JP2023172703A - 洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】一態様において、樹脂マスク除去性に優れる洗浄方法を提供する。【解決手段】本開示は、一態様において、洗浄剤組成物を用いて、樹脂マスクが付着した被洗浄物から樹脂マスクを剥離する工程を含み、前記洗浄剤組成物は、第四級アンモニウム水酸化物(成分A)、アミノアルコール(成分B)、芳香族アルコール(成分C)及び水(成分D)を含有する洗浄剤組成物であり、前記洗浄剤組成物中の成分Dと成分Cとの質量比D/Cが10未満であり、前記樹脂マスクが付着した被洗浄物は、細線部の線幅が5μm以上35μm以下、最厚部の厚さが40μm以上80μm以下の金属配線を有する基板の表面に硬化した樹脂マスクを有する基板である、洗浄方法に関する。【選択図】なし

Description

本開示は、洗浄方法及びこれを用いる電子部品の製造方法に関する。
近年、パーソナルコンピュータや各種電子デバイスにおいては、低消費電力化、処理速度の高速化、小型化が進み、これらに搭載されるパッケージ基板などの配線は年々微細化が進んでいる。このような微細配線並びにピラーやバンプといった接続端子形成にはこれまでメタルマスク法が主に用いられてきたが、汎用性が低いことや配線等の微細化への対応が困難になってきたことから、他の新たな方法へと変わりつつある。
新たな方法の一つとして、ドライフィルムレジストをメタルマスクに代えて厚膜樹脂マスクとして使用する方法が知られている。この樹脂マスクは最終的に剥離・除去されるが、その際にアルカリ性の剥離用洗浄剤が使用される。
アルカリ性の剥離用洗浄剤としては、例えば、特許文献1には、半田フラックスとドライフィルムレジストとを同時洗浄することが可能な両用洗浄剤として、全体量に対して、ベンジルアルコールの添加量を5~94重量%の範囲内の値、アミン化合物を1~50重量%の範囲内の値、かつ、水を3~90重量%の範囲内の値とすることを特徴とする両用洗浄剤記載されている。同文献の実施例の洗浄性評価では、シリコンウエハの表面にドライフィルムレジスト(膜厚70μm)を貼り、露光・現像処理によりシリコンウエハ電極上にφ150μmの開口部を形成し、形成した開口部にはんだペーストを印刷充填し250℃でリフローさせた、テストピースを用いたことが記載されている。
また、特許文献2には、はんだバンプの加熱処理後の樹脂マスク層の除去の促進とはんだ腐食の抑制とを両立でき、はんだ接続信頼性を向上させうる洗浄剤として、洗浄剤組成物100質量部中、特定の第四級アンモニウム水酸化物を0.5質量部以上3.0質量部以下含有し、水溶性アミンを3.0質量部以上10.0質量部以下含有し、酸又はそのアンモニウム塩を0.3質量部以上2.5質量部以下含有し、水を50.0質量部以上95.0質量部以下含有する、樹脂マスク層用洗浄剤組成物が記載されている。同文献の実施例には、はんだバンプが形成された回路基板の製造において、はんだバンプの形成に用いた回路基板として、直径25μmの銅表面の電極を50μmのピッチで1チップあたり3600個有し、基板表面の電極周囲は電極より高い高さ15μmのソルダレジストで囲まれている回路基板を用いたことが記載されている。そして、回路基板に形成されたソルダレジスト上にレジストフィルムを貼り、樹脂マスク層を形成し、露光・現像処理により回路基板の電極上の樹脂マスク層及びソルダレジストに開口部を形成し、市販のはんだペーストとフラックスを塗布し、250℃のホットプレート上で1分間加熱し、リフローさせて回路基板の電極上にはんだバンプを形成し、該回路基板を1cm角に切断しテストピースとしたことが記載されている。
特許文献3には、カラーフィルタ基板上のレジストを除去するためのレジスト剥離剤として、第4級アンモニウムの水酸化物、アルカリ金属の水酸化物、アルカノールアミン、特定のスルホン酸化合物、特定の芳香族アルコールを含有するレジスト剥離剤組成物が記載されている。
特開2007-224165号公報 特開2015-79244号公報 特開2014-157339号公報
プリント基板等に微細配線を形成する上で、樹脂マスクの残存はもちろんのこと、微細配線やバンプ形成に用いられるはんだやめっき液等に含まれる助剤等の残存を低減るため、洗浄剤組成物には高い洗浄性が要求される。
しかしながら、配線が微細化するにつれて、微細な隙間にある樹脂マスクを除去することが困難になってきており、洗浄剤組成物には、高い樹脂マスク除去性が要求される。
一方、電子デバイスの小型化、処理速度の高速化、消費電力を低減するため、配線の微細化が進んでいる。配線幅が狭くなると電気抵抗が大きくなり、発熱し、電子デバイスの機能低下を招くおそれがある。配線基板の面積を大きくすることなく電気抵抗を小さくするため、配線の高さを高くする対策が取られる。そのため、配線形成に用いる樹脂マスクは厚くなり配線との接触面積が増え、更に微細化に伴う配線間隔も狭くなることで樹脂マスクは除去しにくくなる。特に、微細配線を描画するためには高エネルギーの低波長光が用いられるが、樹脂マスクが厚いことで、樹脂マスク表面から基板までの距離が長くなり、露光による光重合の反応率が表面と基板接触面とで差異が生じ、表面の反応が過度に進行し、浸透性を強化しないと洗浄剤組成物が樹脂マスク表面から浸透せず、樹脂マスクは除去しにくくなる。
そこで、本開示は、樹脂マスク除去性に優れる洗浄方法を提供する。
本開示は、一態様において、洗浄剤組成物を用いて、樹脂マスクが付着した被洗浄物から樹脂マスクを剥離する工程を含み、前記洗浄剤組成物は、第四級アンモニウム水酸化物(成分A)、アミノアルコール(成分B)、芳香族アルコール(成分C)及び水(成分D)を含有する洗浄剤組成物であり、前記洗浄剤組成物中の成分Dと成分Cとの質量比D/Cが10未満であり、前記樹脂マスクが付着した被洗浄物は、細線部の線幅が5μm以上35μm以下、最厚部の厚さが40μm以上80μm以下の金属配線を有する基板の表面に硬化した樹脂マスクを有する基板である、洗浄方法に関する。
本開示は、一態様において、本開示の洗浄方法を用いて、樹脂マスクを有する電子回路基板を洗浄する工程を含む、電子部品の製造方法に関する。
本開示によれば、樹脂マスク除去性に優れる洗浄方法を提供できる。
図1Aは、被洗浄基板の外観の一例を示す写真であり、図1Bは、実施例1~4の洗浄剤組成物を用いた洗浄後の基板表面の外観の一例を示す写真であり、図1Cは、比較例1~3の洗浄剤組成物を用いた洗浄後の基板表面の外観の一例を示す写真である。
本開示は、特定のアルカリ化合物を含み、さらに水と芳香族アルコールとを特定の質量比で含む洗浄剤組成物を用いることで、基板表面から樹脂マスクを効率よく除去できるという知見に基づく。
本開示は、一態様において、洗浄剤組成物を用いて、樹脂マスクが付着した被洗浄物から樹脂マスクを剥離する工程を含み、前記洗浄剤組成物は、第四級アンモニウム水酸化物(成分A)、アミノアルコール(成分B)、芳香族アルコール(成分C)及び水(成分D)を含有する洗浄剤組成物(以下、「本開示の洗浄剤組成物」ともいう)であり、前記洗浄剤組成物中の成分Dと成分Cとの質量比D/Cが10未満であり、前記樹脂マスクが付着した被洗浄物は、細線部の線幅が5μm以上35μm以下、最厚部の厚さが40μm以上80μm以下の金属配線を有する基板の表面に硬化した樹脂マスクを有する基板である、洗浄方法(以下、「本開示の洗浄方法」ともいう)に関する。
本開示によれば、樹脂マスク除去性に優れる洗浄方法を提供できる。そして、本開示の洗浄方法を樹脂マスクを有する電子回路基板等の電子部品の洗浄に用いることで、高い収率で高品質の電子部品を得ることができる。
本開示の効果発現の作用メカニズムの詳細は不明な部分があるが、以下のように推定される。
第四級アンモニウム水酸化物(成分A)及びアミノアルコール(成分B)は、樹脂マスク内に浸透して樹脂マスクに配合されているアルカリ可溶性樹脂の解離を促進し、更に解離によって生じる電荷の反発を起こすことによって樹脂マスクの剥離を促進すると考えられる。そして、第四級アンモニウム水酸化物(成分A)とアミノアルコール(成分B)では、樹脂マスクへの浸透速度が異なるため、樹脂マスク表面のアルカリ可溶性樹脂が急激に解離することを抑制し、浸透阻害となる樹脂マスク表面のみの電荷反発が抑制されると考えられる。
一方で、芳香族アルコール(成分C)は、第四級アンモニウム水酸化物(成分A)及びアミノアルコール(成分B)と共に樹脂マスクへ浸透し、浸透を促進してアルカリ可溶性樹脂の剥離性をさらに促進すると考えられる。また、芳香族アルコール(成分C)に対する水(成分D)の比率(質量比D/C)を低くすると、芳香族アルコール(成分C)の洗浄剤への溶解がし難くなり、アルカリ可溶性樹脂への浸透が劇的に起きやすくなると考えられる。
但し、本開示はこのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本開示において樹脂マスクとは、エッチング、めっき、加熱等の処理から物質表面を保護するためのマスク、すなわち、保護膜として機能するマスクである。
樹脂マスクとしては、一又は複数の実施形態において、露光及び現像工程後のレジスト層、露光及び現像の少なくとも一方の処理が施された(以下、「露光及び/又は現像処理された」ともいう)レジスト層、あるいは、硬化したレジスト層が挙げられる。
また、樹脂マスクは、一又は複数の実施形態において、光や電子線等によって現像液に対する溶解性等の物性が変化するレジストを用いて形成されるものである。レジストは、光や電子線との反応方法から、ネガ型とポジ型に大きく分けられている。ネガ型レジストは、露光されると現像液に対する溶解性が低下する特性を有し、ネガ型レジストを含む層(以下、「ネガ型レジスト層」ともいう)は、露光及び現像処理後に露光部が樹脂マスクとして使用される。ポジ型レジストは、露光されると現像液に対する溶解性が増大する特性を有し、ポジ型レジストを含む層(以下、「ポジ型レジスト層」ともいう)は、露光及び現像処理後に露光部が除去され、未露光部が樹脂マスクとして使用される。このような特性を有する樹脂マスクを使用することで、金属配線、金属ピラーやハンダバンプといった回路基板の微細な接続部を形成することができる。
樹脂マスクを形成する樹脂材料としては、一又は複数の実施形態において、フィルム状の感光性樹脂、レジストフィルム、又はフォトレジストが挙げられる。レジストフィルムは汎用のものを使用できる。
[剥離工程]
本開示の洗浄方法は、本開示の洗浄剤組成物を用いて、樹脂マスクが付着した被洗浄物から樹脂マスクを剥離する工程(以下、単に「剥離工程」ともいう)を含む。前記剥離工程は、一又は複数の実施形態において、樹脂マスクが付着した被洗浄物を本開示の洗浄剤組成物に接触させることを含む。本開示の洗浄方法によれば、樹脂マスクを効率よく除去できる。
本開示の洗浄剤組成物を用いて被洗浄物から樹脂マスクを剥離する方法、又は、被洗浄物に本開示の洗浄剤組成物を接触させる方法としては、例えば、洗浄剤組成物を入れた洗浄浴槽内へ浸漬することで接触させる方法、洗浄剤組成物をスプレー状に射出して接触させる方法(シャワー方式)、浸漬中に超音波照射する超音波洗浄方法等が挙げられる。本開示の洗浄剤組成物は、希釈することなくそのまま洗浄に使用できる。被洗浄物としては、上述した被洗浄物を挙げることができる。浸漬時間としては、例えば、1分以上10分以下、更には3分以上6分以下が挙げられる。スプレー時間としては、例えば、1分以上10分以下、更には3分以上6分以下が挙げられる。
本開示の洗浄方法は、一又は複数の実施形態において、洗浄剤組成物に被洗浄物を接触させた後、水でリンスし、乾燥する工程を含むことができる。リンス方法としては、例えば、流水リンスが挙げられる。乾燥方法としては、例えば、エアブロー乾燥が挙げられる。
本開示の洗浄方法は、一又は複数の実施形態において、洗浄剤組成物に被洗浄物を接触させた後、水ですすぐ工程を含むことができる。
本開示の洗浄方法は、本開示の洗浄剤組成物の洗浄力が発揮されやすい点から、本開示の洗浄剤組成物と被洗浄物との接触時に超音波を照射することが好ましく、その超音波は比較的高周波数であることがより好ましい。前記超音波の照射条件は、同様の観点から、例えば、26~72kHz、80~1500Wが好ましく、36~72kHz、80~1500Wがより好ましい。
本開示の洗浄方法において、本開示の洗浄剤組成物の洗浄力が発揮されやすい点から、洗浄剤組成物の温度は40℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましく、そして、有機樹脂含有基板に対する影響低減の観点から、70℃以下が好ましく、60℃以下がより好ましい。
[被洗浄物]
被洗浄物としては、例えば、電子部品及びその製造中間物が挙げられる。電子部品としては、例えば、プリント基板、ウエハ、銅板及びアルミニウム板等の金属板から選ばれる少なくとも1つの部品が挙げられる。前記製造中間物は、電子部品の製造工程における中間製造物であって、樹脂マスク処理後の中間製造物を含む。
樹脂マスクが付着した被洗浄物としては、一又は複数の実施形態において、硬化した樹脂マスクを有する電子回路基板が挙げられる。
樹脂マスクが付着した被洗浄物としては、一又は複数の実施形態において、細線部の線幅が5μm以上35μm以下、最厚部の厚さが40μm以上80μm以下の金属配線を有する基板の表面に硬化した樹脂マスクを有する基板が挙げられる。前記基板としては、例えば、ガラスエポキシ多層基板が挙げられる。前記金属配線としては、例えば、銅箔等の金属箔が挙げられる。金属箔はメッキ処理により形成されたものでもよい。前記金属配線を有する基板は、一又は複数の実施形態において、表面に金属箔(例えば、銅箔)を有するガラスエポキシ多層基板である。前記金属配線の細線部の線幅としては、硬化した樹脂マスク除去性の観点から、5μm以上であって、好ましくは10μm以上であり、そして、同様の観点から、35μm以下であって、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下である。前記金属配線の最厚部の厚さ(細線部の厚さ)は、硬化した樹脂マスク除去性の観点から、40μm以上であって、好ましくは45μm以上であり、そして、同様の観点から、80μm以下であって、好ましくは75μm以下、より好ましくは70μm以下、更に好ましくは65μm以下である。
樹脂マスクが付着した被洗浄物としては、一又は複数の実施形態において、樹脂マスクを使用した半田付けやメッキ処理(銅メッキ、アルミニウムメッキ、ニッケルメッキ等)等の処理を行う工程を経ることにより、配線や接続端子等が基板表面に形成された電子部品が挙げられる。具体的には、例えば、ガラスエポキシ多層基板の表面の非硬化の樹脂マスクを露光及び現像の少なくとも一方の硬化処理を行い、非硬化の樹脂マスクを除去した後、メッキ処理で回路パターンが形成された基板が挙げられる。形成された回路パターンの非メッキ部分には硬化した樹脂マスクが存在している。一般に、回路パターンの細線部に隣接する硬化した樹脂マスクの幅は、細線部の線幅と同様の幅で形成される。メッキ処理による細線部の幅は、硬化した樹脂マスク除去性の観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上であり、そして、好ましくは35μm以下、より好ましくは30μm以下、更に好ましくは20μm以下である。メッキ処理による細線部の厚み(メッキ厚)は、硬化した樹脂マスク除去性の観点から、好ましくは40μm以上、より好ましくは45μm以上であり、そして、同様の観点から、好ましくは80μm以下、より好ましくは75μm以下、更に好ましくは70μm以下、更に好ましくは65μm以下である。非メッキ部分(回路パターンの間)の硬化した樹脂マスクの幅は、硬化した樹脂マスク除去性の観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上であり、そして、好ましくは35μm以下、より好ましくは30μm以下、更に好ましくは20μm以下である。また、電子部品は、基板樹脂のダメージを抑制する効果を発現する観点から、表面に樹脂を有する基板が挙げられ、例えば、ソルダーレジストを有する基板が挙げられる。したがって、本開示は、一態様において、本開示の洗浄剤組成物の、電子部品の製造における洗浄剤としての使用に関する。
本開示の洗浄方法は、一又は複数の実施形態において、洗浄効果の点から、樹脂マスク、あるいは、更にメッキ処理及び/又は加熱処理された樹脂マスクが付着した被洗浄物の洗浄に好適に用いられうる。樹脂マスクとしては、例えば、ネガ型樹脂マスクでもよいし、ポジ型樹脂マスクでもよく、本開示の効果が発揮されやすい点からは、ネガ型樹脂マスクが好ましい。ネガ型樹脂マスクとしては、例えば、露光及び/又は現像処理されたネガ型ドライフィルムレジストが挙げられる。本開示においてネガ型樹脂マスクとは、ネガ型レジストを用いて形成されるものであり、例えば、露光及び/又は現像処理されたネガ型レジスト層が挙げられる。本開示においてポジ型樹脂マスクとは、ポジ型レジストを用いて形成されるものであり、例えば、露光及び/又は現像処理されたポジ型レジスト層が挙げられる。
[洗浄剤組成物]
本開示の洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、下記成分A、下記成分B、下記成分C及び下記成分Dを含有する洗浄剤組成物である。本開示の洗浄剤組成物を樹脂マスクが付着した被洗浄物の洗浄に用いることで、樹脂マスクを効率よく除去できる。そして、本開示の洗浄剤組成物を、樹脂マスクを有する電子回路基板等の電子部品の洗浄に用いることで、高い収率で高品質の電子部品を得ることができる。
本開示の洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、樹脂マスクが付着した被洗浄物の洗浄に使用されうる。本開示の洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、樹脂マスクが付着した被洗浄物から樹脂マスクを剥離するために使用することができる。すなわち、本開示は、一態様において、本開示の洗浄剤組成物の、樹脂マスクが付着した被洗浄物から樹脂マスクを剥離するための使用に関する。
(成分A:第四級アンモニウム水酸化物)
本開示の洗浄剤組成物に含まれる第四級アンモニウム水酸化物(以下、「成分A」ともいう)としては、例えば、下記式(I)で表される第4級アンモニウム水酸化物が挙げられる。成分Aは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
上記式(I)において、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基から選ばれる少なくとも1種である。
式(I)で表される第4級アンモニウム水酸化物は、第4級アンモニウムカチオンとヒドロキシドとからなる塩であり、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、2-ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(コリン)、2-ヒドロキシエチルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、2-ヒドロキシエチルトリプロピルアンモニウムヒドロキシド、2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、2-ヒドロキシプロピルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、2-ヒドロキシプロピルトリプロピルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルビス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、ジエチルビス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、ジプロピルビス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、トリス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムヒドロキシド、トリス(2-ヒドロキシエチル)エチルアンモニウムヒドロキシド、トリス(2-ヒドロキシエチル)プロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラキス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、及びテトラキス(2-ヒドロキシプロピル)アンモニウムヒドロキシドから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも、樹脂マスク除去性向上の観点から、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)がより好ましい。
本開示の洗浄剤組成物の使用時における成分Aの含有量は、樹脂マスク除去性向上の観点から、2質量%以上が好ましく、2.5質量%以上がより好ましく、そして、同様の観点から、5質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示の洗浄剤組成物の使用時における成分Aの含有量は、2質量%以上5質量%以下が好ましく、2質量%以上4質量%以下がより好ましく、2質量%以上3質量%以下が更に好ましい。成分Aが2種以上の組合せである場合、成分Aの含有量はそれらの合計含有量をいう。
本開示において「洗浄剤組成物の使用時における各成分の含有量」とは、洗浄時、すなわち、洗浄剤組成物の洗浄への使用を開始する時点での各成分の含有量をいう。
本開示の洗浄剤組成物中の各成分の含有量は、一又は複数の実施形態において、本開示の洗浄剤組成物中の各成分の配合量とみなすことができる。
(成分B:アミノアルコール)
本開示の洗浄剤組成物に含まれるアミノアルコール(アルカノールアミン)(以下、「成分B」ともいう)としては、例えば、下記式(II)で表される化合物が挙げられる。成分Bは、1種でもよいし、2種以上の組合せもよい。
上記式(II)において、R5は、水素原子、メチル基、エチル基又はアミノエチル基を示し、R6は、水素原子、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、メチル基又はエチル基を示し、R7は、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基を示す。
成分Bとしては、例えば、モノエタノールアミン(MEA)、モノイソプロパノールアミン、N-メチルモノエタノールアミン、N-メチルイソプロパノールアミン、N-エチルモノエタノールアミン、N-エチルイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N-ジメチルモノエタノールアミン、N-ジメチルモノイソプロパノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-メチルジイソプロパノールアミン、N-ジエチルモノエタノールアミン、N-ジエチルモノイソプロパノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N-エチルジイソプロパノールアミン、N-(β-アミノエチル)エタノールアミン、N-(β-アミノエチル)イソプロパノールアミン、N-(β-アミノエチル)ジエタノールアミン、N-(β-アミノエチル)ジイソプロパノールアミンから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも、樹脂マスク除去性向上の観点から、モノエタノールアミン(MEA)が好ましい。
本開示の洗浄剤組成物の使用時における成分Bの含有量は、樹脂マスク除去性向上の観点から、5質量%以上が好ましく、9質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましく、11質量%以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、15質量%以下が好ましく、14質量%以下がより好ましく、13質量%以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示の洗浄剤組成物の使用時における成分Bの含有量は、5質量%以上15質量%以下が好ましく、9質量%以上15質量%以下がより好ましく、10質量%以上14質量%以下が更に好ましく、11質量%以上13質量%以下が更に好ましい。成分Bが2種以上の組合せである場合、成分Bの含有量はそれらの合計含有量をいう。
本開示の洗浄剤組成物の使用時における成分Aと成分Bの合計の含有量は、樹脂マスク除去性向上の観点から、7質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、9質量%以上が更に好ましく、12質量%以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、20質量%以下が好ましく、18質量%以下がより好ましく、15質量%以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示の洗浄剤組成物の使用時における分Aと成分Bの合計の含有量は、7質量%以上20質量%以下が好ましく、8質量%以上18質量%以下がより好ましく、9質量%以上18質量%以下が更に好ましく、12質量%以上15質量%以下が更に好ましい。
(成分C:芳香族アルコール)
本開示の洗浄剤組成物に含まれる芳香族アルコール(以下、「成分C」ともいう)としては、芳香環及び水酸基を有する化合物であればよい。樹脂マスク除去性向上の観点から、芳香族アルコールの炭素数は、7以上が好ましく、そして、10以下が好ましく、9以下がより好ましい。成分Cは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
成分Cとしては、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、4-メチルベンジルアルコール、4-エチルベンジルアルコール、2-フェニル-1-プロパノール、及び2-フェニル-2-プロパノールから選ばれる少なくとも1種が挙げられ、樹脂マスク除去性向上の観点から、ベンジルアルコールがより好ましい。
本開示の洗浄剤組成物の使用時における成分Cの含有量は、樹脂マスク除去性向上の観点から、5質量%以上が好ましく、6質量%以上がより好ましく、7質量%以上が更に好ましく、そして、基板樹脂のダメージ抑制の観点から、15質量%以下が好ましく、13質量%以下がより好ましく、11質量%以下が更に好ましい。樹脂マスク除去性向上及び基板樹脂のダメージ抑制の観点から、本開示の洗浄剤組成物における成分Cの含有量は、5質量%以上15質量%以下が好ましく、6質量%以上13質量%以下がより好ましく、7質量%以上11質量%以下が更に好ましい。成分Cが2種以上の組合せである場合、成分Cの含有量はそれらの合計含有量をいう。
(成分D:水)
本開示の洗浄剤組成物に含まれる水(以下、「成分D」ともいう)としては、一又は複数の実施形態において、イオン交換水、RO水、蒸留水、純水、超純水等が挙げられる。
本開示の洗浄剤組成物中の成分Dの含有量は、成分A、成分B、成分C及び後述する任意成分を除いた残余とすることができる。具体的には、本開示の洗浄剤組成物の使用時における成分Dの含有量は、樹脂マスク除去性向上、排水処理負荷低減、及び基板樹脂のダメージ抑制の観点から、45質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、55質量%以上が更に好ましく、そして、樹脂マスク除去性向上の観点から、80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、70質量%以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示の洗浄剤組成物の使用時における成分Dの含有量は、45質量%以上80質量%以下が好ましく、50質量%以上75質量%以下がより好ましく、55質量%以上70質量%以下が更に好ましい。
本開示の洗浄剤組成物の使用時における成分Dと成分Cとの質量比D/Cは、樹脂マスク除去性向上及び基板樹脂のダメージ抑制の観点から、10未満であって、9.5以下が好ましく、9以下がより好ましく、そして、同様の観点から、1以上であって、5以上が好ましく、7以上がより好ましい。同様の観点から、本開示の洗浄剤組成物における質量比D/Cは、一又は複数の実施形態において、1以上10未満が好ましく、5以上9.5以下が更に好ましく、7以上9以下が更に好ましい。
(成分E:有機溶剤)
本開示の洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、有機溶剤(以下、「成分E」ともいう)をさらに含有することができる。成分Eは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
成分Eとしては、一又は複数の実施形態において、グリコールエーテル及び芳香族ケトンから選ばれる少なくとも1種の有機溶剤が挙げられる。
グリコールエーテルとしては、樹脂マスク除去性向上の観点から、炭素数1以上8以下のアルコールにエチレングリコールが1以上3モル以下付加した構造を有する化合物が挙げられる。グリコールエーテルの具体例としては、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(BDG)、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、及びジエチレングリコールジエチルエーテルから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
芳香族ケトンとしては、樹脂マスク除去性向上の観点から、アセトフェノン等が挙げられる。
本開示の洗浄剤組成物が成分Eを含有する場合、本開示の洗浄剤組成物の使用時における成分Eの含有量は、樹脂マスク除去性向上の観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましく、2質量%以上がより更に好ましく、そして、樹脂マスク除去性向上の観点から、10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましく、4質量%以下がより更に好ましい。同様の観点から、本開示の洗浄剤組成物の使用時における成分Eの含有量は、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.5質量%以上7質量%以下がより好ましく、1質量%以上5質量%以下が更に好ましく、2質量%以上4質量%以下がより更に好ましい。成分Eが2種以上の組合せである場合、成分Eの含有量はそれらの合計含有量をいう。
(その他の成分]
本開示の洗浄剤組成物は、前記成分A~E以外に、必要に応じてその他の成分をさらに含有することができる。その他の成分としては、通常の洗浄剤に用いられうる成分を挙げることができ、例えば、成分A及び成分B以外のアルカリ剤、成分B以外のアミン、界面活性剤、キレート剤、増粘剤、分散剤、防錆剤、高分子化合物、可溶化剤、酸化防止剤、防腐剤、消泡剤、抗菌剤等が挙げられる。
本開示の洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、酸又はそのアンモニウム塩を実質的に含まないものとすることができる。本開示の洗浄剤組成物の使用時における酸又はそのアンモニウム塩の含有量としては、例えば、0.3質量%未満が挙げられる。
本開示の洗浄剤組成物の使用時のpHは、樹脂マスク除去性向上の観点から、12以上が好ましく、12.5以上がより好ましく、13以上が更に好ましい。本開示において、「使用時のpH」とは、25℃におけるpHであり、pHメータを用いて測定できる。具体的には、実施例に記載の方法で測定できる。
(洗浄剤組成物の製造方法)
本開示の洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、前記成分A~D及び必要に応じて上述の任意成分(成分E及びその他の成分)を公知の方法で配合することにより製造できる。例えば、本開示の洗浄剤組成物は、少なくとも前記成分A~Dを配合してなるものとすることができる。したがって、本開示は、少なくとも前記成分A~Dを配合する工程を含む、洗浄剤組成物の製造方法に関する。本開示において「配合する」とは、成分A~D及び必要に応じて上述した任意成分を同時に又は任意の順に混合することを含む。本開示の洗浄剤組成物の製造方法において、各成分の好ましい配合量は、上述した本開示の洗浄剤組成物の各成分の好ましい含有量と同じとすることができる。
本開示の洗浄剤組成物は、分離や析出等を起こして保管安定性を損なわない範囲で水(成分D)の量を減らした濃縮物として調製してもよい。洗浄剤組成物の濃縮物は、輸送及び貯蔵の観点から、希釈倍率3倍以上の濃縮物とすることが好ましく、保管安定性の観点から、希釈倍率30倍以下の濃縮物とすることが好ましい。洗浄剤組成物の濃縮物は、使用時に成分A~D及び任意成分が上述した含有量(すなわち、洗浄時の含有量)になるよう水(成分D)で希釈して使用することができる。更に洗浄剤組成物の濃縮物は、使用時に各成分を別々に添加して使用することもできる。本開示において濃縮液の洗浄剤組成物の「使用時」又は「洗浄時」とは、洗浄剤組成物の濃縮物が希釈された状態をいう。
[電子部品の製造方法]
本開示は、一態様において、本開示の洗浄方法を用いて、樹脂マスクが付着した被洗浄物から樹脂マスクを剥離する工程(剥離工程)を含む、電子部品の製造方法に関する。被洗浄物としては、上述した被洗浄物を挙げることができる。
本開示は、その他の態様において、本開示の洗浄剤組成物を用いて、樹脂マスクを有する電子回路基板を洗浄する工程(以下、「洗浄工程」ともいう)を含む、電子部品の製造方法に関する。前記洗浄工程における洗浄方法としては、上述した本開示の洗浄方法と同様の方法が挙げられる。
本開示の電子部品の製造方法によれば、電子部品に付着した樹脂マスクを効果的に除去できるため、信頼性の高い電子部品の製造が可能になる。更に、本開示の洗浄方法を行うことにより、電子部品に付着した樹脂マスクの剥離が容易になることから、洗浄時間が短縮化でき、電子部品の製造効率を向上できる。
[キット]
本開示は、一態様において、本開示の洗浄方法及び本開示の電子部品の製造方法のいずれかに使用するためのキット(以下、「本開示のキット」ともいう)に関する。本開示のキットは、一又は複数の実施形態において、本開示の洗浄剤組成物を製造するためのキットである。本開示のキットによれば、樹脂マスク除去性に優れる洗浄剤組成物を得ることができる。
本開示のキットの一実施形態としては、成分Aを含有する溶液(第1液)と、成分Bを含有する溶液(第2液)と、成分Cを含有する溶液(第3液)とを、相互に混合されない状態で含み、第1液、第2液及び第3液から選ばれる少なくとも1つは成分D(水)の一部又は全部を更に含有し、第1液と第2液と第3液は使用時に混合されるキット(3液型洗浄剤組成物)が挙げられる。第1液と第2液と第3液が混合された後、必要に応じて水(成分D)で希釈されてもよい。第1液、第2液及び第3液の各々には、必要に応じて上述した任意成分が含まれていてもよい。
本開示のキットのその他の実施形態としては、成分A及び成分Bを含有する溶液(第1液)と、成分Cを含有する溶液(第2液)とを、相互に混合されない状態で含み、第1液及び第2液の少なくとも一方は、成分D(水)の一部又は全部を更に含有し、第1液と第2液とは使用時に混合される、キット(2液型洗浄剤組成物)が挙げられる。第1液と第2液とが混合された後、必要に応じて成分D(水)で希釈されてもよい。第1液及び第2液の各々には、必要に応じて上述した任意成分が含まれていてもよい。
以下に、実施例により本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
1.実施例1~4及び比較例1~3の洗浄剤組成物の調製
表1に示す各成分を表1に記載の配合量(質量%、有効分)で配合し、それを攪拌して混合することにより、実施例1~4及び比較例1~3の洗浄剤組成物を調製した。
表1に示す各洗浄剤組成物の25℃におけるpHは、pHメータ(東亜電波工業株式会社、HM-30G)を用いて測定した値であり、pHメータの電極を洗浄剤組成物に浸漬して1分後の数値である。
実施例1~4及び比較例1~3の洗浄剤組成物の調製には、下記のものを使用した。
(成分A)
TMAH:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド[昭和電工株式会社製、濃度25%]
(成分B)
MEA:モノエタノールアミン[富士フイルム和光純薬株式会社製、特級]
(成分C)
ベンジルアルコール[富士フイルム和光純薬株式会社製、特級]
(成分D)
水[オルガノ株式会社製純水装置G-10DSTSETで製造した1μS/cm以下の純水]
(成分E)
BDG:ブチルジグリコール[日本乳化剤株式会社製、ジエチレングリコールモノブチルエーテル]
2.実施例1~4及び比較例1~3の洗浄剤組成物の評価
調製した実施例1~4及び比較例1~3の洗浄剤組成物について下記評価を行った。
[テストピース]
テストピースは、120mm×120mmのサイズで、ガラスエポキシ多層基板の表面に銅メッキで形成した細線回路パターン(細線部)と形成した細線回路パターン間に硬化したネガ型ドライフィルムレジストである樹脂マスクを有し、細線回路パターン(細線部)の線幅は16μm、細線部の厚さ(メッキ厚み)は54μmである。
[洗浄試験方法]
以下の要領でディップとシャワーを連続で行う。1Lガラスビーカーに、実施例1~4及び比較例1~4の各洗浄剤組成物を1kg添加して50℃に加温し、回転子(フッ素樹脂(PTFE)、φ8mm×25mm)を用いて回転数300rpmで撹拌した状態で、テストピースを5分間浸漬する。別途準備した10Lステンレスビーカーを貯槽とし、1Lガラスビーカーと同じ洗浄剤組成物を10kg添加して50℃に加温する。そして、1流体ノズル(扇形)VVP9060(株式会社いけうち製)をスプレーノズルとして取り付けたボックス型スプレー洗浄機にて貯槽中の洗浄剤組成物をテストピースに3分間スプレー(圧力:0.1MPa、スプレー距離:10cm)する。なお、スプレーされた洗浄剤組成物は、貯槽に回収し循環して再使用する。次いで、1Lガラスビーカーに水を1kg添加したすすぎ槽へ浸漬してすすいだ後、窒素ブローにて乾燥する。
光学顕微鏡「デジタルマイクロスコープVHX-2000」(株式会社キーエンス製)を用いて、洗浄試験を行った後のテストピースの細線部に残存する樹脂マスクの有無を300倍に拡大して目視観察し、残渣の有無を調べる。下記評価基準に基づく評価を行い、結果を表1に示した。
<評価基準>
A:残渣がない
B:1~10個の残渣がある
C:11~50個の残渣がある
D:51個以上の残渣がある
ここで、図1Aに、洗浄前の被洗浄基板の外観写真の一例を示す。
図1Aに示される被洗浄基板(上述したテストピース)を、比較例1~3の洗浄剤組成物を用いて洗浄した場合、洗浄後のそれぞれの基板表面の外観を観察すると、図1Cに示されるように、いずれもレジスト残渣がみられた。一方、実施例1~4の洗浄剤組成物を用いて洗浄した場合、洗浄後のそれぞれの基板表面の外観を観察すると、図1Bに示されるように、いずれもレジスト残渣がみられず、樹脂マスクを効率よく除去できていることが分かった。
表1に示すとおり、実施例1~4の洗浄剤組成物は、成分Aを含まない比較例1、成分Bを含まない比較例2、成分Cを含まない比較例3に比べて、樹脂マスク除去性に優れていることがわかった。
また、参考までに、ガラスエポキシ多層基板の表面に銅メッキで形成した細線回路パターン(細線部)と形成した細線回路パターン間に硬化したネガ型ドライフィルムレジストである樹脂マスクを有し、細線部の線幅が40μm、細線部のメッキ厚みが35μmであるテストピースに対して、実施例4及び比較例3の洗浄剤組成物を用いて洗浄した場合、洗浄後のそれぞれの基板表面の外観を観察すると、いずれもレジスト残渣がみられず、樹脂マスクを効率よく除去できていた。このことから、本開示の洗浄剤組成物は、細線部の線幅が5μm以上35μm以下、最厚部の厚さが40μm以上80μm以下の金属配線を有する基板の表面に硬化した樹脂マスクを有する基板から樹脂マスクを剥離するための洗浄剤として有用であるといえる。
本開示によれば、樹脂マスク除去性に優れる洗浄方法を提供できる。そして、本開示の洗浄方法を用いることで、製造される電子部品の性能・信頼性の向上が可能となり、半導体装置の生産性を向上できる。

Claims (9)

  1. 洗浄剤組成物を用いて、樹脂マスクが付着した被洗浄物から樹脂マスクを剥離する工程を含み、
    前記洗浄剤組成物は、第四級アンモニウム水酸化物(成分A)、アミノアルコール(成分B)、芳香族アルコール(成分C)及び水(成分D)を含有する洗浄剤組成物であり、
    前記洗浄剤組成物中の成分Dと成分Cとの質量比D/Cが10未満であり、
    前記樹脂マスクが付着した被洗浄物は、細線部の線幅が5μm以上35μm以下、最厚部の厚さが40μm以上80μm以下の金属配線を有する基板の表面に硬化した樹脂マスクを有する基板である、洗浄方法。
  2. 前記洗浄剤組成物中の成分Cの含有量が5質量%以上15質量%以下である、請求項1に記載の洗浄方法。
  3. 前記洗浄剤組成物中の成分Dの含有量が45質量%以上80質量%以下である、請求項1又は2に記載の洗浄方法。
  4. 前記洗浄剤組成物中の成分Aの含有量が2質量%以上5質量%以下である、請求項1から3のいずれかに記載の洗浄方法。
  5. 前記洗浄剤組成物中の成分Bの含有量が9質量%以上15質量%以下である、請求項1から4のいずれかに記載の洗浄方法。
  6. 前記金属配線を有する基板は、表面に金属箔を有するガラスエポキシ多層基板である、請求項1から5のいずれかに記載の洗浄方法。
  7. 成分Bが、下記式(II)で表される化合物である、請求項1から6のいずれかに記載の洗浄方法。
    上記式(II)において、R5は、水素原子、メチル基、エチル基又はアミノエチル基を示し、R6は、水素原子、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、メチル基又はエチル基を示し、R7は、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基を示す。
  8. 前記洗浄剤組成物中の成分Dと成分Cとの質量比D/Cが5以上10未満である、請求項1から7のいずれかに記載の洗浄方法。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の洗浄方法を用いて、樹脂マスクを有する電子回路基板を洗浄する工程を含む、電子部品の製造方法。
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