JP6967835B2 - 分光放射測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、分光放射測定装置に関する。
光源の明るさを示す指標の1つとして、全光束が測定される。この全光束の測定は、標準光源を用いて測定される全光束の測定値と、被測定光源の測定値とを比較して算出される(特許文献1、2)。従来、このような全光束測定の標準光源としては、標準電球が専ら使用されてきた。近年、発光ダイオード等を用いた照明器具(固体素子照明ともいう。)が広く使用されるようになってきているが、その固体素子照明についても、標準電球を使用した分光放射測定装置を用いて全光束が測定されている。
特開2009−103654号公報 特開2010−271235号公報
しかしながら、標準電球を使用する従来の分光放射測定装置により、固体素子照明の全光束を測定すると、固体素子照明の発光スペクトルや配光特性等が標準電球と大きく異なることから正確に全光束を測定できない場合があった。
そこで、本発明は、発光ダイオード等を用いた照明器具の全光束を精度良く測定できる分光放射測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る一形態の分光放射測定装置は、
入射スリットと、前記入射スリットから入射された入射光を波長に応じて出射角を変化させる分散手段と、前記分散手段により分散された光のうち特定の波長帯域の光を出射させる出射スリットとを備えた分光器と、
被測定光源から出射された光を、拡散光にして前記入射スリットに照射する光導入手段と、
分光分布測定の基準とする標準光源と、
を備え、
前記標準光源は、発光ダイオードと該発光ダイオードからの光により励起される蛍光体とを含み、
前記標準光源の分光分布Ps(λ)と、該分光分布Ps(λ)の2次微分係数Ps”(λ)と、前記入射スリットの幅と前記分散手段の分散特性と前記出射スリットの幅とに基づいて規定されるスリット関数の波長幅Δλ(nm)とが、380nm〜780nmの波長範囲において、以下の式(1)の関係を満たすことを特徴とする。
Δλ×(Ps”(λ)/Ps(λ))<0.5・・・式(1)
以上のように構成された本発明に係る一形態の分光放射測定装置によれば、発光ダイオード等を用いた照明器具の全光束を精度良く測定できる分光放射測定装置を提供することができる。
本発明に係る実施形態の分光放射測定装置の構成を示す模式図である。 市販されている白色LEDの分光分布の測定結果を示すグラフである。 図2Aに示す分光分布に基づいて、白色LEDを標準光源として用いて分光放射測定した場合の測定誤差の算出結果を示すグラフである。 実施形態に係る標準光源1をフォルダに取り付けた状態を示す模式的な断面図である。 実施形態に係る標準光源1の構成を示す平面図である。 実施形態の標準光源1に係るAタイプ及びBタイプの光源の分光分布を示すグラフである。 図4Aに示す分光分布に基づいて、Aタイプ及びBタイプの光源を標準光源として用いて分光放射測定した場合の測定誤差の算出結果を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施形態の分光放射測定装置について説明する。実施形態の分光放射測定装置は、図1に示すように、光導入部10と、分光器20と、検出器30を含み、さらに分光分布測定の基準とする標準光源1を備えている。
分光放射測定装置において、光導入部10は、積分球10aと、光源取付部11と、出射部12と、遮光板13とを有し、光源取付部11に設けられた被測定光源から出射される光を、被測定光源の形状及び配光特性に依存しない平均化した強度の光にして出射する光導入手段である。より具体的には、積分球10aの内壁は拡散反射面となっており、被測定光源からの光は積分球10aの内壁で多重反射されて、その反射拡散光が積分球10aの内壁に照射され、積分球10aの内壁は被測定光源から方向及び距離によらず均等に照射された状態となる。このように、均等に照射された光(拡散反射光)の一部が出射部12から取り出され、分光器20の入射スリット面に照射される。このような光導入部により、被測定光源から放射される光束の総和(全光束)に対して常に一定の割合の光が出射部12から出射される。尚、遮光板13は、光源取付部11と出射部12の間に配置され、被測定光源から放射される光が直接出射部12から出射されることがないようにして、積分球10aの内壁で反射された光だけが出射部12から取り出されるようにしている。
また、14の符号を付して示す部材は、自己吸収補正用光源である。
分光器20は、入射スリット21sが形成されたが入射スリット板21と、分散手段22と、出射スリット23sが形成されたが出射スリット板23とを備えている。ここで、入射スリット21sと出射スリット23sは、スリット波長幅が例えば、同一になるように設定される。分散手段22は、平面ミラー22M1とコリメータミラー22Mcと回折格子22Gとフォーカシングミラー22Mfと平面ミラー22M2とを含む。以上のように構成された分光器20において、入射スリット21sから入射された入射光は波長に応じて分散して出射スリット板23上に照射される。そして、出射スリット板23上に照射された光のうち、出射スリット23sに照射された特定の波長の光だけが出射される。また、分光器20は、回折格子22Gの向きを制御する制御部を含んでおり、この制御部によって回折格子22Gの向きを変化させることにより、出射スリット23sから出射させる光の波長帯域を変更することができる。
検出器30は、分光器20の出射スリット23sから出射された特定の波長帯域の光の強度を測定する。
ここで、特に、本実施形態の分光放射測定装置は、従来から使用されてきた標準電球に代えて、発光ダイオードと発光ダイオードからの光により励起される蛍光体とを含む標準光源1を備えている。そして、標準光源1の分光分布Ps(λ)と、該分光分布Ps(λ)の2次微分係数Ps”(λ)と、入射スリット21sの幅と分散手段22の分散特性と出射スリット23sの幅とに基づいて規定されるスリット関数の波長幅Δλ(nm)とが、380nm〜780nmの波長範囲において、以下の式(1)の関係を満たすように設定されている。これにより、詳細後述するように、スリット関数の波長幅Δλを2.5nmとした場合、1%以下の測定誤差で分光分布を測定することが可能になる。また、実施形態の分光放射測定装置は、発光ダイオードと発光ダイオードからの光により励起される蛍光体とを含む標準光源1を備えているので、発光スペクトルや配光特性等が標準電球と大きく異なる固体光源照明器具の全光束を精度良く測定することが可能になる。
Δλ×(Ps”(λ)/Ps(λ))<0.5・・・式(1)
以下、発光ダイオードを含む標準光源1を備えた分光放射測定装置の測定精度及び標準光源1の構成について詳細に説明する。本発明は、本発明者らが、標準電球を用いていた分光放射測定装置が持つ種々の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果なされたものであり、以下の説明ではその検討経緯を含めて説明する。
標準光源により分光感度特性が校正された有限のスリット波長幅Δλを有する分光放射測計を用いて、被測定光源の分光放射束(もしくは分光放射照度。以下、分光分布という。)を評価する場合、分光器20のスリット関数の影響により、被測定光源の分光分布に誤差が生じる。この誤差は、波長積分量である被測定光源の放射束値に最終的には影響を与えることになる。
一般に固体素子照明は、標準電球に比べて、急峻な分光分布を有することから、例えば、発光ダイオードを含む固体光源を分光放射測定装置の標準光源として使用することは困難であると考えられていた。例えば、一部の波長域に急峻なピークを有する白色LEDを標準光源とする場合には、分光器20のスリット関数の影響が顕著に現れることが想定される。
そこで、本発明者らは、標準光源の分光分布におけるピーク付近では2次微分の変化が大きくなるであろう点に着目して検討した。
被測定光源の分光分布を、P(λ)とすると、P(λ)は、被測定光源を分光放射計で測定時の測定値R(Λ)、標準光源を分光放射計で測定時の測定値R(Λ)および標準光源の分光分布P(λ)により、以下の式(2)で与えられる(JIS Z 8724等)。
Figure 0006967835
式(2)において、λは光の波長であり、Λは分光放射計の波長、H(Λ)は、分光放射計の波長Λにおける応答度である。
上記式(2)をもとに、スリット関数の影響により誤差を評価するために、
(i)分光放射計の測定値R(Λ)が、分光放射計のスリット関数g(λ,Λ)、分光放射計の応答度H(Λ)および光源の分光分布P(λ)により、次の式(3)で与えられること、
(ii)さらに、スリット関数g(λ,Λ)が、スリット波長幅Δλを有する二等辺三角形で与えられると仮定すると、式(3)は、式(4)で近似できることに着目して式(5)を得た。
ここで、一般にスリット関数は二等辺三角形になることが知られており、(ii)における仮定に問題はない。
Figure 0006967835
Figure 0006967835
Figure 0006967835
・・・・(5)
以上の式(5)から標準光源の分光分布と分光器のスリット関数に基づく誤差は、(Ps”(λ)/Ps(λ))とスリット波長幅Δλ(nm)の2乗に比例することが分かる。
式(5)によれば、スリット波長幅Δλを2.5nmとした場合、式(1)を満足するような分光分布の光源を標準光源として使用すれば、1%以下の測定誤差で分光分布を測定することが可能であることがわかる。
標準光源として白色LEDを用いた場合の測定誤差
そこで、まず、本発明者らは、式(5)により、市販されている白色LEDの分光分布を測定して、その白色LEDを標準光源として用いて分光放射測定した場合の測定誤差を評価した。
図2Aに、その白色LEDの分光分布を示す。また、図2Bには、その白色LEDの分光分布について式(5)に基づき算出した測定誤差を示す。尚、この誤差評価は、評価対象とした白色LEDは410nm以下の波長の光をほとんど発光しないことから、410nm〜780nmの範囲で行った。
以上の評価結果から、白色LEDを標準光源として用いて分光放射測定した場合、図2Bに示すように、510nm以下の波長域における測定誤差は大きくなるが、510nmより大きい波長域は比較的測定誤差が小さいことが確認された。また、510nmより大きい波長域において比較的測定誤差が小さいといっても、510nmより大きい波長域においても標準電球を用いた場合に比較すると誤差はまだ大きい。この評価に使用した白色LEDは、ピーク波長が455nm近辺にある青色発光ダイオード(窒化ガリウム系半導体発光ダイオード)とその青色発光ダイオードの光により励起されて励起光より長波長の光を発光する蛍光体(セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系蛍光体)を含む白色LEDであり、500nm以下の波長域における発光は青色発光ダイオードの光が支配的であり、500nmより大きい波長域では蛍光体の光が支配的である。
本実施形態では、以上の評価結果を基に、以下のようなコンセプトで発光ダイオードを含む標準光源1を構成することとした。
(a)まず、白色LEDに比較して、より広い範囲で蛍光体の光が支配的になるようにすることが好ましい。
具体的には、白色LEDに用いている青色発光ダイオードより短い波長の発光ダイオードを使用して、青色領域について急峻なピークを有する発光ダイオードに代えて、強度分布の変化量の変化(分光分布における傾きの変化、すなわち、分光分布の二次微分係数)が発光ダイオードより小さい蛍光体の光が支配的になるようにする。これにより、青色領域についても分光分布の二次微分係数を小さくすることができる。
(b)発光ダイオードの光が支配的な短い波長域(例えば、380nm〜410nmの波長域)における分光分布の二次微分係数を小さくするために、波長の異なる複数の種類の発光ダイオードを使用することが好ましい。ここで、本明細書では、可視光のうち特に波長が短い380nm〜430nmの範囲を近紫外領域といい、その近紫外領域にピーク波長を有する発光ダイオードを近紫外発光ダイオードという。
(c)さらに、発光ダイオードの光が支配的な短い波長域を除いた青色から赤色にわたる広い波長域の光を発光させるために複数の種類の蛍光体を用いることが好ましい。
実施形態の分光放射測定装置における標準光源1は、上述したコンセプトに基づいて構成されており、その一例を図3Bに示す。
図3Bに示す標準光源1は、基体2上に、ピーク波長が380nmの4個の近紫外発光ダイオード1aと、ピーク波長が390nmの12個の近紫外発光ダイオード1bと、ピーク波長が400nmの10個の近紫外発光ダイオード1cと、ピーク波長が410nmの4個の近紫外発光ダイオード1dが実装されている。そして、この30個の近紫外発光ダイオードうちの15個の近紫外発光ダイオード(2個の近紫外発光ダイオード1a、6個の近紫外発光ダイオード1b、5個の近紫外発光ダイオード1c、2個の近紫外発光ダイオード1d)が直列に接続され、残りの15個の近紫外発光ダイオードが直列に接続され、その2つの直列回路が並列に接続されている。ここで、近紫外発光ダイオードはそれぞれ発光面側にp側の電極とn側の電極とを有しており、隣接する近紫外発光ダイオード間がワイヤー7によって接続されている。
図3Bには、それぞれ近紫外領域にピーク波長を有する4種類の近紫外発光ダイオードを用いた例を示したが、本実施形態の標準光源1は、紫外領域(380nm未満の波長領域)にピーク波長を有する発光ダイオードを含むように構成してもよい。なお、この近紫外発光ダイオードまたは紫外領域にピーク波長を有する発光ダイオードとしては、例えばAlGaN等の窒化物半導体からなる発光ダイオードが挙げられる。
また、実施形態の標準光源1では、30個の近紫外発光ダイオードを覆うように蛍光体層が設けられており、その蛍光体層が青色に発光する第1の蛍光体と黄色に発光する第2の蛍光体と赤色に発光する第3の蛍光体とを含んでいる。ここで、実施形態の標準光源1では、第1の蛍光体〜第3の蛍光体の1つ以上またはそれぞれが2種類以上の蛍光体を含んでいてもよい。
実施形態の標準光源1は、さらに、近紫外発光ダイオード及び蛍光体層を覆う透光性樹脂を含む。この透光性樹脂は、光拡散材を含んでいることが好ましく、これにより、発光ダイオードからの直接の光及び/また蛍光体からの光を拡散して均一にして外部に放出することができる。
以上、説明した図3Bに示す標準光源1は、図3Aに示すフォルダ5の所定の位置に保持された状態で光源取付部11に取り付けられる。フォルダ5には、標準光源1を冷却するペルチエ素子3が設けられ、動作時における標準光源1の温度上昇を抑制している。
以上の図3Bに示した例に基づき、Aタイプの標準光源1とBタイプの標準光源1を作製し、Aタイプの標準光源1を用いた実施形態の分光放射測定装置とBタイプの標準光源1を用いた実施形態の分光放射測定装置についてそれぞれ、上記式(5)により380nm〜780nm波長域における測定誤差を評価した。尚、この測定誤差の評価において、スリット波長幅Δλは5nmとした。
ここで、
Aタイプの標準光源1は、
近紫外発光ダイオードとして、上述した、
ピーク波長が380nmの4個の近紫外発光ダイオード1aと、
ピーク波長が390nmの12個の近紫外発光ダイオード1bと、
ピーク波長が400nmの10個の近紫外発光ダイオード1cと、
ピーク波長が410nmの4個の近紫外発光ダイオード1dと、
を用い、
青色に発光する第1の蛍光体として、(SrCaBaMg)(POCl:Euで表される蛍光体(SCA)を用い、
黄色に発光する第2の蛍光体として、LuAl12:Ceで表される蛍光体(LAG)を用い、
赤色に発光する第3の蛍光体として、CaAlSiN:Euで表される蛍光体(CASN)を用いて、構成した。
また、Bタイプの標準光源1は、
近紫外発光ダイオードとして、上述した、
ピーク波長が380nmの4個の近紫外発光ダイオード1aと、
ピーク波長が390nmの12個の近紫外発光ダイオード1bと、
ピーク波長が400nmの10個の近紫外発光ダイオード1cと、
ピーク波長が410nmの4個の近紫外発光ダイオード1dと、
を用い、
青色に発光する第1の蛍光体として、BaMgAl017:Euで表される蛍光体(BAM)の蛍光体を用い、
黄色に発光する第2の蛍光体として、LuAl12:Ceで表される蛍光体(LAG)を用い、
赤色に発光する第3の蛍光体として、CaAlSiN:Euで表される蛍光体(CASN)を用いて、構成した。
Aタイプの標準光源1とBタイプの標準光源1は、青色に発光する第1の蛍光体の材料が異なる他は、同様に構成されている。
図4Aに、Aタイプの標準光源1の分光分布とBタイプの標準光源1の分光分布とを示す。図4Bに、Aタイプの標準光源1を用いた分光放射測定装置の測定誤差と、Bタイプの標準光源1を用いた分光放射測定装置の測定誤差を示す。
尚、図4A及び図4Bにはそれぞれ、白色LED及び標準電球の分光分布と、白色LED及び標準電球を標準光源として用いた分光放射測定装置の測定誤差とを併せて示している。
図4Bに示すように、Aタイプの標準光源1を用いた分光放射測定装置の測定誤差と、Bタイプの標準光源1を用いた分光放射測定装置の測定誤差をいずれも、380nm〜780nm波長域において4%以下にできることが確認された。この測定誤差は、スリット波長幅Δλが5nmの場合の誤差であり、例えば、スリット波長幅Δλを2.5nm以下にすれば、測定誤差を1%以下にできることを意味し、分光放射測定装置の標準光源として十分使用可能である。
以上、標準的に用いられているスリット波長幅Δλが2.5nmの分光器を備えた分光放射測定装置において、測定誤差を1%以下にするために必要な式(1)を満足する標準光源が、発光ダイオードと蛍光体を組み合わせた光源により実現できることが、本実施形態のAタイプ及びBタイプの標準光源1により示された。
以上、特定の構造のAタイプ及びBタイプの標準光源1により、標準電球に代わる標準光源の例を示したが、発光ダイオードの種類及び蛍光体の種類及びそれらの組み合わせを適宜変更して分光放射測定装置において標準光源として使用できる光源、すなわち、式(1)を満足する標準光源を実現することができることは言うまでもない。
例えば、Aタイプ及びBタイプの標準光源1では、ピーク波長が異なる4種類の近紫外発光ダイオードを用いて構成したが、例えば、ピーク波長が380nm以下の紫外域の紫外発光ダイオードを1種類または複数種類用いて、紫外光により励起されて可視光を発光する1種類または複数種類の蛍光体を組み合わせて標準光源を構成してもよい。
例えば、標準光源1は、360nm〜430nmの範囲において、異なるピーク波長を有する2種以上の発光ダイオード(例えば、異なるピーク波長を有する4種の発光ダイオード)を含んで構成することができる。
また、標準光源1は、360nm〜380nmの範囲において、1種以上の発光ダイオードを含んで構成することもできる。このようにすると、通常、求められる380nm〜780nmの測定範囲において蛍光体の発光が支配的な標準光源を実現することができる。一般に、蛍光体の分光分布は、発光ダイオードに比較してなだらかであるから、380nm〜780nmの測定範囲において、分光分布の二次微分を小さくできることは容易に理解できる。
また、背景技術の欄で説明したように、標準電球を使用する従来の分光放射測定装置により、固体素子照明の全光束を測定すると、固体素子照明の発光スペクトルや配光特性等が標準電球と大きく異なることから正確に全光束を測定できない場合がある。
この点に関し、発光ダイオードと蛍光体を組み合わせた光源は、発光ダイオードの種類及び蛍光体の種類及びそれらの組み合わせを適宜変更して、種々の発光スペクトルを実現できる。また、発光ダイオード及び蛍光体を被覆する透光性樹脂の形状を適宜変更することにより、種々の配光特性を実現できる。したがって、被測定光源の発光スペクトルや配光特性を考慮して、それに適した標準光源を実現することができ、発光スペクトルや配光特性等の相違に起因する測定誤差を小さくすることができる。
以上の実施形態の分光放射測定装置では、分光器20への光導入手段として積分球10aを用いた例で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、標準光源及び被測定光源からの光が、光源から方向及び距離によらず均等化された状態で、分光器20に入射できるものであれば光導入手段として用いることができる。
例えば、実施形態の分光放射測定装置に用いることができる光導入手段として、積分球を用いて構成する以外に、
(i)JISZ8724,付属書C.1,条件bに規定された拡散反射面に光源の光を垂直に当て、その拡散反射面の法線から45°方向の拡散反射光を導入する手段、
(ii)JISZ8724,付属書C.1,条件cに規定された拡散透過面に当てて、その拡散透過光を導入する手段が挙げられる。
尚、本明細書において、分光器に入射される拡散反射光及び拡散透過光を総括して拡散光という。
1 標準光源
1a,1b,1c,1d 近紫外発光ダイオード
3 ペルチエ素子
5 フォルダ
7 ワイヤー
10 光導入部
10a 積分球
11 光源取付部
12 出射部
13 遮光板
14 自己吸収補正用光源
20 分光器
21 入射スリット板
21s 入射スリット
22 分散手段
23 出射スリット板
23s 出射スリット
22M1,22M2 平面ミラー
22Mc コリメータミラー
22G 回折格子
22Mf フォーカシングミラー
30 検出器

Claims (5)

  1. 入射スリットと、前記入射スリットから入射された入射光を波長に応じて出射角を変化させる分散手段と、前記分散手段により分散された光のうち特定の波長帯域の光を出射させる出射スリットとを備えた分光器と、
    被測定光源から出射された光を、拡散光にして前記入射スリットに照射する光導入手段と、
    分光分布測定の基準とする標準光源と、
    を備え、
    前記標準光源は、発光ダイオードと該発光ダイオードからの光により励起される蛍光体とを含み、
    前記標準光源の分光分布Ps(λ)と、該分光分布Ps(λ)の2次微分係数Ps”(λ)と、前記入射スリットの幅と前記分散手段の分散特性と前記出射スリットの幅とに基づいて規定されるスリット関数の波長幅Δλ(nm)とが、380nm〜780nmの波長範囲において、以下の式(1)の関係を満たすことを特徴とする分光放射測定装置。

    Δλ×(Ps”(λ)/Ps(λ))<0.5・・・式(1)
  2. 前記発光ダイオードは、紫外から近紫外領域にピーク波長を有し、
    前記蛍光体は、
    励起されることによって青色に発光する第1の蛍光体と、
    励起されることによって黄色に発光する第2の蛍光体と、
    励起されることによって赤色に発光する第3の蛍光体と、を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の分光放射測定装置。
  3. 前記第1の蛍光体は、異なる2種類の蛍光体を含むことを特徴とする請求項2に記載の分光放射測定装置。
  4. 前記発光ダイオードは、360nm〜430nmの範囲において、異なるピーク波長を有する2種以上の発光ダイオードを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の分光放射測定装置。
  5. 前記発光ダイオードは、360nm〜430nmの範囲において、異なるピーク波長を有する4種の発光ダイオードを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の分光放射測定装置。
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