィルムが挙げられる。離型処理としては、シリコーンコーティング等が挙げられる。剥離フィルムの厚みは、例えば10μm以上100μm以下とすることができる。
(光学機能層)
光学機能層は、光学機能を有する層であれば特に限定されず、フィルムであってもよい。光学機能層としては、例えば、位相差フィルム、反射型偏光フィルム、防眩機能付フィルム、表面反射防止機能付フィルム、反射フィルム、半透過反射フィルム、視野角補償フィルム、ウインドウフィルム、帯電防止層、ハードコート層、光学補償層、タッチセンサ層、防汚層等を挙げることができる。これらのうち1種又は2種以上を光学機能層として用いることができる。
(プロテクトフィルム)
プロテクトフィルムは、上記したように、偏光板10の表面を保護する目的で用いられる。プロテクトフィルムは、基材フィルムに粘着剤層を有するものであってもよく、自己粘着性のフィルムであってもよい。プロテクトフィルムの基材フィルムに用いられる樹脂としては、上記した保護層2,3に用いられる樹脂が挙げられ、粘着剤層としては上記した粘着剤が挙げられる。自己粘着性のフィルムは、例えばポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂等を用いて形成することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[結露ヒートショック試験]
実施例及び比較例で得られた偏光板を用いて、以下のステップ1〜3をこの順に行う工程を1サイクルとし、これを連続的に10サイクル繰り返す結露ヒートショック試験を行った。
・ステップ1:
偏光板を、温度−40℃、相対湿度11%RHの環境下に30分間保持する。
・ステップ2:
ステップ1を行った偏光板を、温度23℃、相対湿度9%RHの環境下に5分間保持する。
・ステップ3:
ステップ2を行った偏光板を、温度85℃、相対湿度7%RHの環境下に30分間保持する。
上記した結露ヒートショック試験を行った偏光板について、平面視で凹部の周辺を光学顕微鏡で観察した。実施例及び比較例で得られた偏光板について、図1に示す凹部11の位置11ab及び位置11bc付近に発生したクラックのうち、偏光板の長辺方向の長さが最も長いものを測定し、これを凹部の曲線状部分におけるクラックの長さとした。また、実施例2及び比較例3では、図1に示す凹部11の辺11bの直線状部分において、辺11aと辺11bとが接する側から5mmの長さの範囲に存在する縁、及び、辺11bと辺11cとが接する側から5mmの長さの範囲に存在する縁付近に発生したクラックの偏光板の長辺方向の長さも測定し、測定したクラックのうち、偏光板の長辺方向の長さが最も長いものを、凹部の直線状部分におけるクラック長さとした。
〔実施例1〕(比較例)
ポリビニルアルコールフィルムを延伸し染色して作製した厚み8μmの偏光子層の一方の面に、ポリビニルアルコール系接着剤(水系接着剤)を用いて、厚み52μmの環状オレフィンポリマー系樹脂を用いて形成された保護層を貼合した。偏光子層の他方の面に、UV硬化性エポキシ樹脂を介して、厚み21μmの環状オレフィンポリマー系樹脂を用いて形成された保護層を貼合し、紫外線を照射してUV硬化性エポキシ樹脂を硬化させることにより、偏光子層と厚み21μmの保護層とを積層した。厚み52μmの保護層上に、基材フィルムに粘着剤層が形成されたプロテクトフィルム(厚み58μm)を貼合し、厚み21μmの保護層上に、厚み20μmの粘着剤層及び剥離フィルム(厚み38μm)をこの順に積層して、長方形状の積層体を得た。この積層体は、厚み52μmの保護層から粘着剤層までの積層構造の厚みが102μmであり、この積層構造の一方の面に厚み58μmのプロテクトフィルムが、他方の面に厚み38μmの剥離フィルムがそれぞれ積層されたものであった。なお、得られた積層体において偏光子層とその他方の面に貼合された厚み21μmの保護層(環状オレフィンポリマー系樹脂を用いて形成された厚み21μmの保護層)とは、UV硬化性エポキシ樹脂の硬化物である接着剤層(厚み1μm)を介して接着されていた。得られた積層体にピナクル刃を用いて打抜き加工を行って、図3(a)に示す形状の原料偏光板を47枚作製した。
上記した原料偏光板の剥離フィルム側が下側となるように47枚の原料偏光板を積層した状態で、切削装置の載置台に載置し、クランプによって載置台に固定した。切削装置に取付けたエンドミル(DXL−4、日進工具株式会社製、直径:4mm、右刃、切削角度β:65[°])を回転させ、エンドミルの切削部を積層した原料偏光板の端面(積層方向に沿う面)に接触させて、平面視において原料偏光板に対してエンドミルを相対移動させながら切削加工を3回行った。各回の切削加工において、切削幅は100μmとし、エンドミルの回転速度を30000rpmとし、エンドミルの送り速度(相対移動速度)を1000mm/分とし、アップ方向で切削加工を行った。
上記の切削加工により、図1に示すように四角形状の凹部を有する長方形状の偏光板を得た。偏光板の短辺の長さは70mmであり、長辺の長さは140mmであった。凹部の短辺方向の長さ(図1中のwで示す部分の距離)は30mmであり、長辺方向の長さ(図1中のdで示す部分の距離)は5mmであった。得られた偏光板について、結露ヒートショック試験を行い、凹部の曲線状部分におけるクラック長さを測定した。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
切削加工を2回行い、各回における切削幅を表1に示すようにしたこと以外は、実施例1と同様にして偏光板を得た。得られた偏光板について、結露ヒートショック試験を行い、凹部の曲線状部分におけるクラック長さを測定した。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
切削加工を1回行い、その切削幅を表2に示すようにしたこと以外は、実施例1と同様にして偏光板を得た。上記で得られた偏光板の凹部の辺11bの直線状部分において、辺11bの辺11aに接する側から5mmの長さの範囲が一辺となるように偏光板を切り出して測定用サンプルとした。切り出した測定用サンプルの上記一辺の端面(厚み方向に沿う面)を、ミクロトームを用いて削り、上記端面の縁から面方向に10μmの位置、30μmの位置、50μmの位置の断面について、走査型レーザー顕微鏡(観察倍率:100倍)で観察し、クレーズの有無を確認した。結果を表2に示す。
また、得られた偏光板について、結露ヒートショック試験を行い、凹部の曲線状部分におけるクラック長さ及び直線状部分におけるクラック長さを測定した。結果を表2に示す。
〔比較例2〕
実施例1で得た原料偏光板について、実施例2と同様の手順で、クレーズの有無を確認した。また、実施例1で得た原料偏光板を用いて、結露ヒートショック試験を行い、凹部の曲線状部分におけるクラック長さを測定した。結果を表1及び表2に示す。
〔比較例3〕
切削幅を表2に示すようにしたこと以外は、実施例2と同様にして偏光板を得た。得られた偏光板について、実施例2と同様の手順で、クレーズの有無を確認した。また、得られた偏光板について、結露ヒートショック試験を行い、凹部の曲線状部分におけるクラック長さ及び直線状部分におけるクラック長さを測定した。結果を表2に示す。
Figure 0006968854
Figure 0006968854
1 偏光子層、2 保護層、3 保護層、10 偏光板、11 凹部、11a,11b,11c 辺、11ab,11bc 位置、30 原料偏光板、31 切欠き部、50 エンドミル、51 回転軸、52 切削部、52a 切削刃。

Claims (7)

  1. 平面視において周縁部に凹部を有する偏光板の製造方法であって、
    偏光子層の片面又は両面に保護層を有し且つ周縁部に切欠き部が形成された原料偏光板を準備する工程と、
    前記原料偏光板の前記切欠き部に対してエンドミルを相対移動させながら、前記凹部を形成するように1回の切削加工を施すことにより前記偏光板の前記凹部を形成する工程[a]と、を含み、
    前記工程[a]における前記切削加工は、切削幅が150μm以下となるように行う切削加工であり、
    前記エンドミルは、外周面に切削刃を有する切削部が設けられたものであり、
    前記工程[a]において、前記原料偏光板の周縁部の端面と前記エンドミルの前記切削部との接触部分における前記エンドミルの回転方向は、前記相対移動の方向と同じ方向である、偏光板の製造方法。
  2. 前記原料偏光板は、前記凹部が形成される領域に凹形状の前記切欠き部を有する、請求項1に記載の偏光板の製造方法。
  3. 前記切欠き部を打抜き加工により形成する、請求項1又は2に記載の偏光板の製造方法。
  4. さらに、前記原料偏光板の周縁部に対してエンドミルを相対移動させながら、前記凹部以外の前記偏光板の周縁部を形成するように切削加工を施す工程[b]を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板の製造方法。
  5. 前記工程[a]と前記工程[b]とを連続的に行う、請求項4に記載の偏光板の製造方法。
  6. 前記偏光子層は、二色性色素が吸着配向しているポリビニルアルコール系樹脂層である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光板の製造方法。
  7. 前記エンドミルの前記切削刃が延在する方向d1と前記エンドミルの回転軸に垂直な方向d2とのなす角度である切削角度βは、30°以上70°以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の偏光板の製造方法。
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