JP6968529B2 - 変位絶縁材組成物、硬化体、制水設備の変位絶縁方法および制水設備 - Google Patents
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Description
このコンクリートピアとの絶縁のため、テンションビームの表面には変位絶縁材が形成されている。
[4] 前記有機繊維(C)の繊維長が3mm以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[6] 下記要件(I)を満たす、[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物。
要件(I):前記組成物を用いて、JIS K 6251:2010(ダンベル状3号形)に基づいて測定される伸びが150%以上である
[7] 下記要件(II)を満たす、[1]〜[6]のいずれかに記載の組成物。
要件(II):前記組成物を用いて、JIS K 6251:2010(ダンベル状3号形)に基づいて測定される引張強さが1MPa以下である
本発明に係る変位絶縁材組成物(以下「本組成物」ともいう。)は、2官能以上の多官能ポリオール(A)、イソシアネート(B)および有機繊維(C)を含む。
なお、本発明において、変位絶縁材組成物とは、該組成物から形成された硬化体を有する部材が変位した場合であっても、その変位分だけ前記硬化体が変形し、該変位によって発生するせん断応力を、該部材の周囲に伝搬させないような(該部材の変位の伝搬を絶縁可能な)硬化体を形成できる組成物のことをいう。
2官能以上の多官能ポリオール(A)(以下「成分(A)」ともいう。)は、1分子中に2個以上の水酸基を有するポリオールであれば特に制限されず、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、ラクトン系ポリオール、ひまし油系ポリオール等を用いることができる。これらの中でも安価であり、かつ、耐水性に優れる硬化体を容易に得ることができる等の点から、ポリエーテル系ポリオールが好ましい。
成分(A)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
市販品としては、「エクセノール3030」(旭硝子(株)製、3官能ポリエーテルポリオール)、「エクセノール5030」(旭硝子(株)製、3官能ポリエーテルポリオール)、「ボラノール3022J」(ダウ・ケミカル日本(株)製、3官能ポリエーテルポリオール)、「エクセノール805」(旭硝子(株)製、2官能ポリエーテルポリオール)等が挙げられる。
イソシアネート(B)(以下「成分(B)」ともいう。)は、前記成分(A)と反応し、硬化可能な化合物であればよい。
成分(B)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
これらの中でも、本組成物の可使時間を適切に調整することができ、柔軟性に優れる硬化体が得られる等の点から、芳香族イソシアネートまたは芳香脂肪族イソシアネートおよび該イソシアネートを用いて得られるポリウレタン系プレポリマーが好ましく、TDIプレポリマーがより好ましい。
成分(B)の市販品としては、「タケネートL−1028」(三井化学(株)製、両末端にイソシアネート基を有する2官能TDIプレポリマー)、「ルプラネートM20S」(BASF INOAC ポリウレタン(株)製、クルードMDI)、「ミリオネートMR−200」(東ソー(株)製、クルードMDI)、「ミリオネートMTL」(東ソー(株)製、カルボジイミド変性MDI)等が挙げられる。
等量比がこの範囲内であると、硬化不良や発泡の原因となりにくいため好ましい。
有機繊維(C)(以下「成分(C)」ともいう。)は、増粘剤としての役割を有す。該成分(C)を前記成分(A)および(B)と共に用いることで、密度が小さく、垂直面等に十分な厚み(例えば、2mm以上の厚み)で塗布した場合であっても垂れにくく、同時に施工作業性(塗装性)にも優れる組成物を容易に得ることができる。
成分(C)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
アミン(D)(以下「成分(D)」ともいう。)は、任意に使用することができ、硬化時に成分(B)のイソシアネート基とウレア結合を形成することで、破壊靭性の高い硬化体を容易に形成することができる。
成分(D)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
また、成分(D)は、2成分型の本組成物において、通常、主剤成分に配合される。
伸び特性により優れる硬化体を容易に得ることができる等の点から、本組成物は可塑剤を含有することが好ましい。
本組成物が2成分型の組成物である場合、可塑剤は硬化剤成分中に配合してもよいが、均一な物性を有する硬化体を容易に得ることができる等の点から、主剤成分中に配合することが好ましい。
本組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、前記成分(A)〜(D)および可塑剤以外のその他成分を含んでもよい。その他成分としては、顔料、消泡剤、分散剤、触媒、水分吸着剤、表面調整剤、レオロジーコントロール剤、レベリング剤、増粘剤、溶剤等が挙げられる。
その他成分は、それぞれ、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
本組成物が2成分型の組成物である場合、その他成分は硬化剤成分中に配合してもよいが、均一な物性を有する硬化体を容易に得ることができる等の点から、主剤成分中に配合することが好ましい。
本組成物は、所望の用途に応じて、着色、硬化収縮の低減、コストダウン等のために顔料を含有してもよい。
顔料の例としては、カーボンブラック、チタン白、ベンガラ、黒色弁柄、バライト粉、シリカ、タルク、白亜、酸化鉄粉、けいそう土、アルミナ、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、アスベスト、ガラス繊維、石英粉、水酸化アルミニウム、金粉、銀粉、ガラスバルーン、硫酸バリウムが挙げられる。また、これらの表面をシラン化合物等で表面処理したものを用いてもよい。
前記顔料を用いる場合の含有量としては、本組成物全量(固形分)に対し、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは2〜10質量%である。
硬化物の強度や品質等の点から、本組成物の硬化体には、気泡が存在していないことが好ましい。このため、本組成物には、消泡剤を配合することが好ましい。
消泡剤の種類としてはシリコーン系消泡剤、ミネラルオイル系消泡剤などが挙げられる。
消泡剤としては、水系、溶剤系、無溶剤系のいずれも用いることができるが、硬化体を形成する際の硬化収縮を抑えるために無溶剤系のシリコーン系消泡剤が好ましい。無溶剤系のシリコーン系消泡剤の市販品としては、例えば、「Dоw Corning Toray SAG−47」(東レ・ダウコーニング(株)製)が挙げられる。
前記消泡剤を用いる場合の含有量としては、本組成物全量(固形分)に対し、好ましくは0.01〜1質量%である。
本組成物は、成分(C)や顔料が均一に分散した状態で硬化することが好ましい。このため、本組成物には、分散剤を配合してもよい。
分散剤の種類としては特に制限されないが、リン酸エステル系分散剤等が挙げられる。
リン酸エステル系分散剤の市販品としては、例えば、「Efka 5220」(BASFジャパン(株)製)、「BYK W972」(ビックケミー・ジャパン(株)製)が挙げられる。
前記分散剤を用いる場合の含有量としては、本組成物全量(固形分)に対し、好ましくは0.1〜2質量%である。
大気中や、成分(A)、成分(C)および顔料に含まれうる水分を系内に取り込んだ本組成物から硬化体を形成する場合、成分(B)と水分とが反応し、発泡する可能性がある。この発泡を抑制するために系内の水分を除去することが好ましく、このため、本組成物には、水分吸着剤を配合することが好ましい。
水分吸着剤としては、水分吸着能があれば特に制限されず、従来公知の物質を用いることができるが、市販品としては、「モレキュラーシーブ4A」(ユニオン昭和(株)製)等が挙げられる。
前記水分吸着剤を用いる場合の含有量としては、本組成物全量(固形分)に対し、好ましくは0.1〜3質量%である。
本組成物は、成分(A)と成分(B)との反応を促進する触媒を含有してもよい。
このような触媒としては、スズカルボン酸塩、アミン系触媒、スズ以外の金属カルボン酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)塩および有機酸等が挙げられる。
スズカルボン酸塩としては、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテートおよびスズオクチレートなどが挙げられ、アミン系触媒としては、トリエチルアミン、トリエチレンジアミンおよびテトラメチルブタンジアミンなどが挙げられ、スズ以外の金属カルボン酸塩としては、オクチル酸コバルト、オクチル酸マンガンおよびオクチル酸亜鉛などが挙げられ、DBU塩としては、DBU−ステアリン酸塩、DBU−オレイン酸塩およびDBU−ギ酸塩などが挙げられ、有機酸の例としては2−エチルヘキシル酸、オクチル酸などが挙げられる。
本組成物のJIS K 5600−2−4:1999に基づいて測定される密度(23℃)は、軽く、垂直面等に十分な厚みで塗布した場合であっても、垂れにくい(スランプの抑制された)組成物を容易に得ることができる等の点から、好ましくは1.00〜1.20g/cm3、より好ましくは1.02〜1.10g/cm3である。
本組成物は、このようなちょう度を有しており、垂直面等に十分な厚みで塗布した場合であっても、垂れにくい(スランプの抑制された)組成物である。
要件(I):本組成物を用いて、JIS K 6251:2010(ダンベル状3号形)に基づいて測定される伸び(降伏点伸び)が150%以上である
該伸びは、より変位絶縁性に優れる硬化体となる等の点から、より好ましくは200%以上、特に好ましくは300%以上であり、上限は、好ましくは1,000%である。
要件(II):本組成物を用いて、JIS K 6251:2010(ダンベル状3号形)に基づいて測定される引張強さが1MPa以下である
該引張強さは、より変位絶縁性に優れる硬化体となる等の点から、より好ましくは0.5MPa以下であり、下限は、好ましくは0.01MPa、より好ましくは、0.05MPaである。
伸びおよび引張強さが前記範囲にある硬化体を形成できる組成物は、変位絶縁材組成物であると言える。
本組成物は、前記成分(A)〜(C)、さらに必要により成分(D)、可塑剤およびその他成分を混合することにより調製することができる。
混合する方法としては特に制限されないが、前記主剤成分の調製時や、主剤成分と硬化剤成分との混合時に、空気が取り込まれると、得られる硬化体内に気泡が残り、変位絶縁効果を発揮できない可能性があるため、主剤成分の調製時に脱泡工程を行ったり、主剤成分と硬化剤成分との混合時に低回転で撹拌を行うことにより、本組成物中への空気の取り込み量を減らすことが好ましい。
まず、前記主剤成分と、硬化剤成分とを容器に投入し、電動攪拌機等の撹拌手段により撹拌する。この際、任意に成分(D)、可塑剤やその他成分を加えてもよい。
用いる容器は、得られる組成物の体積の約2倍以上である容器が好ましい。また、電動撹拌機の撹拌羽根としては、モルタル用の撹拌羽根を用いることができる。
次に、成分(C)を前記主剤成分と硬化剤成分とを混合した容器に少しずつ投入して混合する。なお、成分(C)は、前述のように予め主剤成分と硬化剤成分のいずれか一方に含有させるか、主剤成分と硬化剤成分の両方に含有させておいてもよい。
本発明に係る硬化体は、前記本組成物を硬化することで形成することができる。
本組成物によれば、高い伸び(降伏点伸び)を有する硬化体が得られる。従って、該硬化体を、制水設備等の変位絶縁が求められる場所、部材に形成することで、該場所や部材を変位絶縁することができる。このため、本組成物は、制水設備用変位絶縁材組成物として、好適に使用することができる。
本組成物は、常温下での硬化性にも優れているため、常温下で短時間で硬化させることができる。
硬度が前記範囲にある硬化体を形成できる組成物は、変位絶縁材組成物であると言える。
本発明に係る制水設備の変位絶縁方法(以下「本方法」ともいう。)は、前記本組成物を、制水設備の少なくとも一部に塗布して硬化させる工程を含む。
本発明に係る制水設備は、前記本組成物の硬化被膜を少なくとも一部に有すれば特に制限されないが、具体的には、前記本方法により、形成される。
例えば、前記テンションビームとしては、通常H鋼が用いられる。該H鋼を変位絶縁するには、その全面を本組成物の硬化被膜で覆う必要があり、しかもその硬化被膜は、要求される変位絶縁性に応じて十分な厚膜(例えば2mm以上)にする必要がある。このようなH鋼は、その形状ゆえ、地面に対する垂直面やさらには天井面にも本組成物を塗装する必要があり、スランプ(垂れ)の抑制が非常に望まれている。また、一方、前記テンションビームは、かなりの大きさであり、しかも厚膜を形成する必要があるため、施工作業性(塗装性)に優れることも要求される。通常、垂れやすい組成物は塗装性に優れ、塗装性に優れる組成物は垂れやすいが、本発明によれば、前記要求を同時に達成できる組成物を得ることができる。
なお、プライマーを塗布する前に、施工箇所表面を従来公知の方法で処理してもよく、ごみ等を取り除いておいてもよい。
このようにして、本組成物を塗布した後または硬化被膜を形成した後、被塗物が金属であれば、渦電流式膜厚計等によって膜厚を測定し、硬化被膜の厚みを調整してもよい。
実施例および比較例で用いた材料は以下の通りである。
・「エクセノール 5030」(旭硝子(株)製、3官能ポリエーテルポリオール、水酸基価:33mgKOH/g、Mn=5,100、粘度(25℃):910mPa・s)
・「ボラノール 3022J」(ダウ・ケミカル日本(株)製、3官能ポリエーテルポリオール、水酸基価:56mgKOH/g、Mn=3,000、粘度(25℃):485mPa・s)
・「エクセノール 805」(旭硝子(株)製、2官能ポリエーテルポリオール、水酸基価:26mgKOH/g、Mn=6,500、粘度(25℃):1,200mPa・s)
・「タケネートL−1028」(三井化学(株)製、両末端にイソシアネート基を有する2官能TDIプレポリマー、NCO%:2.9wt%、粘度(25℃):8,000mPa・s)
・「ケミベストFDSS−2」(三井化学(株)製、ポリエチレン繊維、繊維長0.6mm)
・「ケミベストFDSS−5」(三井化学(株)製、ポリエチレン繊維、繊維長0.1mm以下)
・「ML−520E」(イハラキュアミンML−520E、イハラケミカル工業(株)製、o−クロロアニリンおよびホルムアルデヒドの縮合物(4,4’−ジアミノ−3,3’ジクロロジフェニルメタン)とポリプロピレングリコールジベンゾエートとの50:50混合物)
・「ML−620E」(イハラキュアミンML−620E、イハラケミカル工業(株)製、4,4’−ジアミノ−3,3’ジクロロジフェニルメタンとポリプロピレングリコールとの50:50混合物)
・「DOP」(ジェイ・プラス(株)製、ジオクチルフタレート)
・「ダイアナオイル E−900」(出光興産(株)製、石油系炭化水素)
[増粘剤]
・「BYK−410」(ビッグケミー・ジャパン(株)製、ウレアウレタン)
・「ガラマイト1958」(BYK Additives社製、有機変性クレー)
[顔料]
・「シリカTK−1」(東濃硅粉砿業協業組合製、シリカ)
[消泡剤]
・「SAG−47」(東レ・ダウコーニング(株)製、ジメチルポリシロキサン系消泡剤)
[触媒]
・「K−KAT XK−627」(楠本化成(株)製、カルボン酸混合金属)
・「オクチル酸」
・「DABCO 33−LV」(エアープロダクツジャパン(株)製、三級アミン)
・「グレックTL」(日辰貿易(株)製、ブチル錫カルボキシレート)
[水分吸着剤]
・「モレキュラーシーブ 4A」(ユニオン昭和(株)製)
表1に記載の2官能以上の多官能ポリオール(A)、アミン(D)、可塑剤およびその他成分を、表1に記載する量で混合、撹拌し、主剤成分を調製した。なお、表1中の原料の欄の数値は、質量部を示す。
調製した主剤成分と、表1に記載の種類および量のイソシアネート(B)および有機繊維(C)とを混合し、組成物を調製した。
JIS K 5600−2−4:1999に基づいて、得られた組成物の密度(23℃)を計測した。密度が1.00〜1.20である組成物を好ましい組成物とした。
結果を表1に示す。
得られた組成物を用い、測定温度を23℃にした以外は、JIS A 5758:2010に基づいて、スランプ試験を行った。
なお、各組成物につき、3回試験を行った。結果(平均スランプ)を表1に示す。平均スランプが3mm以下である場合、合格とした。
JIS K 2220:2013に基づいて、得られた組成物のちょう度(23℃)を測定した。ちょう度が40〜500である組成物を好ましい組成物とした。結果を表1に示す。
容量約100mlのポリプロピレン製容器に、得られた組成物を容器の縁と同じ高さまでヘラを使用して平らに充填した。充填から1時間経過し、組成物が十分に硬化した事を確認した後、硬化体の表面の高さと容器の高さとの差を、ノギスと目視で確認して発泡の有無を確認した。本組成物は、硬化した際に収縮するため、発泡が無ければ、硬化体の表面は容器の高さ未満となる。一方、発泡が発生した場合は、硬化体の体積膨張が起こるため、その表面は容器高さ以上となる。硬化体の表面が容器の高さ未満である場合を、発泡「無」と評価し、硬化体の表面が容器高さ以上である場合を、発泡「有」と評価した。そして、発泡が確認できなかった場合を合格とした。結果を表1に示す。
得られた組成物を用い、JIS K 6251:2010に基づいて、各組成物につき、3個の試験片(ダンベル状3号形を用いたダンベル状試験片)を作成し、引張試験機(オートグラフAGS−10KNX、(株)島津製作所製)を用いて降伏点伸びを測定し(試験速度:500±50mm、試験温度:23±1℃)、各試験片の降伏点伸びの平均値を算出した。結果を表1に示す。
得られた組成物を用い、JIS K 6251:2010に基づいて、各組成物につき、3個の試験片(ダンベル状3号形を用いたダンベル状試験片)を作成し、引張試験機(オートグラフAGS−10KNX、(株)島津製作所製)を用いて引張強さを測定し(試験速度:500±50mm、試験温度:23±1℃)、各試験片の引張強さの平均値を算出した。結果を表1に示す。
実施例1〜14で得られた組成物は、スランプが小さく、垂直面に塗布した際の垂れがないものであった。更に、伸び特性に大変優れているため、変位絶縁材組成物として好適に使用することができ、制水設備の構造に塗布することで、巨大地震が発生した際などに生じる、周囲のコンクリート構造物とのせん断方向の変位にも対応することが可能である。
また、実施例1〜14で得られた組成物は、密度が小さく軽く、厚膜に塗布する際の施工性にも優れている。
実施例1〜11で得られた組成物を用いた場合には、特に伸び特性に優れる硬化体を得ることができ、実施例12〜14で得られた組成物を用いた場合には、架橋密度が高い硬化体を得ることができる。
Claims (10)
- 2官能以上の多官能ポリオール(A)、イソシアネート(B)、有機繊維(C)およびアミン(D)(但し、アミン(D)は、第3級アミンではない)を含む、コンクリート部材と接する制水部材の少なくとも一部の表面に塗布される制水部材用変位絶縁材組成物であって、
前記多官能ポリオール(A)が2官能のポリオールと3官能以上のポリオールとを含有し、
前記制水部材が、ダム、堰または水門から選択される制水設備の、テンションビーム、トラニオンガーダまたは支圧板である、
制水部材用変位絶縁材組成物。 - 前記ポリオール(A)およびイソシアネート(B)の合計100質量部に対し、前記有機繊維(C)の含有量が10質量部以上である、請求項1に記載の組成物。
- 前記有機繊維(C)がポリエチレン繊維である、請求項1または2に記載の組成物。
- 前記有機繊維(C)の繊維長が3mm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
- JIS A 5758:2010に基づいて測定されるスランプ(但し、測定温度は23℃である。)が3mm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
- 下記要件(I)を満たす、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
要件(I):前記組成物を用いて、JIS K 6251:2010(ダンベル状3号形)に基づいて測定される伸びが150%以上である - 下記要件(II)を満たす、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
要件(II):前記組成物を用いて、JIS K 6251:2010(ダンベル状3号形)に基づいて測定される引張強さが1MPa以下である - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物の硬化体。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物を、ダム、堰または水門から選択される制水設備のテンションビーム、トラニオンガーダまたは支圧板から選択される制水部材のコンクリート部材と接する表面の少なくとも一部に塗布して硬化させる工程を含む、制水設備の変位絶縁方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物の硬化被膜を、コンクリート部材と接する表面の少なくとも一部に有する、ダム、堰または水門から選択される制水設備のテンションビーム、トラニオンガーダまたは支圧板から選択される制水部材。
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