JP6914726B2 - 耐火パック部材 - Google Patents

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Description

本発明は、耐火パック部材に関する。
一般に、建築物の内部空間は壁・床・天井等の区画体によって複数の室空間に区画されている。これら複数の室空間に亘って例えば配管やケーブル等の長尺体を配設するため、区画体に貫通孔を形成して当該貫通孔に長尺体を挿通させる場合がある。この場合、ある室空間において火災が発生した場合における延焼を防止するためには、貫通孔と長尺体との間の隙間に防火措置を施す必要がある。
例えば特開2005−73357号公報(特許文献1)には、袋体の内部に密封されたペースト状の熱膨張性耐火材を含む耐火パック部材を用いた防火措置構造が開示されている。耐火パック部材は、区画体の貫通孔に設置された受け具の開口側で、長尺体の周囲に巻き付けられて、その後、貫通孔(受け具)に押し込まれる。そして、耐火パック部材は、受け具に保持された状態で貫通孔の内面と長尺体の外面との間に生じる隙間を埋める。
特許文献1の耐火パック部材は、袋体の内面が全面でペースト状の熱膨張性耐火材と密着しており、そのままで自由自在に変形できるようになっている。この耐火パック部材は、変形自在な柔軟性を有しているので、凹凸のある曲面にもなじみやすいという利点がある。しかし、その反面、区画体の貫通孔への押込操作が容易ではなく、また、施工後においてダレが生じやすいという欠点があった。
特開2005−73357号公報
区画体の貫通孔への押込操作が容易であるとともに凹凸のある曲面になじみやすく、しかも施工後にダレが生じにくい耐火パック部材の実現が望まれる。
本発明に係る耐火パック部材は、
柔軟性を有する袋体と、
前記袋体の内部に封入されたペースト状の熱膨張性耐火材と、
前記袋体と一体化された保形部材と、を備える。
この構成によれば、袋体が柔軟性を有するとともに熱膨張性耐火材がペースト状であるので、耐火パック部材に、変形自在な柔軟性を付与することができる。よって、凹凸のある曲面にもなじみやすく、貫通孔の内部で、当該貫通孔と長尺体との間の隙間を適切に埋めることができる。また、保形部材を袋体と一体化することで、この保形部材により、耐火パック部材の保形性を高めることができる。よって、貫通孔の内部への耐火パック部材の押込操作を容易に行うことができるとともに、施工後における耐火パック部材のダレの発生を抑制することができる。
以下、本発明の好適な態様について説明する。但し、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定される訳ではない。
一態様として、
前記保形部材が、不燃性材料で形成されていることが好ましい。
この構成によれば、袋体とその内部に封入された熱膨張性耐火材とを備える耐火パック部材に追加的に具備される保形部材も不燃性であるので、耐火パック部材を、耐火用の目的で好適に使用することができる。
一態様として、
前記保形部材が、金属製シート材であることが好ましい。
この構成によれば、耐火パック部材の変形自在な柔軟性を損なうことなく、耐火パック部材の保形性を高めることができる。また、耐火パック部材全体が比較的薄く抑えられるので、貫通孔と長尺体との間の隙間が狭い場合にも、当該隙間に、保形部材を含む耐火パック部材の全体を容易に挿入することができる。
一態様として、
前記保形部材が、少なくとも一部にて前記袋体と一体化された状態で、前記袋体の内部に封入されていることが好ましい。
この構成によれば、保形部材を袋体の内部に封入することで、貫通孔と長尺体との間の隙間が狭い場合にも、当該隙間に、保形部材を含む耐火パック部材の全体を容易に挿入することができる。また、保形部材の少なくとも一部を袋体と一体化することで、袋体の内部で、保形部材の設置位置を安定的に保持できる。よって、耐火パック部材の全体で、当該耐火パック部材の保形性を高めることができ、押込操作の容易化及びダレ防止を図ることができる。
一態様として、
前記保形部材における前記袋体の内部に位置する部分の幅が、前記袋体の内部空間の幅よりも短いことが好ましい。
この構成によれば、保形部材の少なくとも一端が開放端となるので、袋体の内部で、保形部材の開放端を介してペースト状の熱膨張性耐火材が流動可能となる。このため、長尺体に巻き付けたり凹凸のある曲面になじませたりするために耐火パック部材を変形させたとしても、当該変形に起因して生じ得る熱膨張性耐火材の流動があまり妨げられない。よって、長尺体への巻き付けや凹凸のある曲面への形状追従等の作業の容易化を図ることができる。
一態様として、
前記袋体が、樹脂製のフィルム材で形成されているとともにその周縁部に沿うラミネート部を有し、
前記保形部材が、前記ラミネート部において2枚の前記フィルム材の間に挟み込まれていることが好ましい。
この構成によれば、フィルム材を熱融着して熱膨張性耐火材を内封しつつ袋体を形成するのと同時に、保形部材を袋体と一体化させつつ袋体の内部に封入することができるので、製造工程の簡略化を図ることができる。また、上記の構成によれば、保形部材におけるフィルム材の間に挟み込まれた部分が、ペースト状の熱膨張性耐火材には埋もれずに熱膨張性耐火材から露出する。このため、例えば火災発生時の熱が保形部材に伝わりやすく、さらにその保形部材を介して熱膨張性耐火材の全体に熱が伝わりやすい。特に、保形部材が金属製シート材であれば、金属材料の高い熱伝導性により、かかる効果が顕著となる。よって、必要時に熱膨張性耐火材を効率的に膨張させることができ、耐火パック部材としての性能を高めることができる。
本発明のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
実施形態に係る防火措置構造の破断斜視図 耐火パック部材の破断斜視図 防火措置構造の施工手順の一局面を示す斜視図 防火措置構造の施工手順の一局面を示す斜視図 防火措置構造の断面図
本発明に係る耐火パック部材の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、本発明に係る耐火パック部材を、延焼防止を目的とする防火措置ユニット100及びそれを用いた防火措置構造に適用した例について説明する。本実施形態の防火措置ユニット100は、建築物の区画体6に形成された貫通孔6Hに挿入される筒状のスリーブ部材8と、そのスリーブ部材8の内部に支持される耐火パック部材1とを備える。本実施形態の耐火パック部材1は、柔軟性を有する袋体12と、この袋体12の内部に封入されたペースト状の熱膨張性耐火材14と、袋体12と一体化された保形部材16とを備える。これにより、区画体6の貫通孔6Hへの押込操作が容易であるとともに凹凸のある曲面になじみやすく、しかも施工後にダレが生じにくい耐火パック部材1を提供することができる。以下、本実施形態の耐火パック部材1を用いた防火措置ユニット100及び防火措置構造について、詳細に説明する。
なお、以下の説明において、「軸方向L」、「周方向C」、及び「径方向」は、貫通孔6Hに挿入される長尺体7を基準として定義するものとする。すなわち、長尺体7の延在方向が軸方向Lであり、長尺体7周りに周回する方向が周方向Cであり、長尺体7の延在方向に対して直交する方向が径方向である。また、以下の説明で用いる方向や寸法等に関する用語は、誤差(製造上許容され得る程度の誤差)による差異を有する状態も含む概念である。
本実施形態では、防火措置構造が適用される区画体6は、建築物内の空間を複数の室空間に区画する耐火性及び防火性の構造体である。区画体6は、例えば図1に示すように複数の室空間を水平方向に区画する壁部であっても良いし、複数の室空間を鉛直方向に区画する床(又は天井;図示せず)であっても良い。区画体6は、例えば鉄筋コンクリート造(RC)や軽量気泡コンクリート造(ALC)等の中実壁であっても良いし、石膏ボード等の中空壁であっても良い。もちろん、これら以外の構造を有するものを区画体6として用いても良い。
区画体6には、当該区画体6をその厚み方向(図示の例では水平方向)に貫通する貫通孔6Hが形成されている。本実施形態では、円形状の貫通孔6Hが形成されている。但し、そのような構成に限定されることなく、貫通孔6Hの具体的形状は、例えば楕円状や多角形状、その他の各種形状であって良い。
区画体6の貫通孔6Hには、長尺体7が挿通されている。長尺体7は、例えば線状体、管状体、及び帯状体等の、一方向に延びる長尺状の構造を有するものである。このような長尺体7としては、例えば空調装置用の配管類を例示することができる。本実施形態では、長尺体7は、冷媒循環用の配管部材71と、ドレイン水排出用のドレイン管72と、電気ケーブル73とを含む。
配管部材71は、内部を冷媒が流通する流体管71Aと、その流体管71Aの周囲を被覆する被覆材71Bとを有する。流体管71Aは例えば金属製の管状部材であり、被覆材71Bは流体管71Aに外装された例えば合成樹脂製の断熱材である。ドレイン管72は例えば合成樹脂製の管状部材である。電気ケーブル73は、導体線の周囲に絶縁被覆材が設けられて構成される。本実施形態では、複数の長尺体7は、束となって貫通孔6Hに挿通されている。一束の長尺体7は、貫通孔6H内において、互いに外面どうしが接する状態で密集して配置されている。そして、互いに隣り合う長尺体7のそれぞれの外面に亘って、谷間空間Vが形成されている。
貫通孔6Hと複数の長尺体7との間の隙間空間Sに、防火措置構造が設けられている。隙間空間Sは、貫通孔6Hの内面と複数の長尺体7のそれぞれの外面との間の径方向の隙間に広がる空間である。本実施形態の防火措置構造は、筒状のスリーブ部材8と、熱膨張性耐火材14を内包する耐火パック部材1とを備える防火措置ユニット100を用いて実現されている。
スリーブ部材8は、スリーブ本体部81と、このスリーブ本体部81の軸方向Lの一方の端部に設けられたフランジ部82とを含む。本実施形態では、スリーブ本体部81は、周方向Cの両端部どうしが周方向Cに対向するように円筒状に湾曲した湾曲板状部として形成されている。フランジ部82は、スリーブ本体部81から径方向外側に向かって延びる状態で、スリーブ本体部81と一体的に形成されている。フランジ部82は、全周に亘って設けられている。スリーブ部材8は、軸方向Lにおけるフランジ部82とは反対側のスリーブ本体部81の端部に、当該スリーブ本体部81から径方向内側に向かって突出する支持片部(図示せず)を含んでも良い。かかる支持片部が設けられる場合には、当該支持片部は、耐火パック部材1を軸方向Lに支持する。なお、スリーブ部材8は、例えば樹脂製とすることができる。
耐火パック部材1は、火災発生時に貫通孔6Hと長尺体7との間の隙間空間Sを閉塞して延焼を防止するための部材である。図2に示すように、耐火パック部材1は、袋体12と、熱膨張性耐火材14と、保形部材16とを備えている。袋体12は、柔軟性を有する。袋体12は、例えば樹脂製のフィルム材(例えばポリエチレンフィルムやナイロンフィルム等のプラスチックフィルム)等で形成することができる。袋体12は、例えば2枚の矩形状(第一方向D1に沿う長辺と、第一方向D1に直交する第二方向D2に沿う短辺とを有する長方形状)のフィルム材を重ね合わせて、その周縁部を融着して形成することができる。袋体12は、その周縁部に沿うラミネート部12Aを有し、袋体12の内部には、ラミネート部12Aによって密封された空間として、収容空間Pが形成されている。
熱膨張性耐火材14は、袋体12の内部に封入されている。熱膨張性耐火材14は、袋体12の内部に形成された収容空間Pに収容されている。熱膨張性耐火材14は、熱膨張性(加熱により体積が増加する性質)と耐火性(火熱に耐えやすい性質、溶融温度が高く燃えにくい性質)とを有する。熱膨張性耐火材14としては、公知の材質のものを特に制限なく用いることができ、例えばパテ状部材(熱膨張性パテ状耐火材)を用いることができる。但し、本実施形態の熱膨張性耐火材14は、可塑剤(水性の場合は水、油性の場合は油)の含有量が通常よりも多く、全体としてペースト状となっている。
このペースト状の熱膨張性耐火材14は、公知のパテ状耐火材に比べて十分に柔らかい。従来のパテ状耐火材は稠度が50〜80程度であるのに対して、本実施形態のペースト状の熱膨張性耐火材14は、その稠度が例えば80〜400程度である。このような柔らかい熱膨張性耐火材14を柔軟性のある袋体12に封入して用いることで、耐火パック部材1は比較的自由に変形させることが可能となっている。そして、耐火パック部材1を変形させることで、互いに隣り合う長尺体7のそれぞれの外面に亘る谷間空間Vを熱膨張性耐火材14で容易に埋めることが可能となっている。
ペースト状の熱膨張性耐火材14の稠度は、耐火パック部材1の変形を容易化する観点からは、大きい方が好ましい。熱膨張性耐火材14の稠度は、例えば150〜390程度が好ましく、300〜380程度がさらに好ましい。もちろん、例えば稠度が300以下の熱膨張性耐火材14を用いても良い。
なお、本明細書において、「稠度」は、JIS K2235 5.4.2(1)に規定される針入度計を用いて、JIS K2220 5.3(ちょう度試験方法)に規定されるちょう度計における針及びおもりを円錐に置き換えて測定するものとする。より具体的には、試料中に上記の円錐を垂直に5秒間進入させ、円錐が進入した深さを0.1mm単位で測定し、これを10倍した値(無名数)を「稠度」とする。ここで、円錐はJIS K2235 5.10.2(2)図9に示される形状・寸法のもので、その質量は102.5±0.05gとし、円錐を支える保持具はJIS K2235 5.4.2(3)に規定されるもので、その質量は47.5±0.05gとする。
熱膨張性耐火材14は、例えば200℃以上に加熱された際に、その厚み方向に膨張する。熱膨張性耐火材14を含む耐火パック部材1の熱膨張率は、例えば2倍〜40倍等であって良い。
保形部材16は、袋体12と一体化されている。本実施形態では、保形部材16は、熱膨張性耐火材14と共に袋体12の内部に封入されている。保形部材16は、その大部分が、熱膨張性耐火材14と共に袋体12の内部の収容空間Pに収容されている。保形部材16は、耐火パック部材1の全体の保形性を高めるための部材である。保形部材16は、少なくとも袋体12及び熱膨張性耐火材14よりも高剛性の部材で構成されている。本実施形態では、保形部材16は、金属材料(不燃性材料の一例)で形成されたシート状部材(金属製シート材16S)で構成されている。
金属製シート材16Sは、展延性の良い金属材料を薄く打ちのばして得られる金属箔(例えば銅箔、銀箔、金箔、アルミニウム箔、チタン箔、ニッケル箔、亜鉛箔、錫箔、鉄箔、及びステンレス箔等)であって良い。このような金属製シート材16Sを保形部材16として袋体12の内部に封入することで、この金属製シート材16Sにより、耐火パック部材1の保形性を高めることができる。よって、貫通孔6Hの内部への耐火パック部材1の押込操作を容易に行うことができるとともに、施工後における耐火パック部材1のダレの発生を抑制することができる。
金属製シート材16Sの厚さは、例えば0.02mm〜0.2mmに設定することができる。金属製シート材16Sの厚さが0.02mm未満であれば、当該金属製シート材16S自体の強度が不十分となって耐火パック部材1に十分な保形性を付与することができない。一方、金属製シート材16Sの厚さが0.2mm超となると、当該金属製シート材16S自体の強度が過大となって耐火パック部材1全体としての柔軟性が損なわれる場合がある。金属製シート材16Sの厚さを0.02mm〜0.2mmとすることで、耐火パック部材1において、柔軟性と保形性とを両立させることができる。
耐火パック部材1の押込操作を容易化したりダレを防止したりするために保形性の向上を優先する場合には、金属製シート材16Sの厚さは、例えば0.05mm以上であることが好ましく、0.1mm以上であることがより好ましい。凹凸のある曲面(隣り合う長尺体7のそれぞれの外面に亘る谷間空間V)になじみやすくするために柔軟性の向上を優先する場合には、金属製シート材16Sの厚さは、例えば0.05mm以下であることが好ましく、0.04mm以下であることがより好ましい。
本実施形態では、金属製シート材16Sは、袋体12に比べて扁平な矩形状(袋体12と同程度の長さの長辺と、袋体12よりも短い短辺とを有する長方形状)に形成されている。金属製シート材16Sの短辺の長さは、袋体12の短辺の長さの例えば50%〜90%に設定することができる。こうして、金属製シート材16Sにおける袋体12の内部に位置する部分の幅(第二方向D2に沿う幅)が、袋体12の内部の収容空間Pの幅(第二方向D2に沿う幅)よりも短くなっている(図2を参照)。
図2に示すように、金属製シート材16Sは、少なくとも一部で袋体12に一体化された状態で、袋体12の内部に封入されている。本実施形態では、長方形状の金属製シート材16Sの第二方向D2における一端(一方の長辺部分)が、袋体12の第二方向D2における一端(一方の長辺部分であって、具体的にはラミネート部12A)と融着一体化されている。このような構成では、袋体12及び金属製シート材16Sのそれぞれの短辺の長さの関係で、金属製シート材16Sの第二方向D2における他端は、袋体12と一体化されることなく開放端となっている。なお、本実施形態では、金属製シート材16Sの第一方向D1における両端部も、袋体12と融着一体化されている。
本実施形態では、少なくとも一端にて袋体12に融着一体化されるとともに他端が開放端となっている金属製シート材16Sにより、袋体12の内部の収容空間Pが、第一収容部P1、第二収容部P2、及び連通部P3に分かれている。第一収容部P1は、袋体12を構成する2枚のフィルム材のうちの一方と金属製シート材16Sとの間に形成されている。第二収容部P2は、袋体12を構成する2枚のフィルム材のうちの他方と金属製シート材16Sとの間に形成されている。第一収容部P1と第二収容部P2とは、金属製シート材16Sを挟んで、厚さ方向に隣り合って配置されている。連通部P3は、第二方向D2における袋体12と金属製シート材16Sとの一体化端部とは反対側で、第一収容部P1と第二収容部P2とを連通している。
ペースト状の熱膨張性耐火材14は、袋体12の内部において、連通部P3を介して第一収容部P1と第二収容部P2との間で流動可能となる。このため、長尺体7に巻き付けたり隣り合う長尺体7のそれぞれの外面に亘る谷間空間Vに形状追従させたりするために耐火パック部材1を変形させたとしても、当該変形に起因して生じ得る熱膨張性耐火材14の袋体12の内部での流動があまり妨げられない。よって、長尺体7への巻き付けや谷間空間Vへの形状追従等の作業の容易化を図ることができ、施工性を向上させることができる。
以下、本実施形態の防火措置ユニット100を用いて実現される防火措置構造の施工手順について説明する。まず、図3に示すように、建築物の区画体6に形成された貫通孔6Hに複数の長尺体7の束が配置された状態で、貫通孔6Hの外側で、一束の長尺体7の周囲を取り囲むようにスリーブ部材8を配置する。このとき、スリーブ部材8の分断端部どうしを互いに離間させて拡開させた状態で、一束の長尺体7の周囲にスリーブ部材8を配置し、その後、筒状として貫通孔6Hに挿入する。
次に、耐火パック部材1を、貫通孔6Hの外側で、一束の長尺体7の周囲を取り囲むように配置して、スリーブ部材8よりもひとまわり小さい筒状とする。そして、その状態で、スリーブ部材8と長尺体7との間の空間(貫通孔6Hと長尺体7との間の隙間空間S)に、耐火パック部材1を軸方向Lに挿入する。この操作は、耐火パック部材1における袋体12と金属製シート材16Sとの一体化端部の側を先頭として挿入するように行うと良い。このとき、袋体12の内部には熱膨張性耐火材14と共に金属製シート材16Sが封入されており、耐火パック部材1の保形性が高められているので、耐火パック部材1を容易に奥まで挿入することができる。よって、区画体6の貫通孔6Hに対して防火措置を施す際の施工性を向上させることができる。
その後、図4及び図5に示すように、貫通孔6Hの内部で耐火パック部材1を変形させて、互いに隣り合う長尺体7のそれぞれの外面に亘る谷間空間Vに形状追従させる。耐火パック部材1は、ペースト状の熱膨張性耐火材14を内包して形成されて柔らかいので、一束の長尺体7の外面に形成される複数の谷間空間Vに容易に形状追従させることができる。なお、袋体12の内部には保形性を高めるために金属製シート材16Sが封入されているが、所定値以上の外力(作業者の操作力)が加わった場合には容易に変形し得るので、金属製シート材16Sの存在によって耐火パック部材1の形状追従性が損なわれることはない。よって、複数の谷間空間Vも含めて、貫通孔6Hと長尺体7との間の隙間空間Sを十分に埋めることができる。
施工後は、金属製シート材16Sの存在によって耐火パック部材1の形状が保持されるので、耐火パック部材1がペースト状の熱膨張性耐火材14を内包して形成されて柔らかい場合であっても、ダレの発生を効果的に抑制できる。特に、稠度が300以上の熱膨張性耐火材14を内包する耐火パック部材1を用いる場合であっても、長期間に亘ってダレの発生を有効に抑制することができる。
建築物において火災が発生すると、火炎の熱によって周囲温度が上昇し、長尺体7を構成する被覆材71Bが溶融・燃焼し、貫通孔6Hと長尺体7との間の隙間空間Sがさらに拡大する可能性がある。この場合であっても、周囲温度の上昇に応じて耐火パック部材1に内包された熱膨張性耐火材14が熱膨張して、被覆材71Bの溶融・燃焼によって生じる空間を埋める(言い換えれば、隙間容積の増加分を補填する)ことができる。特に本実施形態では、柔らかい耐火パック部材1を谷間空間Vに形状追従させることで谷間空間Vが十分に埋められているので、十分な防火性能が付与される。
さらに本実施形態では、少なくとも一端にて袋体12に融着一体化された状態で袋体12の内部に封入された金属製シート材16Sは、火災発生時において一種の伝熱板として機能する。すなわち、金属製シート材16Sのうち、熱膨張性耐火材14には埋もれずに熱膨張性耐火材14から露出した部分には、火災発生時の熱が伝わりやすい。そして、一旦金属製シート材16Sの端部に熱が伝わると、その熱が、熱伝導性の高い金属製シート材16Sの全体に伝わる。その結果、全体が昇温した金属製シート材16Sを介して、熱膨張性耐火材14の全体に熱が伝わりやすい。よって、火災発生時に熱膨張性耐火材14を効率的に膨張させることができ、この点からも防火性能を向上させることができる。
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、金属製シート材16Sの少なくとも一端が袋体12と融着一体化されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、金属製シート材16Sが、例えば中央部にて袋体12と融着一体化されても良い。袋体12と金属製シート材16Sとは、面状に融着一体化される形態に限られず、線状や波状、ジクザグ状、ドット状等、各種の形態で融着一体化されて良い。また、金属製シート材16Sが、いずれに位置においても袋体12と融着一体化されずに、袋体12の内部で浮遊するように構成されても良い。
(2)上記の実施形態では、袋体12と金属製シート材16Sとが融着によって一体化されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、接着や縫着、鋲着、係着等の各種の形態で、袋体12と金属製シート材16Sとが一体化されても良い。
(3)上記の実施形態では、金属製シート材16Sの袋体12と一体化された端部以外の一端が袋体12と一体化されることなく開放端となっている(袋体12の内部の収容空間Pが連通部P3を有する)構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば金属製シート材16Sの第二方向D2の両端部がいずれも袋体12と一体化されても良い。この場合、金属製シート材16Sは、袋体12と実質的に同じ形状(袋体12と同程度の長さの長辺及び短辺を有する長方形状)に形成される。
(4)上記の実施形態では、金属製シート材16Sの第一方向D1における両端部が袋体12と一体化されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば金属製シート材16Sの第一方向D1における両端部が、袋体12と一体化されずに袋体12の内部の収容空間Pに留まっていても良い。この場合、金属製シート材16Sの長辺の長さは、収容空間Pの第一方向D1に沿う長さと同程度又はそれよりも短く設定されると良い。
(5)上記の実施形態では、2枚のフィルム材を重ね合わせて四方を融着して袋体12を形成する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば1枚のフィルム材を2つ折にして重ね合わせ、四方又は折り目部分を除く三方を融着して袋体12を形成しても良い。
(6)上記の実施形態では、1枚の金属製シート材16Sが袋体12に封入されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば金属製シート材16Sが、複数枚に分割された状態で袋体12に封入されても良い。或いは、複数枚の金属製シート材16Sが、互いに重ね合わされた状態で袋体12に封入されても良い。
(7)上記の実施形態では、金属製シート材16Sが熱膨張性耐火材14と共に袋体12の内部に封入されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば金属製シート材16Sが、袋体12の外部で当該袋体12と一体化されても良い。
(8)上記の実施形態では、保形部材16が金属製シート材16Sで構成されている例について説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、保形部材16は少なくとも不燃性材料で形成されることが好ましく、例えば不燃紙や不燃樹脂等で保形部材16が形成されても良い。また、必ずしも不燃性を有さずとも、保形部材16は少なくとも耐火パック部材1の全体の保形性を高めることができれば良く、例えば難燃性材料や可燃性材料で保形部材16が形成されても良い。保形部材16はシート材(シート形状)に限定されることなく、メッシュ状、格子状、及び棒状(スティック状)等であっても良い。
(9)上記の実施形態では、袋体12の内部にペースト状の熱膨張性耐火材14のみが封入されている耐火パック部材1を用いる構成を主に想定して説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、耐火パック部材1として、袋体12の内部に、ペースト状の熱膨張性耐火材14に加えて、非ペースト状の充填材として例えば無機繊維や無機球体等の他の成分を封入したものを用いても良い。
(10)上記の実施形態では、スリーブ部材8と耐火パック部材1とが別体とされる構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、スリーブ部材8の軸方向Lの一端にて、スリーブ部材8と耐火パック部材1とが一体化されていても良い。この場合、スリーブ部材8と耐火パック部材1とは、例えば周方向Cの全域に亘って一体化されても良いし、周方向Cに断続的に一体化されても良い。
(11)上記の実施形態では、耐火パック部材1が、貫通孔6Hの内部において樹脂製のスリーブ部材8に支持される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、スリーブ部材8に代えて、例えば金属製の線材で形成された支持部材によって、貫通孔6Hの内部で耐火パック部材1が支持されても良い。この場合において、耐火パック部材1が、バックアップ材を介して上記支持部材によって支持されても良い。
(12)上述した各実施形態(上記の実施形態及びその他の実施形態を含む;以下同様)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
1 耐火パック部材
12 袋体
12A ラミネート部
14 熱膨張性耐火材
16 保形部材
16S 金属製シート材
P 収容空間
P3 連通部

Claims (6)

  1. 柔軟性を有する袋体と、
    前記袋体の内部に封入されたペースト状の熱膨張性耐火材と、
    形部材と、を備え
    前記保形部材が、少なくとも一部にて前記袋体と一体化された状態で、前記袋体の内部に封入されている耐火パック部材。
  2. 前記保形部材が、不燃性材料で形成されている請求項1に記載の耐火パック部材。
  3. 前記保形部材が、金属製シート材である請求項1又は2に記載の耐火パック部材。
  4. 前記保形部材が、前記熱膨張性耐火材に埋もれた状態で、前記袋体の内部に封入されている請求項1から3のいずれか一項に記載の耐火パック部材。
  5. 前記保形部材における前記袋体の内部に位置する部分の幅が、前記袋体の内部空間の幅よりも短い請求項1からのいずれか一項に記載の耐火パック部材。
  6. 前記袋体が、樹脂製のフィルム材で形成されているとともにその周縁部に沿うラミネート部を有し、
    前記保形部材が、前記ラミネート部において2枚の前記フィルム材の間に挟み込まれている請求項1からのいずれか一項に記載の耐火パック部材。
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