JP6935220B2 - 弾性波素子、フィルタおよびマルチプレクサ - Google Patents

弾性波素子、フィルタおよびマルチプレクサ Download PDF

Info

Publication number
JP6935220B2
JP6935220B2 JP2017079947A JP2017079947A JP6935220B2 JP 6935220 B2 JP6935220 B2 JP 6935220B2 JP 2017079947 A JP2017079947 A JP 2017079947A JP 2017079947 A JP2017079947 A JP 2017079947A JP 6935220 B2 JP6935220 B2 JP 6935220B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
electrode fingers
fingers
connection
insulating layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017079947A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018182544A (ja
Inventor
松田 隆志
隆志 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Yuden Co Ltd filed Critical Taiyo Yuden Co Ltd
Priority to JP2017079947A priority Critical patent/JP6935220B2/ja
Publication of JP2018182544A publication Critical patent/JP2018182544A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6935220B2 publication Critical patent/JP6935220B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Surface Acoustic Wave Elements And Circuit Networks Thereof (AREA)

Description

本発明は、弾性波素子、フィルタおよびマルチプレクサに関し、例えば櫛型電極を有する弾性波素子、フィルタおよびマルチプレクサに関する。
携帯電話を代表とする高周波通信用システムにおいて、通信に使用する周波数帯以外の不要な信号を除去するために、高周波フィルタ等が用いられている。高周波フィルタ等には、弾性表面波(SAW:Surface acoustic wave)素子等の弾性波素子が用いられている。SAW素子においては、圧電基板上に複数の電極指を有するIDT(Interdigital Transducer)が形成されている。IDTは、複数の電極指とバスバーとを有する一対の櫛型電極を有している。弾性表面波素子を用いた高周波フィルタとして、ラダー型フィルタ(例えば特許文献1)が知られている。また、縦結合多重モードフィルタ等の多重モードフィルタが知られている(例えば特許文献2)。
特開2004−146861号公報 特開平5−251988号公報
弾性表面波素子を用いたフィルタの損失の一因として電極指の抵抗損がある。電極指の抵抗損を低減するため、電極指を形成する材料に抵抗の低い金属を用いること、電極指を短くすること、および電極指を厚くすることが考えられる。しかしながら、これらはフィルタの特性に影響する。このため、電極指の材料、長さおよび厚さを任意に設計することは難しい。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、抵抗損を低減することを目的とする。
本発明は、圧電層と、前記圧電層上に設けられ、複数の第1電極指と、前記複数の第1電極指と接続された第1バスバーと、を含む第1櫛型電極と、前記圧電層上に設けられ、少なくとも一部が前記複数の第1電極指の少なくとも一部と前記複数の第1電極指の配列方向に互い違いに設けられる複数の第2電極指と、前記複数の第2電極指と接続された第2バスバーと、を含む第2櫛型電極と、前記複数の第1電極指と前記複数の第2電極指とが前記配列方向において重なる交差領域において前記第1バスバーを介さずに前記複数の第1電極指を互いに接続する第1接続電極と、前記交差領域において前記第2バスバーを介さずに前記複数の第2電極指を互いに接続する第2接続電極と、前記複数の第1電極指を介さずに前記第1接続電極と前記第1バスバーとを電気的に接続する第1配線と、前記複数の第2電極指を介さずに前記第2接続電極と前記第2バスバーとを電気的に接続する第2配線と、を具備し、前記第1接続電極は前記第2接続電極より前記第2バスバーの方に位置する弾性波素子である。
上記構成において、前記第1接続電極および前記第2接続電極は前記交差領域内を前記配列方向に延伸する構成とすることができる。
上記構成において、前記第1接続電極は、前記複数の第1電極指の先端領域において前記複数の第1電極指に接続され、前記第2接続電極は、前記複数の第2電極指の先端領域において前記複数の第2電極指に接続されている構成とすることができる。
上記構成において、前記複数の第1電極指および前記複数の第2電極指上に設けられた絶縁層を具備し、前記第1接続電極および前記第2接続電極は前記絶縁層上に設けられている構成とすることができる。
上記構成において、前記複数の第1電極指および前記複数の第2電極指上に設けられた絶縁層を具備し、前記第1接続電極は、前記複数の第1電極指の先端領域の前記絶縁層上に設けられ、前記絶縁層に設けられた第1開口を介し前記複数の第1電極指に接続され、前記第2接続電極は、前記複数の第2電極指の先端領域の前記絶縁層上に設けられ、前記絶縁層に設けられた第2開口を介し前記複数の第2電極指に接続される構成とすることができる。
上記構成において、前記第1接続電極および前記第2接続電極は、空隙を介さず前記複数の第1電極指および前記複数の第2電極指上に設けられている構成とすることができる。
上記構成において、前記交差領域は、前記複数の第1電極指の先端領域および前記複数の第2電極指の先端領域に挟まれる中央領域を有し、前記複数の第1電極指の先端領域および前記複数の第2電極指の先端領域の弾性波の音速は前記中央領域の弾性波の音速より遅い構成とすることができる。
本発明は、上記弾性波素子をIDTとして含むフィルタである。
上記構成において、前記フィルタは多重モードフィルタである構成とすることができる。
本発明は、上記フィルタを含むマルチプレクサである。
本発明によれば、抵抗損を低減することができる。
図1は、実施例1に係るフィルタの平面図である。 図2(a)および図2(b)は、図1のA−A断面図およびB−B断面図である。 図3(a)から図3(c)は、図1のC−C断面図である。 図4(a)から図4(c)は、実施例1に係るフィルタの製造方法を示す断面図、図4(d)から図4(f)は、それぞれ図4(a)から図4(c)のA−A断面図である。 図5(a)から図5(c)は、実施例1に係るフィルタの製造方法を示す断面図、図5(d)から図5(f)は、それぞれ図5(a)から図5(c)のA−A断面図である。 図6(a)は、実施例1に係る弾性表面波素子のY方向に対する弾性波の音速を示す図、図6(b)は図1のE−E断面図である。 図7は、実施例1の変形例1に係る弾性表面波素子の平面図である。 図8は、実施例1の変形例2に係る弾性表面波素子の平面図である。 図9は、実施例1の変形例3に係る弾性表面波素子の断面図である。 図10(a)は、実施例2に係る弾性表面波素子の平面図、図10(b)は、実施例2を用いたフィルタの回路図である。 図11は、実施例2の変形例1に係るデュプレクサの回路図である。
以下図面を参照し、本発明の実施例について説明する。
図1は、実施例1に係るフィルタの平面図である。図2(a)および図2(b)は、図1のA−A断面図およびB−B断面図である。電極指25aおよび25bの配列方向をX方向、電極指25aおよび25bの延伸方向をY方向、圧電層10の上面の法線方向をZ方向とする。X方向、Y方向およびZ方向は、結晶方位のX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向と必ずしも対応しない。
図1から図2(b)に示すように、圧電層10上に金属膜12が形成されている。金属膜12は、X方向に配列したIDT31から33および反射器34を形成する。圧電層10上にIDT31から33および反射器34を覆うように絶縁層14が設けられている。絶縁層14上に接続電極16aおよび16bが設けられている。絶縁層14には開口24が設けられている。接続電極16a(および16b)と複数の電極指25a(および25b)とは開口を介し接続されている。
IDT31から33は、各々一対の櫛型電極26aおよび26bを有している。櫛型電極26aは、複数の電極指25aと複数の電極指25aが接続されたバスバー27aとを有している。櫛型電極26bは、複数の電極指25bと複数の電極指25bが接続されたバスバー27bとを有している。電極指25aと25bとはほぼ互い違いに設けられている。電極指25aおよび25bは主にX方向に伝搬する弾性表面波を励振する。電極指25aまたは25bのピッチλがほぼ弾性表面波の波長である。X方向からみて電極指25aと25bとが重なる領域が交差領域35である。交差領域35のY方向における電極指25aおよび25bの先端がそれぞれ先端領域38aおよび38bである。先端領域38aおよび38bの間の領域が中央領域36である。
接続電極16aは接続電極21a、22aおよび23aを含み、接続電極16bは接続電極21b、22bおよび23bを含む。IDT31、32および33の電極指25aは、先端領域38aにおいてそれぞれ接続電極21a、22aおよび23aと接続されている。接続電極21a、22aおよび23aは互いに接続されていない。IDT31、32および33の電極指25bは、先端領域38bにおいてそれぞれ接続電極21b、22bおよび23bと接続されている。接続電極21b、22bおよび23bは互いに接続されていない。
入力端子Tinは、配線18aを介しIDT32のバスバー27aおよび接続電極22aと電気的に接続されている。IDT32のバスバー27bは配線18bを介しグランドに電気的に接続されている。出力端子Toutは、配線18cを介しIDT31および33のバスバー27b並びに接続電極21bおよび23bに電気的に接続されている。IDT31のバスバー27aは配線18dを介しグランドに電気的に接続されている。接続電極21aは配線18eを介しグランドに電気的に接続されている。IDT33のバスバー27aおよび接続電極22bは配線18fを介しグランドに電気的に接続されている。接続電極23aは配線18gを介しグランドに電気的に接続されている。
圧電層10は、例えばタンタル酸リチウム基板、ニオブ酸リチウム基板である。圧電層10は、サファイア基板、アルミナ基板、スピネル基板またはシリコン基板上に接合されていてもよい。金属膜12は、例えば銅膜またはアルミニウム膜(銅またはアルミニウムを主成分とする膜)である。金属膜12は、銅膜またはアルミニウム膜の下および/または上に他金属の膜を含んでもよい。絶縁層14は、例えば酸化シリコン膜または窒化シリコン膜である。接続電極16aおよび16bは、例えば銅層、金層、アルミニウム層または銀層(銅、金、アルミニウムまたは銀を主成分とする膜)である。接続電極16aおよび16bは、銅層、金層、アルミニウム層または銀層等の低抵抗層の下および/または上に他金属の膜を含んでもよい。入力端子Tinおよび出力端子Toutは、例えば圧電層10上に設けられたパッドである。入力端子Tin、出力端子Toutおよび配線18aから18gは、例えば金層、銅層またはアルミニウム層等の金属層である。
縦結合二重モードフィルタでは、3つのIDT31から33が励振した弾性波は反射器34により反射される。これにより、弾性波のエネルギーはIDT31から33内に閉じ込められる。IDT31から33間の音響結合により発生する1次および3次の2つの振動モードを利用してバンドパスフィルタを形成する。
図3(a)から図3(c)は、図1のC−C断面図である。図3(a)から図3(c)は、実施例1におけるフィルタの断面形状の例を3種類示している。図3(a)に示すように、絶縁層14は金属膜12より薄い。絶縁層14の上面には金属膜12の凹凸に対応する凹凸が形成されている。接続電極16aは絶縁層14の開口24を介し電極指25aに接続されている。図3(a)では、絶縁層14はIDT等の保護膜として機能する。
図3(b)に示すように、絶縁層14は金属膜12より厚い。絶縁層14の上面は、平坦である。その他の構成は図3(a)と同じである。図3(b)では、絶縁層14は温度補償膜として機能する。絶縁層14の弾性率の温度係数は圧電層10の弾性率の温度係数と逆符号である。例えば圧電層10がニオブ酸リチウム基板またはタンタル酸リチウム基板の場合、絶縁層14として酸化シリコン膜(弗素等の元素を含んでもよい)を用いる。これにより、周波数温度係数を0に近づけることができる。
図3(c)に示すように、絶縁層14の開口24内に接続層17が設けられている。接続層17は、例えば金層、銅層またはアルミニウム層等の金属層である。接続電極16aは接続層17を介し電極指25aに接続されている。その他の構成は図3(b)と同じであり説明を省略する。図3(a)および図3(b)のように、接続電極16aおよび16bは電極指25aに直接接続されていてもよい。図3(c)のように、接続電極16aおよび16bは、接続層17を介し電極指25aと接続されていてもよい。
[実施例1の製造方法]
図3(a)の断面構造を例に実施例1の製造方法について説明する。図4(a)から図4(c)および図5(a)から図5(c)は、実施例1に係るフィルタの製造方法を示す断面図、図4(d)から図4(f)および図5(d)から図5(f)は、それぞれ図4(a)から図4(c)および図5(a)から図5(c)のA−A断面図である。図4(a)から図4(c)および図5(a)から図5(c)は、図1の範囲Dに相当する。
図4(a)および図4(d)に示すように、圧電層10上に金属膜12を形成する。金属膜12は、例えば蒸着法およびリフトオフ法、またはスパッタリング法およびエッチング法を用い形成する。金属膜12により電極指25aおよび25bが形成される。電極指25aおよび25bはX方向に交互に設けられている。金属膜12上に絶縁層14を形成する。絶縁層14は、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法またはスパッタリング法を用い形成する。図3(b)の場合、絶縁層14を厚く形成した後、絶縁層14の上面をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用い平坦化する。図4(a)において、絶縁層14を透過して金属膜12を実線で示している。
図4(b)および図4(e)に示すように、圧電層10上に金属膜12および絶縁層14を覆うようにマスク層50を形成する。先端領域38aにおける電極指25a上のマスク層50に開口52が設けられている。電極指25b上に開口52は設けられていない。マスク層50は、例えばフォトレジストであり、フォトレジストの塗布、露光および現像により開口52を有するマスク層50を形成する。図4(b)において、マスク層50および絶縁層14を透過して金属膜12を破線で示している。
図4(c)および図4(f)に示すように、マスク層50をマスクに、開口52内の絶縁層14を例えばドライエッチング法を用い除去する。絶縁層14が酸化シリコン膜の場合、エッチングガスとしてCF系等の弗素系のガスを用いる。これにより、絶縁層14に開口24が形成され、開口24から電極指25aの上面が露出する。
図5(a)および図5(d)に示すように、マスク層50を除去する。図5(b)および図5(e)に示すように、圧電層10上に金属膜12および絶縁層14を覆うようにマスク層54を形成する。先端領域38a上のマスク層54に開口56が設けられている。マスク層54は、例えばフォトレジストであり、フォトレジストの塗布、露光および現像により開口56を有するマスク層54を形成する。図5(b)において、マスク層54および絶縁層14を透過して金属膜12を破線で示している。図5(e)において、A−A断面図のためマスク層54は図示されていない。
図5(c)および図5(f)に示すように、マスク層54の開口56内およびマスク層54上に接続電極16a(および16b)を形成する。接続電極16aは例えば蒸着法を用い形成する。このとき、絶縁層14の上面の凹凸に沿って接続電極16aが形成されるようにする。例えばZ方向からやや傾いた方向から蒸着原子が飛来するようにする。マスク層54をリフトオフすることで、マスク層54およびマスク層54上の金属膜が除去される。接続電極16aは、スパッタリング法およびエッチング法を用い形成してもよいし、めっき法を用い形成してもよい。絶縁層14にダメージを与えないため接続電極16aは蒸着法およびリフトオフ法を用い形成することが好ましい。以上により、先端領域38aに接続電極16aが形成される。図5(c)において、接続電極16aおよび絶縁層14を透過して金属膜12および開口24を破線で示している。
[接続電極を設けない場合の課題]
接続電極16aおよび16bが設けられていない弾性表面波素子において、電極指25aおよび25bの抵抗損を低減するためには、金属膜12として、電気抵抗の小さい銅またはアルミニウムを主成分とする膜、銅またはアルミニウムを含む合金膜またはこれらの膜または合金膜を含む積層膜を用いることが考えられる。また、電極指25aおよび25bの断面積を大きくするため、金属膜12を厚くすること、および/または電極指25aおよび25bを太くすることが考えられる。さらに、電極指25aおよび25bを短くすることが考えられる。
電極指25aおよび25bの重さは質量効果として弾性波の伝搬に影響する。このため、電極指25aおよび25bの材料および膜厚を任意に設計することが難しい。また、弾性波の波長は電極指25aおよび25bのピッチに対応するため、電極指25aおよび25bの幅を任意に設定することが難しい。開口長(交差領域35のY方向の長さ)はインピーダンスに影響するため、電極指25aおよび25bの長さを任意に設計することが難しい。このように、電極指25aおよび25bの材料および/または構造を任意に設計することは難しい。よって、抵抗損を小さくすることが難しい。特に、フィルタ等の周波数が高くなると弾性波の波長が短くなるため、電極指25aおよび25bは細くなる。このため、抵抗損が大きくなる。
[実施例1の効果]
実施例1によれば、櫛型電極26a(第1櫛型電極)は、複数の電極指25a(第1電極指)とバスバー27a(第1バスバーと)を含む。櫛型電極26b(第2櫛型電極)は、複数の電極指25b(第2電極指)とバスバー27b(第2バスバー)とを含む。複数の電極指25bの少なくとも一部は、複数の電極指25aの少なくとも一部とX方向において互い違いに設けられる。接続電極16a(第1接続電極)は、交差領域35においてバスバー27aを介さずに複数の電極指25aを互いに接続する。接続電極16b(第2接続電極)は、交差領域35においてバスバー27bを介さずに複数の電極指25bを互いに接続する。これにより、電極指25aおよび25bによる抵抗損を低減できる。
接続電極16aおよび16bは交差領域35内をX方向に延伸する。これにより、接続電極16aおよび16bは、電極指25aまたは25bを短い距離で接続できる。
接続電極16aは、複数の電極指25aの先端領域38aにおいて複数の電極指25aに接続される。接続電極16bは、複数の電極指25bの先端領域38bにおいて複数の電極指25bに接続される。これにより、電極指25aおよび25bによる抵抗損をより低減できる。
絶縁層14が電極指25aおよび25b上に設けられ、接続電極16aおよび16bは絶縁層14上に設けられている。これにより、接続電極16aおよび16bとそれぞれ電極指25bおよび25aとを電気的に分離できる。
実施例1のように、フィルタが接続電極16aおよび16bを有する弾性表面波素子をIDTとして含むことにより、フィルタの損失を抑制できる。
縦結合二重モードフィルタのような多重モードフィルタは、IDT31から33の対数がフィルタの特性により決まる。入力端子Tinおよび出力端子Toutからフィルタをみたインピーダンスは所定の値(例えば50Ω)とすることが求められる。インピーダンスは、対数と開口長の積で決まる。このため、開口長(すなわち電極指25aおよび25bの長さ)を任意に設計することは難しい。よって、抵抗損を抑制するため、接続電極16aおよび16bを用いることが好ましい。
[ピストンモード構造]
実施例1の接続電極16aおよび16bを用いピストンモード構造を形成する例である。図6(a)は、実施例1に係る弾性表面波素子のY方向に対する弾性波の音速を示す図、図6(b)は図1のE−E断面図である。図6(a)および図6(b)に示すように、交差領域35の両側であって、電極指25aとバスバー27bとの間の領域と、電極指25bとバスバー27aとの間の領域と、をギャップ領域37aとする。バスバー27aおよび27bが設けられかつ絶縁層14が設けられた領域をバスバー領域37bとする。
図6(a)に示すように、ギャップ領域37aの音速は交差領域35の音速より速い。これにより、弾性波は交差領域35内に閉じ込められる。先端領域38aおよび38bには、絶縁層14上に接続電極16aおよび16bが設けられている。これにより、先端領域38aおよび38bの弾性波の音速が中央領域36の音速より遅くなる。よって、交差領域35内の基本横モードの強度分布がY方向にフラットとなる。さらに、高次横モードの結合係数が小さくなる。これらにより、横モードスプリアスを抑制するピストンモードを実現することができる。
800MHz帯域に用いられるレイリー波を主モードとする弾性表面波素子を例に、ピストンモードを実現する材料および寸法例を以下に示す。
圧電層10:127.86°Y回転X伝搬ニオブ酸リチウム基板
電極指のピッチλ:3.84μm
金属膜12:膜厚が277nmの銅層
絶縁層14:基板からの膜厚が1110nmの酸化シリコン膜
接続電極16aおよび16b
幅:2.688μm(0.7λ)
単位面積あたりの重量:3.888×10−5g/cm
接続電極16aおよび16bの膜厚は、上記接続電極16aおよび16bの単位面積あたりの重量と接続電極16aおよび16bの密度より算出できる。膜厚を厚くする観点からは密度が小さいアルミニウムが好ましい。接続電極16aおよび16bがアルミニウムの場合、接続電極16aおよび16bの膜厚は144nmとなる。
このように、実施例1によれば、接続電極16aは、複数の電極指25aの先端領域38aの絶縁層14上に設けられ、絶縁層14に設けられた開口24(第1開口)を介し複数の電極指25aに接続されている。接続電極16bは、複数の電極指25bの先端領域38bの絶縁層14上に設けられ、絶縁層14に設けられた開口24(第2開口)を介し複数の電極指25bに接続されている。
これにより、先端領域38aおよび38bの弾性波の音速は中央領域36の弾性波の音速より遅くなる。よって、ピストンモード構造を実現でき、横モードスプリアスを抑制できる。
接続電極16aおよび16bは、空隙を介さず複数の電極指25aおよび25b上に設けられている。これにより、接続電極16aおよび16bの重量が電極指25aおよび25bに加わる。よって、ピストンモードを実現できる。
ピストンモードを実現するため、先端領域38aおよび38bのY方向の幅は、5λ以下が好ましく、2λ以下がより好ましい。先端領域38aおよび38bのY方向の幅は、0.1λ以上が好ましく0.5λ以上がより好ましい。
[実施例1の変形例1]
図7は、実施例1の変形例1に係る弾性表面波素子の平面図である。図7に示すように、接続電極16aが電極指25aの先端領域38aに加え電極指25aとバスバー27bとの間のギャップ領域およびバスバー27bの領域に設けられている。接続電極16bが電極指25bの先端領域38bに加え電極指25bとバスバー27aとの間のギャップ領域およびバスバー27aの領域に設けられている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
[実施例1の変形例2]
図8は、実施例1の変形例2に係る弾性表面波素子の平面図である。図8に示すように、接続電極16aに加え接続電極16cが電極指25aに接続されている。接続電極16bに加え接続電極16dが電極指25bに接続されている。接続電極16cおよび16dは、中央領域36においてそれぞれ電極指25aおよび25bに接続されている。接続電極16aおよび16cは電極指25aとは別の経路で電気的に接続されている。接続電極16bおよび16dは電極指25bとは別の経路で電気的に接続されている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
実施例1の変形例1のように、接続電極16aおよび16bは先端領域38aおよび38bに加え、ギャップ領域およびバスバー領域に設けられてもよい。また、実施例1の変形例2のように接続電極16cおよび16dは、先端領域38aおよび38bに加え中央領域36において電極指25aおよび25bと接続されていてもよい。これにより、接続電極16aおよび16bの抵抗を低減でき、抵抗損をより抑制できる。
実施例1およびその変形例1および2では、接続電極16aおよび16bが先端領域38aおよび38bに設けられているが、中央領域36に設けられていてもよい。
[実施例1の変形例3]
図9は、実施例1の変形例3に係る弾性表面波素子の断面図であり、図1のC−C断面に相当する。図9に示すように、絶縁層14に形成された開口24のX方向の幅W1は電極指25aのX方向の幅W2より大きい。接続電極16aは、開口24内の電極指25aおよび圧電層10上に設けられている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
電極指25aおよび25bの幅が狭くなると、開口24を電極指25aおよび25bの上面内に収めることが難しくなる。このような場合、開口24は電極指25aおよび25bより広くてもよい。図9のように、接続電極16aが圧電層10に接して設けられると、電極指25aの幅が実質的大きくなる。先端領域38aおよび38bのY方向の長さが開口長(交差領域35のY方向の長さ)に比べ小さければ、先端領域38aおよび38bにおいて電極指25aおよび25bが太くなる影響は小さい。
図10(a)は、実施例2に係る弾性表面波素子の平面図、図10(b)は、実施例2を用いたフィルタの回路図である。図10(a)に示すように、IDT42は、一対の櫛型電極26aおよび26bを有している。櫛型電極26aおよび26bは端子T1およびT2に接続されている。IDT42のX方向の両側に反射器44が設けられている。電極指25aに接続されている接続電極16aは配線18aを介し端子T1に接続されている。電極指25bに接続されている接続電極16bは配線18bを介し端子T2に接続されている。このように、1ポート共振器に電極指25aおよび25bに接続される接続電極16aおよび16bを設けてもよい。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
図10(b)に示すように、入力端子Tinと出力端子Toutとの間に直列に直列共振器S1からS3が接続され、並列に並列共振器P1およびP2が接続されている。直列共振器S1からS3並びに並列共振器P1およびP2に実施例1およびその変形例と同様の弾性表面波素子を用いることで、ラダー型フィルタの損失を低減できる。直列共振器および並列共振器の個数は任意に設定できる。
[実施例2の変形例1]
図11は、実施例2の変形例1に係るデュプレクサの回路図である。図11に示すように、共通端子Antと送信端子Txとの間に送信フィルタ40が接続されている。共通端子Antと受信端子Rxとの間に受信フィルタ42が接続されている。送信フィルタ40は、送信端子Txから入力された信号のうち送信帯域の信号を送信信号として共通端子Antに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。受信フィルタ42は、共通端子Antから入力された信号のうち受信帯域の信号を受信信号として受信端子Rxに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。送信フィルタ40および受信フィルタ42の少なくとも一方を実施例1および2並びにその変形例のフィルタとすることができる。マルチプレクサとしてデュプレクサを例に説明したがトリプレクサまたはクワッドプレクサでもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 圧電層
12 金属膜
14 絶縁層
16a−16d、21a、21b、22a、22b、23a、23b 接続電極
18a−18g 配線
24 開口
25a、25b 電極指
26a、26b 櫛型電極
27a、27b バスバー
35 交差領域
36 中央領域
38a、38b 先端領域
40 送信フィルタ
42 受信フィルタ

Claims (10)

  1. 圧電層と、
    前記圧電層上に設けられ、複数の第1電極指と、前記複数の第1電極指と接続された第1バスバーと、を含む第1櫛型電極と、
    前記圧電層上に設けられ、少なくとも一部が前記複数の第1電極指の少なくとも一部と前記複数の第1電極指の配列方向に互い違いに設けられる複数の第2電極指と、前記複数の第2電極指と接続された第2バスバーと、を含む第2櫛型電極と、
    前記複数の第1電極指と前記複数の第2電極指とが前記配列方向において重なる交差領域において前記第1バスバーを介さずに前記複数の第1電極指を互いに接続する第1接続電極と、
    前記交差領域において前記第2バスバーを介さずに前記複数の第2電極指を互いに接続する第2接続電極と、
    前記複数の第1電極指を介さずに前記第1接続電極と前記第1バスバーとを電気的に接続する第1配線と、
    前記複数の第2電極指を介さずに前記第2接続電極と前記第2バスバーとを電気的に接続する第2配線と、
    を具備し、
    前記第1接続電極は前記第2接続電極より前記第2バスバーの方に位置する弾性波素子。
  2. 前記第1接続電極および前記第2接続電極は前記交差領域内を前記配列方向に延伸する請求項1記載の弾性波素子。
  3. 前記第1接続電極は、前記複数の第1電極指の先端領域において前記複数の第1電極指に接続され、
    前記第2接続電極は、前記複数の第2電極指の先端領域において前記複数の第2電極指に接続されている請求項1または2記載の弾性波素子。
  4. 前記複数の第1電極指および前記複数の第2電極指上に設けられた絶縁層を具備し、
    前記第1接続電極および前記第2接続電極は前記絶縁層上に設けられている請求項1から3のいずれか一項記載の弾性波素子。
  5. 前記複数の第1電極指および前記複数の第2電極指上に設けられた絶縁層を具備し、
    前記第1接続電極は、前記複数の第1電極指の先端領域の前記絶縁層上に設けられ、前記絶縁層に設けられた第1開口を介し前記複数の第1電極指に接続され、
    前記第2接続電極は、前記複数の第2電極指の先端領域の前記絶縁層上に設けられ、前記絶縁層に設けられた第2開口を介し前記複数の第2電極指に接続される請求項1記載の弾性波素子。
  6. 前記第1接続電極および前記第2接続電極は、空隙を介さず前記複数の第1電極指および前記複数の第2電極指上に設けられている請求項5記載の弾性波素子。
  7. 前記交差領域は、前記複数の第1電極指の先端領域および前記複数の第2電極指の先端領域に挟まれる中央領域を有し、前記複数の第1電極指の先端領域および前記複数の第2電極指の先端領域の弾性波の音速は前記中央領域の弾性波の音速より遅いことを特徴とする請求項3、5および6のいずれか一項記載の弾性波素子。
  8. 請求項1か7のいずれか一項記載の弾性波素子をIDTとして含むフィルタ。
  9. 前記フィルタは多重モードフィルタである請求項8記載のフィルタ。
  10. 請求項8または9のフィルタを含むマルチプレクサ。
JP2017079947A 2017-04-13 2017-04-13 弾性波素子、フィルタおよびマルチプレクサ Active JP6935220B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017079947A JP6935220B2 (ja) 2017-04-13 2017-04-13 弾性波素子、フィルタおよびマルチプレクサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017079947A JP6935220B2 (ja) 2017-04-13 2017-04-13 弾性波素子、フィルタおよびマルチプレクサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018182544A JP2018182544A (ja) 2018-11-15
JP6935220B2 true JP6935220B2 (ja) 2021-09-15

Family

ID=64276201

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017079947A Active JP6935220B2 (ja) 2017-04-13 2017-04-13 弾性波素子、フィルタおよびマルチプレクサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6935220B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021220936A1 (ja) * 2020-04-27 2021-11-04 株式会社村田製作所 弾性波装置
WO2023002823A1 (ja) * 2021-07-20 2023-01-26 株式会社村田製作所 弾性波装置
CN116208119B (zh) * 2023-04-19 2023-07-14 深圳新声半导体有限公司 声表面波装置及其制造方法
CN117394820B (zh) * 2023-12-13 2024-04-16 深圳新声半导体有限公司 声表面波谐振器装置及其制造方法、滤波器

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4160963A (en) * 1977-07-21 1979-07-10 Texas Instruments Incorporated Plural supply path acoustic surface wave device
JPH05167387A (ja) * 1991-12-12 1993-07-02 Fujitsu Ltd 弾性表面波デバイス
JPH0730362A (ja) * 1993-07-13 1995-01-31 Mitsubishi Electric Corp 弾性表面波装置
CN102684639B (zh) * 2011-03-07 2016-08-17 特里奎恩特半导体公司 使微调影响和活塞波型不稳定性最小化的声波导器件和方法
JP5805506B2 (ja) * 2011-11-29 2015-11-04 京セラ株式会社 分波器
WO2015119025A1 (ja) * 2014-02-04 2015-08-13 株式会社村田製作所 弾性波装置
JP6494447B2 (ja) * 2015-01-20 2019-04-03 太陽誘電株式会社 弾性波デバイス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018182544A (ja) 2018-11-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7169083B2 (ja) 弾性波デバイスおよびマルチプレクサ
JP6959819B2 (ja) マルチプレクサ
KR101711755B1 (ko) 탄성파 디바이스
JP7224094B2 (ja) 弾性波共振器、フィルタおよびマルチプレクサ
JP6284800B2 (ja) 弾性表面波デバイス及びフィルタ
JP6935220B2 (ja) 弾性波素子、フィルタおよびマルチプレクサ
JP6656135B2 (ja) フィルタおよびマルチプレクサ
US10193529B2 (en) Elastic wave device
JP6760480B2 (ja) エクストラクタ
US20170264262A1 (en) Acoustic wave resonator, filter, and multiplexer
US11863159B2 (en) Acoustic wave filter
JP2019201345A (ja) 弾性波共振器、フィルタおよびマルチプレクサ
US11569433B2 (en) Acoustic wave resonator, filter, and multiplexer
JP7403239B2 (ja) 弾性波デバイス、フィルタ、及びマルチプレクサ
JP2017195580A (ja) 弾性波フィルタ装置
JP6949552B2 (ja) 弾性波フィルタおよびマルチプレクサ
JP2019121873A (ja) 弾性波デバイス、フィルタおよびマルチプレクサ
WO2018117060A1 (ja) 弾性波共振器、フィルタ装置およびマルチプレクサ
JP7441010B2 (ja) 弾性波デバイス、フィルタおよびマルチプレクサ
JP7068974B2 (ja) ラダー型フィルタ及びマルチプレクサ
JP2022026850A (ja) フィルタ及びマルチプレクサ
WO2018117059A1 (ja) 弾性波共振器、フィルタ装置およびマルチプレクサ
JPWO2010061925A1 (ja) 弾性表面波フィルタおよびデュプレクサ
WO2023054301A1 (ja) 弾性波フィルタ装置およびマルチプレクサ
WO2023074373A1 (ja) 弾性波共振子、弾性波フィルタ装置およびマルチプレクサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200407

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210414

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210810

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210825

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6935220

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150