JP6082689B2 - 単独運転検出装置、および単独運転検出方法 - Google Patents
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Description
いて同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
本実施形態に係る分散型電源システムは、電源10の電力を、商用電源系統11と連系して負荷12に供給可能なシステムである。分散型電源システムは、電源10と、パワーコンディショナー13と、を備える。電源10と商用電源系統11の間に、パワーコンディショナー13は接続される。
流電力を交流電力に変換する。なお、スイッチング素子には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等が用いられる。ただし、これに限らず、FET(Field Effect Transistor)等のモノポーラトランジスタや、IGBT以外のバイポーラトランジスタが用いられてもよい。周波数制御回路は、パワーコンディショナー13の出力電流周波数をコントロールする。フィルター回路は、スイッチング回路により交流化された電流波形を商用電源系統11の交流波形に近い曲線に鈍らせる。また、インバーター部20は、インバーター回路の前段側に、電源10から出力された直流電力から所望(たとえば、300〜400V)の直流電圧を作りインバーター回路に供給するDC/DCコンバーターを有していてもよい。
れる交流電流に無効電流が注入されても、商用電源系統11の影響を受けて、計測部22において計測される交流電圧に周波数の変化は殆ど生じない。このとき、単独運転判定部23は、分散電源システムは単独運転していないと判定する。
図2は、単独運転検出処理の手順を示すフローチャートである。図3は、高調波交流の重畳方法を説明するための波形図である。図4は、仮判定の方法を説明するための図である。図5Aは、商用電源系統が正常に動作している時の交流電圧の波形図である。図5Bは、商用電源系統が停電している時の交流電圧の波形図である。図6は、本判定の方法を説明するための図である。図7Aは、商用電源系統が正常に動作している時に無効電流を注入した場合における交流電圧の波形図である。図7Bは、商用電源系統が停電している時に無効電流を注入した場合における交流電圧の波形図である。
パワーコンディショナー13は、パワーコンディショナー13から交流電力が出力されると、図2に示す単独運転検出処理を開始する。ただし、単独運転検出処理を開始するタイミングは、これに限定されない。
単独運転検出処理を開始すると、電流指令生成部25は、特定の周波数(たとえば、50Hzまたは60Hzの基本周波数)を持つ基本波交流を生成する。具体的には、電流指令生成部25は、インバーター部20から出力される交流電流の波形が、図3に示すような基本波交流となるようにするための電流値を生成する。
続いて、電流指令生成部25は、ステップS101において生成された基本波交流の整数倍の周波数を持つ高調波交流(特定の次元の高調波交流)を生成する。具体的には、電流指令生成部25は、インバーター部20から出力される交流電流の波形が、N次高調波交流(Nは自然数)となるようにするための電流値を生成する。なお、N次高調波交流(Nは自然数)には、図3に示すような、基本波交流の3倍の周波数を持つ3次高調波交流、基本波交流の5倍の周波数を持つ5次高調波交流、基本波交流の7倍の周波数を持つ7次高調波交流などの少なくとも1種の奇数高調波交流が含まれる。印加する高調波が偶数調波の場合、複数台の分散電源システムが並列接続されており、そのうちの一部に配線が逆接続された分散電源システムが含まれていると、高調波を打ち消しあってしまうことがある。そこで、少なくとも1種の奇数高調波交流を含むことにより、複数台を逆接続したときでも確実に高調波を検出できる。
電流指令生成部25は、ステップS101において生成された基本波交流に、ステップS102において生成された高調波交流を重畳する。具体的には、電流指令生成部25は、基本波交流に相当する電流値に、高調波交流に相当する電流値を加算して電流指令(電流指令値)を生成する。これにより、たとえば、図3に示すような、基本波交流に、3次高調波交流、5次高調波交流、7次高調波交流がそれぞれ重畳された重畳波形交流が生成される。
ゲート制御部27は、ステップS103において生成された重畳波形交流に相当する交流電流を、インバーター部20に出力させる。具体的には、ゲート制御部27は、無効電流付加指令生成部26から送信された電流指令(電流指令値)を用いて、インバーター部20内の各スイッチング素子を制御する。
計測部22は、インバーター部20から出力された交流の交流電圧を少なくとも計測する。具体的には、計測部22は、所定の交流電圧計を用いて、インバーター部20から出力された交流電圧を計測する。
単独運転判定部23は、ステップS105において計測された交流電圧に、基準量を超える高調波交流が含まれているか否かにより分散型電源システムの単独運転の可能性を仮判定する。
無効電流付加指令生成部26は、ステップS106での分散型電源システムが単独運転している可能性があるという判定が正しいか確認するために、インバーター部20から出力される交流電流に注入する無効電流を演算する。具体的には、無効電流付加指令生成部26は、計測部22により計測された交流電圧の周波数の変化(変化量、変化率など)に応じて、注入する無効電流を決定する。たとえば、計測部22において求められた交流電圧の最新の周波数(所定周期分の平均値)と、それ以前に求められた交流電圧の周波数(所定周期分の平均値)との変化量(変化率でもよい)が大きいほど、注入する無効電流が大きくなるように演算される。
ゲート制御部27は、インバーター部20から出力される交流電流に無効電流を注入する。具体的には、ゲート制御部27は、電流指令生成部25が生成した電流指令および無効電流付加指令生成部26が生成した無効電流付加指令を用いて、インバーター部20内の各スイッチング素子を制御する。
計測部22は、インバーター部20から出力された交流の交流電圧を少なくとも計測する。具体的には、計測部22は、所定の交流電圧計を用いて、インバーター部20から出力された交流電圧を計測する。
その後、単独運転判定部23は、分散型電源システムが単独運転しているか否かについて、最終的な判定(本判定)を行う。
単独運転判定部23は、ステップS110において分散型電源システムが単独運転していると判定されると、連系リレー21をオフする制御信号を送信し、分散型電源システムを商用電源系統11から解列させる。なお、ゲート制御部27に、インバーター部20の出力を制御するための全てのスイッチング素子をオフにしてインバーター部20の出力を停止させるゲート制御の実行を指示する制御信号を送信してもよい。また、単独運転判定部23は、連系リレー21およびゲート制御部27のどちらか一方あるいは両方に、制御信号を送信してもよい。
が重畳される。そのため、パワーコンディショナー13において出力電流に重畳された高調波交流の変化を検出しやすくなり、高調波交流の変化に応じて適切に無効電流を注入することができるようになる。さらに、仮判定、本判定の二段階の判定により、分散型電源システムの単独運転を確実に検出できる。
なお、上記の実施形態は、本発明の要旨を例示することを意図し、本発明を限定するものではない。多くの代替物、修正、変形例は当業者にとって明らかである。
11 商用電源系統、
12 負荷、
13 パワーコンディショナー、
20 インバーター部、
21 連系リレー、
22 計測部、
23 単独運転判定部、
24 高調波決定部、
25 電流指令生成部、
26 無効電流付加指令生成部、
27 ゲート制御部。
Claims (13)
- 直流を交流に変換して出力するインバーター部を備えた分散型電源システムの単独運転判定装置であって、
特定の周波数の基本波交流に特定の次元の高調波交流を重畳させた交流電流を前記インバーター部に出力させるための電流指令を生成する電流指令生成部と、
前記交流電流に無効電流を付加させるための無効電流付加指令を生成する無効電流付加指令生成部と、
前記電流指令生成部が生成した前記電流指令および前記無効電流付加指令生成部が生成した前記無効電流付加指令のうち少なくとも前記電流指令に従って前記インバーター部が出力した交流の電圧を計測する計測部と、
前記計測部が計測した電圧に基準量を超える高調波交流が含まれているか否かにより前記分散型電源システムの単独運転の可能性を仮判定するとともに、前記仮判定で単独運転の可能性があるとされたときには、前記電圧の周波数が基準量を超えて変化したか否かにより前記分散型電源システムの単独運転を本判定する単独運転判定部と、
前記電流指令生成部で前記特定の周波数の基本波交流に重畳させるべき高調波交流の種類を決定する高調波決定部と、
を有し、
前記高調波決定部は、出力電力に応じて高調波交流の量を決定する
単独運転判定装置。 - 前記無効電流付加指令生成部は、
前記単独運転判定部による仮判定で前記分散型電源システムの単独運転の可能性がないとされたときには前記無効電流付加指令は生成せず、前記仮判定で単独運転の可能性があるとされたときには前記無効電流付加指令を生成する請求項1に記載の単独運転判定装置。 - 前記電流指令生成部が生成した前記電流指令および前記無効電流付加指令生成部が生成した前記無効電流付加指令のうち少なくとも前記電流指令を用いて前記インバーター部の動作を制御するゲート制御部を備え、
前記インバーター部の直流側には電源が、前記インバーター部の交流側には連系リレーを介して商用電源系統が、それぞれ接続され、
前記単独運転判定部は、
前記分散型電源システムの単独運転を本判定したときには、前記ゲート制御部にゲートブロック指令を出力して前記インバーター部の動作を停止させるとともに、前記連系リレーに開放指令を出力して前記インバーター部の交流側と前記商用電源系統とを解列させる請求項1または2に記載の単独運転判定装置。 - 前記単独運転判定部による仮判定は、
前記計測部が計測する電圧の最新周期を含む任意のm周期間において(m≧2)、前記m周期間中における最新周期を含まない任意のn周期間(nおよびmは自然数、および、n<m)における高調波電圧実効値または平均高調波電圧実効値と、前記m周期間中かつ前記n周期以外の各周期における高調波電圧実効値と、の差分が、予め定める基準値を外れているか否かによって行い、
前記差分が前記基準値を外れていれば、前記電圧に基準量を超える高調波交流が含まれているとみなし、前記分散型電源システムの単独運転の可能性があると判定し、
前記差分が前記基準値を外れていなければ、前記電圧に基準量を超える高調波交流が含まれていないとみなし、前記分散型電源システムの単独運転の可能性がないと判定する請求項1から3のいずれかに記載の単独運転判定装置。 - 前記単独運転判定部による本判定は、
前記計測部が計測する電圧の最新周期を含む任意のr周期間における前記電圧の周波数または平均周波数と(rは自然数)、前記最新周期を含まない任意のs周期間における前記電圧の周波数または平均周波数と(sは自然数)、の差分が、予め定める基準値を外れているか否かによって行い、
前記差分が前記基準値を外れていれば、前記電圧の周波数が基準量を超えて変化したとみなして、前記分散型電源システムが単独運転していると判定し、
前記差分が前記基準値を外れていなければ、前記電圧の周波数が基準量を超えて変化していないとみなして、前記分散型電源システムは単独運転してないと判定する請求項1から4のいずれかに記載の単独運転判定装置。 - 前記高調波決定部は、高調波交流の種類として、単独のN次高調波交流(Nは自然数)、または、複数の異なる次元の高調波交流を任意に組み合わせた高調波交流を決定し、決定した種類の高調波交流を前記電流指令生成部に出力する請求項1から5のいずれかに記載の単独運転判定装置。
- 前記高調波交流は、少なくとも1つの奇数次高調波交流を含むことを特徴とする、請求項1記載の単独運転判定装置。
- 直流を交流に変換して出力するインバーター部を備えた分散型電源システムに用いる単独運転判定方法であって、
特定の周波数の基本波交流を生成する第1段階と、
特定の次元の高調波交流を生成する第2段階と、
前記特定の周波数の基本波交流に前記特定の次元の高調波交流を重畳させる第3段階と、
前記特定の周波数の基本波交流に前記特定の次元の高調波交流を重畳させた交流電流を前記インバーター部から出力させる第4段階と、
前記インバーター部が出力した交流の電圧を計測する第5段階と、
前記第5段階において計測された前記電圧に基準量を超える高調波交流が含まれているか否かにより前記分散型電源システムの単独運転の可能性を仮判定する第6段階と、
前記第6段階の前記仮判定で単独運転の可能性があるとされたときに前記交流電流に無効電流を付加させて前記インバーター部から出力させる第7段階と、
前記第7段階において前記インバーター部が出力した交流の電圧を計測する第8段階と、
前記第8段階において計測された前記電圧の周波数が基準量を超えて変化したか否かにより前記分散型電源システムの単独運転を本判定する第9段階と、
前記第2段階において前記特定の周波数の基本波交流に重畳させる高調波交流の種類を決定する第11段階と、
を有し、
前記第11段階は、出力電力に応じて高調波交流の量を決定する
単独運転判定方法。 - 前記インバーター部の直流側には電源が、前記インバーター部の交流側には連系リレーを介して商用電源系統が、それぞれ接続され、
前記第9段階において前記分散型電源システムが単独運転していると本判定されたときには、前記インバーター部の動作を停止させるとともに、前記連系リレーを開放して前記インバーター部の交流側と前記商用電源系統とを解列させる第10段階を、
さらに有する請求項8に記載の単独運転判定方法。 - 前記第6段階の前記仮判定は、
前記第5段階において計測された電圧の最新周期を含む任意のm周期間において(m≧2)、前記m周期間中における最新周期を含まない任意のn周期間(nおよびmは自然数、および、n<m)における高調波電圧実効値または平均高調波電圧実効値と、前記m周期間中かつ前記n周期以外の各周期における高調波電圧実効値と、の差分が、予め定める基準値を外れているか否かによって行い、
前記差分が前記基準値を外れていれば、前記電圧に基準量を超える高調波交流が含まれているとみなし、前記分散型電源システムの単独運転の可能性があると判定し、
前記差分が前記基準値を外れていなければ、前記電圧に基準量を超える高調波交流が含まれていないとみなし、前記分散型電源システムの単独運転の可能性がないと判定する請求項8または9に記載の単独運転判定方法。 - 前記第9段階の前記本判定は、
前記第8段階において計測された電圧の最新周期を含む任意のr周期間における前記電圧の周波数または平均周波数と(rは自然数)、前記最新周期を含まない任意のs周期間における前記電圧の周波数または平均周波数と(sは自然数)、の差分が、予め定める基準値を外れているか否かによって行い、
前記差分が前記基準値を外れていれば、前記電圧の周波数が基準量を超えて変化したとみなして、前記分散型電源システムが単独運転していると判定し、
前記差分が前記基準値を外れていなければ、前記電圧の周波数が基準量を超えて変化していないとみなして、前記分散型電源システムは単独運転してないと判定する請求項8から10のいずれかに記載の単独運転判定方法。 - 前記第11段階は、高調波交流の種類として、単独のN次高調波交流(Nは自然数)、または、複数の異なる次元の高調波交流を任意に組み合わせた高調波交流を決定する請求項8から11のいずれか1項記載の単独運転判定方法。
- 前記第11段階は、高調波交流の種類として、少なくとも1種の奇数高調波交流を決定する請求項8に記載の単独運転判定方法。
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