JP6919166B2 - 機械部品の製造方法、及び時計の製造方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献1では、エッチングした後で、SOI基板の犠牲層を除去したときに、基材に形成された複数の機械部品が分散してしまわないように、機械部品どうしを基材の一部として形成した接続部により接続する構成が記載されている。
また、特許文献2に、エッチング後の機械部品の表面にシリコン酸化膜を形成することによって、機械的強度が向上できることが記載されている。
また、基材に形成された複数の機械部品を、接続部を折り取ることによって個片化する際に、接続部の折り取り部分の端面(切断面)に酸化膜が無いことにより信頼性が低下したり、接続部の折り取り部から機械部品部分に亀裂が生じて破損のきっかけになり得たりする虞があるという課題があった。
また、シリコンを含む材料をエッチングすることにより形成される機械部品は、金属製の機械部品に比べて軽いとともに、形状の自由度が高く、加工精度が高いことが知られており、本適用例の酸化処理を行うことにより、基材表面に形成されるシリコン酸化膜によって、機械部品の機械的強度を向上させることができる。
本適用例によれば、母材をトレイに載置した状態で、後工程である酸化工程の処理を行うので、母材の状態から個片化した各機械部品が散乱するのを防止することができる。したがって、シリコンを含む基材からなる機械部品を、簡便な工程により、効率的に、且つ、精度よく形成することが可能な製造方法を提供することができる。
したがって、本適用例によれば、母材をトレイに載置した状態であることにより、母材から樹脂材料が除去されて個片化される機械部品の散乱を抑えながら、エッチング後の母材の樹脂材料を確実に除去することができる。
本適用例によれば、母材の接続部を除去して各機械部品が個片化されたときに、トレイ内における機械部品の散乱を抑えることができるとともに、各機械部品をトレイ内に整然と配置させた状態で、機械部品の製造工程における後工程や、機械部品を使用する例えば時計などの機械製造工程に部品を供給することができる。
したがって、信頼性及び耐久性に優れた精度の高い時計を製造することができる。
はじめに、機械式時計1について説明する。図1は、本実施形態に係る時計としての機械式時計1のムーブメント10の表側の平面図である。
図1に示すように、本実施形態の機械式時計1は、ムーブメント10と、このムーブメント10を収納する図示しないケーシングと、により構成されている。
地板11には、巻真案内穴11aが形成されており、ここに巻真12が回転自在に組み込まれている。この巻真12は、おしどり13、かんぬき14、かんぬきばね15及び裏押さえ16を有する切換装置により、軸方向の位置が決められている。また、巻真12の案内軸部には、きち車17が回転自在に設けられている。
脱進機構30は、上述した表輪列の回転を制御する機構であって、四番車27と噛合うがんぎ車(機械部品)35と、このがんぎ車35を脱進させて規則正しく回転させるアンクル(機械部品)36と、を備えている。
調速機構31は、上述した脱進機構30を調速する機構であって、てんぷ(機械部品)40を具備している。
次に、上述したムーブメント10の脱進機構30について、より詳細に説明する。図2は脱進機構30の平面図であり、図3は脱進機構30の斜視図、図4は図2のA−A線に沿う断面図である。
図2〜図4に示すように、脱進機構30のがんぎ車35は、がんぎ歯車部(回転体)101と、がんぎ歯車部101に同軸(軸線O1)上に固定された軸部材(回転軸)102と、を備えている。以下の説明では、がんぎ歯車部101及び軸部材102の軸線O1に沿う方向を単に軸方向、軸線O1に直交する方向を径方向といい、軸線O1回りに周回する方向を周方向という。
図2〜図5に示すように、がんぎ歯車部101は、表面101a及び裏面101bが平坦面とされるとともに、全面に亘って均一な厚みとされた板状のものである。具体的に、がんぎ歯車部101は、周囲のリム部111と、中央のハブ部112と、これらリム部111及びハブ部112を連結する複数のスポーク部113と、を有している。
リム部111の外周面には、特殊な鉤型状に形成された複数の歯部114が径方向の外側に向けて突設されている。これら複数の歯部114の先端に、後述するアンクル36の爪石144a,144bが接触するようになっている。
なお、かんぎ歯車部101は、単結晶シリコン等、結晶方位を有する材料からなる。
ほぞ部121a,121bのうち、軸方向一端側に位置する一端ほぞ部121aは、図示しない輪列受に回転可能に支持され、軸方向他端側に位置する他端ほぞ部121bは、上述した地板11に回転可能に支持されている。
次に、上述したがんぎ車35の製造方法について説明する。
図7A〜図7Eは、がんぎ歯車部101の作成工程を説明するための説明図であって、図4に相当する断面図である。
基材200に塗布したフォトレジスト211及び裏面コート材221の各々は所定の温度によるキュアを行うが、フォトレジスト211のキュア条件と裏面コート材221のキュア条件との差が大きい場合等には、フォトレジスト211と裏面コート材221とで別々にキュアを行い、フォトレジスト211のキュア条件と裏面コート材221のキュア条件とが同じか近似であれば、キュア工程を同時に行うことにより工程の効率化を図ることができる。
なお、基材200の表面200aに塗布するフォトレジスト211と、基材200の裏面200bに塗布する裏面コート材221との塗布する順番は、各樹脂材料のキュア条件を考慮した工程順の設定などの便宜上にて決定すればよい。
また、上述したように、裏面コート材221は、エッチングにより個片化される複数のがんぎ歯車部101(機械部品)同士を接続する接続部として機能し、エッチング後に個片化されたがんぎ歯車部101が散乱するのを防止することができる。
なお、トレイ50は、基材200と同様なシリコンを含む材料からなる。
この酸化処理により、がんぎ歯車部101の表面に形成されるシリコン酸化膜によって、がんぎ歯車部101(機械部品)の機械的強度を向上させることができるので、耐久性が高く、優れた信頼性を有するがんぎ歯車部101(機械部品)を提供することができる。
熱酸化処理によれば、十分な厚さの緻密なシリコン酸化膜(SiO2)を比較的短時間に形成することができるので、機械的強度の高いがんぎ歯車部101等の機械部品を効率よく製造することができる。
ここで、上述したように、トレイ50は、基材200と同様なシリコンを含む材料により形成されている。シリコンを含む材料からなるトレイ50は、シリコンを含む基材200と同様に後述する熱酸化処理などの高温の処理に対する耐熱性を有しているとともに、比較的安価で、加工性も良好なため、トレイ50の材料として好適である。
本実施形態によれば、シリコンを含む材料からなる基材200を、標準的なフォトリソグラフィー技術及びエッチングを用いて加工することにより、比較的簡便な工程で、精密な機械部品であるがんぎ歯車部101を製造することができる。
また、シリコンを含む基材200を本実施形態の製造方法により加工して形成されるがんぎ歯車部101などの精密な機械部品は、金属製の機械部品に比べて軽いとともに、形状の自由度が高く、高精度な外形形状の形成ができるという利点を有する。したがって、精度が高く、軽量な機械式時計の製造に寄与できる機械部品を製造することができる。
次に、本発明の機械式時計の製造方法について説明する。
本発明の機械式時計の製造方法は、図1〜図5のいずれかに示す香箱車22、番車(二番車25、三番車26、四番車27)、がんぎ車35、アンクル36及びてんぷ40のいずれかに、上記実施形態のがんぎ歯車部101を代表例として説明した機械部品の製造方法のいずれかにより製造された機械部品を用いて、ムーブメント10を組み立てる組立工程を含むことを特徴とするものである。
したがって、信頼性及び耐久性に優れた精度の高い機械式時計を提供することができる。
Claims (5)
- シリコンを含む材料からなる機械部品の製造方法であって、
シリコンを含む基材をエッチングして当該機械部品の母材を形成する工程と、
前記母材をトレイに載置する工程と、
前記母材を前記トレイに載置した状態で、酸化処理を行う工程と、を含み、
前記母材は、前記母材を形成する工程で用いられた樹脂材料を有し、
前記母材を前記トレイに載置した状態で、プラズマ処理により前記樹脂材料を除去する
除去工程を含むことを特徴とする機械部品の製造方法。 - 請求項1に記載の機械部品の製造方法において、
前記酸化処理を行う工程は、熱酸化処理を行うことを特徴とする機械部品の製造方法。 - 請求項1または2に記載の機械部品の製造方法において、
前記トレイは、シリコンを含む材料により形成されていることを特徴とする機械部品の
製造方法。 - 請求項1または2に記載の機械部品の製造方法において、
前記トレイは、前記基材に形成される前記母材の位置及び大きさに対応する形状の凹部
及び仕切り枠を有することを特徴とする機械部品の製造方法。 - 請求項4に記載の機械部品の製造方法において、
前記トレイの厚み方向の最上面は、所定の粗さを有していることを特徴とする機械部品
の製造方法。
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