以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
(実施形態1)
図1は、X線検出装置の構成を示すブロック図である。X線検出装置は、蛍光X線分析装置であり、放射線検出装置に対応する。X線検出装置は、試料4が載置される試料ステージ41と、X線を放射するX線源31と、X線源31が放射するX線を試料4へ照射するためにX線を導くX線光学素子32と、試料4から発生した蛍光X線を検出する検出部33とを備えている。試料ステージ41は、試料保持部に対応する。試料ステージ41は、載置以外の方法で試料4を保持してもよい。X線源31は、例えばX線管である。X線光学素子32は、例えば、入射されたX線を内部で反射させながら導光するX線導管を用いたモノキャピラリレンズ、又は複数のX線導管を用いたポリキャピラリレンズである。X線源31及びX線光学素子32は、放射線照射部に対応する。検出部33は、検出した蛍光X線のエネルギーに比例した信号を出力する。X線源31はX線を放射し、X線光学素子32は、試料ステージ41に載置された試料4上にX線を収束させ、試料4にX線が照射され、試料4から蛍光X線が発生し、蛍光X線は検出部33で検出される。
また、X線検出装置は、試料4へ可視光を照射する可視光照射部11と、試料4へ近赤外光を照射する赤外光照射部12と、ミラー34と、光学顕微鏡35と、光学顕微鏡35の焦点位置を調整する調整部55とを備えている。可視光照射部11は、例えば、白色光を発光するLED(発光ダイオード)である。赤外光照射部12は、例えば、近赤外光を発光するLEDである。可視光照射部11及び赤外光照射部12は、複数の光源を含んでいてもよい。以下、可視光及び近赤外光をまとめて光と言う。試料4へ照射された光は試料4で反射又は散乱する。ミラー34は、試料4で反射又は散乱した光を反射し、光学顕微鏡35へ入射させる。光学顕微鏡35は入射された光を検出し、試料4の光学像を撮像する。調整部55は光学顕微鏡35に連結されている。調整部55は、光学顕微鏡35の位置を変更して、試料4上に焦点が合うように、光学顕微鏡35の焦点位置を調整する。調整部55は、光学顕微鏡35内の光学系を調節することによって、光学顕微鏡35が試料4の光学像を撮像する倍率を調整してもよい。なお、X線検出装置は、レンズ等の光学系を更に備えていてもよい。調整部55は、光学顕微鏡35の内部又は外部の光学系を調整することによって光学顕微鏡35の焦点位置を調整してもよい。
また、X線検出装置は、真空箱21及び試料箱22を備えている。図1中には真空箱21及び試料箱22の断面を示している。真空箱21及び試料箱22は連結している。例えば、図1に示すように、真空箱21は試料箱22の上側に配置されている。X線光学素子32、検出部33、及びミラー34は、夫々に、少なくとも一部分が真空箱21内に配置されている。X線源31及び光学顕微鏡35は、一部又は全部が真空箱21内に配置されていてもよく、真空箱21の外部に配置されていてもよい。真空箱21と試料箱22との境界の一部は、光及びX線を透過させるX線透過部23になっている。可視光照射部11及び赤外光照射部12は、試料箱22内に配置されていてもよく、真空箱21内に配置され、X線透過部23を通して試料4へ光を照射するようになっていてもよい。X線検出装置は、真空箱21の内部を真空にする図示しない排気部を備えている。
試料箱22には、真空箱21とは別の位置に、開閉可能な蓋部24が設けられている。蓋部24の一部は、光を透過させる透光部25になっている。試料ステージ41は試料箱22内に配置されている。試料ステージ41は、試料箱22の内部で移動することが可能になっている。より詳しくは、試料ステージ41は、X線透過部23に対向する位置と、透光部25に対向する位置との間を移動することが可能になっている。例えば、図1に示すように、X線透過部23は真空箱21の下部に設けられており、試料ステージ41は真空箱21よりも下側に配置されている。図1中には、X線透過部23に対向する位置にある試料ステージ41及び試料4を示し、透光部25に対向する位置にある試料ステージ41及び試料4を破線で示している。
X線透過部23に対向する位置にある試料ステージ41に載置された試料4の表面は、X線透過部23に対向する。可視光照射部11及び赤外光照射部12は、X線透過部23に対向している試料ステージ41に載置された試料4へ光を照射するように配置されている。ミラー34及び光学顕微鏡35は、試料4で反射又は散乱された光がX線透過部23を通ってミラー34で反射し、光学顕微鏡35へ入射するように、配置されている。図1中には、光を破線矢印で示している。また、X線源31、X線光学素子32及び検出部33は、X線源31からのX線がX線透過部23を通って試料4へ照射され、試料4で発生した蛍光X線がX線透過部23を通って検出部33へ入射するように、配置されている。図1中には、X線及び蛍光X線を実線矢印で示している。なお、X線検出装置は、X線光学素子32を備えていない形態であってもよい。
図2は、透光部25に対向する位置に試料ステージ41が位置している状態のX線検出装置の一部の構成を示す模式図である。試料ステージ41が透光部25に対向する位置にある状態で、使用者は、蓋部24を開放し、試料4を試料ステージ41に載置させるか、又は試料4を試料箱22から取り出す。なお、透光部25は、蓋部24とは別の位置に設けられていてもよい。
X線検出装置は、試料4へ可視光を照射する可視光照射部13と、試料4へ近赤外光を照射する赤外光照射部14と、試料4を透光部25を通して撮影するマクロカメラ36とを備えている。可視光照射部13、赤外光照射部14及びマクロカメラ36は試料箱22外に配置されている。可視光照射部13及び赤外光照射部14は、発光した光が透光部25を通り、透光部25に対向する位置にある試料ステージ41に載置された試料4へ光が照射されるように配置されている。また、マクロカメラ36は、試料4で反射又は散乱した光が透光部25を通ってマクロカメラ36へ入射するように配置されている。図2中には、光を実線矢印で示している。なお、可視光照射部13及び赤外光照射部14は、試料箱22内に配置されていてもよい。また、可視光照射部及び赤外光照射部は、固定されているのではなく、試料ステージ41と共に移動する形態であってもよい。
光学顕微鏡35及びマクロカメラ36は、撮像部に対応する。光学顕微鏡35及びマクロカメラ36は、共に、撮像素子を有し、入射された光を検出し、試料4の光学像を撮像する。撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)を用いたイメージセンサである。一般的に、撮像素子は可視光に加えて近赤外光を検出することが可能である。
図3は、発光される可視光及び近赤外光の波長範囲の例を示す模式的特性図である。図中の横軸は波長を示し、縦軸は光の相対強度を示す。図中には、可視光照射部11及び13並びに赤外光照射部12及び14の発光波長領域を実線で示している。例えば、可視光照射部11及び13が発光する可視光の波長領域は、380nm〜780nmであり、赤外光照射部12及び14が発光する近赤外光の波長領域は、780nm〜1000nmである。可視光照射部11及び13が発光する可視光の波長領域と、赤外光照射部12及び14が発光する近赤外光の波長領域とは、重なっていない。また、図中には、撮像素子が検出することができる光の波長範囲を破線で示している。撮像素子は、可視光照射部11及び13が発光する可視光と赤外光照射部12及び14が発光する近赤外光との両方を検出することができる。
光学顕微鏡35及びマクロカメラ36は、カラーフィルタを有している。例えば、光学顕微鏡35及びマクロカメラ36は、カラーフィルタは、R(赤)、G(緑)及びB(青)の夫々の光を透過させるカラーフィルタを有している。図4は、カラーフィルタが透過させる光の波長範囲の例を示す模式的特性図である。図中の横軸は波長を示し、縦軸は光の相対強度を示す。図中には、撮像素子が検出することができる光の波長範囲を実線で示している。また、Rのカラーフィルタが透過させる光の波長範囲を二点鎖線で示し、Gのカラーフィルタが透過させる光の波長範囲を一点鎖線で示し、Bのカラーフィルタが透過させる光の波長範囲を破線で示している。夫々のカラーフィルタは、RGBの夫々の光を透過させる。更に、図4に示すように、RGBのカラーフィルタはいずれも、780nm〜1000nmの近赤外光を透過させることができる。
光学顕微鏡35及びマクロカメラ36が有する撮像素子へは、カラーフィルタを透過した光が入射される。従来では、近赤外光が迷光となることを防止するために、近赤外光を遮断する近赤外カットフィルタが用いられていた。光学顕微鏡35及びマクロカメラ36は、撮像素子へ入射する近赤外カットフィルタを有していない。このため、近赤外光は撮像素子へ入射することができ、光学顕微鏡35及びマクロカメラ36は、近赤外光を検出することができる。試料4に可視光が照射された場合、光学顕微鏡35及びマクロカメラ36は、RGBの各色の光を検出し、各色の光学像を撮像することができる。例えば、光学顕微鏡35及びマクロカメラ36は、各色の光学像からカラーの画像を生成することができる構成になっている。また、試料4に近赤外光が照射された場合、光学顕微鏡35及びマクロカメラ36は、近赤外光を検出し、近赤外光の光像である近赤外光像を撮像することができる。
マクロカメラ36は第1撮像部に対応し、光学顕微鏡35は第2撮像部に対応する。マクロカメラ36は、試料ステージ41に載置された試料4の全体の光学像を撮像するように構成されている。光学顕微鏡35は、試料4上のマクロカメラ36が撮像する範囲よりも狭い範囲を光学的に拡大して撮像する。即ち、光学顕微鏡35は、試料4の一部を拡大した光学像を撮像する。
検出部33には、検出部33が出力した信号を処理する信号処理部52が接続されている。信号処理部52は、検出部33が出力した各値の信号をカウントし、検出された蛍光X線のエネルギーとカウント数との関係、即ち蛍光X線のスペクトルを生成する処理を行う。信号処理部52は、分析部53に接続されている。分析部53は、演算を行う演算部及びデータを記憶するメモリを含んで構成されている。信号処理部52は、生成したスペクトルを示すデータを分析部53へ出力する。分析部53は、信号処理部52からのデータを入力され、入力されたデータが示すスペクトルに基づいて、試料4に含まれる元素の定性分析又は定量分析を行う。試料ステージ41には、試料ステージ41を駆動させる駆動部54が連結されている。駆動部54は、例えばステッピングモータを用いて構成されている。駆動部54の動作によって、試料ステージ41は試料箱22内を移動する。
X線検出装置は、更に、制御部51を備えている。可視光照射部11及び13、赤外光照射部12及び14、X線源31、光学顕微鏡35、マクロカメラ36、信号処理部52、分析部53、駆動部54並びに調整部55は、制御部51に接続されている。また、制御部51には、液晶ディスプレイ等の表示部56と、使用者からの操作を受け付けるキーボード及びポインティングデバイス等の操作部57とが接続されている。
図5は、制御部51の構成例を示すブロック図である。制御部51は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータを用いて構成されている。制御部51は、演算を行うCPU(Central Processing Unit )511と、演算に伴って発生する一時的な情報を記憶するRAM(Random Access Memory)512と、光ディスク等の記録媒体50から情報を読み取るドライブ部513と、不揮発性の記憶部514と、インタフェース部516を備えている。インタフェース部516には、可視光照射部11及び13、赤外光照射部12及び14、X線源31、光学顕微鏡35、マクロカメラ36、信号処理部52、分析部53、駆動部54並びに調整部55が接続されている。記憶部514は例えばハードディスクである。
CPU511は、記録媒体50からコンピュータプログラム515をドライブ部513に読み取らせ、読み取ったコンピュータプログラム515を記憶部514に記憶させる。CPU511は、必要に応じてコンピュータプログラム515を記憶部514からRAM512へロードし、ロードしたコンピュータプログラム515に従って制御部51に必要な処理を実行する。なお、制御部51はドライブ部513を備えていなくてもよい。コンピュータプログラム515は、図示しない外部のサーバ装置から制御部51へダウンロードされて記憶部514に記憶されてもよい。また、制御部51は、外部からコンピュータプログラム515を受け付けるのではなく、コンピュータプログラム515を記録した記録媒体を内部に備えた形態であってもよい。
制御部51は、可視光照射部11及び13、赤外光照射部12及び14、X線源31、光学顕微鏡35、マクロカメラ36、信号処理部52、分析部53、駆動部54、調整部55、表示部56及び操作部57の動作を制御する。また、制御部51は、使用者が操作部57を操作することにより使用者からの処理指示を受け付け、受け付けた処理指示に応じてX線検出装置の各部を制御する。表示部56は、光学顕微鏡35及びマクロカメラ36が撮像した光学像に基づいた画像を表示する。表示部56は、信号処理部52が生成した蛍光X線スペクトル又は分析部53による分析結果を表示してもよい。また、制御部51及び分析部53は同一のコンピュータで構成されていてもよい。
図6は、X線検出装置が実行するX線分析の処理の手順を示すフローチャートである。制御部51は、CPU511がコンピュータプログラム515に従った処理を実行することによって、必要な処理を実行する。試料ステージ41が透光部25に対向した位置にある状態で、使用者は、蓋部24を開放して試料ステージ41に試料4を載置させ、蓋部24を閉鎖し、操作部57を操作してX線分析の開始の指示を入力する(S1)。制御部51は、X線分析の開始の指示を操作部57から受け付ける。なお、X線検出装置は、試料ステージ41に試料4が載置されたことを検出するためのセンサを備え、試料4の載置を検出した場合に以降の処理を実行する形態であってもよい。
X線検出装置は、マクロカメラ36で試料4の光学像を撮像する撮像処理を行う(S2)。図7は、撮像処理のサブルーチンの手順を示すフローチャートである。制御部51は、可視光照射部13を発光させ、可視光照射部13に試料4へ可視光を照射させる(S21)。制御部51は、試料4に可視光が照射されている状態で、マクロカメラ36に試料4の光学像を撮像させる(S22)。光学像は、カラーであってもよく、単色であってもよい。例えば、カラーの光学像は、RGBの三色の光学像を含んでいる。マクロカメラ36は、光学像のデータを制御部51へ入力する。制御部51では、光学像のデータはインタフェース部516に入力され、CPU511は、光学像のデータを記憶部514に記憶させる。制御部51は、可視光照射部13に発光を停止させて、試料4への可視光の照射を停止する(S23)。
制御部51は、次に、赤外光照射部14を発光させ、赤外光照射部14に試料4へ近赤外光を照射させる(S24)。制御部51は、試料4に近赤外光が照射されている状態で、マクロカメラ36に試料4の光学像を撮像させる(S25)。光学像は、単色である。マクロカメラ36は、光学像のデータを制御部51へ入力し、制御部51は、光学像のデータを記憶部514に記憶する。制御部51は、赤外光照射部14に発光を停止させて、試料4への近赤外光の照射を停止する(S26)。S21、S23、S24及びS26の処理は、照射切替部に対応する。S21〜S26の処理により、X線検出装置は、試料4へ可視光と近赤外光とを交互に照射し、可視光及び近赤外光の夫々を照射された試料4の光学像を個別に撮像し、制御部51は夫々の光学像を取得する。なお、S21〜S23の処理とS24〜S26の処理とは、入れ替わってもよい。即ち、可視光を照射された試料4の光学像と近赤外光を照射された試料4の光学像とを撮像する順番は逆であってもよい。
制御部51は、次に、可視光を照射された試料4の光学像と近赤外光を照射された試料4の光学像との差分を表す差分画像を生成する(S27)。S27では、CPU511は、可視光を照射された試料4の光学像のデータから、光学像を表す可視画像を生成する。可視光を照射された試料4の光学像がカラーである場合は、CPU511は、カラーの可視画像を生成する。例えば、CPU511は、ベイヤー変換を行って、カラーの可視画像を生成する。また、CPU511は、カラーの可視画像を単色の画像へ変換する。単色の可視画像は、グレースケール画像であってもよく、二値画像であってもよい。CPU511は、近赤外光を照射された試料4の光学像のデータから、光学像を表す近赤外画像を生成する。近赤外画像を生成する際は、CPU511は、ベイヤー変換を行わない。更に、CPU511は、単色の可視画像と近赤外画像との差分を表す差分画像を生成する。例えば、CPU511は、画像の各画素における画素値の差分を計算し、計算した差分値を各画素における画素値とした差分画像を生成する。
なお、単色の可視画像は、RGBの全ての情報を用いて生成されてもよく、RGBいずれかの単色の可視画像であってもよい。また、CPU511は、使用者による操作部57の操作に応じて、RGBいずれの単色の可視画像を生成するのかを選択してもよい。試料4の色によって、光の吸収及び反射が異なり、単色の可視画像と近赤外画像との差が異なる。例えば、試料4が緑色である場合は、Gの光が試料4の表面で反射し、近赤外光は試料4の表面を透過するので、Gの色の可視画像と近赤外画像との差が大きくなる。CPU511は、差分画像のデータを記憶部514に記憶させる。S27の処理は、差分画像生成部に対応する。S27が終了した後は、制御部51はS2の撮像処理を終了して処理をメインの処理へ戻す。
図8は、試料4の光学像に基づいた画像の例を示す模式図である。図8Aは可視画像の例を示し、図8Bは近赤外画像の例を示し、図8Cは差分画像の例を示す。図8には、試料4が配線基板である例を示している。図8Aに示すように、可視画像では、配線基板上に配置されたチップ611が明瞭に写っているものの、配線基板の内部に設けられた配線パターンは不明瞭である。図8Bに示すように、近赤外画像では、可視画像に比べて、配線パターン612がより明瞭になる。差分画像では、可視画像と近赤外画像との差分が表されるので、片方の画像のみに明瞭に写っている部分が強調される。図8Cに示す例では、可視画像では不明瞭であり近赤外画像では明瞭に写っている配線パターン612が強調されている。撮像素子が近赤外光を検出する感度は可視光を検出する感度に比べて低いので、近赤外画像の画素値は小さくなりやすい。X線検出装置は、近赤外画像の画素値を大きくする処理を行うことが望ましい。例えば、X線検出装置は、S24の処理で近赤外光の照射強度を可視光よりも大きくするか、又はS25の処理で近赤外光での撮像時の露光時間を可視光よりも長くする。近赤外画像の画素値を大きくした場合は、可視画像及び近赤外画像の両方に写った部分が差分を計算する際に取り除かれ易くなり、可視画像と近赤外画像との差が明確に差分画像で表される。また、X線検出装置は、適切な差分画像を生成するために、可視画像の画素値を調整してもよい。
S2の処理の後、制御部51は、駆動部54に、試料ステージ41をX線透過部23に対向する位置へ移動させる(S3)。制御部51は、次に、試料4の光学像に基づいた画像を表示部56に表示させる表示処理を行う(S4)。図9は、表示処理のサブルーチンの手順を示すフローチャートである。制御部51は、記憶部514に記憶しているデータに基づいて、試料4の光学像に基づいた画像を表示部56に表示させる(S31)。S31では、制御部51は、図8に示す如き可視画像、近赤外画像又は差分画像を表示部56に表示させる。制御部51は、次に、使用者が操作部57を操作して画像変更の指示を入力することによる、画像変更の指示の受付を待ち受ける(S32)。画像変更の指示を受け付けた場合は(S32:YES)、制御部51は、受け付けた指示に従って、表示すべき画像を変更し(S33)、処理をS31へ戻して変更した画像を表示部56に表示させる。S31〜S33の処理は、画像切替部に対応する。
図10及び図11は、実施形態1に係るX線検出装置での画像の表示例を示す模式図である。図10は、可視画像を含む画像を表示部56が表示した例を示している。可視画像61が表示されており、また、表示する画像として可視画像、近赤外画像及び差分画像の内の可視画像が選択されていることを示す選択部62が表示されている。表示されている画像とは別の画像が選択部62で選択されるように、使用者が操作部57を操作することにより、画像変更の指示が制御部51へ入力される。図11は、近赤外画像を含む画像を表示部56が表示した例を示している。近赤外画像65が表示されており、また、表示する画像として近赤外画像が選択されていることを示す選択部62が表示されている。差分画像の表示の指示が制御部51へ入力された場合は、同様に、差分画像を含む画像が表示部56に表示される。画像変更の指示の入力は、図10及び図11に示したようにGUI(Graphical User Interface)を用いて行われてもよく、操作部57に含まれる特定のキーを使用者が押下することによって行われてもよい。
画像変更の指示が無い場合は(S32:NO)、制御部51は、使用者が操作部57を操作して画像の表示倍率の変更の指示を入力することによる、倍率変更の指示の受付を待ち受ける(S34)。表示倍率は、マクロカメラ36が撮像した試料4の光学像に基づいた画像の一部を拡大して表示する際の倍率である。ここで、表示倍率は、予め定められている所定倍率以下の倍率であるとする。S34では、制御部51は、表示倍率を大きくする指示を受け付ける場合に、表示されている画像の中で拡大する部分を指定する指示をも受け付ける。倍率変更の指示を受け付けた場合は(S34:YES)、制御部51は、表示倍率を変更した可視画像、近赤外画像及び差分画像を生成し(S35)、処理をS31へ戻して、表示倍率を変更した画像を表示部56に表示させる。S35では、制御部51は、マクロカメラ36が撮像した試料4の光学像に基づいた画像の一部を抽出して拡大する所謂デジタルズームの処理を行う。S31、S34及びS35の処理は、倍率調整部に対応する。
図12は、表示倍率を変更した近赤外画像の例を示す模式図である。図12Aは試料4の全体の光学像を示す近赤外画像であり、図12Bは表示倍率を二倍にした近赤外画像であり、図12Cは表示倍率を四倍にした近赤外画像である。同様にして、可視画像及び差分画像の表示倍率を変更することも可能である。
S31、S34及びS35の処理により表示倍率を変更した後に、S31〜S33の処理により画像を変更する場合は、制御部51は、変更後の画像を、変更後の表示倍率で表示部56に表示させる。即ち、表示する画像を変更しても、表示倍率は維持される。なお、制御部51は、S4の処理と並行してS2の処理を繰り返し実行し、最新の可視画像、近赤外画像又は差分画像を表示部56に表示させてもよい。倍率変更の指示の受付が無い場合は(S34:NO)、制御部51は、S4の表示処理を終了して処理をメインの処理へ戻す。
制御部51は、次に、使用者が操作部57を操作して表示倍率の変更の指示を入力することによる、所定倍率を超過した表示倍率へ画像の表示倍率を変更するような指示の受付を待ち受ける(S5)。S5の処理は、倍率指定受付部に対応する。所定倍率を超過した表示倍率への変更の指示を受け付けた場合は(S5:YES)、制御部51は、駆動部54に、試料ステージ41の位置を調整させる(S6)。制御部51は、S5では、表示されている画像の中で拡大すべき部分を指定する指示をも受け付け、S6では、画像中の拡大すべき部分に対応する試料4上の部分が光学顕微鏡35の視野に含まれるように、試料ステージ41の位置を制御する。制御部51の記憶部514は、マクロカメラ36が撮像した光学像に基づいた画像中の各部分に関連付けて、各部分に対応する試料4上の部分が光学顕微鏡35の視野の中心に位置するように試料ステージ41を移動させるための移動方向及び移動距離を記録した移動データ517を予め記憶している。制御部51は、移動データ517を利用して、試料ステージ41の位置を制御する。
X線検出装置は、光学顕微鏡35で試料4の光学像を撮像する撮像処理を行う(S7)。S7の撮像処理では、マクロカメラ36で試料4の光学像を撮像するS2の撮像処理と同様にして、光学顕微鏡35で試料4の光学像を撮像する処理が行われる。制御部51は、S21で、可視光照射部11に試料4へ可視光を照射させ、S22で、可視光が照射された試料4の光学像を光学顕微鏡35に撮像させ、S23で、可視光照射部11に可視光の照射を停止させる。制御部51は、S24で、赤外光照射部12に試料4へ近赤外光を照射させ、S25で、近赤外光が照射された試料4の光学像を光学顕微鏡35に撮像させ、S26で、赤外光照射部12に近赤外光の照射を停止させる。光学顕微鏡35は、光学像のデータを制御部51へ入力し、制御部51は、光学像のデータを記憶部514に記憶する。制御部51は、S27で、差分画像を生成し、処理をメインの処理へ戻す。S6及びS7の処理は撮像制御部に対応する。
S7の処理の後、制御部51は、試料4の光学像に基づいた画像を表示部56に表示させる表示処理を行う(S8)。S8の表示処理では、S4の表示処理と同様の処理が行われる。図12Dは、表示倍率を、所定倍率を超過する倍率にした近赤外画像である。使用者は、試料ステージ41を移動させる指示、及び撮像部を切り替える指示をせずとも、表示倍率を変更する指示をするだけで、試料ステージ41が移動し、試料4を撮像する撮像部がマクロカメラ36から光学顕微鏡35へ切り替わる。
なお、制御部51は、S8の処理と並行してS7の処理を繰り返し実行し、最新の可視画像、近赤外画像又は差分画像を表示部56に表示させてもよい。また、制御部51は、S35では、デジタルズームの処理を行ってもよく、光学顕微鏡35が試料4の光学像を撮像する倍率を調整部55に調整させ、倍率調整後に光学顕微鏡35が撮像した光学像から可視画像、近赤外画像及び差分画像を生成してもよい。
X線検出装置は、次に、X線を照射すべき試料4上の被照射部分を特定するための特定処理を行う(S9)。図13は、特定処理のサブルーチンの手順を示すフローチャートである。制御部51は、使用者が操作部57を操作することによる、表示部56が表示する画像上の任意の領域の指定を受け付ける(S41)。S41では、GUIを用いた処理が行われる。S41の処理は領域受付部に対応する。制御部51は、表示部56が表示している画像に重ねて、指定を受け付けた領域を示す領域指定画像を表示部56に表示させる(S42)。図10及び図11では、可視画像61及び近赤外画像65の中の特定の領域を破線で矩形に囲って示す領域指定画像63を可視画像61及び近赤外画像65に重ねている。S42の処理は、画像重畳部に対応する。
制御部51は、次に、使用者が操作部57を操作することによる、画像変更の指示の受付を待ち受ける(S43)。画像変更の指示を受け付けた場合は(S43:YES)、制御部51は、受け付けた指示に従って、表示すべき画像を変更し(S44)、処理をS42へ戻して、変更した画像に重ねた領域指定画像を表示部56に表示させる。表示部56が表示する画像が変更されても、領域指定画像63は、表示され続け、試料4上の同じ部分に対応する領域を示し続ける。例えば、図10に示すような領域指定画像63が重ねて表示された可視画像61が近赤外画像65へ変更された場合には、図11に示すように、近赤外画像65に重ねた領域指定画像63が表示され、可視画像61に重ねられていた領域指定画像63と近赤外画像65に重ねた領域指定画像63とは、試料4上の同じ部分に対応する領域を示す。
画像変更の指示が無い場合は(S45:NO)、制御部51は、使用者が操作部57を操作して画像の表示倍率の変更の指示を入力することによる、倍率変更の指示の受付を待ち受ける(S45)。倍率変更の指示を受け付けた場合は(S45:YES)、制御部51は、表示倍率を変更した可視画像、近赤外画像及び差分画像を生成し、表示倍率を変更した画像を表示部56に表示させる(S46)。制御部51は、次に、処理をS42へ戻して、表示倍率を変更した画像に重ねた領域指定画像を表示部56に表示させる。また、制御部51は、S46では、デジタルズームの処理を行ってもよく、光学顕微鏡35が試料4の光学像を撮像する倍率の調整後に光学顕微鏡35が撮像した光学像から可視画像、近赤外画像及び差分画像を生成してもよい。また、制御部51は、画像の表示倍率の変更に合わせて、表示部56が領域指定画像を表示する大きさ及び位置を調整する。
制御部51は、次に、使用者が操作部57を操作することによる、領域確定の指示の受付を待ち受ける(S47)。領域確定の指示の受付が無い場合は(S47:NO)、制御部51は、処理をS41へ戻して、領域の指定を再度受け付ける。S45及びS46の処理により表示倍率を変更した後に、S43及びS44の処理により画像を変更する場合は、制御部51は、変更後の画像を、変更後の表示倍率で表示部56に表示させる。領域確定の指示を受け付けた場合は(S47:YES)、制御部51は、表示部56が表示している画像中の領域指定画像が示す領域に対応する試料4上の部分を、X線を照射すべき被照射部分と特定する(S48)。S48が終了した後は、制御部51は、S9の特定処理を終了して処理をメインの処理へ戻す。
S5で、所定倍率を超過した表示倍率への変更の指示の受付が無い場合は(S5:NO)、制御部51は、処理をS9へ進め、特定処理を行う。S9の処理は、特定部に対応する。S9の処理が終了した後、制御部51は、駆動部54に、試料ステージ41の位置を調整させる(S10)。S10では、制御部51は、X線源31から放射されたX線がX線光学素子32を通って試料4上の被照射部分へ照射されるように、駆動部54を制御して、試料ステージ41の位置を調整する。
制御部51は、次に、試料4上の被照射部分をX線で走査する(S11)。S11では、制御部51の制御により、X線源31はX線を放射し、X線は試料4へ照射される。制御部51は、駆動部54に試料ステージ41を順次移動させて、被照射部分の中で点状にX線が照射される部分の位置を順次変更することにより、X線に試料4上の被照射部分を走査させる。X線が試料4を走査することにより、試料4上の被照射部分内の夫々の部分にX線が順次照射される。X線が試料4を走査することに伴い、試料4上でX線を照射された部分から発生した蛍光X線が検出部33で順次検出される。検出部33は、蛍光X線の検出に応じて順次信号を出力する。信号処理部52は、順次信号処理を行うことにより、試料4上のX線を照射された複数の部分で発生した蛍光X線のスペクトルを順次生成する。信号処理部52は、生成した蛍光X線のスペクトルのデータを順次出力する。S11の処理は走査部に対応する。
X線検出装置は、蛍光X線の検出結果に応じて、試料4上の被照射部分に含まれる元素の分布画像を生成する(S12)。S12では、分析部53は、信号処理部52から出力された蛍光X線のスペクトルのデータを受け付け、試料4上でX線を照射された部分の位置と蛍光X線のスペクトルとを関連付けたデータを記憶する。X線による試料4の走査が終了した段階で、分析部53は、試料4上の被照射部分内の各点と蛍光X線のスペクトルとを関連付けることにより、蛍光X線のスペクトルが二次元座標系上の各点に関連付けられたスペクトル分布を生成する。分析部53は、各点に関連付けられた蛍光X線のスペクトルに基づいて、元素の定量分析を行うことにより、各点における各元素の量を計算する。分析部53は、試料4上の被照射部分内の各点と各元素の量とを関連付けることにより、各元素の量が二次元座標系上の各点に関連付けられた元素分布を生成する。分析部53は、元素分布のデータを制御部51へ出力する。制御部51は、元素分布のデータを受け付け、記憶部514に記憶する。制御部51は、元素分布のデータに基づいて、試料4上の被照射部分内の元素分布を表した元素の分布画像を生成する。元素の量は蛍光X線のスペクトルに含まれる特定の信号の強度に対応するので、元素の分布画像は、被照射部分内で発生した蛍光X線の強度の分布に応じた分布画像に対応する。S12の処理は、分布画像生成部に対応する。
制御部51は、次に、生成した元素の分布画像を、表示部56に表示させる(S13)。このとき、制御部51は、図10及び図11に示すように、可視画像61、近赤外画像65又は差分画像と、領域指定画像63と同時に、元素の分布画像64を表示部56に表示させる。元素の分布画像64は、領域指定画像63で指定された領域に対応する試料4上の被照射部分に含まれる元素の分布画像である。使用者は、試料4上の被照射部分の位置と、被照射部分内の元素の分布とを同時に確認することができる。図10及び図11には、S13の処理が行われた段階での表示例を示している。S13の処理よりも前の段階では、表示部56には元素の分布画像64は表示されない。
S13が終了した後は、制御部51は、処理を終了する。制御部51は、S12で、一種類の元素の分布画像を生成してもよく、複数種類の元素の分布画像を生成してもよい。複数種類の元素の分布画像を生成した場合は、制御部51は、S13で、複数の分布画像を同時に表示部56に表示させてもよく、複数種類の元素の分布画像の表示を切り替える処理を行ってもよい。また、制御部51は、S12で、分析部53が生成したスペクトル分布に基づいて、蛍光X線のスペクトルに含まれる一又は複数の信号の強度の分布画像を生成し、S13で信号強度の分布画像を表示部56に表示させてもよい。また、制御部51は、S7〜S13の処理を適宜繰り返す処理を行ってもよい。この場合は、使用者が操作部57を操作して被照射部分が特定される都度、分布画像が表示部56に表示される。
以上詳述した如く、X線検出装置は、試料4を照明する可視光照射部11,13及び赤外光照射部12,14を備え、試料4の可視画像、近赤外画像及び差分画像を生成する。X線検出装置は、いずれかの画像を表示し、使用者の操作に応じて、X線を照射すべき試料4上の被照射部分を特定し、被照射部分からの蛍光X線を検出する。試料4に可視画像では不明瞭に表示される部分があっても、近赤外画像又は差分画像ではより明瞭に表示されることがある。使用者は、可視画像、近赤外画像及び差分画像の中で、被照射部分を指定するために必要な試料4の詳細が明瞭になる画像を使用して、容易に被照射部分を指定することができる。従って、X線検出装置は、試料4上でX線分析を行うべき領域を容易に特定し、必要なX線分析を容易に実行することが可能となる。
(実施形態2)
実施形態2に係るX線検出装置の構成は、実施形態1と同様である。また、X線検出装置は、実施形態1と同様に、S1〜S13の処理を実行する。本実施形態では、X線検出装置は、表示部56は、可視画像、近赤外画像及び差分画像の内の二つの画像を同時に表示する。
図14は、実施形態2に係るX線検出装置での画像の表示例を示す模式図である。図14は、可視画像61及び近赤外画像65を含む画像を表示部56が表示した例を示している。可視画像61及び近赤外画像65が同時に表示されており、また、表示する画像として近赤外画像65及び差分画像の内の近赤外画像65が選択されていることを示す選択部62が表示されている。また、図14には、S13の処理が行われた段階での表示例を示しており、元素の分布画像64を含む画像が表示されている。S13の処理よりも前の段階では、表示部56には元素の分布画像64は表示されない。
可視画像61及び近赤外画像65は、試料4上の同一部分の光学像を表しており、同一の表示倍率で表示されている。一方の画像に対応する試料4上の部分が変更された場合は、他方の画像に対応する試料4上の部分も変更される。一方の画像の表示倍率が変更された場合は、他方の画像の表示倍率も同様に変更される。また、領域指定画像63が可視画像61及び近赤外画像65に重ねて表示される。可視画像61及び近赤外画像65に重ねた領域指定画像63は、試料4上の同じ部分に対応する領域を示す。一方の画像に重ねられた領域指定画像63の大きさ又は位置が変更された場合は、他方の画像に重ねられた領域指定画像63の大きさ又は位置も変更される。
近赤外画像65に替わって差分画像が選択部62で選択されるように、使用者が操作部57を操作することにより、画像変更の指示が制御部51へ入力された場合は、制御部51は、表示部56に近赤外画像65を差分画像へ変更させる。このとき、表示部56は、可視画像61及び差分画像を同時に表示する。表示部56に可視画像61及び差分画像が表示されている場合でも、可視画像61及び近赤外画像65が同時に表示されている場合と同様の処理が行われる。なお、制御部51は、近赤外画像65及び差分画像を同時に表示部56に表示させる処理を行ってもよく、また、可視画像61、近赤外画像65及び差分画像の全てを同時に表示部56に表示させる処理を行ってもよい。これらの場合でも、可視画像61及び近赤外画像65が同時に表示されている場合と同様の処理が行われる。
本実施形態においても、X線検出装置は、試料4の可視画像、近赤外画像及び差分画像を生成する。X線検出装置は、複数の画像を同時に表示し、使用者の操作に応じて、X線を照射すべき試料4上の被照射部分を特定し、被照射部分からの蛍光X線を検出する。使用者は、被照射部分を指定するために必要な試料4の詳細が明瞭になる画像を使用して、容易に被照射部分を指定することができる。また、複数の画像が表示されるので、使用者は、画像を比較し、試料4の詳細がより明瞭になる画像を使用して、より容易に被照射部分を指定することができる。従って、本実施形態においても、X線検出装置は、試料4上でX線分析を行うべき領域を容易に特定し、必要なX線分析を容易に実行することが可能となる。
なお、以上の実施形態1及び2においては、X線検出装置が試料4上の被照射部分内で発生した放射線の強度の分布に応じた分布画像を生成する形態を示したが、X線検出装置は、分布画像を生成せずに、被照射部分内の元素の定性分析又は定量分析を行う形態であってもよい。また、実施形態1及び2においては、X線検出装置が撮像部として光学顕微鏡35及びマクロカメラ36を備えた形態を示したが、X線検出装置は、単一の撮像部を備えた形態であってもよい。この形態では、X線検出装置は、画像の表示倍率を変更する際に、撮像部を変更する処理を行わず、デジタルズームの処理のみによって画像の表示倍率を変更してもよい。また、実施形態1及び2においては、撮像部の光軸の外側から可視光又は近赤外光を試料4へ照射する形態を示したが、X線検出装置は、撮像部の光軸と同軸に可視光又は近赤外光を試料4へ照射する形態であってもよい。
また、実施形態1及び2においては、X線をエネルギー別に分離して検出するエネルギー分散型の形態を示したが、X線検出装置は、X線を波長別に分離して検出する波長分散型の形態であってもよい。また、実施形態1及び2においては、X線検出装置が蛍光X線を検出する形態を示したが、X線検出装置は、試料4を透過したX線を検出する形態であってもよい。また、実施形態1及び2においては、X線を試料4へ照射し、試料4から発生した蛍光X線を検出する形態を示したが、X線検出装置は、X線以外の放射線を試料4へ照射し、試料4から発生する特性X線を検出する形態であってもよい。また、X線検出装置は、放射線の方向を変更することにより試料4を放射線で走査する形態であってもよい。また、実施形態1及び2においては、放射線検出装置がX線検出装置である形態を示したが、放射線検出装置は、X線以外の放射線を検出部33で検出する形態であってもよい。例えば、放射線検出装置は、電子線を試料4へ照射し、試料4から発生する二次電子又は反射電子を検出部33で検出する形態であってもよい。
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。