JP6951127B2 - 自動列車防護システム - Google Patents

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本発明は、鉄道用の列車保安に使用する自動列車防護システムに関し、特に踏切における列車防護に利用して有効な技術に関するものである。
現在、踏切における列車防護は、踏切に設けられている列車支障報知装置(非常ボタン)が押されたり、遮断機が下りている際に踏切道内に進入している物体をレーザ光や赤外線を利用して検知したりした時点で、地上に設置している特殊信号発光機を点滅させて踏切内に支障が生じていることを列車の運転士へ伝え、運転士は光の点滅を見て、手動にてブレーキをかけることで行なっている。
また、特殊信号発光機は、信号の現示が800m以上の距離から連続して確認できるように設けること、地形等の事由により800m以上の距離から連続して確認することができない場合は2基以上設けることが定められている。しかも、特殊信号発光機は、線区ごとに、また複線区間の場合には上り線、下り線ごとに設けられる。そのため、地形等によっては非常に多くの発光機が設置されることがある。
さらに、特殊信号発光機は、樹木の成長や塵埃の付着等により見通しが悪くなることがあるため、工事や保全による見通し距離の確認、確保に多くの時間と人手を要している。また、自然現象の影響を受けやすいため、見通し支障を未然に防止することは困難な場合があるとともに、特殊信号発光機による列車防護は乗務員の見逃しによる踏切事故の発生のおそれもある。
なお、従来の踏切保安システムは、一つの踏切保安設備を1つの踏切制御装置が独立して制御する構成が採用されており、踏切保安設備には、始動点制御子と終止点制御子とが設けられ、始動点制御子が列車の進入を検知すると踏切制御装置が遮断機や警報機等を作動させる一方、終止点制御子が列車の通過を検知すると機器の作動を解除する制御を行なっている。
また、従来、人間の注意力だけに依存しない踏切における列車防護に関する発明として、例えば特許文献1や2に記載されているものが提案されている。
このうち、特許文献1の発明は、踏切における遮断桿の遮断未了などの異常を地上信号設備から踏切の識別番号と共に車上装置に伝送し、車上装置は、踏切の外方(手前位置)で停止するブレーキパターン群の中から、自列車位置と踏切の識別番号に応じてブレーキパターンを選択し、当該ブレーキパターンに沿った列車速度制御を実施することで列車を停止させるというものである。
一方、特許文献2の発明は、特殊信号発光機の故障を検出すると踏切の手前に設けられている地上子から車上装置へ列車を停止させるための停止信号を距離情報と共に送信し、車上装置は距離情報に従って列車を減速停止させるための速度照査パターンを作成し、列車速度が該パターンの速度を超えると常用ブレーキをかけるように制御することにより、特殊信号発光機の手前に設定された所定の停止位置に停車させるというものである。
特開2008−239054号公報 特開2012−180036号公報
しかしながら、特許文献1の発明にあっては、踏切ごとにブレーキパターンを用意しているため、踏切の変更、追加があった場合に、全列車のメモリ内のデータを書き換える必要が生じ多大な労力と時間を要するという課題がある。
また、特許文献2の発明にあっては、地上子から車上装置へ停止信号を送信し、停止信号を受信した車上装置が速度照査パターンを作成するため、列車が地上子を通過してから特殊信号発光機の故障等の異常が発生すると、ブレーキ制御が間に合わないという課題がある。
本発明は上記のような課題に着目してなされたもので、特殊信号発光機を設けることなく、踏切支障が発生した際に列車を安全に停止させることができる自動列車防護システムを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、列車に対する情報信号を送信する地上子の設置個所を列車が通過した後に踏切支障が発生した場合にも列車を安全に停止させることができる自動列車防護システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本出願に係る発明は、
ブレーキ装置に対する制御信号を生成する車上制御部と、防護パターンを生成するための情報を記憶する記憶装置と、軌道上に設置されている地上子から情報を読み取り可能な情報受信部と、モニタ装置と、を有する車上装置と、
踏切近傍に設けられている踏切支障報知装置からの信号に基づいて踏切内に異常があることを示す情報信号を生成し出力可能な地上装置と、
を備えた自動列車防護システムであって、
前記地上装置は、レールに所定の情報を含む電流信号を送信可能なレール伝送送信器を備え、
前記車上装置は、レールに流れる電流によって生じる磁界を検知して電流に含まれる情報信号を受信するための受電器と、列車速度を検出するための速度検出手段と、を備え、
前記車上制御部は、
前記情報受信部により前記地上子からの情報を受信すると前記記憶装置より所定の情報を読み出して防護パターンを生成し、速度制御目標として設定し、
前記受電器により前記地上装置から送信された踏切支障に関する情報を受信し、踏切支障が発生していると判定した場合に、前記モニタ装置により踏切支障を知らせる報知を行わせるとともに、前記防護パターンおよび前記速度検出手段からの検出信号に基づいて前記ブレーキ装置を制御して列車速度の減速制御を行うように構成したものである。
上記のような手段によれば、特殊信号発光機を設けることなく、踏切支障が発生した際に列車を安全に停止させることができる。また、新たに無線通信装置を設けたり、踏切ごとにブレーキパターン(防護パターン)を用意して車上の記憶装置に記憶しておいたりする必要がないため、沿線の踏切設備(数)に変更があった場合に、記憶装置に記憶されているデータを書き換える必要もない。
ここで、望ましくは、前記車上制御部は、前記速度制御目標を設定した後、前記受電器により前記地上装置から送信された踏切支障に関する情報を受信し、踏切支障が発生していないと判定した場合には、前記防護パターンを消去するように構成する。
上記のような構成によれば、列車が踏切に近づいた時点で踏切支障が発生していない場合には、ブレーキをかけることなく踏切を通過することができる。また、仮に防護パターンを消去したとしても踏切支障に関する情報を受信することで非常停止を実行することで、列車に対する情報信号を送信する地上子の設置個所を列車が通過した後に踏切支障が発生した場合にも列車を安全に停止させることができる。
また、望ましくは、前記車上制御部は、前記速度制御目標を設定した後、前記受電器により前記地上装置から送信された情報を受信できない場合には、列車を停止させるように前記ブレーキ装置を制御する信号を生成し出力するように構成する。
かかる構成によれば、踏切制御回路を含む地上装置が故障している場合に、列車を停止させることができ、これにより踏切内の安全を担保することができる。
さらに、望ましくは、2以上の踏切が所定の距離よりも短い距離をおいて存在する区間においては、踏切ごとに前記地上装置が設置され、各踏切の前記地上装置間で情報の送受信を行う通信手段が設けられ、列車の走行方向の遠い側の踏切に設けられている前記地上装置のレール伝送送信器によって踏切支障に関する情報を送信されるように構成する。
かかる構成によれば、短い距離をおいて複数の踏切が連続する区間において、特殊信号発光機を設けることなく、比較的簡単な制御で踏切支障が発生した際に列車を安全に停止させることができる。
さらに、望ましくは、前記防護パターンは、前記地上子の設置個所を通過した後に次第に速度が低下し、近い側の踏切直前で所定の徐行速度で一定に推移するパターンであるように構成する。
かかる構成によれば、減速した状態で踏切に接近し、運転士が目視で安全を確認しつつ、異常があれば直ちに手動で列車を停止させることができるため、踏切内の安全を担保しつつ列車の大幅な遅延を防止することができる。
本発明に係る自動列車防護システムによれば、特殊信号発光機を設けることなく、踏切支障が発生した際に列車を安全に停止させることができる。また、列車に対する情報信号を送信する地上子の設置個所を列車が通過した後に踏切支障が発生した場合にも列車を安全に停止させることができるという効果がある。
(A)は本発明に係る自動列車防護システム全体の構成を示すシステム構成図、(B)はそのうち車上装置の構成例を示すブロック図である。 実施形態の自動列車防護システムを構成する車上装置における踏切前列車防護処理の手順の一例を示すフローチャートである。 上記実施形態の自動列車防護システムの変形例における踏切前列車防護処理の手順を示すフローチャートである。 本発明に係る自動列車防護システムの第2実施例を示すもので、本発明を踏切が短い区間に連続して複数設けられている特殊な区間に適用した場合における列車防護制御の仕方を示す説明図である。 本発明に係る自動列車防護システムの第3実施例における列車防護制御の仕方を示す説明図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る自動列車防護システムの実施の形態について説明する。
(第1実施例)
図1(A)は本発明に係る自動列車防護システムの第1実施例の構成を示すシステム構成図である。自動列車防護システムは、図1(A)に示すように、列車10に搭載された車上装置11およびモニタ装置12と、踏切の警報機や遮断機を制御するため踏切近傍に設けられている地上装置20とにより構成される。特殊信号発光機は使用されておらず、同等の機能が以下に説明する手段によって達成される。モニタ装置12は、単なるランプ(赤色等)であってもよいし、ランプとスピーカがセットで設けられているものでも良い。
地上装置20は、従来の踏切制御システムと同様に、レールに信号を流して警報開始点から警報終止点まで列車を閉電路式軌道回路にて連続的に検知して列車の検知に応じて踏切の警報機や遮断機を制御する踏切制御回路21を備える。さらに、本実施形態の自動列車防護システムを構成する地上装置20は、踏切内に設けられている踏切支障報知装置(非常ボタン)31からの信号を受けると、上記列車検知のための信号に重畳して、踏切支障の発生を知らせる信号を軌道回路に乗せるレール伝送送信器(R伝送送信器)22を備えている。
踏切内に進入している物体をレーザ光や赤外線を利用して検知する障害物検知装置を備える踏切においては、警報機作動中に踏切内に進入している物体を検知した場合も、レール伝送送信器22によって踏切支障の発生を知らせる信号をレールにのせて送信するように構成してもよい。なお、踏切支障が発生していない場合には、踏切支障が発生していないことを知らせる信号を送信するように構成しておく。
また、レールを通して送信されるATC(自動列車制御)の信号波を受信する受電器を搭載した車両のみが走行する路線においては、ATCの電文を生成して信号波として送信するようにレール伝送送信器22を構成しても良い。
また、本実施形態の自動列車防護システムにおいては、踏切から所定距離(例えば800m)以上手前の位置に、前方に踏切があることを知らせる地上子30が軌道上に設置されている。この地上子30は、踏切手前の地上子であることを識別させる簡単なコードあるいは踏切までの距離を示す情報を送信できれば良いので、電磁誘導で情報をやり取りできる安価な無電源方式の地上子を使用することができる。このような地上子としては、例えば、ATS−Pシステムで使用されている地上子がある。また、除雪車や保守用車、検測車等の車両の運転制御を支援するため、非接触で記憶している情報(キロ程等)の送信が可能な位置標定用地上子を用いても良い。
列車10には、上記車上装置11およびモニタ装置12の他、レールに流れる電流によって生じる磁界を検知して電流に含まれる信号を受信するためのアンテナとしての受電器13Aと、地上子30から情報を読み出して受信する車上子13Bと、速度発電機のような速度センサ13Cが設けられている。
車上装置11は、図1(B)に示すように、上記受電器13Aに接続され踏切近傍に設けられている地上装置20のレール伝送送信器22により送信された電文を受信するレール伝送受信部14と、上記車上子13Bに接続され地上子30から情報を読み取る受信制御部15を備えている。
また、車上装置11は、CPU(マイクロコンピュータ)やROM(リードオンリメモリ),RAM(ランダムアクセスメモリ)などからなり上記レール伝送受信部14および受信制御部15を制御して地上子30から情報を受信し受信した情報に応じた制御処理を実行可能な車上制御部16と、車上制御部16が実行するプログラムや踏切手前で車両を停止させるための防護パターン(速度照査パターン)または防護パターンの演算式等のデータを記憶した記憶装置17を備えている。
本実施形態の車上制御部16は、踏切の手前に設けられている地上子30から情報を受信すると、記憶装置17から防護パターンまたは防護パターンの演算式を読み出して速度センサ13Cからの車両速度とから必要な制動力を演算してブレーキ装置18に対する制御信号を生成し出力する。また、車上制御部16は、地上子30を検知するとレール伝送受信部14により地上装置20からの情報の受信を開始して、受信内容に応じた列車防護制御を実行する。以下、その制御内容について、図2を用いて詳細に説明する。
図2には、列車が踏切に近づいた際に実行される踏切前列車防護処理の手順の一例が示されている。この踏切前列車防護処理は、例えばタイマ割込み等で周期的に実行されるように構成することができる。
車上制御部16は、先ず受信制御部15を作動させ(ステップS1)、地上子30から情報を受信つまり踏切直前の地上子を検知したか否か判定する(ステップS2)。ここで、踏切直前の地上子を検知していない(No)ときはステップS1へ戻って再度先ず受信制御部15を作動させて地上子30の検知を繰り返す。
ステップS2で踏切直前の地上子を検知した(Yes)と判定すると、ステップS3へ進み、記憶装置17より防護パターンを読み出しあるいは防護パターンの演算式を読み出して防護パターンを生成し、防護パターンとして設定する。続いて、レール伝送受信部14の動作を開始させ(ステップS4)、レール伝送送信器22からの「踏切支障あり」の情報を受信したか否か判定する(ステップS5)。
ここで、「踏切支障あり」の情報を受信した(Yes)と判定すると、ステップS6へ進み、車上のモニタ装置12によって音と光により「踏切支障あり」の報知を行い、運転士によるブレーキ操作がなければ、ステップS3で読み出した防護パターンに従って、ブレーキ装置18に対して制御信号を生成し出力するブレーキ制御を実行し(ステップS7)、処理を終了する。
これにより、列車10は、踏切手前で停止することができる。また、上記のように制御を行うことによって、踏切やその手前に特殊信号発光機を設ける必要がない。
なお、上記防護パターンは、地上子の設置位置が同じ条件(距離)であれば踏切にかかわらず共通のパターンとしても良いし、踏切ごとに異なっていても良い。列車は走行距離から自己の位置を把握しているため次に接近する踏切を認識できるので、メモリに踏切ごとの防護パターンを記憶しておくことで、踏切ごとに異なる対応をすることができる。
一方、ステップS5で、レール伝送送信器22からの「踏切支障あり」の情報を受信していない(No)と判定すると、ステップS8へ移行して、ステップS3で設定した防護パターンを消去する。続いて、レール伝送送信器22からの「踏切支障あり」の情報を受信したか否か判定する(ステップS9)。そして、「踏切支障あり」の情報を受信した(Yes)と判定すると、ステップS10へ進み、緊急停止制御を実行する。
また、上記ステップS9で、「踏切支障あり」の情報を受信していない(No)と判定すると、ステップS11へ移行して、走行距離から、踏切を通過したか否か判定する。そして、踏切を通過していない(No)と判定するとステップS9へ戻る一方、踏切を通過した(Yes)と判定すると、ステップS12へ進み、レール伝送受信部14の動作を停止させ処理を終了する。
上記のような制御によれば、新たに無線通信装置を設ける必要がないとともに、踏切から所定距離だけ手前に設置されている地上子30を検知した場合に防護パターンを設定するため、踏切支障が発生した際に列車を安全に停止させることができる。また、「踏切支障あり」の情報を受信していないときは防護パターンを消去するため、踏切で停止することなく走行することができるとともに、防護パターンを消去した後に踏切支障が発生した場合にも列車に支障情報を確実に伝送することができる。さらに、設定する防護パターンとして踏切に関係なく所定の防護パターンを設定しておくことにより、踏切ごとにブレーキパターンを用意しておく必要がなくなる。
図3には、上記実施例の踏切前列車防護処理の変形例が示されている。
この変形例は、図2のステップS4とS5との間に、レール伝送受信部14からの信号の受信があったか否か判定するステップS5Aを設けて、地上装置20のレール伝送送信器22からの信号の受信そのものがないと判定した場合には、直ちにステップS10へ移行して緊急停止制御を実行するようにしたものである。また、レール伝送信号の受信があった場合には、ステップS5Bで、受信した信号が「踏切支障ありの信号」か「踏切支障なしの信号」かを、判定しているようにしている。それ以外は、図2の処理と同じである。これにより、地上装置20が故障してレール伝送信号の送信がなくなった場合に、列車を停止させて安全を確保することができる。
上記実施形態は、基本的には、地上子30の設置位置とレール伝送可能区間とが一致していなくても実現可能であるが、地上子30の設置位置近傍にレールに絶縁部を設けて一致させても良い。また、踏切から地上子30の設置位置までの距離L1に比べてレール伝送可能区間(図1のL2)が短い場合には、図2(または図3)のステップS3の前または後に、L1とL2の差分の距離を走行するのに要する時間を計時するタイマ処理を挿入して、防護パターンの設定を所定時間遅らせるか防護パターン設定後所定時間経過した時点でレール伝送受信部14の受信動作を開始させるようにしても良い。
なお、その場合、レール伝送受信部14は常時動作状態にしておくことができる。そして、レール伝送受信部14が常時動作状態であれば、図2のステップS4とS12は不要である。地上子30の設置位置まで距離L1に比べてレール伝送可能区間L2の方が長い場合には、地上子30の情報を受信する前にレール伝送受信部14からの信号を受信したら、その信号を無視するようにしても良い。
(第2実施例)
図4には、本発明に係る自動列車防護システムの第2実施例のシステム構成が示されている。第2実施例は、本発明に係る自動列車防護システムを、短い距離の区間に連続して複数踏切が設けられている特殊な区間に適用したものである。具体的には、2つの踏切間の距離が例えば800m未満である区間に適用する。なお、踏切の数は2つに限定されず、3つ以上の踏切が短い距離をおいて連続して設けられている場合にも適用することができる。
本実施例においては、図4に示すように、各踏切の近傍に設置される地上装置20A,20Bに通信処理部23がそれぞれ設けられ、該通信処理部23によりネットワーク32を介して情報の送受信が可能に構成されている。また、列車10の走行方向に対して手前側の踏切Aの地上装置20Aは、レール伝送送信器22が不要とされ、踏切Aで発生した踏切支障の情報はネットワーク32を介して、遠い側の踏切Bの地上装置20Bへ伝達される。地上装置20Bの踏切制御回路21は、地上装置20Bから受信した踏切支障に関する情報および自ら判断した踏切支障に関する情報を合成してレール伝送送信器22によって踏切支障の有無を知らせる信号がレール上へ送信されるように構成されている。
なお、地上子30は、走行方向に対して手前側の踏切Aを基準にして防護パターンで列車が停止できる距離に応じた位置に設置されている。ネットワーク32は、無線でも有線でも良い。
上記のように、一方の踏切から踏切支障の有無を知らせる信号を送信するようにしているのは、800m未満のような短い区間に2つ以上の踏切が存在する場合に、前記第1実施例を適用して、それぞれの踏切から踏切支障発生の信号を送信し、それらの信号を列車側で受けて制御しようとすると、両方の信号が重なる区間では信号がどちらの踏切からのものであるかを識別する必要があり、制御が複雑になるためである。
また、接近して来る列車10から見て遠い方の踏切Bから踏切支障の有無を知らせる信号を送信するようにしているのは、一般に受電器は先頭車両の前端すなわち先頭車両の前側の主軸よりも前方位置に設けられており、その場合、進行方向に対して後方側からレール伝送信号を送るよりも前方側からレール伝送信号を送った方が、受信器によって安定かつ確実に信号を受信できるためである。
さらに、本実施例においては、踏切手前の地上子30を検知した際に設定する防護パターンも前記実施例と若干異なっている。具体的には、踏切Aの直前で完全に停止するのではなく、いつでも停止できる所定の徐行速度まで減速し、その後は次の踏切Bの直前までその徐行速度を維持するような防護パターンを設定するようになっている。この防護パターンも予め車上の記憶装置17に記憶しておく。この防護パターンが設定されて徐行速度まで減速した場合には、運転士が目視で安全を確認しつつ、異常があれば直ちに手動で列車を停止させることができるようになる。また、これにより、踏切内の安全を担保しつつ列車の大幅な遅延を防止することができる。
列車が地上子30を検知して防護パターンを設定した後、踏切支障なしの信号を受信した場合は防護パターンを消去する点、踏切支障ありの信号を受信した場合は車上のモニタ装置にて音と光で踏切支障の発生を報知する点、および防護パターンを消去した後、踏切支障ありの信号を受信した場合は緊急停止する点は第1の実施例と同じである。従って、車上装置11の車上制御部16による制御の手順は、図2や図3のフローチャートに示すものと同じで良い。
上記のように、踏切Aの直前で徐行速度に落としその後その速度を維持させるようにしているのは、踏切支障の発生が踏切Aではなく踏切Bであった場合に、踏切Aを通過して踏切Bの直前まで移動できるようにするためである。なお、踏切Aと踏切Bとの距離が列車長よりも短い区間の場合には、踏切Aの直前で完全に停止する防護パターンを設定するようにしてもよい。単線区間の場合には、踏切Aの地上装置20Aにもレール伝送送信器22を設け、列車が踏切Bの側から走行して来るときは、地上装置20Aからレールへ踏切支障発生の信号を送信するように構成しても良い。
(変形例)
図5には、第2実施例の自動列車防護システムの変形例のシステム構成が示されている。この変形例は、本発明に係る自動列車防護システムを、第2実施例と同様に、連続して複数の踏切が設けられている区間に適用したものである。
本変形例においては、図5に示すように、踏切Aの手前に、踏切A用の地上子30Aと踏切B用の地上子30Bが設置され、それぞれ地上子30A,30Bから防護パターンを生成するための情報(踏切A,Bの識別情報、踏切A,Bまでの距離情報、制御範囲)が送信されるように構成されている。他の構成は、図4に示す実施例と同じであり、踏切Bの地上装置20Bにレール伝送送信器22が設けられ、このレール伝送送信器22によって踏切支障の有無を知らせる情報(踏切A,Bの識別情報、踏切A,Bの発報情報、踏切A,Bの遮断情報)を含む信号がレール上へ送信される。
図4に示す第2実施例の自動列車防護システムにおいては、地上子30からの情報で列車10に近い側の踏切Aまでの防護パターンしか設定できなかったものが、本変形例によれば、地上子30A,30Bからの情報で踏切Aまでの防護パターンと踏切Bまでの防護パターンをそれぞれ設定することかできる。
なお、図4および図5には、連続して2つの踏切が設けられている場合を示したが、比較的短い区間に連続して3つ以上の踏切が設けられている場合も、上記と同様にして、列車から最も遠い側の踏切に設置されている地上装置にレール伝送送信器22を設け、このレール伝送送信器22によって3つの踏切に関して踏切支障の有無を知らせる情報を含む信号がレール上へ送信されるように構成しても良い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形や変更が可能である。例えば、上記実施形態では、踏切の手前に設置する地上子30として無電源方式の地上子を使用すると説明したが、例えばATS(自動列車停止システム)用に開発されている有電源方式の地上子を使用することも可能である。また、地上子は、1つに限定されるものでなく2以上設置し、各地上子を検知するたびに異なる防護パターンを設定するように構成しても良い。
さらに、前記実施形態では、列車が踏切の手前に設置されている地上子30を検知した後は、レール伝送方式で踏切支障情報を伝送するようにしているが、レール伝送方式の代わりに簡易な近距離無線通信で踏切支障情報を伝送するようにしても良い。
11 車上装置
12 モニタ装置
13A 受電器
13B 車上子
14 レール伝送受信部
15 受信制御部(情報受信部)
16 車上制御部
17 記憶装置
20 地上装置
21 踏切制御回路
22 レール伝送送信器
23 通信処理部
30 地上子
31 踏切支障報知装置
32 ネットワーク

Claims (5)

  1. ブレーキ装置に対する制御信号を生成する車上制御部と、防護パターンを生成するための情報を記憶する記憶装置と、軌道上に設置されている地上子から情報を読み取り可能な情報受信部と、モニタ装置と、を有する車上装置と、
    踏切近傍に設けられている踏切支障報知装置からの信号に基づいて踏切内に異常があることを示す情報信号を生成し出力可能な地上装置と、
    を備えた自動列車防護システムであって、
    前記地上装置は、レールに所定の情報を含む電流信号を送信可能なレール伝送送信器を備え、
    前記車上装置は、レールに流れる電流によって生じる磁界を検知して電流に含まれる情報信号を受信するための受電器と、列車速度を検出するための速度検出手段と、を備え、
    前記車上制御部は、
    前記情報受信部により前記地上子からの情報を受信すると前記記憶装置より所定の情報を読み出して防護パターンを生成し、速度制御目標として設定し、
    前記受電器により前記地上装置から送信された踏切支障に関する情報を受信し、踏切支障が発生していると判定した場合に、前記モニタ装置により踏切支障を知らせる報知を行わせるとともに、前記防護パターンおよび前記速度検出手段からの検出信号に基づいて前記ブレーキ装置を制御して列車速度の減速制御を行うように構成されていることを特徴とする自動列車防護システム。
  2. 前記車上制御部は、前記速度制御目標を設定した後、前記受電器により前記地上装置から送信された踏切支障に関する情報を受信し、踏切支障が発生していないと判定した場合には、前記防護パターンを消去することを特徴とする請求項1に記載の自動列車防護システム。
  3. 前記車上制御部は、前記速度制御目標を設定した後、前記受電器により前記地上装置から送信された情報を受信できない場合には、列車を停止させるように前記ブレーキ装置を制御する信号を生成し出力することを特徴とする請求項1または2に記載の自動列車防護システム。
  4. 2以上の踏切が所定の距離よりも短い距離をおいて存在する区間においては、踏切ごとに前記地上装置が設置され、各踏切の前記地上装置間で情報の送受信を行う通信手段が設けられ、列車の走行方向の遠い側の踏切に設けられている前記地上装置のレール伝送送信器によって踏切支障に関する情報を送信するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動列車防護システム。
  5. 前記防護パターンは、前記地上子の設置個所を通過した後に次第に速度が低下し、前記2以上の踏切のうち近い側の踏切直前で所定の徐行速度で一定に推移するパターンであることを特徴とする請求項4に記載の自動列車防護システム。
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