JP6924690B2 - 樹脂マスク剥離洗浄方法 - Google Patents

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Description

本開示は、樹脂マスク剥離洗浄方法及び電子部品の製造方法に関する。
近年、パーソナルコンピュータや各種電子デバイスにおいては、低消費電力化、処理速度の高速化、小型化が進み、これらに搭載されるパッケージ基板などの配線は年々微細化が進んでいる。このような微細配線並びにピラーやバンプといった接続端子形成にはこれまでメタルマスク法が主に用いられてきたが、汎用性が低いことや配線等の微細化への対応が困難になってきたことから、他の新たな方法へと変わりつつある。
新たな方法の一つとして、ドライフィルムレジストをメタルマスクに代えて厚膜樹脂マスクとして使用する方法が知られている。この樹脂マスクは最終的に剥離・除去されるが、その際にアルカリ性の剥離用洗浄剤が使用される。
このような剥離用洗浄剤として、例えば、特許文献1には、洗浄剤組成物100質量部中、第四級アンモニウム水酸化物を0.5質量部以上3.0質量部以下含有し、水溶性アミンを3.0質量部以上10.0質量部以下含有し、酸又はそのアンモニウム塩を0.3質量部以上2.5質量部以下含有し、水を50.0質量部以上95.0質量部以下含有する回路基板の製造に用いる樹脂マスク層用洗浄剤組成物が記載されている。
特許文献2には、アルキルアンモニウム水酸化物0.5乃至5質量%;非プロトン性極性溶媒60乃至90質量%;芳香族多価アルコール0.1乃至3質量%;直鎖の多価アルコール0.1乃至5質量%;及び水5乃至30質量%を含むフォトレジスト剥離液組成物が記載されている。
特許文献3には、特定の第4級アンモニウム水酸化物、アミン、炭素数1以上5以下のカルボン酸又はその塩、及び水を含有する、ネガ型樹脂マスク剥離用洗浄剤組成物が記載されている。
特開2015−79244号公報 特表2013−527992号公報 特開2017−120400号公報
プリント基板等に微細配線を形成する上で、ドライフィルムレジスト等の樹脂マスクの残存はもちろんのこと、微細配線やバンプ形成に用いられるはんだやメッキ液等に含まれる助剤等の残存を低減するため、洗浄剤組成物には高い洗浄性が要求される。樹脂マスクは、光や電子線等によって現像液に対する溶解性などの物性を変化させ、後に続くエッチングなどの処理から物質表面を保護するものであり、このような樹脂マスクは、光や電子線との反応方法の違いから、ポジ型とネガ型に大きく分けられている。ネガ型樹脂マスクは、露光されると現像液に対して溶解性が低下し、現像後に露光部分が残り保護膜となる。ポジ型樹脂マスクは、露光されると現像液に対して溶解性が増大し、露光部が除去される。これらの樹脂マスクを使用することで、金属配線、金属ピラーやハンダバンプといった回路基板の微細な接続部を形成することができる。
しかし、接続部形成時に使用されるメッキ液や加熱処理等によって樹脂マスクの特性が変化し、次工程の洗浄工程において樹脂マスクを除去(剥離)しにくくなってしまう。特に、ネガ型樹脂マスクは、光や電子線との反応により硬化する特性を有することから、メッキ液や熱によって必要以上に硬化が進み、洗浄工程で完全に除去(剥離)できないか、あるいは、除去(剥離)に時間を非常に要することで基板や金属表面にダメージを与えてしまう。よって、洗浄剤組成物には高い樹脂マスク除去性が要求される。
さらに、前記のように洗浄剤組成物の性能向上のみならず、生産性及び環境負荷への影響を考慮した洗浄装置や操業方法も高品質なパッケージ基板等を得る上で重要な因子であり、環境負荷への影響を考慮した上で、洗浄剤組成物の性能を十分に発揮でき、さらに連続操業安定性に優れた洗浄装置や操業方法が要求される。
そこで、本開示は、一態様において、樹脂マスク除去性及び連続操業安定性に優れた樹脂マスク剥離洗浄方法を提供する。
本開示は、一態様において、洗浄液を繰り返し使用する循環型洗浄装置を用いて、被洗浄物に付着した樹脂マスクを剥離洗浄する樹脂マスク剥離洗浄方法であって、
前記循環型洗浄装置が、剥離洗浄に使用した洗浄液を濾過する1次フィルタを有し、
前記1次フィルタは、メッシュサイズが8メッシュ以上80メッシュ以下の網であり、
前記洗浄液が、下記式(I)で表される第4級アンモニウム水酸化物(成分A)、下記式(II)で表されるアミン(成分B)、及び水(成分C)を含有し、成分Aの含有量が1質量%以上6.5質量%以下であり、成分Bの含有量が1質量%以上10質量%以下であり、成分Cの含有量が50質量%以上98質量%以下の洗浄剤組成物である、樹脂マスク剥離洗浄方法に関する。
Figure 0006924690
上記式(I)において、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基から選ばれる少なくとも1種である。
Figure 0006924690
上記式(II)において、R5は、水素原子、メチル基、エチル基及びアミノエチル基から選ばれる少なくとも1種を示し、R6は、水素原子、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、メチル基及びエチル基から選ばれる少なくとも1種を示し、R7は、アミノエチル基、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基から選ばれる少なくとも1種を示すか、あるいは、式(II)において、R5は、メチル基、エチル基、アミノエチル基、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基から選ばれる少なくとも1種を示し、R6とR7は互いに結合して式(II)中のN原子と共にピロリジン環又はピペラジン環を形成する。
本開示は、一態様において、プリント基板、ウエハ、及び金属板から選ばれる少なくとも1つの電子部品に対し、樹脂マスクを使用した半田付け及びメッキ処理の少なくとも一方の処理を行う工程、及び、半田付け及びメッキ処理の少なくとも一方の処理が施された前記電子部品を本開示の洗浄方法により洗浄する工程を含む、電子部品の製造方法に関する。
本開示によれば、一態様において、樹脂マスク除去性及び連続操業安定性に優れた樹脂マスク剥離洗浄方法を提供する。
本開示は、特定のメッシュサイズを有する1次フィルタを備えた循環型洗浄装置と、循環型洗浄装置で使用する洗浄液として、特定の第4級アンモニウム水酸化物(成分A)、特定のアミン(成分B)、及び水(成分C)を特定量含有する洗浄剤組成物を用いることで、樹脂マスクを効率よく除去でき、さらに、連続操業安定性を向上でき、長期間操業を停止して生産性を低下させる頻繁なメンテナンスを不要にできるという知見に基づく。
すなわち、本開示は、一態様において、洗浄液を繰り返し使用する循環型洗浄装置を用いて、被洗浄物に付着した樹脂マスクを剥離洗浄する樹脂マスク剥離洗浄方法であって、
前記循環型洗浄装置が、剥離洗浄に使用した洗浄液を濾過する1次フィルタを有し、
前記1次フィルタは、メッシュサイズが8メッシュ以上80メッシュ以下の網であり、
前記洗浄液が、上記式(I)で表される第4級アンモニウム水酸化物(成分A)、上記式(II)で表されるアミン(成分B)、及び水(成分C)を含有し、成分Aの含有量が1質量%以上6.5質量%以下であり、成分Bの含有量が1質量%以上10質量%以下であり、成分Cの含有量が50質量%以上98質量%以下の洗浄剤組成物(以下、「本開示の洗浄剤組成物」ともいう)である、樹脂マスク剥離洗浄方法(以下、「本開示の洗浄方法」ともいう)に関する。
本開示の洗浄方法における効果の作用メカニズムの詳細は不明な部分があるが、以下のように推定される。
ネガ型樹脂マスクは、一般的に、アルカリ性現像液に溶解するアルカリ可溶性樹脂と、露光により酸を発生する酸発生剤と、酸を触媒としてアルカリ可溶性樹脂間に架橋を形成する架橋剤を含有する。アルカリ可溶性樹脂としては、パラヒドロキシスチレン(PHS)樹脂、メタクリレート系樹脂等が挙げられる。ネガ型樹脂マスクに光や電子線等を照射すると、ネガ型樹脂マスクの露光部では、酸発生剤から酸が発生し、露光後のベーク熱によってアルカリ可溶性樹脂と架橋剤とが酸を触媒として縮合架橋反応を起こすと考えられる。縮合架橋反応により、アルカリ可溶性樹脂は、3次元構造を有する巨大な高分子化合物に変化し、アルカリ現像液に不溶な樹脂となると考えられる。このとき、反応性の高い架橋剤は、メッキ処理や半田付け等によって必要以上にアルカリ可溶性樹脂と反応するため、アルカリ可溶性樹脂がより複雑な3次元構造を有する巨大な高分子化合物に変化し、その結果、現像後のネガ型樹脂マスクの剥離除去が難しくなる。
これに対し、本開示の洗浄剤組成物では、アルカリ性の成分A及び成分Bは、はんだペーストやフラックス成分に含まれる酸成分や加熱により高分子量化したネガ型樹脂マスクの樹脂の結合を切断し、低分子量化できると考えられる。そして、成分A及び水(成分C)が、低分子量化したネガ型樹脂マスクに浸透し、樹脂の張力にひずみを発生させ、樹脂にストレスを生じさせることで、適度なサイズで樹脂マスクが剥離されやすくなり、樹脂マスクを効率よく除去できると考えられる。
さらに、本開示の洗浄方法では、樹脂マスクの剥離片を適度なサイズに制御できると考えられる。これにより、半導体パッケージ等の被洗浄物を搬送するための搬入出コンベアへの絡みつきが起こりにくく、1次フィルタで剥離片が効率よく捕集されやすく、長期間操業を停止して生産性を低下させてしまう頻繁なメンテナンスを行なわずに洗浄液を繰り返し使用でき、低い環境負荷かつ高い生産効率を可能にすると推測される。
但し、本開示はこのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本開示において樹脂マスクとは、エッチング、メッキ、加熱等の処理から物質表面を保護するためのマスク、すなわち、保護膜として機能するマスクである。樹脂マスクとしては、一又は複数の実施形態において、露光又は現像工程後のレジスト層、露光及び現像の少なくとも一方の処理が施された(以下、「露光及び/又は現像処理された」ともいう)レジスト層、あるいは、硬化したレジスト層が挙げられる。樹脂マスクを形成する樹脂材料としては、一又は複数の実施形態において、フィルム状の感光性樹脂、又は、レジストフィルムが挙げられる。レジストフィルムは汎用のものを使用できる。
(洗浄剤組成物)
[成分A:第4級アンモニウム水酸化物]
本開示の洗浄剤組成物における成分Aは、下記式(I)で表される第4級アンモニウム水酸化物である。成分Aは、1種単独で又は2種以上混合して使用することができる。
Figure 0006924690
上記式(I)において、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基から選ばれる少なくとも1種である。
成分Aとしては、例えば、第4級アンモニウムカチオンとヒドロキシドとからなる塩等が挙げられる。成分Aの具体例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(コリン)、2−ヒドロキシエチルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシエチルトリプロピルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシプロピルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシプロピルトリプロピルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、ジエチルビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、ジプロピルビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、トリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムヒドロキシド、トリス(2−ヒドロキシエチル)エチルアンモニウムヒドロキシド、トリス(2−ヒドロキシエチル)プロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラキス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、及びテトラキス(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウムヒドロキシドから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらのなかでも、樹脂マスク除去性向上、剥離片捕集性向上及び連続操業安定性向上の観点から、成分Aとしては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(コリン)、ジメチルビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、及びジエチルビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシドから選ばれる少なくとも1種が好ましく、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(コリン)、及びジメチルビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシドから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、ジメチルビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシドがさらに好ましい。
本開示の洗浄剤組成物の使用時における成分Aの含有量は、樹脂マスク除去性向上、剥離片捕集性向上及び連続操業安定性向上の観点から、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、2.5質量%以上がさらに好ましく、3質量%以上がよりさらに好ましく、そして、排水処理負荷低減の観点から、6.5質量%以下が好ましく、6質量%以下がより好ましく、5.5質量%以下がさらに好ましく、5質量%以下がよりさらに好ましい。より具体的には、成分Aの含有量は、1質量%以上6.5質量%以下が好ましく、2質量%以上6質量%以下がより好ましく、2.5質量%以上5.5質量%以下がさらに好ましく、3質量%以上5質量%以下がよりさらに好ましい。成分Aが2種以上の組合せである場合、成分Aの含有量は、それらの合計含有量をいう。
本開示において「洗浄剤組成物の使用時における各成分の含有量」とは、洗浄時、すなわち、洗浄剤組成物の洗浄への使用を開始する時点での各成分の含有量をいう。
[成分B:アミン]
本開示の洗浄剤組成物における成分Bは、下記式(II)で表されるアミンである。成分Bは、1種単独で又は2種以上混合して使用することができる。
Figure 0006924690
上記式(II)において、R5は、水素原子、メチル基、エチル基又はアミノエチル基を示し、R6は、水素原子、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、メチル基又はエチル基から選ばれる少なくとも1種であって、R7は、アミノエチル基、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基から選ばれる少なくとも1種か、あるいは、式(II)において、R5は、メチル基、エチル基、アミノエチル基、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基から選ばれる少なくとも1種であって、R6とR7は互いに結合して式(II)中のN原子と共にピロリジン環又はピペラジン環を形成する。
成分Bとしては、樹脂マスク除去性向上、剥離片捕集性向上及び連続操業安定性向上の観点から、モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、N−メチルモノエタノールアミン、N−メチルイソプロパノールアミン、N−エチルモノエタノールアミン、N−エチルイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N−ジメチルモノエタノールアミン、N−ジメチルモノイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルジイソプロパノールアミン、N−ジエチルモノエタノールアミン、N−ジエチルモノイソプロパノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−エチルジイソプロパノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、N−(β−アミノエチル)イソプロパノールアミン、N−(β−アミノエチル)ジエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)ジイソプロパノールアミン、1−メチルピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、エチレンジアミン及びジエチレントリアミンから選ばれる少なくとも1種が好ましく、モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルモノエタノールアミン、N−エチルモノエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン及びジエチレントリアミンから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルモノエタノールアミン、及びN−エチルモノエタノールアミンから選ばれる少なくとも1種がさらに好ましく、モノエタノールアミンがよりさらに好ましい。
本開示の洗浄剤組成物の使用時における成分Bの含有量は、樹脂マスク除去性向上、剥離片捕集性向上及び連続操業安定性向上の観点から、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、2.5質量%以上がさらに好ましく、3質量%以上がよりさらに好ましく、そして、同様の観点から、10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、6質量%以下がさらに好ましく、5質量%以下がよりさらに好ましい。より具体的には、成分Bの含有量は、1質量%以上10質量%以下が好ましく、2質量%以上8質量%以下がより好ましく、2.5質量%以上6質量%以下がさらに好ましく、3質量%以上5質量%以下がよりさらに好ましい。成分Bが2種以上の組合せである場合、成分Bの含有量は、それらの合計含有量をいう。
[成分C:水]
本開示の洗浄剤組成物における成分Cは、水である。成分Cとしては、イオン交換水、RO水、蒸留水、純水、超純水が使用されうる。成分Cの含有量は、本開示の洗浄剤組成物の使用態様にあわせて適宜設定すればよい。
本開示の洗浄剤組成物の使用時における成分Cの含有量は、樹脂マスク除去性向上、剥離片捕集性向上、連続操業安定性向上及び排水処理負荷低減の観点から、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、98質量%以下が好ましく、96質量%以下がより好ましく、95.5質量%以下がさらに好ましい。より具体的には、成分Cの含有量は、50質量%以上98質量%以下が好ましく、60質量%以上96質量%以下がより好ましく、70質量%以上95.5質量%以下がさらに好ましい。
[その他の成分]
本開示に係る洗浄剤組成物は、前記成分A〜C以外に、必要に応じてその他の成分を含有することができる。その他の成分としては、通常の洗浄剤に用いられうる成分を挙げることができ、例えば、キレート剤、増粘剤、分散剤、塩基性物質、界面活性剤、高分子化合物、可溶化剤、酸化防止剤、防腐剤、防錆剤、消泡剤、抗菌剤等から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。本開示に係る洗浄剤組成物の使用時におけるその他の成分の含有量は、0質量%以上2質量%以下が好ましく、0質量%以上1.5質量%以下がより好ましく、0質量%以上1.3質量%以下が更に好ましく、0質量%以上1質量%以下がより更に好ましい。
本開示の洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、酸を実質的に含まないものであってもよい。本開示において、酸の使用は、酸及び又はその塩の使用を含む。「酸を実質的に含まない」とは、本開示の洗浄剤組成物中の酸の含有量が、0.3質量%未満であることをいい、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは実質的に0質量%である。
[洗浄剤組成物の製造方法]
本開示の洗浄剤組成物は、成分A、成分B及び成分C、並びに必要に応じて上述したその他の成分を公知の方法で配合することにより製造できる。例えば、本開示の洗浄剤組成物は、成分A、成分B及び成分C、並びに必要に応じて上述したその他の成分を配合してなるものである。したがって、本開示は、少なくとも成分A、成分B及び成分Cを配合する工程を含む、洗浄剤組成物の製造方法に関する。本開示において「配合する」とは、成分A〜C及び必要に応じてその他の成分を同時に又は任意の順に混合することを含む。本開示の洗浄剤組成物の製造方法において、各成分の配合量は、上述した本開示の洗浄剤組成物の各成分の含有量と同じとすることができる。
本開示の洗浄剤組成物の使用時におけるpHは、樹脂マスク除去性向上、剥離片捕集性向上及び連続操業安定性向上の観点から、10以上が好ましく、10.5以上がより好ましく、そして、同様の観点から、14以下が好ましく、13.5以下がより好ましい。pHは、例えば、成分A、成分B及び成分Cの含有量で調整することができ、必要により、例えば、硝酸、硫酸等の無機酸;オキシカルボン酸、多価カルボン酸、アミノポリカルボン酸、アミノ酸等の有機酸;及びそれらの金属塩やアンモニウム塩、アンモニア、アミン等の成分A以外の塩基性物質を配合して調整することができる。pHは、25℃における洗浄剤組成物のpHであり、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
本開示の洗浄剤組成物は、分離や析出等を起こして保管安定性を損なわない範囲で成分Cの水の量を減らした濃縮物として調製してもよい。洗浄剤組成物の濃縮物は、輸送及び貯蔵の観点から、希釈倍率3倍以上の濃縮物とすることが好ましく、保管安定性の観点から、希釈倍率10倍以下の濃縮物とすることが好ましい。洗浄剤組成物の濃縮物は、使用時に成分A〜Cが上述した含有量(すなわち、洗浄時の含有量)になるよう水で希釈して使用することができる。さらに洗浄剤組成物の濃縮物は、使用時に各成分を別々に添加して使用することもできる。本開示において洗浄剤組成物の濃縮物の「使用時」又は「洗浄時」とは、洗浄剤組成物の濃縮物が希釈された状態をいう。
本開示の洗浄剤組成物が濃縮物である場合、洗浄剤組成物の濃縮物中の成分Aの含有量は、樹脂マスク除去性向上、剥離片捕集性向上及び連続操業安定性向上の観点から、0.3質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましく、3質量%以上がよりさらに好ましく、そして、同様の観点から、10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、6質量%以下がさらに好ましく、5質量%以下がよりさらに好ましい。
本開示の洗浄剤組成物が濃縮物である場合、洗浄剤組成物の濃縮物中の成分Bの含有量は、樹脂マスク除去性向上、剥離片捕集性向上及び連続操業安定性向上の観点から、5質量%以上が好ましく、9質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、18質量%以上がよりさらに好ましく、そして、同様の観点から、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、15質量%以下がよりさらに好ましい。
本開示の洗浄剤組成物が濃縮物である場合、洗浄剤組成物の濃縮物中の成分Cの含有量は、樹脂マスク除去性向上、剥離片捕集性向上、連続操業安定性向上、及び洗浄剤組成物を安定化する観点から、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましい。
本開示の洗浄剤組成物の濃縮物のpHは、希釈後の洗浄性及び樹脂マスク除去性向上の観点から、10以上が好ましく、10.5以上がより好ましく、そして、希釈後の洗浄性の観点から、14以下が好ましく、13.5以下がより好ましい。
[被洗浄物]
本開示の洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、樹脂マスクが付着した被洗浄物の洗浄、あるいは、メッキ処理及び/又は加熱処理された樹脂マスクが付着した被洗浄物の洗浄に好適に使用されうる。
被洗浄物としては、例えば、電子部品及びその製造中間物が挙げられる。電子部品としては、例えば、プリント基板、ウエハ、銅板及びアルミニウム板等の金属板から選ばれる少なくとも1つの部品が挙げられる。前記製造中間物は、電子部品の製造工程における中間製造物であって、樹脂マスク処理後の中間製造物を含む。
樹脂マスクとしては、ネガ型樹脂マスクでもよいし、ポジ型樹脂マスクでもよく、本開示の効果が発揮されやすい点からは、ネガ型樹脂マスクが好ましい。ネガ型樹脂マスクとしては、例えば、露光及び/又は現像処理されたネガ型ドライフィルムレジストが挙げられる。本開示においてネガ型樹脂マスクとは、ネガ型レジストを用いて形成されるものであり、例えば、露光及び/又は現像処理されたネガ型レジスト層が挙げられる。本開示においてポジ型樹脂マスクとは、ポジ型レジストを用いて形成されるものであり、例えば、露光及び/又は現像処理されたポジ型レジスト層が挙げられる。
樹脂マスクが付着した被洗浄物の具体例としては、例えば、ドライフィルムレジスト等の樹脂マスクを使用した、半田付け及びメッキ処理(銅メッキ、アルミニウムメッキ、ニッケルメッキ等)の少なくとも一方の処理を行う工程を経ることにより、配線や接続端子等が基板表面に形成された電子部品等が挙げられる。より具体的には、ネガ型樹脂マスクを用いて銅又はアルミニウムメッキ処理して微細配線あるいはピラーが形成されたプリント基板及びウエハ、ネガ型樹脂マスクを用いてハンダバンプが形成されたプリント基板及びウエハ等が挙げられる。
[電子部品の製造方法]
本開示は、一態様において、プリント基板、ウエハ、及び金属板から選ばれる少なくとも1つの電子部品に対し、樹脂マスクを使用した半田付け及びメッキ処理の少なくとも一方の処理を行う工程、及び、半田付け及びメッキ処理の少なくとも一方の処理が施された前記電子部品を本開示の洗浄方法により洗浄する工程を含む、電子部品の製造方法(以下、「本開示の電子部品製造方法」ともいう)に関する。
本開示の電子部品製造方法によれば、本開示の洗浄方法による洗浄を行うことにより、電子部品に付着した樹脂マスクを効果的に除去できるため、信頼性の高い電子部品の製造が可能になる。さらに、本開示の洗浄方法による洗浄を行うことにより、連続操業安定性を向上できるため、電子部品の製造効率を向上できる。
[循環型洗浄装置]
本開示における循環型洗浄装置は、樹脂マスクが付着した被洗浄物(例えば、プリント基板、ウエハ、及び金属板等の電子部品)を連続洗浄する洗浄装置である。本開示における循環型洗浄装置は、樹脂マスクの剥離洗浄に使用した洗浄液を濾過(1次濾過)する1次フィルタを有する。本開示における循環型洗浄装置の一実施形態としては、洗浄液を貯蔵する貯液槽と、被洗浄物を洗浄する洗浄槽と、貯液槽内の洗浄液を洗浄槽に供給し、洗浄槽内の洗浄液を貯液槽に戻して循環させるための循環経路と、循環経路に配置された液送ポンプ等の流体機械と、洗浄槽から貯液槽への経路に配置された1次フィルタと、を有する循環型洗浄装置が挙げられる。貯液槽としては、洗浄液を循環使用するために十分な量の洗浄液を貯蔵でき、洗浄液や水等の投入、洗浄液成分の濃度調整、温度調整等が可能な貯蔵槽であればよい。洗浄槽としては、浸漬洗浄、超音波洗浄、空中シャワー洗浄、液中噴流洗浄、ブラシ洗浄等の手段で被洗浄材に洗浄液を接触させることができる洗浄槽であればよい。液送ポンプ等の流体機械としては、渦巻ポンプ、カスケードポンプ、ギアポンプ、ピストンポンプ等の液体を液送できるものであればよい。
本開示における循環型洗浄装置は、一又は複数の実施形態において、前記1次フィルタで濾過された洗浄液を濾過(2次濾過)する2次フィルタをさらに有することができる。
本開示における循環型洗浄装置は、一又は複数の実施形態において、生産性の観点から、被洗浄物用の搬入出コンベアを有することが好ましく、自動搬入出コンベアを有することがより好ましい。
本開示における1次フィルタは、一又は複数の実施形態において、洗浄槽から貯液槽への経路に配置され、樹脂マスクの剥離洗浄に使用した洗浄液を濾過して、剥離片を洗浄液から除去するフィルタである。1次フィルタとしては、メンテナンスの作業性向上の観点から、蓄積した剥離片を廃棄するために着脱可能な構造であって、一部にフィルタ部分を有する構造であることが好ましい。本開示における1次フィルタは、一又は複数の実施形態において、メッシュサイズが8メッシュ以上80メッシュ以下の網が挙げられる。
本開示における1次フィルタのメッシュサイズは、剥離片捕集性向上及び連続操業安定性向上の観点から、8メッシュ以上であって、10メッシュ以上が好ましく、12メッシュ以上がより好ましく、14メッシュ以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、80メッシュ以下であって、70メッシュ以下が好ましく、60メッシュ以下がより好ましく、50メッシュ以下がさらに好ましい。より具体的には、1次フィルタのメッシュサイズは、8メッシュ以上80メッシュ以下であって、10メッシュ以上70メッシュ以下が好ましく、12メッシュ以上60メッシュ以下がより好ましく、14メッシュ以上50メッシュ以下がさらに好ましい。メッシュサイズは下記式から求められる。
メッシュサイズ(メッシュ)=25.4÷[目開き(mm)+線径(mm)]
本開示における1次フィルタの開孔率は、剥離片捕集性向上及び連続操業安定性向上の観点から、30%以上であって、35%以上が好ましく、38%以上がより好ましく、40%以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、75%以下であって、72%以下が好ましく、70%以下がより好ましく、68%以下がさらに好ましい。より具体的には、1次フィルタの開孔率は、30%以上75%以下であって、35%以上72%以下が好ましく、38%以上70%以下がより好ましく、40%以上68%以下がさらに好ましい。開孔率は下記式から求められる。
開孔率(%)=[目開き(mm)÷(目開き(mm)+線径(mm))]2×100
本開示における1次フィルタの目開きは、剥離片捕集性向上及び連続操業安定性向上の観点から、0.2mm以上が好ましく、0.3mm以上がより好ましく、0.4mm以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、5mm以下が好ましく、4mm以下がより好ましく、3mm以下がさらに好ましい。より具体的には、1次フィルタの目開きは、0.2mm以上5mm以下が好ましく、0.3mm以上4mm以下がより好ましく、0.4mm以上3mm以下がさらに好ましい。
本開示において、1次フィルタ用の網に使用されうる材質は、金属製であっても樹脂製であってもよく、耐久性の観点から、ステンレス製が好ましい。網の織り方としては、平織、綾織、平畳織及び綾畳織など、特に限定されなくてもよく、入手性の観点から、平織及び綾織が好ましく、平織がより好ましい。
本開示における循環型洗浄装置が2次フィルタを有する場合、2次フィルタとしては、上述した1次フィルタと同じものが挙げられ、例えば、1次フィルタよりもメッシュサイズ及び開孔率が小さい網を好適に用いることができる。
以下に、実施例により本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
1.洗浄剤組成物a〜gの調製
200mLガラスビーカーに有効分換算でAH212(成分A)4.0g、モノエタノールアミン(成分B)8.0g、及び水(成分C)198.0gを添加し、それを攪拌して均一に混合することにより、洗浄剤組成物aを調製した。
そして、洗浄剤組成物b〜gを、洗浄剤組成物aと同様の方法により、成分A〜C以外の成分を含む場合はそれらの成分も同時に添加し、表1に示す組成比で調製した。各洗浄剤組成物a〜gの各成分の含有量(質量%)及びpHを表1に示した。
pHは、25℃における洗浄剤組成物のpHであり、pHメータ(亜電波工業株式会社、HM−30G)を用いて測定し、電極を洗浄剤組成物に浸漬して3分後の数値である。
洗浄剤組成物の成分として下記のものを使用した。
ジメチルビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド(成分A)[四日市合成株式会社製、AH212(50%水溶液)]
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(成分A)[昭和電工株式会社製、TMAH(25%)]
2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(成分A)[東京化成工業株式会社製、コリン(48−50%水溶液)]
水酸化ナトリウム(非成分A)[関東化学株式会社製、鹿特級、固形分48質量%]
モノエタノールアミン(成分B)[株式会社日本触媒製]
水(成分C)[オルガノ株式会社製純水装置G−10DSTSETで製造した1μS/cm以下の純水]
ジメチルスルホキシド(その他の成分)[東レ・ファインケミカル株式会社製、工業用DMSO]
没食子酸(その他の成分)[東京化成工業株式会社製]
グリセリン(その他の成分)[花王株式会社製、精製グリセリン]
2.評価
調製した洗浄剤組成物a〜gと下記の1次フィルタ及び2次フィルタとを表2に示すように組み合わせて評価を行った。そして、下記に示す樹脂マスク除去性、剥離片サイズ、剥離片ローラー巻き付き性、液濾過性を評価した。
[テストピースの作製]
ネガ型厚膜レジスト形成用感光性フィルム(旭化成株式会社製、サンフォート UFG−250、40mm×50mm×20μm)を銅板(太佑機材株式会社製、C1100P、55mm×75mm×1mm)の表面に下記条件でラミネートして、露光処理して硬化したテストピースを作製する。
<ラミネート>
クリーンローラー(株式会社レヨーン工業製、RY−505Z)及び真空アプリケータ(ローム&ハース社製、VA7024/HP5)を用いてローラー温度50℃、ローラー圧1.4Bar、処理時間30秒で行う。
<露光処理>
プリント基板用直接描画装置(株式会社SCREENグラフィックアンドプレシジョンソリューションズ製、Mercurex LI−9500)を用い、露光量150mJ/cm2で露光を行う。
[樹脂マスク除去性評価]
55℃に加温した各洗浄剤組成物を液全体が動く程度に撹拌した状態で、テストピースを浸漬し、樹脂マスクの剥離状態を目視により観察し、樹脂マスクが完全に剥離するまでに要した時間を剥離時間(秒)として計測した。浸漬時間は最長180秒までとした。計測結果を表1に示す。剥離時間が短いほど、樹脂マスクの除去性が高いことを示す。
[剥離片サイズの測定]
樹脂マスク除去性評価後の洗浄剤組成物を濾紙(東洋濾紙株式会社製、定性濾紙No.2(φ70mm))で濾過し、濾紙上の剥離片をマイクロスコープ(株式会社キーエンス製、VHX−2000)にて20倍で観察し、自動面積計測により平均剥離片サイズ(mm2)を求めた。計測結果を表1に示す。
[剥離片ローラー巻き付き性の評価]
洗浄装置内の基板送りローラーへ剥離片が付着し、巻き付くと、ローラー回転不良等の洗浄装置の不具合が生じる。この不良発生の有無を確認する評価を以下のように行った。
樹脂マスク除去性評価後の洗浄剤組成物からテストピースを取り出し、ビーカーの中にガラス棒(長さ15cm、φ10mm)を入れ、ビーカー壁に触れないように1分間に60回の攪拌速度で洗浄剤組成物を攪拌した。その後、ガラス棒をビーカーから取り出して、ガラス棒へ付着した剥離片の有無を目視で確認した。結果を表1に示す。剥離片のガラス棒への付着が確認されなかった場合、洗浄装置内の基板送りローラー等の周辺部材への付着が抑制されており、安定な操業が可能になると評価する。
[液濾過性の評価]
表2に示すように各洗浄剤組成物a〜gと各1次フィルタ(5メッシュ、10メッシュ、24メッシュ、100メッシュ、300メッシュ)とを組み合わせて、液濾過性の評価を行った。
具体的には、まず、樹脂マスク除去性評価後の洗浄剤組成物からテストピースを取り出し、洗浄剤組成物を1次フィルタ(ステンレス製網)にて濾過した。そして、該洗浄剤組成物を濾過した1次フィルタ(ステンレス製網)にて水20mLを濾過し、水20mL全量の濾過に要した時間(秒)を測定した(1次濾過)。測定結果を表2に示す。
次に、1次濾過後の洗浄剤組成物を2次フィルタ(ステンレス製網、300メッシュ)にて濾過した。そして、該洗浄剤組成物を濾過した2次フィルタ(ステンレス製網、300メッシュ)にて水20mLを濾過し、水20mL全量の濾過に要した時間(秒)を測定した(2次濾過)。なお、1次濾過及び2次濾過のいずれも濾過面積は0.785cm2(φ1cm)である。測定結果を表2に示す。
表2において、1次濾過及び/又は2次濾過において水20mLの全濾過に要した時間が10秒を超えると、連続操業安定性が良好ではないと評価する。1次濾過の場合、洗浄液が洗浄槽からポンプへの循環が行われず、2次濾過の場合、ポンプ詰りあるいはスプレーヘッドの詰りを生じて洗浄液の循環が行われず、操業を停止してフィルタ交換あるいは洗浄装置のメンテナンス(洗浄や詰り除去)を行う必要があるため、連続操業安定性は良好ではないと判断できる。
一方、1次濾過及び2次濾過の両方において、水20mLの全濾過に要した時間が10秒以内の場合、連続操業安定性が高いと評価する。
1次フィルタ及び2次フィルタには、以下の網を用いた。
5メッシュ[平織、線径0.7mm、目開き4.38mm、開孔率74.3%、ステンレス製]
10メッシュ[平織、線径0.5mm、目開き2.04mm、開孔率64.5%、ステンレス製]
24メッシュ[平織、線径0.25mm、目開き0.81mm、開孔率58.4%、ステンレス製]
100メッシュ[平織、線径0.1mm、目開き0.154mm、開孔率36.8%、ステンレス製]
300メッシュ[平織、線径0.04mm、目開き0.045mm、開孔率28.0%、ステンレス製]
Figure 0006924690
Figure 0006924690
表1及び表2に示すとおり、成分A〜Cを含む洗浄剤組成物a〜cと特定のメッシュサイズを有する1次フィルタとを組み合わせて用いた実施例1〜6は、樹脂マスク除去性に優れ、かつ連続操業安定性に優れていた。
本開示を用いることにより、樹脂マスク除去性及び連続操業安定性に優れた洗浄方法を提供できる。よって、本開示の洗浄方法は、樹脂マスクが付着した電子部品の洗浄工程の短縮化及び製造される電子部品の性能・信頼性の向上が可能となり、半導体装置の生産性を向上できる。

Claims (6)

  1. 洗浄液を繰り返し使用する循環型洗浄装置を用いて、被洗浄物に付着した樹脂マスクを剥離洗浄する樹脂マスク剥離洗浄方法であって、
    前記循環型洗浄装置が、剥離洗浄に使用した洗浄液を濾過する1次フィルタを有し、
    前記1次フィルタは、メッシュサイズが8メッシュ以上80メッシュ以下の網であり、
    前記洗浄液が、下記式(I)で表される第4級アンモニウム水酸化物(成分A)、下記式(II)で表されるアミン(成分B)、及び水(成分C)を含有し、成分Aの含有量が1質量%以上6.5質量%以下であり、成分Bの含有量が1質量%以上10質量%以下であり、成分Cの含有量が50質量%以上98質量%以下の洗浄剤組成物である、樹脂マスク剥離洗浄方法。
    Figure 0006924690
    上記式(I)において、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基から選ばれる少なくとも1種である。
    Figure 0006924690
    上記式(II)において、R5は、水素原子、メチル基、エチル基及びアミノエチル基から選ばれる少なくとも1種を示し、R6は、水素原子、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、メチル基及びエチル基から選ばれる少なくとも1種を示し、R7は、アミノエチル基、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基から選ばれる少なくとも1種を示すか、あるいは、式(II)において、R5は、メチル基、エチル基、アミノエチル基、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基から選ばれる少なくとも1種を示し、R6とR7は互いに結合して式(II)中のN原子と共にピロリジン環又はピペラジン環を形成する。
  2. 前記1次フィルタの開孔率が、30%以上75%以下である、請求項1に記載の樹脂マスク剥離洗浄方法。
  3. 前記洗浄剤組成物中のの含有量が、0.3質量%未満である、請求項1又は2に記載の樹脂マスク剥離洗浄方法。
  4. 樹脂マスクが、ネガ型樹脂マスクである、請求項1から3のいずれかに記載の樹脂マスク剥離洗浄方法。
  5. 被洗浄物が、電子部品の製造中間物である、請求項1から4のいずれかに記載の樹脂マスク剥離洗浄方法。
  6. プリント基板、ウエハ、及び金属板から選ばれる少なくとも1つの電子部品に対し、樹脂マスクを使用した半田付け及びメッキ処理の少なくとも一方の処理を行う工程、及び、半田付け及びメッキ処理の少なくとも一方の処理が施された前記電子部品を請求項1から5のいずれかに記載の洗浄方法により洗浄する工程を含む、電子部品の製造方法。
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