JP6922464B2 - 管状部材の接続構造 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば医療用チューブ等の管状部材を接続する際に使用される管状部材の接続構造に関する。
例えば特許文献1に開示されているように、医療現場で使用される留置針は、円筒状に形成された外針基と、管状に形成されたオス部材とを備えている。外針基にはオス部材が差し込まれる差込孔が形成されている。オス部材の外周面は、差込孔への差込方向先端側へ行くほど小径となるテーパ面で構成されており、このオス部材のテーパ面の形状に対応するように、外針基の差込孔の内周面もテーパ形状となっている。そして、オス部材を外針基の差込孔に差し込むことによってオス部材の外周面と外針基の差込孔の内周面とが密着してシール性が確保される。
特開2013−9912号公報
ところで、特許文献1のようにオス部材をメス部材としての外針基に差し込むことによって接続する構造の場合、オス部材とメス部材との間からの液漏れを防止するためには、オス部材の外周面とメス部材の内周面との間のシール性を高める必要がある。シール性を高めるためには、シール材を別途用いる方法があるが、この場合は部品点数が増えてしまうので、シール材を用いることなくオス部材の外周面とメス部材の内周面を滑らかにして接触面積を広く確保してシールする方法がある。その手段の一つとして、例えばオス部材の外周面とメス部材の内周面を鏡面に近い面にしてそれら周面の凹凸をできるだけ小さくすることが考えられる。
上述したようにオス部材の外周面とメス部材の内周面を鏡面に近い面にした場合、シール性を高めることができる反面、例えば油状の液体がオス部材の外周面やメス部材の内周面に付着した場合、メス部材をオス部材に差し込むことによってその液体がオス部材の外周面とメス部材の内周面との間で広がっていき、膜(油膜)を形成してしまう。この膜がオス部材とメス部材との間に介在することになるので、例えばメス部材に対して抜き方向に引張力が作用した際に、その引張力が弱い場合であってもメス部材がオス部材から容易に抜けてしまう恐れがある。このことは高いシール性と高い引張強度とを両立させることができないということである。高いシール性と高い引張強度との両立は、一般の接続構造ではもちろんのこと、特に、医療用器具等に用いられる接続構造においても強く望まれている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、メス部材をオス部材に差し込むことによって管状部材を接続する場合に高いシール性及び高い引張強度を両立できるようにすることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、オス部材の外周面及びメス部材の内周面の少なくとも一方の周面の差込方向先端側にシール面部を形成することで、先端側において高いシール性を確保しておき、このシール面部よりも基端側には油膜を切るための接触面積低減部を設けておくことで高い引張強度が得られるようにした。
第1の発明は、
第1管状部材の端部に設けられ、該第1管状部材の内部に連通する筒状に形成されたメス部材と、
第2管状部材の端部に設けられ、上記メス部材の差込孔に差し込まれた状態で接続されるとともに該第2管状部材の内部に連通する筒状に形成されたオス部材とを備え、
上記メス部材及び上記オス部材を介して上記第1管状部材及び上記第2管状部材を接続する管状部材の接続構造において、
上記オス部材の外周面は、上記差込孔への差込方向先端側へ向かって縮径するテーパ面で構成され、
上記メス部材の上記差込孔の内周面は、上記オス部材が差し込まれる差込方向先端側へ向かって縮径するテーパ面で構成され、
上記オス部材の外周面及び上記メス部材の内周面の少なくとも一方の周面の差込方向先端側は、周方向に連続するシール面部で構成され、該一方の周面における該シール面部よりも差込方向基端側は、他方の周面に接触する接触面積を低減させる接触面積低減部を有していることを特徴とする。
この構成によれば、オス部材をメス部材の差込孔に差し込むと、オス部材の外周面がメス部材の差込孔の内周面に接触した状態になる。このとき、オス部材の外周面及びメス部材の内周面の少なくとも一方の周面の差込方向先端側にシール面部が形成されているので、このシール面部によってオス部材とメス部材との間のシール性が確保される。一方、オス部材の外周面及びメス部材の内周面の少なくとも一方の周面のシール面部よりも差込方向基端側は接触面積低減部とされているので、オス部材の外周面とメス部材の内周面との接触面積が低減し、面圧が極部的に高まる。これにより、両周面間の油膜が切れるので、油膜の存在による滑りが抑制されて高い引張強度が得られる。
また、差込方向先端側でシールすることができるので、液体がオス部材の外周面とメス部材の内周面との間に流入しにくくなる。これにより、液体の流入圧によるオス部材の外周面の縮径やメス部材の内周面の拡径が抑制されるので、オス部材の外周面とメス部材の内周面との接触状態が維持されて高いシール性が確保される。
第2の発明は、第1の発明において、上記接触面積低減部は、上記一方の周面と上記他方の周面との間の油膜を切る部分であることを特徴とする。
この構成によれば、周面間の油膜を接触面積低減部によって切ることで滑りを抑制することができる。
第3の発明は、第1または2の発明において、
上記接触面積低減部は、上記一方の周面に形成された段部、上記シール面部よりも粗い面からなる粗面部及び溝が形成された面のうち、少なくとも1つで構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、例えば段部を設けることで、オス部材の外周面とメス部材の内周面との接触面積を確実に低減させることができる。また、粗面部とされている場合には、周面に凹凸が存在しているので、オス部材の外周面とメス部材の内周面との間に例えば油状の液体が存在していたとしても、粗面部の凸が相手側の周面に接触することによって油膜が少なくとも部分的に切れた状態になる。また、溝が形成された面とした場合も同様に油膜が少なくとも部分的に切れた状態になる。これにより、高い引張強度が確保されるので、シール面部を鏡面に近い面として高いシール性を確保したとしても引張強度の低下を招くことはない。
第4の発明は、
管状部材の端部に設けられ、該管状部材の内部に連通する筒状に形成されたオス部材において、
上記オス部材は、上記管状部材とは別の管状部材の端部に設けられ、該管状部材の内部に連通する筒状に形成されたメス部材の差込孔に差し込まれるように形成され、
上記オス部材における上記差込孔に差し込まれる部分の外周面は、該差込孔への差込方向先端側へ向かって縮径するテーパ面で構成され、
上記オス部材の外周面の差込方向先端側は、周方向に連続するシール面部で構成され、該外周面における該シール面部よりも差込方向基端側は、上記メス部材の差込孔の周面に接触する接触面積を低減させる接触面積低減部を有していることを特徴とする。
第5の発明は、第4の発明において、上記接触面積低減部は、上記オス部材の外周面に形成された段部、上記シール面部よりも粗い面からなる粗面部及び溝が形成された面のうち、少なくとも1つで構成されていることを特徴とする。
第6の発明は、
管状部材の端部に設けられ、該管状部材の内部に連通する筒状に形成されたメス部材において、
上記メス部材には、上記管状部材とは別の管状部材の端部に設けられ、該管状部材の内部に連通する筒状に形成されたオス部材が差し込まれる差込孔が形成され、
上記差込孔の内周面は、上記オス部材が差し込まれる差込方向先端側へ向かって縮径するテーパ面で構成され、
上記メス部材の内周面の差込方向先端側は、周方向に連続するシール面部で構成され、該内周面における該シール面部よりも差込方向基端側は、上記オス部材の外周面に接触する接触面積を低減させる接触面積低減部を有していることを特徴とする。
第7の発明は、第6の発明において、上記接触面積低減部は、上記メス部材の内周面に形成された段部、上記シール面部よりも粗い面からなる粗面部及び溝が形成された面のうち、少なくとも1つで構成されていることを特徴とする。
第8の発明は、第3の発明において、
上記粗面部は、上記オス部材の外周面及び上記メス部材の内周面の少なくとも一方の周面の周方向に連続して形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、粗面部が周方向に連続していることで引張強度が十分に高まる。
第9の発明は、第3の発明において、
上記シール面部及び上記粗面部は上記オス部材の外周面に形成されており、
上記オス部材の中心線と上記粗面部とのなす角度は、上記オス部材の中心線と上記シール面部とのなす角度よりも小さく設定されていることを特徴とする。
すなわち、シール面部よりも粗い粗面部には微小な凹凸が形成されることになり、粗面部の形成の際に、粗面部の外径が凸の高さの分だけ拡大してしまうことが考えられる。本発明では、中心線と粗面部とのなす角度が、中心線とシール面部とのなす角度よりも小さくなっているので、粗面部の中心線に対する傾斜角度がシール面部に比べて緩やかになる。これにより、粗面部に凸が形成されていたとしても、その凸の先端がシール面部の延長線から径方向に大きく突出しないようにすることができ、その結果、粗面部の外径の拡大が抑制される。
第10の発明は、第3の発明において、
上記シール面部及び上記粗面部は上記オス部材の外周面に形成されており、
上記粗面部は、上記シール面部の延長線よりも上記オス部材の中心線に接近するように形成されていることを特徴とする。
すなわち、シール面部よりも粗い粗面部には微小な凹凸が形成されることになり、粗面部の形成の際に、粗面部の外径が凸の高さの分だけ拡大してしまうことが考えられる。本発明では、粗面部がシール面部の延長線よりも中心線に接近しているので、粗面部に凸が形成されていたとしても、その凸の先端がシール面部の延長線上から大きく突出しないようにすることができ、その結果、粗面部の外径の拡大が抑制される。
第1から7の発明によれば、オス部材の外周面及びメス部材の内周面の少なくとも一方の周面の差込方向先端側をシール面部とし、該シール面部よりも差込方向基端側を接触面積低減部としたので、オス部材をメス部材の差込孔に差し込むだけで高いシール性及び高い引張強度を両立できる。
第8の発明によれば、粗面部がオス部材の外周面及びメス部材の内周面の少なくとも一方の周面の周方向に連続しているので、引張強度を十分に高めることができる。
第9の発明によれば、粗面部の中心線に対する傾斜角度をシール面部に比べて緩やかにすることができる。これにより、粗面部に微小な凹凸を形成する際に、凸の形成によって粗面部の外径が拡大してしまうのを抑制することができ、シール面部及び粗面部を相手側の周面に確実に接触させることができる。
第10の発明によれば、粗面部がシール面部の延長線よりも中心線に接近しているので、粗面部に微小な凹凸を形成する際に、凸の形成によって粗面部の外径が拡大してしまうのを抑制することができ、シール面部及び粗面部を相手側の周面に確実に接触させることができる。
本発明の実施形態に係る留置針の部分断面図である。 オス部材の拡大側面図である。 変形例1に係る図2相当図である。 変形例2に係る図2相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る留置針1の部分断面図であり、非接続状態を示す。留置針1は、オスルアー部材(オス部材)10と外針基20とを備えている。外針基20は、胴部材21と、外針22とを有している。オスルアー部材10は、胴部材21と共に管状部材の接続構造を構成する部材であり、本発明の接続構造に用いられるオス部材である。また、胴部材21は、オスルアー部材10と共に管状部材の接続構造を構成する部材であり、本発明の接続構造に用いられるメス部材である。
(胴部材の構成)
胴部材21は、第1管状部材としての外針22の基端部に設けられ、該外針22の内部に連通する筒状に形成されている。外針22は、例えば患者の血管に穿刺されて薬液等を血管内に注入するためのものであり、例えば樹脂材等で構成されている。外針22の先端部(図1における左端部)が患者に穿刺される部分であり、外針22の基端部(図1における右端部)が胴部材21に接続されて固定される部分である。尚、外針22の内部には、図示しないが周知の内針が挿入されるようになっている。また、胴部材21の内部には、図示しないが周知の逆止弁が配設されている。
胴部材21は、例えばポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合合成樹脂(ABS)等の硬質樹脂を射出成型してなるものであるが、上記材料は一例であり、これら以外の材料を用いることも可能である。胴部材21は、全体として円筒状をなしており、胴部材21の内部には、オスルアー部材10が差し込まれる差込孔23が形成されている。差込孔23は、胴部材21の中心線Aに沿って延びている。中心線Aの径方向に切断した差込孔23の断面形状は該差込孔23の両端に亘って円形であり、この差込孔23の断面中心は中心線A上に位置している。また、胴部材21の内部における先端側には、外針22が接続される接続孔24が形成されている。
差込孔23には、オスルアー部材10が図1の右側から左側へ向けて差し込まれるようになっている。差込孔23の先端側及び基端側は、オスルアー部材10の差込方向を基準として、オスルアー部材10の差込方向先端側(図1の左側)を差込孔23の先端側とし、オスルアー部材10の差込方向基端側(図1の右側)を差込孔23の基端側とする。そして、差込孔23の基端側の開口23aは、胴部材21の基端面21aに開口している。
差込孔23の内周面23bは、該差込孔23の先端側へ向かって縮径するテーパ面で構成されている。差込孔23の内周面23bは、いわゆるルアーテーパであり、6%の勾配となるように側面視で中心線Aと内周面23bとのなす角度が設定されている。内周面23bの勾配は該内周面23bの基端から先端に亘って略同一に設定されている。尚、差込孔23の内周面23bの勾配は6%に限られるものではなく、任意の勾配に設定することができる。また、差込孔23の内周面23bの粗さは、算術平均粗さRaが0.4以下となっている。
(オスルアー部材の構成)
オスルアー部材10は、上記胴部材21と同様な材料を用いて作製することができる。オスルアー部材10は、第2管状部材としての薬液チューブ100の先端部に設けられており、該薬液チューブ100の内部に連通する筒状をなしている。すなわち、オスルアー部材10の内部には、薬液チューブ100の内部に連通する連通孔11が形成されている。連通孔11は、オスルアー部材10の中心線Bに沿って延びており、その両端がオスルアー部材10の中心線B方向両端面において開口している。中心線Bの径方向に切断した連通孔11の断面形状は該連通孔11の両端に亘って円形であり、この連通孔11の断面中心は中心線B上に位置している。
また、オスルアー部材10の先端側及び基端側は、オスルアー部材10の上記差込孔23への差込方向を基準として、差込方向先端側(図1の左側)をオスルアー部材10の先端側とし、差込方向基端側(図1の右側)をオスルアー部材10の基端側とする。オスルアー部材10を上記胴部材21の差込孔23に差し込んだ状態では、該オスルアー部材10の基端側が差込孔23から突出した状態になるとともに、オスルアー部材10の中心線Bと上記胴部材21の中心線Aとが略一致する。
オスルアー部材10における上記差込孔23へ差し込まれる部分の外周面12は、上記差込孔23への差込方向先端側へ向かって縮径するテーパ面で構成されている。オスルアー部材10の外周面12の先端側はシール面部12aで構成され、該シール面部12aよりも基端側は粗面部12bで構成されている。シール面部12aと粗面部12bとの境界線L1はオスルアー部材10の中心線B方向の中間部に位置しており、この実施形態では、境界線L1がオスルアー部材10の外周面12の中心線B方向の中央部よりも先端寄りに位置している。従って、オスルアー部材10の外周面12の中心線B方向の寸法S1に占めるシール面部12aの中心線B方向の寸法S2の割合は、上記寸法S1に占める粗面部12bの中心線B方向の寸法S3の割合よりも小さくなっている。
シール面部12a及び粗面部12bは、共にオスルアー部材10の周方向に連続している。シール面部12aは差込孔23の内周面23bの勾配と略同じ勾配のテーパ面となっている。つまり、シール面部12aは、6%の勾配となるように側面視における中心線Bとのなす角度が設定されている。また、シール面部12aは、鏡面に近い極めて滑らかな面となるように加工されており、具体的には、シール面部12aの算術平均粗さRaは0.3以下となっている。シール面部12aの算術平均粗さRaが0.3よりも大きな値であると、オスルアー部材10の外周面12を胴部材21の差込孔23に差し込んだ際に、シール面部12aと差込孔23の内周面23bとの接触面積が小さくなって密着度が減少してシール性の悪化を招くので、シール面部12aの算術平均粗さRaは0.3以下に設定するのが好ましい。シール面部12aが鏡面に近いほどシール性を高めることができるので、シール面部12aの算術平均粗さRaを0.3よりも小さな値にするのが好ましいが、成形上、シール面部12aの算術平均粗さRaの下限は0.1程度とする。
シール面部12aの中心線B方向の寸法S2は、例えば2mm以上5mm以下に設定することができ、好ましいのは3mm以上4mm以下である。寸法S2が2mm未満になると、シール面部12aと差込孔23の内周面23bとの接触面積が小さくなってシール性の悪化を招く。また、寸法S2が5mmを超えると、シール面部12aが無用に長くなってオスルアー部材10の大型化を招く。よって、寸法S2を上記範囲に設定することで、オスルアー部材10の大型化を招くことなく、シール性を十分に確保することが可能になる。
一方、図2に示すように、粗面部12bの勾配はシール面部12aの勾配よりも小さくなっている。つまり、側面視で、中心線Bと粗面部12bとのなす角度が、中心線Bとシール面部12aとのなす角度よりも小さく設定されている。これにより、粗面部12bの中心線Bに対する傾斜角度がシール面部12aの中心線Bに対する傾斜角度に比べて緩やかになる。粗面部12bの勾配は、例えば5.8%に設定することができる。
粗面部12bはシール面部12aよりも粗い面からなり、胴部材21の内周面23bに接触する接触面積を低減させることによって両周面12b、23b間の油膜を切るための接触面積低減部である。粗面部12bの算術平均粗さRaは0.5以上0.9以下の範囲に設定するのが好ましく、この実施形態では算術平均粗さRa=0.8としている。粗面部12bを形成する方法としては、例えば樹脂材の成形後に、外周面12に放電加工、ブラスト加工を施したり、外周面12を粗い部材で研磨する方法等がある。
また、粗面部12bの中心線B方向の寸法S3は、4mm以上8mm以下に設定することができ、好ましいのは5mm以上7mm以下である。
図2に示すように、粗面部12bの勾配がシール面部12aの勾配よりも小さくなっているので、シール面部12aの延長線Cを引いたとき、粗面部12bは延長線Cよりも中心線Bに接近することになる。シール面部12aよりも粗い粗面部12bは微小な凹凸を有しており、この粗面部12bの形成の際に、粗面部12bの外径が凸の高さの分だけ拡大したとしても、その凸の先端がシール面部12aの延長線Cから径方向に突出しないようにすることができ、その結果、粗面部12bの外径の拡大が抑制される。
また、粗面部12bの勾配がシール面部12aの勾配よりも小さくなっているので、シール面部12aよりも差込方向基端側には、段部が形成されることになる。この段部は、胴部材21の内周面23bに接触する接触面積を低減させることによって両周面12b、23b間の油膜を切るための接触面積低減部である。
(実施形態の作用効果)
オスルアー部材10を胴部材21の差込孔23に差し込むことでオスルアー部材10及び胴部材21を介して外針22と薬液チューブ100とが接続される。このとき、オスルアー部材10の外周面12の差込方向先端側にシール面部12aが形成されているので、このシール面部12aが胴部材21の差込孔23の内周面23bに接触する。このシール面部12aが鏡面に近い滑らかな面であるため、差込孔23の内周面23bとの接触面積が広くなるとともに該内周面23bに全周に亘って密着し、これにより、オスルアー部材10と胴部材21との間のシール性が確保される。
また、オスルアー部材10の外周面12に粗面部12bが形成されていてその粗面部12bには凹凸が存在しているので、オスルアー部材10の外周面12と、胴部材21の差込孔23の内周面23bとの間に例えば油状の液体が存在していたとしても、粗面部12bの凸が相手側の周面である差込孔23の内周面23bに接触することによって油膜が少なくとも部分的に切れた状態になる。このように油膜が切れることでオスルアー部材10を抜き方向に引っ張った際に差込孔23から抜けにくくなり、高い引張強度が得られる。言い換えると、粗面部12bによって高い引張強度が確保されるので、シール面部12aを鏡面に近い面として高いシール性を確保したとしても引張強度の低下を招くことはない。
また、本実施形態ではシール面部21aが先端側に形成されているので、差込方向先端側でシールすることができる。これにより、液体がオスルアー部材10の外周面12と胴部材21の差込孔23の内周面23bとの間に流入しにくくなる。従って、液体の流入圧によるオスルアー部材10の外周面12の縮径や、胴部材21の差込孔23の内周面23bの拡径が抑制されるので、オスルアー部材10の外周面12と胴部材21の差込孔23の内周面23bとの接触状態が維持されて高いシール性が確保される。
また、粗面部12bの中心線Bに対する傾斜角度がシール面部12aに比べて緩やかになっているので、粗面部12bに微小な凸が形成されていたとしても、その凸の先端がシール面部12aの延長線Cから径方向に突出しないようにすることができる。これにより、粗面部12bの外径の拡大を抑制でき、オスルアー部材10の胴部材21への差し込みが困難になることはない。
(その他の実施形態)
オスルアー部材10の外周面12の形状は図3に示す変形例1のようにしてもよい。すなわち、オスルアー部材10の外周面12の粗面部12bがシール面部12aの延長線Cよりも中心線Bに接近するように形成する。この場合、境界線L1よりも基端側に、中心線B方向に延びる平坦面12cを形成する。また、シール面部12aの勾配と粗面部12bの勾配とは同じにしてもよいし、粗面部12bの方を小さくしてもよい。この変形例1の場合も、シール面部12aよりも差込方向基端側には、段部が形成されることになる。この段部は、胴部材21の内周面23bに接触する接触面積を低減させることによって両周面12b、23b間の油膜を切るための接触面積低減部である。
また、図4に示す変形例2のように、オスルアー部材10の外周面12に溝12dを形成してもよい。溝12dは複数形成するのが好ましく、例えば40本以上80本以下の範囲で形成することができる。また、溝12dの深さは例えば1μm以上10μm以下に設定することができる。溝12dは、オスルアー部材10の中心線B方向に延びるように形成するのが好ましいが、溝12dは屈曲していてもよいし、螺旋条に延びていてもよい。また、溝12dは、オスルアー部材10の中心線B方向に連続していてもよいし、断続していてもよい。オスルアー部材10の外周面12に溝12dを形成することで、粗面部12bを形成した場合と同様に、オスルアー部材10の外周面12と、胴部材21の差込孔23の内周面23bとの間に例えば油状の液体が存在していたとしても、接続状態で油膜が少なくとも部分的に切れた状態になる。これにより、オスルアー部材10を抜き方向に引っ張った際に差込孔23から抜けにくくなり、高い引張強度が得られる。また、胴部材21の差込孔23の内周面23bに上記溝12dと同様な溝を形成することもできる。
また、上記実施形態では、留置針1の接続部に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、各種チューブ等の管状部材を接続する場合に本発明を適用することができる。
また、オスルアー部材10の外周面12には、シール面部12aよりも差込方向基端側に、上記段部、シール面部及び粗面部の少なくとも1つを形成することも可能である。
また、上記実施形態では、オスルアー部材10の外周面12にシール面部12aと粗面部12bを形成しているが、これに限らず、胴部材21の差込孔23の内周面23bに同様に、段部、してもよい。この場合、シール面部を差込孔23の内周面23bの先端側に形成し、粗面部12bを差込孔23の内周面23bの基端側に形成する。オスルアー部材10の外周面12と胴部材21の差込孔23の内周面23bの両方に上記段部、シール面部及び粗面部の少なくとも1つを形成してもよい。胴部材21の差込孔23の内周面23bにのみ、上記段部、シール面部及び粗面部の少なくとも1つを形成してもよい。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係る管状部材の接続構造は、例えば医療用器具等の接続部に用いることができる。
1 留置針
10 オスルアー部材(オス部材)
12 外周面
12a シール面部
12b 粗面部
21 胴部材(メス部材)
23 差込孔
23b 内周面
22 外針(第1管状部材)
100 薬液チューブ(第2管状部材)

Claims (2)

  1. 第1管状部材の端部に設けられ、該第1管状部材の内部に連通する筒状に形成されたメス部材と、
    第2管状部材の端部に設けられ、上記メス部材の差込孔に差し込まれた状態で接続されるとともに該第2管状部材の内部に連通する筒状に形成されたオス部材とを備え、
    上記メス部材及び上記オス部材を介して上記第1管状部材及び上記第2管状部材を接続する管状部材の接続構造において、
    上記オス部材の外周面は、上記差込孔への差込方向先端側へ向かって縮径するテーパ面で構成され、
    上記メス部材の上記差込孔の内周面は、上記オス部材が差し込まれる差込方向先端側へ向かって縮径するテーパ面で構成され、
    上記オス部材の外周面の差込方向先端側は、周方向に連続するシール面部で構成され、上記オス部材の外周面における該シール面部よりも差込方向基端側は、上記差込孔の内周面に接触する接触面積を低減させる接触面積低減部を有し
    上記接触面積低減部は、上記シール面部よりも粗い面からなる粗面部であり、
    上記オス部材の中心線と上記粗面部とのなす角度は、上記オス部材の中心線と上記シール面部とのなす角度よりも小さく設定されていることを特徴とする管状部材の接続構造。
  2. 請求項1に記載の管状部材の接続構造において、
    上記接触面積低減部は、上記オス部材の外周面と上記メス部材の内周面との間の油膜を切る部分であることを特徴とする管状部材の接続構造。
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