以下、保護者端末等の任意の端末から入金が可能であり、学校端末等の特定の端末に対してのみ出金が可能な電子マネー端末を備える電子マネーシステムの2つの実施形態について、図面を参照して説明する。なお、各実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態において、請求情報が電子マネー端末に格納されており、学校端末等の特定の端末と電子マネー端末との通信により、請求情報に対応する出金が行われる電子マネーシステムについて説明する。なお、特定の端末については後述する。
また、請求情報は、給食費や教材費等の項目毎に出金が可能な端末識別子を有し、請求情報に対応する出金が、当該請求情報が有する端末識別子で識別される端末で行われる電子マネーシステムについて説明する。
また、特定の端末と電子マネー端末との通信により、返金が可能である(例えば、電子マネー端末に返金される)電子マネーシステムについて説明する。
また、特定の端末と電子マネー端末との通信により、対応する口座に返金される電子マネーシステムについて説明する。
図1は、本実施の形態における電子マネーシステム100のブロック図である。電子マネーシステム100は、1または2以上の電子マネー端末1、1または2以上の学校端末2、および1または2以上の保護者端末3を備える。電子マネー端末1は、例えば、Felica(登録商標)、MIFARE(登録商標)等の近距離無線通信を行うモジュールである近距離無線通信モジュールを有する。ただし、近距離無線の種類は問わない。また、近距離無線通信モジュールに限らず、電子マネー端末1は、何らかの通信手段を有していればよい。
電子マネー端末1は、同種の近距離無線通信モジュールを有する他の装置との間で近距離無線通信を行うことができる。学校端末2および保護者端末3も、同種の近距離無線通信モジュールを有しており、電子マネー端末1は、近距離無線通信モジュールの通信圏内に存在する学校端末2または保護者端末3との間で、近距離無線通信が行える。なお、以下では、かかる近距離無線通信を、単に通信と記す場合がある。また、通信は、通常、送信または受信のうちの1種類以上を含む。
なお、学校端末2および保護者端末3は、通常、例えば、LANやインターネット等のネットワーク、無線または有線の通信回線を介して通信を行うための通信モジュールを有しており、図示しないサーバ装置等との間で、ネットワーク等を介して通信することも可能である。サーバ装置とは、例えば、カード会社や銀行等の金融機関のサーバや、電子マネーシステム100を運営する企業のサーバなどであるが、そのタイプや所在は問わない。サーバ装置は、例えば、口座からの引き落とし、口座間の振替、口座への返金等の処理を行う。ただし、サーバ装置等との通信は、公知技術であり、本実施の形態の主旨ではないため、説明を省略する。
電子マネー端末1は、通常、ICカードであるが、ICカードの機能を有する携帯端末でもよい。携帯端末とは、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話機、ノート型PCなどであるが、そのタイプは問わない。電子マネー端末1は、本実施の形態では、学校の生徒またはその保護者によって携帯される。
学校端末2は、学校の端末である。学校端末2は、例えば、学校に設置されたPCであるが、学校の職員等によって携帯される携帯端末であってもよい。学校の職員とは、例えば、先生、事務員などであるが、給食費や教材費等の費用を管理する人員であれば誰でもよい。学校は、例えば、小学校や中学校であるが、幼稚園、塾、スイミングスクール等でもよく、広く解する。
保護者端末3は、保護者の端末である。保護者は、例えば、生徒の親であるが、費用を支払う者であれば誰でもよい。保護者端末3は、例えば、保護者が携帯する携帯端末、保護者宅のPC等である。ただし、保護者端末3は、例えば、コンビニのレジ端末、駅の券売機などでもよく、ICカードへの入金が可能な端末であれば、そのタイプは問わない。入金は、現金による入金でもよいし、口座からの入金でもよいし、クレジットカードを利用した入金でもよく、その方法は問わない。
なお、電子マネーシステム100は、学校端末2に限らず、一般に、特定の端末を備えていればよい。特定の端末とは、例えば、特定の場所に設置された端末でもよいし、特定の人によって操作される端末でもよいし、特定のネットワークに接続された端末でもよい。特定の端末は、特定の端末識別子で識別される端末であるということもできる。
一般に、端末識別子とは、端末を識別する情報であり、例えば、MACアドレスやIPアドレスやIDなどである。特定の端末識別子もまた、MACアドレス等でよいが、セキュリティを高めるために、例えば、パスワード等の鍵で暗号化されていることは好適である。ただし、特定の端末識別子は、学校端末2等の特定の端末を操作可能な人物を識別する人物識別情報でもよい。人物識別情報は、例えば、メールアドレス、電話番号、ID等でもよいが、同じく暗号化されていることは好適である。または、人物識別情報は、例えば、指紋等の生体認証情報でもよく、その種類は問わない。特定の端末識別子は、例えば、一般的な端末識別子と、こうした人物識別情報とを含む情報であることは、より好適である。
なお、後述する各種の情報もまた、暗号化されていることは好適である。ただし、暗号化や、暗号化された情報を復号するための認証処理等については、公知技術を用いることができ、また、本願発明の主要な特徴ではないので、以下では、特に言及しない。
または、特定の端末とは、電子マネー端末1からの出金が可能な端末であるということもできる。出金が可能な端末とは、例えば、電子マネー端末1が、出金先として1以上の端末識別子を記憶していて、当該1以上の端末識別子で識別される端末に対してしか出金しないように構成されている場合、当該1以上の端末識別子で識別される1以上の端末であってもよい。
これに対して、保護者端末3は、電子マネー端末1への入金が可能な端末であると言い換えてもよい。入金が可能な端末とは、例えば、電子マネー端末1が、入金元として1以上の端末識別子を記憶していて、当該1以上の端末識別子で識別される端末からしか入金しないように構成されている場合、当該1以上の端末識別子で識別される1以上の端末であってもよい。ただし、通常、入金元の端末を制限する必要性は高くないため、かかる識別子は記憶しなくてよい。このため、保護者端末3は、任意の端末であるということもできる。
電子マネー端末1は、格納部11、受付部12、および処理部13を備える。格納部11は、ユーザ識別子格納部111、入金情報格納部112、および請求情報格納部113を備える。受付部12は、入金情報受付部121、出金指示受付部122、返金指示受付部123、および口座返金指示受付部124を備える。処理部13は、入金情報蓄積部131、出金処理部132、返金処理部133、および口座返金処理部134を備える。
学校端末2は、学校受付部21、および学校送信部22を備える。保護者端末3は、保護者受付部31、および保護者送信部32を備える。
電子マネー端末1を構成する格納部11は、各種の情報を格納し得る。各種の情報とは、例えば、後述するユーザ識別子、後述する入金情報、後述する請求情報などである。格納部11には、学校端末2等の特定の端末を識別する1以上の端末識別子が格納されていていることは好適である。
ユーザ識別子格納部111には、ユーザ識別子が格納される。ユーザ識別子とは、ユーザを識別する情報である。ユーザとは、当該電子マネー端末1の利用者であり、本実施の形態では、通常、生徒である。ユーザ識別子は、例えば、学校名・クラス名・氏名(○○小学校・1年2組・山田太郎など)でもよいし、電話番号でもよいし、ID(例えば、学籍番号など)でもよく、ユーザを識別し得る情報であれば何でもよい。
なお、格納部11には、ユーザの口座を識別する1以上の口座識別子が格納されることは好適である。口座識別子は、例えば、金融機関コードおよび口座番号で構成されるが、これに限らない。
入金情報格納部112には、入金情報が格納される。入金情報とは、入金の情報である。入金とは、電子マネー端末1への入金である。入金は、現金による入金でもよいし、ユーザ側の口座からの電子的な入金(例えば、口座引き落とし等)でもよい。入金は、1回でもよいし、2回以上でもよい。なお、後述する出金は、電子マネー端末1からの出金である。出金も、現金による出金でもよいし、学校側の口座への電子的な出金(例えば、口座振込等)でもよい。出金もまた、1回でもよいし、2回以上でもよい。
入金情報は、通常、入金された金額(入金額)を示す金額情報を有する。入金額は、2回以上の入金による合計額でもよい。金額情報は、入金額から、出金した金額(出金額:詳細は後述)を減算した残額でもよい。金額情報は、入金額、出金額、および残額を含む情報でもよい。
入金情報は、例えば、入金額を示す金額情報と、入金した日時(入金日時)を示す日時情報とを有していてもよい。入金情報は、通常、入金額と入金日時との対を、1以上、含んでいる。
また、入金情報は、例えば、後述する項目識別子(例えば、給食費、写真代等)を有していてもよい。
入金情報は、さらに、例えば、出金額を示す金額情報と、出金した日時(出金日時)を示す日時情報とを有していてもよい。入金情報は、通常、入金額と入金日時との対を、1以上、含み、さらに、出金額と出金日時との対をも、1以上、含み得る。入金情報は、入金額と入金日時との対を、1以上、含み、かつ、出金額と出金日時との対を、1以上、含んでいる場合、さらに、当該1以上の入金額を合計した合計入金額から、当該1以上の出金額を合計した合計出金額を減算した額である残額をも含むことは、好適である。
または、入金情報は、例えば、入金額と、入金日時と、当該時点での残額との組を、1組以上、含むと考えてもよい。この場合も、入金情報は、入金額と、入金日時と、当該時点での残額との組を、1組以上、含み、さらに、出金額と、出金日時と、当該時点での残額との組を、1組以上、含み得る。なお、当該時点とは、その入金または出金が完了した時点をいう。当該時点での残額とは、当該時点までに入金された1以上の入金額を合計した合計入金額から、当該時点までに出金された1以上の出金額を合計した合計出金額を減算した額である。
なお、後述する具体例では、上記のような、入金額と、日時と、当該時点での残額との組を、1組以上、含み、さらに、出金額と、日時と、当該時点での残額との組を、1組以上、含む情報を、入出金管理情報と呼んでいる。この場合、前者の組を入金情報と呼び、後者の組を出金情報と呼ぶことも可能である。つまり、入出金管理情報とは、入金額と、日時と、当該時点での残額との組である1以上の入金情報と、出金額と、日時と、当該時点での残額との組である1以上の出金情報とを含む情報であると定義してもよい。そして、かかる入出金管理情報に含まれる2以上の残額のうち、最新の残額が、電子マネー端末1の現時点での残額となる。なお、このことは、実施の形態2の具体例にも当てはまる。ただし、入金情報のデータ構造は問わない。
請求情報格納部113には、1または2以上の請求情報が格納される。請求情報とは、請求に関する情報である。請求情報は、請求する金額(請求額)を示す金額情報を有する。また、請求情報は、かかる金額情報に加えて、項目識別子を有することは好適である。項目識別子とは、請求の項目を識別する情報をいう。請求の項目は、例えば、給食費、教材費、写真代などであるが、これに限らない。さらに、請求情報は、期限情報をも有していてよい。期限情報とは、請求の期限に関する情報である。請求の期限は、例えば、請求に対する決済を行う決済日、学校を卒業する卒業日などである。決済日は、例えば、2017年1月10日等の一の年月日でもよいし、月末、毎月27日等でもよい。
さらに、請求情報は、学校に設置されている2以上の学校端末2のうちの、少なくとも一の学校端末2に対応付けられており、請求情報格納部113には、2以上の請求情報が、当該請求情報に対応する1以上の学校端末2を識別する端末識別子または端末識別子群と対に格納されることは好適である。なお、対に格納されることは、請求情報が端末識別子または端末識別子群を有する場合も含む。
なお、請求情報は、予め請求情報格納部113に格納されていてもよいし、または、後述する受付部12によって受け付けられ、請求情報格納部113に蓄積されても構わない。
受付部12は、各種の情報を受け付ける。各種の情報とは、例えば、入金情報、出金指示、返金指示、口座返金指示などである。受付部12は、通常、請求情報も受け付ける。受付部12は、各種の情報を、通常、学校端末2または保護者端末3などから受信するが、例えば、キーボード等の入力デバイスで受け付けてもよいし、ディスクや半導体メモリなどの記録媒体から読み出しても構わない。
入金情報受付部121は、入金情報を受け付ける。入金情報受付部121は、入金情報を、通常、保護者端末3から受信するが、例えば、保護者端末3以外の任意の端末からから受信してもよい。
出金指示受付部122は、出金指示を受け付ける。出金指示受付部122は、出金指示を、通常、学校端末2から受信するが、例えば、学校端末2以外の特定の端末から受信してもよい。出金指示とは、電子マネー端末1からの出金の指示である。出金指示は、通常、当該出金指示を送信した学校端末2等の特定の端末を識別する端末識別子を有する。また、出金指示は、通常、出金する金額(出金額)を示す金額情報も有する。または、出金指示は、金額情報と項目識別子との対を、1以上、有していてもよい。
返金指示受付部123は、返金指示を受け付ける。返金指示受付部123は、返金指示を、通常、学校端末2から受信するが、学校端末2以外の特定の端末から受信してもよい。返金指示とは、電子マネー端末1への返金の指示である。返金指示は、通常、当該返金指示を送信した学校端末2等の特定の端末を識別する端末識別子を有する。また、返金指示は、通常、返金する金額(返金額)を示す金額情報を有する。または、返金指示は、金額情報と項目識別子との対を、1以上、有していてもよい。
口座返金指示受付部124は、口座返金指示を受け付ける。口座返金指示受付部124は、口座返金指示を、通常、学校端末2から受信するが、例えば、学校端末2以外の特定の端末から受信してもよい。口座返金指示とは、電子マネー端末1のユーザの口座への返金の指示である。口座返金指示は、通常、返金額を示す金額情報を有するが、有さなくても構わない。口座返金指示受付部124は、返金額を示す金額情報を有さない口座返金指示であり、電子マネー端末1の残金を口座に返金する指示である口座返金指示を、例えば、卒業時に受け付けることは好適である。ただし、口座返金指示の受け付けのタイミングは問わない。
処理部13は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、入金情報蓄積部131、出金処理部132、返金処理部133、および口座返金処理部134などの処理である。各種の処理には、フローチャートで説明する各種の判別なども含まれる。
入金情報蓄積部131は、入金情報受付部121が受け付けた入金情報を入金情報格納部112に蓄積する。
出金処理部132は、出金処理を行う。出金処理とは、出金に関する処理をいう。出金とは、電子マネー端末1からの出金である。出金処理とは、例えば、出金指示受付部122による出金指示の受け付けに応じて、入金情報格納部112に格納されている入金情報を変更する処理である。出金処理は、通常、出金指示が有する金額情報に対応する金額分を減額することである。
出金処理は、請求情報に対応する金額分の入金情報を変更する処理であってもよい。また、出金処理は、出金指示を送信した特定の端末に対応する請求情報に対応する金額分の入金情報を変更する処理であることは好適である。
なお、出金処理では、サーバ装置などの他の装置に、通知をする処理も行われてよい。通知は、通常、ユーザ識別子と出金指示の情報とを含む。通知をすることは、通常、ネットワークを介して送信することであり、ネットワークを介した通知は、例えば、メールによる通知も含む。また、出金処理では、出金指示の情報等のディスプレイへの表示、出金額や残額の表示やプリントアウトなども行われてよい。
返金処理部133は、返金処理を行う。返金処理とは、返金に関する処理をいう。返金とは、支払われた代金を返すことである。返金処理とは、例えば、返金指示受付部123が受け付けた返金指示に応じて、入金情報格納部112に格納されている入金情報を変更する処理である。返金処理は、通常、返金指示が有する金額情報に対応する金額分を増額する処理である。
なお、返金処理でも、サーバ装置などの他の装置に、通知をする処理も行われてよい。この場合の通知は、通常、ユーザ識別子と返金指示の情報とを含む。また、返金処理では、返金指示の情報等のディスプレイへの表示、返金額や残額の表示やプリントアウトなども行われてよい。
口座返金処理部134は、口座返金処理を行う。口座返金処理とは、口座返金指示受付部124が受け付けた口座返金指示に応じて、入金情報格納部112に格納されている入金情報に対応する金額を、ユーザ識別子格納部111に格納されているユーザ識別子に対応する口座に返金する処理である。返金される金額は、例えば、口座返金指示が金額情報を有する場合は、当該金額情報に対応する金額分であり、口座返金指示が金額情報を有さない場合は、残額に対応する金額分であってもよい。
学校端末2を構成する学校受付部21は、各種の情報を受け付ける。各種の情報とは、例えば、出金指示、返金指示、口座返金指示などである。学校受付部21は、請求情報も受け付けてよい。学校受付部21は、出金指示等を、例えば、キーボード等の入力デバイスを介して受け付ける。
学校送信部22は、各種の情報を、通常、電子マネー端末1に送信する。各種の情報とは、例えば、出金指示、返金指示、口座返金指示などである。学校送信部22は、請求情報も送信してよい。学校送信部22は、学校受付部21が受け付けた出金指示等を、例えば、近距離無線通信を介して電子マネー端末1に送信する。
保護者端末3を構成する保護者受付部31は、各種の情報を受け付ける。各種の情報とは、例えば、入金情報などである。保護者受付部31は、入金情報を、例えば、キーボード等の入力デバイスを介して受け付ける。
保護者送信部32は、保護者受付部31が受け付けた入金情報を、例えば、近距離無線通信を介して電子マネー端末1に送信する。
なお、電子マネー端末1は、図示しない送信部をさらに備えていてもよい。送信部は、例えば、請求情報格納部113に格納されている請求情報などを、保護者端末3に送信する。
また、保護者端末3は、図示しない保護者受信部、および図示しない保護者出力部をさらに備えていてもよい。保護者受信部は、例えば、電子マネー端末1からの請求情報などを受信する。保護者出力部は、例えば、保護者受信部が受信した請求情報などを、ディスプレイ等の出力デバイスを介して出力する。出力される請求情報は、受信された請求情報と必ずしも同じでなくてよい。
格納部11、ユーザ識別子格納部111、入金情報格納部112、および請求情報格納部113は、例えば、ハードディスクやフラッシュメモリといった不揮発性の記録媒体が好適であるが、RAMなど揮発性の記録媒体でも実現可能である。
格納部11等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、ネットワークや通信回線等を介して送信された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよい。入力デバイスは、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等、何でもよい。
受付部12、入金情報受付部121、出金指示受付部122、返金指示受付部123、学校受付部21、および保護者受付部31は、入力デバイスを含むと考えても、含まないと考えてもよい。受付部12等は、入力デバイスのドライバーソフトによって、または入力デバイスとそのドライバーソフトとで実現され得る。
受付部12等の受信機能は、通常、近距離無線の通信手段(例えば、Felica(登録商標)等の近距離無線通信モジュール)で実現されるが、ネットワークや通信回線等を介して情報を受信する手段(例えば、ネットワークカードやモデム等の通信モジュール)で実現されてもよい。
学校送信部22、および保護者送信部32もまた、通常、近距離無線の通信手段で実現されるが、ネットワークや通信回線等を介して情報を送信する手段(例えば、通信モジュール)で実現されてもよい。
処理部13、入金情報蓄積部131、出金処理部132、返金処理部133、および口座返金処理部134は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。処理部13等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。ただし、処理手順は、ハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
次に、電子マネーシステム100の動作について図2のフローチャートを用いて説明する。なお、既出の事項に関する説明は、省略または簡略化している。図2は、電子マネー端末1の動作を説明するフローチャートである。
(ステップS201)処理部13は、入金情報受付部121が入金情報を受け付けたか否かを判別する。なお、このフローチャートにおいて、受け付けることは、通常、受信することであるが、タッチパネル等の入力デバイスを介して受け付ける場合も含む。
詳しくは、例えば、当該電子マネー端末1が保護者端末3にかざされるなどして、両者の間で近距離無線通信が可能となると、保護者端末3が、タッチパネル等の入力デバイスを介して入金情報を受け付け、電子マネー端末1と近距離無線通信可能になると、当該請求情報を当該電子マネー端末1に送信する。ただし、入金情報の受け付けは、保護者端末3と電子マネー端末1とが通信可能となった後に受け付けられてもよい。処理部13は、保護者端末3から入金情報を受信した場合に、入金情報を受け付けたと判別する。入金情報を受け付けた場合はステップS204に進み、受け付けていない場合はステップS205に進む。
(ステップS204)入金情報蓄積部131は、受け付けられた入金情報を入金情報格納部112に蓄積する。その後、ステップS201に戻る。
(ステップS205)処理部13は、出金指示受付部122が出金指示を受け付けたか否かを判別する。処理部13は、通常、出金指示受付部122が学校端末2から出金指示を受信した場合に、出金指示受付部122が出金指示を受け付けたと判別する。出金指示受付部122が出金指示を受け付けた場合はステップS206に進み、受け付けていない場合はステップS207に進む。
(ステップS206)出金処理部132は、入金情報格納部112に格納されている入金情報を変更する処理である出金処理を行う。変更する処理とは、通常、出金指示が有する金額情報に対応する金額分を減額する処理である。出金処理の詳細については、前述したので繰り返さない。その後、ステップS201に戻る。
(ステップS207)処理部13は、返金指示受付部123が返金指示を受け付けたか否かを判別する。処理部13は、通常、返金指示受付部123が学校端末2から返金指示を受信した場合に、返金指示受付部123が返金指示を受け付けたと判別する。返金指示受付部123が返金指示を受け付けた場合はステップS208に進み、受け付けていない場合はステップS209に進む。
(ステップS208)返金処理部133は、入金情報格納部112に格納されている入金情報を変更する処理である返金処理を行う。変更する処理とは、通常、返金指示が有する金額情報に対応する金額分を増額する処理である。返金処理の詳細については、前述したので繰り返さない。その後、ステップS201に戻る。
(ステップS209)処理部13は、口座返金指示受付部124が口座返金指示を受け付けたか否かを判別する。処理部13は、通常、口座返金指示受付部124が学校端末2から口座返金指示を受信した場合に口座返金指示受付部124が、口座返金指示を受け付けたと判別する。口座返金指示受付部124が口座返金指示を受け付けた場合はステップS210に進み、受け付けていない場合はステップS201に戻る。
(ステップS210)口座返金処理部134は、入金情報格納部112に格納されている入金情報に対応する金額を、ユーザ識別子格納部111に格納されているユーザ識別子に対応する口座に返金する処理である口座返金処理を行う。口座返金処理の詳細については、前述したので繰り返さない。その後、ステップS201に戻る。
なお、図2のフローチャートにおいて、口座返金処理部134は、口座返金指示の受け付けに応じて口座返金処理を実行しているが、これに限らない。例えば、格納部11に、口座返金処理を実行するタイミング(例えば、卒業日等)を示すタイミング情報が格納されており、口座返金処理部134は、このタイミング情報に従って、口座返金処理を実行してもよい。
また、図2のフローチャートにおいて、例えば、ステップS201の前に、次の2つのステップS200aおよびS200bを追加してもよい。この場合、上記説明において「ステップS201に戻る」は、「ステップS200aに戻る」のように読み替える。
(ステップS200a)処理部13は、受付部12が請求情報を受け付けたか否かを判別する。
詳しくは、例えば、学校端末2において、学校受付部21が、キーボード等の入力デバイスを介して請求情報を受け付け、その後に、電子マネー端末1がユーザにより学校端末2にかざされるなどして、電子マネー端末1と学校端末2とが近距離無線通信可能になると、学校送信部22は、当該請求情報を電子マネー端末1に送信する。ただし、請求情報の受け付けは、例えば、学校端末2と電子マネー端末1とが通信可能となった後に行われてもよい。処理部13は、受付部12が学校端末2から請求情報を受信した場合に、請求情報を受け付けたと判別する。
受付部12が請求情報を受け付けた場合はステップS200bに進み、受け付けていない場合はステップS201に進む。
(ステップS200b)処理部13は、受け付けられた請求情報を請求情報格納部113に蓄積する。その後、ステップS200aに戻る。
また、図2のフローチャートにおいて、電子マネー端末1の電源オンやプログラムの起動に応じて処理が開始し、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。ただし、処理の開始または終了のトリガは問わない。
以下、本実施の形態における電子マネーシステム100の具体的な動作例について説明する。なお、以下の説明は、例示に過ぎず、種々の変更が可能であり、本発明を何ら限定するものではない。また、既出の事項に関する説明は、省略または簡略化している。これらのことは、他の具体例でも同様である。
本例の電子マネーシステム100は、1以上の電子マネー端末1、2以上の学校端末2、および1以上の保護者端末3を備える。2以上の各学校端末2は、ある学校X(以下、単に学校と記す場合がある)の端末であり、学校の教職員によって操作される。
2以上の学校端末2のうち一つは、一の教室に設置され、その教室の担任である教員(以下、単に教員と記す場合がある)によって操作される。一の教室とは、学校の一の生徒であるユーザAAが属する教室(以下、単に教室と記す場合がある)である。教員は、例えば給食費や教材費といった、どの生徒にも共通する費用の徴収も担当する。
2以上の学校端末2のうち他の一つは、学校の職員室に設置され、各教職員によって操作される。この学校端末2は、例えば、写真代や部活費といった、生徒によって異なる費用の徴収に使われる。
教室の学校端末2を構成する学校送信部22は、端末識別子“aaa”を保持している。また、職員室の学校端末2を構成する学校送信部22は、端末識別子“bbb”を保持している。
一の電子マネー端末1は、ユーザAAによって携帯されるICカードである。以下では、この電子マネー端末1を、単に電子マネー端末1と記す場合がある。
一の保護者端末3は、ユーザAAの保護者によって利用される端末であり、例えば、自宅のPCである。以下では、この保護者端末3を、単に保護者端末3と記す場合がある。
保護者端末3を構成する保護者送信部32は、ユーザAAを識別するユーザ識別子“AA”を保持している。
ユーザAAの電子マネー端末1を構成するユーザ識別子格納部111には、ユーザ識別子“AA”が格納されている。
入金情報格納部112には、例えば、図3に示すような入出金管理情報が格納される。図3は、入出金管理情報のデータ構造図である。入出金管理情報は、金額情報、および日時情報を有する。金額情報は、入金額、出金額、または残額のうち1種類以上の情報を含む。日時情報は、日時の情報を含む。日時は、金額情報が入金額を含む場合は入金日時であり、金額情報が出金額を含む場合は出金日時である。
図3において、“Null”は、当該情報を含んでいないことを示す。従って、この入出金管理情報は、入金額と、日時と、当該時点での残額との組(これを入金情報と呼んでもよい)を、1組以上、含み、かつ、出金額と、日時と、当該時点での残額との組(これを出金情報と呼んでもよい)を、1組以上、含んでいる。
入金額と、日時と、当該時点での残額との組とは、例えば、入金額“¥1000”と、日時“1/10 19:00”と、当該時点での残額“¥1000”との組(以下、1番目の組と記す場合がある)、入金額“¥2000”と、日時“2/8 18:00”と、当該時点での残額“¥2000”との組(以下、3番目の組と記す場合がある)、…などである。
出金額と、日時と、当該時点での残額との組とは、例えば、出金額“¥1000”と、日時“1/11 8:30”と、当該時点での残額“0”との組(以下、2番目の組と記す場合がある)、出金額“¥1500”と、日時“2/10 9:10”と、当該時点での残額“¥500”との組(以下、4番目の組と記す場合がある)、…などである。
請求情報格納部113には、例えば、図4に示すような1以上の請求情報が格納される。図4は、請求情報のデータ構造図である。請求情報は、金額情報、項目識別子、端末識別子、および期限情報を有する。金額情報は、請求額を含む。請求情報格納部113に核のされている1以上の各請求情報は、ID(例えば、順番を示す1,2,…)に対応付いている。
例えば、ID“1”に対応する請求情報(以下、請求情報1と記す場合がある)は、金額情報“¥1000”、項目識別子“教材費”、端末識別子“aaa”、および期限情報“1/11”を有する。また、ID“2”に対応する請求情報(請求情報2)は、金額情報“¥1500”、項目識別子“給食費”、端末識別子“aaa”、および期限情報“2/10”を有する。同様に、請求情報3は、金額情報“¥500”、項目識別子“写真代”、端末識別子“bbb”、および期限情報“2/15”を有する。
現在の日付は、1月10日であり、この時点では、入金情報格納部112および請求情報格納部113には、未だ何も格納されていないものとする。
この日、教室において、教員が、学校端末2の入力デバイスを操作して、一の請求情報を入力したとする。この請求情報は、金額情報“¥1000”、項目識別子“教材費”、端末識別子“aaa”、および期限情報“1/11”を有する。学校受付部21は、当該請求情報を受け付け、保持する。その後、ユーザAAが電子マネー端末1を学校端末2にかざすと、電子マネー端末1と学校端末2とが近距離無線通信可能になり、学校端末2の学校送信部22は、当該請求情報を電子マネー端末1に送信する。
電子マネー端末1において、受付部12が上記請求情報を受信し、処理部13は、受信された請求情報を、ID“1”に対応付けて、請求情報格納部113に蓄積する。これによって、請求情報格納部113には、前述した請求情報1(図4参照)が格納される結果となる。
その後、ユーザAAは、帰宅し、保護者に電子マネー端末1を手渡す。保護者は、電子マネー端末1を受け取り、保護者端末3にかざす。両端末間で近距離無線通信が可能となると、電子マネー端末1の図示しない送信部が、請求情報格納部113に格納されている請求情報1を保護者端末3に送信する。
保護者端末3において、図示しない保護者受信部が請求情報1を受信し、図示しない保護者出力部は、受信された請求情報1を、ディスプレイ等の出力デバイスを介して出力する。これによって、ディスプレイに、例えば「教材費1000円を1月11日までにお支払いください。」といった請求情報が表示される。保護者は、保護者端末3の入力デバイスを介して、請求額に対応する入金額“¥1000”を示す金額情報を有する入金情報を入力する。
具体的には、例えば、保護者は、カード会社のサイトを利用するなどして、保護者の口座から電子マネー端末1に入金するための操作を行い、これを受け付けた保護者端末3が、金融機関のサーバ等と通信することで、かかる入金情報の入力が実現される。
保護者受付部31は、かかる入金情報の入力を受け付け、保護者送信部32は、当該入金情報を電子マネー端末1に送信する。
電子マネー端末1において、入金情報受付部121が上記入金情報を受信し、入金情報蓄積部131は、例えば、内蔵時計等を用いて日時“1/10 19:00”を取得し、受信された入金情報にこの日時を含めて、入金情報格納部112に蓄積する。これによって、入金情報格納部112には、前述した1番目の組を有する入出金管理情報(図4参照)が格納される結果となる。
翌1月11日、ユーザAAは、登校し、教室の学校端末2に電子マネー端末1をかざす。両端末間で近距離無線通信が可能となると、学校端末2の出力デバイスを介して、その旨の報知(例えば、「ピッ」等の電子音など)が出力され、教員は、学校端末2の入力デバイスを介して、上記教材費に対応する出金額“¥1000”を示す金額情報を有する出金指示を入力する。学校端末2において、学校受付部21がこの出金指示を受け付け、学校送信部22は、当該出金指示を電子マネー端末1に送信する。
電子マネー端末1において、出金指示受付部122が上記出金指示を受け付け、出金処理部132は、入金情報格納部112に格納されている入出金管理情報を変更する出金処理を行う。
具体的には、出金処理部132は、例えば、内蔵時計等を用いて、日時“1/11 8:30”を取得する。また、出金処理部132は、格納されている入出金管理情報が有する残額“¥1000”から、上記出金額“¥1000”を減算して、現時点での残額“0”を算出する。さらに、出金処理部132は、かかる出金額“¥1000”と、日時“1/11 8:30”と、現時点での残額“0”との組を、入金情報格納部112に格納されている上記1番目の組の後に追記する。これによって、入金情報格納部112には、前述した1番目の組、および前述した2番目の組を有する入出金管理情報(図4参照)が格納される結果となる。この時点での電子マネー端末1の残額は、“0”である。
こうして電子マネー端末1から出金された1000円は、例えば、学校端末2が金融機関のサーバ等と通信することで、学校側の口座に1000円が振り込まれる。これにより、請求情報格納部113の請求情報1に対する出金処理が完了する。これに応じて、出金処理部132は、当該請求情報1に、出金完了を示すフラグを付すことは好適である。
その後、例えば、1月末日に、教室において、教員が、学校端末2の入力デバイスを操作して、他の請求情報を入力したとする。この請求情報は、金額情報“¥1500”、項目識別子“給食費”、端末識別子“bbb”、および期限情報“2/10”を有する。
この場合も同様に、学校受付部21は、当該請求情報を受け付け、ユーザAAが電子マネー端末1をかざすと、学校送信部22は、当該請求情報を電子マネー端末1に送信する。
電子マネー端末1において、受付部12が上記請求情報を受信し、処理部13は、受信された請求情報を、ID“2”に対応付けて、請求情報格納部113に蓄積する。これによって、請求情報格納部113には、前述した請求情報2(図4参照)がさらに格納される結果となる。
ユーザAAは、帰宅し、保護者に電子マネー端末1を手渡す。保護者が電子マネー端末1を保護者端末3にかざすと、電子マネー端末1から保護者端末3に請求情報2が送信され、保護者端末3のディスプレイには、例えば「給食費1500円を2月10日までにお支払いください。」といった請求情報が表示される。
保護者は、期限の前々日である2月8日に、請求額より多い入金額“¥2000”を示す金額情報を有する入金情報を入力する。保護者受付部31は、この入金情報の入力を受け付け、保護者送信部32は、当該入金情報を電子マネー端末1に送信する。
電子マネー端末1において、入金情報受付部121が上記入金情報を受信し、入金情報蓄積部131は、内蔵時計等から日時“2/8 18:00”を取得し、受信された入金情報にこの日時を含めて、入金情報格納部112に蓄積する。これによって、入金情報格納部112には、前述した1番目〜3番目の3組を有する入出金管理情報(図4参照)が格納される結果となる。
翌2月10日、ユーザAAは、登校し、教室の学校端末2に電子マネー端末1をかざす。教員が出金額“¥1500”を示す金額情報を有する出金指示を入力すると、学校受付部21がこの出金指示を受け付け、学校送信部22は、当該出金指示を電子マネー端末1に送信する。
電子マネー端末1において、出金指示受付部122が上記出金指示を受け付け、出金処理部132は、入金情報格納部112に格納されている入出金管理情報を、次のように変更する。すなわち、出金処理部132は、例えば、内蔵時計等から日時“2/10 8:30”を取得し、格納されている入出金管理情報が有する残額“¥2000”から、上記出金額“¥1500”を減算して、現時点での残額“¥500”を算出する。さらに、出金処理部132は、かかる出金額“¥1500”と、日時“2/9 9:10”と、現時点での残額“¥500”との組を、入金情報格納部112に格納されている上記3番目の組の後に追記する。
これによって、入金情報格納部112には、前述した1番目〜4番目の4組を有する入出金管理情報(図4参照)が格納される結果となる。この時点での電子マネー端末1の残額は、“¥500”である。電子マネー端末1から出金された1500円は、学校側の口座に振り込まれる。
その後、例えば、2月12日に、音楽会等のイベントの写真が体育館等に掲示され、ユーザAAは、そのうち所望の写真の番号を注文用紙に記入し、職員室の職員に提出したとする。職員は、職員室の学校端末2を操作して、その他の請求情報を入力したとする。この請求情報は、注文された写真の代金を示す金額情報“¥500”、項目識別子“写真代”、端末識別子“bbb”、および期限情報“2/15”を有する。ユーザAAが電子マネー端末1を学校端末2にかざすと、上記と同様の処理が行われ、電子マネー端末1の請求情報格納部113には、前述した請求情報3(図4参照)がさらに格納される。
ユーザAAの保護者が電子マネー端末1を保護者端末3にかざすと、電子マネー端末1から保護者端末3に、請求情報3と、現時点の残額を示す金額情報“¥500”が送信され、保護者端末3の図示しない保護者出力部は、これらの情報を用いて、例えば「写真代500円を2月15日までにお支払いください。なお、このカードの残額は500円です。」といった請求情報をディスプレイに表示する。
保護者は、写真代と同じ残額があるため、追加の入金を行うことなく、電子マネー端末1をユーザAAに返す。ユーザAAが、翌2月13日に、電子マネー端末1を職員室に持参して、そこの学校端末2にかざせば、出金処理部132は、請求情報3の請求額に対応する500円の出金処理を行う。すなわち、出金処理部132は、出金額“¥500”と、日時“2/13 15:30”と、現時点での残額“0”との組を、入金情報格納部112に格納されている上記4番目の組の後に追記する。これによって、入金情報格納部112には、前述した1〜4番目の組、および図示しない5番目の組を有する入出金管理情報が格納される結果となる。これにより、電子マネー端末1の残額は、“0”となる。電子マネー端末1から出金された500円は、学校側の口座に振り込まれる。
なお、ユーザAAが電子マネー端末1を教室の学校端末2にかざしたとしても、請求情報格納部113に格納されている請求情報3が有する端末識別子“bbb”が、教室の学校端末2の端末識別子“aaa”とは一致しないため、出金処理部132は、出金処理を行わない。
その後、例えば、ユーザAAが、電子マネー端末1を職員室に再度持参し、先の写真の注文を取り消す旨を職員に告げて、学校端末2にかざしたとする。職員は、職員室の学校端末2を操作して、返金額500円を示す金額情報を有する返金指示を入力する。この返金指示が学校端末2から電子マネー端末1に送信されると、電子マネー端末1において、返金指示受付部123がこれを受信し、返金処理部133は、入金情報格納部112に格納されている入出金管理情報を、現時点の残額が500円増額するように変更する。詳しくは、現在、入金情報格納部112には、前述した1〜4番目の組、および図示しない上記5番目の組を有する入出金管理情報が格納されており、返金処理部133は、例えば、当該5番目の組を削除することで、500円を返金してもよい。これにより、入金情報格納部112には、前述した1〜4番目の組を有する入出金管理情報が格納される結果となり、現時点の残額は、“0”から“¥500”に戻る。
その後、ユーザAAの卒業日となり、ユーザAAは、電子マネー端末1を職員室に持参して、そこの学校端末2にかざす。職員は、職員室の学校端末2を操作して、口座返金指示を入力する。この口座返金指示が学校端末2から電子マネー端末1に送信されると、電子マネー端末1において、口座返金指示受付部124が口座返金指示を受信し、口座返金処理部134は、入金情報格納部112に格納されている入出金管理情報が示す現時点の残金を、ユーザ識別子格納部111に格納されているユーザ識別子に対応する口座に返金する。
以上、本実施の形態によれば、記録媒体は、入金の情報である入金情報が格納される入金情報格納部112を具備し、電子マネー端末1は、入金情報を受け付け、受け付けた入金情報を入金情報格納部112に蓄積し、特定の端末からの出金指示を受け付けと、出金指示の受け付けに応じて、入金情報格納部112の入金情報を変更する出金処理を行うことにより、電子マネーを特定の端末に対してのみ出金できる。
また、記録媒体は、請求に関する請求情報が格納される請求情報格納部113をさらに具備し、電子マネー端末1は、出金指示の受け付けに応じて、請求情報に対応する金額分の入金情報を変更する出金処理を行うことにより、請求された金額分の電子マネーを、特定の端末に対してのみ出金できる。
また、請求情報格納部113には、2以上の請求情報が格納され、2以上の請求情報は、2以上の特定の端末のうちの、少なくとも一の特定の端末に対応付けられており、電子マネー端末1は、出金指示を送信した特定の端末に対応する請求情報に対応する金額分の入金情報を変更する出金処理を行うことにより、2以上の特定の端末のうち一の特定の端末に対応付けて請求された金額分の電子マネーを、当該一の特定の端末に対してのみ出金できる。
また、電子マネー端末1は、返金指示を受け付け、返金指示に応じて、入金情報格納部112の入金情報を変更する返金処理を行うことにより、出金した電子マネーの返金ができる。
また、記録媒体は、ユーザを識別するユーザ識別子が格納されるユーザ識別子格納部111をさらに具備し、電子マネー端末1は、口座返金指示を受け付け、口座返金指示に応じて、入金情報格納部112の入金情報に対応する金額を、ユーザ識別子に対応する口座に返金する処理である口座返金処理を行うことにより、出金した電子マネーのユーザの口座への返金ができる。
さらに、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現してもよい。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布してもよい。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布してもよい。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。
なお、本実施の形態における電子マネー端末1を実現するソフトウェアは、例えば、以下のようなプログラムである。つまり、電子マネー端末1のコンピュータがアクセス可能な記録媒体は、入金の情報である入金情報が格納される入金情報格納部112を具備し、このプログラムは、電子マネー端末1のコンピュータを、入金情報を受け付ける入金情報受付部121と、入金情報受付部121が受け付けた入金情報を入金情報格納部112に蓄積する入金情報蓄積部131と、学校端末2等の特定の端末からの出金指示を受け付ける出金指示受付部122と、出金指示の受け付けに応じて、入金情報格納部112の入金情報を変更する出金処理を行う出金処理部132として機能させるためのプログラムである。
(実施の形態2)
本実施の形態において、請求情報がサーバ装置で管理されており、学校端末等の特定の端末と電子マネー端末との通信により、請求情報に対応する決済が行われるサーバ装置を備える電子マネーシステムについて説明する。
また、2以上の請求情報がサーバ装置で管理されており、各請求情報は、給食費、教材費等の項目毎に決済が可能な端末識別子を有し、各請求情報に対応する決済が、当該請求情報が有する端末識別子で識別される端末で行われる電子マネーシステムについて説明する。
また、特定の端末と電子マネー端末との通信により、返金が可能である電子マネーシステムについて説明する。
また、不正利用時などに、カード会社等の外部からの指示により、返金が可能である電子マネーシステムについて説明する。
また、請求情報は、卒業日や決済日等の期限を有し、一の項目の期限が経過した場合、当該一の項目の金額について、返金処理を行う電子マネーシステムについて説明する。
なお、実施の形態1と共通する事項についての説明は、省略または簡略化している。
図5は、本実施の形態における電子マネーシステム500のブロック図である。電子マネーシステム500は、サーバ装置5、1または2以上の電子マネー端末6、1または2以上の学校端末7、および1または2以上の保護者端末8を備える。サーバ装置5は、例えば、LANやインターネット等のネットワーク、無線または有線の通信回線などを介して通信を行うための通信モジュールを有している。ただし、通信モジュールの種類は問わない。学校端末7および保護者端末8も同種の通信モジュールを有しており、サーバ装置5は、1以上の学校端末7、および1以上の保護者端末8の各々との間で、ネットワーク等を介した通信が行える。
電子マネー端末6は、例えば、Felica(登録商標)、MIFARE(登録商標)等の近距離無線を行うモジュールである近距離無線通信モジュールを有する。ただし、近距離無線の種類は問わない。電子マネー端末6は、同種の近距離無線通信モジュールを有する他の装置との間で近距離無線通信を行うことができる。学校端末7および保護者端末8も、同種の近距離無線通信モジュールを有しており、電子マネー端末6は、近距離無線通信モジュールの通信圏内に存在する学校端末7または保護者端末8との間で、近距離無線通信が行える。なお、電子マネー端末6も、同種の通信モジュールを有し、ネットワークを介した通信を行っても構わない。
なお、以下では、上記のようなネットワークを介した通信、および上記のような近距離無線通信のいずれも、単に通信と記す場合がある。また、通信は、通常、送信または受信のうちの1種類以上を含む。
サーバ装置5は、電子マネーシステム500を運営する企業のサーバである。サーバ装置5は、例えば、企業内に設置されたサーバであるが、クラウドサーバでもよく、そのタイプや所在は問わない。
電子マネー端末6は、例えば、学校の生徒またはその保護者によって携帯されるICカードであるが、携帯端末でもよい。学校端末7は、例えば、学校に設置されたPCであるが、学校の職員の携帯端末でもよい。なお、電子マネーシステム500は、学校端末7に限らず、一般に、特定の端末を備えていればよい。保護者端末8は、例えば、保護者の携帯端末でもよいし、コンビニ等のレジ端末でもよく、ICカードへの入金が可能な端末であれば、タイプや所在は問わない。
サーバ装置5は、サーバ格納部51、サーバ受信部52、サーバ受付部53、サーバ処理部54、およびサーバ送信部55を備える。サーバ格納部51は、サーバ請求情報格納部511、およびサーバ入金情報格納部512を備える。サーバ受信部52は、サーバ決済指示受信部521を備える。サーバ受付部53は、サーバ返金指示受付部531を備える。サーバ処理部54は、サーバ決済処理部541、およびサーバ返金情報構成部542を備える。サーバ送信部55は、サーバ返金情報送信部551を備える。
電子マネー端末6は、格納部61、受付部62、送信部63、受信部64、および処理部65を備える。学校端末7は、学校受付部71、および学校送信部72を備える。保護者端末8は、保護者受付部81、および保護者送信部82を備える。
サーバ装置5を構成するサーバ格納部51は、各種の情報を格納し得る。各種の情報とは、例えば、入金情報、請求情報などである。入金情報は、実施の形態1における入金情報と同じでよい。請求情報は、実施の形態1における請求情報と同じでよいが、通常、請求を受けるユーザを識別するユーザ識別子をさらに有する。また、サーバ格納部51には、例えば、ユーザを識別する1以上のユーザ識別子、学校端末7等の特定の端末を識別する1以上の端末識別子なども格納される。
サーバ請求情報格納部511には、1以上の請求情報が格納される。サーバ請求情報格納部511には、2以上の請求情報が格納され、各請求情報は、学校端末7等の特定の端末を識別する端末識別子に対応付いていることは好適である。請求情報は、前述したような期限情報を有していてもよい。
サーバ入金情報格納部512には、ユーザ識別子に対応付けて、入金情報が格納される。サーバ入金情報格納部512には、通常、ユーザ識別子と、1以上の入金情報との組が、1組以上、格納される。
サーバ受信部52は、各種の情報を受信する。各種の情報とは、例えば、後述する決済指示である。
また、サーバ受信部52は、請求情報を受信する。サーバ受信部52は、通常、電子マネー端末6と通信した学校端末7から、端末識別子と対に、ユーザ識別子等を有する請求情報を受信する。電子マネー端末6と学校端末7との通信は、通常、近距離無線通信であるが、例えば、学内の無線LANを介した通信などでもよく、その方式は問わない。つまり、電子マネー端末6と学校端末7との間の通信は、通常、電子マネー端末6を携帯するユーザが、電子マネー端末6を学校端末7にかざした場合にだけ、通信可能となる方式であり、例えば、ユーザが、学校端末7の存在する学校の中に居る場合にだけ、通信可能である方式であることも好適である。ただし、通信可能な距離に関する制限はなくてもよい。
また、サーバ受信部52は、入金情報をユーザ識別子と対に受信する。サーバ受信部52は、入金情報を、通常、電子マネー端末6と通信した保護者端末8から、ユーザ識別子と対に受信する。電子マネー端末6と保護者端末8との通信もまた、通常、近距離無線通信であるが、その方式は問わない。つまり、電子マネー端末6と保護者端末8との間の通信は、通常、電子マネー端末6を携帯するユーザまたはその保護者が、電子マネー端末6を保護者端末8にかざした場合にだけ、通信可能となる方式であるが、通信可能な距離に関する制限はなくてもよい。
サーバ決済指示受信部521は、決済指示を受信する。サーバ決済指示受信部521は、例えば、電子マネー端末6と通信した学校端末7等の特定の端末から、決済指示を受信する。決済指示は、当該電子マネー端末6のユーザを識別するユーザ識別子を有する。なお、かかるユーザ識別子は、通常、当該電子マネー端末6の格納部61に格納されている。また、決済指示は、通常、決済の対象となる請求情報を識別する項目識別子を有する。または、決済指示は、例えば、ユーザ識別子と、電子マネー端末6と通信した学校端末7等の特定の端末の端末を識別する端末識別子とを有していてもよい。なお、サーバ決済指示受信部521は、かかる決済指示を、当該電子マネー端末6から受信してもよい。
サーバ受付部53は、各種の情報を受け付ける。各種の情報とは、例えば、返金指示などである。なお、受け付けることは、受信する場合も含む。サーバ受付部53は、例えば、学校端末7からの請求情報、保護者端末8からの入金情報なども受信してよい。詳しくは、サーバ受付部53は、例えば、学校端末7から端末識別子と対に請求情報を受信する。また、サーバ受付部53は、例えば、保護者端末8からユーザ識別子と対に入金情報を受信する。
また、サーバ受付部53は、電子マネー端末6または当該電子マネー端末6と通信した学校端末7等の特定の端末から、ユーザ識別子を有する出金指示を受け付けてもよい。なお、出金指示およびその受け付けの方法は、実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
サーバ返金指示受付部531は、返金指示を受け付ける。サーバ返金指示受付部531は、返金指示を、通常、学校端末7等の特定の端末から受信するが、例えば、キーボード等の入力デバイスを介して受け付けてもよいし、外部の装置から受信してもよい。外部の装置とは、例えば、カード会社等の金融機関の端末である。サーバ返金指示受付部531は、例えば、ユーザのカードが不正利用された場合に、カード会社の端末から、当該ユーザを識別すするユーザ識別子を有する返金指示を受信することは好適である。
サーバ処理部54は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、サーバ決済処理部541、サーバ返金情報構成部542などの処理である。各種の処理には、フローチャートで説明する各種の判別なども含まれる。
また、サーバ処理部54は、例えば、請求情報のサーバ請求情報格納部511への蓄積、入金情報のサーバ請求情報格納部511への蓄積、返金指示に応じた返金処理なども行ってよい。
具体的には、サーバ処理部54は、サーバ受付部53がユーザ識別子と対に受信した入金情報を、当該ユーザ識別子に対応付けてサーバ入金情報格納部512に蓄積する。また、サーバ処理部54は、サーバ受信部52が受信した入金情報をサーバ請求情報格納部511に蓄積する。
また、サーバ処理部54は、サーバ受付部53による出金指示の受け付けに応じて、サーバ入金情報格納部512に格納されている入金情報であり、その出金指示が有するユーザ識別子で識別されるユーザの入金情報を変更する。なお、入金情報の変更方法は、実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
さらに、サーバ処理部54は、サーバ返金指示受付部531が受け付けた返金指示に応じて、サーバ入金情報格納部512の入金情報を変更する返金処理を実行する。変更することは、通常、返金指示が有する金額情報に対応する金額分を増額することである。サーバ処理部54は、例えば、サーバ入金情報格納部512に格納されている1以上の入金情報のうち、受け付けられた返金指示が有するユーザ識別子と対になる入金情報を取得し、当該入金情報に対し、受け付けられた返金指示が有する金額情報に対応する金額分を増額することは好適である。
サーバ決済処理部541は、決済処理を行う。決済処理とは、決済に関する処理をぃう。決済とは、ユーザ側が受け取った商品(サービスも含む)の代金を学校側に支払うことである。支払いは、本実施の形態では、電子マネー端末6を利用して行うが、例えば、クレジットカードやデビットカード、または現金や小切手等を併用してもよい。併用とは、例えば、電子マネーへの入金にクレジットカード等を利用することであってもよい。ただし、支払の方法は問わない。決済処理は、例えば、電子マネーからの出金、口座からの引き落とし、口座間の振替等の処理であるが、これに限らない。
サーバ決済処理部541は、例えば、サーバ決済指示受信部521による決済指示の受信に応じて、その決済指示が有するユーザ識別子と対になる入金情報を用いて、その決済指示に対応する決済処理を行う。なお、入金情報を用いることは、例えば、入金情報が有する金額情報を、決済指示が有する金額情報と比較することでもよいし、または、入金情報が有する金額情報の示す入金額または残額から、決済指示が有する金額情報の示す決済額を減額することでもよく、その使用方法は問わない。
サーバ決済処理部541は、例えば、決済指示の受信に応じて、決済指示が有するユーザ識別子で識別されるユーザの、決済指示に対応する請求情報に対する決済処理を行う。決済指示に対応する請求情報とは、決済指示が有する項目識別子に対応する請求情報でもよいし、ユーザ識別子で識別されるユーザのすべての請求情報でもよい。サーバ決済処理部541は、決済指示の受信に応じて、当該決済指示が有するユーザ識別子で識別されるユーザの、当該決済指示が有する端末識別子に対応付いた請求情報に対する決済処理のみを行えることは好適である。
また、サーバ決済処理部541は、こうして行った決済処理に関する情報である決済情報を構成してもよい。決済情報は、通常、決済した金額(決済額)を示す金額情報を有する。また、決済情報は、例えば、決済した日付(決済日)を示す日時情報も有する。なお、構成された決済情報は、例えば、保護者端末7等に送信されてもよいし、ディスプレイに表示されてもよいし、プリンタでプリントアウトされても構わない。なお、このことは、後述する返金情報にも当てはまる。
サーバ返金情報構成部542は、サーバ返金指示受付部531が受け付けた返金指示に応じて、返金する金額(返金額)を示す金額情報を有する返金情報を構成する。サーバ返金情報構成部542は、サーバ返金指示受付部531が受け付けた返金指示が有するユーザ識別子と対になる入金情報をサーバ入金情報格納部512から取得し、当該入金情報を用いて返金情報を構成することは好適である。
なお、返金は、例えば、電子マネー端末6への返金でも、口座への返金でもよい。前者の場合、サーバ返金情報構成部542は、例えば、ユーザ識別子を有する返金情報を構成し、後者の場合、サーバ返金情報構成部542は、例えば、口座識別子を有する返金情報を構成する。または、返金は、例えば、クレジットカードによる支払いを取り消す処理などでもよく、その方法は問わない。
また、返金情報は、通常、入金情報が有する金額情報に対応する金額情報を有する。対応する金額情報とは、例えば、入金情報が有する金額情報が示す入金額と同じ金額を示す金額情報でもよいし、当該入金額から所定額を減算した金額を示す金額情報でもよい。所定額とは、例えば、手数料等の額である。
また、返金情報を構成するトリガは問わない。サーバ返金情報構成部542は、返金情報を、例えば、特定の端末からの返金指示が受信された場合に構成してもよいし、予め設定された時に構成してもよい。予め設定された時とは、例えば、卒業時である。サーバ返金情報構成部542は、例えば、MPUの内蔵時計やNTPサーバ等から現在時刻を取得し、取得した現在時刻に含まれる日付(以下、現在の日付と記す場合がある)と卒業日とを比較して、現在の日付が卒業日に達した又はこれを過ぎたか否かを判断する処理を繰り返し行い、現在の日付が卒業日に達した又はこれを過ぎた時点で、入金情報の残額がある場合に、当該残額に対応する金額を示す返金情報を構成することは好適である。
サーバ送信部55は、各種の情報を送信する。各種の情報とは、例えば、決済情報、返金情報などである。サーバ送信部55は、決済指示に応じてサーバ決済処理部541が構成した決済情報を、当該決済指示が有するユーザ識別子宛てに送信する。送信された決済情報は、通常、保護者端末8を介して、当該ユーザ識別子で識別されるユーザの電子マネー端末6により受信される。
サーバ返金情報送信部551は、返金指示に応じてサーバ返金情報構成部542が構成した返金情報を、当該返金指示が有するユーザ識別子宛てに送信する。送信された返金情報は、通常、保護者端末8を介して、当該ユーザ識別子で識別されるユーザの電子マネー端末6により受信される。
電子マネー端末6を構成する格納部61は、各種の情報を格納し得る。各種の情報とは、例えば、ユーザ識別子、入金情報、請求情報などである。
格納部61には、当該電子マネー端末6を識別する端末識別子が格納される。また、格納部61には、通常、入金情報が格納される。さらに、格納部61には、例えば、請求情報も格納されてよい。
受付部62は、各種の情報を受け付ける。各種の情報とは、例えば、決済指示などである。受付部62は、当該電子マネー端末6が学校端末7と近距離無線通信可能である場合に、例えば、学校端末7によって受け付けられた決済指示を当該学校端末7から受信してもよいし、または、タッチパネル等の入力デバイスを介して決済指示を受け付けてもよい。
送信部63は、各種の情報を送信する。各種の情報とは、例えば、ユーザ識別子、決済指示などである。送信部63は、当該電子マネー端末6が学校端末7または保護者端末8と通信可能になった時、格納部61に格納されているユーザ識別子を当該学校端末7または当該保護者端末8に送信する。
また、送信部63は、例えば、当該電子マネー端末6が学校端末7と近距離無線通信可能である場合に、受付部62が入力デバイスを介して決済指示を受け付けたことに応じて、格納部61に格納されているユーザ識別子を当該学校端末7に送信してもよい。または、送信部63は、例えば、当該電子マネー端末6が学校端末7と通信可能である場合に、受付部62が当該学校端末7から決済指示を受信したことに応じて、格納部61に格納されているユーザ識別子を当該決済指示に含め、ネットワーク等を介してサーバ装置5に送信してもよい。
受信部64は、各種の情報を受信する。各種の情報とは、例えば、入金情報、返金情報、決済情報などである。受信部64は、例えば、当該電子マネー端末6が保護者端末8と近距離無線通信可能である場合に、当該保護者端末8から入金情報を受信する。また、受信部64は、当該電子マネー端末6が学校端末7と近距離無線通信可能である場合に、サーバ装置5から、決済情報または返金情報を受信してもよい。
処理部65は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、入金情報の蓄積や変更などである。各種の処理には、フローチャートで説明する各種の判別なども含まれる。
処理部65は、例えば、受信部64が受信した入金情報を格納部61に蓄積する。また、処理部65は、格納部61に格納されている入金情報を、例えば、受信部64が受信した決済情報を用いて変更(通常、減額)してもよいし、または、受信部64が受信した返金情報を用いて変更(通常、増額)してもよい。
学校端末7を構成する学校受付部71は、各種の情報を受け付ける。各種の処理とは、例えば、決済指示、返金指示などである。学校受付部71は、決済指示等を、当該学校端末7が電子マネー端末6と近距離無線通信可能である場合に、例えば、キーボード等の入力デバイスを介して受け付ける。
学校送信部72は、各種の情報を送信する。各種の処理とは、例えば、決済指示、返金指示などである。学校送信部72は、学校受付部71が受け付けた決済指示等を、サーバ装置5に送信する。
保護者端末8を構成する保護者受付部81は、各種の情報を受け付ける。各種の処理とは、例えば、入金情報などである。保護者受付部81は、入金情報を、当該保護者端末8が電子マネー端末6と近距離無線通信可能である場合に、例えば、キーボード等の入力デバイスを介して受け付ける。
保護者送信部82は、各種の情報を送信する。各種の処理とは、例えば、入金情報などである。保護者送信部82は、保護者受付部81が受け付けた入金情報を、サーバ装置5に送信する。
サーバ格納部51、サーバ請求情報格納部511、サーバ入金情報格納部512、および格納部61は、例えば、ハードディスクやフラッシュメモリといった不揮発性の記録媒体が好適であるが、RAMなど揮発性の記録媒体でも実現可能である。
サーバ格納部51等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報がサーバ格納部51等で記憶されるようになってもよく、ネットワークや通信回線等を介して送信された情報がサーバ格納部51等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報がサーバ格納部51等で記憶されるようになってもよい。入力デバイスは、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等、何でもよい。
サーバ受信部52、およびサーバ決済指示受信部521は、通常、ネットワークや通信回線等を介して情報を受信する手段(例えば、ネットワークカードやモデム等の通信モジュール)で実現される。
サーバ受付部53、サーバ返金指示受付部531、受付部62、学校受付部71、および保護者受付部81は、入力デバイスを含むと考えても、含まないと考えてもよい。サーバ受付部53等は、入力デバイスのドライバーソフトによって、または入力デバイスとそのドライバーソフトとで実現され得る。
サーバ処理部54、サーバ決済処理部541、サーバ返金情報構成部542、および処理部65は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。処理部13等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。ただし、処理手順は、ハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
サーバ送信部55、およびサーバ返金情報送信部551は、通常、ネットワークや通信回線等を介して情報を受信する手段(例えば、ネットワークカードやモデム等の通信モジュール)で実現される。
送信部63、学校送信部72、および保護者送信部82は、通常、近距離無線の通信手段で実現されるが、ネットワークや通信回線等を介して情報を送信する手段(例えば、通信モジュール)で実現されてもよい。
受信部64は、通常、近距離無線の通信手段(例えば、Felica(登録商標)等の近距離無線通信モジュール)で実現されるが、ネットワーク等を介して情報を受信する手段で実現されてもよい。
次に、電子マネーシステム500の動作について図6および図7のフローチャートを用いて説明する。なお、既出の事項に関する説明は、省略または簡略化している。
図6は、サーバ装置5の動作を説明するフローチャートである。
(ステップS601)サーバ処理部54は、サーバ受信部52が請求情報を受信したか否かを判別する。
詳しくは、サーバ受信部52は、通常、電子マネー端末6と通信した学校端末7から、ユーザ識別子、および端末識別子等を有する請求情報を受信する。サーバ処理部54は、請求情報が受信され、かつ、当該請求情報が、サーバ格納部51に格納されているいずれかのユーザ識別子に一致するユーザ識別子を有し、かつ、当該請求情報が、サーバ格納部51に格納されているいずれかの端末識別子に対応する端末識別子を有する場合に、サーバ受信部52が請求情報を受信したと判断することは好適である。
なお、一致することは、通常、ユーザ識別子を構成する文字列の全部が一致することである。また、対応することは、例えば、端末識別子を構成する文字列の全部が一致することでもよいし、その予め決められた部分が一致することでもよい。予め決められた部分とは、例えば、端末識別子がIPアドレス等のアドレスである場合、学校名に対応するドメイン名の部分などであるが、これに限らない。そして、このことは、決済指示を受信したか否かの判別、および返金指示を受信したか否かの判別を行う場合にも当てはまる。
請求情報が受信されても、ユーザ識別子が一致しない場合、または、端末識別子が対応しない場合、通常、サーバ処理部54は、サーバ受信部52が請求情報を受信していないと判別する。
サーバ受信部52が請求情報を受信したと判別された場合はステップS601に進み、受信していないと判別された場合はステップS604に進む。
(ステップS602)サーバ処理部54は、サーバ受信部52が受信した請求情報をサーバ請求情報格納部511に蓄積する。その後、ステップS601に戻る。
(ステップS603)サーバ処理部54は、サーバ受信部52が入金情報をユーザ識別子と対に受信したか否かを判別する。
詳しくは、サーバ受信部52は、入金情報を、通常、電子マネー端末6と通信した保護者端末8から、ユーザ識別子と対に受信する。サーバ処理部54は、入金情報が受信され、かつ、これと対に受信されたユーザ識別子が、サーバ格納部51に格納されているいずれかのユーザ識別子と一致する場合に、サーバ受信部52が入金情報をユーザ識別子と対に受信したと判別することは好適である。請求情報が受信されても、ユーザ識別子が一致しない場合、通常、サーバ処理部54は、サーバ受信部52が入金情報をユーザ識別子と対に受信していないと判別する。
サーバ受信部52が入金情報をユーザ識別子と対に受信したと判別された場合はステップS604に進み、そうでないと判別された場合はステップS606に進む。
(ステップS604)サーバ処理部54は、サーバ受付部53がユーザ識別子と対に受信した入金情報を、当該ユーザ識別子に対応付けてサーバ入金情報格納部512に蓄積する。その後、ステップS601に戻る。
(ステップS605)サーバ処理部54は、サーバ受信部52が決済指示を受信したか否かを判別する。
詳しくは、サーバ受信部52は、通常、電子マネー端末6と通信した学校端末7から、端末識別子と対に、ユーザ識別子等を有する決済指示を受信する。サーバ処理部54は、決済指示が受信され、かつ、当該決済指示が、サーバ格納部51に格納されているいずれかのユーザ識別子に一致するユーザ識別子を有し、かつ、これと対に受信された端末識別子が、サーバ格納部51に格納されているいずれかの端末識別子に対応する場合に、サーバ受信部52が決済指示を受信したと判断することは好適である。
決済指示が受信されても、ユーザ識別子が一致しない場合、または、端末識別子が対応しない場合、通常、サーバ処理部54は、サーバ受信部52が決済指示を受信していないと判別する。
サーバ受信部52が決済指示を受信したと判別された場合はステップS606に進み、受信していないと判別された場合はステップ609に進む。
(ステップS606)サーバ決済処理部541は、受信された決済指示が有するユーザ識別子で識別されるユーザの、当該決済指示に対応する請求情報に対する決済処理を行う。なお、決済処理については、前述したので繰り返さない。
(ステップS607)サーバ決済処理部541は、決済処理で決済した金額(決済額)を示す金額情報を有する決済情報を構成する。
(ステップS608)サーバ送信部15は、構成された決済情報を、上記決済指示が有するユーザ識別子宛てに送信する。その後、ステップS601に戻る。
(ステップS609)サーバ処理部54は、サーバ返金指示受付部531が返金指示を受け付けたか否かを判別する。
詳しくは、サーバ返金指示受付部531は、通常、電子マネー端末6と通信した学校端末7、またはカード会社の端末等の外部の装置から、端末識別子と対に、ユーザ識別子等を有する返金指示を受信する。サーバ処理部54は、返金指示が受信され、かつ、当該返金指示が、サーバ格納部51に格納されているいずれかのユーザ識別子に一致するユーザ識別子を有し、かつ、これと対に受信された端末識別子が、サーバ格納部51に格納されているいずれかの端末識別子に対応する場合に、サーバ返金指示受付部531が返金指示を受け付けたと判断することは好適である。
返金指示が受信されても、ユーザ識別子が一致しない場合、または、端末識別子が対応しない場合、通常、サーバ処理部54は、サーバ返金指示受付部531が返金指示を受け付けていないと判別する。
サーバ返金指示受付部531が返金指示を受け付けたと判別された場合はステップS606に進み、受け付けていないと判別された場合はステップ609に進む。
(ステップS610)サーバ処理部54は、返金処理を行う。詳しくは、サーバ処理部54は、サーバ入金情報格納部512に格納されている1以上の入金情報のうち、受け付けられた返金指示が有するユーザ識別子と対になる入金情報を取得し、当該入金情報に対し、受け付けられた返金指示が有する金額情報に対応する金額分を増額する。
(ステップS611)サーバ返金情報構成部542は、受け付けられた返金指示が有するユーザ識別子と対になる入金情報をサーバ入金情報格納部512から取得し、当該入金情報を用いて返金情報を構成する。
(ステップS612)サーバ返金情報送信部551は、こうして構成された返金情報を、上記返金指示が有するユーザ識別子宛てに送信する。その後、ステップS601に戻る。
なお、図6のフローチャートにおいて、返金処理部133は、返金指示の受け付けに応じて返金処理を実行しているが、例えば、サーバ格納部51に、返金処理を実行するタイミング(例えば、卒業日等)を示すタイミング情報が格納されており、返金処理部133は、このタイミング情報に従って返金処理を実行してもよい。
また、図6のフローチャートにおいて、ステップS603およびS604は、電子マネー端末6側で入金情報の管理を行う場合には、省略してもよい。
また、図6のフローチャートにおいて、サーバ装置5の電源オンやプログラムの起動に応じて処理が開始し、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。ただし、処理の開始または終了のトリガは問わない。
る。
図7は、電子マネー端末6の動作を説明するフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、サーバ装置5側で入金情報の管理を行う場合には、必ずしも実行されなくてよい。
(ステップS701)処理部65は、受信部64が入金情報を受信したか否かを判別する。
詳しくは、例えば、当該電子マネー端末6と近距離無線通信可能となった保護者端末8が、タッチパネル等の入力デバイスを介して入金情報を受け付け、その入金情報を当該電子マネー端末6に送信する。受信部64は、保護者端末8から送信された入金情報を受信する。処理部65は、通常、当該電子マネー端末6と近距離無線通信可能となった保護者端末8から入金情報を受信した場合に、入金情報を受け付けたと判別する。入金情報を受け付けた場合はステップS702に進み、受け付けていない場合はステップS703に進む。
(ステップS702)処理部13は、受け付けられた入金情報を格納部61に蓄積する。その後、ステップS701に戻る。
(ステップS703)処理部65は、受信部64が決済情報を受信したか否かを判別する。
例えば、前述したように、当該電子マネー端末6と近距離無線通信可能となった学校端末7からの決済指示に応じて、サーバ装置5において決済処理が行われると、サーバ装置5から当該電子マネー端末6のユーザ宛てに決済情報が送信され、受信部64は、この決済情報を受信する。
受信部64が決済情報を受信した場合はステップS704に進み、受信していない場合はステップS705に進む。
(ステップS704)処理部65は、格納部61に格納されている入金情報を、こうして受信された決済情報を用いて更新する。処理部65は、通常、入金情報が有する金額情報の示す金額(例えば、入金額、合計額、残額など)から、決済情報が有する金額情報の示す決済額に対応する金額を減額する。その後、ステップS701に戻る。
(ステップS705)処理部65は、受信部64が返金情報を受信したか否かを判別する。
例えば、前述したように、当該電子マネー端末6と近距離無線通信可能となった学校端末7や外部の装置からの返金指示に応じて、サーバ装置5において返金処理が行われると、サーバ装置5から当該電子マネー端末6のユーザ宛てに返金情報が送信され、受信部64は、この返金情報を受信する。
受信部64が返金情報を受信した場合はステップS706に進み、受信していない場合はステップS701に戻る。
(ステップS706)処理部65は、格納部61に格納されている入金情報を、こうして受信された返金情報を用いて更新する。処理部65は、通常、入金情報が有する金額情報の示す金額に、返金情報が有する金額情報の示す返金額に対応する金額を減額する。その後、ステップS701に戻る。
なお、図7のフローチャートにおいて、電子マネー端末6の電源オンやプログラムの起動に応じて処理が開始し、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。ただし、処理の開始または終了のトリガは問わない。
以下、本実施の形態における電子マネーシステム500の具体的な動作について説明する。
本例の電子マネーシステム500は、サーバ装置5、2以上の電子マネー端末6、4以上の学校端末7、および2以上の保護者端末8を備える。サーバ装置5は、電子マネーシステム500を運営する企業のサーバである。サーバ装置5は、4以上の学校端末7および2以上の保護者端末8の各々と、インターネット等のネットワークを介して通信可能に接続されている。
4以上の学校端末7のうち2以上は、ある学校Xの端末であり、学校Xの教職員によって操作される。学校Xの2以上の学校端末7のうち一つは、一の教室に設置され、その教室の担任である教員(以下、単に教員、または学校Xの教員と記す場合がある)によって操作される。一の教室とは、学校Xの一の生徒であるユーザAAが属する教室(以下、単に教室、または学校Xの教室と記す場合がある)である。教員は、例えば給食費や教材費といった、どの生徒にも共通する費用の徴収も担当する。
学校Xの2以上の学校端末7のうち他の一つは、学校Xの職員室に設置され、各教職員によって操作される。この学校端末7は、例えば、写真代や部活費といった、生徒によって異なる費用の徴収に使われる。
学校Xの教室の学校端末7を構成する学校送信部72は、端末識別子“aaa”を保持している。また、学校Xの職員室の学校端末7を構成する学校送信部72は、端末識別子“bbb”を保持している。
2以上の電子マネー端末6のうち一の電子マネー端末6は、ユーザAAによって携帯されるICカードである。以下では、この電子マネー端末6を、単に電子マネー端末6、またはユーザAAの電子マネー端末6と記す場合がある。
2以上の保護者端末8のうち一の保護者端末8は、ユーザAAの保護者によって利用される端末であり、例えば、自宅のPCである。以下では、この保護者端末8を、単に保護者端末8、またはユーザAAの保護者端末8と記す場合がある。
また、4以上の学校端末7のうち他の2以上は、他の学校Yの端末であり、学校Yの教職員によって操作される。学校Yの2以上の学校端末7のうち一つは、一の教室に設置され、その教室の担任である教員(以下、学校Yの教員と記す場合がある)によって操作される。一の教室とは、学校Yの一の生徒であるユーザBBが属する教室(以下、学校Yの教室と記す場合がある)である。
学校Yの2以上の学校端末7のうち他の一つは、学校Yの職員室に設置され、各教職員によって操作される。
学校Yの教室の学校端末7を構成する学校送信部72は、端末識別子“ccc”を保持している。また、学校Yの職員室の学校端末7を構成する学校送信部72は、端末識別子“ddd”を保持している。
2以上の電子マネー端末6のうち他の一の電子マネー端末6は、ユーザBBによって携帯されるICカードである。以下では、この電子マネー端末6を、ユーザBBの電子マネー端末6と記す場合がある。
2以上の保護者端末8のうち他の一の保護者端末8は、ユーザBBの保護者によって利用される端末(例えば、自宅のPC等)である。以下では、この保護者端末8を、ユーザBBの保護者端末8と記す場合がある。
ユーザAAの保護者端末8を構成する保護者送信部82は、ユーザAAを識別するユーザ識別子“AA”を保持している。ユーザBBの保護者端末8を構成する保護者送信部82は、ユーザBBを識別するユーザ識別子“BB”を保持している。
ユーザAAの電子マネー端末6を構成する格納部61には、ユーザ識別子“AA”が格納されている。ユーザBBの電子マネー端末6を構成する格納部61には、ユーザ識別子“BB”が格納されている。
サーバ装置5を構成するサーバ格納部51には、4以上の学校端末7を識別する4以上の端末識別子“aaa”,“bbb”,“ccc”,“ddd”,…が格納されている。また、サーバ格納部51には、2以上のユーザを識別するユーザ識別子”AA”,“BB”,…が格納されている。
サーバ入金情報格納部512には、2以上の入出金管理情報が、ユーザ識別子に対応付けて格納される。図8は、本実施の形態における入出金管理情報のデータ構造図である。ユーザ識別子が対応付いている点を除けば、入出金管理情報それ自体のデータ構造は、実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
サーバ入金情報格納部512には、例えば、実施の形態1で説明した入出金管理情報(図3参照)と同様の入出金管理情報が、ユーザ識別子“AA”に対応付けて格納される。また、サーバ入金情報格納部512には、入金額“¥1500”と、日時“1/15 17:00”と、当該時点での残額“¥1500”との組を有する他の入出金管理情報が、ユーザ識別子“BB”に対応付けて格納される。
サーバ請求情報格納部511には、2以上の請求情報が格納される。図9は、本実施の形態における請求情報のデータ構造図である。請求情報のデータ構造は、請求を受けるユーザを識別するユーザ識別子をさらに有する点を除けば、実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
サーバ請求情報格納部511には、例えば、実施の形態1で説明した請求情報1〜3(図4参照)において、ユーザ識別子“AA”をさらに有する請求情報1〜3が格納される。また、サーバ請求情報格納部511には、ユーザ識別子“BB”、金額情報“¥1500”、項目識別子“給食費”、端末識別子“ccc”、および期限情報“1/16”を有する請求情報4も格納される。
現在の日付は、2月15日であり、サーバ入金情報格納部512には、図8に示した2以上の入出金管理情報のうち、ユーザ識別子“AA”に対応する入出金管理情報だけが格納され、ユーザ識別子“BB”に対応する入出金管理情報は未だ格納されていないとものする。また、請求情報格納部113には、図9に示した4以上の請求情報のうち、請求項情報1〜3が格納され、請求情報4は未だ格納されておらず、請求項情報1〜3には、決済完了を示すフラグが付されているものとする。
この日、学校Yの教室において、教員が、学校端末7の入力デバイスを操作して、一の請求情報を入力したとする。この請求情報は、金額情報“¥1500”、項目識別子“給食費”、端末識別子“ccc”、および期限情報“2/16”を有する。学校受付部71は、当該請求情報を受け付け、保持する。その後、ユーザBBが電子マネー端末6を学校端末7にかざすと、電子マネー端末6と学校端末7とが近距離無線通信可能になり、学校端末7の学校送信部72は、当該請求情報を、インターネット等のネットワークを介してサーバ装置5に送信する。なお、学校送信部72は、当該請求情報を、近距離無線を介して電子マネー端末6にも送信してよい。
サーバ装置5において、サーバ受信部52が上記請求情報を受信し、サーバ処理部54は、受信された請求情報に含まれるユーザ識別子“BB”がサーバ格納部51に格納されており、かつ、受信された請求情報に含まれる端末識別子“ccc”もサーバ格納部51に格納されていることから、受信された請求情報をID“4”に対応付けて、サーバ請求情報格納部511に蓄積する。これによって、サーバ請求情報格納部511には、決済済みの請求情報1〜3に加えて、前述した請求情報4(図9参照)が、さらに格納される結果となる。なお、電子マネー端末6において、受信部64が上記請求情報を受信し、処理部65は、受信された請求情報を格納部61に蓄積してもよい。
その後、ユーザBBは、帰宅し、保護者に電子マネー端末6を手渡す。保護者は、電子マネー端末6を受け取り、保護者端末8にかざす。両端末間で近距離無線通信が可能となると、サーバ送信部55は、サーバ請求情報格納部511に格納されている請求情報1〜4のうちユーザ識別子“BB”を有する請求情報4を、保護者端末8に送信する。
保護者端末8において、図示しない保護者受信部が請求情報4を受信し、図示しない保護者出力部は、受信された請求情報4を、ディスプレイ等の出力デバイスを介して出力する。これによって、ディスプレイに、例えば「給食費1500円を2月16日までにお支払いください。」といった請求情報が表示される。保護者は、保護者端末8の入力デバイスを介して、請求額に対応する入金額“¥1500”を示す金額情報を有する入金情報を入力する。
保護者受付部81は、かかる入金情報の入力を受け付け、保護者送信部82は、当該入金情報を、ユーザ識別子“BB”と対に、サーバ装置5に送信する。なお、保護者送信部82は、当該入金情報を、電子マネー端末6にも送信してよい。
サーバ装置5において、サーバ受信部52が上記入金情報をユーザ識別子“BB”と対に受信し、サーバ処理部54は、受信された入金情報をユーザ識別子“BB”に対応付けてサーバ入金情報格納部512に蓄積する。これによって、サーバ入金情報格納部512には、ユーザ識別子“AA”に対応する入出金管理情報に加えて、ユーザ識別子“BB”に対応する入出金管理情報(図8参照)が、さらに格納される結果となる。
なお、電子マネー端末6において、受信部64が上記入金情報を受信し、処理部65は、受信された入金情報を格納部61に蓄積してもよい。この場合、電子マネー端末6に蓄積される入金情報は、サーバ入金情報格納部512に蓄積される入金情報と同じでなくてもよく、例えば、入金額等を示す金額情報を有さず、日時を示す日時情報だけを有していても構わない。
翌2月16日、ユーザBBは、学校Yに登校し、教室の学校端末7に電子マネー端末6をかざす。両端末間で近距離無線通信が可能となると、学校端末7の出力デバイスを介して、その旨の報知(例えば、「ピッ」等の電子音など)が出力され、教員は、学校端末7の入力デバイスを介して、上記給食費に対応する決済額“¥1500”を示す金額情報を有する決済指示を入力する。学校端末7において、学校受付部71がこの決済指示を受け付け、学校送信部72は、当該決済指示をサーバ装置5に送信する。送信される決済指示は、上記金額情報に加えて、ユーザ識別子“BB”と、端末識別子“ccc”とをさらに有する。
サーバ装置5において、サーバ受信部52が、上記決済指示を受信する。受信された決済指示に含まれるユーザ識別子“BB”がサーバ格納部51に格納されており、かつ、受信された請求情報に含まれる端末識別子“ccc”もサーバ格納部51に格納されていることから、サーバ決済処理部541は、受信された決済指示が有するユーザ識別子“BB”で識別されるユーザBBの、当該決済指示に対応する請求情報4に対する決済処理を行う。
請求情報4に対する決済処理とは、例えば、金額情報が示す請求額“¥1500”を、ユーザ識別子“BB”で識別されるユーザBBの保護者の口座から、端末識別子“ccc”で識別される学校端末7が属する学校Yの口座に振り替えると共に、ユーザ識別子“BB”に対応付けてサーバ入金情報格納部512に格納されている上記入出金管理情報(図8参照)の後に、出金額“¥1500”と、日時“2/16 8:50”と、残額“0”とを含む新たな入出金管理情報を追加することであってもよい。
サーバ決済処理部541は、かかる決済処理に関する決済情報を構成し、サーバ送信部55は、構成された決済情報をユーザ識別子“BB”宛てに送信する。請求情報4に対する決済処理が完了すると、サーバ決済処理部541は、請求情報4に決済済みを示すフラグを付加する。
ユーザBB宅の保護者端末8において、図示しない保護者受信部が上記決済情報を受信し、保持する。
その後、ユーザBBは、帰宅し、保護者に電子マネー端末6を手渡す。保護者は、電子マネー端末6を受け取り、保護者端末8にかざす。両端末間で近距離無線通信が可能となると、保護者端末8において、図示しない保護者出力部は、図示しない保護者受信部が保持している決済情報を、ディスプレイ等の出力デバイスを介して出力する。これによって、ディスプレイに、例えば「2月分の給食費1500円の支払いが完了しました。」といった決済情報が表示される。他方、保護者送信部82は、図示しない保護者受信部が保持している決済情報を、電子マネー端末6に送信してもよい。
電子マネー端末6において、受信部64が、上記決済情報を受信し、処理部65は、格納部61に格納されている入出金管理情報が有する金額情報の示す残額“¥1500”を、受信された決済情報を用いて“0”に減額してもよい。
後日、学校Yの教室において、教員が、学校端末7の入力デバイスを操作して、返金指示を入力したとする。この返金指示は、金額情報“¥1500”、項目識別子“給食費”、および端末識別子“ccc”を有する。学校受付部71は、当該返金指示を受け付け、保持する。その後、ユーザBBが電子マネー端末6を学校端末7にかざすと、電子マネー端末6と学校端末7とが近距離無線通信可能になり、学校端末7の学校送信部72は、当該返金指示をサーバ装置5に送信する。
サーバ装置5において、サーバ返金指示受付部531が上記返金指示を受信し、サーバ処理部54は、受信された返金指示に含まれるユーザ識別子“BB”がサーバ格納部51に格納されており、かつ、受信された返金指示に含まれる端末識別子“ccc”もサーバ格納部51に格納されていることから、サーバ処理部54は、受信された返金指示に対応する返金処理を実行する。
受信された返金指示に対する返金処理とは、例えば、当該返金指示が有する金額情報が示す返金額“¥1500”を、端末識別子“ccc”で識別される学校端末7が属する学校Yの口座から、ユーザ識別子“BB”で識別されるユーザBBの保護者の口座に振り替えると共に、ユーザ識別子“BB”に対応付けてサーバ入金情報格納部512に格納されている入出金管理情報であり、出金額“¥1500”と、日時“2/16 8:50”と、残額“0”とを含む上記新たな入出金管理情報を削除し、かつ、サーバ請求情報格納部511から請求情報4を削除することであってもよい。これによって、ユーザ識別子“BB”に対応する入出金管理情報が有する金額情報の示す現時点の残額は、請求情報4に対する決済処理が行われる直前の1500円に戻る。
サーバ返金情報構成部542は、こうして行った返金処理に関する返金情報を構成し、サーバ返金情報送信部551は、構成された返金情報をユーザ識別子“BB”宛てに送信する。
ユーザBB宅の保護者端末8において、図示しない保護者受信部が上記返金情報を受信し、保持する。
その後、ユーザBBは、帰宅し、保護者に電子マネー端末6を手渡す。保護者は、電子マネー端末6を受け取り、保護者端末8にかざす。両端末間で近距離無線通信が可能となると、保護者端末8において、図示しない保護者出力部は、図示しない保護者受信部が保持している返金情報を、ディスプレイ等の出力デバイスを介して出力する。これによって、ディスプレイに、例えば「2月分の給食費1500円が返金されました。」といった返金情報が表示される。他方、保護者送信部82は、図示しない保護者受信部が保持している返金情報を、電子マネー端末6に送信してもよい。
電子マネー端末6において、受信部64が、上記返金情報を受信し、処理部65は、格納部61に格納されている入出金管理情報が有する金額情報の示す残額“0”を、受信された返済情報を用いて、“¥1500”に増額してもよい。
以上、本実施の形態によれば、記録媒体は、ユーザ識別子に対応付けて、入金の情報である入金情報が格納されるサーバ入金情報格納部511を具備し、サーバ装置5は、学校端末7等の特定の端末と通信する電子マネー端末6または特定の端末から、ユーザ識別子を有する決済指示を受信し、決済指示の受信に応じて、決済指示が有するユーザ識別子と対になる入金情報を用いて、決済指示に対応する決済処理を行うことにより、電子マネー端末6またはこれと通信した特定の端末からの指示によってのみ決済が行える。
また、記録媒体は、請求に関する1以上の請求情報が格納されるサーバ請求情報格納部511をさらに具備し、サーバ装置5は、決済指示の受信に応じて、決済指示が有するユーザ識別子で識別されるユーザの、決済指示に対応する請求情報に対する決済処理を行うことにより、電子マネー端末6またはこれと通信した特定の端末からの指示によってのみ、当該電子マネー端末6のユーザへの請求を決済できる。
また、サーバ請求情報格納部511には、2以上の請求情報が格納され、各請求情報は、特定の端末を識別する端末識別子に対応付いており、決済指示は、ユーザ識別子と、電子マネー端末6と通信した特定の端末の端末識別子とを有し、サーバ装置5は、決済指示の受信に応じて、決済指示が有するユーザ識別子で識別されるユーザの、決済指示が有する端末識別子に対応付いた請求情報に対する決済処理のみを行えることにより、電子マネー端末6と通信した特定の端末からの指示を受け、当該電子マネー端末6のユーザへの請求であり、当該特定の端末に対応付いた請求のみを決済できる。
また、サーバ装置5は、返金指示を受け付け、返金指示に応じて、返金する金額を示す金額情報を有する返金情報を構成し、返金情報を電子マネー端末6に送信することにより、電子マネー端末6への返金ができる。
また、記録媒体は、ユーザ識別子に対応付けて、入金情報が格納されるサーバ入金情報格納部512をさらに具備し、サーバ装置5は、外部の装置から、ユーザ識別子を有する返金指示を受信し、返金指示が有するユーザ識別子と対になる入金情報をサーバ入金情報格納部512から取得し、入金情報を用いて返金情報を構成することにより、外部からの指示により、ユーザの電子マネー端末6への返金ができる。
また、請求情報は、期限を示す期限情報を有し、サーバ装置5は、期限情報が示す期限を過ぎた請求情報に対応する返金情報を構成し、返金情報を電子マネー端末6に送信することにより、期限を過ぎた請求について返金ができる。
なお、本実施の形態におけるサーバ装置5を実現するソフトウェアは、例えば、以下のようなプログラムである。つまり、サーバ装置5のコンピュータがアクセス可能な記録媒体は、請求に関する1以上の請求情報が格納されるサーバ請求情報格納部511を具備し、このプログラムは、サーバ装置5のコンピュータを、電子マネー端末6または当該電子マネー端末6と通信した学校端末7等の特定の端末から、ユーザ識別子を有する決済指示を受信するサーバ決済指示受信部521と、決済指示の受信に応じて、決済指示が有するユーザ識別子で識別されるユーザの、決済指示に対応する請求情報に対する決済処理を行うサーバ決済処理部541として機能させるためのプログラムである。
図10は、本実施の形態におけるプログラムを実行して、サーバ装置5等を実現するコンピュータシステム900の外観図である。本実施の形態は、コンピュータハードウェアおよびその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現され得る。図10において、コンピュータシステム900は、ディスクドライブ905を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、ディスプレイ904とを備える。なお、キーボード902やマウス903やディスプレイ904をも含むシステム全体をコンピュータと呼んでもよい。
図11は、コンピュータシステム900の内部構成の一例を示す図である。図11において、コンピュータ901は、ディスクドライブ905に加えて、MPU911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、およびデータを記憶するストレージ914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915と、外部ネットワークや内部ネットワーク等のネットワークへの接続を提供するネットワークカード916と、を備える。ストレージ914は、例えば、ハードディスク、SSD、フラッシュメモリなどである。
コンピュータシステム900に、サーバ装置5の機能を実行させるプログラムは、例えば、DVD、CD−ROM等のディスク921に記憶されて、ディスクドライブ905に挿入され、ストレージ914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、ネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ストレージ914に記憶されてもよい。プログラムは、実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、ディスク921、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。また、ディスク921に代えて他の着脱可能な記録媒体(例えば、DVDやメモリカード等)を介して、プログラムがコンピュータシステム900に読み込まれてもよい。
プログラムは、コンピュータの詳細を示す901に、サーバ装置5の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能やモジュールを呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
なお、学校端末7および保護者端末8は、上述したコンピュータシステム900によって実現されてもよいし、携帯端末で実現されてよい。携帯端末の場合、上記コンピュータシステム900のようなサーバまたは据え置き型のPCの構成において、例えば、キーボード902およびマウス903はタッチパネルに、ディスクドライブ905はメモリカードスロットに、ディスク921はメモリカードに、それぞれ置き換えられることは好適である。
また、電子マネー端末6は、携帯端末で実現されてもよいし、ICカードで実現されてもよい。ICカードの場合、上記携帯端末の構成において、タッチパネル、メモリカードスロットおよびメモリカード、ならびにディスプレイ904は、通常、削除される。
さらに、かかる携帯端末またはICカードは、前述した実施の形態1におけるプログラムを実行して、電子マネー端末1をも実現し得る。学校端末2および保護者端末3は、コンピュータシステム900または携帯端末によって実現され得る。ただし、以上は例示であり、電子マネー端末1、サーバ装置5等を実現するコンピュータのハードウェア構成は問わない。
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信する送信ステップや、情報を受信する受信ステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段(例えば、サーバ受信部52、サーバ送信部55など)は、物理的に一の媒体で実現されてもよいことは言うまでもない。
また、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。