JP6927008B2 - 二次電池システムおよび二次電池のsoc推定方法 - Google Patents

二次電池システムおよび二次電池のsoc推定方法 Download PDF

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Description

本開示は、二次電池システムおよび二次電池のSOC推定方法に関し、より特定的には、二次電池のSOCとOCVとの対応関係(SOC−OCVカーブ)にヒステリシスが存在する系においてOCVからSOCを推定する技術に関する。
二次電池のSOCを高精度に推定することは、二次電池を適切に保護したり二次電池を十分に活用したりする上で重要である。二次電池のSOC推定の代表的手法として、二次電池のSOC−OCVカーブを用いてOCVからSOCを推定する手法が広く知られている。
二次電池のなかには、二次電池が満充電された状態から放電する際に得られるSOC−OCVカーブ(あるいは後述する曲線DCH上の放電OCV)と、二次電池が完全放電された状態から充電する際に得られるSOC−OCVカーブ(後述の曲線CHG上の充電OCV)とが顕著に乖離する系が存在する。このように放電OCVと充電OCVとが乖離することをSOC−OCVカーブに「ヒステリシス」が存在するとも言う。たとえば特開2015−166710号公報(特許文献1)は、ヒステリシスを考慮した上でOCVからSOCを推定する技術を開示する。
特開2015−166710号公報 特開2014−139521号公報 特開2013−158087号公報
"In Situ Measurements of Stress-Potential Coupling in Lithiated Silicon", V. A. Sethuraman et al., Journal of The Electrochemical Society, 157 (11) A1253-A1261 (2010)
二次電池の電極活物質の表面および内部には応力が発生し得る。これらの応力は、それぞれ表面応力および内部応力と呼ばれる。本発明者は、表面応力に起因してSOCとOCVとの関係にヒステリシスが生じ、表面応力とヒステリシスの大きさとの間に対応関係が存在する点に着目した。特許文献1に開示された手法では、表面応力については何ら考慮されていないため、SOC推定精度に向上の余地がある。
なお、ここでのOCVとは、二次電池を十分に休止させた状態(たとえばリチウムイオン二次電池では、分極が緩和されるとともに、活物質内のリチウム濃度とが緩和した状態)で測定された電圧を意味する。OCVは、「起電圧」と呼ばれることもある。
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、二次電池のSOCとOCVとの対応関係を用いてOCVからSOCを推定する二次電池システムにおいて、SOCの推定精度を向上させることである。
また、本開示の他の目的は、二次電池のSOCとOCVとの対応関係を用いてOCVからSOCを推定するSOC推定方法において、SOCの推定精度を向上させることである。
(1)本開示のある局面に従う二次電池システムは、活物質を含む電極を有する二次電池と、第1および第2の対応関係を用いて二次電池のSOCを推定するSOC推定処理を実行する制御装置とを備える。第1の対応関係は、活物質の表面応力が基準応力である場合の二次電池のOCVとSOCとの対応関係である。第2の対応関係は、表面応力と、表面応力が基準応力である場合のOCVを基準とした表面応力によるOCV変化量との対応関係である。制御装置は、SOC推定処理において、二次電池の使用履歴から表面応力を算出し、第2の対応関係を参照することによって、算出された表面応力からOCV変化量を算出し、二次電池の電圧値および電流値から推定される推定OCVをOCV変化量により補正し、第1の対応関係を参照することによって、補正後の推定OCVに対応するSOCを二次電池のSOCとして推定する。
上記(1)の構成または上記(6)の方法によれば、第1および第2の対応関係を用いることによって、表面応力に起因するOCVのヒステリシスを考慮した上でSOCが推定される(詳細は後述)。これにより、たとえば充放電に伴う体積変化量が大きい活物質が電極に用いられた場合であっても、SOCを高精度に推定することが可能になる。
(2)好ましくは、制御装置は、SOC推定処理を繰り返し実行する。使用履歴は、二次電池の温度、二次電池に入出力された電流、前記二次電池のSOC変化量、および、前回のSOC推定処理により推定された二次電池のSOCを含む。
(3)好ましくは、制御装置は、SOC推定処理を繰り返し実行する。使用履歴は、二次電池の温度、二次電池の充電曲線および放電曲線のうちのいずれか一方の曲線上から二次電池のSOCとOCVとの組合せが逸脱してから二次電池に充放電された電荷量、および、前回のSOC推定処理により推定された二次電池のSOCを含む。
上記(2)または(3)の構成において、二次電池のSOCは、活物質内の電荷キャリア量(たとえばリチウム量)を表すパラメータである。また、二次電池に入出力された電流、二次電池のSOC変化量、および、上記電荷量は、活物質内の電荷キャリアの挿入または脱離の態様を表すパラメータである。これらのパラメータに基づいて表面応力を算出することにより、表面応力を高精度に推定することができる。その結果、SOCの推定精度を向上させることができる。
(4)より好ましくは、制御装置は、使用履歴を格納するメモリを含み、SOC推定処理の実行時(実行開始時)から所定期間以内にメモリに格納された使用履歴を用いて表面応力を算出する。
上記(4)の構成によれば、SOC推定処理の実行時から所定期間以内にメモリに格納された使用履歴(直近の使用履歴)が用いられる。言い換えれば、所定期間よりも前の使用履歴(古い使用履歴)は用いられない。所定期間よりも前の使用履歴が表面応力に与える影響は相対的に小さいので、所定期間以内の使用履歴のみを用いても表面応力を高精度に推定することが可能である。また、メモリに格納される使用履歴の量を削減できるので、処理能力が比較的低い制御装置(たとえば車載用制御装置)であってもSOC推定処理を好適に実行することができる。
(5)より好ましくは、活物質は、第1および第2の活物質を含む。二次電池の充放電に伴う第2の活物質の体積変化量は、二次電池の充放電に伴う第1の活物質の体積変化量よりも大きい。二次電池のOCVとSOCとの対応関係には、第1のSOC領域と、第1のSOC領域と比べて、二次電池の充放電に伴う二次電池のOCVのヒステリシスが大きい第2のSOC領域とが存在する。制御装置は、二次電池のSOCを繰り返し推定し、前回推定された二次電池のSOCが第2のSOC領域内である場合にSOC推定処理を実行する一方で、前回推定された二次電池のSOCが第1のSOC領域内である場合には第1および第2の対応関係以外のOCVとSOCとの関係に従って(すなわち、上記SOC推定処理とは異なる手法で)二次電池のSOCを推定する。
上記(5)の構成によれば、OCVのヒステリシスが有意に生じる第2のSOC領域では、SOC推定処理によりSOCが推定され、有意なヒステリシスが生じない第1のSOC領域では、SOC推定処理以外の手法(具体的には、たとえば通常のSOC−OCVカーブを用いる手法)によりSOCが推定される。SOC推定処理は、大きな計算資源を必要とし得るので、第1のSOC領域では通常の手法を用いることで、制御装置の計算資源を節約することができる。
(6)本開示の他の局面に従う二次電池のSOC推定方法は、電極内に活物質を含む二次電池のSOC推定方法である。第1の対応関係と、第2の対応関係とが予め定められている。第1の対応関係は、活物質の表面応力が基準応力である場合の二次電池のOCVとSOCとの対応関係である。第2の対応関係は、表面応力と、表面応力が基準応力である場合のOCVを基準とした表面応力によるOCV変化量との対応関係である。SOC推定方法は、第1〜第4のステップを含む。第1のステップは、二次電池の使用履歴から表面応力を算出するステップである。第2のステップは、第2の対応関係を参照することによって、算出された表面応力からOCV変化量を算出するステップである。第3のステップは、二次電池の電圧値および電流値から推定される推定OCVをOCV変化量により補正するステップである。第4のステップは、第1の対応関係を参照することによって、補正後の推定OCVに対応するSOCを二次電池のSOCとして推定するステップである。
上記(6)の方法によれば、上記(1)の構成と同様に、充放電に伴う体積変化量が大きい活物質が電極に用いられた場合であっても、SOCを高精度に推定することが可能になる。
本開示によれば、SOCの推定精度を向上させることができる。
実施の形態1に係る二次電池システムが搭載された車両の全体構成を概略的に示す図である。 各セルの構成をより詳細に説明するための図である。 組電池の充放電に伴う表面応力の変化の一例を模式的に示す図である。 実施の形態1における組電池のSOC−OCVカーブのヒステリシスの一例を示す図である。 ヒステリシスに起因するSOC推定誤差を説明するための図である。 実施の形態1における事前測定の手順を示すフローチャートである。 理想OCVの設定手法の一例を説明するための図である。 表面応力マップの一例を示す図である。 OCV乖離量マップの作成手法を説明するための図である。 実施の形態1におけるSOC推定処理を説明するためのフローチャートである。 基準OCVを説明するための図である。 実施の形態2における表面応力マップMP1Aの一例を示す図である。 実施の形態2におけるフラグの管理手法を説明するための図である。 実施の形態2におけるSOC推定処理の全体の流れを説明するためのフローチャートである。 第1の推定処理を示すフローチャートである。 第2の推定処理を示すフローチャートである。 第3の推定処理を示すフローチャートである。 更新処理を示すフローチャートである。 実施の形態2におけるヒステリシス特性を説明するための図である。 実施の形態3におけるSOC推定処理を説明するためのフローチャートである。 実施の形態4における満充電容量算出処理を説明するためのフローチャートである。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
以下では、本実施の形態に係る二次電池システムがハイブリッド車両(より特定的にはプラグインハイブリッド車両)に搭載された構成を例に説明する。ただし、本実施の形態に係る二次電池システムは、ハイブリッド車両に限らず、走行用の組電池が搭載される車両全般(電気自動車、燃料電池車など)に適用可能である。さらに、本実施の形態に係る二次電池システムの用途は車両用に限定されず、たとえば定置用であってもよい。
[実施の形態1]
<二次電池システムの構成>
図1は、実施の形態1に係る二次電池システムが搭載された車両の全体構成を概略的に示す図である。図1を参照して、車両1は、ハイブリッド車両であって、二次電池システム2と、モータジェネレータ61,62と、エンジン63と、動力分割装置64と、駆動軸65と、駆動輪66とを備える。二次電池システム2は、組電池10と、監視ユニット20と、パワーコントロールユニット(PCU:Power Control Unit)30と、インレット40と、充電装置50と、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)100とを備える。
モータジェネレータ61,62の各々は、交流回転電機であり、たとえば、ロータに永久磁石が埋設された三相交流同期電動機である。モータジェネレータ61は、主として、動力分割装置64を経由してエンジン63により駆動される発電機として用いられる。モータジェネレータ61が発電した電力は、PCU30を介してモータジェネレータ62または組電池10に供給される。
モータジェネレータ62は、主として電動機として動作し、駆動輪66を駆動する。モータジェネレータ62は、組電池10からの電力およびモータジェネレータ61の発電電力の少なくとも一方を受けて駆動され、モータジェネレータ62の駆動力は駆動軸65に伝達される。一方、車両の制動時や下り斜面での加速度低減時には、モータジェネレータ62は、発電機として動作して回生発電を行なう。モータジェネレータ62が発電した電力は、PCU30を介して組電池10に供給される。
エンジン63は、空気と燃料との混合気を燃焼させたときに生じる燃焼エネルギーをピストンやロータなどの運動子の運動エネルギーに変換することによって動力を出力する内燃機関である。
動力分割装置64は、たとえば、サンギヤ、キャリア、リングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構(図示せず)を含む。動力分割装置64は、エンジン63から出力される動力を、モータジェネレータ61を駆動する動力と、駆動輪66を駆動する動力とに分割する。
組電池10は、複数のセル11(図2参照)を含む。本実施の形態において、各セルは、リチウムイオン二次電池である。組電池10は、モータジェネレータ61,62を駆動するための電力を蓄え、PCU30を通じてモータジェネレータ61,62へ電力を供給する。また、組電池10は、モータジェネレータ61,62の発電時にPCU30を通じて発電電力を受けて充電される。
監視ユニット20は、電圧センサ21と、電流センサ22と、温度センサ23とを含む。電圧センサ21は、組電池10に含まれる各セル11の電圧を検出する。電流センサ22は、組電池10に入出力される電流IBを検出する。充電時の電流IBは正であり、放電時の電流IBは負である。温度センサ23は、セル11毎の温度を検出する。各センサは、その検出結果をECU100に出力する。
なお、電圧センサ21は、たとえば直列接続された複数のセル11を監視単位として電圧VBを検出してもよい。また、温度センサ23は、隣接する複数のセル11を監視単位として温度TBを検出してもよい。このように、本実施の形態では、監視単位は特に限定されない。よって、以下では説明の簡略化のため、単に「組電池10の電圧VBを検出する」あるいは「組電池10の温度TBを検出する」と記載する。SOCおよびOCVについても同様に、組電池10を推定単位として記載する。
PCU30は、ECU100からの制御信号に従って、組電池10とモータジェネレータ61,62との間で双方向の電力変換を実行する。PCU30は、モータジェネレータ61,62の状態をそれぞれ別々に制御可能に構成されており、たとえば、モータジェネレータ61を回生状態(発電状態)にしつつ、モータジェネレータ62を力行状態にすることができる。PCU30は、たとえば、モータジェネレータ61,62に対応して設けられる2つのインバータと、各インバータに供給される直流電圧を組電池10の出力電圧以上に昇圧するコンバータ(いずれも図示せず)とを含んで構成されている。
インレット40は、充電ケーブルを接続可能に構成されている。インレット40は、充電ケーブルを介して、車両1の外部に設けられた電源90からの電力供給を受ける。電源90は、たとえば商用電源である。
充電装置50は、電源90から充電ケーブルおよびインレット40を介して供給された電力を、ECU100からの制御信号に従って組電池10の充電に適した電力に変換する。充電装置50は、たとえばインバータおよびコンバータ(いずれも図示せず)を含んで構成されている。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)100Aと、メモリ(より具体的にはROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory))100Bと、各種信号を入出力するための入出力ポート(図示せず)とを含んで構成される。ECU100は、監視ユニット20の各センサから受ける信号ならびにメモリ100Bに記憶されたプログラムおよびマップに基づいて、組電池10のSOCを推定する「SOC推定処理」を実行する。そして、ECU100は、SOC推定処理の結果に応じて組電池10の充放電を制御する。SOC推定処理については後に詳細に説明する。なお、ECU100は、本開示に係る「制御装置」に相当する。
図2は、各セル11の構成をより詳細に説明するための図である。図2におけるセル11は、その内部を透視して示されている。
図2を参照して、セル11は、角型(略直方体形状)の電池ケース111を有する。電池ケース111の上面は蓋体112によって封じられている。正極端子113および負極端子114の各々の一方端は、蓋体112から外部に突出している。正極端子113および負極端子114の他方端は、電池ケース111内部において、内部正極端子および内部負極端子(いずれも図示せず)にそれぞれ接続されている。電池ケース111の内部には電極体115が収容されている。電極体115は、正極116と負極117とがセパレータ118を介して積層され、その積層体が捲回されることにより形成されている。電解液は、正極116、負極117およびセパレータ118等に保持されている。
正極116、セパレータ118および電解液には、リチウムイオン二次電池の正極、セパレータおよび電解液として従来公知の構成および材料をそれぞれ用いることができる。一例として、正極116には、コバルト酸リチウムの一部がニッケルおよびマンガンにより置換された三元系の材料を用いることができる。セパレータには、ポリオレフィン(たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン)を用いることができる。電解液は、有機溶媒(たとえばDMC(dimethyl carbonate)とEMC(ethyl methyl carbonate)とEC(ethylene carbonate)との混合溶媒)と、リチウム塩(たとえばLiPF)と、添加剤(たとえばLiBOB(lithium bis(oxalate)borate)またはLi[PF(C])等を含む。
なお、セルの構成は特に限定されず、電極体が捲回構造ではなく積層構造を有するものであってもよい。また、角型の電池ケースに限らず、円筒型またはラミネート型の電池ケースも採用可能である。
従来、リチウムイオン二次電池の典型的な負極活物質は、炭素材料(たとえばグラファイト)であった。これに対し、本実施の形態では、シリコン系化合物(SiまたはSiO)が負極117の活物質として採用されている。シリコン系化合物を採用することで組電池10のエネルギー密度等を増加させることができるためである。その一方で、シリコン系化合物が採用された系では、SOC−OCV特性(SOC−OCVカーブ)にヒステリシスが顕著に現れ得る。その要因としては、以下に説明するように、充放電に伴う負極活物質の体積変化が考えられる。
<SOC−OCVカーブのヒステリシス>
負極活物質は、リチウムの挿入に伴い膨張し、リチウムの脱離に伴い収縮する。このような負極活物質の体積変化に伴い、負極活物質の表面および内部に応力が発生する。リチウムの挿入または脱離に伴うシリコン系化合物の体積変化量は、グラファイトの体積変化量よりも大きい。具体的には、リチウムが挿入されていない状態での最小体積を基準とした場合に、リチウムの挿入に伴うグラファイトの体積変化量(膨張率)が1.1倍程度であるのに対して、シリコン系化合物の体積変化量は最大で4倍程度である。そのため、負極活物質としてシリコン系化合物を採用した場合には、グラファイトを採用した場合と比べて、負極活物質の表面に発生する応力が大きくなる。以下、この応力のことを「表面応力」とも記載する。
一般に、単極電位(正極電位または負極電位)は、活物質表面の状態、より詳細には、活物質表面のリチウム量および表面応力により決定される。たとえば、負極活物質表面におけるリチウム量の増加に伴い、負極電位が低下することが公知である。シリコン系化合物のように大きな体積変化が生じる材料を採用すると、リチウム量の増減に伴う表面応力の変化量も大きくなる。ここで、表面応力にはヒステリシスが存在する。よって、表面応力およびそのヒステリシスの影響を考慮することで、負極電位を高精度に定義することが可能となる。そして、SOCとOCVとの関係を利用してOCVからSOCを推定する際に、そのように表面応力が考慮された負極電位を前提とすることで、SOCを高精度に推定することができる。
OCVとは、上述のように、組電池10の電圧が十分に緩和し、かつ、活物質内のリチウム濃度が緩和した状態での電圧を意味する。この緩和状態において負極表面に残留している応力は、負極活物質の内部に生じる応力と、負極活物質の体積変化に伴って周辺材料から負極活物質に働く反作用力と等を含む様々な力が系全体で釣り合ったときの応力と考えることができる。なお、周辺材料とは、バインダ、導電助剤などである。
図3は、組電池10の充放電に伴う表面応力σの変化の一例を模式的に示す図である。図3において、横軸は組電池10のSOCを示し、縦軸は表面応力σを示す。表面応力σについては、負極活物質71の収縮時(組電池10の放電時)に発生する引っ張り応力を正方向で表し、負極活物質71の膨張時(組電池10の充電時)に発生する圧縮応力を負方向で表している。
図3には、まず、完全放電状態(SOC=0%の状態)から満充電状態(SOC=100%の状態)まで一定の充電レートで組電池10が充電され、その後、満充電状態から完全放電状態まで一定の放電レートで組電池10が放電された場合の表面応力σの変化の一例が模式的に示されている。
完全放電状態からの充電開始直後には、表面応力σ(の絶対値)が線形に増加する。この充電中のSOC領域(SOC=0%からSOC=Xまでの領域)では、負極活物質71の表面の弾性変形が起こっていると考えられる。これに対し、それ以降の領域(SOC=XからSOC=100%までの領域)においては、負極活物質71の表面は弾性変形を超えて塑性変形に至っていると考えられる。一方、組電池10の放電時においては、満充電状態からの放電開始直後の領域(SOC=100%からSOC=Yまでの領域)では負極活物質71の表面で弾性変形が起こり、それ以降の領域(SOC=YからSOC=0%までの領域)では負極活物質71の表面の塑性変形が起こっていると考えられる。
なお、図3では、表面応力σのすべての変化を直線で示しているが、これは表面応力σの変化を模式的に示すものに過ぎず、実際には非線形的な変化も生じる(たとえば非特許文献1の図2参照)。また、図3にはSOCが0%から100%まで変化させる場合の例が示されているが、SOC領域はこれに限定されない。ここには示さないが、組電池のOCVが充電OCVまたは放電OCV(後述)から逸脱した場合には負極活物質71の表面では弾性変化が起こる。
組電池10の充電継続時には、主に、負極活物質表面に圧縮応力が働き(表面応力σが圧縮応力となり)、表面応力σが発生していない理想状態と比べて、負極電位が低下するその結果、組電池10のOCVが上昇する。一方、組電池10の放電継続時には、主に、負極活物質表面に引っ張り応力が働き(表面応力σが引っ張り応力となり)、理想状態と比べて、負極電位が上昇する。その結果、組電池10のOCVが低下する。以上のメカニズムに従って、組電池10のSOC−OCVカーブには充放電に伴うヒステリシスが現れる。
図4は、実施の形態1における組電池10のSOC−OCVカーブのヒステリシスの一例を示す図である。図4ならびに後述する図5、図7、図11、図13および図19において、横軸は組電池10のSOCを示し、縦軸は組電池10のOCVを示す。
図4には、組電池10を完全放電状態にしてから充電と休止(充電停止)とを繰り返すことで取得される曲線CHGと、組電池10を満充電状態にしてから放電と休止(放電停止)とを繰り返すことで取得される曲線DCHとが示されている。以下では、曲線CHG上のOCVを「充電OCV」と称し、曲線DCH上のOCVを「放電OCV」と称する。充電OCVと放電OCVとの乖離(シリコン系化合物では150mV程度)がヒステリシスを表している。
なお、充電OCVは、以下のように取得することができる。まず、完全放電状態の組電池10を準備し、たとえば5%のSOCに相当する電荷量(電気量)を充電する。その電荷量の充電後には充電を停止し、充電により生じた分極が解消されるまでの時間(たとえば30分間)、組電池10を放置する。その放置時間の経過後に組電池10のOCVを測定する。そして、充電後のSOC(=5%)と、測定されたOCVとの組合せ(SOC,OCV)を図中にプロットする。
続いて、次の5%のSOCに相当する電荷量の充電(SOC=5%から10%までの充電)を開始する。充電が完了すると、同様に放置時間の経過後に組電池10のOCVを測定する。そして、OCVの測定結果から、SOCとOCVとの組合せを再びプロットする。その後、組電池10が満充電状態に至るまで同様の手順を繰り返す。このような測定を実施することによって充電OCVを取得することができる。
次に、組電池10が満充電状態から完全放電状態に至るまで、今度は組電池10の放電と放電停止とを繰り返しながら、5%刻みのSOCにおける組電池10のOCVを測定する。このような測定を実施することによって放電OCVを取得することができる。取得された充電OCVおよび放電OCVは、ECU100のメモリ100Bに格納されている。
充電OCVは各SOCにおけるOCVの最高値を示し、放電OCVは各SOCにおけるOCVの最低値を示している。そのため、組電池10の状態(すなわち、SOCとOCVとの組合せ)は、SOC−OCV特性図において、充電OCV上、放電OCV上、または、充電OCVと放電OCVとで囲まれた領域D内のいずれかにプロットされることになる。なお、領域Dの外周は、図3に模式的に示した平行四辺形の外周と対応している。
図5は、ヒステリシスに起因するSOC推定誤差を説明するための図である。たとえば走行中の車両1においては、多くの場合、組電池10の充電と放電とが断続的に繰り返される。組電池10の充電電荷量の方が放電電荷量よりも大きいと(充電過多であると)、組電池10のOCVは、放電OCVよりも充電OCVに近くなる傾向がある。逆に、組電池10の放電電荷量の方が充電電荷量よりも大きいと(放電過多であると)、組電池10のOCVは、充電OCVよりも放電OCVに近くなる傾向がある。しかしながら、組電池10の状態が領域D内のどこに位置するかを厳密に把握することは困難である。そのため、ヒステリシスの存在により、SOCを高精度に推定することができなくなる可能性がある。たとえば図5に示す例では、あるOCVが測定された場合に、曲線CHGを参照したときと曲線DCHを参照したときとでは、そのOCVから推定されるSOCに最大でERRmaxの誤差が生じ得る。
そこで、本実施の形態においては、表面応力σに基づくヒステリシスがOCVに与える影響を考慮した上でSOCを推定する構成を採用する。この構成においては、SOCの推定に先立って表面応力σが算出される。以下に説明する事前測定を実施することにより、OCVの推定結果に表面応力σの影響を反映させ、OCVを補正することが可能になる。
<事前測定>
図6は、実施の形態1における事前測定の手順を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートは、実験者(二次電池システム2の開発者)により実施される。
図6を参照して、S101において、実験者は、後述するSOC推定処理の実行時に基準として用いられるSOC−OCVカーブを設定する。本実施の形態では、負極活物質71内に表面に応力が残存していない理想的(仮想的)な状態(σ≒0の状態)でのカーブを基準として用いるため、当該カーブ上にOCV(当該カーブ上に表されるSOCとOCVとの関係)を「理想OCV」とも記載する。理想OCVは、本開示に係る「第1の対応関係」に相当する。
図7は、理想OCVの設定手法の一例を説明するための図である。図7を参照して、充電OCVおよび放電OCVは、図4にて説明したような測定を実施することで取得可能である。
また、図4にて説明したように、負極活物質71の塑性変形が生じる場合の表面応力σ(圧縮応力σcおよび引っ張り応力σt)も薄膜評価などを通じて測定する(見積もる)ことができる。表面応力σの測定手法の一例を簡単に説明する。まず、応力により変形した薄膜の負極117の曲率κの変化が測定される。たとえば市販の曲率半径測定システムを用いることによって曲率κを光学的に測定することができる。そして、測定された曲率κと、負極117(負極活物質71および周辺部材72)の材料および形状に応じて定まる定数(ヤング率、ポアソン比、厚みなど)とをストーニーの式に代入することにより、表面応力σを算出することができる(応力測定の詳細については、たとえば非特許文献1を参照)。
充電OCV上の表面応力σは、降伏時の圧縮応力σcでほぼ一定であり、放電OCV上の表面応力σは、降伏時の引っ張り応力σdでほぼ一定である。そのため、理想OCVと充電OCVとの間の距離Dcと、理想OCVと放電OCVとの間の距離Ddとが、圧縮応力σcと引っ張り応力σtとの比に等しくなるカーブ(Dc:Dd=σc:σtとなるカーブ)上では、表面応力σを略0とみなすことができる。このようなカーブを算出することで、理想OCVを設定することができる。
図6を再び参照して、S102において、実験者は、様々な使用履歴における負極活物質71内の表面応力σを測定する。使用履歴の具体例としては、直近の所定期間(たとえば30分間)内の組電池10の温度TB、組電池10に入出力された電流IB、および、組電池10のSOCなどが挙げられる。実験者は、組電池10の使用履歴を様々な値に設定し、各使用履歴における表面応力σを測定する。
S103において、実験者は、S102にて表面応力σを測定したときと同等の組電池10の使用履歴((TBave,IBave,dSOC,SOC)の組合せ)において、組電池10のOCVを測定する。S102の処理とS103の処理とは実際には同時に実行される。OCVとは、組電池10の充放電が十分に休止された状態(それにより、電圧と、活物質内のリチウム濃度とが緩和した状態)で測定された電圧を意味する。
S104において、実験者は、S102での表面応力σの測定結果に基づいて、表面応力マップMP1を作成する。
図8は、表面応力マップMP1の一例を示す図である。以下では、パラメータの添字にaveを付すことによって、そのパラメータが直近の所定期間内の時間平均であることを示す。表面応力マップMP1においては、たとえば組電池10の平均温度TBaveと、組電池10に入出力された平均電流IBaveと、SOC変化量dSOCと、組電池10のSOCとの組合せ(TBave,IBave,dSOC,SOC)毎に、負極活物質71内に発生する表面応力σの測定結果が規定されている。
平均電流IBaveは、図8Aに示すように、正(言い換えると、所定期間内の組電池10が充電過多の状態であった場合)、0、負(所定期間内の組電池10が放電過多の状態であった場合)のように大まかに規定されていてもよい。一方、表面応力マップMP1は、図8Bに示すように、平均電流IBaveがより細分化された条件毎に規定されていてもよい。
また、SOC変化量dSOCとは、たとえば、平均電流Iaveの符号が反転した時点からのSOC変化量を表す。しかし、SOC変化量dSOCは、これに限定されず、ある一定期間(上述の直近の所定期間とは異なる期間であってもよいし、同じ期間であってもよい)内のSOCの増減を示す量であってもよい。
なお、表面応力マップMP1(および図12にて後述する表面応力マップMP1A)では、平均温度TBave、平均電流IBave、SOC変化量dSOC、およびSOCなどに具体的な数値が記載されている。しかし、これらの数値は、表面応力マップMP1の理解を容易にするための例示に過ぎず、表面応力マップMP1の内容を何ら制限するものではないことを確認的に記載する。
S105において、実験者は、表面応力σがOCVに及ぼす影響を表す「OCV乖離量ΔOCV」を算出する。本実施の形態において、OCV乖離量ΔOCVとは、理想ID上のOCV(以下、「OCVID」とも記載する)と、組電池10の電圧VB、電流IBなどから推定されるOCV(以下、「OCVES」とも記載する)との電位差であり、下記式(1)のように表される。OCV乖離量ΔOCVとは、表面応力σが基準応力(=0)の場合のOCVを基準とした表面応力σによるOCV変化量と言うこともできる。
OCVID−OCVES=ΔOCV ・・・(1)
そして、実験者は、表面応力σとOCV乖離量ΔOCVとの対応関係を示すOCV乖離量マップMP2を作成する(S106)。
図9は、OCV乖離量マップMP2の作成手法を説明するための図である。図9において、横軸は表面応力σを示し、縦軸はOCV乖離量ΔVを示す。
図9に示すように、本実施の形態におけるOCV乖離量ΔOCVの定義上、表面応力σが0の場合にはOCV乖離量ΔOCVも0になる。このように基準を定めることで、表面応力σとOCV乖離量ΔOCVとの対応関係を示すOCV乖離量マップMP2が作成される。OCV乖離量マップMP2を参照することにより、表面応力σからOCV乖離量ΔOCVを算出することが可能になる。なお、OCV乖離量マップMP2は、本開示に係る「第2の対応関係」に相当する。
組電池10が充電過多の状態の場合(負極活物質表面に圧縮応力が生じる場合)には、負極活物質71がリチウムの挿入により膨張し、負極開放電位が低下する。したがって、OCVESは、理想OCV(曲線ID)上のOCVIDよりも高くなる。よって、OCV乖離量ΔOCVは、負になる(式(1)参照)。一方、組電池10が放電過多の状態の場合(引っ張り応力が生じる場合)には、OCV乖離量ΔOCVは正になる。
なお、OCV乖離量ΔOCVの算出にOCV乖離量マップMP2を用いることは必須ではない。表面応力σとOCV乖離量ΔOCVとの間には下記式(2)が成立する。式(2)では、1モルのリチウムが挿入された場合の負極活物質71の体積増加量がΩ(単位:m/mol)で示され、ファラデー定数がF(単位:C/mol)で示されている。kは、実験的に求められた比例定数である。OCV乖離量マップMP2に代えて式(2)を用いることによって、表面応力σからOCV乖離量ΔOCVを算出してもよい。
ΔOCV=k×Ω×σ/F ・・・(2)
<SOC推定フロー>
図10は、実施の形態1におけるSOC推定処理を説明するためのフローチャートである。図10ならびに後述する図14、図20および図21に示すフローチャートは、たとえば所定の演算周期が経過する度にメインルーチン(図示せず)から呼び出され、ECU100により繰り返し実行される。今回がn(nは2以上)回目の演算サイクルであるとし、今回の演算サイクルのパラメータにはnを付し、前回の演算サイクルのパラメータには(n−1)を付して互いに区別する。
また、図10ならびに図14〜図18、図20および図21に示すフローチャートに含まれる各ステップ(以下「S」と略す)は、基本的にはECU100によるソフトウェア処理によって実現されるが、ECU100内に作製された専用のハードウェア(電気回路)によって実現されてもよい。
S201において、ECU100は、監視ユニット20内の各センサ(電圧センサ21、電流センサ22および温度センサ23)から組電池10の電圧VB、電流IBおよび温度TBを取得する。取得された各パラメータは、メモリ100Bに格納される。
S202において、ECU100は、組電池10のOCVを推定する(OCVESを取得する)。OCVESは、下記式(3)に従って算出することができる。式(3)では、組電池10の内部抵抗をRで表す。また、組電池10に生じた分極の影響を補正するための補正項をΣΔV(iは自然数)で表す。この補正項ΣΔVにより、正極活物質内および負極活物質内のリチウム拡散ならびに電解液内のリチウム塩拡散に由来して生じる分極を補正する。負極活物質内のリチウム拡散を考慮する際には、負極活物質内のリチウム濃度差と内部応力との両方の影響を考慮することが望ましい。補正項ΣΔVは、事前の予備実験に求められ、メモリ100Bに格納されているものとする。補正項ΣΔVも組電池10の充電時の値が正となるように定められる。
OCVES=VB−IB×R−ΣΔV ・・・(3)
S203において、ECU100は、前回の演算サイクルで算出されたSOC(n−1)をメモリ100Bから読み出す。
S204において、ECU100は、組電池10の電流IBおよび温度TBについて、直近の所定期間(たとえば30分間)の時間平均を算出する。この際、ECU100は、上記所定期間よりも前の使用履歴については上書きしたりメモリ100Bから消去したりすることが好ましい。言い換えると、たとえば移動平均の考え方に従って平均電流IBaveおよび平均温度TBaveを算出することができる。また、ECU100は、たとえば、平均電流Iaveの符号が反転した時点からのSOC変化量であるSOC変化量dSOCを算出する。
S205において、ECU100は、図8Aまたは図8Bに示した表面応力マップMP1を参照することによって、組電池10の使用履歴(TBave,IBave,dSOC,SOC(n−1))に基づいて、負極活物質71内の表面応力σを算出する。
S206において、ECU100は、図9に示したOCV乖離量マップMP2を参照することによって、S205にて算出された表面応力σからOCV乖離量ΔOCVを算出する。
S207において、ECU100は、表面応力σの影響によるOCVのずれを補正した理想的なOCVである「OCVID」を算出する。OCVIDは、OCVESと、S206にてOCV乖離量マップMP2を参照することによって算出されたOCV乖離量ΔOCVとを用いて算出される(式(1)参照)。
S208において、ECU100は、理想OCVを用いて、S207にて算出された理想OCVIDに対応するSOCを今回の演算サイクルのSOC(n)として推定する。推定されたSOC(n)は、次回の演算サイクルでのS203の処理にて使用するためにメモリ100Bに格納される(S209)。
以上のように、実施の形態1によれば、表面応力σに起因するOCVのヒステリシスが考慮される。より詳細には、OCVESは、表面応力σの影響で理想OCV上から乖離している。そのため、表面応力σによるOCVのずれを示すOCV乖離量ΔOCVを用いてOCVESを補正(表面応力σの影響を除去)することで理想OCVIDが算出される。そして、理想OCV上で理想OCVIDに対応するSOCが組電池10のSOCとして推定される。これにより、たとえ充放電に伴う体積変化量が大きく、ヒステリシスの影響が顕著に現れる活物質(シリコン系化合物)が負極117に採用される場合であっても、SOCを高精度に推定することが可能になる。
また、表面応力マップMP1の参照に先立ち、所定期間よりも前の過去の使用履歴については廃棄(上書きまたは消去)されると説明した。一般に、車載用のECUにおいては、据え置き型の演算装置(シミュレーション端末など)と比べて、処理能力(CPUの演算性能およびメモリの容量)に制約が存在する。そのため、表面応力σの算出に使用する使用履歴の量を削減することが車両上では求められる。本実施の形態によれば、事前の評価実験に基づいて所定期間の長さを適正値に定めることで、表面応力σの算出精度を確保しつつ、表面応力σの算出に使用される使用履歴の量が削減される。これにより、CPU100Aの演算性能が比較的低かったりメモリ100Bの容量が比較的小さかったりしても、SOC推定処理を実行することが可能になる。
[実施の形態1の変形例]
実施の形態1では、負極活物質71内に表面応力σが残存していない理想的な状態での理想OCVを基準として用いる例を説明した。しかし、理想OCVはSOC推定処理において基準として用いられるSOC−OCVカーブの一例に過ぎず、これに限定されるものではない。実施の形態1の変形例においては、理想OCVに代えて他のOCV(基準OCVと称し、REFで示す)が用いられる例を説明する。
図11は、基準OCVの一例を説明するための図である。図11に示すように、たとえば、充電OCVと一致するように基準OCVを設定してもよい。この場合、OCV乖離量ΔOCVは、基準OCV上からのOCVのずれと読み替えられる。このように、充電OCVと一致するように基準OCVを設定してもよい。また、説明は繰り返さないが、放電OCVと一致するように基準OCVを設定することも可能である。
さらに、基準OCVが充電OCVまたは放電OCVと一致することも必須ではない。基準OCVは、表面応力σが基準応力で略一定となるときのOCVとSOCとの対応関係を示すものであればよく、そのように設定された基準OCVに応じてOCV乖離量マップMP2を適宜作成することができる。具体的には、充電OCVと放電OCVとの中間のOCVを仮の理想状態として基準OCVを設定してもよい。この場合には、負極活物質表面の圧縮応力σcと引っ張り応力σtとが等しいと仮定して基準OCVを設定することになる。なお、この場合、降伏時の圧縮応力σc(=引っ張り応力σt)は、SOC毎に異なっていてもよい。
[実施の形態2]
実施の形態1において、表面応力マップMP1(図8A参照)は、組電池10のSOCと平均電流Iaveとをパラメータとして含む。SOCは、負極活物質71内に存在するリチウム量が表面応力σに与える影響を算定するためのパラメータである。さらに、表面応力マップMP1では、SOCに加えて平均電流Iaveを用いることにより、リチウムの挿入および脱離の態様(たとえばリチウム挿入速度およびリチウムの脱離速度)が表面応力σに与える影響が算定されている。
本発明者は、組電池10の充放電が切り替わった時点(より詳細には、組電池のOCVが充電OCVおよび放電OCVのうちの一方から逸脱した時点)から充放電された電荷量を用いることによって表面応力σの算出精度が向上することを見出した。そのため、実施の形態2においては、表面応力マップMP1とは別の表面応力マップMP1Aを用いる構成について説明する。実施の形態2に係る二次電池システムの全体構成は、実施の形態1に係る二次電池システム2(図1参照)と構成と基本的に同等である(後述する実施の形態3,4においても同様)。
<表面応力マップ>
図12は、実施の形態2における表面応力マップMP1Aの一例を示す図である。表面応力マップMP1Aにおいては、たとえば、組電池10の平均温度TBaveと、SOC変化量ΔSOCと、組電池10のSOCとの組合せ(TBave,ΔSOC,SOC)毎に、表面応力σの測定結果が規定されている。
SOC変化量ΔSOCとは、基準となるSOC(以下、「基準SOCREF」とも記載する)からのSOCの変化量であり、図8Aおよび図8Bにて説明したSOC変化量dSOCとは異なるパラメータである。組電池10の満充電容量Cは既知である。そのため、SOC変化量ΔSOCは、基準SOCREFから電流積算を行ない、積算により求められた電荷量(ΔAh)を満充電容量Cによって除算することにより算出することができる(ΔSOC=ΔAh/C)。また、電流積算により推定されたSOCと、本開示に従って高精度に推定されたSOC(SOC−OCVカーブを参照することで推定されたSOC)との各々に所定の重み付け係数を掛けて足し合わせる(いわばブレンドする)ことによってSOCを求め、そのSOCの基準SOCREFからの変化量を算出してもよい。なお、表面応力マップMP1Aは、図12に示す3つのパラメータに加えて、平均電流Iaveを4つ目のパラメータとして含んでもよい。
<フラグ管理>
SOC変化量ΔSOCの算出には、どの基準SOCREFから電流積算を開始するのかを定めることを要する。したがって、実施の形態2において、ECU100は、電流積算の開始点を決定するためのフラグFを管理している。フラグFは、F=1〜3のいずれかの値を取り、ECU100内のメモリ100Bに不揮発的に記憶されている。
図13は、実施の形態2におけるフラグFの管理手法を説明するための図である。m(mは自然数)回目の演算サイクルのSOC推定処理により判明した組電池10の状態(OCVとSOCとの組合せ)をP(m)と表す。図13Aでは、組電池10が充電され、組電池10の状態P(m)が充電OCV上にプロットされた例が示されている。
状態P(m)から組電池10の充電が継続された場合、(m+1)回目の演算サイクルにおける状態P(m+1)は、図13Bに示すように充電OCV上にプロットされる。このように、充電OCV上の状態Pから組電池10がさらに充電された場合、フラグFがF=1に設定される。これにより、後述する「第1の推定処理」(図15参照)が実行される。
一方、図13Aに示した状態P(m)から組電池10が放電された場合には、図13Cに示すように、(m+1)回目の演算サイクルにおける状態P(m+1)は、充電OCVから外れ、充電OCVと放電OCVとの間にプロットされることになる。このように、充電OCVと放電OCVとの間にプロットされた状態Pから組電池10が充電または放電された場合、フラグFは、F=3に設定される。これにより、「第3の推定処理」(図17参照)が実行される。
その後、組電池10の放電が継続されると、たとえば(m+2)回目の演算サイクルにおいて、状態P(m+2)が放電OCVに到達する(図13D参照)。このように、放電OCV上の状態Pから組電池10がさらに放電された場合、フラグFは、F=2に設定される。これにより、「第2の推定処理」(図16参照)が実行される。
また、F=1の場合には、第1の推定処理の実行後に、新たなSOC(第1の推定処理により推定されたSOC)に基準SOCREFが更新される。そして、基準SOCREFの更新とともに、SOC変化量ΔSOCの算出のための電流積算がリセットされる。F=2の場合にもF=1の場合と同様に、第2の推定処理により推定されたSOCへと基準SOCREFが更新されるとともに、電流積算がリセットされる。
これに対し、F=3の場合には、基準SOCREFは更新されず、第3の推定処理の実行前の値に保持される。さらに、SOC変化量ΔSOCの算出のための電流積算も継続される。基準SOCREFの更新または非更新については、図18に示す更新処理の処理フローにて詳細に説明する。
<SOC推定フロー>
図14は、実施の形態2におけるSOC推定処理の全体の流れを説明するためのフローチャートである。ECU100のメモリ100Bには、前回の演算サイクルで求められたフラグFとともに基準SOCREFが格納されている。
図1および図14を参照して、S301において、ECU100は、組電池10のSOCを推定するための初期条件がすでに設定されているか否かを判定する。たとえば、車両1のイグニッションオン(IG−ON)操作が行なわれた直後には初期条件が設定されていない(S301においてNO)。そのため、ECU100は、処理をS302に進め、メモリ100Bに格納されたフラグFを読み出す。さらに、ECU100は、メモリ100Bから基準SOCREFを読み出す(S303)。その後、処理は、S304に進められる。なお、図14に示す一連の処理の2回目以降の実行時には、初期条件はすでに設定されているとして(S301においてNO)、S302,S303の処理はスキップされる。
S304において、ECU100は、フラグFの値を判定する。上述のように、フラグF=1の場合、ECU100は、第1の推定処理を実行する(S400)。フラグF=2の場合、ECU100は、第2の推定処理を実行する(S500)。フラグF=3の場合、ECU100は、第3の推定処理を実行する(S600)。第1〜第3の推定処理のいずれかが終了すると、次回のSOC推定処理にて使用されるフラグFを更新するとともに、基準SOCREFを更新するための更新処理がさらに実行される(S700)。その後、処理はメインルーチンへと戻される。
図15は、第1の推定処理を示すフローチャートである。図1および図15を参照して、S401において、ECU100は、監視ユニット20内の各センサから組電池10の電圧VB、電流IBおよび温度TBを取得する。さらに、S402において、ECU100は、組電池10のOCV(OCVES)を推定する。S401,S402は、実施の形態1におけるS201,S202の処理とそれぞれ同等である。
S403において、ECU100は、充電OCVを用いて、OCVESからSOCを推定する。推定されたSOCは、メモリ100Bに格納される(S404)。
図16は、第2の推定処理を示すフローチャートである。図16を参照して、第2の推定処理は、S503の処理にて充電OCVに代えて放電OCVが用いられる点以外は第1の推定処理と基本的に同等であるため、詳細な説明は繰り返さない。
図17は、第3の推定処理を示すフローチャートである。実施の形態2では、第3の推定処理が本開示に係る「SOC推定処理」に相当する。図1および図17を参照して、S601〜S603の処理は、実施の形態1におけるS201〜S203の処理(図10参照)とそれぞれ同等である。
S604において、ECU100は、組電池10の温度TBについて、移動平均の考え方に従って、予め定められた所定期間(たとえば30分間)内の時間平均を算出する。所定期間よりも前の温度履歴は、上書きされるかメモリ100Bから消去される。
S605において、ECU100は、SOC変化量ΔSOCを算出する。SOC変化量は、上述のように、電流積算により求められた電荷量を満充電容量Cで除算することによって算出することができる。
S606において、ECU100は、図12に示した表面応力マップMP1Aを参照することによって、組電池10の使用履歴(TBave,ΔSOC,SOC(n−1))に基づいて、負極活物質71内の表面応力σを算出する。
S607において、ECU100は、図9に示したOCV乖離量マップMP2を参照することによって、表面応力σからOCV乖離量ΔOCVを算出する。以降のS608〜S610の処理は、実施の形態1におけるS207〜S209の処理(図10参照)とそれぞれ同等である。
図18は、更新処理を示すフローチャートである。図1、図13および図18を参照して、S701において、ECU100は、第1〜第3の推定処理のいずれかにより求められた組電池10の状態P(OCVとSOCとの組合せ)が充電OCV上にあるか否かを判定する。状態Pが充電OCV上にある場合(S701においてYES)、ECU100は、組電池10が充電中であるか否かをさらに判定する(S702)。電流IBが正である場合に組電池10が充電中であると判定される。なお、組電池10が放電されない限り、状態Pは充電OCV上に維持され、SOCの推定手法を変更する必要は生じないので、電流IB=0の場合にも組電池10が充電中と判定してよい。
組電池10が充電中である場合(S702においてYES)、ECU100は、処理をS705に進め、フラグFをF=1に設定する(図13B参照)。一方、状態Pが充電OCV上にない場合(S701においてNO)、または、状態Pが充電OCV上にあったが組電池10が放電された場合(S702においてNO、図13C参照)には、ECU100は、処理をS703に進める。
S703において、ECU100は、組電池10の状態Pが放電OCV上にあるか否かを判定する。状態Pが放電OCV上にある場合(S703においてYES)、ECU100は、組電池10が放電中であるか否かをさらに判定する(S704)。
組電池10が放電中である場合(S704においてYES)、ECU100は、処理をS706に進め、フラグFをF=2に設定する(図13E参照)。フラグFがF=1に設定された場合(S705の処理が実行された場合)、ECU100は、第1の推定処理により推定された新たなSOCへと、基準SOCREFを更新するとともに電流積算をリセットする(S708)。フラグFがF=2に設定された場合(S706の処理が実行された場合)も同様に、基準SOCREFの更新および電流積算のリセットが行なわれる。
これに対し、S703にて組電池10の状態Pが放電OCV上にない場合(S703においてNO)、状態Pは、充電OCV上にも放電OCV上にもない。また、組電池10の状態Pが放電OCV上にあっても、その後に組電池10が充電された場合(S704においてNO)にも、状態Pが放電OCV上から外れる。このように、状態Pが充電OCV上にも放電OCV上にもない場合には、ECU100は、処理をS707に進め、フラグFをF=3に設定する。さらに、ECU100は、基準SOCREFを更新せず、第3の推定処理の実行前の値(第1または第2の推定処理により推定された値)を保持する。また、ECU100は、SOC変化量ΔSOCの算出のための電流積算も継続して実行する(S709)。
以上のように、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、表面応力σに起因するOCVのヒステリシスを考慮することにより、充放電に伴う体積変化量が大きい活物質が負極117に用いられた場合であってもSOCを高精度に推定することができる。さらに、実施の形態2では、表面応力マップMP1Aを用いて、組電池10のOCVが充電OVCVまたは放電OCVから逸脱した時点(組電池の状態が充電曲線CHGまたは放電曲線DCHから逸脱した時点)からのSOC変化量ΔSOCに基づいて表面応力σが算出される。これにより、表面応力σの算出精度を向上させることができるので、ひいてはSOCの推定精度を一層向上させることが可能になる。
なお、実施の形態2では、SOCの推定が第1〜第3の推定処理に分けて行なわれ、第3の推定処理のみで表面応力マップMP1Aが使用される例について説明した。しかし、充電OCV上で使用する表面応力マップMP1Aと、放電OCV上で使用する表面応力マップMP1Aとをさらに作成し、充電OCV上または放電OCV上においても、それらカーブ間の領域Dの場合(第3の推定処理の実行時)と同様にマップを用いてSOCを推定してもよい。ただし、そのような場合であっても、基準SOCREFの更新および電流積算のリセットのためにフラグFの管理は行なわれる。
[実施の形態3]
たとえばシリコン系化合物とグラファイトとを含む複合体からなる複合材料を負極活物質として採用する構成も考えられる。このような複合材料が採用された場合のSOC−OCVカーブは、シリコン系化合物が単独で採用された場合とは異なるヒステリシス特性を示す。実施の形態3においては、複合材料のヒステリシス特性の特徴を活かすためのSOC推定処理について説明する。
図19は、実施の形態2におけるヒステリシス特性を説明するための図である。図19に示すように、シリコン系化合物とグラファイトとを含む複合材料が採用された場合に、OCVのヒステリシスが有意に生じるSOC領域が低SOC領域(図19ではTH未満のSOC領域)に限られる。しきい値THは、事前の実験により求めることができる。なお、高SOC領域(TH以上のSOC領域)が本開示に係る「第1のSOC領域」に相当し、低SOC領域が本開示に係る「第2のSOC領域」に相当する。
図20は、実施の形態3におけるSOC推定処理を説明するためのフローチャートである。図1および図20を参照して、S701において、ECU100は、前回の演算サイクルで推定されたSOC(n−1)をメモリ100Bから読み出す。
S702において、ECU100は、SOC(n−1)がしきい値TH未満であるか否かを判定する。SOC(n−1)がしきい値TH未満である場合(S702においてYES)には、ECU100は、実施の形態1と同様のSOC推定処理(図10参照)を実行する(S703)。実施の形態1におけるSOC推定処理に代えて、実施の形態2における第3の推定処理(図17参照)を実行してもよい。
これに対し、SOC(n−1)がしきい値TH以上である場合(S702においてNO)、ECU100は、通常の手法を用いてSOCを推定する。具体的には、まず、ECU100は、組電池10のOCVを推定する(S704)。そして、ECU100は、表面応力σに起因するヒステリシスを考慮していない通常のSOC−OCVカーブを用いて、S704にて推定したOCVから今回の演算サイクルにおけるSOC(n)を推定する(S705)。推定されたSOC(n)は、メモリ100Bに格納され、次回の演算処理のS701の処理にて用いられる(S706)。
以上のように、実施の形態3によれば、複合材料が負極活物質として採用された場合に、OCVのヒステリシスが有意に生じる低SOC領域では、表面応力σに起因するヒステリシスを考慮してSOC推定が行なわれる。その一方で、有意なヒステリシスが生じない高SOC領域では、一般的な手法に従ってSOC推定が行なわれる。表面応力σに起因するヒステリシスを考慮したSOC推定と、一般的な手法に従うSOC推定とを比べると、前者の方が後者よりも大きな計算資源を必要とする。そのため、高SOC領域では通常の手法を用いることで、ECU100の計算資源を節約することができる。
図19および図20では、シリコン系材料とグラファイトとを含む複合材料の例について説明したが、有意なヒステリシスを一部のSOC領域のみで示す材料であれば、負極活物質が他の材料を含んで構成されていてもよい。そのような材料の例としては、シリコン系材料とチタン酸リチウムとを含む複合材料が挙げられる。この複合材料では、有意なヒステリシスが高SOC領域に生じることが知られている。その場合には、図20に示した処理フローにおいては、S702の判定処理での不等号の向きが反対にすればよい。
[実施の形態4]
実施の形態1〜3では、組電池10のSOC推定処理について説明した。実施の形態4においては、組電池10の劣化状態(SOH:State Of Health)を判定する処理、より具体的には、組電池10の満充電容量を算出する処理(満充電容量算出処理)について説明する。
図21は、実施の形態4における満充電容量算出処理を説明するためのフローチャートである。図1および図21を参照して、S801において、ECU100は、電流センサ22を用いた電流積算を開始する。
S802において、ECU100は、実施の形態1と同様の1回目のSOC推定処理(図10参照)を実行する。1回目のSOC推定処理により推定されたSOCをS1と記載する。
1回目のSOC推定処理と後述する2回目のSOC推定処理(S806の処理)との間に過度に長い時間が経過すると、電流センサ22の検出誤差が蓄積され、1回目のSOC推定処理と2回目のSOC推定処理との間での充放電電荷量ΔAhの算出精度が低下する。そのため、S803において、ECU100は、1回目のSOC推定処理と2回目のSOC推定処理との間に経過した時間が所定時間である否かを判定する。所定時間よりも長い時間が経過した場合(S803においてYES)には、処理がメインルーチンへと戻され、一連の処理が最初から再度実行される。
満充電容量Cの高精度に推定するためには、1回目のSOC推定処理と2回目のSOC推定処理との間での組電池10の充放電電荷量ΔAhがある程度大きいことが望ましい。そのため、所定時間が経過していない場合(S803においてNO)に、ECU100は、処理をS804に進め、充放電電荷量ΔAhが所定量以上であるか否かを判定する(S804)。充放電電荷量ΔAhが所定量以上になると(S804においてYES)、ECU100は、2回目のSOC推定処理を実行するための条件が成立したとして、電流積算を停止し(S805)、2回目のSOC推定処理を実行する(S806)。2回目のSOC推定処理により推定されたSOCをS2と記載する。
なお、1回目および2回目の推定処理のうちの一方または両方は、実施の形態2における第3の推定処理(図17参照)であってもよい。また、実施の形態3のように、一部のSOC領域でのみ表面応力σに起因するヒステリシスを考慮したSOC推定を行なってもよい。
S807において、ECU100は、2回のSOC推定処理の推定結果であるS1,S2と充放電電荷量ΔAhとを用いて、組電池10の満充電容量Cを算出する。より具体的には、満充電容量Cは、下記式(4)に従って算出することができる。
C=ΔAh/(S1−S2)×100 ・・・(4)
以上のように、実施の形態4によれば、表面応力σに起因するヒステリシスを考慮してSOCを推定し、その推定結果を用いて満充電容量Cが算出される。実施の形態1〜3と同様にOCVのヒステリシスを考慮することでSOCを高精度に推定することができるため、満充電容量Cについても高精度に推定することが可能になる。
なお、実施の形態1〜4では、充放電に伴う体積変化量が大きな負極活物質として、シリコン系化合物が用いられる例について説明した。しかし、充放電に伴う体積変化量が大きな負極活物質はこれに限定されるものではない。本明細書において、「体積変化量が大きな負極活物質」とは、充放電に伴うグラファイトの体積変化量(約10%)と比較して体積変化量が大きな材料を意味する。そのようなリチウムイオン二次電池の負極材料としては、スズ系化合物(SnまたはSnOなど)、ゲルマニウム(Ge)系化合物または鉛(Pb)系化合物が挙げられる。なお、リチウムイオン二次電池は、液系に限らず、ポリマー系であってもよいし全固体系であってもよい。また、正極活物質の体積変化量が多き場合には、正極由来のヒステリシスを考慮してもよい。
さらに、本開示に係る「SOC推定処理」を適用可能な二次電池はリチウムイオン二次電池に限定されず、他の二次電池(たとえばニッケル水素電池)であってもよい。また、表面応力は、二次電池の正極側においても発生し得る。そのため、SOC推定に際して二次電池の正極側の表面応力を考慮に入れるために本開示に係る「SOC推定処理」を用いてもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、2 二次電池システム、10 組電池、11 セル、20 監視ユニット、21 電圧センサ、22 電流センサ、23 温度センサ、30 PCU、40 インレット、50 充電装置、61,62 モータジェネレータ、63 エンジン、64 動力分割装置、65 駆動軸、66 駆動輪、71 負極活物質、72 周辺部材、90 電源、100 ECU、100A CPU、100B メモリ、111 電池ケース、112 蓋体、113 正極端子、114 負極端子、115 電極体、116 正極、117 負極、118 セパレータ。

Claims (6)

  1. 活物質を含む電極を有する二次電池と、
    第1および第2の対応関係を用いて前記二次電池のSOCを推定するSOC推定処理を実行する制御装置とを備え、
    前記第1の対応関係は、前記活物質の表面応力が基準応力である場合の前記二次電池のOCVとSOCとの対応関係であり、
    前記第2の対応関係は、前記表面応力と、前記表面応力が前記基準応力である場合のOCVを基準とした前記表面応力によるOCV変化量との対応関係であり、
    前記制御装置は、前記SOC推定処理において、
    前記二次電池の使用履歴から前記表面応力を算出し、
    前記第2の対応関係を参照することによって、算出された前記表面応力から前記OCV変化量を算出し、
    前記二次電池の電圧値および電流値から推定される推定OCVを前記OCV変化量により補正し、
    前記第1の対応関係を参照することによって、補正後の推定OCVに対応するSOCを前記二次電池のSOCとして推定する、二次電池システム。
  2. 前記制御装置は、前記SOC推定処理を繰り返し実行し、
    前記使用履歴は、前記二次電池の温度、前記二次電池に入出力された電流、前記二次電池のSOC変化量、および、前回の前記SOC推定処理により推定された前記二次電池のSOCを含む、請求項1に記載の二次電池システム。
  3. 前記制御装置は、前記SOC推定処理を繰り返し実行し、
    前記使用履歴は、前記二次電池の温度、前記二次電池の充電曲線および放電曲線のうちのいずれか一方の曲線上から前記二次電池のSOCとOCVとの組合せが逸脱してから前記二次電池に充放電された電荷量、および、前回の前記SOC推定処理により推定された前記二次電池のSOCを含む、請求項1に記載の二次電池システム。
  4. 前記制御装置は、前記使用履歴を格納するメモリを含み、前記SOC推定処理の実行時から所定期間以内に前記メモリに格納された前記使用履歴を用いて前記表面応力を算出する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の二次電池システム。
  5. 前記活物質は、第1および第2の活物質を含み、
    前記二次電池の充放電に伴う前記第2の活物質の体積変化量は、前記二次電池の充放電に伴う前記第1の活物質の体積変化量よりも大きく、
    前記二次電池のOCVとSOCとの対応関係には、第1のSOC領域と、前記第1のSOC領域と比べて、前記二次電池の充放電に伴う前記二次電池のOCVのヒステリシスが大きい第2のSOC領域とが存在し、
    前記制御装置は、
    前記二次電池のSOCを繰り返し推定し、
    前回推定された前記二次電池のSOCが前記第2のSOC領域内である場合に前記SOC推定処理を実行する一方で、
    前回推定された前記二次電池のSOCが前記第1のSOC領域内である場合には前記第1および第2の対応関係とは異なり前記第2の活物質の表面応力に起因するヒステリシスが考慮されていないOCVとSOCとの関係に従って前記二次電池のSOCを推定する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の二次電池システム。
  6. 電極内に活物質を含む二次電池のSOC推定方法であって、
    前記活物質の表面応力が基準応力である場合の前記二次電池のOCVとSOCとの対応関係を示す第1の対応関係と、
    前記表面応力と、前記表面応力が前記基準応力である場合のOCVを基準とした前記表面応力によるOCV変化量との対応関係を示す第2の対応関係とが予め定められ、
    前記SOC推定方法は、
    前記二次電池の使用履歴から前記表面応力を算出するステップと、
    前記第2の対応関係を参照することによって、算出された前記表面応力から前記OCV変化量を算出するステップと、
    前記二次電池の電圧値および電流値から推定される推定OCVを前記OCV変化量により補正するステップと、
    前記第1の対応関係を参照することによって、補正後の推定OCVに対応するSOCを前記二次電池のSOCとして推定するステップとを含む、二次電池のSOC推定方法。
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