JP6913456B2 - カフェイン吸着剤およびカフェイン吸着方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カフェイン吸着剤およびカフェイン吸着方法に関する。
カフェインは、下記構造式で表され、自然界では、コーヒー豆、茶葉、マテ茶葉、コーラ実などに含まれる。カフェインには、中枢神経の興奮や強心・利尿などの作用があり、健康志向などの観点から、近年、お茶やコーヒー、紅茶、栄養ドリンクなどの飲料からカフェインを除いたカフェインレス飲料の需要が高まっている。
Figure 0006913456
カフェインを飲料から除去するための吸着剤として、酸性白土や活性白土(酸性白土の酸処理物)などのモンモリロナイトを主成分とする粘土、ゼオライトなどが知られている(特許文献1〜3)。
しかしながら、ゼオライトは、カフェインに対する選択性が乏しく、飲料中に含まれる有効成分まで吸着してしまうため、工業的には使用されていない。
モンモリロナイトは、カフェインに対する選択吸着性が高く、しかも粘土鉱物であり、安価であるという利点を有しているものの、AlイオンやCaイオン、Feイオン等の金属イオンが飲料中に溶出するという欠点がある。その溶出量はそれほど多くはないが、飲料の風味を損なう原因となる。よって、これらの金属イオンの溶出を抑制することが求められている。
ところで、一般的な吸着剤としてケイ酸マグネシウムが知られている。しかし、現在の日本において、ケイ酸マグネシウムは、油脂の濾過助剤として使用する場合を除き、食品添加物として使用することを認められていないという現状がある。
特開平6−142405号 特開2014−212742号 特開2015−163049号
従って、本発明の目的は、カフェインに対する選択吸着性が高く、Alイオン等の金属イオンの溶出を有効に回避しており、しかも、飲料などの食品に使用することができる、カフェイン吸着剤を提供することである。
本発明の他の目的は、カフェインを効果的に吸着し、金属イオンの溶出もなく、飲料等の食品に適用することができる、カフェイン吸着方法を提供することである。
本発明によれば、シリカ粒子とマグネシア粒子とが一体複合化したシリカ・マグネシア複合粒子から成り、オレンジII吸着量で表されるアニオン吸着能が18〜74mmol/100gの範囲にあることを特徴とするカフェイン吸着剤が提供される。
本発明において、アニオン吸着能は、10mmol/LのオレンジII水溶液を用いて測定される。
本発明のカフェイン吸着剤においては、シリカ成分とマグネシア成分とを、下記式:
R=Sm/Mm
式中、Smは、SiO換算でのシリカ成分の含有量(質量%)であり、
Mmは、MgO換算でのマグネシア成分の含有量(質量%)である、
で表される質量比(R)が0.1≦R≦3.5となる割合で含有していることが好ましい。
また、本発明によれば、カフェイン含有水溶液に前記吸着剤を投入してカフェインを吸着することを特徴とする、カフェイン吸着方法も提供される。
本発明のカフェイン吸着方法においては、
(1)前記カフェイン含有水溶液におけるカフェイン濃度が0.001〜1.0質量%であること、
(2)前記吸着剤を、カフェイン含有水溶液100質量部あたり0.001〜25質量部投入すること、が好ましい。
本発明のカフェイン吸着剤は、シリカ粒子とマグネシア粒子とから成る。シリカ粒子もマグネシア粒子も、AlイオンやCaイオン、Feイオンといった、飲料の風味を損なう原因となる金属イオンを有していないことから、かかる粒子からなる本発明の吸着剤もまた、これらの金属イオンを有しておらず、従って、これらの金属イオンの溶出を有効に回避している。
また、上記の通りケイ酸マグネシウムは、油脂の濾過助剤として用いる場合を除き、食品添加剤として使用することができないが、本発明の吸着剤は、食品添加剤として認可されているシリカ成分とマグネシア成分を一体複合化したシリカ・マグネシアである。よって、本発明のカフェイン吸着剤は、飲料などの食品に適用できる。
そして、本発明のカフェイン吸着剤は、シリカ粒子とマグネシア粒子とが一体複合化しているという構造上の特徴に起因して、カフェインに対して高い選択吸着性を示し、例えば後述する実施例で示されているように、そのカフェイン吸着性は、酸性白土と同等乃至それ以上である。
従って、本発明のカフェイン吸着剤は、飲料などの食品からカフェインを除去する際に使用することができ、特に、カフェインレス飲料の製造に好適である。
本発明のカフェイン吸着剤はシリカ・マグネシア複合粒子からなる。シリカ・マグネシア複合粒子は、実質上、食品製造用の吸着剤やろ過助剤として認可されているシリカ成分とマグネシア成分とから形成されており、原料であるシリカ(二酸化ケイ素)粒子とマグネシア(酸化マグネシウム)粒子とが、水中で、溶解はしないがナノオーダーの単位粒子(ナノ粒子)として分散し、均質混合されており、マグネシア成分に由来するアニオン性色素(オレンジII)に対する吸着能が高く維持されるように緊密に一体複合化した粒子である。
[シリカ・マグネシア複合粒子における一体複合化と構造]
本発明では、シリカ(A)とマグネシアもしくはその水和物(B)とを、水分の存在下で均質に混合して水性スラリーとし(均質混合)、次いで熟成を行い、さらに、水分を除去することにより、目的とするシリカ・マグネシア複合粒子を得ることができる。
すなわち、水分の存在下、例えば水中での均質混合により、原料の一つであるシリカ(二酸化ケイ素)がコロイド粒子乃至微細凝集粒子(1次乃至2次粒子)まで解れる。他方のマグネシア(酸化マグネシウム)も、水中に投入されて撹拌もしくは粉砕されると、溶解は殆ど起こらないが、マグネシア粒子表面の部分的な水和により、その結晶(もしくは新たに生成した水和物の結晶)の一部分或いは全部が崩壊もしくは剥離して、マグネシア(酸化マグネシウム)及び/又は酸化マグネシウム水和物からなる微細な粒子となって水中に分散される。
熟成工程において、これらの微細粒子が均質に分散したスラリーから水分が除去され、固形分濃度が上昇していくと、シリカの粒子(A)とマグネシアの粒子(B)とが徐々に或いは急激に接近し、原子の交換や組み換えを伴うような化学結合を伴うことなく、一体複合化した形態に至るのである(一体複合化完了)。即ち、本発明のシリカ・マグネシア複合粒子は、物理的手段により分離しないように一体化された構造である。
本発明では、上記の通りシリカ成分とマグネシア成分とを一体複合化させているからこそ、マグネシア成分に由来してアニオン性色素(オレンジII)に対する吸着能が高く維持されており、オレンジII吸着量で表されるアニオン吸着能が18〜74mmol/100gの範囲となり、優れたカフェイン吸着性を獲得している。例えば、ケイ酸マグネシウムのように、シリカ成分とマグネシア成分とが化学結合を形成していると、オレンジII吸着量で表されるアニオン吸着能は17以下と低く、カフェイン吸着性は著しく低いものとなる(比較例1参照)。
また、シリカ単体およびマグネシア単体のカフェイン吸着性も、著しく低い(比較例2〜4参照)。よって、シリカとマグネシアを単に乾式混合して得られる混合物のカフェイン吸着性もまた低いことは必至である。
このように、シリカ成分やマグネシア成分が単体で存在したり、反応物の状態で存在している場合、カフェインはほとんど吸着できないが、極めて意外なことに、本発明のようにこれらの成分をマグネシア成分に由来するアニオン性色素(オレンジII)に対する吸着能が高く維持されるように一体複合化すると、高いカフェイン選択吸着性を獲得できる。
本発明において、シリカ成分とマグネシア成分の質量比は適宜決定すればよいが、一体複合化の度合いの観点から、下記式で表される質量比(R)が、0.1≦R≦3.5、特に1.3≦R≦3.0、更に1.5≦R<2.5となる割合が好ましい。
R=Sm/Mm
式中、Smは、SiO換算でのシリカ成分の含有量(質量%)であり、
Mmは、MgO換算でのマグネシア成分の含有量(質量%)である。
一体複合化の度合いは、吸着剤中のシリカ成分とマグネシア成分の質量比(R)によって異なる。例えば、質量比が2付近(R≒2、好ましくは1.5≦R<2.5)では、シリカ成分とマグネシア成分が一体複合化にちょうどよい質量比となっており、後述する実施例にあるようにオレンジII吸着量で表されるアニオン吸着能が18mmol/100g以上と高く、一体複合化の度合いが非常に高い。
上記質量比が2未満(R<2)となり、比較的マグネシアリッチとなる領域に進むほど、あまりある多くのマグネシアの微粒子が、全体にわたるマグネシアマトリックス相を形成しており、その中に、希薄にシリカ成分が分散している状態であると考えられ、即ち、一体複合化の度合いは低くなると考えられる。さらに、マグネシア成分がリッチになり、R<0.1となる場合は、本発明のシリカ・マグネシア複合粒子のオレンジII吸着量で表されるアニオン吸着能が上記範囲から外れ、結果的にカフェイン吸着能が低下する虞があるだけでなく、経時とともに大気中の水分によりマグネシア成分が不必要に水和され、長期の保存期間にわたって、アニオン吸着能を上記範囲に維持することができない、というデメリットがある。特に、マグネシア成分の経時による水和は、マグネシア成分に由来するアニオン性色素(オレンジII)の吸着能に大きく影響する。従って、質量比(R)が上記範囲を満足しない場合は、水和の影響で上記アニオン吸着能が低くなってしまい、結果として高いカフェイン吸着能を維持できない。本発明は、シリカ成分が有効にマグネシア成分の水和を抑制し、結果として高いカフェイン吸着能を示す。
反対に、質量比が2を越えて(2<R)、比較的シリカリッチとなる領域に進むほど、あまりある多くのシリカの微粒子が、全体にわたる非晶質なシリカマトリックス相を形成しており、その中に、希薄にマグネシア成分が分散している状態と考えられ、即ち、同様に一体複合化の度合いは低くなると考えられる。特に、シリカ成分が多く、3.5<Rとなる場合は、シリカ成分が過剰であり、マグネシア成分に由来するアニオン性色素(オレンジII)に対する吸着能が低くなってしまうため、本発明のシリカ・マグネシア複合粒子のオレンジII吸着量で表されるアニオン吸着能が上記範囲から外れる虞があり、結果的にカフェイン吸着能が低下する。
本発明のシリカ・マグネシア複合粒子は、マグネシア成分に由来するアニオン性色素(オレンジII)に対する吸着能が高く維持されるように一体複合化されていることから、オレンジII吸着量で表されるアニオン吸着能が18mmol/100g以上、カフェイン吸着能の観点から、好ましくは20mmol/100g以上である。また、74mmol/100g以下、一体複合化の観点から、好ましくは71mmol/100g以下である。
[好ましい特性]
上述のように、シリカ・マグネシア複合粒子からなる本発明のカフェイン吸着剤は、シリカ成分とマグネシア成分が、マグネシア成分に由来するアニオン性色素(オレンジII)に対する吸着能が高く維持されるように一体複合化されており、好適には、シリカ成分とマグネシア成分とを一定の量比で含有している。これにより、本発明では、乾燥した吸着剤1gあたりのカフェイン吸着量が、39mg以上、特に45mg以上であり、飲料等に含まれるカフェインの除去に好適に利用でき、カフェインレス飲料の製造に極めて有利である。
シリカ・マグネシア複合粒子では、シリカ成分とマグネシア成分が互いに遊離しておらず、緊密に複合化しているために、通常、その懸濁液のpHは6.0〜10.0の範囲にある。
カフェインを安定に吸着し得るという点で、窒素吸着法で測定したBET比表面積は、100m/g以上、更に500m/g以上、特に600m/g以上であることが好適である。
[好ましい剤形]
本発明のカフェイン吸着剤は、5μm未満の粒子含有率が20体積%以下、更に12体積%以下、特に10体積%以下の粒度分布を有している粉末であることが好ましい。これにより、より安定して均一な吸着処理を行うことができる。
また、上記のような粒度分布を有する粉末とする代わりに、ろ過性等を高める観点から、直径もしくは長径が5μm〜5mmである球状もしくは楕円球状、或いは径が0.5mm以上で且つ軸長が50mm以下の円柱形状粒子とすることもできる。
このようなシリカ・マグネシア複合粒子は、例えば水澤化学工業株式会社より、「ミズカライフ」の商品名で市販されている。
[シリカ・マグネシア複合粒子の製法]
上述した本発明のカフェイン吸着剤を製造するためには、原料として、(A)二酸化ケイ素(シリカ)と(B)酸化マグネシウム(マグネシア)もしくはその水和物とを使用する。これらは、何れも食品製造用のろ過助剤もしくは吸着剤として認可されており、従って、これらの使用により食品精製としての用途が制限されることはない。
また、シリカ(A)及びマグネシアもしくはその水和物(B)としては、後述するナノ粒子化が容易となるものを選択するのがよい。
例えば、シリカとしては非晶質の含水タイプのものが好適であり、ゲル法或いは沈降法の何れで製造されたものであってもよいが、一次粒子の小さいものが好適であり、比表面積が40m/g以上、特に140m/g以上であるものが好適である。
また、マグネシアもしくはその水和物としては、結晶子の小さく且つ経時による炭酸化が進んでいないものがよい。例えば、比表面積が2m/g以上、好ましくは20m/g以上、特に好ましくは50m/g以上であるマグネシア粉末が使用される。
上記のシリカ(A)とマグネシアもしくはその水和物(B)は、既に述べた通り、目的物であるカフェイン吸着剤におけるシリカ成分とマグネシア成分の質量比R(Sm/Mm)が0.1≦R≦3.5、特に1.3≦R≦3.0、更に1.5≦R<2.5となる割合で使用する。このような量割合で使用することにより、優れたカフェイン吸着性を確保することができる。
水性スラリーの調製において、各原料(A)、(B)や水の投入順序等に制限はないが、凝集やゲル化現象(増粘)が起こると、前述した微細粒子化(ナノ粒子化)や一体複合化の進行が妨げられる虞がある。このため、水性スラリーの固形分濃度は低い方が好ましい。一方で、生産性や経済性の見地からは固形分濃度は高い方がよい。従って、固形分濃度は3〜15質量%、特に8〜13質量%であることが好ましい。
また、ゲル化は加熱によっても生じやすくなるが、上記のような均質混合及び熟成は、100℃以下で行い、50〜97℃で行うことが好ましく、50〜79℃で行うことが特に好ましい。
原料(A)及び(B)の均質混合による水性スラリーの調製及び熟成は、攪拌翼を備えた攪拌槽中で攪拌下に行うのが一般的であるが、湿式ボールミルやコロイドミルによる粉砕もしくは分散下で行うこともできる。
熟成は、前述したナノ粒子化(微細粒子化)及び一体複合化を十分に行うための工程であり、水性スラリーの調製のための均質混合及び熟成は、温度やスラリーの仕込み容量等によっても異なるが、少なくとも0.5時間は必要である。また、温度が高いほど、ナノ粒子の流動性が高くなり効率よく均質化するため、より短時間で行うことができる。一般には、1〜24時間、特に3〜10時間程度かけて混合及び熟成が行われる。
熟成後の水分除去は、スプレー乾燥機やスラリー乾燥機等を用いての蒸発乾燥により行われるが、ろ過や遠心分離等の手段によりある程度の脱水を行った後に、箱形乾燥機、バンド乾燥機、流動層乾燥機等を用いて乾燥を行ってもよい。このとき、原料(B)の水和が少なくとも一部乃至は全部解消される。
上記のようにして、例えば水分含有率が10質量%以下であり、脱水により原料粒子である二酸化ケイ素(シリカ)粒子とマグネシア粒子とが緊密に複合化し、少なくとも一部のシリカ粒子およびマグネシア粒子が一体複合化したシリカ・マグネシア複合粒子が、顆粒状、粉状、ケーキ状或いは団塊状で得られる。これらは、必要により、粉砕・分級、或いは成形を行い、所望の粒子形状で、例えば飲料からのカフェインの吸着除去に好適に利用される。
上記の粉砕は、それ自体公知の乾式粉砕法により行うことができ、例えばアトマイザーの如き衝撃式粉砕機や、乾式ボールミル、ローラーミル、ジェットミルなどを用いて行なうことができる。
また、分級は、通常の乾式分級機を用い、重力分級、遠心分級、慣性分級等によって行われる。
このような粉砕及び分級によって、例えば5μm未満の微細粒子含有率が20体積%以下の粉末の形で、本発明の吸着剤が得られる。
また、成形は、転動造粒、流動層造粒、攪拌造粒、解砕造粒、圧縮造粒、押出造粒等、任意の方法で行うことができるが、一般的には、粒があまり硬くならず、且つ容易に粉化しない程度の強度を有するように成形されるのがよい。このような成形により、例えば、直径もしくは長径が5μm〜5mmである球状もしくは楕円球状、或いは径が0.5mm以上で、且つ軸長が50mm以下の円柱形状粒子の形で、本発明の吸着剤が得られる。
このようにして得られる本発明の吸着剤は、カフェイン含有飲料等のカフェイン含有水溶液からカフェインを除去するために好適に利用される。具体的には、本発明の吸着剤を、必要に応じて適度な大きさ及び形状の粉末状にし、カフェイン含有水溶液に投入することにより、カフェインを吸着することができる。
カフェイン含有水溶液におけるカフェイン濃度は、特に制限はないが、通常、0.001〜1.0質量%である。
本発明の吸着剤の投入量もまた、特に制限はないが、一般的に、カフェイン含有水溶液100質量部あたり0.001〜25質量部使用することが好ましい。
カフェインを吸着した本発明の吸着剤は、遠心分離や濾過等公知の方法により分離され、取出される。分離の方法としては、有効成分のロスが少ないという観点から、濾過が好ましい。
本発明の優れた効果を、次の実験例により説明する。
(1)窒素吸着法によるBET比表面積
マイクロメリティクス社製TriStar 3000を用いて窒素吸着法により測定を行ない、BET法により算出した。なお、前処理は150℃で2時間行った。
(2)カフェイン吸着試験
本実施例におけるカフェイン吸着能は、0.2g/L濃度のカフェイン水溶液から、1gの吸着剤(無水)が吸着できるカフェイン量(mg)とし、下記の方法により測定し、算出した。
先ず、無水カフェイン(試薬特級、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水に溶かし、0.2g/L濃度のカフェイン水溶液を得た。
この0.2g/L濃度のカフェイン水溶液30gを50ml容量の遠沈管に秤取し、吸着剤0.1g(対液0.33質量%)を加えて振とう機(ヤマト科学(株)製SA300、振とうスピード5)により2.5時間振とうした。
次に遠心分離機((株)クボタ製 5200)により遠心加速度3000rpmで20分処理した液の上澄みをイオン交換水により10倍に希釈して液(試料液)を得た。試料液の273nm波長光の吸光度を分光光度計(日本分光(株)製V−630)により測定した。そして、予め作成したカフェイン濃度と273nm波長光の吸光度の関係を示す検量線を用いて試料液のカフェイン残存量を算出し、吸着剤添加前のカフェイン量から差し引いた値を吸着剤のカフェイン吸着量とした。
(3)オレンジII吸着量
本実施例におけるオレンジII吸着能は、10mmol/L濃度のオレンジII水溶液から、1gの試料が吸着できるオレンジIIのmmol数とし、下記の方法により測定し、算出した。
先ず、オレンジII(試薬特級、和光純薬工業(株)製)を水に溶かし、10mmol/L濃度のオレンジII水溶液を得る。この10mmol/L濃度のオレンジII水溶液20mlを50ml容の遠沈管に秤取し、試験粉末0.20gを加えて振とう機(ヤマト科学(株)製SA300、振とうスピード5)により7.5時間振とうする。振とう終了後、12時間以上静置する。次に遠心分離機((株)クボタ製 5200)により遠心加速度3000rpmで15分処理した液の上澄みを0.5mL採取し、これをイオン交換水により200倍に希釈した液の484nm波長光の吸光度を分光光度計(日本分光(株)製V−630)により測定した。そして、オレンジII水溶液のオレンジII含有量と484nm波長光の吸光度の関係を示す検量線を用いて試料液のオレンジII残存量を算出した。この値を、試料へのオレンジII添加量から差し引いた値をオレンジII吸着量とする。
下記の実施例および比較例に示す吸着剤粉末について、物性およびカフェイン吸着試験結果を表1に示す。
(実施例1)
水澤化学工業(株)製シリカマグネシア製剤 ミズカライフF―1Gをシリカ・マグネシア複合粒子として使用した。
(実施例2)
水澤化学工業(株)製シリカマグネシア製剤 ミズカライフF―2Gをシリカ・マグネシア複合粒子として使用した。
(比較例1)
ダラス製ケイ酸マグネシウム MAGNESOL XLを使用した。
(比較例2)
水澤化学工業(株)製二酸化ケイ素 ミズカソーブC―1を使用した。
(比較例3)
神島化学工業(株)製軽焼酸化マグネシウム スターマグUを使用した。
(比較例4)
神島化学工業(株)製軽焼酸化マグネシウム スターマグPを使用した。
(比較例5)
水澤化学工業(株)製酸性白土 ミズカエースNo.20を使用した。
Figure 0006913456

Claims (4)

  1. シリカ粒子とマグネシア粒子とが一体複合化したシリカ・マグネシア複合粒子から成り、オレンジII吸着量で表されるアニオン吸着能が18〜74mmol/100gの範囲にあり、
    シリカ成分とマグネシア成分とを、下記式:
    R=Sm/Mm
    式中、Smは、SiO 換算でのシリカ成分の含有量(質量%)であり、
    Mmは、MgO換算でのマグネシア成分の含有量(質量%)である、
    で表される質量比(R)が0.1≦R<3.5となる割合で含有している、カフェイン吸着剤であって、
    乾燥した前記カフェイン吸着剤1gあたりのカフェイン吸着量が、39mg以上であることを特徴とするカフェイン吸着剤。
  2. カフェイン含有水溶液に請求項の吸着剤を投入してカフェインを吸着することを特徴とする、カフェイン吸着方法。
  3. 前記カフェイン含有水溶液におけるカフェイン濃度が0.001〜1.0質量%である、請求項に記載のカフェイン吸着方法。
  4. 前記吸着剤を、カフェイン含有水溶液100質量部あたり0.001〜25質量部投入する、請求項またはに記載のカフェイン吸着方法。
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