JP6955326B2 - コンパウンドクリーム用油脂組成物 - Google Patents
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Description
このようなコンパウンドクリームに使用される植物油脂として、パーム系油脂またはパーム系油脂を含有するエステル交換油脂が広く用いられている。しかし、これらの油脂は独特な風味を有しており、水中油型乳化油脂組成物に調製した際に雑味として感じられ、自然な乳風味を阻害することが、発明者らの検討により判明した。また、パーム系油脂を使用したコンパウンドクリームはホイップ後の硬度が経時的に軟らかくなる(戻り)という課題がある。
また、乳味感及びコク味に優れた風味良好な比較的高油分の水中油型乳化物の製造方法として、例えば特許文献2には、乳蛋白質を除く油脂、乳化剤及び水を用いて高油分の予備乳化液(A)を調製し、該予備乳化液(A)を微細細孔を有する多孔質膜に通過させた予備乳化液(A’)と、乳蛋白質を含む水溶液を微粒化処理した水相(B)を撹拌混合して調製した本乳化液(C)を直接加熱殺菌後、間接冷却を行うといった製造方法が挙げられている。しかし、このような製造方法は非常に煩雑であるうえ、パーム系油脂を含有するエステル交換油を含むため、油脂独特の風味が乳風味を阻害してしまうということがある。
本発明はさらに、煩雑な製法を用いることなく、風味の良いコンパウンドクリーム用油脂組成物を製造する方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、ラウリン系非硬化油(A)と上昇融点45℃以上の極度硬化油又はその加工油脂(B)を含み、当該油脂組成物全質量に対する(A)の質量比が70〜99質量%、(B)の質量比が1〜15質量%であり、(A)と(B)の合計質量比が80質量%以上である、コンパウンドクリーム用油脂組成物を提供する。
かかる油脂組成物により、自然な乳風味を有し、植物油脂由来の雑味が少なく、口どけに優れ、ホイップ後の硬度変化およびオーバーランの変化が抑制され、かつ液状輸送時の乳化安定性に優れたコンパウンドクリームを製造することができる。
<1>ラウリン系非硬化油(A)と上昇融点45℃以上の極度硬化油又はその加工油脂(B)を含み、当該油脂組成物全質量に対する(A)の質量比が70〜99質量%、(B)の質量比が1〜15質量%であり、(A)と(B)の合計質量比が80質量%以上である、コンパウンドクリーム用油脂組成物。
<2>(A)ラウリン系非硬化油が、パーム核油、ヤシ油、又はこれらのエステル交換油脂からなる群より選択される油脂である、<1>に記載のコンパウンドクリーム用油脂組成物。
<3>(B)極度硬化油又はその加工油脂が、ハイエルシン酸菜種極度硬化油とラウリン系油脂の混合油のエステル交換油脂である、上記<1>または<2>に記載のコンパウンドクリーム用油脂組成物。
<4>油脂組成物全質量に対する(A)の質量比が78〜98質量%である、上記<1>〜<3>のいずれか一項に記載のコンパウンドクリーム用油脂組成物。
<5>油脂組成物全質量に対する(B)の質量比が2〜7質量%である、上記<1>〜<4>のいずれか一項に記載のコンパウンドクリーム用油脂組成物。
<6>水相部と油相部とからなり、前記油相部が乳脂肪、植物油脂組成物から成り、前記植物油脂組成物が上記<1>〜<5>のいずれか一項に記載のコンパウンドクリーム用油脂組成物である、コンパウンドクリーム。
<7>油相中の、乳脂肪:コンパウンドクリーム用油脂組成物が20:80〜80:20である、上記<6>に記載のコンパウンドクリーム。
<8>乳脂肪の由来が、生クリームである、上記<6>または<7>に記載のコンパウンドクリーム。
<9>コンパウンドクリーム用油脂組成物、生クリーム、及び水相を混合した後に、均質化を行うことによって製造される、上記<8>に記載のコンパウンドクリーム。
<10>コンパウンドクリーム用油脂組成物、水相、及び生クリームを混合した後に、均質化を行うことを特徴とする、上記<6>〜<9>のいずれか一項に記載のコンパウンドクリームの製造方法 。
特に、本発明のコンパウンドクリーム用油脂組成物から製造されるコンパウンドクリームは自然な乳風味に優れており、かつ液状状態での輸送時において、振動に耐えて良好な乳化状態を維持することができるため、従来製品に比べて、非常に優れた商品価値を与えるものである。
本発明のコンパウンドクリーム用油脂組成物は、ラウリン系非硬化油(A)と極度硬化油又はその加工脂(B)を含むことを特徴とする。
なお、本明細書において「コンパウンドクリーム用油脂組成物」という場合には、特に断らない限り、植物油脂(すなわち、乳脂肪を除く油脂)からなる油脂組成物を意味する。(B)の上昇融点は45℃以上である。
ラウリン系非硬化油(A)とは、硬化油以外のラウリン系油脂を意味する。ラウリン系非硬化油(A)としては、パーム核油、ヤシ油、これらの分別油(例えば、パーム核オレイン、パーム核ステアリン)、これら1種以上のエステル交換油脂、これら2種以上の混合油が挙げられる。ラウリン系油脂として、全構成脂肪酸の質量に対しラウリン酸を30質量%以上有する油脂が好ましく、40質量%以上有する油脂がさらに好ましい。
前記分別油としては、典型的には、パーム核オレイン(パーム核油を自然分別、溶剤分別、界面活性剤分別等の分別方法により、高融点部と低融点部に2分割して得られた低融点部)が挙げられる。
ラウリン系非硬化油(A)の上昇融点は、特に制限なく、例えば、20〜32℃、好ましくは22〜30℃、さらに好ましくは24〜29℃である。
ラウリン系非硬化油(A)の割合は、コンパウンドクリーム用油脂組成物全質量に対して、70〜99質量%の範囲であり、78〜98質量%が好ましく、85〜98質量%が更に好ましく、90〜97質量%がより好ましく、95〜97質量%が更により好ましい。ラウリン系非硬化油(A)の割合が70質量%以上であると、乳風味や口どけが低下せず、雑味が生じにくく、またホイップ後の硬度変化が増大せず維持できる傾向にあり、一方、99質量%以下であると、液状輸送時の乳化安定性が低下せず良好になる傾向にある。
また、ラウリン系非硬化油は油脂自体の風味に独特味が少ないため、ホイップクリームに調整した際に、雑味を生じず、乳風味を阻害しない
極度硬化油又はその加工油脂(B)における「加工油脂」とは、エステル交換などの加工を意味する。「極度硬化油」とは、水素添加によって原料油脂の不飽和脂肪酸を完全に飽和した油脂を意味する。水素添加は、慣用の方法、例えば、「食用油製造の実際」(宮川高明著、幸書房、昭和63年7月5日 初版第1刷発行)に記載の方法に従って行うことができる。極度硬化油の原料としては、例えば、パーム系油脂(パーム油、その分別油)、液状油脂(菜種油、ハイエルシン酸菜種油、大豆油、コーン油、綿実油、オリーブ油、ヒマワリ油、落花生油、米油、紅花油)が挙げられる。また、前記例示の「ハイエルシン酸菜種油」とは、エルシン酸含量の多い菜種油(例えば、エルシン酸を20〜60質量%含む菜種油)を意味する。
極度硬化油又はその加工油脂(B)中における極度硬化油の量は、油脂(B)の上昇融点が45℃以上となるように適宜設定することができる。
極度硬化油又はその加工油脂(B)の割合は、コンパウンドクリーム用油脂組成物全質量に対して、1〜15質量%の範囲であり、2〜12質量%であることが好ましく、2〜10質量%であることが更に好ましく、2〜7質量%が更により好ましく、3〜5質量%が最も好ましい。極度硬化油又はその加工油脂(B)の割合が少なすぎると、液状輸送時の乳化安定性が低下する傾向にあり、多すぎると、口どけ、乳風味が低下する傾向にある。
本発明のコンパウンドクリーム用油脂組成物は、本発明の効果を阻害しない限り、ラウリン系非硬化油(A)、及び極度硬化油又はその加工油脂(B)に加えて、その他の油脂(C)を含んでもよい。その他の油脂(C)としては、ラウリン系油脂の硬化油、液状油脂(菜種油、ハイエルシン酸菜種油、大豆油、コーン油、綿実油、オリーブ油、ヒマワリ油、落花生油、米油、紅花油)が挙げられる。その他の油脂(C)は、コンパウンドクリーム用油脂組成物の全質量に対して、例えば、好ましくは0〜20質量%、より好ましくは1〜20質量%であり、さらに好ましくは1〜10質量%である。
その他の油脂(C)を差し引いた、ラウリン系非硬化油(A)と極度硬化油又はその加工油脂(B)の合計質量は、コンパウンドクリーム用油脂組成物の全質量に対して、80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上である。
また、本発明のコンパウンドクリーム用油脂組成物は、パーム系油脂を含有するエステル交換油脂またはパーム系油脂のエステル交換油脂を実質的に含まないことが好ましい。
本発明のコンパウンドクリーム用油脂組成物の融点は、31℃以下であることが好ましく、29℃以下であることがより好ましく、28℃以下であることが更に好ましい。融点が高すぎると、口どけ、乳風味が低下する傾向にある。
本発明のコンパウンドクリームは、水相部と油相部からなり、乳脂肪、植物油脂組成物から成り、前記植物油脂組成物が上述したコンパウンドクリーム用油脂組成物である。水相部と油相部の質量比はホイップクリームを製造するために適宜設定することができるが、好ましくは80:20〜50:50、より好ましくは70:30〜50:50、更に好ましくは60:40〜50:50である。
前記油相部は、油脂として本発明のコンパウンドクリーム用油脂組成物を含み、かつ乳脂肪を更に含む。乳脂肪としてバターオイル、バター、生クリーム、牛乳等を由来とする乳脂肪が挙げられる。このなかでも、自然な乳風味の観点から、生クリームを由来とするのが好ましい。また、以下において、上述した本発明のコンパウンドクリーム用油脂組成物を特に乳脂肪と区別して述べる場合には、「植物油脂組成物」とも呼ぶ。
乳脂肪と本発明のコンパウンドクリーム用油脂組成物の混合比は、質量比で20:80〜80:20の範囲内で変えることが好ましく、30:70〜70:30であることがより好ましい。乳脂肪の割合が少なすぎると、乳風味が低下する傾向にあり、上記範囲よりも多すぎると、ホイップ後の硬度変化が増大し、ラウリン系非硬化油由来の良好な口どけを得られにくくなる。
本発明の水中油型乳化油脂組成物は、一般的な製造方法により製造できるが、代表的な方法を述べると、先ず使用する乳化剤が親油性のものは原料油脂(本発明のコンパウンドクリーム用油脂組成物)の一部または全部に添加し溶解ないし分散させて油相部を調製する。このような乳化剤としては、例えばレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド等従来公知の乳化剤のうちHLBの低い乳化剤が例示でき、本発明においてはこれらのいずれを適宜組み合わせて使用してもよい。
また、乳脂肪として、バターオイル、バター等を用いる場合には、これらを必要に応じて加熱融解して油相物を調製して用いる。このような乳脂肪を含む油相部は、上述した植物油脂組成物を含む油相部と混合した後に水相部に添加してもよく、または各々添加してもよい。
次に、水相部にカゼインナトリウム、脱脂粉乳、糖類や必要に応じて、蔗糖脂肪酸エステル、クエン酸ナトリウム、トリポリりん酸ナトリウム、第二りん酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ヘキサメタりん酸ナトリウム、増粘多糖類、香料などを添加し調製する。
無脂乳固形分の量は、組成物の全質量に対して、1〜10質量%であることが好ましく、更に2〜9質量%であることが好ましく、3〜8質量%であることが最も好ましい。このような範囲で添加することにより、乳化安定性が改善され、また風味が改善される場合があるからである。無脂乳固形分の含有量が約1質量%未満であると、乳化組成物を泡立てて得られるホイップクリームの風味が悪くなる。また、無脂乳固形分の含有量が約10質量%を越えると乳化組成物の粘度が高くなり、エージング中に粘度上昇が起こる恐れがある。
本発明のコンパウンドクリームには、甘味や粘度の調節を目的として糖類を配合してもよい。糖類としては、例えば、水飴、粉飴、ショ糖、麦芽糖、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、トレハロース等が挙げられ、これは必要に応じ適宜組み合わせて配合される。
本発明において、ホイップクリームは、本発明のコンパウンドクリームを、当該技術分野において通常の方法により起泡されたものである。
以下、本発明のコンパウンドクリームを使用したホイップクリームの製造例を示すが、本発明はかかる例に限定されるものではない。
一方、水相部として、水に、メタリン酸Na、増粘多糖類、乳蛋白等の任意の添加剤を加えた後、これらを分散させて水相を調製する。
50〜65℃にて、コンパウンドクリーム用油脂組成物を含む油相と水相を混合させ、予備乳化を行う。次いで、50〜65℃に加温した生クリームを、予備乳化液に添加し、75〜85°Cにて加熱殺菌する。次いで、20〜150kg/cm2の圧力下で均質化を行い、その後5〜10℃にまで冷却し、6〜24時間程度エージングを行なう。
このコンパウンドクリームをミキサーにてホイップして起泡済みホイップクリームを得る。
実施例、比較例で使用した油脂は以下のようにして調製した。
油脂A−1:パーム核油[パーム核油を脱色、脱臭することにより得た(融点28.1℃、ラウリン酸47.0質量%)。]
油脂A−2:エステル交換ヤシ油[ヤシ油を、0.12%のナトリウムメチラートを触媒とし、90℃で30分間、非選択的エステル交換反応を行い、脱色、脱臭することにより得た(融点28.0℃、ラウリン酸47.3質量%)。]
油脂B−2:パーム極度硬化油[パーム油の極度硬化処理を行い、脱色、脱臭することにより得た(融点60.0℃、ラウリン酸0.2質量%)。]
油脂C−2:パーム核極度硬化油[パーム核油の極度硬化処理を行い、脱色、脱臭することにより得た(融点40.0℃、ラウリン酸47.0質量%)。]
油脂C−3:ヤシ極度硬化油[ヤシ油の極度硬化処理を行い、脱色、脱臭することにより得た(融点32.0℃、ラウリン酸47.6質量%)。]
油脂C−4:エステル交換油脂3[極度硬化処理を施したパーム核油を、0.12%のナトリウムメチラートを触媒とし、90℃で30分間、非選択的エステル交換反応を行い、脱色、脱臭することにより得た(融点36.0℃、ラウリン酸46.7質量%)。]
(実施例1〜7、比較例1〜8)
上記油脂を加熱溶解し、表1記載の比率に従い混合した。当該植物油脂26.69質量部に、大豆レシチン0.11質量部、ショ糖脂肪酸エステル(HLB=5)0.15質量部、不飽和脂肪酸モノグリセリド0.05質量部を加え、融解して植物油脂組成物の油相を調製した。
一方、水32.53質量部と脱脂粉乳2.8質量部、メタリン酸Na0.07部、ショ糖脂肪酸エステル(HLB=16)0.1質量部を加えた後、分散させて水相を調製した。
油相と水相を混合させ、65℃で予備乳化を行い、更に60〜65℃に調温した生クリーム(油分48%)37.5質量部を混合し、85℃にて加熱殺菌を行った。
その後、80kg/cm2、20kg/cm2の圧力下で均質化し、10℃に冷却した後、5℃で1晩のエージングを行い、乳脂肪18%、植物油脂27%のコンパウンドクリームを得た。
上記油脂を加熱溶解し、表1記載の比率に従い混合した。実施例1の配合から、植物油脂を18.17質量部、水を24.10質量部、脱脂粉乳を2.0質量部、生クリームを55.25質量部に変更した以外は、実施例1と同様の手法で製造を行い、乳脂肪27%、植物油脂18%のコンパウンドクリームを得た。
エージング後のコンパウンドクリームを、B型粘度計(BROOK FIELD社製粘度計のLVT)、スピンドル2番、スピード30にて測定した。
コンパウンドクリーム800gに砂糖を64g加え、7.0℃に温調し、ケンミックスミキサーにて180rpmにてホイップした。ホイップクリームの硬度が190〜210に達した時点を終点とし、時間を記録した。
ホイップ後(10分立て)の体積増加率(%)。ただし、体積増加率は、式:((a)(一定体積のホイップ前クリームの重量−同体積のホイップ後のクリームの重量)/(b)(同体積のホイップ後のクリームの重量))×100、に従って計算した。
ホイップした水中油型乳化油脂組成物(クリーム)を45.5ml容器に入れ、ペネトロメーター:RIGOSHA製のPENETRO METER使用、円スイ(12g)を使用し、平らにしたクリームへの円スイの針入度を測定(単位は1/10mm)した。
専門パネラー5名により、ホイップクリームを実際に食して乳風味の評価を行った。
5...非常に良好
4...良好
3...普通
2...やや悪い
1...悪い
専門パネラー5名により、ホイップクリームを実際に食して植物油脂由来の雑味の有無を評価した。
なし... 植物油脂由来の雑味が無く、風味良好である
ややあり... 植物油脂由来の雑味がやや感じられるが、風味良好である
あり... 植物油脂由来の雑味が感じられる
専門パネラー5名により、ホイップクリームを実際に食して口どけの評価を行った。
5...非常に良好
4...良好
3...普通
2...やや悪い
1...悪い
ホイップクリームを500mlビーカーに詰め、5℃にて1晩置き、翌日のオーバーラン、硬度を測定した。ホイップ直後のオーバーラン、硬度との差をΔオーバーラン、Δ硬度として記載した。ホイップクリームが軟化した場合(戻り)は、Δ硬度が正の値を示し、硬くなった場合(しまり)は、負の値を示す。Δ硬度が80以上、または−40以下であると、硬度変化が著しく好適に使用できないと判断する。Δオーバーランが−40%以下であると、起泡の抜けが著しく好適に使用できないと判断する。
5℃に調温したエージング後のコンパウンドクリーム50gを、100ccビーカーに入れ、攪拌ペラで800rpmにて15分間攪拌し、その後、粘度をB型粘度計(BROOK FIELD社製粘度計のLVT)、スピンドル4番、スピード30にて測定した。振とう後の粘度が400cp以下である場合には、乳化安定性が高いと判断する。
(融点)
基準油脂分析法(2.2.4.2-1996 融点 上昇融点)に準じて測定した。
実施例及び比較例のホイップクリーム及びコンパウンドクリーム用油脂組成物の評価結果を、表1に示す。なお、比較例7においては、硬度が所定の値に届かなかったため、ホイップを途中で終了し、以降は同様の評価を行った。
そこで、実施例に示す通り、極度硬化油又はその加工油脂(融点45℃以上)を1〜15質量%添加することにより、乳風味向上、雑味低減、ホイップ後の戻り抑制の効果を損なうことなく、振とう耐性が改良された(実施例1〜8)。
Claims (8)
- 乳脂肪及び植物油脂組成物からなる油相部と水相部とからなるコンパウンドクリームを起泡してなるホイップクリームであって、
前記植物油脂組成物が、ラウリン系非硬化油(A)と上昇融点45℃以上の極度硬化油又はその加工油脂(B)を含み、当該植物油脂組成物全質量に対する(A)の質量比が78〜99質量%、(B)の質量比が1〜10質量%であり、(A)と(B)の合計質量比が80質量%以上であり
乳脂肪:植物油脂組成物の質量比が40:60〜60:40である、上記ホイップクリーム。 - (A)ラウリン系非硬化油が、パーム核油、ヤシ油、又はこれらのエステル交換油脂からなる群より選択される油脂である、請求項1に記載のホイップクリーム。
- (B)極度硬化油又はその加工油脂が、ハイエルシン酸菜種極度硬化油とラウリン系油脂の混合油のエステル交換油脂である、請求項1または2に記載のホイップクリーム。
- 前記植物油脂組成物全質量に対する(A)の質量比が78〜98質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のホイップクリーム。
- 前記植物油脂組成物が、
ラウリン系非硬化油(A)と上昇融点45℃以上の極度硬化油又はその加工油脂(B)とからなり、または
ラウリン系非硬化油(A)と上昇融点45℃以上の極度硬化油又はその加工油脂(B)とその他の油脂(C)とからなり、(C)が、液状油脂及びラウリン系油脂の硬化油からなる群より選択される油脂であり、前記液状油脂が、菜種油、ハイエルシン酸菜種油、大豆油、コーン油、綿実油、オリーブ油、ヒマワリ油、落花生油、米油、及び紅花油からなる群より選択される油脂である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のホイップクリーム。 - 前記植物油脂組成物全質量に対する(B)の質量比が2〜7質量%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のホイップクリーム。
- 乳脂肪の由来が、生クリームである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のホイップクリーム。
- 植物油脂組成物、水相、及び生クリームを混合した後に、均質化を行い、その後起泡することを特徴とする、請求項7に記載のホイップクリームの製造方法 。
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