JP6951291B2 - 船尾フィンおよびそれを備えた船舶 - Google Patents

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Description

本発明は、比較的速度の速い船舶の船尾部、例えば計画航海速力のフルード数が0.17以上の船舶の船尾部に取り付けられた船尾フィンおよびそれを備えた船舶に関する。
一般に、船舶が航走する際、船舶の船尾部におけるプロペラの前方では、ビルジ渦が発生する。ビルジ渦は、船舶航走時の抵抗を増加させることにつながる。このため、従来から船舶の推進効率を向上すべく、船体の船尾部にフィンを設けて、ビルジ渦を弱めるよう整流したり、ビルジ渦を船舶の推進力に利用したりする試みがなされている。
特許文献1には、船体表面におけるプロペラの前方に取り付けられた、断面形状が翼型で、そのキャンバーラインが下に凸の船尾フィンが開示されている。ビルジ渦は、その中心より船体側では船体の表面に沿って斜め下方に流れる下降流となっており、ビルジ渦の中心より外側では斜め上方に流れる上昇流となっている。特許文献1の船尾フィンには、ビルジ渦の下降流を受けることで揚力が作用し、この揚力の前向き成分は船体に作用する推力となる。また、船尾フィンの翼端部は、ビルジ渦のほぼ中心に位置しており、当該翼端部のまわりにビルジ渦とは逆方向に発生する翼端渦により、ビルジ渦を打ち消す。このように、船尾フィンを設けることにより、ビルジ渦の回転エネルギーを推力に変換するとともに、ビルジ渦による船体抵抗を低減して、船舶の推進をアシストしている。
特許第3477564号公報
ところで、比較的速度の速い船舶(例えば、計画航海速力のフルード数が0.17以上の船舶)では、ビルジ渦が発生しないことがあり、ビルジ渦が発生したとしても低速船に比べてビルジ渦の回転エネルギーが弱い。このため、ビルジ渦のほぼ中心位置に翼端部を位置づけるように設計された上述の船尾フィンを船尾部に取り付けたとしても、ビルジ渦の回転エネルギーを推力に変換することによる推進アシスト効果が小さい。それどころか、比較的速度が速いため船尾フィン自体の抵抗が大きくなることで、船尾フィンの存在がかえって船舶の推進に悪影響を与えることもあり得る。このため、船舶の推進をアシストする効率を確実に向上させる船尾フィンには、比較的速度の速い船舶に適した設計を行う必要がある。
そこで、本発明は、比較的速度の速い船舶の船尾部に取り付けられた船尾フィンであって、船舶の推進をアシストする効率を確実に向上させることができる船尾フィンおよびそれを備えた船舶を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る船尾フィンは、プロペラが設けられ、計画航海速力のフルード数が0.17以上である船舶の船尾部の側面に取り付けられた船尾フィンであって、前記船尾フィンは、前記プロペラより前記船舶の進行方向前方側で且つ前記プロペラの回転軸の高さ近傍に位置し、前記船尾フィンの前記船尾部の側面からの張り出し方向に対して垂直な前記船尾フィンの断面形状における、前記船尾フィンの上面と下面との中点を順々に結んで得られる中心線は、下に凸であり、前記張り出し方向における前記船尾部の側面からの前記船尾フィンの最大張り出し長さは、前記プロペラの直径の2%以上で且つ15%以下である。
上記の構成によれば、張り出し方向における船尾部の側面からの船尾フィンの最大張り出し長さが、プロペラの直径の15%以下であり、流れの速度が遅い領域に船尾フィンを設置するため、船尾フィン自体による抵抗が低減されて、船舶の推進をアシストする効率を確実に向上させることができる。
例えば、前記船尾フィンの前記断面形状は、翼型である。
上記の船尾フィンにおいて、前記船尾フィンの後縁は、前記プロペラから前記船舶の進行方向前方側に前記プロペラの直径の2倍だけ離れた位置より、前記船舶の進行方向後方側に位置してもよい。船体近傍の下降流は、粘性の影響のため流速が遅い。しかし、この構成によれば、船尾フィンがプロペラの前方近傍に配置されるため、駆動するプロペラのサクション効果により、船体近傍であってもより速い水の流れを船尾フィンに受けさせることができる。これにより、船尾フィンが下降流を受けて発生させる推力を大きくすることができる。
上記の船尾フィンにおいて、前記船尾フィンの最下点が前記プロペラの回転軸の高さより上方に位置する場合、前記最下点から前記回転軸の高さまでの上下方向の距離は、前記プロペラの直径の10%以下であり、前記最下点が前記回転軸の高さより下方に位置する場合、前記最下点から前記回転軸の高さまでの上下方向の距離は、前記プロペラの直径の30%以下であってもよい。船体近傍の下降流は、粘性の影響のため流速が遅い。しかし、この構成によれば、船尾フィンがプロペラの前方近傍に配置されるため、駆動するプロペラのサクション効果により、船体近傍であってもより速い水の流れを船尾フィンに受けさせることができる。これにより、船尾フィンが下降流を受けて発生させる推力を大きくすることができる。
上記の船尾フィンにおいて、前記船舶の前後方向における前記船尾フィンの前縁から後縁までの長さの平均値は、前記プロペラの直径の50%以下であってもよい。船舶の前後方向における船尾フィンの前縁から後縁までの長さが一定以上長くなると、船尾フィンが下降流を受けて発生させる推力よりも、船尾フィンが水流を受けることによる抵抗の影響が大きくなる。この構成によれば、船舶の前後方向における船尾フィンの前縁から後縁までの長さの平均値がプロペラの直径の50%以下に制限しているため、船尾フィンが水流を受けることによる抵抗の影響を小さくしつつ、船尾フィンが下降流を受けて発生させる推力を大きくすることができる。
また、本発明に係る船舶は、上記の船尾フィンを備える船舶である。
本発明によれば、船舶の推進をアシストする効率を確実に向上させることができる船尾フィンおよびそれを備えた船舶を提供することができる。
一実施形態に係る船舶の船尾部の概略側面図である。 船尾部右側の水の流れを示した、図1におけるII-II矢視断面図である。 図1における船尾フィンを拡大した側面図である。 図1におけるIV-IV矢視断面図である。 本発明者らが実施した試験の結果を示すグラフである。 別の実施形態に係る船舶の船尾部を後方から見た模式図である。 低速船のプロペラ位置におけるプロペラ右側の水の流れを示した伴流分布図の一例である。 中速船のプロペラ位置におけるプロペラ右側の水の流れを示した伴流分布図の一例である。 高速船のプロペラ位置におけるプロペラ右側の水の流れを示した伴流分布図の一例である。
(本発明の着眼点)
まず、本発明の着眼点について、図7A〜図7Cを参照して説明する。図7Aは、比較的速度の遅い低速船のプロペラ位置におけるプロペラ右側の水の流れを示した伴流分布図の一例である。図7Bは、比較的速度の速い中速船のプロペラ位置におけるプロペラ右側の水の流れを示した伴流分布図の一例である。図7Cは、速度の速い高速船のプロペラ位置におけるプロペラ右側の水の流れを示した伴流分布図の一例である。
なお、本明細書において、低速船とは、計画航海速力のフルード数Fnが0.17未満の船舶をいい、中速船とは、計画航海速力のフルード数Fnが0.17以上で且つ0.19未満の船舶をいい、高速船とは、計画航海速力のフルード数Fnが0.19以上の船舶をいう。フルード数Fnは下記の式で表される。
Fn=U/(L×g)1/2
なお、Uは、計画航海速力[m/s]であり、Lは、水線長さ[m]であり、gは、重力加速度[m/s]である。
図7A〜図7Cには、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸が示されている。Z軸は、船舶の中心ラインに一致するように、船舶の上下方向に延びるように示されている。Y軸は、プロペラ軸を通過し、船舶の幅方向に延びるように示されている。X軸は、プロペラ軸に一致し、船舶の船長方向に延びるように示されている。図7A〜図7Cに示すベクトルは、YZ平面の水の流れの向きと大きさを示している。また、図7Aおよび図7Bに示す等値線は、XZ平面の水の流れの分布を示す。等値線は、船速(より詳しくは計画航海速力)に対する水の流速のX成分の比率が等しい点を結んだ線であり、その比率が各等値線の近傍に示されている。また、図7A〜図7Cでは、プロペラの羽根部(ブレード)が回転する際に当該羽根部の翼端部が描く円を破線で示す。
図7Aに示す低速船の伴流分布図では、YZ平面のベクトルが示すように、プロペラの回転軸の高さ近傍、言い換えればY軸の近傍における船体中心ラインから一定の距離離れた位置に上下方向の流れが交差して回転流、すなわちビルジ渦が発生している。また、図7Aの等値線を見てみると、この渦の近傍は、船速に対する水の流速のX成分の比率(つまり、船長方向における船体に対する水の相対速度)が小さい領域となっている。このように、低速船では、船尾フィンをビルジ渦の中心まで張り出させたとしても、船体から渦に向かうにつれて水の流速が遅くなっており、船尾フィン自体が抵抗にはなりにくい。
一方、図7Bに示す中速船の伴流分布図および図7Cに示す高速船の伴流分布図では、YZ平面のベクトルが示すように、図7Aのようなはっきりとした渦が見られない。また、図7Bおよび図7Cの等値線を見てみると、船体の中心ラインから離れた位置に図7Aに示されたような水の流速が遅い領域は生じておらず、低速船とは異なり、船体から離れるにつれて水の流速が速くなる。このため、本願発明者らは、計画航海速力のフルード数Fnが0.17以上である中速船および高速船では、船体から張り出す長さが大きくなるように設計された船尾フィンが、船尾フィン自体の抵抗が大きくなることで、かえって船舶の推進に悪影響を与える可能性があると考えた。本発明は、このような着眼点に基づきなされた発明である。
(実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る船舶1Aの船尾部3の概略側面図である。本実施形態の船舶1Aは、計画航海速力のフルード数Fnが0.17以上の中速船または高速船である。また、船舶1Aは、その船体2の中央にプロペラ4が設けられた一軸船である。
図1に示すように、プロペラ4は、船体2における船尾部3に配置され、この船尾部3にプロペラ4は設けられている。なお、本明細書において、「船尾部」とは、船体2のうち、プロペラ4から前方に船長の40%を占める部分をいう。プロペラ4は、船長方向に沿って延び、船体2から後方に突出する軸部5と、当該軸部5のまわりに周方向に並ぶ複数の羽根部6を備える。プロペラ4は、軸部5に沿って延びる回転軸SCを中心に回転する。また、船尾部3には、プロペラ4の後方に舵7が配置される。
船体2におけるプロペラ4より進行方向前方側(船首側)には、一対の船尾フィン10が設けられている。船尾フィン10は、船体2の表面に沿って斜め下後方に流れる下降流Saを受けて、船舶1Aの推進をアシストするためのものである。
図2は、図1におけるII-II矢視断面図である。一対の船尾フィン10は、それぞれ船体2における船尾部3の左右の各側面から左右方向(即ち、船幅方向)に水平に張り出すように取り付けられている。なお、図2では、簡単化のため、船尾部3右側のみ示し、船尾部3左側は省略する。図2に示すように、船舶1Aの船尾部3の表面の近傍では、船体2の表面に沿って斜め下後方に流れる下降流Saが生じており、また、船尾部3の表面から離れた箇所では、斜め上後方に流れる上昇流Sbが生じている。
図3は、図1における船尾フィン10を拡大した側面図である。図3に示すように、船尾フィン10の船体2の側面からの張り出し方向に対して垂直な船尾フィン10の断面形状は翼型である。船尾フィン10における上面14と下面15との中点を順々に結んで得られる中心線(キャンバーライン)L1は、下に凸である。
また、船尾フィン10は、その前縁11が後縁12より上方に位置するように船体2側面に取り付けられている。具体的には、船尾フィン10は、前縁11と後縁12を結んだ直線である翼弦線(コードライン)L2が下降流Saに概ね沿うように船体2に取り付けられている。例えば、船尾フィン10は、水平面に対して翼弦線L2のなす角(取付角度)θ1が、下記の式(1)を満たすように、船体2に取り付けられている。
0°<θ1≦20° ・・・(1)
船尾フィン10がこのような形状および姿勢(取付角度)をとるため、船尾フィン10は、船体2近傍を流れる下降流Saを受けて、図3に示すように斜め前方に揚力Fを発生させる。そして、この揚力Fの前向き成分Faが、船舶1Aの推進に利用される。
図4は、図1におけるIV-IV矢視断面図である。なお、図4では、簡単化のため、船尾部3左側は省略し、また、プロペラ4は省略する。船尾フィン10の前縁11および後縁12は、船体2の側面から船幅方向に延びる。より具体的には、前縁11は、船体2の左右方向における中心ラインCLに垂直な方向に対して、所定の角度(後退角)θ2だけ後方に傾いて延び、後縁12は、船体2の中心ラインCLに対して垂直に延びる。船尾フィン10の翼端部13は、前縁11および後縁12の船体2から遠位側端部同士をつなぐように、船長方向に平行に延びる。
本実施形態では、船尾フィン10は、プロペラ4の直径Dに対する最大張り出し長さWの割合が所定の範囲内に収まるよう制限されている。具体的には、船長方向に垂直である張り出し方向(本実施形態では、船幅方向)における船尾フィン10の船体2側面からの最大張り出し長さWは、プロペラ4の直径Dの2%以上で且つ15%以下であり、より好ましくは4%以上で且つ10%以下である。即ち、張り出し方向における船尾フィン10の船体2側面からの最大張り出し長さWは、少なくとも下記の式(2)を満たす。
W≦D×0.15 ・・・(2)
なお、最大張り出し長さとは、船尾フィン10の翼根部(すなわち、前縁11における船体2に近位側端部11aから後縁12における船体2に近位側の端部12aまでの部分)から翼端部13までの張り出し方向に沿った長さが最大となる値である。
プロペラ4の直径Dに対する最大張り出し長さWの割合について、図5を参照しながら説明する。図5は、フルード数Fnが0.14の低速船、フルード数Fnが0.17の中速船、フルード数Fnが0.20の高速船について、本発明者らが実施した試験の結果を示すグラフである。図5のグラフの横軸は、プロペラ4の直径Dに対する船尾フィン10の最大張り出し長さWの割合(以下、「張り出し量」と称し、単位は[%]とする。)である。即ち、張り出し量は、プロペラ4の直径Dを100としたときの船尾フィン10の最大張り出し長さWの値であり、「最大張り出し長さ÷プロペラ直径×100」という式で算出される。図5のグラフの縦軸は、船舶1Aの推進をアシストする効率を示しており、具体的には、船体2を所定の速度で進行させるためにプロペラ4の回転に必要となる馬力に関して、船体2に船尾フィン10を取り付けない場合の馬力に対する船体2に船尾フィン10を取り付けた場合の馬力の減少率(以下、「馬力減少率」と称する。)である。
図5に示すように、低速船では、張り出し量が30%以下の範囲において、張り出し量が大きくなるにつれ馬力減少率が大きくなっている。これに対し、中速船および高速船では、馬力減少率は、張り出し量が大きくなるにつれて大きくなり2%以上で且つ15%以下のある値で最大となった後、徐々に低減する。中速船および高速船では、少なくとも張り出し量が2%以上で且つ15%以下である範囲における馬力減少率が、それ以外の範囲の馬力減少率に比べて大きい。すなわち、図5から、張り出し量が少なくとも2%以上15%以下の範囲にあれば、船舶1Aの推進に悪影響を及ぼすことがなく、且つ十分な馬力減少率が得られることが分かる。
図4に戻って、本実施形態では、船体2の船尾部3下部は、後方にいくにつれて先細るように形成されている。このため、張り出し方向における船尾フィン10の船体2側面からの張り出し長さは、船体2の中心ラインCLに対して垂直に延びる後縁12において最大となっている。即ち、本実施形態では、船尾フィン10の最大張り出し長さWは、後縁12における船体2に近位側の端部12aから、船体2から遠位側の端部12bまでの長さである。
船体2の前後方向における船尾フィン10の前縁11から後縁12までの長さが一定以上長くなると、船尾フィン10が下降流Saを受けて発生させる推力よりも、船尾フィン10が水流を受けることによる抵抗の影響が大きくなる。このため、本実施形態では、船尾フィン10の前後方向の長さは、一定以下になるように制限されている。
具体的には、船体2の前後方向における船尾フィン10の前縁11から後縁12までの長さの平均値Eaが、プロペラ4の直径Dの50%以下となるように制限されている。本実施形態では、前縁11が、船体2の中心ラインCLに対し垂直な方向に対して後方に傾いて延びており、後縁12が、船体2の中心ラインCLに対して垂直に延びているため、船尾フィン10における前縁11から後縁12までの長さは、船体2から離れるにつれて短くなる。即ち、船体2の前後方向における船尾フィン10の前縁11から後縁12までの長さは、前縁11における船体2に近位側端部11aで最大となり、前縁11における船体2から遠位側端部11bで最小となる。本実施形態では、前縁11および後縁12が平面視して直線状であるため、前縁11の端部11aから後縁12までの長さをE1、前縁11の端部11bから後縁12までの長さをE2とすると、前縁11から後縁12までの長さの平均値Eaは、下記の式(3)で表される。
Ea=(E1+E2)/2 ・・・(3)
そして、船尾フィン10は、前縁11から後縁12までの長さの平均値Eaが、プロペラ4の直径Dの50%以下、即ち下記の式(4)を満たすように取り付けられる。
Ea≦D×0.5 ・・・(4)
船体2近傍の下降流Saは、粘性の影響のため流速が遅い。本実施形態では、駆動するプロペラ4のサクション効果を利用して、船体2近傍であってもより速い水の流れを受けるよう、船尾フィン10は、プロペラ4の前方近傍で且つプロペラ4の回転軸SCの高さ近傍に配置される。ここで、プロペラ4の回転軸SCの高さ近傍とは、プロペラ4の回転軸SCの高さまでの上下方向の距離Hがプロペラ4の直径Dの30%以下の範囲をいい、当該範囲に船尾フィン10の最下点が位置するときに、船尾フィン10がプロペラ4の回転軸SCの高さ近傍に配置されているものとする。
船尾フィン1の上下方向の位置に関して、好ましくは、船尾フィン10の最下点がプロペラ4の回転軸SCの高さより上方に位置する場合には、船尾フィン10は、当該最下点から回転軸SCの高さまでの上下方向の距離Hがプロペラ4の直径Dの10%以下となるように、船体2に配置される。また、好ましくは、船尾フィン10の最下点がプロペラ4の回転軸SCの高さより下方に位置する場合には、船尾フィン10は、当該最下点から回転軸SCの高さまでの上下方向の距離Hがプロペラ4の直径Dの30%以下となるように、船体2に配置される。なお、本実施形態では、図1に示すように、船尾フィン10は、その最下点とプロペラ4の回転軸SCの高さが一致するように、船体2に配置されている。言い換えれば、本実施形態の船尾フィン10は、当該船尾フィン10の最下点からプロペラ4の回転軸SCの高さまでの上下方向の距離Hがゼロとなるように配置されている。距離Hがゼロであるため、図1において距離Hは省略する。
また、船尾フィン1の前後方向に関しては、船尾フィン10の後縁12は、プロペラ4から船体2の進行方向前方側にプロペラ4の直径Dの2倍だけ離れた位置より、船体2の進行方向後方側に位置する。言い換えれば、図1に示すプロペラ4の軸部5から船尾フィン10の後縁12までの船体2の前後方向における距離Gは、プロペラ4の直径Dの2倍以下であり、下記の式(5)を満たす。
G≦D×2.0 ・・・(5)
以上説明したように、本実施形態に係る船尾フィン10を備えた中速船または高速船の船舶1Aでは、張り出し方向における船尾フィン10の船体2の側面からの最大張り出し長さWが、プロペラ4の直径Dの15%以下であり、流れの速度が遅い領域に船尾フィンを設置するため、船尾フィン10自体による抵抗が低減されて、船舶1Aの推進をアシストする効率を確実に向上させることができる。
また、本実施形態では、船尾フィン10の後縁12は、プロペラ4から船体2の進行方向前方側にプロペラ4の直径Dの2倍だけ離れた位置より、船体2の進行方向後方側に位置する。また、船尾フィン10は、その最下点からプロペラ4の回転軸SCの高さまでの上下方向の距離Hが所定の範囲内に制限されるように、船体2に配置されている。このように、船尾フィン10がプロペラ4の前方近傍に配置されるため、駆動するプロペラ4のサクション効果により、船体2近傍であってもより速い水の流れを船尾フィン10に受けさせることができる。これにより、船尾フィン10が下降流Saを受けて発生させる推力を大きくすることができる。
また、本実施形態では、船体2の前後方向における船尾フィン10の前縁11から後縁12までの長さの平均値がプロペラ4の直径Dの50%以下に制限しているため、船尾フィン10が水流を受けることによる抵抗の影響を小さくしつつ、船尾フィン10が下降流Saを受けて発生させる推力を大きくすることができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、船尾フィン10は、張り出し方向に対して垂直な断面形状が翼型であったが、本発明の船尾フィンの形状はこれに限定されず、当該船尾フィンの上面と下面との中点を順々に結んで得られる中心線が下に凸であればよい。例えば、本発明の船尾フィンは、張り出し方向に対して垂直な断面形状が全体として下に凸であり、且つ、船尾フィンの上面と下面との上下方向の厚みが前縁から後縁にかけて概ね一定である板状部材であってもよい。
また、船尾フィン10の取付位置や大きさは、上記実施形態に限定されない。例えば、船尾フィン10の後縁12が、プロペラ4から船体2の進行方向前方側にプロペラ4の直径Dの2倍より離れていてもよいし、また、船尾フィン10の最下点からプロペラ4の回転軸SCの高さまでの上下方向の距離Hは、船尾フィン10の最下点がプロペラ4の回転軸SCの高さより上方に位置する場合に、プロペラ4の直径Dの10%より大きくてもよいし、また、船尾フィン10の最下点がプロペラ4の回転軸SCの高さより下方に位置する場合に、プロペラ4の直径Dの30%より大きくてもよい。船体2の前後方向における船尾フィン10の前縁11から後縁12までの長さの平均値Eaは、プロペラ4の直径Dの50%より大きくてもよい。
また、上記実施形態では、船尾フィン10の前縁11が後縁12より上方に位置していたが、これに限定されず、前縁11と後縁12が同じ高さであってもよい。即ち、水平面に対して船尾フィン10の翼弦線L2のなす角θ1は0°であってもよい。
また、上記実施形態では、前縁11が、船体2の中心ラインCLに垂直な方向に対して、所定の角度(後退角)θ2だけ後方に傾いて延びていたが、これに限定されず、例えば、前縁11が船体2の中心ラインCLに垂直な方向に延びていてもよい。また、上記実施形態では、後縁12が、船体2の中心ラインCLに対して垂直に延びていたが、これに限定されず、後縁12が、船体2の中心ラインCLに垂直な方向に対して所定の角度だけ前方または後方に傾いて延びていてもよい。また、前縁11および後縁12を平面視したときの各形状は、直線状でなくてもよい。例えば、前縁11および後縁12を平面視したときの各形状は、曲線状であってもよいし、船体2から延びる直線部が前方または後方に1回または複数回折れ曲がった形状であってもよい。
また、上記実施形態では、船尾フィン10は、船体2の側面から水平に張り出していたが、船尾フィン10は船体2の側面から遠ざかるにつれて上方または下方に傾斜するように延びていてもよい。
また、船尾部には、本発明の船尾フィン以外のフィンが設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、船尾フィン10が一軸船に取り付けられる例を説明したが、本発明の船尾フィンは、多軸船にも適用可能である。例えば船尾フィンは、二軸船に取り付けられてもよい。図5に、二軸船である船舶1Bの船尾部3を後方から見た模式図を示す。図5において、上記実施形態と実質同一構成要素には同一符号を付し、重複した説明は省略する。図5に示すように、船舶1Bの船体2は、下方に突出する一対のスケグ部8を有する。一対のスケグ部8は、船体2の左右方向に離間しており、船体2の中心ラインCLに対して左右対称な位置にある。各スケグ部8には、上記実施形態と同様に、回転軸SCを中心に回転する図略のプロペラが設けられている。各スケグ部8の左右の各側面に、上記実施形態と同様に、船尾フィン10が取り付けられる。図5に示した二軸船の船舶1Bでも、上記実施形態で示した一軸船の船舶1Aと同様の効果を得ることができる。
なお、図5に示した船舶1Bは、各スケグ部8に2つの船尾フィン10が取り付けられていたが、船尾フィン10は、各スケグ部8の船体2中央側にのみ設けられてもよいし、各スケグ部8の船体2外方側にのみ設けられてもよい。これらの場合でも、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
1A,1B :船舶
2 :船体
3 :船尾部
4 :プロペラ
10 :船尾フィン
11 :前縁
12 :後縁
14 :上面
15 :下面

Claims (5)

  1. プロペラが設けられ、計画航海速力のフルード数が0.17以上である船舶の船尾部の側面に取り付けられた船尾フィンであって、
    前記船尾フィンは、前記プロペラより前記船舶の進行方向前方側で且つ前記プロペラの回転軸の高さ近傍に位置し、
    前記船尾フィンの前記船尾部の側面からの張り出し方向に対して垂直な前記船尾フィンの断面形状における、前記船尾フィンの上面と下面との中点を順々に結んで得られる中心線は、下に凸であり、
    前記張り出し方向における前記船尾部の側面からの前記船尾フィンの最大張り出し長さは、前記プロペラの直径の2%以上で且つ15%以下である、船尾フィン。
  2. 前記船尾フィンの前記断面形状は、翼型である、請求項1に記載の船尾フィン。
  3. 前記船尾フィンの後縁は、前記プロペラから前記船舶の進行方向前方側に前記プロペラの直径の2倍だけ離れた位置より、前記船舶の進行方向後方側に位置する、請求項1または2に記載の船尾フィン。
  4. 前記船舶の前後方向における前記船尾フィンの前縁から後縁までの長さの平均値は、前記プロペラの直径の50%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の船尾フィン。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の船尾フィンを備える船舶。
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