JP6925638B2 - 牛の健康状態管理システム及び管理方法並びに健康状態管理プログラム - Google Patents

牛の健康状態管理システム及び管理方法並びに健康状態管理プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP6925638B2
JP6925638B2 JP2018234865A JP2018234865A JP6925638B2 JP 6925638 B2 JP6925638 B2 JP 6925638B2 JP 2018234865 A JP2018234865 A JP 2018234865A JP 2018234865 A JP2018234865 A JP 2018234865A JP 6925638 B2 JP6925638 B2 JP 6925638B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
activity
cow
index
amount
determination unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018234865A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019122368A (ja
Inventor
祐樹 藪内
祐樹 藪内
剛 小佐野
剛 小佐野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DESAMIS CO., LTD.
Original Assignee
DESAMIS CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DESAMIS CO., LTD. filed Critical DESAMIS CO., LTD.
Publication of JP2019122368A publication Critical patent/JP2019122368A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6925638B2 publication Critical patent/JP6925638B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Description

本発明は、牛の健康状態管理システム及び管理方法並びに健康状態管理プログラムに関する。
畜産業において、畜産動物の健康状態の把握は重要である。しかし、近年、畜産業に従事する人の数が減少し、酪農に関しては、一戸あたりの規模が大規模化してきている一方、労働力不足の問題が生じている。労働力不足により飼育している牛の体調や健康状況のチェック等が疎かになり、牛の繁殖や病気の管理に影響が生じ、ひいては牛乳や牛肉等の生産性の低下につながる虞がある。
そこで、このような状況を改善するために、牛などの畜産動物を各種センサ及びコンピュータを用いて管理するシステムが提案されている(例えば、特許文献1〜4)。
特許文献1には、温度センサやテレメータを備えたタグを牛の耳標に用いて、牛の個体識別を可能にするとともに、検出した牛の体温をコンピュータを用いて一括して管理するシステムが開示されている。
特許文献2には、管理する動物に装着されて加速度等の所定の物理量を測定すると共にその測定データを無線送信するように構成されたセンサと、当該センサによる測定データに基づいて所定の頻度で所定の判定を行うと共に、その判定結果を所定の報告先へ所定の方法で伝える判定コンピュータと、を備える動物の健康管理システムが開示されている。
特許文献3には、牛などの反芻動物の健康状態を管理する方法及びシステムとして、反芻動物の首輪に取り付けられ、反芻動物から見て前後方向の加速度を計測する加速度センサおよび/または反芻動物の下顎部および体部の温度を計測する温度センサを有し、これらのセンサにより計測された加速度データおよび/または温度データに基づいて反芻動物11の健康状態、発情や分娩のタイミングを把握する技術が開示されている。
特許文献4には、反芻動物が横臥姿勢で休息しているか、あるいは立位姿勢で休息しているかをいっそう正確に把握するために、反芻動物の首に装着する首輪に気圧センサ及び加速度センサを取り付けて、気圧センサ及び加速度センサで取得したそれぞれの計測データによって反芻動物の健康状態を判別する反芻動物状態判別部を備えたデータ解析処理装置を備える健康管理システムが開示されている。
しかし、このような従来のシステムは、牛の健康管理において、牛に生じる進行速度の異なる疾病を早期に発見して処置や管理を行うことができないという問題があった。
特開2003−333950号公報 特開2007−306804号公報 特開2008−228573号公報 特開2017−60407号公報
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、飼育されている牛の多様な活動状態を判別し、判別された活動ごとの活動量から算出した指標の変化に基づいて、進行速度の異なる疾病を検知可能な、牛の健康状態管理システムを提供することにある。
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による牛の健康状態管理システムは、管理区域内の牛に装着される活動状態センサモジュールと、前記活動状態センサモジュールに通信ネットワークを介して接続された管理装置と、を備える牛の健康状態管理システムであって、前記活動状態センサモジュールは、3軸加速度センサ及び気圧センサを含み、前記それぞれのセンサで測定された測定値に前記牛の識別用データを関連付けた前記牛の活動データを前記管理装置に送信し、前記管理装置は、活動状態判定部、健康状態判定部、通信部、記憶部、表示部、及びシステム全般の制御を行う制御部を含み、前記活動状態判定部は、前記活動状態センサモジュールから受信した前記牛の活動データに基づいて、前記牛の活動状態を予め設定された行動特定モデルを利用して特定し、前記特定された前記牛の活動状態に対応する前記牛の行動系指標、静止系指標、及び反芻系指標を算出し、前記健康状態判定部は、前記算出された牛の行動系指標、静止系指標、及び反芻系指標の時間的変動量を予め設定された閾値と比較し、前記牛の行動系指標、静止系指標、及び反芻系指標のいずれかの前記変動量が前記閾値を超えた場合、所定の判定モデルにより前記牛の健康状態の異常の有無を判定し、前記制御部は、所定の周期で前記活動状態センサモジュールから前記牛の活動データを取得し、前記活動状態判定部を動作させて、前記取得した牛の活動データに基づいて算出した前記牛の行動系指標、静止系指標、及び反芻系指標を含む指標データを、取得した時間順に前記記憶部に保存し、所定の時間ごとに前記健康状態判定部を動作させ、前記記憶部に時間順に保存された前記指標データの中から直前を含む所定期間の指標データを読み出して前記健康状態判定部に送信し、前記健康状態判定部で前記所定期間の指標データに対する前記直前の指標データの変動量に基づいて、前記牛の健康状態に異常があると判定されると、警告を表示させるための指令を生成するように制御することを特徴とする。
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による牛の健康状態管理方法は、管理区域内の牛に装着される活動状態センサモジュールと、前記活動状態センサモジュールに通信ネットワークを介して接続された管理装置と、を備える牛の健康状態管理システムにおいて、牛の健康状態を管理する方法であって、前記管理装置が、所定の周期で前記活動状態センサモジュールから牛の活動データを取得するステップと、前記取得した前記牛の活動データに基づいて、前記牛の行動系指標、静止系指標、及び反芻系指標を算出するステップと、前記算出された前記牛の行動系指標、静止系指標、及び反芻系指標を含む指標データを前記牛の識別用データに関連付けて、取得した時間順に前記管理装置の記憶部に保存するステップと、所定の時間ごとに、前記記憶部に保存された前記指標データの中から直前を含む所定期間の指標データを読み出して、前記所定期間の指標データに対する前記直前の指標データの変動量を予め設定された閾値と比較するステップと、前記比較された指標データに含まれる行動系指標、静止系指標、及び反芻系指標のいずれかの前記変動量が前記閾値を超えた場合、所定の判定モデルにより前記牛の健康状態の異常の有無を判定するステップと、前記牛の健康状態に異常があると判定されると、警告を表示させるための指令を生成するステップと、を有することを特徴とする。
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による牛の健康状態管理プログラムは、管理区域内の牛に装着される活動状態センサモジュールと、前記活動状態センサモジュールに通信ネットワークを介して接続された管理装置と、を備える牛の健康状態管理システムにおいて、活動状態判定部、健康状態判定部、通信部、記憶部、表示部、及びシステム全般の制御を行う制御部を含む前記管理装置のコンピュータに牛の健康状態を管理するための処理を実行させるプログラムであって、前記コンピュータに、所定の周期で前記活動状態センサモジュールから牛の活動データを取得するステップと、前記取得した前記牛の活動データに基づいて、前記牛の行動系指標、静止系指標、及び反芻系指標を算出するステップと、前記算出された前記牛の行動系指標、静止系指標、及び反芻系指標を含む指標データを前記牛の識別用データに関連付けて、取得した時間順に前記記憶部に保存するステップと、所定の時間ごとに、前記記憶部に保存された前記指標データの中から直前を含む所定期間の指標データを読み出して、前記所定期間の指標データに対する前記直前の指標データの変動量を予め設定された閾値と比較するステップと、前記比較された指標データに含まれる行動系指標、静止系指標、及び反芻系指標のいずれかの変動量が前記閾値を超えた場合、所定の判定モデルにより前記牛の健康状態の異常の有無を判定するステップと、前記牛の健康状態に異常があると判定されると、警告を表示させるための指令を生成するステップと、を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、牛に生じる進行速度の異なる疾病、すなわち、急性疾病及び慢性疾病を早期に発見することができる。また、活動状態の看視を省力化することに伴う牛の体調変化の見逃しを防止し、健康管理を容易且つ効率化する効果を奏する。
本発明の一実施形態による牛の健康状態管理システムの構成を示す概略図である。 本発明の一実施形態による活動状態センサモジュールの構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による管理装置のブロック図である。 本発明の一実施形態による管理装置の活動状態判定処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による管理装置の健康状態判定部により牛の健康状態を判定する方法を示すフローチャートである。 本実施形態による管理装置で算出された行動系指標の時間推移の一例を示す図である。 本発明の一実施形態による管理装置の健康状態判定部により牛の健康状態を判定する他の方法を示すフローチャートである。 本実施形態による管理装置で算出された行動系指標の時間推移の他の例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明の実施形態では、牛を一例として説明するが、これに限定されない。
<全体構成>
先ず、本発明による牛の健康状態管理システムの全体構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による牛の健康状態管理システムの構成を示す概略図である。図1に示すように、健康状態管理システム1は、牛舎や牧場等の管理区域10内の1頭以上の牛A〜Eに装着される活動状態センサモジュール20と、活動状態センサモジュール20からの情報を処理し、牛の活動状態や健康状態の管理などを行う管理装置30とを含む。活動状態センサモジュール20の詳細については後述する。
管理装置30は、CPU、主記憶装置、補助記憶装置、及びネットワークモジュール等を備えた汎用のコンピュータ又はサーバーコンピュータであり、インストールされたプログラム及びソフトウェアとの協働により実現される各機能部を有する。管理装置30の各機能部の詳細は後述する(図3を参照)。
管理装置30に含まれる各機能部は、活動状態センサモジュール20内のCPUを含む制御部(図2を参照)により実現されるものであってもよい。つまり、管理装置30は、活動状態センサモジュール20によって判定された牛の活動状態に関するデータを取得し、管理装置30内の記憶装置及び/又はネットワーク40(LANやインターネット等)を介してクラウド上のデータベース60に保存するようにしてもよい。
健康状態管理システム1には、活動状態センサモジュール20と無線通信し、管理装置30と有線又は無線により通信する中継機17が含まれていてもよい。この場合、中継機17は、管理区域10内(又は外)に1つ又は複数個が設置され、管理区域10全体をカバーする。
中継機17と活動状態センサモジュール20との間の無線通信は、Wi−Fi(登録商標)などの無線LAN、PHS(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又はZigBee(登録商標)等の規格に基づくものであってもよい。また、中継機17と管理装置30との間は、これらの規格に基づく無線通信か、又はシリアル通信やイーサネット(登録商標)等の規格に基づく有線通信が用いられる。なお、中継機17を設けずに、管理装置30と活動状態センサモジュール20とが無線により直接通信するようにしてもよい。
健康状態管理システム1は、管理区域10内の各種環境状態(気圧、気温、湿度、風向及び風力、使用電力量、使用水量等)を測定して、その情報を管理装置30に送信するために、複数のセンサ11〜16を含んでもよい。管理区域10の各種環境状態を測定するためのセンサとして、基準気圧センサ11、温度センサ12、湿度センサ13、風速センサ14、電力センサ15、及び水量センサ16のうちの1つ以上を用いることができる。これらのセンサ11〜16は、無線又は有線により、直接又は中継機17を介して管理装置30と通信する。さらに、健康状態管理システム1は、管理区域10内の牛の位置、即ち所在を検知するための位置情報センサ(図示せず)を含んでもよい。位置情報センサを用いて牛の所在を検知する方法は、従来知られている位置検出方法(例えば、特許第6409028号公報)を用いることができる。
ここで、基準気圧センサ11とは、管理区域10内の基準となる気圧を測定するものであり、管理区域10内の所定のエリア10Aの所定の位置(例えば、牛舎内の地面上)に設置される。基準気圧センサ11は、所定の時間毎(例えば、数十ミリ秒〜数秒)に測定した気圧値を、基準気圧データとして管理装置30に送信する。管理装置30に送信された基準気圧データは、管理装置30内のデータベース313及び/又はクラウド上のデータベース60に保存(蓄積)される。
基準気圧センサ11、温度センサ12、湿度センサ13、風速センサ14、電力センサ15、及び水量センサ16のそれぞれの配置数や配置位置は、管理区域10の広さ、管理区域のエリア数等に応じて調整される。
また、健康状態管理システム1は、パーソナルコンピュータPC、スマートフォン、又はタブレット端末等のユーザ端末(50、51)が、インターネット、LAN、又はWAN等のネットワーク40を介して管理装置30と通信可能に接続される。これにより、管理装置30は、ユーザ端末(50、51)に後述する牛の健康状態に応じたアラーム、即ち警告を送信し、ユーザ端末(50、51)は、管理装置30にアクセスして、牛の活動状態及び健康状態や各種環境状態に関する情報を取得できる。この際、ユーザ端末(50、51)は、ウェブブラウザ又は所定のアプリケーションを通じて、管理装置30にアクセスし、管理装置30及び/又はクラウド上のデータベース60から情報を取得する。
<活動状態センサモジュール>
次に、本発明による活動状態センサモジュールについて説明する。
図2は、本発明の一実施形態による活動状態センサモジュールの構成を示すブロック図である。活動状態センサモジュール20は、少なくとも牛の加速度及びその周囲の気圧を測定するためのセンサを含むセンサモジュールである。活動状態センサモジュール20は、バッテリー及びアンテナ(図示せず)を搭載し、自ら無線通信を行うアクティブなセンサモジュールであり、例えば、読取り装置による測定データの読取り作業等を必要としない。
図2に示すように、活動状態センサモジュール20は、3軸加速度センサ21、気圧センサ22、制御部24、記憶部25、通信部26、及びタイマ27を含む。また、活動状態センサモジュール20は、温度センサ23、ジャイロスコープ又は光ファイバジャイロ等の角速度センサ(図示せず)をさらに備えてもよい。
活動状態センサモジュール20は、内蔵する3軸加速度センサ21及び気圧センサ22が牛の垂直方向の動き及び首全体の加速度を測定できるように、牛の首の横又は下側に首輪等を用いて装着される。牛の活動状態に起因する加速度の変化や牛の頭部(首部)の高さ位置の変化等を精度よく測定するために、好ましくは、活動状態センサモジュール20を牛の喉の付近に取り付けるとよい。なお、活動状態センサモジュール20の装着方法は、首輪に限定されず、頭絡を用いて頭部に装着するか、又は牛の体内埋め込み型とすることもできる。
活動状態センサモジュール20は、所定の期間毎又は管理装置30からの要求に応じて、3軸加速度センサ21及び気圧センサ22で検知された牛の活動データ(後述の各種データを含む)を管理装置30に送信する。この際、活動状態センサモジュール20は、牛の識別用データとして活動状態センサモジュール20自身の識別子及び/又はそれが装着された牛の識別子と、タイマ27から得られた測定日時のデータとを、これらのセンサの測定値データに付加して送信する。
なお、測定日時のデータは、中継機17において付加されてもよく、又は活動状態センサモジュール20から送信された牛の活動データを管理装置30が受信した時に、管理装置30側で、取得日時のデータとして付加してもよい。この場合、活動状態センサモジュール20は、タイマ27を備えない構成にしてもよい。
以上のように牛の活動データを構成することにより、管理装置30は、牛、その牛の活動状態、及び活動状態の測定日時(又は取得日時)を識別して管理することができる。なお、管理装置30側で、活動状態センサモジュール20の識別子と、それが装着された牛の識別子とを予め関連付けた対応表を作成して記憶部25に保存しておき、活動状態センサモジュール20が自身の識別子を管理装置30に送信すると、管理装置30がその対応表を基に、牛の識別子を調べて、その牛の識別子に関連付けて、測定値データを含む各種データを管理するようにしてもよい。
3軸加速度センサ21は、所定の時間毎に(例えば数十ミリ秒〜数秒)、牛の前後(X軸)、左右(Y軸)、及び上下(Z軸)方向の加速度を測定し、その測定値を制御部24に出力する。
気圧センサ22は、所定の時間毎に(例えば数十ミリ秒〜数秒)、数cm単位の気圧変化を検出することができる高精度及び高分解能の気圧センサであり、活動状態センサモジュール20の高さ位置における気圧を測定し、その気圧の測定値を制御部24に出力する。牛の横臥姿勢と立位姿勢とで活動状態センサモジュール20の高さに数10cmほどの差があるので、気圧の測定値に差が生じる。この気圧の測定値の差によって横臥姿勢と立位姿勢を判別することができる。
なお、日常的に天候の変動等による気圧変化があるので、牛の姿勢に対応した気圧の測定値には、天候変動による気圧変化を相殺した相対気圧によって牛の姿勢を判別することが望ましい。本実施形態における「相対気圧」とは、天候変動等による気圧変化に左右されずに牛の姿勢を判断できるように変換した気圧をいう。相対気圧については後述する。
温度センサ23は、所定の時間毎に(例えば数秒)、温度センサ23付近の温度を測定し、その測定値を制御部24に出力する。
制御部24は、CPU、I/O及びA/D変換回路等を含み、3軸加速度センサ21及び気圧センサ22で検知された各信号、即ち、測定値をデジタルデータに変換して測定値データを生成する処理や、この測定値データに、牛の識別用データとして活動状態センサモジュール20の識別子及び/又は牛の識別子を、さらに測定日時(又は取得日時)のデータを関連付けたデータの組(tuple)からなる牛の活動データを生成し、通信部26に出力する処理等を行う。
記憶部25は、不揮発性メモリ等を含み、活動状態センサモジュール20の識別子及び/又はそれが装着される牛の識別子の情報とその対応表や、制御部24で実行される各処理に必要なそれぞれのプログラム及びソフトウェアが保存される。また、活動状態センサモジュール20で取得された各種センサの測定値データを一時的に保存する。
通信部26は、データの送受信機能を備え、所定の期間毎又は管理装置30からの要求に応じて、制御部24で生成された牛の活動データや、活動状態センサモジュール20に内蔵された各センサ21〜23からの測定データを、無線通信により中継機17を介して管理装置30へ送信する。
活動状態センサモジュール20は、牛の体温、心拍、又は筋電信号等を測定する生体センサ(図示せず)をさらに備えてもよい。これらの生体センサによる情報(測定値データ)も管理装置30に送信し、管理装置30は、牛の活動状態の判断及び牛の体調管理をサポートするために、これらの情報を利用し得る。
<管理装置>
以下、本発明による牛の健康状態管理システムにおいて、牛の活動状態や健康状態を判定し、その情報を管理する装置である管理装置について説明する。
図3は、本発明の一実施形態による管理装置のブロック図である。図3に示すように、管理装置30は、CPU、主記憶装置、補助記憶装置等で構成されてシステム全般を制御する制御部300と、制御部300の補助記憶装置にインストールされたプログラムないしソフトウェアをCPUで実行させることで実現される機能部として、姿勢判定部301、採食判定部302、飲水判定部303、歩行判定部304、走行判定部305、静止判定部306、反芻判定部308、環境状態判定部309、及び健康状態判定部310のうちの少なくとも1つ又は全てを含む。なお、機能部として、さらに発情判定部を含めてもよい。
ここで、採食判定部302、飲水判定部303、歩行判定部304、走行判定部305、静止判定部306、及び反芻判定部308は、総称して活動状態判定部と称する。なお、以下で説明する各機能部(301〜310)の機能は、管理装置30のデータベース313及び/又はクラウド上のデータベース60にアクセスできる別の装置(図示せず)や、ユーザ端末(50、51)により実現されるものであってもよい。
管理装置30は、ネットワーク40を介して複数の活動状態センサモジュール20及び各種センサ11〜16と通信する機能を備えた通信部311、各機能部(301〜310)による判定結果や、各活動状態センサモジュール20及び各種センサ11〜16から取得した情報等を記憶する記憶部312、並びに各種情報を所定のフォーマットに従って液晶ディスプレイ等の画面上に表示する機能を有する表示部314をさらに含む。
記憶部312には、各機能部(301〜310)による判定結果(活動状態の種類)等を保存するデータベース313が構築されている。データベース313は、牛の識別子及び/又は活動状態センサモジュール20の識別子のフィールド、測定日時のフィールド、活動状態の種類のフィールド、及び環境状態のフィールドを有するテーブルとして管理される。但し、データベース313の構成は、これに限定されない。
姿勢判定部301は、所定の周期で(例えば数十ミリ秒〜数秒)、活動状態センサモジュール20の3軸加速度センサ21により測定された牛の起立時又は横臥時の特有の加速度の変化(例えば重力方向の加速度の大きな変化)と、活動状態センサモジュール20の気圧センサ22により測定された気圧に基づく高さ位置の情報に基づいて、牛が起立状態又は横臥状態にあるか否かを判定する。なお、気圧の測定値から牛が起立状態又は横臥状態にあるかを判定する方法には、基準気圧センサ11と気圧センサ22とで測定されたそれぞれの気圧の差である「相対気圧」に基づいて判断する方法(例えば、特許文献4)を利用してもよい。
姿勢判定部301により牛が横臥状態にあると判定された場合、牛が採食活動、飲水活動、歩行活動、走行活動、及び静止状態にある蓋然性が低いので、各機能部の中で採食判定部302、飲水判定部303、歩行判定部304、走行判定部305、静止判定部306はこれらの活動を判定しないが、反芻判定部308は牛が横臥した状態で反芻活動を行っているか否かを判定する。他方、姿勢判定部301により牛が起立状態にあると判定された場合、牛が採食活動、飲水活動、歩行活動、走行活動、静止状態、及び反芻活動の中の何れの活動を行っているかが、それぞれに対応する機能部(302〜308)によって判定される。このように姿勢判定部301によって牛の姿勢(起立又は横臥)を判定しておくことで、その後の牛の活動状態判定の一部を省略することができ、ひいてはデータ量の低減及びバッテリーの長寿命化につながる。
姿勢判定部301による牛の姿勢判定に続いて、採食判定部302、飲水判定部303、歩行判定部304、走行判定部305、静止判定部306、及び反芻判定部308によって、所定の期間(牛がどの活動状態にあるかが判定できる量のデータが得られる時間期間。例えば数秒〜数分)ごとに、牛がどの活動状態(姿勢判定部301による横臥状態の判定を含む)にあるかが判定される。そして、その活動量(牛が横臥、採食、飲水、歩行、走行、静止、又は反芻を行った時間量)に、その牛の識別子及び/又は活動状態センサモジュール20の識別子並びに測定日時の情報が関連付けられて、管理装置30の記憶部312内のデータベース313(又はクラウド上のデータベース60)に保存される。これらの判定には、センサの測定値と牛の行動との関係が定義された行動特定モデルが利用される。行動特定モデルの詳細は後述する。
ここで、制御部300は、姿勢判定部301により、牛が横臥状態にあると判定された場合の各活動量を横臥時の活動量に分類し、牛が起立状態にあると判定された場合の各活動量は起立時の活動量に分類する。また、採食判定部302、飲水判定部303、歩行判定部304、走行判定部305、静止判定部306、及び反芻判定部308のそれぞれにより測算される活動量(単位は時間)を、それぞれ採食活動量、飲水活動量、歩行活動量、走行活動量、静止活動量、及び反芻活動量と称する。
例えば、管理装置30により、1分間ごとに、活動状態センサモジュール20で生成された各測定値データに基づいて、ある牛(A、B、C、…)が1分間の間にどの活動状態にあったかが判定され、その判定結果として牛の状態が、「状態判定データ」として、その牛の識別情報及び時刻情報に関連付けられてデータベース313及び/又はクラウド上のデータベース60に保存される。一例として、下記の表1に示す各牛の1分ごとの牛の活動状態に関するデータが時刻順にデータベース313に保存される。
Figure 0006925638
次に、各機能部の動作について、詳細に説明する。
採食判定部302は、主として3軸加速度センサ21からの測定値(即ち、測定値データ)に基づいて、牛が採食活動中であるか否かを判定する。一般的に、草地における牛の採食行動は、牧草を舌で巻き込み口に入れ、下顎の切歯と上顎の歯床板で挟み、頭部を前後左右に小刻みに振って草を引きちぎり、この動作を数回行った後咀嚼し嚥下する。畜舎内において混合飼料などを給餌された場合においても概ね類似した行動を示す。このことから、採食判定部302は、3軸加速度センサ21の測定値データが牛の採食時に特有の小刻みな動きに対応する変動パターン(以下、測定パターンと称する)を示し、且つ気圧センサ22から得られた牛の頭部(首部)の高さが所定の時間継続して低い場合に、その牛が採食活動を行っていると判断する。これは、一般的に牛は採食のために頭を低い位置に下げることから、放牧地又は牛舎である管理区域10において牛の頭部が所定の時間継続して低い場合には、その牛が採食活動を行っている蓋然性が高い。そのため、採食判定部302は、気圧センサ22から得られた牛の頭部(首部)の高さの測定値データを採食活動の判定に用いる。また、牛の首の動き方は、採食活動と、後述する反芻行動とでは、動き方が異なるので、加速度センサの測定パターンによって判別が可能である。
なお、採食行動の判定精度を高めるために、飼槽に接近していることを、管理区域10内に設置された位置情報センサを利用して取得し、採食行動判定部にこの情報を付与してもよい。このような各センサの測定値データに基づく、牛の活動状況の判定のために、判定用測定パターン等を含む行動特定モデルが、予め管理装置30のデータベース313(又はクラウド上のデータベース60)に保存される。
飲水判定部303は、主として3軸加速度センサ21からの測定値データに基づいて、牛が飲水活動中であるか否かを判定する。一般的に、牛は飲水時に頭の位置を下げ、口(特に下顎部)を上下左右に動かしたのち、静止した状態で飲水する。このことから、飲水判定部303は、3軸加速度センサ21の測定値データが牛の飲水時に特有の動きの測定パターンを示し、且つ気圧センサ22から得られた牛の頭部(首部)の高さが所定の時間継続して飲水場の高さ位置に維持される場合に、その牛が飲水活動を行っていると判定する。飲水判定部303は、飲水活動の判定に用いる加速度センサの測定パターンと牛の頭部(首部)の高さ位置の情報とを、行動特定モデルから取得する。しかし、飲水時の加速度の変化は微小であるため、判定精度向上のために位置情報センサを利用して取得した牛の位置情報により、水槽に接近していることを含めて判断してもよい。
歩行判定部304は、主として3軸加速度センサ21からの測定値データに基づいて、牛が歩行活動中であるか否かを判定する。一般的に、牛は歩行の際に、一方の前足を移動方向の地面に向けて送り出し、その足が着地すると、他方の前足を移動方向の地面に向けて送り出す動作を行い、これを繰り返すことで歩いて移動する。このことから、歩行判定部304は、3軸加速度センサ21の測定値データが牛の歩行時に特有の動きの測定パターンを示している時に、その牛が歩行活動を行っていると判定する。
走行判定部305は、主として3軸加速度センサ21からの測定値データに基づいて、牛が走っている状態(走行活動)にあるか否かを判断する。一般的に、牛の走行活動による3軸加速度センサ21の測定値データは、歩行活動と同様の測定パターンを示すが、その強度が相対的に大きくなる。このため、走行判定部305は、3軸加速度センサ21の測定値データが牛の走行時に特有の動きの測定パターンを示している時に、その牛が走行活動を行っていると判断する。
静止判定部306は、主として3軸加速度センサ21からの測定値データに基づいて、牛が静止状態にあるか否かを判定する。例えば、一般的に、牛がじっとして起立又は横臥したまま動かない場合には、牛が静止状態にあると考えられる。このようにして、静止判定部306は、3軸加速度センサ21及び気圧センサからの測定値データに基づいて、その牛が静止状態にあると判定する。なお、静止状態は、起立して静止した状態と横臥して静止した状態とに区別して判定される。
反芻判定部308は、主として3軸加速度センサ21からの測定値データに基づいて、牛が反芻活動中であるか否かを判定する。一般的に、牛の反芻は牛の起立状態や横臥状態でみられ、いったん摂食した草を第一胃から食塊にして口に戻し、下顎を左右に動かして臼歯でその食塊を噛み直し、1つの食塊につき40〜50回程度の噛み直しを行った後嚥下する。そのため、3軸加速度センサ21からの測定値データは、食塊を第一胃から口の中に戻した後頭部が40〜50回程度小刻みに動いた後に動きが一旦停止し食塊が嚥下され、再び食塊を第一胃から口に戻した後40〜50回程度動いた後に停止し嚥下するという動きに応じて規則的に変化する測定パターンを示す。このことから、反芻判定部308は、3軸加速度センサ21からの測定値データが牛の反芻時に特有の動きの測定パターンを示している時に、牛が反芻活動を行っていると判定する。なお、反芻活動は、起立して反芻する状態と横臥して反芻する状態とに区別して判定される。
上述した活動状態の判定に利用する行動特定モデルは、所定の時間(例えば、1〜10分)の間における加速度センサの測定値のL2ノルムの最大値及び標準偏差と、牛の行動との関係を表す領域が定義されたモデルである(例えば、特開2018−170969号公報)。このような行動特定モデルは、SVM(Support Vector Machine)等の機械学習の手法により予め作成される。なお、行動特定モデルの学習には、例えば、ニューラルネットワーク等の種々の機械学習の手法が用いられる。
環境状態判定部309は、管理区域10内に設けられた各種センサ11〜16からの測定値データに基づいて、管理区域10の環境状態(気圧、気温、湿度、風向と風速、電力使用量、水使用量など)を判定する。
健康状態判定部310は、姿勢判定部301により判定された牛が横臥状態か又は起立状態かの情報(即ち、状態判定データ)、採食判定部302により測算された採食活動量、飲水判定部303により測算された飲水活動量、歩行判定部304により測算された歩行活動量、走行判定部305により測算された走行活動量、静止判定部306により測算された静止活動量、及び反芻判定部308により測算された反芻活動量の情報に基づいて、牛の健康状態を判定する。健康状態判定部310による健康状態判定の詳細は後述する。
管理装置30は、所定の時間間隔ごとに(又は管理装置30の要求時に)、各牛に取り付けられた活動状態センサモジュール20及び管理区域10に設けられた各種センサ11〜16から各測定値データを取得して記憶部312に一時保存し、それらの測定値データに基づいて、各判定部(301〜310)で牛の活動状態や管理区域10の環境状態等を判定し、その結果を記憶部312のデータベース313及び/又はクラウド上のデータベース60に追加する。
複数の種類の牛の活動状態に関するデータベース313及び/又はクラウド上のデータベース60を構築することで(ビッグデータ化)、牛の疾病等の前触れとなる牛の活動状態を解析し、牛の疾病、搾乳量への影響等に対する精度の高い予測等を可能にする。
図4は、本発明の一実施形態による管理装置の活動状態判定処理を示すフローチャートである。図4に示すスタートからエンドまでの流れは、所定の時間間隔で繰り返され、データベース313及び/又はクラウド上のデータベース60に蓄積される。
図4に示すように、まずステップS401で、管理装置30は、所定の時間間隔ごとに(又は管理装置30の要求時に)、各牛に装着された活動状態センサモジュール20から牛の活動状態の情報を取得し、記憶部312に保存する。
ステップS402で、管理装置30の姿勢判定部301は、ステップS401で取得した牛の活動状態の情報に基づいて、牛が起立にあるか又は横臥状態にあるかを判定する。姿勢判定部301により牛が横臥状態にあると判定された場合、続けて反芻判定部308により牛が反芻活動を行っているか否かが判定され、反芻活動を行っていない場合は牛の行動が横臥状態にあると判定される。他方、姿勢判定部301により牛が起立していると判定された場合、採食判定部302、飲水判定部303、歩行判定部304、走行判定部305、静止判定部306、及び反芻判定部308により、牛の行動が、採食、飲水、歩行、走行、静止、及び反芻の中のどの種類の活動状態に該当するかが判定される。
ステップS403で、管理装置30は、ステップS402で判定した牛の活動状態の種類に関する情報を、その牛の識別子及び/又は活動状態センサモジュール20の識別子並びに活動状態を測定した日時の情報に関連付けて、その牛の「活動データ」として、記憶部312のデータベース313及び/又はクラウド上のデータベース60に保存(蓄積)する。
ステップS404で、管理装置30は、所定の時間間隔ごとに(又は管理装置30の要求時に)、管理区域10に設けられた各種センサ11〜16から各測定値データを取得し、記憶部312に保存する。
ステップS405で、管理装置30は、ステップS404で取得した各測定値データを、環境状態判定部309で処理し、管理区域10の環境状態(気圧、気温、湿度、風向及び風速、電力使用量、水使用量など)を判定する。
ステップS406で、管理装置30は、ステップS405で判定した環境状態に関する情報を、日時情報に関連付けて、記憶部312のデータベース313及び/又はクラウド上のデータベース60に保存する。
ステップS407で、管理装置30は、所定の間隔で又はユーザ端末(50、51)からの要求に応じて、ユーザ端末(50、51)にデータベース313及び/又はクラウド上のデータベース60から所定の情報を送信し、ユーザ端末(50、51)は、その画面上に所定の様式で各種情報を表示する。なお、管理装置30も、同様に所定の間隔又はユーザの要求に応じて、表示部314に所定の様式で各種情報を表示し得る。
なお、ステップS401〜ステップS407の順番はこの順に限定されるものではなく、適宜変更されてもよい。
<牛の健康状態を判定する方法>
以下、図3及び図5を参照しながら、本発明の一実施形態による管理装置で牛の健康状態を判定する方法について説明する。
管理装置30の健康状態判定部310は、データベース313(又はクラウド上のデータベース60)から牛ごとに各活動状態における活動量データを読出し(取得し)、所定時間tごとの行動系指標、静止系指標、及び反芻系指標として集計する。ここで、行動系指標は、採食活動量、飲水活動量、歩行活動量、及び走行活動量を集計した数値であり、静止系指標は、静止活動量を集計した数値である。静止活動量は、起立又は横臥の状態に応じて、起立静止活動量と横臥静止活動量とに分けて集計する。また、反芻系指標は、反芻活動量を集計した数値であり、起立又は横臥の状態に応じて、起立反芻活動量と横臥反芻活動量とに分けて集計する。
また、健康状態判定部310は、所定時間T(tの2以上の整数倍)の時間期間中に含まれる各活動状態の活動量データから行動系指標、静止系指標、及び反芻系指標を算出する。そして、健康状態判定部310は、算出した指標に基づいて、牛の健康状態を判定する。
図5は、本発明の一実施形態による管理装置の健康状態判定部により牛の健康状態を判定する方法を示すフローチャートである。
ステップS501で、健康状態判定部310は、所定時間t(数十分〜数時間。例えば3時間など)ごとに、データベース313(又はクラウド上のデータベース60)にアクセスし、牛ごとの各活動量データを読み出す。
ステップS502で、健康状態判定部310は、現時点から過去の所定時間tまでの期間に含まれる各活動量データを集計し、行動系指標、静止系指標、及び反芻系指標をそれぞれ算出する。
例えば、所定時間tを3時間(最小単位は1分)とすると、所定時間tに含まれる全活動量は180分となる。下記の表2に示す例では、現時点における活動項目ごとの活動量の集計値として、採食活動量が30分、飲水活動量が10分、歩行活動量が70分、横臥静止活動量が30分、起立静止活動量が10分、そして起立反芻活動量が30分であったとすると、行動系指標は110=(30+10+70)、静止系指標は40=(30+10)、そして反芻系指標は30となる。また、次回(現時点から3時間後)についても同様に計算すると、行動系指標は40、静止系指標は120、及び反芻系指標は20となる。すなわち、各指標は、所定時間t中における当該指標に含まれる各活動量の和に対応する数値として定義される。
Figure 0006925638
このように健康状態判定部310は、牛ごとに、現時点における行動系指標、静止系指標、及び反芻系指標を算出し、これらを牛の識別子(又は活動状態センサモジュール20の識別子)及び現時点の時刻に関連付けて、データベース313(又はクラウド上のデータベース60)に保存する。また、集計された各活動量データ(以下、活動量集計データという)も、同様に牛の識別子及び現時点の時刻に関連付けて、データベース313(又はクラウド上のデータベース60)に保存する。本実施形態では、それぞれの指標を、対応する各活動量の和として算出するものであるが、異なる時刻又は時間における各活動量の変化を検出することを目的とする指標であればどのような指標を用いてもよい。例えば、所定時間tに占める各活動量の比(比率)を用いてもよい。
ステップS503で、健康状態判定部310は、現時点から所定時間T1(tの2以上の整数倍。例えば3時間〜24時間など)前までの期間を単位評価期間に設定し、この単位評価期間内における、所定時間tごとの行動系指標、静止系指標、及び反芻系指標の平均値を算出する。これにより、所定時間tごとの各指標に含まれるノイズ成分の影響を抑制した評価用指標を得ることができる。
このように健康状態判定部310は、牛ごとに、単位評価期間に含まれる行動系指標、静止系指標、及び反芻系指標の平均値を算出し、牛の識別子(又は活動状態センサモジュール20の識別子)及び現時点の時刻に関連付けて、時間順にデータベース313(又はクラウド上のデータベース60)に保存する。以下の説明では、この単位評価期間ごとに算出された各指標の平均値を、各指標の単位評価データと呼ぶ。したがって、データベースには、各指標の単位評価データが時系列に蓄積される。
ステップS504で、健康状態判定部310は、ステップS503で算出した現時点から所定時間T1前までの単位評価期間における各指標の単位評価データと、T1よりも前の所定時間T2(tの2以上の整数倍。T1と同じであってもよい。)までの期間における同様に算出した各指標の単位評価データと、をそれぞれ比較する。比較の方法は、単純に現時点の単位評価データと直前の単位評価データとの差を算出してもよいが、時系列分析により、過去の複数の単位評価データから予測される変動量との差を算出して比較してもよい。
ステップS504で、現時点の行動系指標、静止系指標、及び反芻系指標の単位評価データを比較する方法として、各指標の平均値の過去から現在に亘る移動平均値を用いることも考えられる。しかしながら、長期間の移動平均値との比較では、牛の健康状態の変化に起因して大きく変化した現時点の各指標の平均値と、それぞれの移動平均値との差は小さくなってしまう。また、ユーザは牛の健康状態の変化(悪化又は好転)をタイムリーに(変化が生じてすぐに)知ることができなくなる虞がある。さらに、ユーザのオペレーション周期は日毎(24時間)であることが多い。これらを考慮すると、所定時間T2は、6〜48時間、好ましくは6〜24時間、より好ましくは24時間とするとよい。
なお、本実施形態では、各指標の平均値又は移動平均値を用いたが、異なる時刻又は時間における各活動量の変動を求めることを目的とする関数であればどのような関数を用いてもよい。例えば、移動平均、自己回帰(ARモデル)、自己回帰移動平均(ARMAモデル)、自己回帰和分移動平均(ARIMAモデル)、忘却型学習アルゴリズム(SDARモデル)、K近傍法などを用いてもよい。
ステップS505で、健康状態判定部310は、S504で算出された各指標の差(又は変動量)に基づいて、アラート発生の有無を判定する。判定は、算出された各指標及び当該指標に含まれる各活動量集計データそれぞれの差(又は変動量)が、各指標及び各活動量集計データのそれぞれに対して予め設定されたそれぞれの閾値を超えた場合、アラート発生のフラグを立てる。これらの閾値は、過去の実績及び経験値から導かれるが、過去の各集計データを利用した機械学習等により更新する構成とすることも可能である。
図6は、本実施形態による管理装置で算出された行動系指標の時間推移の一例を示す図である。図6に示す例では、ある牛の行動系指標の単位評価データが、行動系指標を構成する採食活動量集計データ及び動態活動量集計データとともに時間順にプロットされ、時間期間T1(現在)とその前の時間期間T2との間で、行動系指標の差ΔACT、採食活動量集計データの差Δfeed、及び動態活動量集計データΔmoveがいずれもそれぞれの閾値(Tha、Thf、Thm)を超えている例を示している。この場合、牛の行動系指標、採食活動量及び動態活動量に、アラート発生のフラグが立てられる。なお、動態活動量とは、飲水活動量、歩行活動量、及び走行活動量の合算活動量である。
健康状態判定部310は、アラートのフラグが立った指標及び活動量の項目を、アラート情報として、牛の識別子(又は活動状態センサモジュール20の識別子)及び現時点の時刻に関連付けて、データベース313(又はクラウド上のデータベース60)に保存する。
ステップS506で、健康状態判定部310は、ステップS505で判定されたアラート情報から、判定モデルに基づいて、牛の健康状態の異常の有無を判定する。すわなち、アラームが立った指標及び活動量の項目の組み合わせパターンから、判定モデルに基づいて、牛の健康状態に異常があるか否か判定する。図6に示す例では、牛の行動系指標と、この指標に含まれる採食活動量及び動態活動量に、アラートのフラグが立てられ、牛の採食活動量及び動態活動量が急減する様子が認められる。健康状態判定部310は、これらの項目に対して同時にアラートが立つパターンを、判定モデルによって分類し、牛の健康状態に異常があると判定する。また、アラートが立った指標及び活動量の項目の組み合わせパターンにより、異常の内容(即ち、疾病や体調不良)を判別してもよい。なお、図6には、過去のT1’及びT2’の時期に、行動系指標と動態活動量とがそれぞれの閾値を超えた事例が記録されているが、この時は採食活動量が閾値以下であったため、牛の健康状態に異常があるとは判定されていない。
判定モデルは、各指標及び当該指標に含まれる活動量の中の特定の組み合わせが、牛の特定の異常(疾病や体調不良)と関連するという過去の事例や記録データに基づいて、予め設定された複数の判定基準で構成されたモデルであり、ルールベースのモデル及び/又は機械学習で分類して抽出されたモデルが利用できる。
健康状態判定部310は、牛の健康状態に異常があると判定すると、ユーザ端末(50、51)に該当する牛の情報とともに、健康状態が悪化している旨の警告を表示させるための指令(コマンド)を生成して、送信する(S507)。なお、警告には、異常の内容が確認できる所定の形態の情報(例えば、文字情報やアイコン等)を含めてもよい。これにより、ユーザは、牛の急性疾病を早期に発見することが可能になる。
次に、本発明の一実施形態による管理装置で牛の健康状態を判定する他の方法について説明する。
図7は、本発明の一実施形態による管理装置の健康状態判定部により牛の健康状態を判定する他の方法を示すフローチャートである。
本実施形態では、現時点から過去に向かってより長期に亘る牛の健康状態の変化を判定する方法を示す。これにより、慢性疾病の発見につながる方法が提供される。
健康状態判定部310が、現時点から過去の所定時間tまでの期間に含まれる各活動状態の活動量を集計し、各指標の単位評価データを算出して、データベースに時刻順に蓄積する段階は、図5のステップS501からステップS503までの段階と同じであるので、説明は省略する。
ステップS704で、健康状態判定部310は、図5のS503までの段階により算出した現時点から所定時間T1前までの単位評価期間における各指標の単位評価データと、T1よりも前の所定時間T3(tの2以上の整数倍。T2よりも長期)までの期間における各指標の単位評価データと、をそれぞれ比較する。なお、比較の方法は、単純に現時点の単位評価データとこれより前の単位評価データとの差(又は変動量)を比較してもよいが、時系列分析により、所定時間T3の期間に亘る単位評価データの変動パターンを抽出して、予めデータベース313に保存された複数の過去の慢性疾病に対応する単位評価データの変動パターンから作成された判定モデルとの一致度から判定してもよい。
ステップS704で、現時点の行動系指標、静止系指標、及び反芻系指標の単位評価データを比較する方法として、牛の慢性疾患に検出するため、各指標の平均値の過去から現在にわたる移動平均値等を用いる場合は、健康状態の変化を正確に捉える観点で、所定時間T3は、3日〜60日、好ましくは7日〜42日とするのが好ましい。
ステップS705で、健康状態判定部310は、S704で算出された各指標の差(又は変動量)に基づいて、アラート発生の有無を判定する。判定は、予め設定された閾値を、算出された各指標及び当該指標に含まれる活動量集計データの差(又は変動量)を超えた場合に、アラートを立てる。
本実施形態で使用される牛の健康状態を判定するための閾値は、過去の実績及び経験値から導かれるが、ステップS505で用いられたものとは異なる条件、即ち、長期変動に対応した条件で構成されることが望ましい。
図8は、本実施形態による管理装置で算出された行動系指標の時間推移の他の例を示す図である。図8は、ある牛の行動系指標の単位評価データが、行動系指標を構成する採食活動量集計データ及び動態活動量集計データとともに時間順に配列され、T1(現在)とその前のT3との時間期間で、行動系指標の差ΔACT、採食活動量集計データの差Δfeed、及び動態活動量集計データΔmoveがいずれもそれぞれの閾値(Tha’、Thf’、Thm’)を超えている例を示している。
健康状態判定部310は、アラートのフラグが立った指標及び活動量の項目を、アラート情報として、牛の識別子(又は活動状態センサモジュール20の識別子)及び現時点の時刻に関連付けて、データベース313(又はクラウド上のデータベース60)に保存する。
ステップS706で、健康状態判定部310は、ステップS705で判定されたアラート情報から、判定モデルに基づいて、牛の健康状態の異常の有無を判定する。すわなち、アラームが立った指標及び活動量の項目の組み合わせパターンから、判定モデルに基づいて、牛の健康状態に異常があるか否か判定する。図8に示す例では、牛の行動系指標と、この指標に含まれる採食活動量及び動態活動量に、アラートのフラグが立てられ、牛の採食活動量及び動態活動量が長期に亘って漸減する様子が認められる。健康状態判定部310は、これらの項目に対して同時にアラートが立つパターンを、判定モデルによって分類し、牛の健康状態に異常があると判定する。また、アラートが立った指標及び活動量の項目の組み合わせパターンにより、異常の内容(即ち、慢性疾病や体調不良)を判別してもよい。なお、ここで使用される牛の健康状態を判定するための判定モデルは、ステップS506で用いられたものとは異なるモデル即ち、長期変動と関連性の高い異常に対応したモデルで構成されることが望ましい。
健康状態判定部310は、牛の健康状態に異常があると判定すると、ユーザ端末(50、51)に該当する牛の情報とともに、慢性疾病を罹患している旨の警告を表示させるための指令(コマンド)を生成して、送信する(ステップS707)。
さらに、本発明の他の実施形態として、牛に装着された3軸加速度センサ及び気圧センサの測定値を基に、姿勢判定部301、採食判定部302、飲水判定部303、歩行判定部304、走行判定部305、静止判定部306、及び反芻判定部308を含む群からなる機能部としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム、及び健康状態判定部310としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムに関する。当該コンピュータプログラムは、活動状態センサモジュール20、管理装置30、又はユーザ端末(50、51)にインストールされるものであってもよい。また管理装置30の各機能部を実現するサーバーをクラウド上に設け、このサーバーが牛の各種活動状態及び健康状態の判定を行うようにしてもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
1 健康状態管理システム
10 管理区域
10A 管理区域内の所定のエリア
11 基準気圧センサ
12 温度センサ
13 湿度センサ
14 風速センサ
15 電力センサ
16 水量センサ
17 中継機
20 活動状態センサモジュール
21 3軸加速度センサ
22 気圧センサ
23 温度センサ
24 制御部
25 記憶部
26 通信部
27 タイマ
30 管理装置
40 ネットワーク
50、51 ユーザ端末
60 クラウド上のデータベース
300 制御部
301 姿勢判定部
302 採食判定部
303 飲水判定部
304 歩行判定部
305 走行判定部
306 静止判定部
308 反芻判定部
309 環境状態判定部
310 健康状態判定部
311 通信部
312 記憶部
313 データベース
314 表示部

Claims (10)

  1. 管理区域内の牛に装着される活動状態センサモジュールと、
    前記活動状態センサモジュールに通信ネットワークを介して接続された管理装置と、を備える牛の健康状態管理システムであって、
    前記活動状態センサモジュールは、3軸加速度センサ及び気圧センサを含み、牛の活動状態に応じて異なる測定パターンを示す前記3軸加速度センサ測定値と前記活動状態センサモジュールが装着された高さ位置を示す前記気圧センサの測定値とに前記牛の識別用データを関連付けた前記牛の活動データを前記管理装置に送信し、
    前記管理装置は、姿勢判定部、活動状態判定部、健康状態判定部、通信部、記憶部、表示部、及びシステム全般の制御を行う制御部を含み、
    前記活動状態判定部は、採食判定部、飲水判定部、歩行判定部、走行判定部、静止判定部、及び反芻判定部を含み、
    前記活動状態センサモジュールから受信した前記牛の活動データに含まれる前記3軸加速度センサの測定値及び前記気圧センサの測定値に基づいて、前記牛の活動状態を予め設定された行動特定モデルを利用して前記姿勢判定部及び前記活動状態判定部により判定して、前記牛が採食、飲水、歩行、走行、起立静止、横臥静止、起立反芻、及び横臥反芻のうちの何れの活動状態にあるかを特定し、
    前記健康状態判定部は、
    前記特定された活動状態ごとに、前記牛が現時点から過去の所定時間tまでの期間中に前記特定された活動状態にあった時間量を当該活動状態の活動量として集計し、前記集計された活動量を前記特定された活動状態ごとの活動量集計データとして前記記憶部に保存し、
    前記集計された活動状態ごとの活動量のうち、採食、飲水、歩行、及び走行の活動状態の活動量を合算した行動系指標、起立静止及び横臥静止の活動状態の活動量を合算した静止系指標、に起立反芻及び横臥反芻の活動量を合算した反芻系指標を算出して前記記憶部に保存し
    現時点から過去の所定時間T1(tを2以上の整数倍した時間)までの期間における前記牛の行動系指標、静止系指標、反芻系指標、及び活動状態ごとの活動量集計データのそれぞれについて算出した平均値のそれぞれと、所定時間T1よりも所定時間T2(tを2以上の整数倍した時間)前までの期間における前記牛の行動系指標、静止系指標、反芻系指標、及び活動状態ごとの活動量集計データのそれぞれについて算出した平均値のそれぞれとの差予め設定されたそれぞれの閾値と比較し、前記比較した行動系指標、静止系指標、反芻系指標、及び活動状態ごとの活動量集計データ各項目のうちで、前記それぞれの閾値を超えた項目の組み合わせのパターンを、所定の判定モデルによって判別して前記牛の健康状態の異常の有無を判定し、
    前記制御部は、
    所定の周期で前記活動状態センサモジュールから前記牛の活動データを取得し、前記姿勢判定部及び前記活動状態判定部を動作させて、前記取得した牛の活動データに基づいて算出した前記牛の行動系指標、静止系指標、反芻系指標、及び活動状態ごとの活動量集計データを、取得した時間順に前記記憶部に保存し、
    前記定時ごとに前記健康状態判定部を動作させ現時点から過去の所定時間(T1+T2)までの期間における前記牛の行動系指標、静止系指標、反芻系指標、及び活動状態ごとの活動量集計データを前記記憶部から読み出して前記健康状態判定部に送信し、
    記牛の健康状態に異常があると判定されると、警告を表示させるための指令を生成するように前記健康状態判定部を制御し、
    前記行動特定モデルは、前記3軸加速度センサの測定値の測定パターン及び前記気圧センサの測定値と牛の行動との関係を定義したモデルであり、
    前記判定モデルは、前記牛の行動系指標、静止系指標、反芻系指標、及び活動状態ごとの運動量集計データの中の特定の組み合わせのパターンと、牛の特定の異常とを関連付けたモデルであることを特徴とする牛の健康状態管理システム。
  2. 前記行動系指標は、前記採食判定部により測算され採食活動量、前記飲水判定部により測算され飲水活動量、前記歩行判定部により測算され歩行活動量、及び前記走行判定部により測算され走行活動量のうちの少なくとも1つを含み、
    前記静止系指標は、前記姿勢判定部及び前記静止判定部により測算され起立静止活動量及び横臥静止活動量のうちの少なくとも1つを含み、
    前記反芻系指標は、前記姿勢判定部及び前記反芻判定部により測算され起立反芻活動量及び横臥反芻活動量のうちの少なくとも1つを含み、
    前記採食活動量、前記飲水活動量、前記歩行活動量、前記走行活動量、前記起立静止活動量、横臥静止活動量、前記起立反芻活動量、及び前記横臥反芻活動量は、それぞれ牛が採食、飲水、歩行、走行、起立して静止、横臥して静止、起立して反芻、及び横臥して反芻する状態にあった時間量であることを特徴とする請求項1に記載の牛の健康状態管理システム。
  3. 前記記憶部から読み出される前記牛の行動系指標、静止系指標、反芻系指標、及び活動状態ごとの活動量集計データの前記所定T1及びT2は、前記制御部が前記健康状態判定部を動作させる前記所定時と同じか又はそれよりも長く、
    前記所定時は、0.5時間〜3時間であることを特徴とする請求項1又は2に記載の牛の健康状態管理システム。
  4. 前記記憶部から読み出される前記牛の行動系指標、静止系指標、反芻系指標、及び活動状態ごとの活動量集計データの前記所定期間T2は、第1時間期間又は第2時間期間のいずれかから選択され
    前記第1時間期間は、6時間〜48時間であり、
    前記第2時間期間は、3日〜60日であることを特徴とする請求項3に記載の牛の健康状態管理システム。
  5. 前記健康状態判定部は、前記記憶部に保存された過去の前記牛の行動系指標、静止系指標、及び反芻系指標を学習データに利用して前記それぞれの閾値を更新することを特徴とする請求項1に記載の牛の健康状態管理システム。
  6. 前記牛の活動状態管理システムは、前記管理装置に通信ネットワークを介して接続されたユーザ端末をさらに含み、
    前記管理装置は、前記牛の健康状態の異常に応じた警告を表示させるための指令を前記ユーザ端末に送信し、
    前記ユーザ端末は、前記送信された警告を前記ユーザ端末が備える表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の牛の健康状態管理システム。
  7. 管理区域内の牛に装着される活動状態センサモジュールと、前記活動状態センサモジュールに通信ネットワークを介して接続された管理装置と、を備え、前記活動状態センサモジュールは、3軸加速度センサ及び気圧センサを含み、前記管理装置は、姿勢判定部、採食判定部、飲水判定部、歩行判定部、走行判定部、静止判定部、反芻判定部、健康状態判定部、通信部、記憶部、表示部、及びシステム全般の制御を行う制御部を含む牛の健康状態管理システムにおいて、牛の健康状態を管理する方法であって、
    前記管理装置が、
    所定の周期で前記活動状態センサモジュールから、前記牛の活動状態に応じて異なる測定パターンを示す前記3軸加速度センサの測定値と前記活動状態センサモジュールが装着された高さ位置を示す前記気圧センサの測定値とを含む前記牛の活動データを取得するステップと、
    前記取得した前記牛の活動データに含まれる前記3軸加速度センサの測定値及び前記気圧センサの測定値に基づいて、前記牛の活動状態を、予め設定された行動特定モデルを利用して前記姿勢判定部、採食判定部、飲水判定部、歩行判定部、走行判定部、静止判定部、反芻判定部により判定して、前記牛が採食、飲水、歩行、走行、起立静止、横臥静止、起立反芻、及び横臥反芻のうちの何れの活動状態にあるかを特定するステップと、
    前記特定された活動状態ごとに、前記牛が現時点から過去の所定時間tまでの期間中に前記特定された活動状態にあった時間量を当該活動状態の活動量として集計し、前記集計された活動量を前記特定された活動状態ごとの活動量集計データとして前記記憶部に保存するステップと、
    前記集計された活動状態ごとの活動量のうち、採食、飲水、歩行、及び走行の活動状態の活動量を合算した行動系指標、起立静止及び横臥静止の活動状態の活動量を合算した静止系指標、に起立反芻及び横臥反芻の活動量を合算した反芻系指標を算出、取得した時間順に前記記憶部に保存するステップと、
    前記定時ごとに、前記記憶部か現時点から過去の所定期間(T1+T2)まで期間前記牛の行動系指標、静止系指標、反芻系指標、及び活動状態ごとの活動量集計データを読み出して、現時点から前記所定期間T1(tを2以上の整数倍した時間)前までの期間内における前記牛の行動系指標、静止系指標、反芻系指標、及び活動状態ごとの活動量集計データのそれぞれについて算出した平均値のそれぞれと、前記所定時間T1よりも所定時間T2(tを2以上の整数倍した時間)前までの期間内における前記牛の行動系指標、静止系指標、反芻系指標、及び活動状態ごとの活動量集計データのそれぞれについて算出した平均値のそれぞれとの差予め設定されたそれぞれの閾値と比較するステップと、
    前記比較した行動系指標、静止系指標、反芻系指標、及び活動状態ごとの活動量集計データ各項目うちで、前記それぞれの閾値を超えた項目の組み合わせのパターンを、所定の判定モデルにより判別して前記牛の健康状態の異常の有無を判定するステップと、
    前記牛の健康状態に異常があると判定されると、警告を表示させるための指令を生成するステップと、を有し、
    前記行動特定モデルは、前記3軸加速度センサの測定値の測定パターン及び前記気圧センサの測定値と牛の行動との関係を定義したモデルであり、
    前記判定モデルは、前記牛の行動系指標、静止系指標、反芻系指標、及び活動状態ごとの運動量集計データの中の特定の組み合わせと、牛の特定の異常とを関連付けたモデルであることを特徴とする牛の健康状態管理方法。
  8. 前記生成された警告を表示させるための指令を前記管理装置に通信ネットワークを介して接続されたユーザ端末に送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の牛の健康状態管理方法。
  9. 牛の健康状態管理方法は、
    前記記憶部に保存された過去の前記牛の行動系指標、静止系活動量、及び反芻系指標をを学習データに利用して前記それぞれの閾値を更新するステップをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の牛の健康状態管理方法。
  10. 管理区域内の牛に装着される活動状態センサモジュールと、前記活動状態センサモジュールに通信ネットワークを介して接続された管理装置と、を備え、前記活動状態センサモジュールは、3軸加速度センサ及び気圧センサを含み、前記管理装置は、姿勢判定部、採食判定部、飲水判定部、歩行判定部、走行判定部、静止判定部、反芻判定部、健康状態判定部、通信部、記憶部、表示部、及びシステム全般の制御を行う制御部を含む牛の健康状態管理システムにおいて、
    前記姿勢判定部、前記採食判定部、前記飲水判定部、前記歩行判定部、前記走行判定部、前記静止判定部、前記反芻判定部前記健康状態判定部、前記通信部、前記記憶部、前記表示部、及びシステム全般の制御を行う前記制御部を含む前記管理装置のコンピュータに牛の健康状態を管理するための処理を実行させるプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    所定の周期で前記活動状態センサモジュールから、前記牛の活動状態に応じて異なる測定パターンを示す前記3軸加速度センサの測定値と前記活動状態センサモジュールが装着された高さ位置を示す前記気圧センサの測定値とを含む前記牛の活動データを取得するステップと、
    前記取得した前記牛の活動データに含まれる前記3軸加速度センサの測定値及び前記気圧センサの測定値に基づいて、前記牛の活動状態を、予め設定された行動特定モデルを利用して前記姿勢判定部、採食判定部、飲水判定部、歩行判定部、走行判定部、静止判定部、反芻判定部により判定して、前記牛が採食、飲水、歩行、走行、起立静止、横臥静止、起立反芻、及び横臥反芻のうちの何れの活動状態にあるかを特定するステップと、
    前記特定された活動状態ごとに、前記牛が現時点から過去の所定時間tまでの期間中に前記特定された活動状態にあった時間量を当該活動状態の活動量として集計し、前記集計された活動量を前記特定された活動状態ごとの活動量集計データとして前記記憶部に保存するステップと、
    前記集計された活動状態ごとの活動量のうち、採食、飲水、歩行、及び走行の活動状態の活動量を合算した行動系指標、起立静止及び横臥静止の活動状態の活動量を合算した静止系指標、に起立反芻及び横臥反芻の活動量を合算した反芻系指標を算出、取得した時間順に前記記憶部に保存するステップと、
    前記定時ごとに、前記記憶部か現時点から過去の所定期間(T1+T2)まで期間前記牛の行動系指標、静止系指標、反芻系指標、及び活動状態ごとの活動量集計データを読み出して、現時点から前記所定期間T1(tを2以上の整数倍した時間)前までの期間内における前記牛の行動系指標、静止系指標、反芻系指標、及び活動状態ごとの活動量集計データのそれぞれについて算出した平均値のそれぞれと、前記所定時間T1よりも所定時間T2(tを2以上の整数倍した時間)前までの期間内における前記牛の行動系指標、静止系指標、反芻系指標、及び活動状態ごとの活動量集計データのそれぞれについて算出した平均値のそれぞれとの差予め設定されたそれぞれの閾値と比較するステップと、
    前記比較した行動系指標、静止系指標、反芻系指標、及び活動状態ごとの活動量集計データ各項目うちで、前記それぞれの閾値を超えた項目の組み合わせのパターンを、所定の判定モデルにより判別して前記牛の健康状態の異常の有無を判定するステップと、
    前記牛の健康状態に異常があると判定されると、警告を表示させるための指令を生成するステップと、を実行させ
    前記行動特定モデルは、前記3軸加速度センサの測定値の測定パターン及び前記気圧センサの測定値と牛の行動との関係を定義したモデルであり、
    前記判定モデルは、前記牛の行動系指標、静止系指標、反芻系指標、及び活動状態ごとの運動量集計データの中の特定の組み合わせと、牛の特定の異常とを関連付けたモデルであることを特徴とする牛の健康状態管理プログラム。
JP2018234865A 2018-01-12 2018-12-14 牛の健康状態管理システム及び管理方法並びに健康状態管理プログラム Active JP6925638B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018003534 2018-01-12
JP2018003534 2018-01-12

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019122368A JP2019122368A (ja) 2019-07-25
JP6925638B2 true JP6925638B2 (ja) 2021-08-25

Family

ID=67397028

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018234865A Active JP6925638B2 (ja) 2018-01-12 2018-12-14 牛の健康状態管理システム及び管理方法並びに健康状態管理プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6925638B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110448304B (zh) * 2019-09-06 2024-05-17 深圳市艾伯数字有限公司 动物可穿戴智能设备、动物活动监测***及方法
JP6847478B1 (ja) * 2020-02-07 2021-03-24 株式会社Eco‐Pork 畜産情報管理システム、畜産情報管理サーバ、畜産情報管理方法、畜産情報管理プログラム、畜産情報管理用データ構造
AU2021233650A1 (en) * 2020-03-09 2022-09-22 Nitto Denko Corporation Anomaly sensing system
WO2021182204A1 (ja) * 2020-03-09 2021-09-16 日東電工株式会社 異常検知システム
CN113854181B (zh) * 2020-06-30 2023-07-28 杨多燕 一种奶牛行为检测项圈及其检测方法
CN115802886A (zh) * 2020-07-16 2023-03-14 索尼集团公司 管理装置、管理方法以及管理程序
JP7156616B2 (ja) * 2020-08-07 2022-10-19 ライブストック・アグリテクノ株式会社 判定装置、判定方法、及びプログラム
KR102362906B1 (ko) * 2020-08-24 2022-02-15 주식회사 바딧 객체를 모니터링하기 위한 방법, 시스템 및 비일시성의 컴퓨터 판독 가능한 기록 매체
WO2022050093A1 (ja) * 2020-09-01 2022-03-10 パナソニックIpマネジメント株式会社 ペット状況推定システム、ペットカメラ、サーバ、ペット状況推定方法、及びプログラム
JP2022053394A (ja) * 2020-09-24 2022-04-05 デザミス株式会社 家畜の分娩検知システム及び分娩検知方法
CN114209310A (zh) * 2021-12-16 2022-03-22 厦门超新芯科技有限公司 一种动物健康状态跟踪方法
WO2023190024A1 (ja) * 2022-03-31 2023-10-05 日本電気通信システム株式会社 放し飼い家畜の管理サーバ装置、システム、方法、及びプログラム

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1156146A (ja) * 1997-08-26 1999-03-02 Matsushita Electric Works Ltd 放牧動物管理装置、及びその装置を用いた放牧動物管理システム
JP2003310077A (ja) * 2002-04-22 2003-11-05 Seiko Instruments Inc 家畜管理システム及び家畜管理方法
JP2016122280A (ja) * 2014-12-24 2016-07-07 日本電信電話株式会社 見守りシステム、方法、データ解析装置およびプログラム
CN107426984A (zh) * 2015-04-24 2017-12-01 株式会社日本动物高度医疗中心 信息处理***
JPWO2016181604A1 (ja) * 2015-05-12 2018-03-08 ソニー株式会社 家畜管理システム、センサ装置及び家畜の状態の推定方法
JP2017060407A (ja) * 2015-09-21 2017-03-30 株式会社グリーン&ライフ・イノベーション 反芻動物の健康管理システムおよび反芻動物の健康管理方法
US10912283B2 (en) * 2016-04-02 2021-02-09 Intel Corporation Technologies for managing the health of livestock
JP2017201930A (ja) * 2016-05-11 2017-11-16 バイオシグナル株式会社 家畜の異常検知システム、及び異常検知装置
JP6409028B2 (ja) * 2016-07-13 2018-10-17 デザミス株式会社 牛の活動状態管理システム
JP7037924B2 (ja) * 2017-12-01 2022-03-17 Nttテクノクロス株式会社 特定装置、特定方法、及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019122368A (ja) 2019-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6925638B2 (ja) 牛の健康状態管理システム及び管理方法並びに健康状態管理プログラム
JP6409028B2 (ja) 牛の活動状態管理システム
US10898136B2 (en) Monitoring device for animals
EP2995195B1 (en) Method and system for monitoring the condition of livestock
CN107205362B (zh) 用于获得关于农场动物的信息的方法
US20170325426A1 (en) A Method and Device for Remote Monitoring of Animals
JP2007124966A (ja) 動物の発情情報、出産情報及び/又は生体情報検知装置。
US11950571B2 (en) System and method for associating a signature of an animal movement and an animal activity
CN115885348A (zh) 用于基于多个持续时间参数确定动物的卡路里需求的***和方法
KR101657682B1 (ko) 가속도 센서 및 gps를 이용한 사료효율 분석 시스템
CN115884677A (zh) 用于确定动物的卡路里需求的***和方法
JP6635995B2 (ja) 行動特定装置、行動特定方法、及びプログラム
WO2021015683A1 (en) A herd management system and a tracking sensor
Irshad et al. Context-aware wearable system for animals–an exploration and classification
BR102017006913B1 (pt) Sistema de pesagem automática, voluntária compreendendo o sistema de monitoramento e gestão de animais e aparelho
Ruhil et al. Data sensing and computation technologies for amimal welfare
WO2024136732A1 (en) System and method for monitoring at least one animal in a dairy farm comprising a plurality of zones
JP2023142611A (ja) 動物の行動量推定システム、方法及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20190219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190220

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201030

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210629

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210728

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6925638

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350