JP6919527B2 - 識別媒体 - Google Patents
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Description
図1は、本発明による識別媒体10の第1実施形態を示す図である。図1は、励起光を照射した状態で色覚正常者が視認可能な状態で示している。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
本明細書において、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において規定する具体的な数値には、一般的な誤差範囲は含むものとして扱うべきものである。すなわち、±10%程度の差異は、実質的には違いがないものであって、本件の数値範囲をわずかに超えた範囲に数値が設定されているものは、実質的には、本件発明の範囲内のものと解釈すべきである。
図1に示す例では、通常印刷10bは、「¥1,000」という金額を示す表示と、「ABC」という地紋とを例示したが、印刷される具体的な内容は、どのようなものであってもよい。
色覚異常者は、P型2色覚の色覚異常者と、D型2色覚の色覚異常者と、T型2色覚の色覚異常者とに分けることができる。
P型2色覚の色覚異常者は、赤色を感じるためのL錐体が正常に機能しない色覚障害を有しており、明細書中では、適宜、P型、P型の色覚異常者等と略し、図及び表中では、単に「P」と示したりする。
D型2色覚の色覚異常者は、緑色を感じるためのM錐体が正常に機能しない色覚障害を有しており、明細書中では、適宜、D型、D型の色覚異常者等と略し、図及び表中では、単に「D」と示したりする。
T型2色覚の色覚異常者は、青色を感じるためのS錐体が正常に機能しない色覚障害を有しており、明細書中では、適宜、T型、T型の色覚異常者等と略し、図及び表中では、単に「T」と示したりする。
光の波長範囲を、xy色度図の表記方法で、以下の5つの波長範囲に分ける。
波長範囲a:−564nm以上−495nm以下に補色主波長の色相。
波長範囲b:400nm以上490nm未満に主波長の色相を持つ波長範囲。
波長範囲c:490nm以上550nm未満に主波長の色相を持つ波長範囲。
波長範囲d:550nm以上600nm未満に主波長の色相を持つ波長範囲。
波長範囲e:600nm以上700nm未満に主波長の色相を持つ波長範囲。
波長範囲aと波長範囲cとの組み合わせ。
波長範囲aと波長範囲dとの組み合わせ。
波長範囲bと波長範囲dとの組み合わせ。
波長範囲bと波長範囲eとの組み合わせ。
よって、この異なる色として認識できる組み合わせを、適切に上述の第1の領域1から第3の領域3との発光色とすれば、P型、D型、T型の全ての色覚異常者が少なくとも第1の領域と第2の領域との2つの領域を区別可能な識別媒体10とすることが可能である。
(条件1)
第1の領域1の発光色と第2の領域2の発光色とが、P型2色覚の色覚異常者及びD型2色覚の色覚異常者によって同色に観察され、かつ、T型2色覚の色覚異常者によって異色に観察されるように第1の領域1及び第2の領域2が構成されており、かつ、第1の領域1の発光色と第3の領域3の発光色とが、P型2色覚の色覚異常者及びD型2色覚の色覚異常者によって異色に観察されるように、第1の領域1及び第3の領域3が構成されている。
(条件2)
第1の領域1の発光色と第2の領域2の発光色とが、P型2色覚の色覚異常者及びD型2色覚の色覚異常者によって異色に観察され、かつ、T型2色覚の色覚異常者によって同色に観察されるように第1の領域1及び第2の領域2が構成されており、かつ、第1の領域1の発光色と第3の領域3の発光色とが、T型2色覚の色覚異常者によって異色に観察されるように、第1の領域1及び第3の領域3が構成されている。
第1の領域1と第2の領域2と第3の領域3とが励起されて発光するときの発光色の組み合わせは、図3に示した組み合わせ1から組み合わせ30までのいずれかの組み合わせとすれば、上記条件1又は条件2を満たすことができる。
また、上記各蛍光材料を励起させて発光させるための励起光は、紫外光を発光するいわゆるブラックライトを利用して照射するとよい。
図4中の、同色/異色の欄は、第1の領域1と第2の領域2とが同色に見えるか異色に見えるか、及び、第1の領域1と第3の領域3とが同色に見えるか異色に見えるか、を示している。
この図4に示すように、これら組み合わせ1から組み合わせ30のいずれかの発光色の組み合わせとすれば、上記条件1又は条件2を満たすことができる。すなわち、P型、D型、T型の全ての色覚異常者が少なくとも第1の領域と第2の領域との2つの領域を区別可能である。
次に、上記組み合わせの中から、具体的な例を挙げて、本実施形態の識別媒体10の見え方を説明する。
ここでは、組み合わせ28を例として取り上げる。
この組み合わせ28では、第1の領域1は、波長領域eの光、すなわち、色覚正常者には赤色に見える光を発光するように構成されている。
第2の領域2は、波長領域cの光、すなわち、色覚正常者には緑色に見える光を発光するように構成されている。
第3の領域3は、波長領域bの光、すなわち、色覚正常者には青色に見える光を発光するように構成されている。
励起光を当てていないので、第1の領域1、第2の領域2、第3の領域3のいずれも発光は行わず、透明であることから、通常印刷10bのみが観察される。なお、通常印刷10bの色覚異常者による見え方は、通常印刷10bの印刷色によって異なるが、色覚異常者であっても、励起光を当てていなければ、第1の領域1、第2の領域2、第3の領域3のいずれも発光は行わず、透明であることから、これらの領域を視認することはできない。
第1の領域1:赤色に見える。
第2の領域2:緑色に見える。
第3の領域3:青色に見える。
励起光を当てると、P型及びD型の色覚異常者には、図6に示したように観察される。図6中には、図1と同様に、P型及びD型の色覚異常者により観察される色を、青を(B)、黄を(Y)として各文字を各領域内に示している。すなわち、励起光を当てると、P型及びD型の色覚異常者には、以下のように見える。
第1の領域1:黄色に見える。
第2の領域2:黄色に見える。
第3の領域3:青色に見える。
励起光を当てると、T型の色覚異常者には、図7に示したように観察される。図7中には、図1と同様に、T型の色覚異常者により観察される色を、赤を(R)、緑を(G)として各文字を各領域内に示している。すなわち、励起光を当てると、T型の色覚異常者には、以下のように見える。
第1の領域1:赤色に見える。
第2の領域2:緑色に見える。
第3の領域3:緑色に見える。
図8は、本発明による識別媒体10の第2実施形態を示す図である。
なお、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態の識別媒体10は、第1の領域1から第3の領域3を複数組配列している点で、第1実施形態と異なっている。
このように第1の領域1から第3の領域3を配置しても、第1実施形態と同様な作用及び効果を得ることができる。
図9は、本発明による識別媒体10の第3実施形態を示す図である。
第3実施形態の識別媒体10では、第1の領域1と第2の領域2とは、間隔を空けて配置されている。
また、第3の領域3は、第2の領域2の周囲に沿って配置されており、マイクロ文字を構成している。
このように、第1の領域1と第2の領域2とは、離れて配置してもよい。また、第3の領域により文字等を表現してもよい。なお、第1の領域1及び第2の領域2についても、文字等を表現してもよい。
このように第1の領域1から第3の領域3を配置しても、第1実施形態と同様な作用及び効果を得ることができる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
2 第2の領域
3 第3の領域
10 識別媒体
10a 券面
10b 通常印刷
Claims (3)
- P型2色覚の色覚異常者とD型2色覚の色覚異常者とT型2色覚の色覚異常者とのいずれの者であっても識別可能な識別媒体であって、
第1の領域と、
前記第1の領域とは別の第2の領域と、
前記第2の領域の外形の少なくとも一部に沿う領域、及び、前記第2の領域に重なる領域、の少なくとも一方を含む第3の領域と、
を有し、
前記第1の領域と前記第2の領域と前記第3の領域とは、いずれも通常光下では無色又は同一色に観察され、励起光の照射により発光して観察される蛍光材料を含んでおり、
前記第1の領域と前記第2の領域と前記第3の領域とは、それぞれが異なる色で発光を行うように構成されており、
さらに、前記第1の領域と前記第2の領域と前記第3の領域とは、
前記第1の領域の発光色と前記第2の領域の発光色とが、P型2色覚の色覚異常者及びD型2色覚の色覚異常者によって同色に観察され、かつ、T型2色覚の色覚異常者によって異色に観察されるように前記第1の領域及び前記第2の領域が構成されており、
かつ、
前記第1の領域の発光色と前記第3の領域の発光色とが、P型2色覚の色覚異常者及びD型2色覚の色覚異常者によって異色に観察されるように、前記第1の領域及び前記第3の領域が構成されている識別媒体。 - P型2色覚の色覚異常者とD型2色覚の色覚異常者とT型2色覚の色覚異常者とのいずれの者であっても識別可能な識別媒体であって、
第1の領域と、
前記第1の領域とは別の第2の領域と、
前記第2の領域の外形の少なくとも一部に沿う領域、及び、前記第2の領域に重なる領域、の少なくとも一方を含む第3の領域と、
を有し、
前記第1の領域と前記第2の領域と前記第3の領域とは、いずれも通常光下では無色又は同一色に観察され、励起光の照射により発光して観察される蛍光材料を含んでおり、
前記第1の領域と前記第2の領域と前記第3の領域とは、それぞれが異なる色で発光を行うように構成されており、
さらに、前記第1の領域と前記第2の領域と前記第3の領域とは、
前記第1の領域の発光色と前記第2の領域の発光色とが、P型2色覚の色覚異常者及びD型2色覚の色覚異常者によって異色に観察され、かつ、T型2色覚の色覚異常者によって同色に観察されるように前記第1の領域及び前記第2の領域が構成されており、
かつ、
前記第1の領域の発光色と前記第3の領域の発光色とが、T型2色覚の色覚異常者によって異色に観察されるように、前記第1の領域及び前記第3の領域が構成されている識別媒体。 - 請求項1又は請求項2に記載の識別媒体において、
前記第1の領域と前記第2の領域と前記第3の領域とが発光する光の波長範囲を、xy色度図の表記方法で、
波長範囲a:−564nm以上−495nm以下に補色主波長の色相、
波長範囲b:400nm以上490nm未満に主波長の色相、
波長範囲c:490nm以上550nm未満に主波長の色相、
波長範囲d:550nm以上600nm未満に主波長の色相、
波長範囲e:600nm以上700nm未満に主波長の色相、
と分類したとき、前記第1の領域と前記第2の領域と前記第3の領域とが発光するときの発光色の組み合わせは、以下の組み合わせ1から組み合わせ30までのいずれかの組み合わせであること、
を特徴とする識別媒体。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2017228019A JP6919527B2 (ja) | 2017-11-28 | 2017-11-28 | 識別媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017228019A JP6919527B2 (ja) | 2017-11-28 | 2017-11-28 | 識別媒体 |
Publications (2)
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---|---|
JP2019102829A JP2019102829A (ja) | 2019-06-24 |
JP6919527B2 true JP6919527B2 (ja) | 2021-08-18 |
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ID=66974178
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017228019A Active JP6919527B2 (ja) | 2017-11-28 | 2017-11-28 | 識別媒体 |
Country Status (1)
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Family Cites Families (3)
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-
2017
- 2017-11-28 JP JP2017228019A patent/JP6919527B2/ja active Active
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