JP6934780B2 - 立軸ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、立軸ポンプに関する。
特許文献1には、空気吸込渦の発生と、それに伴うポンプの振動を抑制するために、一対の空気管を配置した先行待機ポンプが開示されている。空気管は、一端がポンプケーシングの羽根車の上流側に接続され、他端が吸水槽内に開放されている。この先行待機ポンプでは、ポンプケーシングに対する一対の空気管の接続位置と、吸水槽内での一対の空気管の開放位置とを設定することで、ポンプケーシング内に導入する空気量を適正化している。
特開2009−203806号公報
特許文献1の先行待機ポンプでは、100%の揚水量(水のみの単相流)が要求される100%揚水水位よりも吸水槽内の水位が低くなると、直ぐにポンプケーシング内に空気が導入される。そのため、100%揚水水位よりも低水位での排水について、改善の余地がある。
本発明は、空気の吸い込みを抑制し、揚水停止水位まで効果的に排水が可能な立軸ポンプを提供することを課題とする。
本発明は、吸水槽の設定された揚水停止水位よりも下側に吸込口が配置されるポンプケーシングと、前記揚水停止水位よりも高い位置に設定された揚水水位に位置するように、前記ポンプケーシング内に配置された羽根車と、前記ポンプケーシングの前記羽根車よりも下側に接続されるように、前記ポンプケーシング外に配管された接続管と、前記接続管に下端が接続され、前記接続管から上方へ延びるように前記ポンプケーシング外に配管された供給管と、前記揚水水位と前記揚水停止水位の間に下端が配置され、前記揚水水位よりも上方へ延びるように前記ポンプケーシング外に配管された吸気管と、前記供給管の上端と前記吸気管の上端とにそれぞれ接続され、前記ポンプケーシング外に配管された合流管と、前記ポンプケーシングの前記羽根車よりも上側に一端が接続され、前記合流管に他端が接続されるように、前記ポンプケーシング外に配管された連通管とを備え、前記合流管は、前記ポンプケーシングの外周を取り囲むように配管された無端状のパイプからなる、立軸ポンプを提供する。
この立軸ポンプによれば、吸水槽内の水位が揚水水位よりも高い場合、ポンプケーシング内の羽根車の下流側の揚水の一部が、連通管、合流管、供給管、及び接続管を通して、ポンプケーシング内の羽根車の上流側に供給(還流)される。よって、吸水槽内の水位が低下して空気吸込渦が発生しても、空気吸込渦(空気)がポンプケーシング内に入り込むことを抑制できる。その結果、揚水流体を水のみの単相流とした100%の揚水量を効果的に実現できる。
吸水槽内の水位が吸気管の下端よりも低くなると、吸水槽内の空気が吸気管から流入し始める。この空気は、吸気管から合流管、供給管、及び接続管の順で混入した後、ポンプケーシング内に混入する。その後、ポンプケーシング内に流入する空気が増えると、連通管内にも空気が流入し始める。つまり、吸水槽内の水位が揚水水位よりも低くなっても、各配管の内部に存在する揚水によって、ポンプケーシング内に空気が直ぐに流入することはないため、直ぐにエアロック状態になることはない。よって、可能な限り低水位まで、吸水槽内を排水できる。
前記接続管は、前記揚水停止水位に位置するように前記ポンプケーシングに接続されている。この態様によれば、ポンプケーシング内の羽根車の上流側の圧力を効果的に調整できる。
前記接続管は、前記ポンプケーシングを取り囲むように配置され、前記供給管の下端が接続された環状部と、前記環状部と前記ポンプケーシングを接続した接続部とを備える。この態様によれば、環状部と接続部を介して空気がポンプケーシング内に流入するため、ポンプケーシング内への空気の流入を更に遅延できる。
前記ポンプケーシングは、前記吸水槽の上部を覆う据付床の上側に配置された吐出し管を備え、前記連通管は、前記吐出し管の上部に接続されている。この態様によれば、立軸ポンプを起動する際に、連通管をエア抜き用の配管として共用できるため、部品点数を削減し、コストダウンを図ることができる。
前記連通管と前記合流管、前記供給管と前記合流管、及び前記吸気管と前記合流管は、いずれも流量調整弁を介して接続されている。この態様によれば、流量調整弁の開度を調整することで、エアロックを揚水停止水位まで効果的に遅延できる。
本発明の立軸ポンプでは、連通管、合流管、供給管、及び接続管を通して、ポンプケーシング内の揚水を羽根車の下流側から上流側に供給できるため、空気吸込渦が発生する限界没水深さよりも水位が低下しても、空気吸込渦が入り込むことを抑制し、100%の揚水量を継続できる。また、吸気管の下端が開放された際には、各配管の内部に存在する揚水によって、空気の吸い込みを抑制できるため、エアロックを遅らせることができ、低水位でも効果的に排水できる。
本発明の第1実施形態に係る立軸ポンプを示す断面図。 揚水水位よりも水位が高い場合の運転状態を示す概略図。 揚水水位よりも水位が低い場合の運転状態を示す概略図。 図3よりも水位が更に低下した場合の運転状態を示す概略図。 図4よりも水位が更に低下した場合の運転状態を示す概略図。 揚水停止水位まで水位が低下した場合のエアロック状態を示す概略図。 第2実施形態に係る立軸ポンプを示す断面図。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る先行待機型の立軸ポンプ10を示す。この立軸ポンプ10は、吸水槽1に流入した雨水等を下流側へ排水するもので、吸水槽1の上部を覆う据付床2に設置されている。
(立軸ポンプの概要)
図1に示すように、立軸ポンプ10は、ポンプケーシング12、回転軸24、及び羽根車26を備える。
ポンプケーシング12は、吸水槽1内に配置された揚水管13と、据付床2上に配置された吐出し管19とを備える。
揚水管13は、ストレート管14、ベーンケーシング15、及びベルマウス17を備え、据付床2の取付孔2aを貫通して吸水槽1内に配置されている。ストレート管14は、直径が一様な配管であり、取付孔2a内から下方へ延びている。ベーンケーシング15は、径方向外向きに膨出した概ね楕円筒状の配管であり、ストレート管14の下端に接続されている。ベルマウス17は、下端に向けて次第に拡径した概ね円錐筒状の配管であり、ベーンケーシング15の下端に接続されている。ベルマウス17の下端は、吸水槽1内の水を吸い込む吸込口18であり、吸水槽1の底面3に対して定められた間隔をあけて配置されている。
吐出し管19は、揚水管13の上端に接続された吐出エルボ20を備える。この吐出エルボ20は、中心軸線が90度湾曲した曲がり管であり、ストレート管14の上端に接続されている。吐出エルボ20の下部には、ポンプケーシング12を据付床2に固定するためのベースプレート21が設けられている。吐出エルボ20の出口には、据付床2上に配置された送水管22が接続されている。
回転軸24は、吐出エルボ20を貫通し、揚水管13の中心軸線に沿って配置されている。この回転軸24は、ラジアル軸受けである水中軸受25A,25Bによって回転可能に支持されている。回転軸24の上端は、吐出エルボ20から外方へ突出されている。吐出エルボ20の回転軸24が貫通する部分は、軸封装置(図示せず)によって水密にシールされている。
羽根車26は、ベーンケーシング15の内部に位置する回転軸24の下端に固定されている。ベーンケーシング15の内部には軸受ケース16が配設されており、この軸受ケース16の下側に、羽根車26が配置されている。
回転軸24の上端には、駆動モータ28が接続されている。この駆動モータ28の駆動により回転軸24が回転されると、回転軸24と一体に羽根車26が回転することで、吸水槽1内の水がポンプケーシング12内を通って下流側へ排水される。
吸水槽1の深さ(底面3から据付床2の下面までの高さ)は、先行待機ポンプを用いる場合、そうでない場合よりも深い。しかし、先行待機ポンプ用とは異なる浅い吸水槽1に、先行待機型の立軸ポンプ10の設置を求められることがある。また、100%の揚水量が要求される100%揚水水位(揚水水位)WL1、及び排水を停止する揚水停止水位WL2も、要求仕様として設定されており、これらの水位WL1,WL2は、先行待機ポンプ用の吸水槽の設定水位よりも低い。
なお、100%揚水水位WL1では、空気が混入することなく、水だけ排出することが求められる。また、揚水停止水位WL2とは、立軸ポンプ10をエアロック運転に移行する水位である。エアロック運転とは、ポンプケーシング12内への空気の供給により、駆動モータ28の駆動(羽根車26の回転)は継続するが、ポンプケーシング12からの排水は停止され、ポンプケーシング12内に水柱Wcを形成した状態で待機することを意味する(図6参照)。
羽根車26は、100%揚水水位WL1の高さに配置する必要がある。一方、吸水槽1では、ベルマウス径(吸込口18の直径)によって、空気吸込渦が発生する水位が決まる。この限界没水深さ(渦発生水位)WL3は、先行待機ポンプ用の吸水槽の場合、100%揚水水位WL1よりも低くなる。しかし、先行待機ポンプ用ではない浅い吸水槽1では、図示のように限界没水深さWL3が100%揚水水位WL1よりも高くなる。この場合、100%揚水水位WL1で空気吸込渦が発生するため、100%の揚水量を実現できない。詳しくは、空気吸込渦は、水面からポンプケーシング12の吸込口18に向けて生じる水流であり、この水流には吸水槽1内の空気が連続的又は断続的に吸い込まれる。この場合、ポンプケーシング12内の揚水流体は、水と空気の二相流になるため、100%の揚水量の要求仕様に応えることができない。
この様な要求仕様に応えるために、本実施形態の立軸ポンプ10には、吸水槽1内の実際の水位WL0が100%揚水水位WL1以上であれば、吸込口18からの空気吸込渦の入り込みを抑え、水位WL0が100%揚水水位WL1未満に低下すれば、揚水停止水位WL2まで可能な限りエアロックを遅延させるための、気液調整管30が設けられている。
(気液調整管の詳細)
まず、ポンプケーシング12は、設定された揚水停止水位WL2よりも下側に吸込口18が位置するように、吸水槽1内に配置されている。羽根車26は、揚水停止水位WL2よりも高い100%揚水水位WL1に上部(回転軸24との固定部分)が位置するように、ポンプケーシング12内に配置されている。
気液調整管30は、ポンプケーシング12内の揚水流体の一部、及び吸水槽1内の空気を、ベルマウス17内に供給するもので、ポンプケーシング12の外部に配管されている。水位WL0が100%揚水水位WL1以上の場合、揚水流体の一部を羽根車26の上流側に供給することで、吸込口18からの空気吸込渦の入り込みを抑制する。また、水位WL0が100%揚水水位WL1未満に低下すると、ポンプケーシング12内への空気の流入を遅延させることで、立軸ポンプ10のエアロックを遅延させる。以下、気液調整管30の具体的構成に説明する。
気液調整管30は、接続管31、供給管32、吸気管33、合流管34、及び連通管35を備える。これらは全て、硬質な筒状パイプからなる。連通管35、合流管34、供給管32、及び接続管31は、この順でポンプケーシング12内の揚水流体の一部を羽根車26の上流側に供給(還流)する給水路を構成する。吸気管33、合流管34、供給管32、及び接続管31は、この順で吸水槽1内(ポンプケーシング12外)の空気を羽根車26の上流側に供給する給気路を構成する。
接続管31は、羽根車26よりも下側(上流側)のベルマウス17に接続されている。この接続管31は、中心軸線が揚水停止水位WL2と同じ高さに位置するようにベルマウス17接続され、ベルマウス17から径方向外向きに突出している。つまり、接続管31の一端31aはベルマウス17に形成された開口に配置され、接続管31の他端31bはベルマウス17の外側に配置されている。
供給管32は、下端32aが接続管31に接続され、この接続管31から揚水管13の中心軸線に沿って上方へ延びるように配管されている。本実施形態では、ストレートパイプからなる供給管32の下端が塞がれ、下端側部に接続管31の他端31bが接続されている。供給管32の上端32bは、本実施形態ではベースプレート21を貫通して据付床2上に配置されているが、吸水槽1内に配置されてもよい。
吸気管33は、揚水管13の中心軸線に沿って上下方向に配管されている。吸気管33の下端33aは、100%揚水水位WL1と同じ高さから、揚水停止水位WL2と同じ高さの間に位置するように配置されている。吸気管33の上端33bは、供給管32の上端32bと同じ高さに配置されている。
詳しくは、吸気管33の下端33aは、水位WL0が100%揚水水位WL1以上の場合には空気を吸引することなく、水位WL0が揚水停止水位WL2以下の場合には大気に開放される位置に配置されている。つまり、100%揚水水位WL1と同じ高さとは、厳密な位置ではなく、水位WL0が100%揚水水位WL1にあるときに、下端33aが水によって覆われ、吸気管33内に空気が流入しないという目的が達成できる実質的な位置を意味する。また、揚水停止水位WL2と同じ高さとは、水位WL0が揚水停止水位WL2にあるときに、下端33aが水から露出し、吸気管33内に空気が流入するという、目的が達成できる実質的な位置を意味する。そして、本実施形態では、吸気管33の下端33aは、100%揚水水位WL1と同じ高さに配置されている。
吸気管33の上端33bは、供給管32の上端33bと同様に、ベースプレート21を貫通して据付床2上に配置されているが、吸水槽1内に配置されてもよい。言い換えると、吸気管33の上端33bと供給管32の上端32bとは、いずれも据付床2上又は吸水槽1内に配置される。吸水槽1内に配置する場合、吸気管33の上端33bと供給管32の上端32bとは、吸水槽1の予定最大水位よりも上方に配置し、水に浸からないようにすることが好ましい。
合流管34は、供給管32と吸気管33を連通させるもので、供給管32の上端32bと吸気管33の上端33bとに接続されている。本実施形態の合流管34は、据付床2の上側に配管されている。合流管34は、無端状の円環パイプからなり、揚水管13の中心軸線と同軸で、吐出エルボ20の外周を取り囲むように配置されている。
連通管35は、ポンプケーシング12の羽根車26よりも上側(下流側)と合流管34を連通させるものである。連通管35の一端35aは、吐出エルボ20の上部に接続され、連通管35の他端35bは、合流管34に接続されている。吐出エルボ20の上端の頂部には、立軸ポンプ10の起動時にポンプケーシング12内の空気を抜くための空気孔20aが形成されており、この空気孔20aに連通管35の一端35aが接続されている。これにより、連通管35をエア抜き用の配管として共用できるため、部品点数を削減し、コストダウンを図っている。
供給管32と合流管34、吸気管33と合流管34、及び連通管35と合流管34は、流量調整弁37A〜37Cを介してそれぞれ接続されている。これらの流量調整弁37A〜37Cは、流体が通過可能な開口率を100%(全開)から0%(全閉)の範囲で調整可能な絞り弁である。流量調整弁37A〜37Cとしては、本実施形態では手動により調整可能なものを用いているが、電動により調整可能なものを用いてもよい。流量調整弁37Aは、合流管34内からベルマウス17内へ供給される水、空気、及び水と空気の混合流体の量を調整する。流量調整弁37Bは、吸水槽1内から合流管34内へ供給される空気、及び合流管34内から吸水槽1内へ排水される水の量を調整する。流量調整弁37Cは、吐出エルボ20内から合流管34内へ供給される揚水量を調整する。
(立軸ポンプの運転状態の推移)
例えば、立軸ポンプ10は、降雨情報等に基づいて、ベルマウス17の吸込口18よりも低い水位WL0(吸水槽1内に水がない状態でもよい。)で始動される。すると、ポンプケーシング12内には水が存在しないので、羽根車26は空気中で回転する(空転運転)。水位WL0が上昇して100%揚水水位WL1を越えると、吸水槽1内の水は羽根車26の回転によりベルマウス17の吸込口18から吸い上げられ、ベルマウス17、ベーンケーシング15、ストレート管14、及び吐出エルボ20を介して送水管22へ排水される(定常運転)。
図2に示すように、定常運転では、ポンプケーシング12内の揚水流体は水のみの単相流であり、ポンプケーシング12内に空気は無い。この定常運転では、吐出エルボ20から送水される揚水の一部が連通管35内に流入する。揚水の一部からなる還流水は、連通管35、合流管34、供給管32、及び接続管31を通ってベルマウス17内に供給される。また、還流水の一部は、合流管34から吸気管33を通って吸水槽1内にも排水される。
図2は、定常運転により水位WL0が限界没水深さWL3よりも低くなった状態を示している。この状態では、吸水槽1内の水量の減少によって水面の流速が速くなるため、空気吸込渦が発生する。しかし、羽根車26の上流側には還流水が供給され、ポンプケーシング12の入口側が昇圧されているため、発生した空気吸込渦は、ポンプケーシング12内に入り込むことができない。よって、空気吸込渦が連続的又は断続的に吸い込む空気が、ポンプケーシング12内に流入することを抑制できる。その結果、100%の揚水量の要求仕様に応えることができる。
図3に示すように、水位WL0が100%揚水水位WL1よりも低下して吸気管33の下端33aに近づくと、吸気管33に吸水槽1内の空気が流入し始める。流入した空気は、吸気管33から合流管34に混入し、その一部は還流水の流れによって供給管32に混入する。よって、合流管34内と供給管32内は、還流水と空気の二相流になる。
図4に示すように、水位WL0が吸気管33の下端33aよりも低下して、下端33aが開放されると、吸気管33内の水は全て吸水槽1へ戻される。そして、合流管34内と供給管32内に混入する空気は増え、還流水(液相)に含まれる空気(気相)の比率(ボイド率)が上がる。また、供給管32内に混入した空気の一部は、接続管31を通ってポンプケーシング12内に流入する。さらに、ポンプケーシング12内に流入した空気の一部は、連通管35内に流入することもある。そして、各配管のボイド率は、水位WL0の低下に従って次第に大きくなる。
図5に示すように、水位WL0が更に低下して揚水停止水位WL2に近づくと、吐出し管19の上部には、混入した空気による空気溜まりArが形成される。すると、連通管35内にも空気が混入し、連通管35内の還流水はポンプケーシング12内に戻る。その結果、連通管35内は空気だけになる。また、合流管34、供給管32、及び接続管31の内部の還流水と空気は、ポンプケーシング12内へ流入される。
図6に示すように、水位WL0が揚水停止水位WL2まで低下すると、吐出し管19内の空気溜まりArは吐出エルボ20の垂直管部分まで拡がり、そこから羽根車26までの領域に水柱Wcが形成され、エアロック状態になる。このエアロック運転時には、吐出し管19側へ排水されないので、気液調整管30内にも水は流入しない。そのため、吸気管33から吸い込まれた空気が、合流管34、供給管32、及び接続管31を通ってポンプケーシング12内に流入する。この空気の供給により、エアロック運転が維持される。
吸水槽1内への水の流入が増え、水位WL0が100%揚水水位WL1まで上昇すると、吸気管33の下端33aが水で塞がれ、再び定常運転が開始される。
以上のように、本実施形態の立軸ポンプ10では、吸水槽1内の水位WL0が100%揚水水位WL1よりも低くなっても、各配管の内部に存在する還流水によって、ポンプケーシング12内に空気が直ぐには流入しないため、直ぐにエアロック状態になることはない。よって、吸水槽1内の水を揚水停止水位WL2まで確実に排水できる。
接続管31は、揚水停止水位WL2に位置するようにポンプケーシング12に接続されているため、ポンプケーシング12内の羽根車26の上流側の圧力を効果的に調整できる。よって、水位WL0が100%揚水水位WL1以上の場合、ポンプケーシング12内への空気吸込渦の入り込みを効果的に抑制できる。
流量調整弁37A〜37Cの開口率を総合的に調整することで、供給管32と合流管34の間、吸気管33と合流管34の間、及び連通管35と合流管34の間の流量を調整できる。よって、水位WL0が100%揚水水位WL1よりも高い状態では、ポンプケーシング12内に流入する還流水の量を適切に調整できる。その結果、空気吸込渦の入り込みを効果的に抑制できる。また、水位WL0が100%揚水水位WL1よりも低下した際には、ポンプケーシング12内に多量の空気が入り込むことを抑制できる。その結果、水位WL0が揚水停止水位WL2に低下するまで、立軸ポンプ10のエアロック(排水停止)を効果的に遅延できる。
(第2実施形態)
図7は第2実施形態の先行待機型の立軸ポンプ10を示す。この第2実施形態では、接続管31を、環状部31Aと、一対の接続部31B,31Bによって構成している。その他の構成は第1実施形態と同様である。
環状部31Aは、無端状の円環パイプからなり、揚水停止水位WL2と同じ高さに位置するように配置されている。また、環状部31Aは、揚水管13の中心軸線と同軸で、ベルマウス17の外周を取り囲むように配置されている。この環状部31Aには、供給管32の下端32aが接続されている。
接続部31B,31Bは、環状部31Aとベルマウス17を接続するもので、直線状のストレートパイプからなる。つまり、接続部31B,31Bの一端は、揚水停止水位WL2と同じ高さに位置するようにベルマウス17接続され、接続部31B,31Bの他端は、環状部31Aに接続されている。また、一対の接続部31B,31Bは、環状部31A(ベルマウス17)の径方向に対向する位置に設けられている。但し、接続部31Bは、3本以上設けてもよいし、1本のみとしてもよい。3本以上設ける場合、環状部31Aの周方向に等間隔をあけて設けることが好ましい。
この第2実施形態の気液調整管30では、第1実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。しかも、水位WL0が100%揚水水位WL1よりも低下すると、吸水槽1内の空気は、供給管32から環状部31Aに流入し、その後に接続部31Bからポンプケーシング12内に流入する。よって、ポンプケーシング12内への空気の流入を更に遅延できる。また、接続部31B,31Bは、周方向に等間隔をあけて2本以上設けられているため、還流水及び空気をポンプケーシング12内に偏りなく供給できる。よって、空気吸込渦の流入抑制、及びエアロック運転を安定させることができる。
なお、本発明の立軸ポンプ10は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
例えば、接続管31は、ポンプケーシング12の羽根車26の上流側であれば、揚水停止水位WL2とは異なる位置に接続してもよい。
合流管34は、無端状の円環パイプに限られず、供給管32の上端32aと吸気管33の上端33aとを連通可能であれば、必要に応じて形状を変更してもよい。勿論、接続管31(環状部31Aと接続部31B)、供給管32、吸気管33、連通管35の形状も、必要に応じて変更してもよい。
連通管35の一端35aは、吐出エルボ20の下側の頂部に接続してもよい。また、連通管35の一端35aは、送水管22に接続してもよいし、ポンプケーシング12の羽根車26の下流側であれば、揚水管13に接続してもよい。揚水管13に接続する場合、合流管34は、吸水槽1内に配置することが好ましい。
連通管35と合流管34、供給管32と合流管34、及び吸気管33と合流管34は、流量調整弁37A〜37Cを介して接続したが、各接合部分のうちの所定部分(例えば吸気管33と合流管34の間)だけ、流量調整弁を介して接続してもよい。また、流量調整弁37A〜37Cの代わりに、還流水と空気の必要量に応じて、各配管の太さ(内径)を変更してもよい。
1…吸水槽
2…据付床
2a…取付孔
3…底面
10…立軸ポンプ
12…ポンプケーシング
13…揚水管
14…ストレート管
15…ベーンケーシング
16…軸受ケース
17…ベルマウス
18…吸込口
19…吐出し管
20…吐出エルボ
20a…空気孔
21…ベースプレート
22…送水管
24…回転軸
25A,25B…水中軸受
26…羽根車
28…駆動モータ
30…気液調整管
31…接続管
31a…一端
31b…他端
31A…環状部
31B…接続部
32…供給管
32a…下端
32b…上端
33…吸気管
33a…下端
33b…上端
34…合流管
35…連通管
35a…一端
35b…他端
37A〜37C…流量調整弁
WL1…100%揚水水位(揚水水位)
WL2…揚水停止水位
WL3…限界没水深さ(渦発生水位)
Ar…空気溜まり
Wc…水柱

Claims (5)

  1. 吸水槽の設定された揚水停止水位よりも下側に吸込口が配置されるポンプケーシングと、
    前記揚水停止水位よりも高い位置に設定された揚水水位に位置するように、前記ポンプケーシング内に配置された羽根車と、
    前記ポンプケーシングの前記羽根車よりも下側に接続されるように、前記ポンプケーシング外に配管された接続管と、
    前記接続管に下端が接続され、前記接続管から上方へ延びるように前記ポンプケーシング外に配管された供給管と、
    前記揚水水位と前記揚水停止水位の間に下端が配置され、前記揚水水位よりも上方へ延びるように前記ポンプケーシング外に配管された吸気管と、
    前記供給管の上端と前記吸気管の上端とにそれぞれ接続され、前記ポンプケーシング外に配管された合流管と、
    前記ポンプケーシングの前記羽根車よりも上側に一端が接続され、前記合流管に他端が接続されるように、前記ポンプケーシング外に配管された連通管と
    を備え、
    前記合流管は、前記ポンプケーシングの外周を取り囲むように配管された無端状のパイプからなる、立軸ポンプ。
  2. 前記接続管は、前記揚水停止水位に位置するように前記ポンプケーシングに接続されている、請求項1に記載の立軸ポンプ。
  3. 前記接続管は、
    前記ポンプケーシングを取り囲むように配置され、前記供給管の下端が接続された環状部と、
    前記環状部と前記ポンプケーシングを接続した接続部と
    を備える、請求項1又は2に記載の立軸ポンプ。
  4. 前記ポンプケーシングは、前記吸水槽の上部を覆う据付床の上側に配置された吐出し管を備え、
    前記連通管は、前記吐出し管の上部に接続されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の立軸ポンプ。
  5. 前記連通管と前記合流管、前記供給管と前記合流管、及び前記吸気管と前記合流管は、いずれも流量調整弁を介して接続されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の立軸ポンプ。
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