JP6913572B2 - 無機軽量化材の製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、主として建材として用いられる、けい酸カルシウム板等の軽量化に有用な無機軽量化材の製造法に関する。
現在、建材用途向けに市販されている繊維強化セメント板は、不燃性を有し、かつ薄くて強い板材として普及が進んでいる。中でも、見掛け密度が0.8g/cm程度のけい酸カルシウム板(JIS A 5430 表1の0.8FK)は、不燃性であり、且つ軽量で比較的耐水性のある材料として、建築物の内装材に広く使用されている。近年、建築現場においては慢性的な労働力不足と作業者の高齢化が進む傾向にあり、これに対応すべく現状よりも更に軽量であり、施工性に優れた内装材に対する要求が高まっている。また、内装材の軽量化は、輸送時の省エネ効果や施工後の建物の耐震性向上にも寄与するものとして期待されている。一方で、建設資材の一つである内装材は、コスト面での制約が厳しく、性能を向上させたとしても売価への改良コストの上乗せが受入れられ難いという市場特性があり、高価な新素材等を用いた軽量化は適用が難しいのが現状であることから、安価で生産性の高い軽量化材の開発が望まれている。
けい酸カルシウム板の軽量化技術としては、従来よりパーライトなどの無機軽量骨材を添加する方法などが使われているが、無機軽量骨材で十分な軽量効果を得るためには多量の添加が必要なためコストアップにつながり、また添加量を多くすると、けい酸カルシウム板の強度が極端に低下してしまうという問題があった。こうした課題の解決策としては、特許文献1の従来技術として例示されているように石灰質原料とけい酸質原料からなるスラリーを加熱してゲル化スラリーとし軽量化を図る方法(特許文献1に記載の従来技術)や、けい酸質原料と石灰質原料を水中に分散させたスラリーを圧力容器中で水熱反応させることにより結晶質けい酸カルシウム水和物スラリーをあらかじめ合成しておき、これを軽量化材としてけい酸カルシウム板の原料の一部に使用する方法(特許文献1及び特許文献2)などが提案されている。更にゲル化スラリーと結晶質けい酸カルシウム水和物スラリーの両者を添加することにより軽量化する方法(特許文献3)も開示されている。
特開昭52−105926号公報 特開昭52−135330号公報 特開平5−213657号公報
特許文献1の従来技術(1頁右側13行目〜2頁左側4行目)には、易反応性のけい酸原料と石灰原料を含む原料スラリーを加熱してゲル化スラリーとし、これを成形して蒸熱養生後に乾燥して得られる、けい酸カルシウム板が記載されている。けい酸カルシウムのゲル化スラリーは、常圧下でゲル化を行うため、特殊な反応槽は不要であり、必要な熱エネルギーが比較的小さくてすむものの、不安定なゲル状であるため、ポンプによる圧送や混合撹拌の際に膨潤したゲル状態が崩れやすく、取扱いに難がある。また、原料スラリーの混合後にゲル化処理を行うには大型のゲル化処理槽が必要であり、ゲル化処理にも相当の時間も必要となるため、生産効率が上がらないという問題があった。
一方、特許文献1及び2に開示されている結晶質けい酸カルシウム水和物スラリーは、ゲル化スラリーに比べ状態が安定しているため取扱いが容易であり、軽量化に対する寄与率も高い優れた軽量化材である。しかし、合成に必要な撹拌式圧力容器などの設備費用がかさむことや、高温高圧下の水熱反応で合成を行うため生成反応に多くの熱エネルギーが必要なことから、けい酸カルシウム板の軽量化材として多量に使用するには大きなコストアップ要因となってしまうという問題があった。
また、特許文献3のように、ゲル化スラリーと結晶質けい酸カルシウム水和物スラリーの両者を添加する場合、2種類のスラリーをそれぞれ合成して計量、添加する必要があるため、製造設備や工程が複雑となり、かつそれぞれの合成に多くの熱エネルギーを必要とすることから結果的に生産効率が低下してコストアップにつながるといった問題があった。
従って、本発明の課題は、工程の複雑化を抑えると共に合成に必要な熱エネルギーを削減することが可能であり、かつ安定した品質の軽量けい酸カルシウム板用無機軽量化材を製造する方法を提供することにある。
そこで本発明者は、ゲル化スラリーと結晶質けい酸カルシウム水和物スラリーの長所を活かしながら製造コストの上昇を抑制すべく検討した結果、合成直後の高温の結晶質けい酸カルシウム水和物スラリーを冷却することなく、そのままゲル化スラリー合成用の原料スラリー中に導入してゲル化することにより、結晶質けい酸カルシウム水和物スラリーの合成に用いた熱エネルギーの残留分をゲル化スラリーの合成に再利用することができ、さらに当該2つのスラリーの混合比率を原料配合段階で調整すれば、各スラリーを別々に計量して混合する必要も無くなるので、安定した品質の無機軽量化材を効率よく安価に製造できることを見出した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔3〕を提供するものである。
〔1〕けい酸質原料、石灰質原料及び水を含有するスラリーを圧力容器中150℃〜220℃で水熱合成して得られた結晶質けい酸カルシウム水和物を含有するスラリー(A)を、合成直後の90℃以上100℃未満の温度で、けい酸質原料、石灰質原料及び水を含有するスラリー(B)中に導入して常圧下80〜98℃でゲル化スラリーを得るまでを一連の工程とする、無機軽量化材の製造法。
〔2〕前記スラリー(A)を合成直後に圧力容器から排出する際、落圧過程で排出される圧力容器内の蒸気を、前記スラリー(B)中に導入して加温する〔1〕記載の無機軽量化材の製造法。
〔3〕前記スラリー(A)の合成に用いる、けい酸質原料と石灰質原料に含まれるSiO2とCaOのモル比(CaO/SiO2)が0.3〜1.5であり、前記スラリー(B)に用いるけい酸質原料と石灰質原料に含まれるSiO2とCaOのモル比(CaO/SiO2)が0.2〜4.0であり、かつスラリー(A)とスラリー(B)の混合比が、固形分質量比(スラリー(A)/スラリー(B))で0.4〜1.2である〔1〕又は〔2〕記載の無機軽量化材の製造法。
本発明方法によれば、結晶質けい酸カルシウム水和物スラリー合成後の熱エネルギーの残留分を後工程のゲル化処理にも利用でき、無機軽量化材を合成する一連の工程が効率よく進行するとともに、けい酸カルシウム板等の製造で使用する際に、無機軽量化材の計量が1回で済むため、複雑な工程や過剰な設備を必要とせずに、安定した品質の無機軽量化材を供給ことができる。また、圧力容器の落圧過程で発生する排蒸気をゲル化処理前のスラリーに導入して加温することにより、更に熱効率が向上する。
スラリー沈降容積の測定結果を示すグラフである。
本発明の無機軽量化材の製造法は、次の工程からなる。
(1)けい酸質原料、石灰質原料及び水を含有するスラリーを、圧力容器中で水熱合成して結晶質けい酸カルシウム水和物を含有するスラリー(A)を合成する工程(工程(1))。
(2)得られたスラリー(A)を圧力容器から排出して温度が低下しないうちに、すなわち温度が90℃以上100℃未満の状態で、けい酸質原料、石灰質原料及び水を含有するスラリー(B)中に導入して、常圧下80〜98℃を維持しながら無機軽量化材のゲル化スラリーを得る工程(工程(2))。
工程(1)に用いられるけい酸質原料としては、珪砂、珪石粉、焼成珪藻土等の結晶質シリカ、珪藻土、シリカフューム、フライアッシュ、非晶質合成シリカ等の非晶質シリカが挙げられる。これらのけい酸質原料は、1種又は2種以上を用いることができる。石灰質原料としては、消石灰、生石灰等を用いることができる。けい酸質原料に含まれるSiO2と石灰質原料に含まれるCaOのモル比(CaO/SiO2)は、結晶化反応が進みやすいこと及び見掛け密度の小さい粒子を得やすい等の点から0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.0がより好ましい。
けい酸質原料及び石灰質原料の合計量に対する水の量は、これらの原料の固形分に対し10〜30質量倍が好ましい。
反応は、圧力容器中での水熱合成により行なわれる。水熱合成条件としては、圧力容器内で150〜220℃の温度で、沈降しない程度にゆっくり撹拌しながら2〜24時間、好ましくは2〜10時間、より好ましくは2〜5時間反応させればよい。
この条件の水熱合成により、結晶質けい酸カルシウム水和物が生成するので、圧力容器内には結晶質けい酸カルシウム水和物を含有するスラリー(A)が存在することになる。
工程(2)では、圧力容器内のスラリー(A)を、温度が低下しないうちに、すなわち、温度が90℃以上100℃未満の状態で、けい酸質原料、石灰質原料及び水を含有するスラリー(B)中に導入する。
ここで、スラリー(B)に用いられるけい酸質原料は、珪藻土、シリカフューム、フライアッシュ、非晶質合成シリカ等の非晶質シリカが挙げられる。これらの非晶質シリカは1種又は2種以上を用いることができる。石灰質原料としては、消石灰、生石灰が挙げられる。けい酸質原料に含まれるSiO2と石灰質原料に含まれるCaOのモル比(CaO/SiO2)は、ゲル化が進行し易いこと及びかさ高いゲルを得やすい等の点から0.2〜4.0が好ましく、0.4〜2.0がより好ましい。
けい酸質原料及び石灰質原料の合計量に対する水の量は、従来のゲル化処理であればこれらの原料の固形分に対し10〜30質量倍が好ましいが、本発明においては5〜10質量倍とするのが好ましい。これは、スラリー(A)を導入する際に持ち込まれる熱水を割り水の一部として利用するためであり、これによりゲル化に必要な熱エネルギーを節約するとともに、得られるゲル化スラリーの全体量が増えすぎるのを防ぐことができる。
このスラリー(B)は、スラリー(A)の導入前は、常温(5〜35℃)のままでもよい。スラリー(A)の導入後は、少なくとも80℃以上の温度が維持できるよう不足分はボイラー蒸気、ヒーター等を用いて加温し、ゲル化処理を行う。
このスラリー(B)は、スラリー(A)の合成後に圧力容器の落圧で生じる排蒸気を導入することにより、温度を上昇させることもできる。この排蒸気導入により、スラリー(B)の温度制御を容易かつ経済的に行うことができる。
また、前記スラリー(A)とスラリー(B)の混合比率は、かさ高く扱いやすい無機軽量化材を得る点及びスラリー(A)の比率をできるだけ抑えて無機軽量化材の製造に用いる熱エネルギーを低減する必要があることから、固形分質量比(スラリー(A)/スラリー(B))で0.4〜1.2が好ましく、0.5〜1.0がより好ましい。
前記スラリー(A)をスラリー(B)中への導入後、常圧下80〜98℃で撹拌することにより結晶質けい酸カルシウム水和物を取り込んだゲル化スラリーが得られる。ゲル化の温度は90〜95℃がより好ましい。また反応は、沈降しない程度にゆっくり撹拌しながら1〜6時間行うのが好ましく、2〜4時間行うのがより好ましい。
得られたゲル化スラリーは、ストックタンク等に移して一時的に貯留し、後工程であるけい酸カルシウム板等の製造工程へ必要量を供給する。貯留の際は、ゆっくり撹拌することなどにより、ゲルの沈殿を防ぎ、良好な分散状態を維持できるようにする。
得られたゲル化スラリーは、補強繊維、マトリクス形成材料、無機混和材など、他のけい酸カルシウム板原料と混合したスラリーとした後、これを抄造して生板を形成し、得られた生板をオートクレーブ養生することにより、軽量けい酸カルシウム板用の無機軽量化材として用いることができる。けい酸カルシウム板は、マトリクス形成材料として、けい酸質原料と石灰質原料を使用しており、これをオートクレーブ養生により反応、硬化させ、けい酸カルシウム水和物によるマトリクスを形成させて板としての強度を得ている。本発明の無機軽量化材は、けい酸カルシウム水和物からなるものであり、オートクレーブ養生による硬化反応の際にけい酸カルシウム板のマトリクス内に取り込まれるため、軽量な硬化体を形成することができる。このため、本発明の無機軽量化材をけい酸カルシウム板に添加する場合には、製造するけい酸カルシウム板全体としてのマトリクス形成に係るSiO2とCaOのモル比が適正となるよう調整した配合設計とする必要がある。オートクレーブ条件は、150〜220℃で2〜20時間とするのが好ましく、170〜200℃で4〜10時間とするのがより好ましい。オートクレーブ養生後は、常法により乾燥すればよい。
本発明方法により得られる無機軽量化材は、設備の重複と熱損失を抑えた一連の工程とすることにより、製造コストを抑えた扱いやすい無機軽量化材であり、これを適切に添加することで、不燃性、かつ見掛け密度が0.6〜0.7g/cm3と軽量で比較的耐水性があり、建築物の内装材として特に有用な、軽量けい酸カルシウム板を生産することが可能である。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例及び比較例に使用した原料は以下のとおりである。
生石灰:JIS R 9001 特号相当
珪石粉:ブレーン比表面積 約10000cm2/g
珪藻土:100μm残分15%以下
実施例1
(本発明方法)
けい酸質と石灰質のモル比(CaO/SiO2)が0.55となるよう珪石粉及び生石灰を計量し、珪石粉及び生石灰の合計質量に対し10質量倍となるよう水を加えてスラリー状にし、これを攪拌機付きの圧力容器に投入して、温度185℃で1.5時間ゆっくり攪拌しながら水熱合成を行い、結晶質けい酸カルシウム水和物を含むスラリー(A)を得た。
次に、けい酸質と石灰質のモル比(CaO/SiO2)が0.4となるよう珪藻土及び生石灰を計量し、珪藻土及び生石灰の合計質量に対して、8質量倍となるよう水を加えてスラリー(B)とし、前記スラリー(A)を合成した攪拌機付き圧力容器からの排蒸気で約50℃まで加温した。なお、スラリー(A)とスラリー(B)の固形分質量は、あらかじめ同じ質量となるよう原料の計量段階で調整した。
続いて、前記スラリー(A)を攪拌機付き圧力容器から温度が約94℃の状態で前記スラリー(B)中に導入した。スラリー(A)導入直後のスラリー(A)とスラリー(B)の混合スラリーの温度は約72℃であり、スラリー(A)とスラリー(B)の固形分質量比は1.0であった。
更に前記混合スラリーをヒーターで加温し、約90℃の温度に維持しながら3時間、固形分が沈降しない程度にゆっくり攪拌することでゲル化し、スラリー状の無機軽量化材を得た。
実施例2
実施例1におけるスラリー(B)に用いた珪藻土をシリカフュームに置き換え、けい酸質と石灰質のモル比(CaO/SiO2)が1.0となるようにした以外は実施例1と同じ方法により、スラリー状の無機軽量化材を得た。
比較例1
けい酸質と石灰質のモル比(CaO/SiO2)が0.55となるよう珪石粉及び生石灰を計量し、珪石粉及び生石灰の合計質量に対し10質量倍となるよう水を加えてスラリー状にし、これを攪拌機付きの圧力容器に投入して、温度185℃で1.5時間ゆっくり攪拌しながら水熱合成を行い、結晶質けい酸カルシウム水和物を含むスラリー(C)を得た。
前記スラリー(C)とは別に、けい酸質と石灰質のモル比(CaO/SiO2)が0.4となるよう珪藻土及び生石灰を計量し、珪藻土及び生石灰の合計質量に対して、10質量倍となるよう水(約20℃)を加えてスラリー状とし、ヒーターで加温して約90℃の温度に維持しながら3時間、固形分が沈降しない程度にゆっくり攪拌することでゲル化させ、スラリー(D)を得た。
スラリー(C)とスラリー(D)を固形分質量が同じになるよう計り取って混合することにより、結晶質けい酸カルシウム水和物とゲル化したけい酸カルシウムの混合物からなるスラリー状の無機軽量化材を得た。
実施例1の方法では、スラリー(A)の合成に用いた圧力容器の排蒸気によりスラリー(B)をあらかじめ50℃まで加温しているため、スラリー(A)を加えた後には温度が72℃となっており、90℃まで加温するのに用いた熱エネルギーは、全体の水量が増加したことを考慮しても、比較例のスラリー(D)をゲル化するために20℃から90℃まで加温したのに消費した熱エネルギーに比べて約半分に削減されている。
次に、実施例1と比較例1の2種類の無機軽量化材について、表1に示す実験用スラリー配合を用い、固形分配合量の濃度が7.5質量%となるよう水を加えて混合スラリーを調整し、これを1000mLのメスシリンダーに測り取った後、静置して5分おきに沈降容積(ウエットボリューム)を測定した。結果を図1に示す。実施例の無機軽量化材を使用したスラリーの方が比較例の無機軽量化材を使用したスラリーよりも嵩高い状態を維持できており、より軽量化の効果を得やすいことが判る。これは、実施例1の方が無機軽量化材スラリーの計量、混合工程が比較例より少ないことの影響と、実施例1の方法で作られた無機軽量化材では、結晶質けい酸カルシウム水和物を取り囲むようにけい酸カルシウムのゲルが生成しているため、比較的取扱い時の安定性が高いためではないかと考えられる。
Figure 0006913572
更に、表2に示す配合で抄造法を模したテーブルテストにより、けい酸カルシウム板の試験体を作成し、物性を評価した。厚さは約8mmに成形し、オートクレーブ条件は180℃の飽和蒸気圧で10時間保持とした。物性の評価結果を表3に示す。
Figure 0006913572
Figure 0006913572
表3より、実施例の無機軽量化材を添加することで効果的な軽量化を図ることが可能であり、パーライトによる軽量化に比べ曲げ強さの低下が小さいことが判る。
以上より、本発明の無機軽量化材の製造法によれば、熱エネルギーの使用量を削減可能であり、かつ一連の工程が効率よく進行することから、安定した品質の無機軽量化材を供給ことができる。また、本発明の製造法よって得られる無機軽量化材は、けい酸カルシウム板等の軽量化に対し特に有効である。

Claims (3)

  1. けい酸質原料、石灰質原料及び水を含有するスラリーを圧力容器中150℃〜220℃で水熱合成して得られた結晶質けい酸カルシウム水和物を含有するスラリー(A)を、合成直後の90℃以上100℃未満の温度で、けい酸質原料、石灰質原料及び水を含有するスラリー(B)中に導入して常圧下80〜98℃でゲル化スラリーを得るまでを一連の工程とする、けい酸カルシウム板用無機軽量化材の製造法。
  2. 前記スラリー(A)を合成直後に圧力容器から排出する際、落圧過程で排出される圧力容器内の蒸気を、前記スラリー(B)中に導入して加温する請求項1記載の無機軽量化材の製造法。
  3. 前記スラリー(A)の合成に用いる、けい酸質原料と石灰質原料に含まれるSiO2とCaOのモル比(CaO/SiO2)が0.3〜1.5であり、前記スラリー(B)に用いるけい酸質原料と石灰質原料に含まれるSiO2とCaOのモル比(CaO/SiO2)が0.2〜4.0であり、かつスラリー(A)とスラリー(B)の混合比が、固形分質量比(スラリー(A)/スラリー(B))で0.4〜1.2である請求項1又は2記載の無機軽量化材の製造法。
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