JP6962727B2 - 位置検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、位置検出装置、特に絶対位置の検出が可能な位置検出装置に関する。
従来より、位置検出装置として差動変圧器が知られている。差動変圧器は、一次側コイルに交流電圧を印加し、2つの二次側コイルに誘起される電圧の差分を検出するものである。差動変圧器においては、コイル内部に直線的に可動な磁性体コア(可動磁心)の位置により一次側コイルと2つの二次側コイルとの間の相互インダクタンスが変化し、2つの二次側コイルに誘起される電圧差が生じる。そのため、検出対象に磁性体コアを連結し、磁性体コアの位置の変化を、二次側コイルの電圧差として検出することで、検出対象の位置の変化(変位)を検出する。
しかし、差動変圧器が検出できる変位の範囲は、二次側コイルの内部で磁性体コアが移動する範囲に限定される。そのため、差動変圧器は、広範囲の変位を検出することができないという問題がある
そのため、特許文献1では、コアの形状を、断面積が軸方向の位置により漸次に変化する円錐又はテーパー形状とし、一次側コイルと二次側コイルとの相互インダクタンスが、軸方向の位置により変化する構成とし、2つの二次側コイルの電圧の比により、広範囲の位置を検出する方法が開示されている。
また、特許文献2では、四角柱のコアの側面に、軸方向に面積が変化する板状の磁性片を貼着し、一次側コイルと二次側コイルとの相互インダクタンスが、軸方向の位置により変化する構成とし、2つの二次側コイルの電圧の差分により広範囲の位置を検出する方法が開示されている。
特開2003−75106号公報 特開昭63−265115号公報
特許文献1の位置検出装置の場合、2つの二次側コイルの電圧の差分は、軸方向の位置に依らず一定となるため、2つの二次側コイルの電圧の差分ではなく、電圧の比により位置を検出する必要がある。そのため、2つの二次側コイルの電圧の比を算出するための複雑な演算処理回路が必要となる。
さらに、二次側コイルに外部から侵入した電気的ノイズを、互いに相殺することができないという問題がある。すなわち、差動変圧器は、外部からのノイズや、温度による電気的な変動を、2つの二次側コイルの電圧の差分を用いることにより、互いに相殺出来るという利点を有しているが、特許文献1の検出方式では、このような差動変圧器の利点を損なうことになる。
従って、ノイズ耐性の向上や温度補償の目的で、特別な補助コイルを設ける必要があり、さらに高度な回路が必要となり、装置が複雑化する。
特許文献2の場合、2つの二次側コイルの電圧の差分により位置を検出するため、ノイズや温度変化に対して、差動変圧器の利点である相殺効果を得ることができる。
しかしながら、現実的には、位置に依存して断面積が変化する磁性片の設計が困難である。例えば、2つの二次側コイルの電圧の差分が、位置に対して線型に変化するには、二次側コイルの電圧の位置依存性を非線型にする必要がある。そのため、磁性片の形状設計が困難であるという問題がある。
上記課題を鑑み、本発明は、広範囲に亘り被検出物の絶対位置を、高精度に検出することができる差動変圧方式を利用した位置検出装置を提供することを課題とする。
本発明に係る位置検出装置は、
励磁コイルと、出力コイルと、リファレンスコイルと、
前記励磁コイル、前記出力コイル及び前記リファレンスコイルに対し相対的に可動な可動磁性体又は可動良導体とを備え、
前記リファレンスコイル及び前記出力コイルは、前記可動磁性体又は前記可動良導体の変位に対する磁気応答特性を有し、
前記リファレンスコイルの磁気応答特性は前記出力コイルの磁気応答特性と比較し低く、
前記出力コイルと前記リファレンスコイルとが差動接続され、
前記可動磁性体又は前記可動良導体は、前記可動磁性体又は前記可動良導体を介する前記励磁コイルと前記出力コイル間、及び前記励磁コイルと前記出力コイル間の相互インダクタンスが、前記可動磁性体又は前記可動良導体の長手方向の位置に依存して漸次減少又は漸次増加するよう構成され、
前記励磁コイルを励磁したときの前記出力コイルの出力電圧と前記リファレンスコイルの出力電圧との差分を検出することを特徴とする。
このような位置検出装置とすることで、励磁コイルを励磁したときの出力コイルの出力電圧とリファレンスコイルの出力電圧は可動磁性体又は可動良導体の長手方向の位置に依存して変化する。さらに出力コイルとリファレンスコイルの磁場に対する感度が異なるため、上記長手方向の位置に依存した出力コイルの出力電圧の変化と、リファレンスコイルの出力電圧とは異なる挙動を示す。そのため、出力コイルの出力電圧とリファレンスコイルの出力電圧との差分は、上記長手方向の位置に依存して変化する。
そのため、出力コイルの出力電圧とリファレンスコイルの出力電圧との差分から可動磁性体又は可動良導体の絶対位置を検出することができ、かつノイズ耐性があり、環境温度変化による変動の少ない位置検出装置を提供することができる。
また、本発明に係る位置検出装置は、
前記リファレンスコイルは、少なくとも前記可動磁性体又は前記可動良導体に対向する面が強磁性体又は良導体で覆われていることを特徴とする。
このような構成とすることで、リファレンスコイルに侵入する磁束が弱められ、出力コイルとリファレンスコイルの磁場に対する感度が変わり、それぞれの出力電圧の差分を可動磁性体の位置により変化させることができる。
また、本発明に係る位置検出装置は、
前記可動磁性体又は前記可動良導体は、
導電性の非強磁性体からなる導電部を有し、
前記導電部は、長手方向に厚さが漸次減少又は漸次増大する分布を有することを特徴とする。
このような構成とすることで、可動磁性体又は可動良導体の磁気的特性が位置により変化し、励磁コイルと前記出力コイル間、及び励磁コイルと前記出力コイル間の相互インダクタンスが位置により変化するとともに、位置によって一意に確定し、絶対位置を検出することが可能となる。
なお、可動良導体の場合は、導電部のみから構成される。
また、本発明に係る位置検出装置は、
前記可動磁性体は、
前記導電部の内部に誘導部を備え
前記励磁コイル、前記出力コイル及び前記リファレンスコイルは前記可動磁性体の外部に配置されていることを特徴とする。
また、本発明に係る位置検出装置は、
前記可動磁性体は、
前記導電部の外部に誘導部を備え、
前記導電部は、長尺な中空形状をなし、
前記励磁コイル、前記出力コイル及び前記リファレンスコイルは前記可動磁性体の内部に配置されていることを特徴とする。
このような構成とすることで、可動磁性体に対して、励磁コイル、出力コイル及びリファレンスコイルの相対的な一次元的移動が容易となり、可動磁性体の相対的変位を容易に検出することができる。
また、本発明に係る位置検出装置は、
前記可動磁性体又は前記可動良導体は、その断面積が、長手方向に漸次減少又は漸次増大し、
前記励磁コイル、前記出力コイル及び前記リファレンスコイルは前記可動磁性体又は前記可動良導体の外部に配置されていることを特徴とする。
このように、簡単な構成により位置検出装置を提供することができ、さらに様々な分野での応用が容易となる。
また、本発明に係る位置検出装置は、
前記可動磁性体又は前記可動良導体は、特定の領域において、その他の領域と比較し、前記可動磁性体又は前記可動良導体を介する前記励磁コイルと前記出力コイル間、及び前記励磁コイルと前記出力コイル間の相互インダクタンスの位置依存性の絶対値が大きいことを特徴とする。
このような構成とすることで、高い位置検出が必要とされる特定の領域において、その他の領域と比較して、位置検出の空間分解能を高めることができる。例えば、顧客等の要望に合わせて、高分解能が必要とされる領域のみ、空間分解能を高めることができる。
その結果、不要に装置を大型化することなく、高精度な位置検出が可能な位置検出装置を提供することができる。
本発明によれば、信頼性の高い絶対位置を検出することができる差動変圧方式の位置検出装置を提供することができる。
実施形態1による位置検出装置の断面図。 実施形態1による出力コイル及びリファレンスコイルの出力電圧の位置依存性。 位置検出装置の電子回路構成図。 実施形態2による位置検出装置の断面図。 実施形態3による可動磁性体の断面図。 実施形態3による出力コイル及びリファレンスコイルの出力電圧の位置依存性。 実施形態4による位置検出装置の断面図。 実施形態4による位置検出装置の断面図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は、いずれも本発明の要旨の認定において限定的な解釈を与えるものではない。また、同一又は同種の部材については同じ参照符号を付して、説明を省略することがある。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1における位置検出装置1の断面を模式的に示す。
位置検出装置1は、例えば円柱等の中実な長尺の可動磁性体2を備え、可動磁性体2は、その中心部に、パーマロイ、フェライト、鉄等の強磁性体からなる誘導部3を備え、誘導部3の表面には、銅やアルミニウム等の非強磁性材料からなる導電部4が形成されている。
誘導部3の断面は、長手方向の位置に依らず一定の形状をなすが、導電部4の厚さは、可動磁性体2の長手方向の距離に依存し、距離とともに漸次減少するか、又は漸次増大する。すなわち、導電部4は、その厚さが単調に減少又は単調に増加し、かつ異なる位置で同一の厚さを有することがない厚さ分布を有し、位置により一意的に厚さが確定する。
なお、図1においては、AからA’に向かう方向に、導電部4の厚さが減少するが、A’からAに向かう方向に対しては導電部4の厚さが増大するものであり、漸次減少することと、漸次増大することとは、単に方向の定義による違いであり、導電部4の厚さが長さ方向に対して上記の単調増加又は単調減少を意味するという点で実質的に同じである。
このような特性の厚さ分布を有する導電部4は、例えば円柱状の誘導部3の表面に、メッキや蒸着等により、銅等の非強磁性材料を形成し、その後、可動磁性体2の長手方向の中心軸の回りに可動磁性体2を回転させ、導電部4を、長手方向に研磨量を変化させながら研磨することで、形成することができる。
導電部4の表面を保護するため、非磁性の樹脂層5を塗布し、表面を樹脂層5で覆う。
この樹脂層5により、導電部4が酸、水分等により腐食や酸化を防止することができる。
さらに、樹脂層5の表面にステンレス鋼等の保護層6で覆い、樹脂層5に対し、傷等の発生を防止することができる。例えば、樹脂層5を塗布した可動磁性体2を、ステンレス鋼のパイプ内部に挿入することで、このような構成とすることができる。
可動磁性体2の外部には、例えば、銅等の導電線を、同軸の筒状(コイル状)に巻回して作成した出力コイル7及びリファレンスコイル8が配置されている。さらに、出力コイル7及びリファレンスコイル8の外部には、出力コイル7と同軸で径の大きな筒状の励磁コイル9が配置されている。これらの3つのコイルは、互いに位置関係が固定されており、同一の中心軸を共有するように配置されている。さらに上記可動磁性体2の長手方向の中心軸とコイルの中心軸とが一致する。
出力コイル7及びリファレンスコイル8は、例えば、同一の幾何学的形状(径及び長さ)で、同一の巻数の同一の電気抵抗を有する銅等の導電線を有することで、同一の電気的特性をとなるよう構成されている。従って、出力コイル7及びリファレンスコイル8に使用されているコイル自体は、磁場に対して同一の磁気応答特性を有する。しかし、図1に示されるように、リファレンスコイル8のみ、少なくとも可動磁性体2に対向する側の表面、さらに好適には励磁コイル9に面する側以外の表面が、カバー部材10で覆われている。カバー部材10は、パーマロイ、フェライト、鉄等の強磁性体又は渦電流損を生じさせる銅、アルミニウム、銀等の良導体(好適には、抵抗率が10−7Ωm台又はそれ以下の導電体)からなる。
すなわち、出力コイル7及びリファレンスコイル8は、実質同じコイルから作製されるが、リファレンスコイル8は、カバー部材10で覆われている点で出力コイル7と異なる。
それにより、リファレンスコイル8に侵入する外部磁場の強度(磁束)が出力コイル7と比較して減少し、励磁コイル9により発生した外部磁場に対する磁気応答特性が低くなる。ここで、コイルの磁気応答特性が同一とは、同一外部磁場に対してコイルから出力される電圧が同一であることを意味し、磁気応答特性が低いとは、同一外部磁場に対してコイルから出力される電圧が低くなることを意味する。
本発明において、リファレンスコイル8と出力コイル7は、使用しているコイル自体の磁気応答特性は同じであるが、リファレンスコイル8は、カバー部材10で覆われているため、励磁コイル9により誘導され発生した同一の外部磁場に対して、出力コイル7と比較してリファレンスコイル8に侵入する磁束が弱められ、リファレンスコイル8の出力電圧が相対的に低く、リファレンスコイル8は出力コイル7と比較して磁気応答特性が低くなる。このような出力コイルとリファレンスコイルの磁気応答特性の関係は、以下の実施形態においても同様である。
可動磁性体2は、図示しない軸受けによって、上記中心軸に沿って摺動可能に支持されている。そのため、可動磁性体2は、出力コイル7及びリファレンスコイル8の内部で、長手方向に移動が可能である。また、図より明らかであるが、可動磁性体2の長手方向の長さは、配置された3つのコイルに亘る距離よりも長く、この可動磁性体2の長手方向の長さの範囲で位置測定が可能である。位置測定可能な範囲は、他の実施形態でも同様である。
さらに可動磁性体2と上記3つのコイルとは非接触になるよう、可動磁性体2と上記3つのコイルとの間に空隙が設けられている。例えば、図1に示ように、出力コイル7及びリファレンスコイル8の内径を、可動磁性体2の外径より大きくすることで、出力コイル7及びリファレンスコイル8と可動磁性体2とが非接触で、互いに干渉すること無く、可動磁性体2をコイルの中心軸に沿って往復移動することができる。
また、可動磁性体2は、被検出物と連結され、被検出物とともに移動する。その結果、可動磁性体2の移動を検出することで、被検出物の移動を検出できる。
以下、本実施形態による差動変圧方式の位置検出器の動作原理について説明する。
発振器により発生した交流電圧(又は交流電流)を、励磁コイル9に印加することにより、磁場が発生し、可動磁性体2内部を貫く磁束が発生する。可動磁性体2内部の磁束は、誘導部3の外部の導電部4による渦電流損により弱められ、励磁コイル9と出力コイル7間及び励磁コイル9とリファレンスコイル8間の相互インダクタンスが小さくなる。渦電流損は、導電部4の抵抗に依存するため、導電部4が厚いほど大きくなる。そのため、好適には、導電部4は良導体により構成する。
図1の場合、AからA’に向かう方向の位置に依存して、導電部4の厚さが漸次減少するため、可動磁性体2を介した、励磁コイル9と出力コイル7との間及び励磁コイル9とリファレンスコイル8との間の相互インダクタンスは、上記位置に依存して漸次増加する。
そのため、各コイルを固定し、可動磁性体2がA’からA方向に移動すると、出力コイル7及びリファレンスコイル8が、相対的に可動磁性体2に対してAからA’方向に移動することになり、その移動に伴って、相互インダクタンスが増大する。
一方、リファレンスコイル8の表面は、カバー部材10で覆われているため、リファレンスコイル8に侵入する磁束のみ弱められる。そのため、出力コイル7と比較し、リファレンスコイル8の出力は相対的に減少する。
図2は、励磁コイル9を励磁したときの、出力コイル7及びリファレンスコイル8の出力電圧の、可動磁性体2に対するAからA’方向の相対位置変化依存性を、模式的に示す。
出力コイル7及びリファレンスコイル8の可動磁性体2に対する相対位置が、AからA’に向かうに従い、ともに出力電圧は増大する。また、上述のように出力コイル7と比較し、リファレンスコイル8の出力電圧は相対的に低い。そのため、出力コイル7及びリファレンスコイル8の出力電圧の差分は、AからA’方向の相対位置に依存して増大する。
従って、出力コイル7及びリファレンスコイル8の出力電圧を差動接続し、出力電圧差を検知することにより、出力コイル7及びリファレンスコイル8の可動磁性体2に対する相対位置を検知することができる。
なお、特許文献1の構成では、検出コイルの出力電圧の差分は、位置に依らず一定であるため、出力電圧の比を算出する必要がある。しかし、本発明による位置検出装置1においては、上記のように出力電圧の差分が位置に依存するため、出力電圧の差分により位置を検知することが可能である。
また、特許文献2の構成のように、出力電圧の差分が、位置に依存するよう、可動磁性体2の特別な磁気的設計を必要としない。すなわち、導電部4の厚さの分布を位置に依存した一定の傾きをもつような位置の一次関数とするという簡単な設計であっても、出力コイル7及びリファレンスコイル8の出力電圧の差分は、常に位置に依存する。そのため、導電部4の厚さの設計が容易であり、また加工も容易である。
なお、導電部4の厚さ分布を、位置に関する一次関数以外に設定することを妨げるものではなく、位置に関する一次関数以外の分布であってもよい。
なお、図2は、簡単のためにAからA’方向の相対位置に対して、出力コイル7及びリファレンスコイル8の出力電圧が線型に変化する例を示したが、非線型に変化する特性であってもよい。ただし、図2に示すように、線型に変化する場合には、簡単な演算処理により出力電圧の差分から位置情報を算出することができる。
また、出力コイル7及びリファレンスコイル8は同一の電気的特性を有しているため、同一の温度依存性を示し、また外部からのノイズ、特に電気的な擾乱、例えば励磁コイル9に印加する交流電圧の変動等、に対して同一の応答をする。
従って、出力コイル7及びリファレンスコイル8の出力電圧の差分は、これらの影響を相殺することができる。
出力コイル7及びリファレンスコイル8の出力電圧の差分は、それぞれの出力端子を逆接続することで得られる。
図3は、位置検出器に使用される電子回路の一例の概要を示す。
励磁コイル9を励磁させるための交流源として、発振器11は、所定の周波数の正弦波を発生させる。
なお、発振器11から発生する正弦波の周波数は、固定の周波数であってもよいが、例えば数十Hzから数十kHzの範囲で適宜調整可能なものとしてもよい。
励磁コイル9から発生した磁場により、可動磁性体2内部に交番磁束が生じる。可動磁性体2の位置に依存して導電部4の厚さが異なるため、出力コイル7及びリファレンスコイル8を貫く磁束も可動磁性体2の位置に依存して変化する。その結果、出力コイル7及びリファレンスコイル8に、可動磁性体2の位置に依存した誘導電圧が発生する。
図3に示すように、逆接続された出力コイル7及びリファレンスコイル8の出力電圧を差動アンプ12に入力し、出力コイル7及びリファレンスコイル8の出力電圧の差分に比例した電圧が増幅されて出力される。差動アンプ12の出力は、検波回路13に入力され、整流されて出力される。検波回路13の出力から位置情報を得ることができる。
例えば、予め出力コイル7及びリファレンスコイル8の出力電圧の差分に応じた検波回路13の出力と可動磁性体2の位置情報との関係を記憶装置に格納しておき、検波回路13の出力を、例えばADコンバータによりデジタル処理し、格納してある位置情報との関係を参照し、位置情報を表示装置や記憶装置等に出力すればよい。
検波回路13の出力と位置情報との関係が、線型関係等の数式で格納してある場合、演算処理により検波回路13の出力から位置情報を出力することができる。
また、検波回路13の出力と位置情報との関係が、テーブル(表)で格納してある場合、検波回路13の出力に対応する位置情報を読み取ることができる。又は、実測した検波回路13の出力に近い、格納された検波回路13の出力値を複数(例えば、2又は3個のデータ)参照し、それに対応した複数の位置情報の値から、適宜補間することで位置情報を出力することができる。
本発明の位置検出装置1においては、出力コイル7及びリファレンスコイル8の出力電圧の差分により一意に可動磁性体2の位置が確定するため、出力コイル7及びリファレンスコイル8は、いかなる位置から検出を始めても、(或いはどの場所で位置検出装置の電源を投入しても、)可動磁性体2の位置を検出することができる。すなわち、位置の絶対値を検出することができる。
なお、可動磁性体2の形状は円柱に限定するものではない。三角柱や四角柱等の角柱であってもよい。角柱の誘導部3の各側面に導電部4を、厚さ分布が位置に対して漸次減少又は増大するよう構成すればよい。この場合、角柱の誘導部3表面に導電部4を形成し、誘導部3を回転せずに導電部4を研磨すればよい。
可動磁性体2として、予め準備してある同一の誘導部3を母材として、その表面に形成された導電部4の厚さ分布を調整(変更)する構成とすることにより、様々な特性の可動磁性体2を作成することができ、使用目的や顧客の要望等に合わせて、多様な製品を容易に製造することができ、また製造工期も短縮できるという利点もある。
なお、誘導部3の断面が、長手方向の位置に依らず同一とすることで、加工が容易となるが、誘導部3の断面が、長手方向の位置に依存し、相似形を保ちながら面積が漸次減少し、それに反して導電部4の厚さ分布を、長手方向の位置に依存して漸次増大させてもよい。
すなわち、本発明の位置検出装置の検出原理は以下のようにまとめられる。
可動磁性体2の磁気的特性が長手方向の位置に依存して漸次変化するため、可動磁性体2を介して、すなわち励磁コイル9により生じた磁束が可動磁性体2を貫くことにより、励磁コイル9と出力コイル7間及び励磁コイル9とリファレンスコイル8間との相互インダクタンスが漸次変化する。
それにより励磁コイル9に交流電力を印加した時に誘導される出力コイル7及びリファレンスコイル8の電圧が、長手方向の位置に依存して変化する。
さらに、出力コイル7とリファレンスコイル8とが、磁場に対する検出感度(応答特性)が異なるため、出力コイル7とリファレンスコイル8との電圧の差が長手方向の位置に依存して漸次変化する。
その結果、出力コイル7とリファレンスコイル8との電圧の差から、可動磁性体2に対するコイルの絶対位置を一意に検出することができる。
従って、可動磁性体2の磁気的特性が長手方向の位置に依存して漸次変化し、異なる位置で同一の磁気特性を有しなければ、可動磁性体2の形状及び誘導部及び導電部の構成は、任意に設定可能である。
上述の検出原理は、他の実施形態についても共通である。
なお、位置検出対象である被検出物は、可動磁性体2に連結され、固定した3つのコイルに対する位置の変化を測定するが、可動磁性体2を固定し、3つのコイルを被検出物とともに移動してもよい。この被検出物と、可動磁性体及びコイルとの関係は、他の実施形態についても同様である。
また、励磁コイル9、出力コイル7及びリファレンスコイル8と可動磁性体2の中心軸が一致するように配置したが、その他の配置を取ることも可能である。例えば、可動磁性体2の断面を長方形の四角柱形状とし、励磁コイル9、出力コイル7及びリファレンスコイル8のそれぞれの中心軸を互いに平行とし、出力コイル7とリファレンスコイル8との間に励磁コイル9を配置し、且つこれらの3つのコイルの中心軸が可動磁性体2の一側面と垂直になるように配置してもよい。このような配置は、以下の実施例についても同様である。
上記実施形態では、可動磁性体2の中心に強磁性体からなる誘導部3を設けたが、誘導部3の代わりに導電体で構成してもよく、又は非磁性体で構成してもよい。長手方向に沿って電気抵抗が漸次減少又は増加し、位置に依存して抵抗が一意的に確定する構造とし、その結果渦電流損が位置に依存して一意的に決定される構造であればよい。また、可動磁性体2は、その中心部の誘導部3を設けず中空としてもよい。
誘導部3を設けない場合、可動磁性体2を介した励磁コイル9と出力コイル7間及び励磁コイル9とリファレンスコイル8間の相互インダクタンスが、渦電流損により、位置に依存して一意的に確定するため、絶対位置を検出することができる。この場合、可動磁性体2は、磁性体でなくなり、渦電流損の変化のみにより絶対位置を検知する構成となる。そのため、可動磁性体2の代わりに、可動な導電体(可動良導体と称す)で構成することになる。さらに、導電体は、好適には、渦電流損の大きい良導体を使用する。
(実施形態2)
図4は、本発明の実施形態2における位置検出装置21の断面図を模式的に示す。
実施形態1では、出力コイル7及びリファレンスコイル8の内部に可動に配置された可動磁性体2の位置を検出する構成であった。
実施形態2においては、検出対象の磁性体を中空形状とし、その内部に、検出用の各コイルを可動に配置するものである。
図4に示ように、例えば円筒状の中空の可動磁性体22は、例えば、円筒のステンレス鋼からなる中空の非磁性体23の外面上に、銅やアルミニウム等の非強磁性材料からなる導電部24が形成されており、導電部24の外面上に鉄等の強磁性体からなる誘導部25が形成されている。
導電部24は、図4においてB−B’で示す方向、すなわち可動磁性体22の長手方向の距離に依存して、厚さが変化し、距離とともに漸次減少するか、又は漸次増大する。その結果、導電部24における渦電流損は、位置により漸次変化し、かつ位置に対して一意的に決定する。
図4においては、B−B’方向に厚さが減少する例を示す。
このような厚さ分布を有する導電部24は、非磁性体23の外面上に、メッキや蒸着法により、銅やアルミニウム等の非強磁性材料を形成し、その後非磁性体23を、長手方向の軸の回りに回転させながら、B−B’方向に沿って研磨量を漸次変えることにより、形成することができる。
誘導部25は、導電部24の外面上に、メッキや蒸着法により、強磁性体を形成し、B−B’方向に沿って、可動磁性体22の長手方向の径が同一になるように研磨することにより形成することができる。
中空の可動磁性体22の内部には、励磁コイル26、出力コイル27及びリファレンスコイル28が可動に配置されている。
励磁コイル26の両側に出力コイル27及びリファレンスコイル28が連結されており、励磁コイル26、出力コイル27及びリファレンスコイル28は、同軸の筒状(コイル状)に、それぞれ、例えば銅等の導電線を、券回して形成されている。
また、これらのコイルの軸が、中空の可動磁性体22の長手方向の軸と同一になるように、励磁コイル26、出力コイル27及びリファレンスコイル28が配置されている。
出力コイル27及びリファレンスコイル28は、同一の電気抵抗を有する導電線、例えば同一材料の銅線を、同一の幾何学的形状(径及び長さ)で、同一数券回することで、同一の電気的特性を備えている。ただし、リファレンスコイル28のみ、少なくとも可動磁性体22と対向するその外側表面、好適にはさらに出力コイル27と対向する面も、カバー部材29で覆われている。カバー部材29は、実施形態1と同様に、パーマロイ、フェライト、鉄等の強磁性体又は、渦電流損を生じさせる銅、アルミニウム、銀等の良導体からなる。
励磁コイル26、出力コイル27及びリファレンスコイル28は、その表面を保護するため、例えば樹脂等からなるコイルカバー30で覆われている。
励磁コイル26へ交流電流(交流電圧)を印加し、出力コイル27及びリファレンスコイル28に誘起される電圧を出力するため、各種の導電性ケーブルが、中空のケーブル支持部材31の内部に配置され、励磁コイル26、出力コイル27及びリファレンスコイル28に接続されている。
ケーブル支持部材31は、例えば円筒状のステンレス鋼のパイプからなり、各種ケーブルを保護するとともに、励磁コイル26、出力コイル27及びリファレンスコイル28に連結されており、これらのコイルを機械的に支持することもできる。
ケーブル支持部材31を、図示しない軸受けにより、摺動可能に支持することで、励磁コイル26、出力コイル27及びリファレンスコイル28が可動磁性体22の内部に、長手方向の軸にそって可動に支持されている。
可動磁性体22の長手方向、すなわち図4のBからB’へと、導電部24の厚さが漸次減少し、誘導部25の厚さが漸次増大する。従って、励磁コイル26と出力コイル27及びリファレンスコイル28との相互インダクタンスは、BからB’へと漸次増大する。
例えば、励磁コイル26、出力コイル27及びリファレンスコイル28がBからB’へと移動すると、実施形態1と同様に、励磁コイル26を励磁したときの出力コイル27及びリファレンスコイル28の出力電圧は増大する。
さらにリファレンスコイル28は、可動磁性体22の側の表面がカバー部材29により覆われているため、出力コイル27の出力電圧に比べリファレンスコイル28の出力電圧が小さい。
従って、励磁コイル26を励磁したときの、出力コイル27及びリファレンスコイル28の出力電圧のB−B’距離依存性は、図2に示されるA−A’距離依存性と同様の挙動を示す。
即ち、励磁コイル26、出力コイル27及びリファレンスコイル28がBからB’方向に移動するに従い、出力コイル27及びリファレンスコイル28の出力電圧の差分は増大するため、出力コイル27及びリファレンスコイル28の出力電圧の差分から、励磁コイル26、出力コイル27及びリファレンスコイル28の位置検出が可能となる。
なお、出力コイル27及びリファレンスコイル28の出力電圧の差分から位置検出をするための電子回路は、図3に示された電子回路と同一の回路を使用することができる。
導電部24の厚さ分布は、位置に関して一定の傾き、すなわち位置の一次関数であっても、一次関数以外の分布であってもよいが、一定の傾きとすることで加工が容易になる。
また、このような簡単な一定の傾きを持つ導電部24の厚さ分布であっても、位置の絶対値を検出できることは、実施形態1と同様である。
なお、可動磁性体22の形状は、円筒に限らず、断面が多角形であってもよい。
また、上記実施形態において、誘導部25を省略することも可能である。導電部24の渦電流損が漸次減少又は増大するため、可動磁性体22を介した励磁コイル26と出力コイル27間及び励磁コイル26とリファレンスコイル28間の相互インダクタンスが位置により漸次変化し、一意的に確定するため、絶対位置の検出が可能である。
(実施形態3)
位置検出装置において、被検出物とともに移動する磁性体、すなわち可動磁性体の磁気的特性の位置依存性の絶対値を、特定の領域において、その他の領域と比べて、大きく設定することで、位置検出の空間分解能を高める(検出可能な最小変位を微細化する)ことができる。具体的には可動磁性体の導電部の厚さを調整することにより、位置検出の空間分解能を、自在に変更することができる。
このような特定の領域においては、可動磁性体を介した励磁コイルと出力コイル間及び励磁コイルとリファレンスコイル間の相互インダクタンスの位置依存性が大きくなるため、位置変化に対する検出感度が高められ、位置検出の空間分解能が高くなる。
例えば、プレス加工に使用されるプレス機械のスライド部においては、金型が被加工物であるワークに接触する付近からワークに圧力を加える領域において、スライドの位置の正確な制御が必要なため、それ以外のスライドの動作領域と比較し、スライドの位置の高い位置検出精度、高い空間分解能が必要となる。
本実施形態では、被検出物の移動に合わせて、高い制御が必要とされる移動領域(特定領域)において、特に高い位置検出精度、高い空間分解能を提供することができる位置検出装置について説明する。
図5(a)に示すように、可動磁性体2の誘導部3の表面に形成された導電部4は、境界部32から、その厚さのA−A’距離依存性が、特定の領域(高分解能領域と称す)において、その他の領域と比較して大きくなるように構成されている。図5(a)において、境界部32からA’の領域が高分解能領域33である。
例えば、円柱形状の可動磁性体2の中心軸のAからA’方向にX軸をとり、可動磁性体2のA側端部の位置をx=0とし、A’側端部の位置をx=L(0<L)とし、境界部32のxの値をx=p(p<L)とする。
図5(a)において、xが0≦x≦pの領域及びp≦x≦Lの領域では導電部4の厚さのxに対する変化量(傾き)が一定であるが、0≦x≦pの領域の導電部4の厚さのxに対する変化量(傾き)と比較してp≦x≦Lの領域(高分解能領域33)の導電部4の厚さのxに対する変化量(傾き)が大きくなるように、導電部4の厚さを構成する。
具体的には、xに依存した導電部4の厚さ分布をt(x)とし、xの範囲が0≦x≦pのときのt(x)のx微分の絶対値をα(α>0、一定値)、xの範囲がp≦x≦Lのときのt(x)のx微分の絶対値をβ(β>0、一定値)とすると、α<βとなるようにt(x)を設定する。
このような導電部4の厚さの構成は、導電部4をメッキや蒸着等に形成した後の研磨量を、境界部32を境に変化させることで、実現することができる。
なお、導電部4の厚さt(x)をxの一次関数以外に設定し、α、βをxの関数とすることも可能であるが、上記のように一次関数とすることで導電部4の加工が容易になる。
また、導電部4の厚さ分布が簡単な一次関数であっても、絶対位置を検出できることは実施形態1と同様である。
図6は、図5(a)の構成の可動磁性体2を用いた場合の、出力コイル7及びリファレンスコイル8の出力電圧の位置依存性を示す。
図6に示すように、導電部4の厚さは、励磁コイル9と出力コイル7間、及び励磁コイル9とリファレンスコイル8間の相互インダクタンスに影響し、点p(境界部32)を境にして、出力コイル7及びリファレンスコイル8のx依存性が変わり、点pからA’の高分解能領域33の出力コイル7及びリファレンスコイル8の出力電圧の位置依存性(位置に対する変化量)の絶対値は、Aから点pの領域(低分解能領域と称す)の出力コイル7及びリファレンスコイル8の出力電圧の位置依存性と比較して、大きくなる。ただし、移動方向により、変化量の正負が変わることは言うまでもない。
従って、AからA’方向への位置の変化により生じた出力コイル7及びリファレンスコイル8の出力電圧の変化の絶対値は、高分解能領域において大きくなり、微小な距離の変化により絶対値の大きな出力電圧の変化が得られ、空間分解能が高くなる。
言い換えると、図3で示されるような検出回路により検出可能な最小の電圧差に対して、特定の領域である高分解能領域においては、その他の領域と比べ位置の変化量が微細化されるため、空間分解能が高くなる。
上記例では、導電部4の厚さの位置依存性が大きい高分解能領域33を、A’側に設けたが、A側に設けてもよく、さらに図5(b)に示すようにA−A’の間のいずれの箇所に設けてもよい。
被検出物の移動について、特に高い位置検出精度が必要とされる領域(高分解能領域)のみを導電部4の位置に対する変化量を大きくすることにより、高い空間分解能が必要とされない領域において、不要に導電部4の厚さを厚くする必要がなく、位置検出装置の大型化を抑制しながら、高精度な位置検出が可能となる。
なお、実施形態2に対しても高分解能領域33を設けることができる。図5(c)において、B’側に高分解能領域33を設けている例を示すが、高分解能領域33はB側に設けてもよく、またB−B’間のいずれの箇所に設けてもよい。
図5の場合も、導電部4の厚さ分布が簡単な一次関数であっても、絶対位置を検出できることは実施形態1、2と同様である。
なお、図5(a)、(b)において、誘導部3の代わりに導電体で構成してもよく、又は非磁性体で構成してもよい。また、可動磁性体2は、その中心部の誘導部3を設けず中空としてもよい。
また、図5(c)において、誘導部25を省略することも可能である。
(実施形態4)
上記実施形態では、可動磁性体は、強磁性体からなる誘導部と、非強磁性体からなる導電部とを含む構成である。
可動磁性体の導電部を省略し、誘導部の断面積が位置に依存し、漸次減少または増大するように構成してもよい。
図7に示すように、可動磁性体40は、中心部分に強磁性体からなる誘導部41を含む。強磁性体からなる誘導部41の形状を、長手方向に漸次断面積が減少または増大するように構成する。具体的には、例えば円錐形状や角錐形状の一部とすることができる。
なお、図7においては、CからC’に向かうに従い、誘導部41の断面積が減少する例を示す。
さらに、可動磁性体40の表面を樹脂等の保護層42で覆う。保護層42は、可動磁性体41の表面に樹脂を塗布しても良いが、中空の樹脂からなるパイプに可動磁性体41を挿入してもよい。
この場合、誘導部41をパイプ状の保護層42に挿入し、誘導部41と保護層42とを固定せず、保護層42の内部で誘導部41を可動に構成することも可能である。
実施形態1と同様に、可動磁性体40の外側に、実施形態1と同様に、励磁コイル9、出力コイル7及びリファレンスコイル8を配置する。可動磁性体40の長手方向の位置により、励磁コイル9と出力コイル7及びリファレンスコイル8との相互インダクタンスが変化するため、実施形態1と同様の原理により、位置の絶対値を検知することができる。
さらに、誘導部41を弾性を有し、断面積が漸次減少または増大する線状のように構成し、保護層42に可撓性を有する材料を使用することにより、図8に示すように屈折させることが可能である。
例えば、屈曲させた状態で、保護層42内部で線状の誘導部41を可動に配置し、保護層42を固定し、保護層42に対して誘導部41を相対的に移動させ、誘導部41の位置の変化を検出することも可能である。
また、保護層42内部で誘導部41を可動に配置し、例えば図8の端部C’において保護層42とを固定し、誘導部41を保護層42内部で移動させることにより、保護層42及び誘導部41の屈曲率を変化させてもよい。このとき、誘導部41を移動させた変位を、端部Cにおいて保護層42外部に配置した励磁コイル9、出力コイル7及びリファレンスコイル8により検出し、屈曲率を誘導部41の一次元的変位により制御することができる。
なお、励磁コイル9、出力コイル7及びリファレンスコイル8の配置箇所は、外部からのノイズの相殺効果を得るためには、図8に示すように、好適には誘導部41が直線状に延在する箇所に設置する。ただし、屈曲する箇所に各コイルを設置しても誘導部41の変位を検出することは可能であり、屈曲部に各コイルを配置することを妨げない。
また、特定の領域において、その他の領域と比較して、誘導部41の断面積の位置依存性を大きく設定し、特定の領域において位置検出の空間分解能を高めてもよい。
また、可動磁性体40の代わりに良導体(可動良導体)を使用し、渦電流損の変化のみにより、位置検出が可能となるよう構成してもよい。すなわち誘導部41の強磁性体の代わりに良導体を使用することで、渦電流損のみにより位置検出が可能となる構成としてもよい。
本発明によれば、差動変圧方式により、一次元の絶対位置を広範囲に検出できる。さらに、外部環境に対する耐性がある位置検出装置を提供することができる。本発明は、様々な応用が期待でき、産業上の利用性は高い。
1 位置検出装置
2 可動磁性体
3 誘導部
4 導電部
5 樹脂層
6 保護層
7 出力コイル
8 リファレンスコイル
9 励磁コイル
10 カバー部材
11 発振器
12 差動アンプ
13 検波回路
21 位置検出装置
22 可動磁性体
23 非磁性体
24 導電部
25 誘導部
26 励磁コイル
27 出力コイル
28 リファレンスコイル
29 カバー部材
30 コイルカバー
31 ケーブル支持部材
32 境界部
33 高分解能領域
40 可動磁性体
41 誘導部
42 保護層

Claims (7)

  1. 励磁コイルと、出力コイルと、リファレンスコイルと、
    前記励磁コイル、前記出力コイル及び前記リファレンスコイルに対し相対的に可動な可動磁性体又は可動良導体とを備え、
    前記リファレンスコイル及び前記出力コイルは、前記可動磁性体又は前記可動良導体の変位に対する磁気応答特性を有し、
    前記リファレンスコイルの磁気応答特性は前記出力コイルの磁気応答特性と比較し低く、
    前記出力コイルと前記リファレンスコイルとが差動接続され、
    前記可動磁性体又は前記可動良導体は、前記可動磁性体又は前記可動良導体を介する前記励磁コイルと前記出力コイル間、及び前記励磁コイルと前記出力コイル間の相互インダクタンスが、前記可動磁性体又は前記可動良導体の長手方向の位置に依存して漸次減少又は漸次増加するよう構成され、
    前記励磁コイルを励磁したときの前記出力コイルの出力電圧と前記リファレンスコイルの出力電圧との差分を検出する
    ことを特徴とする位置検出装置。
  2. 前記リファレンスコイルは、少なくとも前記可動磁性体又は前記可動良導体に対向する面が強磁性体又は良導体で覆われていることを特徴とする請求項1記載の位置検出装置。
  3. 前記可動磁性体又は前記可動良導体は、
    導電性の非強磁性体からなる導電部を有し、
    前記導電部は、長手方向に厚さが漸次減少又は漸次増大する分布を有することを特徴とする請求項1又は2記載の位置検出装置。
  4. 前記可動磁性体は、
    前記導電部の内部に誘導部を備え
    前記励磁コイル、前記出力コイル及び前記リファレンスコイルは前記可動磁性体の外部に配置されていることを特徴とする請求項3記載の位置検出装置。
  5. 前記可動磁性体は、
    前記導電部の外部に誘導部を備え、
    前記導電部は、長尺な中空形状をなし、
    前記励磁コイル、前記出力コイル及び前記リファレンスコイルは前記可動磁性体の内部に配置されていることを特徴とする請求項3記載の位置検出装置。
  6. 前記可動磁性体又は前記可動良導体は、その断面積が、長手方向に漸次減少又は漸次増大し、
    前記励磁コイル、前記出力コイル及び前記リファレンスコイルは前記可動磁性体又は前記可動良導体の外部に配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の位置検出装置。
  7. 前記可動磁性体又は前記可動良導体は、特定の領域において、その他の領域と比較し、前記可動磁性体又は前記可動良導体を介する前記励磁コイルと前記出力コイル間、及び前記励磁コイルと前記出力コイル間の相互インダクタンスの位置依存性の絶対値が大きいことを特徴とする請求項1又は2記載の位置検出装置。
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