JP6962208B2 - 密封構造 - Google Patents

Description

本発明は、燃料噴射弁とデリバリパイプとの間をシールする密封構造に関する。

燃料噴射弁と燃料配管との間に配置する密封構造が知られている。こうした密封構造では、燃圧によってＯリングが燃料噴射弁側に押され、Ｏリングの変形を伴って燃料噴射弁と燃料配管との間の隙間を埋めるように構成されている。

特許文献１に開示されている密封構造は、燃料噴射弁と燃料配管との隙間をシールするＯリングと、Ｏリングと燃料噴射弁との間に配置されてＯリングによるシールを補助するバックアップリングとを備えている。バックアップリングは、燃料噴射弁とバックアップリングとの間にＯリングが入り込む隙間が形成されないように、燃料配管に圧入されている。

特開平９‐２２２０５８号公報

特許文献１のように燃料配管にバックアップリングが圧入される場合、例えば燃料配管の中心軸に対して傾斜した角度でバックアップリングが圧入されることもある。この場合、Ｏリングを介した燃圧がバックアップリングに付与されたとしても、バックアップリングと燃料噴射弁とが同軸上に配置されず、バックアップリングと燃料噴射弁との間に隙間が生じる虞がある。特にＯリングの変形量が小さい状況では、Ｏリングを介してバックアップリングに伝わる燃圧が円周方向においてばらつきやすく、バックアップリングの傾斜が解消されにくい。このように、Ｏリングが入り込む隙間が生じる余地があり、シール性能が低下する虞があった。

上記課題を解決するための密封構造は、燃料噴射弁が挿入される取付部を有し、燃料タンク側から圧送された燃料を前記燃料噴射弁に供給するデリバリパイプと、前記取付部に挿入される接続部と燃料導入部とを有し、前記燃料導入部が前記接続部の端面から前記燃料タンク側に突出して設けられ、前記燃料導入部の外径が前記接続部の外径よりも小さい前記燃料噴射弁と、を備える内燃機関の燃料供給装置に適用される。密封構造は、前記取付部の内周面と前記燃料噴射弁との隙間をシールする密封構造であって、前記燃料導入部が挿入されるＯリングと、前記燃料導入部が挿入され、前記Ｏリングと前記接続部の前記端面との間に配置される筒状のバックアップリングと、を備え、前記バックアップリングの外径は、前記取付部の内径よりも小さく、筒状の前記バックアップリングにおける前記Ｏリング側の面を受圧面として、前記接続部の前記端面側の面を着座面とすると、前記バックアップリングの内径は、前記受圧面から前記着座面に向かって拡径しているとともに、前記燃料噴射弁の中心軸上のいずれの位置においても前記燃料導入部の外径よりも大きく、前記燃料噴射弁の前記中心軸に沿った前記バックアップリングの断面において、前記バックアップリングの前記受圧面と前記バックアップリングの内周面とがなす角度が、前記バックアップリングの前記受圧面と前記燃料導入部の外周面とがなす角度よりも小さく、前記中心軸と直交する方向において、前記着座面における前記バックアップリングの外周面から前記着座面における前記バックアップリングの内周面までの長さが、前記端面における前記燃料導入部の外周面から前記取付部の内周面までの長さよりも短いことをその要旨とする。

上記構成によれば、接続部の端面上において、バックアップリングの着座面の長さが、取付部の内周面と燃料導入部の外周面との間の長さよりも短い。これによって、Ｏリング及びバックアップリングに燃圧が付与されていない状態で、バックアップリングの着座面と接続部の端面とを面接触させやすくなる。すなわち、バックアップリングを燃料噴射弁に着座させることができる。着座によってバックアップリングと燃料噴射弁とを同軸配置させやすいため、バックアップリングに燃圧が付与された状態で、バックアップリングと燃料噴射弁との間にＯリングが入り込む隙間が生じることを抑制でき、シール性能の低下を抑制することができる。

さらに、上記構成によれば、Ｏリング及びバックアップリングに燃圧が付与されていない状態で、バックアップリングの外周面と取付部の内周面との接触、及びバックアップリングの内周面と燃料噴射弁の燃料導入部の外周面との接触が生じにくい。これによって、Ｏリング及びバックアップリングに燃圧が付与されていない状態で、バックアップリングの着座面と接続部の端面との面接触が阻害されにくい。

なお、上記構成では、バックアップリングに燃圧が付与された場合、バックアップリングが変形することによってバックアップリングの外周面と取付部の内周面とが接触する。また同様に、バックアップリングが変形することによってバックアップリングの内周面と燃料噴射弁の燃料導入部の外周面とが接触する。これによって、バックアップリングと取付部の内周面との間の隙間、及びバックアップリングと燃料導入部の外周面との間の隙間を埋めることができる。

そして、上記構成では、バックアップリングの受圧面と内周面とがなす角度が、バックアップリングの受圧面と燃料導入部の外周面とがなす角度よりも小さいという関係を有している。このため、バックアップリングに燃圧が付与された場合、受圧面のうち内周縁に位置する角部が着座面側に向かって変形しやすい。これによって、バックアップリングと燃料導入部の外周面との隙間が埋まりやすい。

上記密封構造の一例は、前記取付部の内周面と前記燃料噴射弁との隙間をシールする密封構造であって、前記燃料導入部が挿入され、前記Ｏリングと前記接続部の前記端面との間に配置される筒状のバックアップリングと、を備え、筒状の前記バックアップリングにおける前記Ｏリング側の面を受圧面として、前記接続部の前記端面側の面を着座面とすると、前記バックアップリングの外径は、前記受圧面から前記着座面に向かって縮径しており、前記受圧面の外径は、前記取付部の内径よりも小さく、前記バックアップリングの内径は、前記燃料噴射弁の中心軸上のいずれの位置においても前記燃料導入部の外径よりも大きく、前記中心軸と直交する方向において、前記着座面における前記バックアップリングの外周面から前記着座面における前記バックアップリングの内周面までの長さが、前記端面における前記燃料導入部の外周面から前記取付部の内周面までの長さよりも短い。

上記構成によれば、接続部の端面上において、バックアップリングの着座面の長さが、取付部の内周面と燃料導入部の外周面との間の長さよりも短い。これによって、Ｏリング及びバックアップリングに燃圧が付与されていない状態で、バックアップリングの着座面と接続部の端面とを面接触させやすくなる。すなわち、バックアップリングを燃料噴射弁に着座させることができる。着座によってバックアップリングと燃料噴射弁とを同軸配置させやすいため、バックアップリングに燃圧が付与された状態でバックアップリングと燃料噴射弁との間にＯリングが入り込む隙間が生じることを抑制でき、シール性能の低下を抑制することができる。

さらに、上記構成によれば、Ｏリング及びバックアップリングに燃圧が付与されていない状態で、バックアップリングの外周面と取付部の内周面との接触、及びバックアップリングの内周面と燃料噴射弁の燃料導入部の外周面との接触が生じにくい。これによって、Ｏリング及びバックアップリングに燃圧が付与されていない状態で、バックアップリングの着座面と接続部の端面との面接触が阻害されにくい。

なお、上記構成では、バックアップリングに燃圧が付与された場合、バックアップリングが変形することによってバックアップリングの外周面と取付部の内周面とが接触する。また同様に、バックアップリングが変形することによってバックアップリングの内周面と燃料噴射弁の燃料導入部の外周面とが接触する。これによって、バックアップリングと取付部の内周面との間の隙間、及びバックアップリングと燃料導入部の外周面との間の隙間を埋めることができる。

そして、上記構成では、バックアップリングの外径が受圧面から着座面に向かって縮径している。このため、バックアップリングに燃圧が付与された場合、受圧面のうち外周縁に位置する角部が着座面側に向かって変形しやすい。これによって、バックアップリングと取付部の内周面との隙間が埋まりやすい。

上記密封構造は、燃料導入部が、燃料流路の上流側から前記接続部の前記端面側に向かって拡径したテーパ部を備える場合にも適用することができる。
この場合、上記密封構造の一例では、前記バックアップリングの前記受圧面と前記バックアップリングの内周面とがなす角度を、前記受圧面と前記テーパ部の外周面とがなす角度よりも小さくすることで、受圧面のうち内周縁に位置する角部を着座面側に向かって変形しやすくすることができる。

上記密封構造の一例として、バックアップリングの内径が受圧面から着座面に向かって拡径している構成において、前記バックアップリングを、前記バックアップリングの外径が前記受圧面から前記着座面に向かって縮径した形状として、前記受圧面の外径を前記取付部の内径よりも小さくしてもよい。

上記構成によれば、バックアップリングに燃圧が付与された場合、受圧面のうち内周縁に位置する角部に加えて、受圧面のうち外周縁に位置する角部が着座面側に向かって変形しやすい。これによって、バックアップリングと燃料導入部の外周面との隙間、及びバックアップリングと取付部の内周面との隙間が埋まりやすい。

上記密封構造の一例は、前記バックアップリングが、内周面のうち前記受圧面よりも前記着座面側の部分に、外周面側に向かって窪む内周段付き部を有する。
上記構成によれば、内周段付き部がバックアップリングの内周面に形成されていることによって、バックアップリングは、受圧面のうち内周縁に位置する角部よりも着座面側の剛性が低下する。これによって、角部が変形しやすくなる。すなわち、バックアップリングと燃料導入部の外周面との隙間が埋まりやすくなる。

上記密封構造の一例は、前記バックアップリングが、外周面のうち前記受圧面よりも前記着座面側の部分に、内周面側に向かって窪む外周段付き部を有する。
上記構成によれば、外周段付き部がバックアップリングの外周面に形成されていることによって、バックアップリングは、受圧面のうち外周縁に位置する角部よりも着座面側の剛性が低下する。これによって、角部が変形しやすくなる。すなわち、バックアップリングと取付部の内周面との隙間が埋まりやすくなる。

上記密封構造の一例として、前記バックアップリングが、内周面のうち前記受圧面よりも前記着座面側の部分に、外周面側に向かって窪む内周段付き部を有し、外周面のうち前記受圧面よりも前記着座面側の部分に、内周面側に向かって窪む外周段付き部を有する構成を採用することもできる。

上記構成によれば、バックアップリングは、受圧面のうち内周縁に位置する角部よりも着座面側の剛性が低下する。さらに、受圧面のうち外周縁に位置する角部よりも着座面側の剛性が低下する。これによって、受圧面のうち内周縁に位置する角部及び受圧面のうち外周縁に位置する角部が変形しやすくなる。すなわち、バックアップリングと燃料導入部の外周面との隙間、及びバックアップリングと取付部の内周面との隙間が埋まりやすくなる。

上記密封構造の一例として、前記バックアップリングが、前記受圧面から前記着座面に亘る切れ目を有し、前記切れ目が前記中心軸に対して傾斜している構成を採用してもよい。

上記構成によれば、バックアップリングに燃圧が付与された場合に、バックアップリングは、バックアップリングの切れ目の両側に位置する一端と他端とが離れる方向に変形することができる。すなわち、バックアップリングは、拡径する方向に変形することができる。これによって、バックアップリングの外周面と取付部の内周面との隙間が埋まりやすくなる。

密封構造が適用される燃料噴射供給装置の模式図。 密封構造の第１の実施形態を示す図。 同実施形態にかかる密封構造が備えるバックアップリングを示す断面図。 密封構造の変更例を示す断面図。 密封構造の第２の実施形態を示す断面図。 密封構造の第３の実施形態を示す断面図。 密封構造の変更例を示す断面図。 密封構造の他の変更例を示す断面図。 密封構造の他の変更例を示す断面図。 密封構造の他の変更例を示す断面図。 密封構造の他の変更例を示す断面図。

（第１の実施形態）
以下、密封構造の一実施形態である密封構造１０について、図１〜図３を参照して説明する。

図１には、密封構造１０が適用される内燃機関の燃料噴射供給装置を示している。燃料噴射供給装置は、燃料タンク７１と、燃料配管であるデリバリパイプ８０と、燃料タンク７１から汲み出された燃料をデリバリパイプ８０に圧送する高圧燃料ポンプ７２と、デリバリパイプ８０から供給された燃料を噴射する燃料噴射弁９０と、を備えている。燃料噴射供給装置では、燃料タンク７１から燃料噴射弁９０への燃料流路が形成されている。

図２は、燃料噴射供給装置が備えるデリバリパイプ８０と燃料噴射弁９０とが接続される箇所の部分断面図である。
図１及び図２に示すように、デリバリパイプ８０は、燃料噴射弁９０が取り付けられる筒状の取付部８１を備えている。

燃料噴射弁９０は、燃料噴射口とは反対側の端部である接続部９１が取付部８１に挿入されて、デリバリパイプ８０に接続されている。燃料噴射弁９０は、燃料噴射弁９０の中心軸が取付部８１の中心軸と一致するように挿入されて取付部８１と同軸配置されている。図２には、燃料噴射弁９０の中心軸を軸線Ｃとして表示している。取付部８１に挿入されている燃料噴射弁９０は、取付部８１及び燃料噴射弁９０を挟み込むホルダ８３によって外側から押圧されて固定されている。

燃料噴射弁９０は、接続部９１よりも縮径した燃料導入部９３を備えている。燃料導入部９３は、接続部９１の端面９２から燃料流路の上流側に突出して設けられている。すなわち燃料導入部９３は、取付部８１の内部に収容されている。燃料導入部９３は、接続部９１の端面９２から突出しているテーパ部９６と、テーパ部９６よりも燃料流路の上流側に位置する円筒部９８とを備えている。テーパ部９６は、端面９２から遠ざかるほど外径が縮径するように形成されている。円筒部９８は、その外径が軸線Ｃの延伸方向において一定に形成されており、当該外径がテーパ部９６の円筒部９８側における外径と同じ大きさである。燃料導入部９３のうち接続部９１の端面９２とは反対側の端部、すなわち円筒部９８の端部には、デリバリパイプ８０から供給される燃料を燃料噴射弁９０内に導入する導入口９４が設けられている。

図２に示すように、密封構造１０は、Ｏリング１１と、バックアップリング２１とを備えている。
Ｏリング１１は、環状のシール部材である。Ｏリング１１の材質には、フッ素ゴム等を採用することができる。Ｏリング１１には、Ｏリング１１の中心軸と軸線Ｃとが一致するように、燃料導入部９３が挿し込まれている。

バックアップリング２１は、Ｏリング１１と接続部９１の端面９２との間に配置されている。バックアップリング２１の材質には、フッ素樹脂等を採用することができる。
図２及び図３に示すように、バックアップリング２１は、外観が円柱状に形成されており、一方の底面から他方の底面に貫通する孔２７が底面の中心に開口している筒状である。孔２７には、バックアップリング２１の中心軸と軸線Ｃとが一致するように、燃料導入部９３が挿し込まれている。円柱状のバックアップリング２１において、端面９２側の底面である着座面２２は、端面９２と当接している。円柱状のバックアップリング２１において、Ｏリング１１側の底面である受圧面２３は、Ｏリング１１と対向している。Ｏリング１１に対して、燃料流路の上流側から下流側、すなわち図２における上側から下側に向かって燃圧が付与されると、Ｏリング１１がバックアップリング２１の受圧面２３に押し付けられる。バックアップリング２１は、Ｏリング１１の押し付けに基づいて接続部９１の端面９２側に押圧される。

図２には、バックアップリング２１の外半径ＲＯＲ１と、デリバリパイプ８０における取付部８１の内半径ＰＩＲ１とを表示している。バックアップリング２１の外半径ＲＯＲ１は、取付部８１の内半径ＰＩＲ１よりも小さい。すなわち、バックアップリング２１は、その外径が取付部８１の内径よりも小さく形成されている。このため、バックアップリング２１の中心軸と軸線Ｃとが一致している場合には、図２に示すようにバックアップリング２１の外周面２６と、取付部８１の内周面である取付部内面８２とは接触していない。また、バックアップリング２１は、着座面２２の外径と受圧面２３の外径とが等しく、着座面２２から受圧面２３に亘って軸線Ｃの延伸方向において外径が一定に形成されている。

また、バックアップリング２１は、受圧面２３から着座面２２に亘る切れ目２１Ａを有している。このため、バックアップリング２１は、周方向の一部で途切れている。切れ目２１Ａは、バックアップリング２１の中心軸に対して傾斜して設けられている。すなわち、切れ目２１Ａは、所謂バイアスカットである。切れ目２１Ａが斜めであるため、着座面２２又は受圧面２３が押圧された場合、切れ目２１Ａを挟んだ一端と他端は、互いに離間するように変形することができる。切れ目２１Ａを挟んだ一端と他端とが離間すると、バックアップリング２１は拡径する。

図３を参照して、バックアップリング２１の形状について詳述する。図３には、軸線Ｃに沿ったバックアップリング２１の断面形状を示している。
バックアップリング２１の外径が軸線Ｃの延伸方向において一定であるため、図３に示すように軸線Ｃに沿った断面形状において、外周面２６と取付部内面８２とは、平行である。

バックアップリング２１の孔２７は、受圧面２３から着座面２２に向かって拡径している。すなわち、バックアップリング２１の内径は、受圧面２３から着座面２２に向かって拡径している。したがって、図３に示すように軸線Ｃに沿った断面形状において、バックアップリング２１の内周面２８は、受圧面２３から着座面２２に近づくほど外周面２６に近づくように軸線Ｃに対して傾斜している。

孔２７が拡径しているため、バックアップリング２１は、受圧面２３のうち内周縁に位置しており内周面２８における受圧面２３側の部分が断面鋭角に形成されている。断面鋭角の部分を内側角部２４とすると、内側角部２４において受圧面２３と内周面２８とがなす角部角度θ１は、受圧面２３とテーパ部９６のテーパ外面９７とがなす間隙角度θ２よりも小さくされている。

図３には、軸線Ｃ上の受圧面２３と着座面２２との間のある位置における、テーパ部９６の外半径ＩＯＲ１と、バックアップリング２１の内半径ＲＩＲ１とを表示している。バックアップリング２１の内半径ＲＩＲ１は、テーパ部９６の外半径ＩＯＲ１よりも大きい。すなわち、バックアップリング２１は、その内径がテーパ部９６の外径よりも大きく形成されている。換言すれば、孔２７の直径が、テーパ部９６の外径よりも大きく形成されている。上記の大小関係は、受圧面２３上においても成立するし、着座面２２上においても成立する。すなわち、バックアップリング２１は、軸線Ｃ上のどの位置においても、孔２７の直径が、テーパ部９６の外径よりも大きく形成されている。

軸線Ｃと直交する方向において、着座面２２における外周面２６から着座面２２における内周面２８までの長さを寸法ＲＷ１とする。また、軸線Ｃと直交する方向において、受圧面２３における外周面２６から受圧面２３における内周面２８までの長さを寸法ＲＷ２とする。バックアップリング２１は、寸法ＲＷ１が寸法ＲＷ２よりも短く形成されている。

さらに、燃料導入部９３のテーパ部９６のうち接続部９１の端面９２側の端部から取付部８１の内周面である取付部内面８２までの長さを間隙ＰＷ１とする。すなわち、間隙ＰＷ１は、軸線Ｃと直交する方向において、端面９２におけるテーパ外面９７から取付部内面８２までの長さである。バックアップリング２１は、寸法ＲＷ１が間隙ＰＷ１よりも短く形成されており、バックアップリング２１の着座面２２が端面９２と当接している。

なお、バックアップリング２１の形状の例としては、取付部８１の内半径ＰＩＲ１とバックアップリング２１の外半径ＲＯＲ１との差、及びバックアップリング２１の内半径ＲＩＲ１とテーパ部９６の外半径ＩＯＲ１との差を、寸法ＲＷ２の１／２００〜１／２０程度とすることが好ましい。また、角部角度θ１は、間隙角度θ２よりも、０．１°〜２．０°程度小さいとよい。

次に、デリバリパイプ８０に燃料噴射弁９０を接続する組み付け方法について説明する。
まず、バックアップリング２１の孔２７に燃料導入部９３を通し、燃料噴射弁９０にバックアップリング２１を嵌める。続いて、接続部９１の端面９２にバックアップリング２１の着座面２２を接触させて、バックアップリング２１を燃料噴射弁９０に着座させる。次に、Ｏリング１１に燃料導入部９３を通し、燃料噴射弁９０にバックアップリング２１の上からＯリング１１を嵌める。そして、接続部９１を取付部８１に挿入することで、燃料噴射弁９０をデリバリパイプ８０に取り付ける。

本実施形態の作用及び効果について説明する。
密封構造１０では、接続部９１の端面９２上において、バックアップリング２１の着座面２２の長さが、取付部８１の取付部内面８２とテーパ部９６のテーパ外面９７との間の長さよりも短い。これによって、Ｏリング１１及びバックアップリング２１に燃圧が付与されていない状態で、バックアップリング２１の着座面２２と接続部９１の端面９２とを面接触させやすくなる。すなわち、バックアップリング２１を燃料噴射弁９０に着座させることができる。密封構造１０によれば、燃料噴射弁９０へのバックアップリング２１の着座によって、バックアップリング２１の中心軸と燃料噴射弁９０の中心軸とを平行にしやすい。

さらに、バックアップリング２１は、その外径が取付部８１の内径よりも小さくされている。さらにまた、バックアップリング２１は、その内径がテーパ部９６の外径よりも大きくされている。このため、Ｏリング１１及びバックアップリング２１に燃圧が付与されていない状態で、バックアップリング２１の外周面２６と取付部８１の取付部内面８２との接触、及びバックアップリング２１の内周面２８と燃料噴射弁９０の燃料導入部９３におけるテーパ部９６のテーパ外面９７との接触が生じにくい。これによって、Ｏリング１１及びバックアップリング２１に燃圧が付与されていない状態で、バックアップリング２１の着座面２２と接続部９１の端面９２との面接触が阻害されにくい。

なお、密封構造１０では、バックアップリング２１に燃圧が付与された場合、バックアップリング２１が変形することによってバックアップリング２１の外周面２６と取付部内面８２とが接触する。また同様に、バックアップリング２１が変形することによってバックアップリング２１の内周面２８とテーパ部９６のテーパ外面９７とが接触する。これによって、バックアップリング２１と取付部内面８２との間の隙間、及びバックアップリング２１とテーパ部９６のテーパ外面９７との間の隙間を埋めることができる。

以上のように密封構造１０によれば、Ｏリング１１及びバックアップリング２１に燃圧が付与された場合には、燃料噴射弁９０に着座したバックアップリング２１が変形することによって、バックアップリング２１と燃料噴射弁９０との間にＯリング１１が入り込む隙間が生じることを抑制でき、シール性能が低下することを抑制できる。

仮に、バックアップリングの中心軸が軸線Ｃに対して斜めになるようにバックアップリングが取り付けられると、着座面の少なくとも一部が燃料噴射弁に接触していない状態になることがある。バックアップリングの中心軸が軸線Ｃに対して平行であっても、切れ目２１Ａが設けられているようにバックアップリングの周方向の一部が途切れている場合には、バックアップリングの一端又は他端が燃料噴射弁に接触しないこともある。そして、着座面の少なくとも一部が燃料噴射弁に接触していない状態で燃圧が高くなると、燃料噴射弁９０に作用する燃圧が周方向において不均一になることがある。この場合、燃料噴射弁９０の中心軸と取付部８１の中心軸とがずれる虞や、燃料噴射弁９０とデリバリパイプ８０との隙間をシールできない虞がある。この点、密封構造１０によれば、バックアップリング２１の着座面２２と接続部９１の端面９２とを面接触させやすいため、燃料噴射弁９０の中心軸と取付部８１の中心軸とがずれることを抑制できる。そして、シール性能が低下することを抑制できる。

さらに、密封構造１０では、バックアップリング２１の受圧面２３と内周面２８とがなす角部角度θ１が、バックアップリング２１の受圧面２３とテーパ部９６のテーパ外面９７とがなす間隙角度θ２よりも小さいという関係を有している。このため、バックアップリング２１に燃圧が付与された場合、内側角部２４が着座面２２側に向かって変形しやすい。これによって、バックアップリング２１とテーパ部９６のテーパ外面９７との隙間が埋まりやすい。

また、バックアップリング２１が軸線Ｃに対して傾斜している切れ目２１Ａを有しているため、バックアップリング２１に燃圧が付与された場合に、バックアップリング２１は、バックアップリング２１の切れ目２１Ａの両側に位置する一端と他端とが離れる方向に変形することができる。すなわち、バックアップリング２１は、拡径する方向に変形することができる。これによって、バックアップリング２１の外周面２６と取付部内面８２との隙間が埋まりやすくなる。

バックアップリング２１は、製造公差によって各部の寸法が僅かながらに異なるものが混在する場合がある。このため、バックアップリング２１とデリバリパイプ８０との隙間や、バックアップリング２１と燃料噴射弁９０との隙間は、取り付けられるバックアップリング２１の寸法に応じてばらつきがある。この点、バックアップリング２１は、燃圧が付与されることで、バックアップリング２１とデリバリパイプ８０との隙間、及びバックアップリング２１と燃料噴射弁９０との隙間を埋めるような変形をしやすい。これによって、製造公差によってバックアップリング２１の寸法が異なっていたとしても、シール性能が低下しにくい。

デリバリパイプ８０に燃料噴射弁９０を組み付ける際、密封構造１０によれば、バックアップリング２１とデリバリパイプ８０との間、及びバックアップリング２１と燃料噴射弁９０との間には隙間が生じる余裕がある。これによって、バックアップリング２１を取り付ける際の挿入荷重を小さくすることができる。

以下、上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係を記載する。
燃料噴射弁は、燃料噴射弁９０に対応し、燃料タンクは、燃料タンク７１に対応し、デリバリパイプは、デリバリパイプ８０に対応する。燃料流路は、燃料タンク７１から燃料噴射弁９０までの燃料流路に対応する。

取付部は、取付部８１に対応し、取付部の内周面は、取付部内面８２に対応する。密封構造は、密封構造１０に対応する。Ｏリングは、Ｏリング１１に対応する。燃料噴射弁の中心軸は、軸線Ｃに対応する。

接続部は、接続部９１に対応し、接続部の端面は、端面９２に対応し、燃料導入部は、燃料導入部９３に対応し、テーパ部は、テーパ部９６に対応し、テーパ部の外周面は、テーパ外面９７に対応する。燃料導入部の外周面は、テーパ外面９７に対応する。

バックアップリングは、バックアップリング２１に対応する。着座面は、着座面２２に対応し、受圧面は、受圧面２３に対応する。バックアップリングの内周面は、内周面２８に対応する。バックアップリングの外周面は、外周面２６に対応する。切れ目は、切れ目２１Ａに対応する。

バックアップリングの受圧面とバックアップリングの内周面とがなす角度は、角部角度θ１に対応する。バックアップリングの受圧面と燃料導入部の外周面とがなす角度は、間隙角度θ２に対応する。

着座面におけるバックアップリングの外周面から着座面におけるバックアップリングの内周面までの長さは、寸法ＲＷ１に対応する。接続部の端面における燃料導入部の外周面から取付部の内周面までの長さは、間隙ＰＷ１に対応する。

本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・図４に示すように、バックアップリング２１には、内周面２８に内周段付き部２８Ａが設けられていてもよい。内周段付き部２８Ａは、内周面２８のうち受圧面２３よりも着座面２２側の部分が外周面２６側に窪んで形成されている。内周段付き部２８Ａを備えるバックアップリング２１は、端面９２に接する着座面２２を有し外径及び内径が軸線Ｃの延伸方向において一定である円環部３１と、受圧面２３を有し受圧面２３から着座面２２側に向かって拡径する孔２７が形成されている変径部３２とを備えるともいえる。

内周段付き部２８Ａを備えるバックアップリング２１によれば、受圧面２３のうち内周縁に位置する内側角部２４よりも着座面２２側が窪んでいることによって、内側角部２４よりも着座面２２側の剛性を低下させ、内側角部２４が変形しやすいようにすることができる。すなわち、バックアップリング２１とテーパ部９６のテーパ外面９７との隙間が埋まりやすくなる。

なお、円環部３１に、さらに段付き部を設けることもできる。内径の異なる複数の円環部を軸線Ｃの延伸方向に積み上げるように設けることで、バックアップリング２１に二段以上の段付き部を形成することができる。このとき、複数の円環部のうち最も内径の大きいものが着座面２２側に位置していてもよいし、受圧面２３側に位置していてもよい。また、最も内径の大きい円環部が他の円環部の間に挟まれていてもよい。

上記変更例における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。内周段付き部は、内周段付き部２８Ａに対応する。
（第２の実施形態）
図５を参照して、第２の実施形態について説明する。第２の実施形態における燃料噴射弁９０は、燃料導入部９３の形状が第１の実施形態と異なる。第１の実施形態と同様の構成については、第１の実施形態と同一の符号を付して適宜説明を省略する。

図５に示すように、燃料噴射弁９０は、接続部９１の端面９２から突出している燃料導入部９３を備えている。燃料導入部９３は、軸線Ｃの延伸方向において外径が一定の筒状に形成されている。

バックアップリング１２１は、外観が円柱状に形成されており、着座面１２２から受圧面１２３に貫通する孔１２７が底面の中心に開口している筒状である。バックアップリング１２１は、着座面１２２から受圧面１２３に亘って軸線Ｃの延伸方向において外径が一定であり、その外径がデリバリパイプ８０の取付部８１の内径よりも小さく形成されている。

バックアップリング１２１の外径が軸線Ｃの延伸方向において一定であるため、図５に示すように軸線Ｃに沿った断面形状において、外周面１２６と取付部内面８２とは、平行である。

バックアップリング１２１の孔１２７は、受圧面１２３から着座面１２２に向かって拡径している。すなわち、バックアップリング１２１の内径は、受圧面１２３から着座面１２２に向かって拡径している。したがって、図５に示すように軸線Ｃに沿った断面形状において、バックアップリング１２１の内周面１２８は、受圧面１２３から着座面１２２に近づくほど外周面１２６に近づくように軸線Ｃに対して傾斜している。

孔１２７が拡径しているため、バックアップリング１２１は、受圧面１２３のうち内周縁に位置しており内周面１２８における受圧面１２３側の部分が断面鋭角に形成されている。断面鋭角の部分を内側角部１２４とすると、内側角部１２４において受圧面１２３と内周面１２８とがなす角部角度θ１１は、受圧面１２３と燃料導入部９３の外周面である導入部外面９５とがなす間隙角度θ１２よりも小さくされている。なお、間隙角度θ１２は、直角である。

図５には、燃料導入部９３の外半径ＩＯＲ１１と、受圧面１２３上におけるバックアップリング１２１の内半径ＲＩＲ１１とを表示している。内半径ＲＩＲ１１は、外半径ＩＯＲ１１よりも大きい。すなわち、バックアップリング１２１は、その内径が燃料導入部９３の外径よりも大きく形成されている。換言すれば、孔１２７の直径が、燃料導入部９３の外径よりも大きく形成されている。孔１２７の直径は受圧面１２３上において最も小さいため、バックアップリング１２１は、軸線Ｃ上のどの位置においても、孔１２７の直径が、燃料導入部９３の外径よりも大きく形成されている。

軸線Ｃと直交する方向において、着座面１２２における外周面１２６から着座面１２２における内周面１２８までの長さを寸法ＲＷ１１とする。また、軸線Ｃと直交する方向において、受圧面１２３における外周面１２６から受圧面１２３における内周面１２８までの長さを寸法ＲＷ１２とする。バックアップリング１２１は、寸法ＲＷ１１が寸法ＲＷ１２よりも短く形成されている。

さらに、燃料導入部９３のうち接続部９１の端面９２側の端部から取付部８１の内周面である取付部内面８２までの長さを間隙ＰＷ１１とする。すなわち、間隙ＰＷ１１は、軸線Ｃと直交する方向において、端面９２における導入部外面９５から取付部内面８２までの長さである。バックアップリング１２１は、寸法ＲＷ１１が間隙ＰＷ１１よりも短く形成されており、バックアップリング１２１の着座面１２２が端面９２と当接している。

本実施形態の作用及び効果について説明する。
燃料導入部９３が軸線Ｃの延伸方向において外径が一定の筒状である場合であっても、バックアップリング１２１とＯリング１１とを備える密封構造によれば、上記第１の実施形態と同様の効果を奏することができる。

以下、上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係を記載する。
燃料噴射弁は、燃料噴射弁９０に対応し、接続部は、接続部９１に対応し、接続部の端面は、端面９２に対応し、燃料導入部は、燃料導入部９３に対応し、燃料導入部の外周面は、導入部外面９５に対応する。デリバリパイプは、デリバリパイプ８０に対応する。取付部は、取付部８１に対応し、取付部の内周面は、取付部内面８２に対応する。燃料噴射弁の中心軸は、軸線Ｃに対応する。

バックアップリングは、バックアップリング１２１に対応する。着座面は、着座面１２２に対応する。受圧面は、受圧面１２３に対応する。バックアップリングの内周面は、内周面１２８に対応する。バックアップリングの外周面は、外周面１２６に対応する。

バックアップリングの受圧面とバックアップリングの内周面とがなす角度は、角部角度θ１１に対応する。バックアップリングの受圧面と燃料導入部の外周面とがなす角度は、間隙角度θ１２に対応する。

着座面におけるバックアップリングの外周面から着座面におけるバックアップリングの内周面までの長さは、寸法ＲＷ１１に対応する。接続部の端面における燃料導入部の外周面から取付部の内周面までの長さは、間隙ＰＷ１１に対応する。

本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記第２の実施形態において、図４を用いて説明したような内周段付き部を内周面１２８に設けてもよい。

（第３の実施形態）
図６を参照して、第３の実施形態について説明する。第３の実施形態のバックアップリング２２１は、第２の実施形態のバックアップリング１２１と形状が異なる。第２の実施形態と同様に構成については、第２の実施形態と同一の符号を付して適宜説明を省略する。

バックアップリング２２１は、外観が円錐台状に形成されており、円錐台の底面である受圧面２２３から上面である着座面２２２に向かって外径が縮径している。したがって、図６に示すように軸線Ｃに沿った断面形状において、バックアップリング２２１の外周面２２６は、受圧面２２３から着座面２２２に近づくほど内周面２２８に近づくように軸線Ｃに対して傾斜している。外周面２２６が傾斜しているため、バックアップリング２２１は、受圧面２２３のうち外周縁に位置しており外周面２２６における受圧面２２３側の部分が断面鋭角に形成されている。断面鋭角の部分を外側角部２２５とすると、外側角部２２５において受圧面２２３と外周面２２６とがなす角度は、受圧面２２３と取付部内面８２とがなす角度よりも小さい。

バックアップリング２２１は、バックアップリング２２１の中心に着座面２２２から受圧面２２３に貫通する孔２２７が開口している筒状である。孔２２７は、その直径が着座面２２２から受圧面２２３に亘って軸線Ｃの延伸方向において一定である。すなわち、バックアップリング２２１の内径は、軸線Ｃの延伸方向において一定である。このため、軸線Ｃに沿った断面形状では、バックアップリング２２１の内周面２２８は、燃料導入部９３の導入部外面９５と平行である。

図６には、バックアップリング２２１における受圧面２２３側の外半径ＲＯＲ２１と、バックアップリング２２１における着座面２２２側の外半径ＲＯＲ２２と、を表示している。また、デリバリパイプ８０における取付部８１の内半径ＰＩＲ２１を表示している。受圧面２２３側の外半径ＲＯＲ２１は、着座面２２２側の外半径ＲＯＲ２２よりも大きい。そして、受圧面２２３側の外半径ＲＯＲ２１は、取付部８１の内半径ＰＩＲ２１よりも小さい。すなわち、バックアップリング２２１は、その外径が取付部８１の内径よりも小さく形成されている。

また、図６には、孔２２７の半径であるバックアップリング２２１の内半径ＲＩＲ２１と、燃料導入部９３の外半径ＩＯＲ１１を表示している。バックアップリング２２１の内半径ＲＩＲ２１は、燃料導入部９３の外半径ＩＯＲ１１よりも大きい。すなわち、バックアップリング２２１は、その内径が燃料導入部９３の外径よりも大きく形成されている。換言すれば、孔２２７の直径が、燃料導入部９３の外径よりも大きく形成されている。

また、軸線Ｃと直交する方向において、着座面２２２における外周面２２６から着座面２２２における内周面２２８までの長さを寸法ＲＷ２１とする。さらに、燃料導入部９３のうち接続部９１の端面９２側の端部から取付部８１の取付部内面８２までの長さを間隙ＰＷ２１とする。すなわち、間隙ＰＷ２１は、軸線Ｃと直交する方向において、端面９２における導入部外面９５から取付部内面８２までの長さである。バックアップリング２２１は、寸法ＲＷ２１が間隙ＰＷ２１よりも短く形成されており、バックアップリング２２１の着座面２２２が端面９２と当接している。

本実施形態の作用及び効果について説明する。
第３の実施形態によれば、接続部９１の端面９２上において、バックアップリング２２１の着座面２２２の長さが、取付部内面８２と燃料導入部９３の導入部外面９５との間の長さよりも短い。これによって、Ｏリング１１及びバックアップリング２２１に燃圧が付与されていない状態で、バックアップリング２２１の着座面２２２と接続部９１の端面９２とを面接触させやすくなる。すなわち、バックアップリング２２１を燃料噴射弁９０に着座させることができる。

さらに、バックアップリング２２１によれば、Ｏリング１１及びバックアップリング２２１に燃圧が付与されていない状態で、バックアップリング２２１の外周面２２６と取付部内面８２との接触、及びバックアップリング２２１の内周面２２８と燃料噴射弁９０の燃料導入部９３の導入部外面９５との接触が生じにくい。これによって、Ｏリング１１及びバックアップリング２２１に燃圧が付与されていない状態で、バックアップリング２２１の着座面２２２と接続部９１の端面９２との面接触が阻害されにくい。

なお、バックアップリング２２１では、バックアップリング２２１に燃圧が付与された場合、バックアップリング２２１が変形することによってバックアップリング２２１の外周面２２６と取付部内面８２とが接触する。また同様に、バックアップリング２２１が変形することによってバックアップリング２２１の内周面２２８と燃料噴射弁９０の燃料導入部９３の導入部外面９５とが接触する。これによって、バックアップリング２２１と取付部内面８２との間の隙間、及びバックアップリング２２１と燃料導入部９３の導入部外面９５との間の隙間を埋めることができる。

バックアップリング２２１は、燃料噴射弁９０に着座させることによってバックアップリング２２１の中心軸と燃料噴射弁９０の中心軸とを平行にしやすい。このため、Ｏリング１１及びバックアップリング２２１に燃圧が付与された場合には、燃料噴射弁９０に着座したバックアップリング２２１が変形することによって、バックアップリング２２１と燃料噴射弁９０との間にＯリング１１が入り込む隙間が生じることを抑制でき、シール性能が低下することを抑制できる。

そして、バックアップリング２２１は、バックアップリング２２１の外径が受圧面２２３から着座面２２２に向かって縮径しており、断面形状が鋭角の外側角部２２５を備えている。このため、バックアップリング２２１に燃圧が付与された場合、外側角部２２５が着座面２２２側に向かって変形しやすい。これによって、バックアップリング２２１と取付部内面８２との隙間が埋まりやすい。

以下、上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係を記載する。
燃料噴射弁は、燃料噴射弁９０に対応し、接続部は、接続部９１に対応し、接続部の端面は、端面９２に対応し、燃料導入部は、燃料導入部９３に対応し、燃料導入部の外周面は、導入部外面９５に対応する。デリバリパイプは、デリバリパイプ８０に対応する。取付部は、取付部８１に対応し、取付部の内周面は、取付部内面８２に対応する。燃料噴射弁の中心軸は、軸線Ｃに対応する。

バックアップリングは、バックアップリング２２１に対応する。着座面は、着座面２２２に対応する。受圧面は、受圧面２２３に対応する。バックアップリングの内周面は、内周面２２８に対応する。バックアップリングの外周面は、外周面２２６に対応する。

着座面におけるバックアップリングの外周面から着座面におけるバックアップリングの内周面までの長さは、寸法ＲＷ２１に対応する。接続部の端面における燃料導入部の外周面から取付部の内周面までの長さは、間隙ＰＷ２１に対応する。

本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記第３の実施形態のように、受圧面２２３から着座面２２２に向かってバックアップリング２２１の外径が縮径している場合、外径の縮径度合いは、適宜変更が可能である。

・図７に示すように、バックアップリング２２１には、外周面２２６に外周段付き部２２６Ａが設けられていてもよい。外周段付き部２２６Ａは、外周面２２６のうち受圧面２２３よりも着座面２２２側の部分が内周面２２８側に窪んで形成されている。外周段付き部２２６Ａを備えるバックアップリング２２１は、端面９２に当接する着座面２２２を有し外径及び内径が軸線Ｃの延伸方向において一定である円環部２３１と、受圧面２２３を有し受圧面２２３から着座面２２２側に向かって外径が縮径している変径部２３２とを備えるともいえる。

外周段付き部２２６Ａを備えるバックアップリング２２１によれば、受圧面２２３の外周縁に位置する外側角部２２５よりも着座面２２２側の剛性を低下させ、外側角部２２５が変形しやすいようにすることができる。すなわち、バックアップリング２２１と取付部内面８２との隙間が埋まりやすくなる。なお、円環部２３１に、さらに段付き部を設けてバックアップリング２２１に複数の外側段付き部を形成することもできる。

上記変更例における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。外周段付き部は、外周段付き部２２６Ａに対応する。
・上記第３の実施形態のバックアップリング２２１は、その外径が受圧面２２３から着座面２２２に向かって縮径している。このように外径が縮径していることに加えて、受圧面から着座面に向かって内径が拡径する形状を採用することもできる。

すなわち、図８に示すように、軸線Ｃに沿った断面形状において、受圧面３２３よりも着座面３２２側ほど外周面３２６と内周面３２８とが互いに近づくように外周面３２６と内周面３２８とが傾斜しているバックアップリング３２１を採用してもよい。バックアップリング３２１では、受圧面３２３から着座面３２２に向かって孔３２７が拡径しており、バックアップリング３２１の内径が拡径している。なお、図８には、燃料導入部９３がテーパ部９６を有する場合を例示しているが、バックアップリング３２１は、燃料導入部９３の外径が軸線Ｃの延伸方向において一定である場合にも適用することができる。

バックアップリング３２１によれば、バックアップリング３２１に燃圧が付与された場合、受圧面３２３のうち内周縁に位置しており内周面３２８における受圧面３２３側の部分である内側角部３２４が着座面３２２側に向かって変形しやすい。さらに、受圧面３２３のうち外周縁に位置しており外周面３２６における受圧面３２３側の部分である外側角部３２５が着座面３２２側に向かって変形しやすい。これによって、バックアップリング３２１とテーパ部９６のテーパ外面９７との隙間、及びバックアップリング３２１と取付部内面８２との隙間が埋まりやすい。

上記変更例における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。バックアップリングは、バックアップリング３２１に対応する。着座面は、着座面３２２に対応し、受圧面は、受圧面３２３に対応する。バックアップリングの内周面は、内周面３２８に対応し、バックアップリングの外周面は、外周面３２６に対応する。

・図８には、外径が縮径していることに加えて、受圧面３２３から着座面３２２に向かって孔３２７が拡径しているバックアップリング３２１を示した。こうした構成の場合には、孔３２７の拡径度合い、すなわちバックアップリング３２１の内径の拡径度合いは変更が可能である。

例えば、図９に示すように、軸線Ｃに沿った断面形状において、バックアップリング３２１の外周面３２６が受圧面３２３から着座面３２２に向かって傾斜しているならば、内周面３２８がテーパ部９６のテーパ外面９７と平行であってもよい。

・図８に示したように外周面３２６及び内周面３２８の両方が軸線Ｃに対して傾斜している場合、外周面３２６及び内周面３２８の両方に段付き部を設けることもできる。
図１０に示すバックアップリング３２１は、内周面３２８に内周段付き部３２８Ａが設けられている。内周段付き部３２８Ａは、内周面３２８のうち受圧面３２３よりも着座面３２２側の部分が外周面３２６側に窪んで形成されている。

さらに、図１０に示すバックアップリング３２１は、外周面３２６に外周段付き部３２６Ａが設けられている。外周段付き部３２６Ａは、外周面３２６のうち受圧面３２３よりも着座面３２２側の部分が内周面３２８側に窪んで形成されている。

内周段付き部３２８Ａ及び外周段付き部３２６Ａを備えるバックアップリング３２１は、円環部３３１と変径部３３２とを備えるともいえる。円環部３３１は、端面９２に当接する着座面３２２を有し外径及び内径が軸線Ｃの延伸方向において一定である。変径部３３２は、受圧面３２３を有し受圧面３２３から着座面３２２側に向かって拡径する孔３２７が形成されているとともに、受圧面３２３から着座面３２２側に向かって外径が縮径している。

内周段付き部３２８Ａ及び外周段付き部３２６Ａを備えるバックアップリング３２１は、内側角部３２４よりも着座面３２２側の剛性が低下する。さらに、外側角部３２５よりも着座面３２２側の剛性が低下する。これによって、内側角部３２４及び外側角部３２５が変形しやすくなる。

上記変更例における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。内周段付き部は、内周段付き部３２８Ａに対応し、外周段付き部は、外周段付き部３２６Ａに対応する。

その他、上記各実施形態に共通して変更可能な要素としては次のようなものがある。
・上記各実施形態では、軸線Ｃに沿った断面形状において、バックアップリングの内周面が直線状になる孔を備えている。これに替えて、図１１に示すように、断面形状において内周面４２８が湾曲したバックアップリング４２１を採用することもできる。バックアップリング４２１は、着座面４２２と受圧面４２３とを備える円柱状に形成されている。バックアップリング４２１は、断面形状において角部角度θ４１が間隙角度θ４２よりも小さい関係を満たすような孔４２７を備えている。こうした孔４２７によって、バックアップリング４２１の内周面４２８が湾曲している。

また同様に、軸線Ｃに沿った断面形状においてバックアップリングの外周面が湾曲していてもよい。また、軸線Ｃに沿った断面形状において段付き部も直線状である必要はなく、断面形状において段付き部が湾曲していてもよい。

上記変更例における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。バックアップリングは、バックアップリング４２１に対応する。着座面は、着座面４２２に対応し、受圧面は、受圧面４２３に対応する。バックアップリングの内周面は、内周面４２８に対応する。バックアップリングの受圧面とバックアップリングの内周面とがなす角度は、角部角度θ４１に対応する。バックアップリングの受圧面と燃料導入部の外周面とがなす角度は、間隙角度θ４２に対応する。

・図２及び図３を用いて説明した第１の実施形態のようにバックアップリング２１の孔２７が受圧面２３から着座面２２に向かって拡径している場合、内側角部２４における角部角度θ１が間隙角度θ２よりも小さい範囲であれば、孔２７の拡径度合い、すなわちバックアップリング２１の内径の拡径度合いは、適宜変更することができる。図５を用いて説明した第２の実施形態におけるバックアップリング１２１及び図８を用いて説明したバックアップリング３２１においても同様に内径の拡径度合いを変更することが可能である。

・図２を参照して説明したような、バックアップリング２１に形成されている切れ目２１Ａは必須の構成ではない。
・上記各実施形態において、軸線Ｃの延伸方向における受圧面から着座面までの長さであるバックアップリングの厚さは、適宜変更が可能である。

例えば、図３には、円筒部９８側のテーパ部９６の端部よりも端面９２側に受圧面２３が位置するような厚さを有するバックアップリング２１を示している。バックアップリング２１をさらに厚くして、軸線Ｃの延伸方向において円筒部９８側のテーパ部９６の端部と同じ高さや、それ以上の高さに受圧面２３が位置するようにしてもよい。

・上記第１の実施形態では、取付部８１の内半径ＰＩＲ１とバックアップリング２１の外半径ＲＯＲ１との差、及びバックアップリング２１の内半径ＲＩＲ１とテーパ部９６の外半径ＩＯＲ１との差について、寸法ＲＷ２に対する割合を例示した。ただし上記各実施形態におけるバックアップリングと燃料噴射弁９０と取付部８１の各形状に基づく密封構造の各部寸法は、これに限られるものではない。燃圧が付与されていない状態でバックアップリングが燃料噴射弁９０の端面９２に着座するようにするとともに、バックアップリングの外周面と取付部内面８２との間、及びバックアップリングの内周面と導入部外面９５（テーパ外面９７）との間に間隙を設けることで、バックアップリングを燃料噴射弁９０に取り付ける際の挿入荷重を小さくすることができる。さらに、当該間隙を設けつつも当該間隙を小さくすることで、燃圧が付与されてバックアップリングが変形した場合に、間隙が埋まりやすくなる。

１０…密封構造、１１…Ｏリング、２１，１２１，２２１，３２１，４２１…バックアップリング、２２，１２２，２２２，３２２，４２２…着座面、２３，１２３，２２３，３２３，４２３…受圧面、２４，１２４，３２４…内側角部、２８，１２８，２２８，３２８，４２８…内周面、２８Ａ，３２８Ａ…内周段付き部、３１，２３１，３３１…円環部、３２，２３２，３３２…変径部、２２５，３２５…外側角部、２６，１２６，２２６，３２６…外周面、２２６Ａ，３２６Ａ…外周段付き部、２７，１２７，２２７，３２７，４２７…孔、２１Ａ…切れ目、７１…燃料タンク、７２…高圧燃料ポンプ、８０…デリバリパイプ、８１…取付部、８２…取付部内面、８３…ホルダ、９０…燃料噴射弁、９１…接続部、９２…端面、９３…燃料導入部、９４…導入口、９５…導入部外面、９６…テーパ部、９７…テーパ外面、９８…円筒部。

Claims (8)

1. 燃料噴射弁が挿入される取付部を有し、燃料タンク側から圧送された燃料を前記燃料噴射弁に供給するデリバリパイプと、前記取付部に挿入される接続部と燃料導入部とを有し、前記燃料導入部が前記接続部の端面から前記燃料タンク側に突出して設けられ、前記燃料導入部の外径が前記接続部の外径よりも小さい前記燃料噴射弁と、を備える内燃機関の燃料供給装置に適用され、前記取付部の内周面と前記燃料噴射弁との隙間をシールする密封構造であって、
   前記燃料導入部が挿入されるＯリングと、
   前記燃料導入部が挿入され、前記Ｏリングと前記接続部の前記端面との間に配置される筒状のバックアップリングと、を備え、
   前記バックアップリングの外径は、前記取付部の内径よりも小さく、
   筒状の前記バックアップリングにおける前記Ｏリング側の面を受圧面として、前記接続部の前記端面側の面を着座面とすると、
   前記バックアップリングの内径は、前記受圧面から前記着座面に向かって拡径しているとともに、前記燃料噴射弁の中心軸上のいずれの位置においても前記燃料導入部の外径よりも大きく、
   前記燃料噴射弁の前記中心軸に沿った前記バックアップリングの断面において、前記バックアップリングの前記受圧面と前記バックアップリングの内周面とがなす角度が、前記バックアップリングの前記受圧面と前記燃料導入部の外周面とがなす角度よりも小さく、
   前記中心軸と直交する方向において、前記着座面における前記バックアップリングの外周面から前記着座面における前記バックアップリングの内周面までの長さが、前記端面における前記燃料導入部の外周面から前記取付部の内周面までの長さよりも短い
   密封構造。
2. 燃料噴射弁が挿入される取付部を有し、燃料タンク側から圧送された燃料を前記燃料噴射弁に供給するデリバリパイプと、前記取付部に挿入される接続部と燃料導入部とを有し、前記燃料導入部が前記接続部の端面から前記燃料タンク側に突出して設けられ、前記燃料導入部の外径が前記接続部の外径よりも小さい前記燃料噴射弁と、を備える内燃機関の燃料供給装置に適用され、前記取付部の内周面と前記燃料噴射弁との隙間をシールする密封構造であって、
   前記燃料導入部が挿入されるＯリングと、
   前記燃料導入部が挿入され、前記Ｏリングと前記接続部の前記端面との間に配置される筒状のバックアップリングと、を備え、
   筒状の前記バックアップリングにおける前記Ｏリング側の面を受圧面として、前記接続部の前記端面側の面を着座面とすると、
   前記バックアップリングの外径は、前記受圧面から前記着座面に向かって縮径しており、
   前記受圧面の外径は、前記取付部の内径よりも小さく、
   前記バックアップリングの内径は、前記燃料噴射弁の中心軸上のいずれの位置においても前記燃料導入部の外径よりも大きく、
   前記中心軸と直交する方向において、前記着座面における前記バックアップリングの外周面から前記着座面における前記バックアップリングの内周面までの長さが、前記端面における前記燃料導入部の外周面から前記取付部の内周面までの長さよりも短い
   密封構造。
3. 前記燃料導入部は、燃料流路の上流側から前記接続部の前記端面側に向かって拡径したテーパ部を備え、
   前記バックアップリングの前記受圧面と前記バックアップリングの内周面とがなす角度が、前記受圧面と前記テーパ部の外周面とがなす角度よりも小さい
   請求項１に記載の密封構造。
4. 前記バックアップリングは、前記バックアップリングの外径が前記受圧面から前記着座面に向かって縮径しており、
   前記受圧面の外径が前記取付部の内径よりも小さい
   請求項１又は３に記載の密封構造。
5. 前記バックアップリングは、内周面のうち前記受圧面よりも前記着座面側の部分に、外周面側に向かって窪む内周段付き部を有する
   請求項１，３又は４のいずれか一項に記載の密封構造。
6. 前記バックアップリングは、外周面のうち前記受圧面よりも前記着座面側の部分に、内周面側に向かって窪む外周段付き部を有する
   請求項２又は４に記載の密封構造。
7. 前記バックアップリングは、内周面のうち前記受圧面よりも前記着座面側の部分に、外周面側に向かって窪む内周段付き部を有し、外周面のうち前記受圧面よりも前記着座面側の部分に、内周面側に向かって窪む外周段付き部を有する
   請求項４に記載の密封構造。
8. 前記バックアップリングは、前記受圧面から前記着座面に亘る切れ目を有し、
   前記切れ目が前記中心軸に対して傾斜している
   請求項１〜７のいずれか一項に記載の密封構造。

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