JP6958394B2 - パワーコンディショナ及びその制御方法並びに蓄電システム - Google Patents
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Description
本発明の実施形態の要旨としては、少なくとも以下のものが含まれる。
この場合、高調波電圧が第1の閾値に達するという単独運転の兆候が現れたときは、いわば積極的に高調波成分を重畳することで、迅速に、単独運転時に高調波による電圧が出るようにすることができる。
この場合、単独運転の兆候を、早めに検出することができる。
この場合、高調波電圧が増大するほど制御指令値も増大するので迅速に、無効電力注入のタイミングに到達することができる。
この場合、例えば複数台のパワーコンディショナが負荷に対して並列接続されている場合でも、相互に影響を受けて高調波が減殺される、という事態を抑制することができる。
この場合、高調波成分の重畳は既に必要無いので、無駄な動作を回避することができる。
この場合、単独運転時には、高調波を含む可能性のある交流電路の交流電圧を利用して高調波を除去せずに残して活かすことができる。
この場合は、(1)〜(7)のパワーコンディショナによる作用効果を伴う蓄電システムを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態に係るパワーコンディショナについて、図面を参照して説明する。
図1は、パワーコンディショナ100の一例と、その入出力回路とを示す回路図である。まず、主回路要素から説明すると、パワーコンディショナ100は、電力変換部として、DC/DCコンバータ1及びインバータ2を備えている。パワーコンディショナ100の直流側(図の左側)には、直流電源3(例えば、蓄電池、太陽光発電パネル等)が接続されている。また、パワーコンディショナ100の交流側(図の右側)には、交流電路4が接続されている。
なお、直流電源3とパワーコンディショナ100とで、蓄電システムを構成している。
交流電路4には、需要家の負荷5が接続される。また、交流電路4には連系リレー6が設けられている。連系リレー6は、商用電力系統7と接続されている。
制御部20は例えば、コンピュータを含み、ソフトウェア(コンピュータプログラム)をコンピュータが実行することで、必要な制御機能を実現する。ソフトウェアは、制御部20の記憶装置(図示せず。)に格納される。
通常運転時は、前述のように、制御部20は、各センサからの検出出力に基づいて、スイッチング素子Q1〜Q6を制御することによりパワーコンディショナ100の系統連系運転を行うことができる。
Iinv*=Ia*+s CaVa ・・・(1)
に設定する。
Vinv*=Va+ZaIinv* ・・・(2)
に設定する。
Iin*={(Iinv* × Vinv*)+(s C Vo*)×Vo*}/VDC
・・・(3)
に設定する。そして、交流電圧Vaは、実効値をVa_rms、スイッチング動作の指令をするタイミングの位相をωtとして、
Va=√2 Va_rms×sin(ωt) ・・・(4)
とすることができる。
次に、制御部20によって実現される単独運転検出の機能について説明する。
図2は、制御部20の内部機能として存在する単独運転検出の機能ブロック図である。図において、電圧センサ18(図1)によって検出された交流電路4(図1)の交流電圧(系統電圧)の検出信号は、A/D変換され(f1)、交流電圧として検出される(f2)。この交流電圧に基づいて、周波数(f3)、基本波電圧(f4)、高調波電圧(f5)がそれぞれ検出される。
図において、制御部20は、まず、基準となる時刻から5ms経過したか否かを判定する(ステップS1)。すなわち、単独運転検出の判定は5msごとに行われる。最初は5ms経過していないので、処理はステップS10に飛び、単独運転を検出したか否かの判定が行われ、「No」であればステップS1に戻る。
上記のように、このパワーコンディショナ100の制御部20は、通常運転としては、電圧センサ18の検出する電圧から抽出した基本波の電圧に基づく制御指令値により電力変換部であるDC/DCコンバータ1及びインバータ2を制御する。また、電圧センサ18の検出する電圧に基づいて単独運転の検出を行う場合には、基本波に高調波成分が重畳された電圧に基づく制御指令値によりDC/DCコンバータ1及びインバータ2を制御する。
図4は、比較のために、図3のステップS7,S8,S9を実行しない場合の単独運転検出の例を示す波形図である。波形図には、交流電圧、逆潮点における電流(電流センサ17が検出する電流)、DC/DCコンバータ1及びインバータ2のゲートブロックが行われたことを確認するゲートブロック確認信号、デバッグ用信号(高調波電圧2Vでハイになる。)、及び、ステップ注入確認信号が、表されている。縦向きの2本の点線のうち、左側の点線の時刻に商用電力系統の停電が発生してから、右側の点線の時刻に単独運転検出となる。これらの点線間の時間間隔は例えば180msであるが、若干ばらつきもあり、200msを超える場合もある。
次に、基本波に重畳する高調波成分の次数について補足する。パワーコンディショナの出力電路が3電路ある場合、これら3電路を順に第1電路(+101V)、第2電路(0V)、第3電路(−101V)とすると、これらがそれぞれU線,O線,W線に接続されている場合を「正接」と称する。また、第1電路、第2電路、第3電路がそれぞれ、W線,O線,U線に接続されている場合を「逆接」と称する。例えば2台のパワーコンディショナ100が単相3線(U線,O線,W線)の商用電力系統に接続されているとき、一方は正接、他方は逆接となる場合がある。
なお、上記のパワーコンディショナ100は、式(4)において、実際に検出される系統電圧そのものではなく、系統電圧の実効値を有する理想的な正弦波を用いている。そのことが、通常運転では、基本波の電圧に基づく制御指令値により高調波の影響を排除して良質な正弦波の波形を生成することができる、という作用効果に寄与している。ところが、単独運転検出に当たっては、そのことが、検出の遅れの原因になる場合もあるので、図3のステップS7,S8,S9のような処理を入れた。
言い換えれば、基本波に高調波成分が重畳された電圧とは、積極的な重畳の場合(プラスする)と、自然に重畳されている場合(マイナスしない)との両方を含む。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
2 インバータ
3 直流電源
4 交流電路
5 負荷
6 連系リレー
7 商用電力系統
8 DCバス
9 直流側コンデンサ
10 直流リアクトル
11 中間コンデンサ
12 交流リアクトル
13 交流側コンデンサ
14 電圧センサ
15 電流センサ
16 電圧センサ
17 電流センサ
18 電圧センサ
20 制御部
100 パワーコンディショナ
d1,d2,d3,d4,d5,d6 ダイオード
Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6 スイッチング素子
Claims (7)
- 商用電力系統と系統連系するパワーコンディショナであって、
スイッチング動作を行う電力変換部と、
前記商用電力系統と接続される交流電路の電圧を検出する電圧センサと、
前記電圧センサの検出する電圧から抽出した基本波電圧に基づく制御指令値により前記電力変換部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記電圧センサの検出する電圧に基づいて単独運転の検出を行う場合において、
(a)周波数偏差が所定値以下で、高調波電圧が第1の閾値に増大した場合、
(b)前記周波数偏差が前記所定値以下で、前記基本波電圧が所定量の増大をした場合、及び、
(c)前記周波数偏差が前記所定値以下で、前記基本波電圧が前記所定量に満たない増大をした場合に、高調波成分を重畳させると、前記高調波電圧が前記第1の閾値に増大した場合、
の全ての成否を確認し、いずれか一つでも成立する場合に、無効電力のステップ注入を行う、パワーコンディショナ。 - 前記制御部は、前記高調波電圧に比例して、重畳させる高調波成分を変化させる請求項1に記載のパワーコンディショナ。
- 前記制御部は、奇数の次数の高調波成分を重畳させる請求項1又は請求項2に記載のパワーコンディショナ。
- 前記制御部は、前記高調波成分の重畳を行う前に、周波数偏差が所定値より大きくなっている場合は、高調波成分の重畳を回避する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のパワーコンディショナ。
- 前記制御部は、前記単独運転の検出を行う場合には、高調波を含む前記電圧センサの検出する電圧をそのまま用いた制御指令値により前記電力変換部を制御する、請求項1に記載のパワーコンディショナ。
- 直流電源と、当該直流電源に接続された請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のパワーコンディショナと、を備えている蓄電システム。
- 商用電力系統と系統連系し、スイッチング動作を行う電力変換部を含むパワーコンディショナの制御方法であって、
前記商用電力系統と接続される交流電路の電圧を検出し、
検出した電圧から抽出した基本波電圧に基づく制御指令値により前記電力変換部を制御し、
前記交流電路の電圧に基づいて単独運転の検出を行う場合において、
(a)周波数偏差が所定値以下で、高調波電圧が第1の閾値に増大した場合、
(b)前記周波数偏差が前記所定値以下で、前記基本波電圧が所定量の増大をした場合、及び、
(c)前記周波数偏差が前記所定値以下で、前記基本波電圧が前記所定量に満たない増大をした場合に、高調波成分を重畳させると、前記高調波電圧が前記第1の閾値に増大した場合、
の全ての成否を確認し、いずれか一つでも成立する場合に、無効電力のステップ注入を行う、パワーコンディショナの制御方法。
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