JP6910635B2 - 地下構造物の被覆工法 - Google Patents

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Description

本発明は、縦壁と、流路を形成する溝が設けられた底部とを有する地下構造物を、内側から被覆する地下構造物の被覆工法関する。
個別住居からの汚水や下水を地中の本管に排出する際、地中に埋設した地下構造物を通過させることがある。この地下構造物は、汚水桝、下水桝、排水桝、接続桝等、様々な呼ばれ方をしているが、底部には、流路を形成する溝(インバート)が設けられている。
こういった地下構造物では、長年の使用や地震等により、内部に亀裂、破損等の損傷を生じることがある。内部に亀裂、破損等の損傷が生じた地下構造物では、その地下構造物の内側をライニング部材で覆うことで補修される。また、新規に設置した地下構造物であっても、底部の表面を平滑にする必要等から、地下構造物を内側からライニング部材で覆うことが行われる場合がある。
従来、地下構造物を内側からライニング部材で覆う技術として、未硬化の樹脂が含浸された未硬化被覆部材を内側から敷設した後、地下構造物の内側の形状に合わせて加圧用膨脹体を膨らませることで、その加圧用膨脹体によって未硬化被覆部材を地下構造物の内面に押圧させながら未硬化の樹脂を硬化させる技術が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。特許文献1に記載された技術では、加圧用膨脹体を取り付けるガイド治具が用いられており、このガイド治具の平面形状を溝の形状に合わせて変えることで、溝の形状がストレートタイプでない場合にも対応しようとする点が記載されている。
特開2015−7339号公報
しかしながら、溝はいわゆる規格ものではなく、地下構造物が設置される現場の配管等の状況に合わせて、施工現場においてモルタル等で作成されることが一般的である。このため、溝の形状や大きさ等は地下構造物毎に異なり、溝が複数に分岐する場合もある等、溝の形態は様々となる。このため、特許文献1に記載された技術のようにガイド治具の変形だけでは、様々な形態の溝に対応することが難しい。
本発明は上記事情に鑑み、様々な形態の溝に対応することが容易な地下構造物の被覆工法提供することを目的とする。
上記目的を解決する本発明の地下構造物の被覆工法は、
縦壁と、流路を形成する溝が設けられた底部とを有する地下構造物を、内側から被覆する地下構造物の被覆工法であって、
溶融状態、軟化状態又は柔軟な状態で型材料を前記底部に設け、該底部の一部又は全部の形状を該型材料に型取りする型取工程と、
前記型材料を硬化させて型を形成する型形成工程と、
硬化した前記型を前記地下構造物から取り出す型取出工程と、
取り出した前記型を用いて前記底部の一部又は全部の形状に倣った形状のガイドシートを成型するガイドシート成型工程と、
前記底部の一部又は全部の形状に倣った前記ガイドシートを、該形状の位置に設置するガイドシート設置工程とを有することを特徴とする。
ここで、前記型材料は、溶融状態、軟化状態又は柔軟な状態で前記底部に配置してもよいし、該底部に配置した後、溶融状態、軟化状態又は柔軟な状態に状態変化させてもよい。また、前記型取工程と前記型形成工程は、並行して実施する工程であってもよい。さらに、前記型取工程では、前記型材料を前記底部に配置する前に、該底部に離型剤を塗布してもよいし、前記型を該底部から剥がしやすくするためのポリエチレン製のフィルムやシート等を配置してもよい。また、前記底部は、平面視円形であってもよいし矩形であってもよく、前記縦壁は、曲面であってもよいし平面であってもよい。
本発明の地下構造物の被覆工法によれば、前記底部の一部又は全部の形状を型取った型を用いて該形状に倣ったガイドシートを形成し、該ガイドシートを該形状の位置に設置することで、様々な形状や大きさの溝、さらには分岐した溝であっても容易に対応することができ、現場施工時の作業効率や出来形の向上に寄与することが可能になる。
また、本発明の地下構造物の被覆工法において、
前記型材料が、水再活性接着剤を含有した合成樹脂を素材とする水再活性樹脂粉粒体からなり、
前記型取工程が、前記水再活性樹脂粉粒体を前記底部の一部又は全部を覆う状態に配置し、該水再活性樹脂粉粒体に水を付与することで溶融状態として型取りする工程であってもよい。
ここで、前記型取工程では、前記水再活性樹脂粉粒体を前記縦壁の下端よりも所定高さ上方の位置まで充填してもよいし、前記底部の一部又は全部に敷き詰めてもよい。
また、本出願における粉粒体には、ペレットやチップ等の粒体、ビーズやグラニュール等の顆粒および各種粉体を含み、その粒度は限定されるものではない。
前記型材料に前記水再活性樹脂粉粒体を用いれば、前記型取工程が、該水再活性樹脂粉粒体に水を付与することで溶融状態として型取りすることができ、作業効率をより向上させることができる。
さらに、本発明の地下構造物の被覆工法において、
前記型材料が、接着剤が付与された粉粒体からなり、
前記型取工程が、前記接着剤が溶融状態の前記粉粒体を前記底部の一部又は全部を覆う状態に設けて型取りする工程であり、
前記ガイドシート成型工程が、前記接着剤を硬化させる工程であってもよい。
ここで、前記接着剤は、水再活性接着剤であってもよいし、熱硬化型、光硬化型又は水硬化型の接着剤であってもよい。また、前記接着剤は、前記粉粒体を前記底部の一部又は全部を覆う状態に配置する前に該粉粒体にコーティングしてもよいし、該底部の一部又は全部を覆った状態で該粉粒体に付与してもよい。さらに、前記型取工程では、前記粉粒体を前記縦壁の下端よりも所定高さ上方の位置まで充填してもよいし、前記底部の一部又は全部に敷き詰めてもよい。また、前記型材料は、水再活性接着剤又は水硬化型の接着剤が付与された粉粒体からなり、前記型取工程では、該粉粒体を前記底部に配置する前に、該底部の一部又は全部に水を散布又は塗布しておいてもよい。
接着剤が付与された粉粒体を前記型材料に用いれば、該接着剤を硬化させることで前記ガイドシート成型工程が完了し、作業効率をより向上させることができる。
また、本発明の地下構造物の被覆工法において、
前記型材料が、熱可塑性樹脂を素材とする熱可塑性樹脂粉粒体からなり、
前記型取工程が、前記熱可塑性樹脂粉粒体を前記底部の一部又は全部を覆う状態に配置し、該熱可塑性樹脂粉粒体を加熱することで溶融状態として型取りする工程であってもよい。
ここで、前記型取工程は、前記樹脂粉粒体を前記底部の一部又は全部に敷き詰めてもよい。
さらに、本発明の地下構造物の被覆工法において、
前記型材料が、水再活性接着剤を含有した合成樹脂を素材とする水再活性シート材、又は水再活性接着剤を含有する合成樹脂が繊維シートに含浸された水再活性シート材からなり、
前記型取工程が、前記水再活性シート材に水を付与して軟化状態又は柔軟な状態として型取りする工程であってもよい。
ここで、前記型取工程では、前記水再活性シート材を配置する前に、前記底部の一部又は全部に水を散布又は塗布しておいてもよい。
また、本発明の地下構造物の被覆工法において、
前記型材料が、熱可塑性樹脂又は形状記憶性樹脂を素材とする熱可塑性シート材からなり、
前記型取工程が、前記熱可塑性シート材を加熱して軟化状態として型取りする工程であってもよい。
ここで、前記型材料として形状記憶性樹脂を素材とする熱可塑性シート材を用いれば、該熱可塑性シート材を前記型として使用した後、加熱して再びシート状に戻すことで前記型材料としての再利用が可能になる。
さらに、本発明の地下構造物の被覆工法において、
前記型材料が、繊維シートに水硬性樹脂が含浸された水硬性シート材からなり、
前記型取工程が、柔軟な状態の前記水硬性シート材を前記底部の一部又は全部の形状に倣うように該底部に設置して型取りする工程であり、
前記型形成工程が、前記水硬性シート材に水を付与することで前記水硬性樹脂を硬化させる工程であってもよい。
ここで、前記水硬性樹脂は、水硬性ポリウレタン樹脂であってもよい。
また、本発明の地下構造物の被覆工法において、
前記型材料が、発泡樹脂からなり、
前記型取工程が、前記発泡樹脂を前記底部の全部又は一部に吹き付けて型取りする工程であってもよい。
ここで、前記発泡樹脂は、発泡ウレタン樹脂であってもよい。
また、前記ガイドシート設置工程が、
前記底部に、未硬化の樹脂が含浸された未硬化被覆部材を内側から敷設する未硬化被覆部材敷設工程と、
前記未硬化被覆部材よりも内側に、前記底部の一部又は全部の形状に倣った前記ガイドシートを、該形状の位置に配置するガイドシート配置工程と、
前記未硬化の樹脂を硬化させる硬化工程とからなり、
前記ガイドシートを、前記硬化工程を実施することで前記未硬化の樹脂が硬化した硬化被覆部材とともに存置したまま施工完了とする地下構造物の被覆工法であってもよい。
さらに、前記型形成工程が、前記縦壁の下端よりも上方の位置から前記底部にかけての、一部又は全部の形状を前記型構成体に型取りする工程であり、
前記ガイドシート成型工程が、前記縦壁における前記位置から前記底部にかけての一部又は全部の形状に倣った形状のガイドシートを成型する工程であり、
前記未硬化被覆部材敷設工程が、前記位置から前記底部にかけて、前記未硬化被覆部材を敷設する工程であり、
前記ガイドシート配置工程が、前記未硬化被覆部材よりも内側に、前記縦壁における前記位置から前記底部にかけての一部又は全部の形状に倣った前記ガイドシートを、該形状の位置に配置する工程であってもよい。
またさらに、前記縦壁における前記下端から上方にかけての形状に倣った縦壁用ガイドシートを、前記未硬化被覆部材のうち該縦壁を覆う部分の内側に配置する縦壁用ガイドシート配置工程を有していてもよい。
本発明の地下構造物の被覆工法よれば、様々な形態の溝に対応することが容易な地下構造物の被覆工法提供することができる。
汚水桝の一例を示す図である。 図1に示す汚水桝の被覆工法の一例を示すフローチャートである。 図2に示す、型取工程から型取出工程までの様子を段階的に示す模式図である。 図3に示す型を用いてガイドシートを成型する様子を概念的に示す図である。 底部用被覆部材を示す斜視図である。 図2に示すガイドシート設置工程の前半部分の様子を示す模式図である。 図2に示すガイドシート設置工程の後半部分の様子を示す模式図である。 第1変形例における、型取工程から型取出工程までの様子を段階的に示す模式図である。 第2変形例における、型取工程から型取出工程までの様子を段階的に示す模式図である。 第3変形例における、型取工程から型取出工程までの様子を段階的に示す模式図である。 第4変形例における、型取工程から型取出工程までの様子を段階的に示す模式図である。 ガイドシート設置工程の変形例における前半部分の様子を示す模式図である。 ガイドシート設置工程の変形例における後半部分の様子を示す模式図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
まず、本発明の地下構造物の被覆工法の対象になる地下構造物について説明する。ここにいう地下構造物とは、底部に、流路を形成する溝(インバート)が設けられたものであり、汚水桝、下水桝、排水桝、接続桝等、様々な呼ばれ方をしているが、以下では、汚水桝を例に挙げて説明する。
図1は、汚水桝の一例を示す図であり、図の左側が上流になり、右側が下流になる。
図1(a)は、汚水桝の断面図である。図1(a)に示す汚水桝5は、底塊51の上に3つの側塊521〜523が積み上げられている。以下、3つの側塊のうちの、一番下の側塊を下側塊521、一番上の側塊を上側塊523、真ん中の側塊を中側塊522と区別して称する場合がある。また、上側塊523の上には、異形塊53が載置されている。さらに、異形塊53の上には縁塊54が載せられ、この縁塊54は、汚水桝5の蓋体55を支持する枠体として機能している。底塊51、3つの側塊521〜523、異形塊53、および縁塊54はいずれもコンクリート製であり、それぞれは連結されている。また、蓋体55は鋳鉄製又はコンクリート製である。さらに、3つの側塊521〜523、異形塊53、および縁塊54はいずれも筒状(円筒)であり、内周面501が形成されている。この内周面501が縦壁の一例に相当する。なお、3つの側塊521〜523、異形塊53、および縁塊54は、いずれも角桝を構成するもの(角筒)であってもよい。すなわち、縦壁は、曲面に限らず平面であってもよい。
図1(b)は、同図(a)に示す底塊を真上から見た図(平面図)である。
底塊51には、流路を形成する溝(以下、インバート511と称する)が設けられており、この底塊51が底部の一例に相当する。図1(b)では、断面形状が円弧状で、上流から下流に向けて直線状に延在したインバート511を実線で示している。インバートの断面形状はU字状であったり、また、図1(b)において一点鎖線で示すインバート511’のように、平面視において湾曲又は屈曲する部分を有する場合もあり、さらには二点鎖線で示すように分岐部5111を有する態様など様々である。なお、インバート511の上流側には排水管6が接続され、インバート511の下流側には取付管7が取り付けられている。また、分岐部5111を有する態様では、この分岐部5111の下流側にも取付管7が取り付けられる。上述したようにインバート511の形態は様々であるが、以下では、説明および図面を単純化するために、図1(b)において実線で示す、断面形状が円弧状で、平面視直線状に延在したインバート511が底塊51に設けられた態様を例に挙げて説明する。
底塊51には、図1(a)に示す下側塊521の下端521bから、インバート511の開口縁511eに向かって下方に漸次傾斜した傾斜面512が設けられている。図1(b)に示すように、傾斜面512の形状は半円状であって、円弧状の縁512rが下側塊521の下端521bに接する。
図2は、図1に示す汚水桝の被覆工法の一例を示すフローチャートである。
図2に示す汚水桝の被覆工法は、型取工程(ステップ1)、型形成工程(ステップ2)、型取出工程(ステップ3)、ガイドシート成型工程(ステップ4)およびガイドシート設置工程(ステップ5)を有している。また、ガイドシート設置工程(S5)は、未硬化被覆部材敷設工程(ステップ51)、ガイドシート配置工程(ステップ52)および硬化工程(ステップ53)からなる。
図3は、図2に示す、型取工程(S1)から型取出工程(S3)までの様子を段階的に示す模式図である。なお、図3(a)では型取工程(S1)の様子を示し、同図(b)では型形成工程(S2)の様子を示し、同図(c)では型取出工程(S3)の様子を示している。
図3(a)に示す型取工程(S1)では、プラグ等を設置して上流側の排水管6(図1参照)を止水した後、型材料としての水再活性樹脂粉粒体B1を、底塊51の内面を覆う状態に汚水桝5の底側に配置する。なお、水再活性樹脂粉粒体B1を配置する前に、汚水桝5の底側に予め離型剤を塗布しておくか、ポリエチレン製のフィルムやシート等を配置しておくと、後述する型9が剥がれやすくなるため好ましい。
本実施形態の水再活性樹脂粉粒体B1は、粒径が1mm〜数mm程度の球状のビーズであり、ポリビニルアルコール等の水再活性接着剤が配合された合成樹脂を成形したものである。水再活性接着剤は、水などの液体と接触することにより溶融し、水分が蒸発すると硬化する水系接着剤である。なお、水再活性樹脂粉粒体B1は、ビーズに限らず、ペレット、チップ又はグラニュール等でもよく、平均粒径が数十μm〜数百μm程度の粉体であってもよい。本実施形態では、この水再活性樹脂粉粒体B1を、下側塊521の下端521bよりも所定高さ上方の位置まで充填する。
次いで、ホースH等から水再活性樹脂粉粒体B1に対して水を供給し、水再活性樹脂粉粒体B1を溶融状態とする。こうすることで、下側塊521の下端521bよりも所定高さ上方の位置から底塊51にかけての形状を水再活性樹脂粉粒体B1に型取りすることができる。また、溶融した水再活性樹脂粉粒体B1が硬化する前に取出棒81を挿入しておく。
そのまま放置し、或いはファン等を用いて送風することで水再活性樹脂粉粒体B1から水分を蒸発させ、図3(b)に示すように水再活性樹脂粉粒体B1を硬化させて型9を形成する(S2)。次いで、取出棒81を引上げ、図3(c)において矢印で示すように型9を底塊51等から剥がし、汚水桝5から取り出す(S3)。これにより、下側塊521の下端521bよりも所定高さ上方の位置から底塊51にかけての形状に倣った形状の型面91を有する型9が得られる。
ここで、水再活性樹脂粉粒体B1は、ポリ塩化ビニル製等の粉粒体に水再活性接着剤をコーティングしたものであってもよい。また、ポリ塩化ビニル製等の粉粒体を汚水桝5の底側に充填した後、図3(a)の一点鎖線で示すように、水が添加された溶融状態の水再活性接着剤を粉粒体に上方からかけてもよい。水再活性接着剤を粉粒体に上方からかける態様の場合には、水の供給は不要になる。
また、水再活性樹脂粉粒体B1に代えて、水硬化性ポリウレタン樹脂等の水硬化性接着剤が配合された合成樹脂製の水硬化性樹脂粉粒体B2や、水硬化性接着剤がコーティングされた水硬化性樹脂粉粒体B2を用いてもよい。さらに、ポリ塩化ビニル製等の粉粒体を汚水桝5の底側に充填した後、溶融状態の水硬化性接着剤を粉粒体に上方からかけてもよい。水硬化性接着剤は、水などの液体と接触することにより硬化する接着剤であり、図3(b)の一点鎖線で示すようにホースH等から水を供給することで水硬化性樹脂粉粒体B2が硬化する(S2)。
図4は、図3に示す型を用いてガイドシートを成型する様子を概念的に示す図である。
図4に示すように、汚水桝から取り出した型9の型面91は、インバート511の形状に倣った形状のインバート型面91a、傾斜面512の形状に倣った形状の傾斜面型面91b、および下側塊521の下端521bよりも所定高さ上方の位置までの形状に倣った形状の下側塊型面91cを有している。
ガイドシートの成型方法は特に限定されるものではないが、例えば工場等においてハンドレイアップ法によって成型することができる。具体的には、ゲルコートを吹き付けた型面91にガラスマットを賦形させた後、熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂を刷毛やローラーで脱泡しながら所定の厚さまで積層する。その後、恒温槽等で熱硬化性樹脂を硬化させガイドシート21を成型する。
図4の矢印で示すように、型9から脱型したガイドシート21には、インバート511の形状に倣った形状のインバート部21a、傾斜面512の形状に倣った形状の傾斜面部21b、および下側塊521の下端521bよりも所定高さ上方の位置までの形状に倣った形状の下側塊部21cを有している。このように汚水桝5の底側の形状を型取りした型9を形成し、この型9を用いてガイドシート21を成型することにより、図1(b)に示す、平面視において湾曲又は屈曲する部分を有するインバート511’や、分岐部5111を有する態様など様々な形態のインバートに対応するガイドシート21を容易に得ることができる。
次に、本実施形態の地下構造物の被覆工法で用いられる被覆部材について説明する。被覆部材は、施工対象の地下構造物を内側から被覆するものであって、本実施形態では、底部用被覆部材と縦壁用被覆部材とに分かれているが、どちらの被覆部材であっても、ガラスマットにエポキシ樹脂を含浸させたものである。ガラスマットは、互いに直交するガラス繊維を編み込んだ層(ロービングクロス)と、短繊維状に裁断したガラス繊維の層(チョップドストランドマット)の2層構造からなり、厚さは0.5〜3.0mm程度である。
図5は、底部用被覆部材を示す斜視図である。
この底部用被覆部材11は、例えば型9の形状に基づきガラスマットからパーツを切り出し、これらパーツをホットメルトガンによって接着することで、型9の形状に対応した形状に一体化させたものである。この底部用被覆部材11は、ガイドシート21のインバート部21aに対応するインバート部分11a、傾斜面部21bに対応した傾斜面部分11b、および下側塊部21cに対応した下側塊部分11cを有している。また、縦壁用被覆部材15は、ガラスマットを円筒状に形成したものである。こうして用意された底部用被覆部材11および縦壁用被覆部材15に熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂を含浸させる。具体的には、主剤として熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂を用い、この主剤に、硬化剤、接着剤および脱泡剤を加え、これらを攪拌して含浸用未硬化樹脂を調整する。そして、予め準備しておいた2枚のポリエチレン製フィルムの上に、底部用被覆部材11と縦壁用被覆部材15とを別々に置き、それぞれの片面に、含浸用未硬化樹脂をヘラで刷り込む。続いて、底部用被覆部材11と縦壁用被覆部材15それぞれを裏返し、もう一方の面にも含浸用未硬化樹脂をヘラで刷り込む。その後、ポリエチレン製フィルムで、底部用被覆部材11と縦壁用被覆部材15を別々に挟み、その状態のままローラでしごき、底部用被覆部材11および縦壁用被覆部材15それぞれに含浸用未硬化樹脂をしっかりと含浸させる。これにより、未硬化底部用被覆部材11’および未硬化縦壁用被覆部材15’が得られる。
図6は、図2に示すガイドシート設置工程S5の前半部分の様子を示す模式図であり、図7は、図2に示すガイドシート設置工程S5の後半部分の様子を示す模式図である。なお、図6および図7では、未硬化底部用被覆部材11’と、この未硬化底部用被覆部材11’が硬化した硬化底部用被覆部材11’’を破線で示している。また、未硬化縦壁用被覆部材15’と、この未硬化縦壁用被覆部材15’が硬化した硬化縦壁用被覆部材15’’を一点鎖線で示している。
図6(a)に示すように、ガイドシート21の下側に未硬化底部用被覆部材11’を重ねた状態で、同図(b)に示すように、汚水桝5の底側の対応する位置に配置する。これにより、図2に示す、未硬化被覆部材敷設工程S51およびガイドシート配置工程S52が並行して実施されるが、初めに未硬化底部用被覆部材11’を汚水桝5の底側に敷設し(未硬化被覆部材敷設工程S51)、その上からガイドシート21を配置してもよい(ガイドシート配置工程S52)。なお、ガイドシート21は可撓性を有するものであり、ガイドシート21のインバート部21aと、未硬化底部用被覆部材11’のインバート部分11aは、インバート511内に押し込まれる。
続いて、図6(c)に示すように、汚水桝5内には、加圧膨脹体であるパッカー4が設置される。このパッカー4は、フレーム42と、そのフレーム42を外側から覆うゴムスリーブ43と、上側プレート44と、下側プレート45を有する。ゴムスリーブ43は、フレーム42の両端それぞれで周方向に固定されており、フレーム42とゴムスリーブ43の間に圧縮エアが供給されると、ゴムスリーブ43は、このパッカー4の径方向に膨脹する。フレーム42内には、圧縮エアを供給する圧縮エア供給管46が通っており、その圧縮エア供給管46の一端側は上側プレート44になり、他端側はフレーム42とゴムスリーブ43の間に接続している。また、フレーム42内の空間Sには、地上側から加熱エアが供給される。上側プレート44には中央開口441が設けられ、下側プレート45にも中央開口451が設けられており、これらの中央開口441,451は、空間Sにつながる開口である。
図6(c)では、既にパッカー4が汚水桝5内に設置されているが、パッカー4を汚水桝5に設置する前に、地上で、パッカー4のゴムスリーブ43に未硬化縦壁用被覆部材15’を巻き付ける。この際、未硬化縦壁用被覆部材15’の端部どうしが重なり合うようにし、未硬化縦壁用被覆部材15’の下端部分が、パッカー4の下側プレート45辺りまで達するように位置を調整する。パッカー4を汚水桝5内に降下させると、ガイドシート21の傾斜面部21bには、パッカー4の自重がかかり、ガイドシート21および未硬化底部用被覆部材11’が、インバート511の内周壁511aや傾斜面512に押し付けられる。なお、パッカー4の下側プレート45の下方に、熱伝導率が高い耐熱性のクッション材を設け、このクッション材を介してガイドシート21にパッカー4の自重がかかる態様を採用してもよい
パッカー4を汚水桝5内に設置したら、圧縮エア供給管46への圧縮エアの供給を開始する。これによりパッカー4のゴムスリーブ43は径方向に膨脹を始める。ゴムスリーブ43に巻き付けられていた未硬化縦壁用被覆部材15’は、ゴムスリーブ43の膨脹に伴い、端部どうしの重なり量が減り拡径していく。
次いで、上側プレート44の中央開口441から空間Sへの加熱エアの供給を開始する。加熱エアは、ジェットヒータ等によって地上側で加熱されたエアであって、空間Sに到達する際には40℃〜70℃程度である。供給された加熱エアによって、フレーム42が加熱される。また、供給された加熱エアは、下側プレート45の中央開口451から吹き出され、下側プレート45より下方も加熱される。
図7(d)では、パッカー4のゴムスリーブ43が十分に膨脹し、未硬化縦壁用被覆部材15’は、所定の圧力で、汚水桝5の下側塊521から上側塊523にかけての内周面501に押し付けられている。また、未硬化縦壁用被覆部材15’の下端部分が、ガイドシート21の下側塊部21cに被さっている。
このように、パッカー4に圧縮エアを供給し、フレーム42とゴムスリーブ43の間の空間の圧力を所定圧力に所定時間保つとともに、パッカー4の空間Sに加熱エアを所定時間供給し続ける。この結果、未硬化縦壁用被覆部材15’が汚水桝5の内周面501に押し付けられた状態でパッカー4内部から所定時間加熱される。また、未硬化底部用被覆部材11’は、パッカー4の自重によってインバート511の内周壁511aや傾斜面512に押し付けられた状態で、下側プレート45の中央開口451から吹き出された加熱エアによって同じく所定時間加熱される。ここでの作業が、硬化工程S53の作業の一例に相当する。
所定時間経過後、パッカー4への圧縮エアおよび加熱エアの供給を停止し、フレーム42とゴムスリーブ43の間の空間の圧力を解放することでゴムスリーブ43を縮める。そして、パッカー4を地上まで引き上げる。
図7(e)は、本実施形態の被覆工法による施工が完了した汚水桝5の断面を示す図である。
図7(e)には、未硬化底部用被覆部材11’に含浸されていた未硬化の樹脂が硬化した硬化底部用被覆部材11’’と、未硬化縦壁用被覆部材15’に含浸されていた未硬化の樹脂が硬化した硬化縦壁用被覆部材15’’が示されている。硬化底部用被覆部材11’’および硬化縦壁用被覆部材15’’は、硬化被覆部材の一例に相当する。また、ガイドシート21も示されており、このガイドシート21も存置したまま施工が完了していることがわかる。さらに、このガイドシート21は、硬化底部用被覆部材11’’と同じ材質のものであるため、施工完了後には硬化底部用被覆部材11’’と一体になる。また、汚水桝5の内面(511a,512,501)とガイドシート21の間にある未硬化底部用被覆部材11’に含浸した樹脂により、汚水桝5の内面とガイドシートを一体化させることができる。なお、この一体化を高める場合には、未硬化底部用被覆部材11’の大きさは、ガイドシート21の大きさ以上であることが好ましい。加えて、ガイドシート21は、内側となる面が平滑である。ここにいう内側となる面とは、硬化底部用被覆部材11’’側とは反対側の面であって、ここでは露出している面(被覆表面)になる。この結果、被覆表面にシワがなくなり、異物がシワに引っ掛かりインバートの詰まりの原因になってしまうことや、汚水等が滞留してしまうことも大幅に低減される。加えて、被覆表面にシワがないことによって、施工完了後の仕上がりの良さが目立つようになる。
さらに、図7(e)中の細い一点鎖線で丸く囲った箇所は、硬化縦壁用被覆部材15’’とガイドシート21の繋ぎ目であり、硬化縦壁用被覆部材15’’の下端部分とガイドシート21の下側塊部21cは重なっている。このため、繋ぎ目であっても汚水桝5の内周面501が露出してしまうことなく、確実に被覆されている。また、この重なった部分は、木の根が最も侵入しやすい、底塊51と下側塊521の境目付近であり、この付近を、硬化縦壁用被覆部材15’’の下端部分とガイドシート21の下側塊部21cの二重構造で被覆することによって、木の根の侵入を防ぐことができる。
本実施形態の地下構造物の被覆工法によれば、図1(b)に示す、湾曲又は屈曲する部分を有するインバート511’や、分岐部5111を有する態様であっても、それに対応する型を形成し、この型を用いて成型したガイドシートを設置することで施工できる。すなわち、様々な形態のインバートに容易に対応することができ、現場施工時の作業効率や出来形の向上に寄与することが可能になる。
次に、図3に示す、型取工程(S1)から型取出工程(S3)までの工程の変形例について説明する。以下に説明する変形例においては、図3に示す実施形態との相違点を中心に説明し、図3に示す実施形態における構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号を付して説明し、重複する説明は省略することがある。
図8は、第1変形例における、型取工程(S1)から型取出工程(S3)までの様子を段階的に示す模式図である。
第1変形例においては、型材料として熱可塑性樹脂を素材とする熱可塑性樹脂粉粒体B3を採用している。第1変形例の熱可塑性樹脂粉粒体B3は、粒径が1mm〜数mm程度の球状のビーズであり、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を成形することで製造される。なお、熱可塑性樹脂粉粒体B3も、ビーズに限らず、ペレット、チップ又はグラニュール等でもよく、平均粒径が数十μm〜数百μm程度の粉体であってもよい。
インバート511の内周壁511aと傾斜面512に予め離型剤を塗布した後、図8(a)に示すように、これらの内周壁511aと傾斜面512を覆うように熱可塑性樹脂粉粒体B3を敷き詰める。次いで、熱風ファンFから熱風を吹き付けることによって熱可塑性樹脂粉粒体B3を加熱し、熱可塑性樹脂粉粒体B3を溶融状態とする。こうすることで、インバート511の内周壁511aと傾斜面512の形状を熱可塑性樹脂粉粒体B3に型取りすることができる。
そのまま放置し、或いはファン等から送風して冷却し、図8(b)に示すように熱可塑性樹脂粉粒体B3を硬化させて型9を形成する(S2)。次いで、図8(c)において矢印で示すように型9を底塊51から剥がし、汚水桝5から取り出す(S3)。これにより、インバート511の内周壁511aと傾斜面512の形状に倣った形状の型面91’を有する型9’が得られる。この型9’の型面91’は、インバート型面91aと傾斜面型面91bによって構成され、図4に示す型9の下側塊型面91cは有していない。
ここで、熱可塑性樹脂粉粒体B3は、ポリ塩化ビニル製等の粉粒体に熱可塑性接着剤をコーティングしたものであってもよい。また、ポリ塩化ビニル製等の粉粒体をインバート511の内周壁511aと傾斜面512を覆うように敷き詰めた後、図8(a)の一点鎖線で示すように溶融状態の熱可塑性接着剤を粉粒体に上方からかけてもよい。熱可塑性接着剤を粉粒体に上方からかける態様の場合には、図8(a)における加熱は不要になる。
また、熱可塑性樹脂粉粒体B3に代えて、エポキシ樹脂系やアクリル樹脂系の熱硬化性接着剤がコーティングされた熱硬化性樹脂粉粒体B4を用いてもよい。さらに、ポリ塩化ビニル製等の粉粒体をインバート511の内周壁511aと傾斜面512を覆うように敷き詰めた後、図8(a)の一点鎖線で示すように溶融状態の熱硬化性接着剤を粉粒体に上方からかけてもよい。この態様の場合には、図8(b)において熱風ファンF等で加熱し、熱硬化性接着剤を硬化させることで型9が得られる。
さらにまた、熱可塑性樹脂粉粒体B3に代えて、エポキシ樹脂系やアクリル樹脂系の光硬化性接着剤がコーティングされた光硬化性樹脂粉粒体B5を用いてもよい。さらに、ポリ塩化ビニル製等の粉粒体をインバート511の内周壁511aと傾斜面512を覆うように敷き詰めた後、図8(a)の一点鎖線で示すように溶融状態の光硬化性接着剤を粉粒体に上方からかけてもよい。この態様の場合には、図8(b)において、ライトRから紫外線等を光硬化性樹脂粉粒体B5に照射し、光硬化性接着剤を硬化させることで型9が得られる。
なお、図8に示す第1変形例では、熱可塑性樹脂粉粒体B3等の型材料をインバート511の内周壁511aと傾斜面512を覆うように敷き詰めているが、さらに下側塊521の下端521bよりも所定高さ上方の位置まで熱可塑性樹脂粉粒体B3等を配置してもよい。
図9は、第2変形例における、型取工程(S1)から型取出工程(S3)までの様子を段階的に示す模式図である。
第2変形例においては、型材料としてポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂を素材とする熱可塑性樹脂シートSH1を採用している。
下側塊521の下端521bよりも所定高さ上方の位置から底塊51にかけて予め離型剤を塗布した後、図9(a)に示すように、汚水桝5の底側に熱可塑性樹脂シートSH1を配置する。ここで、熱可塑性樹脂シートSH1は、下側塊521の下端521bよりも所定高さ上方の位置までを覆うことができるような大きさのものを用いる。
そして、図9(a)の一点鎖線で示すように、熱風ファンFから熱風を吹き付けることで熱可塑性樹脂シートSH1を軟化状態とし、次いで図9(b)に示すように、押付棒82等を用いて熱可塑性樹脂シートSH1を、インバート511の内周壁511a、傾斜面512および下側塊521の下端521b側部分に押し付ける(S1)。
そのまま放置し、或いはファン等から送風することで冷却し、熱可塑性樹脂シートSH1を硬化させて型9を形成する(S2)。次いで、図9(c)において矢印で示すように型9を底塊51から剥がし、汚水桝5から取り出す(S3)。これにより、下側塊521の下端521bよりも所定高さ上方の位置から底塊51にかけての形状に倣った形状の型面91を有する型9が得られる。
ここで、熱可塑性樹脂シートSH1に代えて、形状記憶性樹脂を素材とする形状記憶性樹脂シートSH2を採用してもよい。また、ポリビニルアルコール等の水再活性接着剤が配合された合成樹脂からなる水可塑性樹脂シートSH3を用いてもよい。水可塑性樹脂シートSH3を用いる態様では、図9(a)の一点鎖線で示すように、ホースHから水可塑性樹脂シートSH3に水を供給することで軟化させ、図9(b)に示すように、押付棒82等を用いて水可塑性樹脂シートSH3を、インバート511の内周壁511a、傾斜面512および下側塊521の下端521b側部分に押し付けた後、水分を蒸発させることで水再活性接着剤を硬化させればよい。
図10は、第3変形例における、型取工程(S1)から型取出工程(S3)までの様子を段階的に示す模式図である。
第3変形例においては、型材料として、炭素、アラミド又はビニロン等からなる連続繊維シートに、水硬性ポリウレタン樹脂等の水硬性樹脂を含浸させた水硬性繊維シートSH4を採用している。
図9に示す第2変形例と同様にして、図10(a)に示すように、汚水桝5の底側に柔軟な状態の水硬性繊維シートSH4を配置する。そして、図10(b)に示すように、押付棒82等を用いて水硬性繊維シートSH4を、インバート511の内周壁511a、傾斜面512および下側塊521の下端521b側部分に押し付ける(S1)。
次いで、図10(c)に示すように、ホースHから水硬性繊維シートSH4に水を供給することで水硬性繊維シートSH4を硬化させて型9を形成する(S2)。次いで、図9(c)において矢印で示すように型9を底塊51から剥がし、汚水桝5から取り出す(S3)。
なお、汚水桝5の底側にポリエチレン製のフィルムやシートを予め設けておき、そのフィルムに水を噴霧した後に、水硬性繊維シートSH4を配置してもよい。この態様によれば、図10(b)に示す、押付棒82等を用いて水硬性繊維シートSH4を押し付けることによって、予め噴霧された水と、水硬性繊維シートSH4に含浸された水硬性樹脂が反応し硬化が進行する。
図11は、第4変形例における、型取工程(S1)から型取出工程(S3)までの様子を段階的に示す模式図である。
第4変形例においては、型材料として発泡ウレタン(ウレタンフォーム)等の発泡樹脂を採用している。
予め離型剤を塗布した後、図11(a)に示すように、底塊51から下側塊521の下端521bよりも所定高さ上方の位置まで、例えば発泡ウレタンWを吹き付けることで型取りする(S1)。そして、図11(b)に示すように、発泡ウレタンWに取出棒81を挿入して所定時間養生させ硬化させる(S2)。次いで、図11(c)において矢印で示すように取出棒81を引き上げて型9を底塊51から剥がし、汚水桝5から取り出す(S3)。これにより、下側塊521の下端521bよりも所定高さ上方の位置から底塊51にかけての形状に倣った形状の型面91を有する型9が得られる。なお、第4変形例の工程によって成形された型9では、その型面91に発泡ウレタンの気泡の穴が残ってしまう場合があるが、その場合には、例えばポリエステルパテ等を型面91に盛り付けてもよい。
次に、図6および図7に示す、ガイドシート設置工程(S5)の変形例について説明する。以下に説明する変形例においては、図6および図7に示す実施形態との相違点を中心に説明し、図6および図7に示す実施形態における構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号を付して説明し、重複する説明は省略することがある。
図12は、ガイドシート設置工程S5の変形例における前半部分の様子を示す模式図であり、図13は、ガイドシート設置工程S5の変形例における後半部分の様子を示す模式図である。
本変形例では、図8に示す第1変形例で得られた型9’によって成型したガイドシート21’を用いている。前述したように、型9’の型面91’は、図4に示す型9の下側塊型面91cを有していない。このため、型9’によって成型したガイドシート21’は、図12(a)に示すように、インバート部21aと傾斜面部21bによって構成され、図4に示すガイドシート21の下側塊部21cを有していない。一方、本変形例でも、図5に示す底部用被覆部材11に熱硬化性樹脂を含浸させた未硬化底部用被覆部材11’を用いている。ガイドシート21’の下側に重ねた未硬化底部用被覆部材11’は、その下側塊部分11cをガイドシート21’の傾斜面部21b上に折り返されている。
このようにして重ねたガイドシート21’と未硬化底部用被覆部材11’とを、図12(b)に示すように、汚水桝5の底側の対応する位置に配置する。なお、未硬化底部用被覆部材11’の折り返された下側塊部分11cは、地上から棒等を用いて下側塊521の内周面501に接触させればよい。これにより、図2に示す、未硬化被覆部材敷設工程S51およびガイドシート配置工程S52が並行して実施される。
続いて、本変形例では、縦壁用ガイドシート配置工程が実施される。図12(c)において円で囲んで示すように、縦壁用ガイドシート22は、帯状のシートの端部どうしが重なり合う状態で形成されたものであり、ガイドシート21と同じ素材で構成されている。また、縦壁用ガイドシート22には、半円状の切欠221が形成されている。この切欠221は、図1に示す排水管6や取付管7に対応する部分である。この縦壁用ガイドシート22の外周には、縦壁用ガイドシート22と略同様の形状の未硬化縦壁用下側被覆部材13’が巻回される。この未硬化縦壁用下側被覆部材13’は、未硬化縦壁用被覆部材15’と同じ素材で構成されている。
図12(c)に示すように、これら縦壁用ガイドシート22および未硬化縦壁用下側被覆部材13’を、未硬化底部用被覆部材11’における下側塊部分11cの内側に配置する。なお、縦壁用ガイドシート22と未硬化縦壁用下側被覆部材13’は、別々に配置してもよい。
続いて、汚水桝5内には、加圧膨脹体であるパッカー4が設置される。このパッカー4に巻き付けられた未硬化縦壁用被覆部材15’は、その下端部分が、配置された縦壁用ガイドシート22の上端部分と重なるように調整されている。
パッカー4を汚水桝5内に設置した後、圧縮エア供給管46への圧縮エアの供給を開始する。これにより、パッカー4のゴムスリーブ43は径方向に膨脹を始める。ゴムスリーブ43に巻き付けられていた未硬化縦壁用被覆部材15’は、ゴムスリーブ43の膨脹に伴い、端部どうしの重なり量が減り拡径していく。また、未硬化縦壁用下側被覆部材13’も縦壁用ガイドシート22も、ゴムスリーブ43の膨脹に応じて、端部どうしの重なり量が減り拡径していく。次いで、パッカー4のフレーム42内の空間Sに、上側プレート44の中央開口441から、加熱エアの供給を始める。
図13(d)では、パッカー4のゴムスリーブ43が十分に膨脹し、未硬化縦壁用被覆部材15’は、所定の圧力で、汚水桝5の中側塊522から上側塊523にかけての内周面501に押し付けられている。また、未硬化縦壁用下側被覆部材13’は、所定の圧力で、汚水桝5の下側塊521から中側塊522にかけての内周面501に押し付けられている。さらに、縦壁用ガイドシート22は、所定の圧力で、未硬化縦壁用下側被覆部材13’に押し付けられている。このような状態で所定時間が経過し未硬化の各樹脂が硬化すると、パッカー4への圧縮エアおよび加熱エアの供給を停止し、フレーム42とゴムスリーブ43の間の空間の圧力を解放することで、ゴムスリーブ43を縮める。最後に、パッカー4を地上まで引き上げて施工が完了する。
図13(e)は、本変形例の施工が完了した汚水桝5の断面を示す図である。
図13(e)中の細い実線で丸く囲った箇所は、硬化縦壁用被覆部材15’’と縦壁用ガイドシート22の繋ぎ目であり、硬化縦壁用被覆部材15’’の下端部分と縦壁用ガイドシート22の上端部分は重なっている。このため、繋ぎ目であっても汚水桝5の内周面501が露出してしまうことなく、確実に被覆されている。また、図13(e)中の細い一点鎖線で丸く囲った箇所は、硬化縦壁用下側被覆部材13’’の下端部分と硬化底部用被覆部材11’’の下側塊部分11cは重なっている。この重なった部分は、木の根が最も侵入しやすい、底塊51と下側塊521の境目付近であり、この付近を、硬化縦壁用下側被覆部材13’’の下端部分と硬化底部用被覆部材11’’の下側塊部分11cの二重構造、さらには、内側に縦壁用ガイドシート22の下端部も存在しているため三重構造で被覆することによって、木の根の侵入をより確実に止めることができる。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変更を行うことが出来る。例えば、以上説明した実施の形態では、施工対象が汚水桝であったが、底部に、流路を形成する溝が設けられた地下構造物であれば本発明を広く適用することができる。また、本発明は、既設の地下構造物の補修に限らず、新設の地下構造物にも適用することができる。さらに、上記実施の形態では、インバート型面91a、傾斜面型面91b、さらには下側塊型面91cを有する型9を得る態様を例に挙げて説明したが、インバート511の態様等によっては、複数の型に分割してもよい。また、ガイドシート21を、インバート部21aおよび傾斜面部21bと、下側塊部21cに分割してもよいし、インバート部21aと傾斜面部21bとを分割してもよい。
なお、以上説明した実施形態や各変形例の記載それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を、実施形態や他の変形例に適用してもよい。
以上説明した型は、
縦壁と、流路を形成する溝が設けられた底部とを有する地下構造物を、内側から被覆する地下構造物の被覆工法に用いられる型であって、
溶融状態、軟化状態又は柔軟な状態で型材料を前記底部に設けて該底部の一部又は全部の形状を該型材料に型取りし、該型材料を硬化させて形成されることを特徴としてもよい。
以上説明したガイドシートは、
縦壁と、流路を形成する溝が設けられた底部とを有する地下構造物を、内側から被覆する地下構造物の被覆工法に用いられるガイドシートであって、
溶融状態、軟化状態又は柔軟な状態で型材料を前記底部に設けて該底部の一部又は全部の形状を該型材料に型取りし、該型材料を硬化させて形成される型を用いて成型されることを特徴としてもよい。
11 底部用被覆部材
11’ 未硬化底部用被覆部材
11’’ 硬化底部用被覆部材
13 縦壁用下側被覆部材
13’ 未硬化縦壁用下側被覆部材
13’’ 硬化縦壁用下側被覆部材
15 縦壁用被覆部材
15’ 未硬化縦壁用被覆部材
15’’ 硬化縦壁用被覆部材
21 ガイドシート
22 縦壁用ガイドシート
4 パッカー
5 汚水桝
501 内周面
51 底塊
511 インバート
512 傾斜面
521 下側塊
521b 下端
522 中側塊
523 上側塊
6 排水管
7 取付管
9 型
91 型面
B1 水再活性樹脂粉粒体
B2 水硬化性樹脂粉粒体
B3 熱可塑性樹脂粉粒体
B4 熱硬化性樹脂粉粒体
B5 光硬化性樹脂粉粒体
SH1 熱可塑性樹脂シート
SH2 形状記憶性樹脂シート
SH3 水可塑性樹脂シート
SH4 水硬性繊維シート
W 発泡ウレタン

Claims (8)

  1. 縦壁と、流路を形成する溝が設けられた底部とを有する地下構造物を、内側から被覆する地下構造物の被覆工法であって、
    溶融状態、軟化状態又は柔軟な状態で型材料を前記底部に設け、該底部の一部又は全部の形状を該型材料に型取りする型取工程と、
    前記型材料を硬化させて型を形成する型形成工程と、
    硬化した前記型を前記地下構造物から取り出す型取出工程と、
    取り出した前記型を用いて前記底部の一部又は全部の形状に倣った形状のガイドシートを成型するガイドシート成型工程と、
    前記底部の一部又は全部の形状に倣った前記ガイドシートを、該形状の位置に設置するガイドシート設置工程とを有することを特徴とする地下構造物の被覆工法。
  2. 前記型材料が、水再活性接着剤を含有した合成樹脂を素材とする水再活性樹脂粉粒体からなり、
    前記型取工程が、前記水再活性樹脂粉粒体を前記底部の一部又は全部を覆う状態に配置し、該水再活性樹脂粉粒体に水を付与することで溶融状態として型取りする工程であることを特徴とする請求項1記載の地下構造物の被覆工法。
  3. 前記型材料が、接着剤が付与された粉粒体からなり、
    前記型取工程が、前記接着剤が未硬化の状態で前記粉粒体を前記底部の一部又は全部を覆う状態に設けて型取りする工程であり、
    前記ガイドシート成型工程が、前記接着剤を硬化させる工程であることを特徴とする請求項1記載の地下構造物の被覆工法。
  4. 前記型材料が、熱可塑性樹脂を素材とする熱可塑性樹脂粉粒体からなり、
    前記型取工程が、前記熱可塑性樹脂粉粒体を前記底部の一部又は全部を覆う状態に配置し、該熱可塑性樹脂粉粒体を加熱することで溶融状態として型取りする工程であることを特徴とする請求項1記載の地下構造物の被覆工法。
  5. 前記型材料が、水再活性接着剤を含有した合成樹脂を素材とする水再活性シート材、又は水再活性接着剤を含有する合成樹脂が繊維シートに含浸された水再活性シート材からなり、
    前記型取工程が、前記水再活性シート材に水を付与して軟化状態又は柔軟な状態として型取りする工程であることを特徴とする請求項1記載の地下構造物の被覆工法。
  6. 前記型材料が、熱可塑性樹脂又は形状記憶性樹脂を素材とする熱可塑性シート材からなり、
    前記型取工程が、前記熱可塑性シート材を加熱して軟化状態として型取りする工程であることを特徴とする請求項1記載の地下構造物の被覆工法。
  7. 前記型材料が、繊維シートに水硬性樹脂が含浸された水硬性シート材からなり、
    前記型取工程が、柔軟な状態の前記水硬性シート材を前記底部の一部又は全部の形状に倣うように該底部に設置する工程であり、
    前記型形成工程が、前記水硬性シート材に水を付与することで前記水硬性樹脂を硬化させる工程であることを特徴とする請求項1記載の地下構造物の被覆工法。
  8. 前記型材料が、発泡樹脂からなり、
    前記型取工程が、前記発泡樹脂を前記底部の全部又は一部に吹き付けて型取りする工程であることを特徴とする請求項1記載の地下構造物の被覆工法
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