JP6968127B2 - 力率改善コンバータ - Google Patents

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本発明は、力率改善コンバータに関する。
力率改善コンバータは、絶縁型DC/DCコンバータと非絶縁型昇圧コンバータとを組み合わせたツーコンバータ方式が知られている(例えば特許文献1)。一方、絶縁型DC/DCコンバータと非絶縁型昇圧コンバータとを1つに統合したワンコンバータ方式の力率改善コンバータ(例えば特許文献2)も知られている。
また、大出力電源に好適なインターリーブ方式の力率改善回路が知られている(例えば特許文献3)。インターリーブ方式は、力率改善用の2つ昇圧コンバータを並列に設け、各昇圧コンバータを180°の位相差で交互に動作させる方式である。
特開2014−131455号公報 特開2010−252553号公報 特開2002−10632号公報
従来のワンコンバータ方式の力率改善コンバータでは、特許文献2に記載のように、絶縁用のトランスの一次側にスイッチング素子を設けるとともに、トランスの二次側にもフライバック動作を行わせるためのリアクトルおよびスイッチング素子が必要であることから、回路規模が大きくなり、制御が複雑となり、部品点数も多かった。
以上の現状から、本発明は、回路構成が簡素化されるとともに、信頼性があり効率的な力率改善コンバータを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するべく、本発明は、以下の構成を提供する。
・本発明の態様は、各一次コイルに入力電圧をそれぞれ印加可能な第1のトランスおよび第2のトランスと、
前記入力電圧により前記第1のトランスの一次コイルに流れる電流が導通又は遮断するように制御される第1のスイッチング素子と、
前記入力電圧により前記第2のトランスの一次コイルに流れる電流が導通又は遮断するように制御される第2のスイッチング素子と、
前記第1および第2のトランスの二次側に設けられた共通の第1の出力端および第2の出力端と、
前記第1のトランスの一次コイルの電流が導通したときにその二次コイルに流れ得る第1のフォワード電流を前記第1および第2の出力端へと出力するための第1の電流路と、
前記第1のトランスの一次コイルの電流が遮断したときにその二次コイルに流れる第1のフライバック電流を前記第1および第2の出力端へと出力するための第2の電流路と、
前記第1のトランスの一次コイルの電流が遮断したときに流れ得る第1の転流電流を前記第1および第2の出力端へと出力するための第3の電流路と、
前記第2のトランスの一次コイルの電流が導通したときにその二次コイルに流れ得る第2のフォワード電流を前記第1および第2の出力端へと出力するための第4の電流路と、
前記第2のトランスの一次コイルの電流が遮断したときにその二次コイルに流れる第2のフライバック電流を前記第1および第2の出力端へと出力するための第5の電流路と、
前記第2のトランスの一次コイルの電流が遮断したときに流れ得る第2の転流電流を前記第1および第2の出力端へと出力するための第6の電流路とを備えたことを特徴とする。
・ 上記態様において、前記第2の出力端から前記第1のトランスの二次コイルの終端への電流を導通可能に接続された第1の整流要素と、
前記第2の出力端から前記第2のトランスの二次コイルの終端への電流を導通可能に接続された第2の整流要素と、
前記第1のトランスの二次コイルの終端から前記第1の出力端への電流を導通可能に接続された第3の整流要素と、
前記第2のトランスの二次コイルの終端から前記第1の出力端への電流を導通可能に接続された第4の整流要素と、
前記第2の出力端から前記第1および第2のトランスの各二次コイルの始端への電流を導通可能に接続された第5の整流要素と、を有することが、好適である。
さらにこの好適態様において、前記第1の電流路が、前記第1の整流要素と、前記第1のトランスの二次コイルと、前記第2のトランスの二次コイルと、前記第4の整流要素とを含み、
前記第2の電流路が、前記第5の整流要素と、前記第1のトランスの二次コイルと、前記第3の整流要素と、を含み、
前記第3の電流路が、前記第5の整流要素と、前記第2のトランスの二次コイルと、前記第4の整流要素とを含み、
前記第4の電流路が、前記第2の整流要素と、前記第2のトランスの二次コイルと、前記第1のトランスの二次コイルと、前記第3の整流要素と、を含み、
前記第5の電流路が、前記第5の整流要素と、前記第2のトランスの二次コイルと、前記第4の整流要素とを含み、
前記第6の電流路が、前記第5の整流要素と、前記第1のトランスの二次コイルと、前記第3の整流要素とを含むことが、好適である。
・ 上記態様において、前記第1の出力端に一端が接続されたリアクトルと、
前記第2の出力端から前記第1のトランスの二次コイルの終端への電流を導通可能に接続された第1の整流要素と、
前記第2の出力端から前記第2のトランスの二次コイルの終端への電流を導通可能に接続された第2の整流要素と、
前記第1のトランスの二次コイルの終端から前記第1の出力端への電流を導通可能に接続された第3の整流要素と、
前記第2のトランスの二次コイルの終端から前記第1の出力端への電流を導通可能に接続された第4の整流要素と、
前記第2の出力端から前記第1および第2のトランスの各二次コイルの始端への電流を導通可能にそれぞれ接続された第5および第6の整流要素と、
前記第1および第2のトランスの各二次コイルの始端から前記リアクトルの他端への電流を導通可能にそれぞれ接続された第7および第8の整流要素と、
を有することが、好適である。
さらにこの好適態様において、前記第1の電流路が、前記第1の整流要素と、前記第1のトランスの二次コイルと、前記第7の整流要素と、前記リアクトルとを含み、
前記第2の電流路が、前記第5の整流要素と、前記第1のトランスの二次コイルと、前記第3の整流要素と、を含み、
前記第3の電流路が、前記第5の整流要素と、前記第7の整流要素と、前記リアクトルとを含み、
前記第4の電流路が、前記第2の整流要素と、前記第2のトランスの二次コイルと、前記第8の整流要素と、前記リアクトルとを含み、
前記第5の電流路が、前記第6の整流要素と、前記第2のトランスの二次コイルと、前記第4の整流要素とを含み、
前記第6の電流路が、前記第6の整流要素と、前記第8の整流要素と、前記リアクトルとを含むことが、好適である。
・ 上記各態様において、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子が、2つの異なる制御信号の各々によりそれぞれオンオフ制御されることが、好適である。
・ 上記各態様において、前記入力電圧が入力される一対の入力端の間に接続されたコンデンサと、
前記第1のトランスの一次コイルの電流が遮断したときに当該一次コイルに生じる逆起電圧により前記コンデンサを充電する充電電流を流すための第7の電流路と、
前記第2のトランスの一次コイルの電流が導通したときに前記コンデンサから放電される放電電流を当該一次コイルに流すための第8の電流路と、
前記第2のトランスの一次コイルの電流が遮断したときに当該一次コイルに生じる逆起電圧により前記コンデンサを充電する充電電流を流すための第9の電流路と、
前記第1のトランスの一次コイルの電流が導通したときに前記コンデンサから放電される放電電流を当該一次コイルに流すための第10の電流路とをさらに有することが、好適である。
本発明によれば、回路構成が簡素化されるとともに、信頼性があり効率的な力率改善コンバータが実現される。
図1は、力率改善コンバータの第1の実施形態の回路例の概略構成図である。 図2は、図1の回路におけるタイミング図である。 図3は、図1の回路におけるモードIの期間に流れる電流を概略的に示している。 図4は、図1の回路におけるモードIIの期間に流れる電流を概略的に示している。 図5は、図1の回路におけるモードIIIの期間に流れる電流を概略的に示している。 図5は、図1の回路におけるモードIVの期間に流れる電流を概略的に示している。 図7は、力率改善コンバータの痔2の実施形態の回路例の概略構成図である。 図8は、図7の回路におけるタイミング図である。 図9は、図7の回路におけるモードIの期間に流れる電流を概略的に示している。 図10は、図7の回路におけるモードIIの期間に流れる電流を概略的に示している。 図11は、図7の回路におけるモードIIIの期間に流れる電流を概略的に示している。 図12は、図7の回路におけるモードIVの期間に流れる電流を概略的に示している。 図13は、力率改善コンバータの第3の実施形態の回路構成を示す。 図14は、図13の回路におけるモードIIの開始時の動作例を示している。 図15は、図13の回路におけるモードIIIの開始時の動作例を示している。 図16は、図13の回路におけるモードIVの開始時の動作例を示している。 図17は、図13の回路におけるモードIの開始時の動作例を示している。
以下、例として示した図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
本発明は、力率改善機能と絶縁機能とを兼ね備えた力率改善コンバータを提供する。各実施形態の図面において同一または類似の構成要素には、基本的に同じ符号を付している。
(1)第1の実施形態
(1−1)回路構成
図1は、力率改善コンバータの第1の実施形態の回路例の概略構成図である。第1の実施形態では、2つのトランスT1およびT2を有する。トランスT1は、一次コイルN1と二次コイルN2とを有し、トランスT2は、一次コイルN3と二次コイルN4とを有する(各コイルの巻き始端を黒丸で示す)。
<トランスT1、T2の一次側の構成>
まず、トランスT1、T2の一次側の構成について説明する。入力電圧は、高電位側の入力端1と、低電位側の入力端2との間に印加される。この例では、入力端2がトランスT1、T2の一次側の基準電位端すなわち接地端である。一次コイルN1、N3の各々の始端が、入力端1に接続されている。
入力電圧は、一例として、正弦波の交流電圧の全波整流後の電圧である。交流電圧は、例えば、系統電源または各種の発電装置から出力される数Hz〜数十Hz程度の周波数を有する。しかしながら、本発明の力率改善コンバータは、正弦波以外の方形波若しくは三角波の電圧、または一定電圧の入力電圧に対しても同様に機能することができる。また、全波整流に替えて半波整流した入力電圧でもよい。なお、交流電圧を整流する整流部は、周知であるので図示および説明を省略する。
一次コイルN1とスイッチング素子Q1とが直列接続されて第1の入力電流路Aを構成している。一次コイルN3とスイッチング素子Q2とが直列接続されて第2の入力電流路Bを構成している。第1の入力電流路Aおよび第2の入力電流路Bの各々の一端は入力端1に、他端は入力端2に、それぞれ接続されている。したがって、第1の入力電流路Aと第2の入力電流路Bとは、入力端1、2に対して互いに並列接続されている。したがって、一次コイルN1、N3の各々に対して入力電圧をそれぞれ印加することができる。
スイッチング素子Q1は、入力電圧により一次コイルN1に流れる電流が導通または遮断するように制御される。スイッチング素子Q2は、入力電圧により一次コイルN3に流れる電流が導通または遮断するように制御される。
ここでは、スイッチング素子Q1、Q2は、一例としてnチャネルMOSFETである。スイッチング素子Q1、Q2は、一例として、ドレインが一次コイルN1、N3の終端にそれぞれ接続され、ソースが入力端2(接地端)に接続されている。スイッチング素子Q1、Q2は、制御端であるゲートに印加される電圧制御信号V、Vによりそれぞれオンオフ制御される。制御信号V、Vは、例えばPWM信号である。制御信号V、Vの周波数は、入力交流の周波数よりも高く、例えば数十kHz〜数百kHzである。図示しないが、制御信号V、Vを生成し、出力する制御部が別途設けられている。
<トランスT1、T2の二次側の構成>
トランスT1、T2の二次側には、共通の出力端である高電位側の第1の出力端pおよび低電位側の第2の出力端nが設けられる。出力端p、nの間に力率改善コンバータの出力電圧が出力される。この例では、出力端nが、トランスT1、T2の二次側の基準電位端すなわち接地端である。出力端pと出力端nとの間には平滑コンデンサCが接続されている。
トランスT1の二次コイルN2の始端とトランスT2の二次コイルN4の始端とは、接続点xにて互いに接続されている。
さらに、出力端nから二次コイルN2の終端へ流れる電流を導通可能とする第1の整流要素が接続されている。第1の整流要素は、一例としてダイオードD1であり、そのアノードが出力端nに、カソードが二次コイルN2の終端に接続されている。
同様に、出力端nから二次コイルN4の終端へ流れる電流を導通可能とする第2の整流要素が接続されている。第2の整流要素は、一例としてダイオードD2であり、そのアノードが出力端nに、カソードが二次コイルN4の終端に接続されている。
さらに、二次コイルN2の終端から出力端pへ流れる電流を導通可能とする第3の整流要素が接続されている。第3の整流要素は、一例としてダイオードD3であり、そのアノードが二次コイルN2の終端に、カソードが出力端pに接続されている。
同様に、二次コイルN4の終端から出力端pへ流れる電流を導通可能とする第4の整流要素が接続されている。第4の整流要素は、一例としてダイオードD4であり、そのアノードが二次コイルN4の終端に、カソードが出力端pに接続されている。
さらに、出力端nから二次コイルN2および二次コイルN4の各々の始端(接続点x)へ流れる電流を導通可能とする第5の整流要素が接続されている。第5の整流要素は、一例としてダイオードD5であり、そのアノードが出力端nに、カソードが接続点xに接続されている。
トランスT1、T2は、入力側と出力側を絶縁する絶縁トランスの役割と、力率改善のためのフライバック用リアクトルの役割と、フォワード用リアクトルの役割とを兼ねている。トランスT1とトランスT2は、同じ構成とすることが好適である。したがって、トランスT1の巻数比N1:N2と、トランスT2の巻数比N3:N4とが同じであることが好適である。
(1−2)回路動作
図2〜図6を参照して、図1に示した回路の動作を説明する。図2は、図1の回路における各構成要素の電圧または電流の波形を例示的かつ模式的に示すタイミング図である。
図2(a)(b)は、図1の回路におけるスイッチング素子Q1、Q2の制御信号V、Vを示している。図2は、一例としてPWM信号である制御信号V、Vの2周期に相当する期間を示している。この例ではインターリーブ方式と同様に、制御信号VとVは、同じ周波数とデューティ比を有し、互いの位相差は180°である。また一例として、デューティ比は50%未満としている。
しかしながら、図1の回路では、原理的に制御信号VとVをフレキシブルに設定することが可能である。図1に示した入力電流路A(一次コイルN1とスイッチング素子Q1からなる)と、入力電流路B(一次コイルN3とスイッチング素子Q2からなる)は、入力電圧に対して並列接続されているので、スイッチング素子Q1とQ2は、互いに独立してオンオフ制御することができ、同時にオンとすることもできる。原理的には、制御信号VとVは、周波数および/またはデューティ比が異なっていてもよく、同じ周波数の場合に任意の位相差とすることができる。実際には、制御信号V、Vは、入力電圧、入力電流および/または出力電圧等に応じて制御部によってそれぞれ適切に生成される。
図2(c)(d)(e)(f)は、一次コイルN1、一次コイルN3、二次コイルN2、および二次コイルN4にそれぞれ流れる電流波形の一例を示している。ここでは、一次側の各コイルについては、始端に流入する電流を正とし、始端から流出する電流を負とし、そして二次側の各コイルについては、始端から流出する電流を正とし、始端に流入する電流を負として示している。
図2に示すように、回路動作に関して、スイッチング素子Q1のオン期間をモードIと、オフ期間をモードIIと称する。また、スイッチング素子Q2のオン期間をモードIIIと、オフ期間をモードIVと称する。スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2の各々のオンオフに起因する回路動作は、それぞれ独立して生じる。したがって、スイッチング素子Q1のモードI、IIにおいて生じる電流と、スイッチング素子Q2のモードIII、IVにおいて生じる電流とは、それぞれ回路上で重ね合わされる。
<モードIの動作>
図3は、モードIにおける電流を示している(電流の流れを矢印付き太線で示している。以下の図でも同様)。一次側においてスイッチング素子Q1がオンになると、入力電圧により一次コイルN1に電流iAが流れる(図2(c)参照)。スイッチング素子Q2はオフなので、一次コイルN3には電流は流れない。
一次コイルN1に電流iAが流れると、相互誘導により二次コイルN2に、その始端が高電位となる起電圧を生じる。この起電圧により、順バイアスとなるダイオードD1を通して、以下の第1の電流路を通って電流i1が流れる(図2(e)(f)参照)。
・ダイオードD1→二次コイルN2→二次コイルN4→ダイオードD4→出力端p
ダイオードD2、D3、D5は逆バイアスとなる。電流i1は、負荷(図示せず)に供給され、出力端nに戻る。
電流i1は、フォワード方式電源におけるフォワード電流に相当し、一次側から二次側に電力が伝達される。この場合、トランスT2の二次コイルN4が、フォワード方式電源における外付けリアクトルの役割を果たしている。(なお、図3に点線で示す電流i5については、後に図6のモードIVで説明する。)
トランスT1には、入力側から入力電流iAが流れ込むので大きな磁気エネルギーが蓄積される。トランスT2にも二次コイルN4に電流i1が流れて磁気エネルギーが蓄積されるが、トランスT1の蓄積量に比べて小さい。これは、トランスT2の二次コイルN4には、トランスT1の二次コイルN2の始端電位と平滑コンデンサCの正側電位との差電圧のみが印加されるためである。
ここで、定常状態における平滑コンデンサCは、リップル変動を除いてほぼ一定の電圧で充電されている。したがって、電流i1は、二次コイルN2の起電圧による始端電位が、平滑コンデンサCの正側電位を超え得る大きさであるときのみ流れる。例えば正弦波の入力電圧の場合、入力電圧の小さい範囲では、二次コイルN2の起電圧も小さいため、フォワード電流i1は流れることができない。一般的なフォワード方式電源においては、これが力率を低下させる原因となる。図2(e)(f)では、モードIの途中までは電流i1が流れず、モードIの途中から電流i1が流れるようになった場合を例示している。また、図2(c)に示すように、一次側の電流iAは、二次側の電流i1が流れるか否かに関わらず入力電圧が印加されると流れるが、二次側の電流i1が流れるとトランス作用により一次側の電流iAも増加する。
モードIで電流i1が流れない場合、トランスT1は、トランス作用を行わない単なる磁気エネルギー蓄積コイル(いわゆるフライバック用リアクトル)と同等になる。また、モードIで電流i1が流れる場合、トランスT1に蓄積される磁気エネルギーは、電流i1が流れない場合に比べれば抑制されるが、所定の残留磁束は存在する。
<モードIIの動作>
図4は、モードIIにおける電流を示している。一次側において、スイッチング素子Q1がオフになると、一次側の電流iAが遮断し、二次側の電流i1も遮断される(図2(c)(e)参照)。トランスT1、T2の各コイルN1〜N4にはそれぞれ逆起電圧が生じる。モードIで蓄積された磁気エネルギーに応じて、トランスT1に生じる逆起電圧は大きく、トランスT2に生じる逆起電圧は小さい。
二次コイルN2の逆起電圧によりダイオードD5、D3が順バイアスとなり、電流i2が、以下の第2の電流路を通って流れる(図2(e)参照)。
・ダイオードD5→二次コイルN2→ダイオードD3→出力端p
電流i2により、モードIにおいてトランスT1に蓄積された磁気エネルギーが放出される。電流i2は、フライバック方式電源におけるフライバック電流に相当し、入力電圧の大きさに関わらず流れるので力率改善に寄与する。
同時に、二次コイルN4の逆起電圧により、電流i3が、以下の第3の電流路を通って流れる(図2(f)参照)
・ダイオードD5→二次コイルN4→ダイオードD4→出力端p
電流i3により、モードIにおいてトランスT2に蓄積された磁気エネルギーが放出される。電流i3は、モードIのフォワード電流i1の転流電流に相当する。したがって、モードIにおいて入力電圧が小さいためにフォワード電流i1が流れないときは、転流電流i3も流れない。ダイオードD5は、フリーホイーリングダイオードの役割を果たす。
電流i2および電流i3は、合流して負荷(図示せず)に供給され、出力端nに戻る。
<モードIIIの動作>
図5は、モードIIIにおける電流をそれぞれ示している。モードIIIにおける回路動作は、上述したモードIにおける回路動作とほぼ対称的になり、実質的に同じである。
図5に示すように、モードIIIでは、一次側ではモードIにおける電流iAと同様に、電流iBが一次コイルN3に流れる(図2(d)参照)。二次側ではモードIにおける電流i1と対称的な電流i4が、以下の第4の電流路を通って流れる(図2(e)(f)参照)。
・ダイオードD2→二次コイルN4→二次コイルN2→ダイオードD3→出力端p
電流i4は、負荷(図示せず)に供給され、出力端nに戻る。電流i4も、電流i1と同様にフォワード電流であり、この場合は、トランスT1の二次コイルN2がフォワード方式電源における外付けリアクトルの役割を果たしている。
電流i4も、入力電圧が小さい範囲で流れない場合がある。図2(e)(f)では、モードIIIの途中までは電流i4が流れず、モードIIIの途中から電流i4が流れるようになった場合を例示している。また、図2(d)に示すように、一次側の電流iBは、二次側の電流i4が流れるか否かに関わらず入力電圧が印加されると流れるが、二次側の電流i4が流れるとトランス作用により一次側の電流iBも増加する。
モードIIIで電流i4が流れない場合、トランスT2は、トランス作用を行わない単なる磁気エネルギー蓄積コイル(いわゆるフライバック用リアクトル)と同等になる。また、モードIIIで電流i4が流れる場合、トランスT2に蓄積される磁気エネルギーは、電流i4が流れない場合に比べて抑制されるが、所定の残留磁束は存在する。
なおこの例では、点線で示すように、モードIIにおける二次側のフライバック電流i2がモードIIIになっても残留している(図2(e)参照)が、これは必ず残留するものではない。但し、モードIIIで残留している電流i2は、ダイオードD5を通らず、ダイオードD2および二次コイルN4から二次コイルN2を通って流れる。
モードIIIでは、トランスT2の二次コイルN4に生じた起電圧が、トランスT1の二次コイルN2の始端に印加される。これによりトランスT1の一次コイルN1にも起電圧を生じる。その結果、一次コイルN1の終端電位(スイッチング素子Q1のドレイン電位)は、入力電圧から、一次コイルN1に生じた起電圧の分だけ降下した電位となる。このことは、スイッチング素子Q1に対する耐電圧要求が軽減されることを意味する。なお、上述のモードIでは言及しなかったが、モードIにおけるスイッチング素子Q2についても同様のことが言える。
<モードIVの動作>
図6は、モードIVにおける電流をそれぞれ示している。モードIVにおける回路動作は、上述したモードIIにおける回路動作とほぼ対称的になり、実質的に同じである。
図6に示すように、モードIVは、一次側では電流が流れず、二次側ではモードIIにおける電流i2と対称的な電流i5が、以下の第5の電流路を通って流れる(図2(f)参照)。
・ダイオードD5→二次コイルN4→ダイオードD4→出力端p
電流i5は、フライバック方式電源におけるフライバック電流に相当し、入力電圧の大きさに関わらず流れるので力率改善に寄与する。電流i5はトランスT2に生じる大きな逆起電圧により流れるので、図3に示したように次の周期のモードIにおいても残留する場合がある(但し、モードIではダイオードD5を通らない)が、これは必ず残留するものではない。
またモードIVでは、モードIIにおける電流i3と対称的な電流i6が、以下の第6の電流路を通って流れる(図2(e)参照)。
・ダイオードD5→二次コイルN2→ダイオードD3→出力端p
電流i6は、モードIIIのフォワード電流i4の転流電流に相当する。したがって、モードIIIにおいて入力電圧が小さいためにフォワード電流i4が流れないときは、転流電流i6も流れない。ダイオードD5は、フリーホイーリングダイオードの役割を果たす。電流i5および電流i6は、合流して負荷(図示せず)に供給され、出力端nに戻る。
図2のタイミング図に示すように、電流i2、i5および電流i3、i6のように次第に減少していく電流の持続時間は、回路定数や負荷電流の大きさにより決定される。
<第1の実施形態の特徴>
第1の実施形態の力率改善コンバータでは、入力電圧の大きさに関わらず(入力電圧が小さいときでも)、モードIIおよびモードIVのフライバック電流i2、i5が流れることができる。入力電圧が十分大きいときは、フライバック電流i2、i5に加えて、モードIおよびモードIIIにおいてフォワード電流i1、i4が流れることができ、モードIIおよびモードIVにおいてさらに転流電流i3、i6が流れることができる。
第1の実施形態の力率改善コンバータは、絶縁用のトランスT1、T2が、力率改善用のリアクトルとしても機能する。したがって、絶縁用のトランス以外に別のトランスまたはリアクトルが不要であるので、回路をコンパクトにでき、部品点数を低減できる。この結果、信頼性および効率が向上する。
従来のワンコンバータ方式の力率改善コンバータにおいて、絶縁用のトランスの二次側に設けられていたスイッチング素子が不要となるので、スイッチング制御が簡素になり、これによっても信頼性が向上する。
さらに、フォワードおよびフライバックの双方の動作を含むので、トランスの利用効率が高くなる。
(2)第2の実施形態
(2−1)回路構成
図7は、力率改善コンバータの第2の実施形態の回路例の概略構成図である。図7の回路は、2つのトランスT1およびT2とリアクトルLとを有する。トランスT1は、一次コイルN1と二次コイルN2とを有し、トランスT2は、一次コイルN3と二次コイルN4とを有する。リアクトルLはコアを有する。なお、第1の実施形態と同一の構成については、説明を省略または簡略化する場合がある。
<トランスT1、T2の一次側の構成>
トランスT1、T2の一次側の構成および入力電圧については、第1の実施形態と同じである。
<トランスT1、T2の二次側の構成>
トランスT1、T2の二次側には、共通の出力端である高電位側の第1の出力端pおよび低電位側の第2の出力端nが設けられる。出力端pと出力端nとの間には平滑コンデンサCが接続されている。
第1の整流要素、第2の整流要素、第3の整流要素および第4の整流要素については、トランスT1、T2および出力端p、nとの関係において第1の実施形態と同様に接続されている。
さらに、出力端nから二次コイルN2および二次コイルN4の各始端へそれぞれ流れる電流を導通可能とする第5の整流要素および第6の整流要素がそれぞれ接続されている。第5の整流要素は、一例としてダイオードD5であり、そのアノードが出力端nに、カソードが二次コイルN2の始端に接続されている。第6の整流要素は、一例としてダイオードD6であり、そのアノードが出力端nに、カソードが二次コイルN4の始端に接続されている。
第2の実施形態では、外付けのリアクトルLが設けられている。リアクトルLの一端は、出力端pに接続されている。
さらに、二次コイルN2および二次コイルN4の各始端からリアクトルLの他端へそれぞれ流れる電流を導通可能とする第7の整流要素および第8の整流要素がそれぞれ接続されている。第7の整流要素は、一例としてダイオードD7であり、そのアノードが二次コイルN2の始端に、カソードがリアクトルLの他端に接続されている。第8の整流要素は、一例としてダイオードD8であり、そのアノードが二次コイルN4の始端に、カソードがリアクトルLの他端に接続されている。
トランスT1とトランスT2は、同じ構成とすることが好適である。したがって、トランスT1の巻数比N1:N2と、トランスT2の巻数比N3:N4を同じとすることが好適である。
(2−2)回路動作
図8〜図12を参照して、図7に示した回路の動作を説明する。図8は、図7の回路における各構成要素の電圧または電流の波形を例示的かつ模式的に示すタイミング図である。
図8(a)(b)は、図2(a)(b)と同じであり、スイッチング素子Q1、Q2の制御信号V、Vを示している。また、図2と同様に、回路動作に関して、スイッチング素子Q1のオン期間をモードIと、オフ期間をモードIIと称し、スイッチング素子Q2のオン期間をモードIIIと、オフ期間をモードIVと称する。
図8(c)(d)(e)(f)(g)は、一次コイルN1、一次コイルN3、二次コイルN2、二次コイルN4、およびリアクトルLにそれぞれ流れる電流波形の一例を示している。ここでは、一次側の各コイルについては、始端に流入する電流を正とし、始端から流出する電流を負とし、そして二次側の各コイルについては、始端から流出する電流を正とし、始端に流入する電流を負として示している。リアクトルLについては出力端pへと流れる方向を正としている。
<モードIの動作>
図9は、モードIにおける電流を示している。一次側においてスイッチング素子Q1がオンになると、入力電圧により一次コイルN1に電流iAが流れる(図8(c)参照)。スイッチング素子Q2はオフなので、一次コイルN3には電流は流れない。
一次コイルN1に電流iAが流れると、相互誘導により二次コイルN2に、その始端が高電位となる起電圧を生じる。この起電圧により、順バイアスとなるダイオードD1、D7を通して、以下の第1の電流路を通って電流i1が流れる(図8(e)参照)。
・ダイオードD1→二次コイルN2→ダイオードD7→リアクトルL→出力端p
ダイオードD2、D3、D5、D6、D8は逆バイアスとなる。電流i1は、負荷(図示せず)に供給され、出力端nに戻る。
電流i1は、フォワード方式電源におけるフォワード電流に相当し、一次側から二次側に電力が伝達される。この場合、リアクトルLが、フォワード方式電源における外付けリアクトルの役割を果たしている。
トランスT1には、入力側から入力電流iAが流れ込むので大きな磁気エネルギーが蓄積される。一方、トランスT2には電流が流れず、磁気エネルギーが蓄積されないので、第1の実施形態に比べてトランスT2の磁気飽和が起こり難い。
フォワード電流i1は、二次コイルN2の起電圧による始端電位が、平滑コンデンサCの正側電位を超え得る大きさであるときのみ流れる。入力電圧の小さい範囲では、二次コイルN2の起電圧も小さいため、フォワード電流i1は流れることができない。図8(e)(g)では、モードIの途中までは電流i1が流れず、モードIの途中から電流i1が流れるようになった場合を例示している。また、図8(c)に示すように、一次側の電流iAは、二次側の電流i1が流れるか否かに関わらず入力電圧が印加されると流れるが、二次側の電流i1が流れるとトランス作用により一次側の電流iAも増加する。
モードIで電流i1が流れない場合、トランスT1は、トランス作用を行わない単なる磁気エネルギー蓄積コイル(いわゆるフライバック用リアクトル)と同等になる。また、モードIで電流i1が流れる場合、トランスT1に蓄積される磁気エネルギーは、電流i1が流れない場合に比べて抑制されるが、所定の残留磁束は存在する。また、リアクトルLは、電流i1が流れると磁気エネルギーが蓄積される。
<モードIIの動作>
図10は、モードIIにおける電流を示している。一次側において、スイッチング素子Q1がオフになると、一次側の電流iAが遮断し、二次側の電流i1も遮断される(図8(c)(e)参照)。トランスT1の各コイルN1、N2には、モードIで蓄積された磁気エネルギーに応じた大きさの逆起電圧が生じる。
二次コイルN2の逆起電圧によりダイオードD5、D3が順バイアスとなり、電流i2が、以下の第2の電流路を通って流れる(図8(e)参照)。
・ダイオードD5→二次コイルN2→ダイオードD3→出力端p
電流i2により、モードIにおいてトランスT1に蓄積された磁気エネルギーが放出される。電流i2は、フライバック方式電源におけるフライバック電流に相当し、入力電圧の大きさに関わらず流れるので力率改善に寄与する。
同時にモードIIでは、リアクトルLの逆起電圧により、電流i3が、以下の第3の電流路を通って流れる(図8(g)参照)
・ダイオードD5→ダイオードD7→リアクトルL→出力端p
電流i3は、モードIのフォワード電流i1の転流電流に相当する。リアクトルLに転流電流i3が流れることにより、モードIでリアクトルLに蓄積された磁気エネルギーが放出される。ダイオードD5は、フリーホイーリングダイオードの役割を果たす。モードIにおいて入力電圧が小さいために電流i1が流れないときは、電流i3も流れない。
電流i2および電流i3は、合流して負荷(図示せず)に供給され、出力端nに戻る。
<モードIIIの動作>
図11は、モードIIIにおける電流をそれぞれ示している。モードIIIにおける回路動作は、上述したモードIにおける回路動作とほぼ対称的になり、実質的に同じである。
図11に示すように、モードIIIでは、一次側において電流iBが一次コイルN3に流れる(図8(d)参照)。二次側ではモードIにおける電流i1と対称的な電流i4が、以下の第4の電流路を通って流れる(図8(f)参照)。
・ダイオードD2→二次コイルN4→ダイオードD8→リアクトルL→出力端p
電流i4は、負荷(図示せず)に供給され、出力端nに戻る。
電流i4も、電流i1と同様にフォワード電流であり、この場合も、リアクトルLが外付けリアクトルの役割を果たしている。電流i4も、入力電圧が小さい範囲で流れることができない場合がある。図8(f)(g)では、モードIIIの途中までは電流i4が流れず、モードIIIの途中から電流i4が流れるようになった場合を例示している。また、図8(d)に示すように、一次側の電流iBは、二次側の電流i4が流れるか否かに関わらず入力電圧が印加されると流れるが、二次側の電流i4が流れるとトランス作用により一次側の電流iBも増加する。
モードIIIで電流i4が流れない場合、トランスT2は、トランス作用を行わない単なる磁気エネルギー蓄積コイル(いわゆるフライバックトランス)と同等になる。また、モードIで電流i4が流れる場合、トランスT2に蓄積される磁気エネルギーは、電流i4が流れない場合に比べて抑制されるが、所定の残留磁束は存在する。リアクトルLは、電流i4が流れると磁気エネルギーが蓄積される。
ここで図8(e)を参照すると、モードIIのフライバック電流i2が、この例ではモードIIIになっても残留している(図11には示していない)が、これは必ず残留するとは限らない。
<モードIVの動作>
図12は、モードIVにおける電流をそれぞれ示している。モードIVにおける回路動作は、上述したモードIIにおける回路動作とほぼ対称的になり、実質的に同じである。
図12に示すように、モードIVは、一次側では電流が流れず、二次側ではモードIIにおける電流i2と対称的な電流i5が、以下の第5の電流路を通って流れる(図8(f)参照)。
・ダイオードD6→二次コイルN4→ダイオードD4→出力端p
電流i5は、フライバック方式電源におけるフライバック電流に相当し、入力電圧の大きさに関わらず流れるので力率改善に寄与する。電流i5はトランスT2に生じる大きな逆起電圧により流れるので、次の周期のモードIにおいても残留する場合がある(図8(f)参照)が、これは必ず残留するものではない。
同時にモードIVでは、リアクトルLの逆起電圧により、モードIIにおける電流i3と対称的な電流i6が、以下の第6の電流路を通って流れる(図8(g)参照)。
・ダイオードD5→二次コイルN2→ダイオードD3→出力端p
電流i6は、モードIIIのフォワード電流i4の転流電流に相当する。リアクトルLに転流電流i6が流れることにより、モードIIIでリアクトルLに蓄積された磁気エネルギーが放出される。ダイオードD6は、フリーホイーリングダイオードの役割を果たす。モードIIIにおいて入力電圧が小さいために電流i4が流れないときは、電流i6も流れない。
電流i5および電流i6は、合流して負荷(図示せず)に供給され、出力端nに戻る。
図8のタイミング図に示すように、電流i2、i5および電流i3、i6のように次第に減少していく電流の持続時間は、回路定数や負荷電流の大きさにより決定される。
<第2の実施形態の特徴>
第2の実施形態の力率改善コンバータでは、入力電圧の大きさに関わらず(入力電圧が小さいときでも)、モードIIおよびモードIVのフライバック電流i2、i5が流れることができる。入力電圧が十分大きいときは、フライバック電流i2、i5に加えて、モードIおよびモードIIIにおいてフォワード電流i1、i4が流れることができ、モードIIおよびモードIVにおいてさらに転流電流i3、i6が流れることができる。
第2の実施形態の力率改善コンバータは、絶縁用のトランスT1、T2とは別に、外付けのリアクトルを設けている。これにより、第1の実施形態のように一方のトランスを流れるフォワード電流が他方のトランスに流れないので、他方のトランスが磁気飽和を起こし難い。また、トランスT1、T2は入力される電力を変換する必要があるため、ある程度大きなインダクタンスが必要であるのに対し、リアクトルLはインダクタンスを比較的小さくできる。その結果、大きな出力を得ることができる。
さらに、トランスからリアクトルLへとフォワード電流が流れることにより、当該トランス自身も磁束の上昇が抑制され、磁気飽和し難くなる。
さらに、フォワードおよびフライバックの双方の動作を含むので、トランスの利用効率が高くなる。
(3)第3の実施形態
(3−1)回路構成
図13を参照して本発明の第3の実施形態の回路構成を説明する。第3の実施形態は、トランスT1、T2の一次側の構成に関する。第3の実施形態は、上述した第1の実施形態または第2の実施形態のトランスT1、T2の二次側の構成と組み合わせて適用することができる。
トランスT1、T2の一次コイルと二次コイルの結合度が1未満であると、トランス作用におけるリーケージインダクタンスが大きくなる。その場合、リーケージインダクタンスが小さい場合に比べて一次コイルの電流が遮断したときの逆起電圧が大きくなる。すなわち、より大きな電圧が一次コイルの終端に生じ、スイッチング素子Q1、Q2に印加される。このため、通常はスナバ回路等が設けられる。しかしながら一般的なスナバ回路は、損失が大きい。本発明の第3の実施形態は、トランスT1、T2の一次コイルの逆起電圧を抑制するための回路構成を提供する。
図13は、第3の実施形態の回路構成を示す。図13では、入力交流電圧と、全波整流回路DBも示している。入力端1、2の間にコンデンサC1が接続されている。
入力端1と一次コイルN1の始端との間にスイッチング素子Q3が接続され、入力端1と一次コイルN3の始端との間にスイッチング素子Q4が接続されている。スイッチング素子Q3、Q4は、一例としてnチャネルMOSFETである。スイッチング素子Q3は、ドレインが入力端1に接続され、ソースが一次コイルN1の始端に接続されている。スイッチング素子Q4は、ドレインが入力端1に接続され、ソースが一次コイルN3の始端に接続されている。スイッチング素子Q3はスイッチング素子Q1と同じ電圧制御信号Vにより導通または遮断を制御される。スイッチング素子Q4は、スイッチング素子Q2と同じ電圧制御信号Vにより導通または遮断を制御される。電圧制御信号VとVは、例えば図2(a)(b)に示したように互いに180°位相の異なるPWM信号である。
さらに、一例としてダイオードD9である第9の整流要素が設けられ、そのアノードを一次コイルN1の終端に、そのカソードを入力端1に接続されている。また、一例としてダイオードD10である第10の整流要素が設けられ、そのアノードを一次コイルN3の終端に、そのカソードを入力端1に接続されている。
さらに、一例としてダイオードD11である第11の整流要素が設けられ、そのアノードを入力端2に、そのカソードを一次コイルN1の始端に接続されている。また、一例としてダイオードD12である第12の整流要素が設けられ、そのアノードを入力端2に、そのカソードを一次コイルN3の始端に接続されている。
(3−2)回路動作
図14〜図17を参照して、図13の回路の動作を説明する。
図14は、モードIIの開始時の状態を示している。モードIIの開始時には、スイッチング素子Q1、Q3が導通状態から遮断状態に移行する。これにより一次コイルN1において、始端が低電位、終端が高電位の逆起電圧が生じる。この逆起電圧により、以下の第7電流路を通ってコンデンサC1の充電電流iCが流れる。
・入力端2→ダイオードD11→一次コイルN1→ダイオードD9→コンデンサC1
これにより、逆起電圧を生じるトランスT1の磁気エネルギーがコンデンサC1に運ばれ蓄積されることになる。この結果、一次コイルN1の逆起電圧のスパイクが抑制される。その結果、スイッチング素子Q1に印加される高電圧が緩和される。
図15は、モードIIIの開始時の状態を示している。モードIIIの開始時には、スイッチング素子Q2、Q4が遮断状態から導通状態に移行する。これにより、一次コイルN3に入力電圧が印加され、入力電流iBが流れる。
同時に、コンデンサC1から放電電流iDが以下の第8の電流路を通って流れる。
・コンデンサC1→スイッチング素子Q4→一次コイルN3→スイッチング素子Q2→入力端2
これにより、コンデンサC1に蓄積されていたエネルギーがトランスT2に運ばれ、二次側への電力伝達に寄与することができる。
図16は、モードIVの開始時の状態を示している。モードIIと実質的に同じ動作であるが、モードIIのスイッチング素子Q1、Q3に替えてモードIVではスイッチング素子Q2、Q4が導通状態から遮断状態に移行する。この場合、一次コイルN3に生じる逆起電圧により、以下の第9の電流路を通ってコンデンサC1の充電電流iCが流れる。
・入力端2→ダイオードD12→一次コイルN3→ダイオードD10→コンデンサC1
図17は、一例としてモードIの開始時の状態を示している。モードIIIと実質的に同じ動作であるが、モードIIIのスイッチング素子Q2、Q4に替えてモードIではスイッチング素子Q1、Q3が遮断状態から導通状態に移行する。これにより、一次コイルN1に入力電圧が印加され、入力電流iAが流れる。
同時に、コンデンサC1から放電電流iDが以下の第10の電流路を通って流れる。
・コンデンサC1→スイッチング素子Q3→一次コイルN1→スイッチング素子Q1→入力端2
これにより、コンデンサC1に蓄積されていたエネルギーがトランスT1に運ばれ、二次側への電力伝達に寄与することができる。
(4)その他の実施形態
上述した実施形態おいて、スイッチング部におけるスイッチング素子は、MOSFET以外にIGBTまたはバイポーラトランジスタでもよい。
上述した各実施形態おいて、各ダイオードは、一方向への電流を導通可能でありかつ逆方向の電流を遮断する整流要素の一例である。従って、同様の整流機能を有する他の素子または回路に置き換えることができる。
以上に説明した本発明の絶縁型力率改善コンバータは、図示の構成例に限られず、本発明の主旨に沿う範囲において多様な変形が可能である。
1、2 入力端
p 第1の出力端(正の出力端)
n 第2の出力端(接地端)
T1、T2 トランス
N1、N3 一次コイル
N2、N4 二次コイル
L リアクトル
Q1、Q2、Q3、Q4 スイッチング素子(MOSFET)
D1、D2、D3、D4、D5、D7、D8、D9、D10、D11、D12 ダイオード
C 平滑コンデンサ
C1 コンデンサ

Claims (7)

  1. 各一次コイルに入力電圧をそれぞれ印加可能な第1のトランスおよび第2のトランスと、
    前記入力電圧により前記第1のトランスの一次コイルに流れる電流が導通又は遮断するように制御される第1のスイッチング素子と、
    前記入力電圧により前記第2のトランスの一次コイルに流れる電流が導通又は遮断するように制御される第2のスイッチング素子と、
    前記第1および第2のトランスの二次側に設けられた共通の第1の出力端および第2の出力端と、
    前記第1のトランスの一次コイルの電流が導通したときにその二次コイルに流れ得る第1のフォワード電流を前記第1および第2の出力端へと出力するための第1の電流路と、
    前記第1のトランスの一次コイルの電流が遮断したときにその二次コイルに流れる第1のフライバック電流を前記第1および第2の出力端へと出力するための第2の電流路と、
    前記第1のトランスの一次コイルの電流が遮断したときに流れ得る第1の転流電流を前記第1および第2の出力端へと出力するための第3の電流路と、
    前記第2のトランスの一次コイルの電流が導通したときにその二次コイルに流れ得る第2のフォワード電流を前記第1および第2の出力端へと出力するための第4の電流路と、
    前記第2のトランスの一次コイルの電流が遮断したときにその二次コイルに流れる第2のフライバック電流を前記第1および第2の出力端へと出力するための第5の電流路と、
    前記第2のトランスの一次コイルの電流が遮断したときに流れ得る第2の転流電流を前記第1および第2の出力端へと出力するための第6の電流路とを備えたことを特徴とする力率改善コンバータ。
  2. 前記第2の出力端から前記第1のトランスの二次コイルの終端への電流を導通可能に接続された第1の整流要素と、
    前記第2の出力端から前記第2のトランスの二次コイルの終端への電流を導通可能に接続された第2の整流要素と、
    前記第1のトランスの二次コイルの終端から前記第1の出力端への電流を導通可能に接続された第3の整流要素と、
    前記第2のトランスの二次コイルの終端から前記第1の出力端への電流を導通可能に接続された第4の整流要素と、
    前記第2の出力端から前記第1および第2のトランスの各二次コイルの始端への電流を導通可能に接続された第5の整流要素と、を有することを特徴とする請求項1に記載の力率改善コンバータ。
  3. 前記第1の電流路が、前記第1の整流要素と、前記第1のトランスの二次コイルと、前記第2のトランスの二次コイルと、前記第4の整流要素とを含み、
    前記第2の電流路が、前記第5の整流要素と、前記第1のトランスの二次コイルと、前記第3の整流要素と、を含み、
    前記第3の電流路が、前記第5の整流要素と、前記第2のトランスの二次コイルと、前記第4の整流要素とを含み、
    前記第4の電流路が、前記第2の整流要素と、前記第2のトランスの二次コイルと、前記第1のトランスの二次コイルと、前記第3の整流要素と、を含み、
    前記第5の電流路が、前記第5の整流要素と、前記第2のトランスの二次コイルと、前記第4の整流要素とを含み、
    前記第6の電流路が、前記第5の整流要素と、前記第1のトランスの二次コイルと、前記第3の整流要素とを含むことを特徴とする請求項2に記載の力率改善コンバータ。
  4. 前記第1の出力端に一端が接続されたリアクトルと、
    前記第2の出力端から前記第1のトランスの二次コイルの終端への電流を導通可能に接続された第1の整流要素と、
    前記第2の出力端から前記第2のトランスの二次コイルの終端への電流を導通可能に接続された第2の整流要素と、
    前記第1のトランスの二次コイルの終端から前記第1の出力端への電流を導通可能に接続された第3の整流要素と、
    前記第2のトランスの二次コイルの終端から前記第1の出力端への電流を導通可能に接続された第4の整流要素と、
    前記第2の出力端から前記第1および第2のトランスの各二次コイルの始端への電流を導通可能にそれぞれ接続された第5および第6の整流要素と、
    前記第1および第2のトランスの各二次コイルの始端から前記リアクトルの他端への電流を導通可能にそれぞれ接続された第7および第8の整流要素と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の力率改善コンバータ。
  5. 前記第1の電流路が、前記第1の整流要素と、前記第1のトランスの二次コイルと、前記第7の整流要素と、前記リアクトルとを含み、
    前記第2の電流路が、前記第5の整流要素と、前記第1のトランスの二次コイルと、前記第3の整流要素と、を含み、
    前記第3の電流路が、前記第5の整流要素と、前記第7の整流要素と、前記リアクトルとを含み、
    前記第4の電流路が、前記第2の整流要素と、前記第2のトランスの二次コイルと、前記第8の整流要素と、前記リアクトルとを含み、
    前記第5の電流路が、前記第6の整流要素と、前記第2のトランスの二次コイルと、前記第4の整流要素とを含み、
    前記第6の電流路が、前記第6の整流要素と、前記第8の整流要素と、前記リアクトルとを含むことを特徴とする請求項4に記載の力率改善コンバータ。
  6. 前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子が、2つの異なる制御信号の各々によりそれぞれオンオフ制御されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の力率改善コンバータ。
  7. 入力電圧が入力される一対の入力端の間に接続されたコンデンサと、
    前記第1のトランスの一次コイルの電流が遮断したときに当該一次コイルに生じる逆起電圧により前記コンデンサを充電する充電電流を流すための第7の電流路と、
    前記第2のトランスの一次コイルの電流が導通したときに前記コンデンサから放電される放電電流を当該一次コイルに流すための第8の電流路と、
    前記第2のトランスの一次コイルの電流が遮断したときに当該一次コイルに生じる逆起電圧により前記コンデンサを充電する充電電流を流すための第9の電流路と、
    前記第1のトランスの一次コイルの電流が導通したときに前記コンデンサから放電される放電電流を当該一次コイルに流すための第10の電流路とをさらに有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の力率改善コンバータ。
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