JP6907475B2 - 生体情報測定装置、及び生体情報測定プログラム - Google Patents

生体情報測定装置、及び生体情報測定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、生体情報測定装置、及び生体情報測定プログラムに関する。
特許文献1には、被検部位を接触部に接触させて生体情報を測定する測定装置であって、前記被検部位から生体測定出力を取得する測定部と、前記接触部における前記被検部位の接触圧力を検出する圧力検出部と、前記生体測定出力に基づいて前記生体情報を測定すると共に、入力された音声情報に基づく処理を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記生体情報の測定を開始する旨の音声情報が入力された際、前記圧力検出部が検出する前記接触部における前記被検部位の接触圧力が予め定めた条件を満たしている場合は前記測定を開始するように制御し、当該被検部位の接触圧力が予め定めた条件を満たしていない場合は前記接触部における前記被検部位の接触圧力についての音声情報を出力するように制御する測定装置が開示されている。
特開2016−7504号公報
測定したい被検部位、例えば指先を測定装置の指定された測定位置に置いて自分自身の生体情報を測定する場合、測定する被検部位によっては測定装置の操作が困難になることがある。
本発明は、規定の位置に被検部位を配置して生体情報を測定している場合に、特定の操作を行って生体情報の測定を停止する場合と比較して、生体情報の測定停止時における測定装置の操作性を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の生体情報測定装置は、光を照射する発光手段と、光を受光する受光手段と、前記受光手段で受光した光の周波数分布を検出する検出手段と、前記検出手段で検出した周波数分布を用いて生体情報を測定している期間中に、前記検出手段で検出した周波数成分に、光が生体を照射した際に得られる特徴が含まれなくなった場合、前記生体における生体情報の測定を停止させる制御を行う制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記生体情報の測定を停止している期間中に前記発光手段から照射される光の強さの時間積によって表される光量が、前記生体情報を測定している期間中に前記発光手段から照射される光の光量より小さくなるように前記発光手段を制御すると共に、前記検出手段で検出した周波数分布に対して複数設定された予め定めた周波数の各々における周波数成分の大きさが、光が前記生体を照射した際に得られる値として予め設定した閾値以下である場合に、前記生体における生体情報の測定を停止させる制御を行う。
請求項記載の発明は、前記制御手段は、前記生体情報の測定を停止している期間中、前記発光手段の発光を停止するように前記発光手段を制御する。
請求項記載の発明は、前記生体情報の測定を停止した場合に、前記生体情報の測定を停止したことを通知する通知手段を更に備える。
請求項記載の発明は、前記制御手段は、前記発光手段から光を照射していない期間において、前記受光手段で受光した光の受光量が予め定めた受光量以下となり、且つ、前記発光手段から光を照射している期間において、前記検出手段で検出した周波数分布に前記特徴が含まれる場合に、自装置の動作状態を待機状態から前記生体における生体情報の測定を行う測定状態に切り替えるように自装置の動作状態を制御する。
請求項記載の発明は、前記検出手段は、前記発光手段から照射され、前記生体の血管を透過した光、又は前記生体の血管で反射した光に含まれる周波数領域の周波数分布を検出する。
請求項記載の生体情報測定装置は、光を照射する発光手段と、光を受光する受光手段と、前記受光手段で受光した光の周波数分布を検出する検出手段と、前記検出手段で検出した周波数分布を用いて生体情報を測定している期間中に、前記検出手段で検出した周波数成分に、光が生体を照射した際に得られる特徴が含まれなくなった場合、前記生体における生体情報の測定を停止させる制御を行う制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記検出手段で検出した周波数分布に対して予め定めた周波数を複数設定し、複数の前記予め定めた周波数の各々における周波数成分の大きさが、光が前記生体を照射した際に得られる値として予め設定した閾値以下である場合に、前記生体における生体情報の測定を停止させる制御を行う。
求項記載の生体情報測定プログラムは、コンピュータを、請求項1〜請求項の何れか1項に記載の検出手段及び制御手段として機能させる。
請求項1、請求項6、及び請求項7に記載の発明によれば、規定の位置に被検部位を配置して生体情報を測定している場合に、特定の操作を行って生体情報の測定を停止する場合と比較して、生体情報の測定停止時における測定装置の操作性を向上させることができる。
請求項記載の発明によれば、生体情報測定装置の動作状態に関わらず、発光手段から照射される光の光量を変化させない場合と比較して、消費電力を更に低減させることができる。
請求項記載の発明によれば、生体情報の測定停止を通知しない場合と比較して、生体情報測定装置による生体情報の測定状況を正確に把握することができる。
請求項記載の発明によれば、生体が配置される前に発光手段を発光させておく必要がない。
請求項記載の発明によれば、脈拍の有無に基づき生体を検出する場合と比較して、短時間で生体を検出することができる。
第1実施形態に係る生体情報測定装置の構成例を示す図である。 発光素子及び受光素子の配置例を示す図である。 生体からの反射光に対する受光強度の変化の一例を示す図である。 血管にレーザ光を照射した場合に生じるドップラーシフトの説明に供する模式図である。 血管にレーザ光を照射した場合に生じるスペックルの説明に供する模式図である。 生体で反射した光のスペクトル分布の一例を示す図である。 血流量の変化の一例を示すグラフである。 第1実施形態に係る生体情報測定装置の電気系統の要部構成例を示す図である。 第1実施形態に係る生体情報測定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 生体を透過又は反射した光のスペクトル分布と、外光のスペクトル分布の特徴に関して説明する図である。 待機モード及び測定モードにおける、発光素子の発光パターンの一例を示す図である。 発光期間における発光素子の発光状態の一例を示す図である。 発光期間における発光素子の発光状態の一例を示す図である。 待機モード及び測定モードにおける、発光素子の発光パターンの一例を示す図である。 待機モード及び測定モードにおける、発光素子の発光パターンの一例を示す図である。 第1実施形態に係る生体情報測定処理の変形例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る生体情報測定処理の変形例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る生体情報測定処理の変形例での待機モード及び測定モードにおける、発光素子の発光パターンの一例を示す図である。 第2実施形態に係る生体情報測定装置の構成例を示す図である。 生体に吸収される光の吸光量の変化の一例を示すグラフである。 第2実施形態に係る生体情報測定装置の電気系統の要部構成例を示す図である。 第2実施形態に係る生体情報測定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る生体情報測定処理での待機モード及び測定モードにおける、発光素子の発光パターンの一例を示す図である。 第3実施形態に係る生体情報測定装置の構成例を示す図である。 第3実施形態に係る生体情報測定装置の電気系統の要部構成例を示す図である。 第3実施形態に係る生体情報測定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。なお、作用又は機能が同じ働きを担う構成要素には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を省略する。
<第1実施形態>
まず、図1に、第1実施形態に係る生体情報測定装置10の構成例を示す。図1に示すように、生体情報測定装置10は、発光素子1A、受光素子3、制御部12、駆動回路14、増幅回路16、A/D変換回路18、検出部20、及び測定部22を含み、生体情報の一例である血流量を、手の指先、手首、耳たぶ等の部位において測定する。
発光素子1Aは、位相が揃った可干渉性を有するコヒーレント光、具体的にはレーザ光を照射する素子である。図1には1つの発光素子1Aしか示していないが、複数の発光素子1Aを用いてもよい。なお、発光素子1Aは面発光レーザ素子であっても、端面発光レーザ素子であってもよい。以降、「レーザ光」を単に「光」と表示する場合があり、特にレーザ光であることを強調したい場合に「レーザ光」と表記する。
駆動回路14は、後ほど説明する制御部12の指示に従って、例えば発光素子1Aを駆動する駆動電力を供給し、発光素子1Aが発光又は発光停止するように発光素子1Aを駆動する。
受光素子3は、発光素子1Aから照射された光、若しくは、太陽又は照明器具等から照射される生体情報測定装置10周辺の外光を受光し、受光した光を光の強さに応じた物理量に変換する。ここでは一例として、受光素子3は受光した光の強さに応じた電圧を出力するものとして説明するが、受光素子3は受光した光の強さに応じた電流を出力したり、抵抗値を変化させたりしてもよい。
増幅回路16は、受光素子3で受光した光の強さに応じた電圧を、A/D変換回路18の入力電圧範囲として規定される電圧レベルまで増幅する。
A/D変換回路18は、増幅回路16で増幅された電圧を入力として、当該電圧の大きさで表される、受光素子3で受光した光の強さを数値化して検出部20に出力する。
検出部20は、A/D変換回路18で数値化された光の強さの時間変化に対して、予め定められた処理時間(サンプリング時間)ごとに高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)を行い、周波数ω毎の周波数分布(スペクトル分布)を検出する。ここで、サンプリング時間は、例えば、数ms〜数百ms程度で、一例として、20msが設定されている。
制御部12は、ユーザからの各種指示を受け付けると共に、検出部20で検出されたスペクトル分布から、受光素子3で生体の血管を透過した光、又は生体の血管で反射した光を受光したか否かを判定する。受光素子3で生体の血管を透過した光、又は生体の血管で反射した光を受光したと判定した場合には、制御部12は、生体情報測定装置10の動作状態を待機モード(待機状態)から測定モード(測定状態)に移行させる。一例として、制御部12は、検出部20で検出されたスペクトル分布に基づいて血流量の測定を開始するように駆動回路14及び測定部22を制御し、生体情報測定装置10を生体情報の測定状態、すなわち測定モードに移行させる。
一方、制御部12は、生体情報測定装置10が既に測定モードになっている状態で、ユーザから測定終了指示を受け付けた場合、駆動回路14及び測定部22を制御して血流量の測定を停止させる。
また、制御部12は、生体情報測定装置10が既に測定モードになっている場合に、受光素子3で生体の血管を透過した光、又は生体の血管で反射した光を受光しなくなったと判定した際にも、ユーザから測定終了指示を受け付けることなく駆動回路14及び測定部22を制御して血流量の測定を停止する。
測定部22は、制御部12の指示に従い、検出部20で検出されたスペクトル分布に基づいて血流量を測定する。
なお、「待機モード」とは、測定モードに移行する前段階のモード又は測定モード終了後の後段階のモードであり、測定モードと比較し、発光素子1Aから照射される光量が低下した状態や生体情報測定装置10の一部の機能が動作していない状態等をいう。また、待機モードには、測定モードに移行するために生体情報を検知する準備的測定状態も含まれる。一方、「測定モード」とは、生体情報の測定を行うモードであり、ユーザに結果を通知するための測定を行うモードである。測定モードには、測定モードに移行するための準備的な測定状態は含まれない。
次に、生体情報測定装置10での血流量の測定原理について説明する。生体情報測定装置10は、生体の血管を透過した光、又は生体の血管で反射した光を利用して生体情報の測定を行う。血管を透過した光を利用して生体情報を測定する場合は、発光素子1Aと受光素子3とを指先等の生体を挟んで対向させて配置させる。一方、血管で反射した光を利用して測定する場合は、発光素子1Aと受光素子3を生体の面に沿って並べて配置する。生体の血管を透過した光、又は生体の血管で反射した光の何れを用いても同じ原理で血管を流れる血液の血流量を測定することができる。したがって、以降では一例として、生体の血管で反射した光を用いて血流量を測定する場合について説明する。
図2は、生体情報測定装置10における発光素子1A及び受光素子3の配置例を示す図である。生体の血管で反射した光(反射光)を用いて血流量を測定する場合、発光素子1A及び受光素子3は、生体8の面に沿って並べて配置される。この場合、受光素子3は、生体8の血管6で反射された発光素子1Aの光を受光する。
図3は、受光素子3で受光した発光素子1Aの反射光の強さを示すグラフ80の一例である。なお、図3のグラフ80の横軸は時間の経過を表し、縦軸は受光素子3の出力、すなわち受光素子3で受光した光の強さ(受光強度)を表している。
図3に示すように、受光素子3の受光強度は時間の経過に伴って変化するが、これは血管6を含む生体8への光の照射に対して現われる3つの光学現象の影響を受けるためであると考えられる。
1つ目の光学現象として、脈動によって、測定している血管6内に存在する血液量が変化することによる光の吸収の変化が考えられる。血液には、例えば赤血球等の血球細胞が含まれ、毛細血管等の血管6内を移動するため、血液量が変化することによって血管内を移動する血球細胞の数も変化し、受光素子3での受光強度に影響を与えることがある。
2つ目の光学現象として、ドップラーシフトによる影響が考えられる。
図4に示すように、例えばレーザ光のような周波数ω0のコヒーレント光40を発光素子1Aから血管6を含む領域に照射した場合、血管6を移動する血球細胞で散乱した散乱光42は、血球細胞の移動速度により決まる差周波Δω0を有するドップラーシフトを生じることになる。一方、血球細胞等の移動体を含まない皮膚等の組織(静止組織)で散乱した散乱光42の周波数は、照射したレーザ光の周波数と同じ周波数ω0を維持する。したがって、血管6で散乱したレーザ光の周波数ω0+Δω0と、静止組織で散乱したレーザ光の周波数ω0とが互いに干渉し、差周波Δω0を有するビート信号が受光素子3で観測され、受光素子3の受光強度が時間の経過に伴って変化する。なお、受光素子3で観測されるビート信号の差周波Δω0は血球細胞の移動速度に依存するが、約数十kHzを上限とした範囲に含まれる。
また、3つ目の光学現象として、スペックルによる影響が考えられる。
図5に示すように、レーザ光のようなコヒーレント光40を、発光素子1Aから血管6を矢印44の方向に移動する赤血球等の血球細胞7に照射した場合、血球細胞7にぶつかったレーザ光は様々な方向に散乱する。散乱光は位相が異なるためにランダムに干渉し合う。これによりランダムな斑点模様の光強度分布を生じる。このようにして形成される光強度の分布パターンは「スペックルパターン」と呼ばれる。
そして、既に説明したように、血球細胞7は血管を移動するため、血球細胞7における光の散乱状態が変化し、スペックルパターンが時間の経過と共に変動する。したがって、受光素子3の受光強度が時間の経過に伴って変化する。
このように、時間経過に伴って変動する受光素子3の受光強度が得られた場合、予め定めた単位時間T0の範囲に含まれるデータを切り出し、当該データに対して、例えばFFT処理を実行することで、周波数ω毎のスペクトル分布が得られる。図6に、血管6で反射した単位時間T0における周波数ω毎のスペクトル分布82の一例を示す。なお、図6のスペクトル分布82の横軸は周波数ωを表し、縦軸は各周波数ωに対する周波数成分の大きさ、すなわちスペクトル強度を表す。血管6で反射した光のスペクトル分布82は0Hz〜約数十kHz、具体的には、0Hz〜約20kHzの範囲に亘って現われる。
ここで、血液量はスペクトル分布82と、周波数座標軸と、スペクトル強度座標軸とで囲まれた斜線領域84で表される面積を全光量で規格化した値に比例する。また、生体情報の一例である血管6を流れる血液の速度(血流速度)は、スペクトル分布82の周波数平均値に比例するため、周波数ωと周波数ωにおけるスペクトル強度の積を周波数ωについて積分した値を斜線領域84の面積で除算した値に比例する。
一方、血流量は、血液量と血流速度の積で表わされるため、測定した血液量及び血流速度から算出することができる。
図7は、このようにして測定した単位時間T0あたりの血流量の変化を示すグラフ86の一例である。なお、図7のグラフ86の横軸は時間を表し、縦軸は血流量を表す。
図7に示すように、血流量は時間と共に変動するが、その変動の傾向は2つの種類に分類される。例えば図7の区間Tにおける血流量の変動幅88に比べて、区間Tにおける血流量の変動幅90の方が大きい。これは、区間Tにおける血流量の変化が主に脈の動きに伴う血流量の変化であるのに対して、区間Tにおける血流量の変化は、例えばうっ血等の原因に伴う血流量の変化を示しているためであると考えられる。
次に、図8を参照して、第1実施形態に係る生体情報測定装置10の電気系統の要部構成について説明する。以降では、本発明に係る生体情報測定装置10を、例えばスマートフォン等の携帯端末に組み込む場合を想定して説明する。しかし、これは一例であり、生体情報測定装置10を携帯端末以外の他の装置に組み込んでもよいし、また、単独の装置として構成してもよいことは言うまでもない。
図8に示すように、第1実施形態に係る生体情報測定装置10は、受光素子3で受光した光のスペクトル分布を検出する検出手段、血流量を測定する測定手段、並びに、発光素子1Aを駆動する駆動回路14、検出手段、及び測定手段を制御する制御手段の一例としてのCPU(Central Processing Unit)30を備える。また、生体情報測定装置10は、各種プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)31、及びCPU30による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)32を備える。
CPU30、ROM31、及びRAM32は、生体情報測定装置10の内部バス38で互いに接続され、更に、内部バス38には、駆動回路14、受光素子3、増幅回路16、A/D変換回路18、振動素子33、表示装置34、入力装置35、スピーカー36、及び通信装置37が各々接続される。また、駆動回路14には発光素子1Aが接続される。
このうち振動素子33は、例えば血流量の測定開始や測定終了の通知といった、生体情報の測定に関する情報を振動でユーザに通知する素子であり、例えば振動モータ等が用いられる。スマートフォンに生体情報測定装置10を組み込む場合、生体情報測定装置10は、スマートフォンのバイブレータを振動素子33として共用することができる。
表示装置34は、例えば血流量の測定開始や測定終了の通知、或いは測定した血流量といった、生体情報の測定に関する情報を視覚的にユーザに通知する装置であり、例えば液晶ディスプレイや有機EL等が用いられる。スマートフォンに生体情報測定装置10を組み込む場合、生体情報測定装置10は、スマートフォンの表示パネルを表示装置34として共用することができる。また、表示装置34を、LED等の発光素子で構成し、点灯させるLEDの数、形状、色等を変えることでユーザに通知するようにしてもよい。
入力装置35は、ユーザから生体情報測定装置10への指示を受け付ける装置であり、例えばボタン及びタッチパネル等が用いられる。また、ユーザからの音声による指示を電気信号に変換するマイクも入力装置35の一例である。スマートフォンに生体情報測定装置10を組み込む場合、生体情報測定装置10は、スマートフォンの表示パネルに組み込まれたタッチパネル、ボタン、及びマイク等を入力装置35として共用することができる。
スピーカー36は、例えば血流量の測定開始や測定終了の通知、或いは測定した血流量といった、生体情報の測定に関する情報を音声でユーザに通知する装置であり、例えばヘッドフォンやイヤホン等のスピーカー36を組み込んだ音響装置もスピーカー36の一例である。スマートフォンに生体情報測定装置10を組み込む場合、生体情報測定装置10は、例えばスマートフォンに内蔵されたスピーカー36を共用することができる。
通信装置37は、インターネット等のネットワークに接続された他の装置とデータを送受信するための通信プロトコルを備えた装置であり、例えば測定した血流量を他の装置に送信したり、他の装置から生体情報測定装置10のプログラムを受信したりする。スマートフォンに生体情報測定装置10を組み込む場合、生体情報測定装置10は、例えばスマートフォンに内蔵された通信装置37を共用することができる。なお、通信装置37は有線でネットワークに接続する形態、又は無線でネットワークに接続する形態の何れであってもよい。
なお、CPU30には、指定した時点からの経過時間を計測するタイマが内蔵されている。
次に、生体情報測定装置10の作用について説明する。図9は、生体情報測定装置10が内蔵されたスマートフォンの電源がオンされた場合に、CPU30によって実行される生体情報測定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
生体情報測定処理を規定するプログラム(生体情報測定プログラム)は、例えばROM31に予めインストールされている。なお、生体情報測定プログラムの開始時点において、発光素子1Aは光を照射していない発光停止状態になっている。
まず、ステップS10において、CPU30は、ユーザから血流量の測定開始指示を受け付けたか否かを判定する。血流量の測定開始指示は、例えばユーザが、タッチパネルが重ね合わされた表示装置34に表示される、血流量を開始するためのボタン(測定開始ボタン)を押下することによってCPU30に通知される。なお、血流量の測定開始指示はこれに限らず、ユーザによる血流量測定用のソフトウエアの起動指示を測定開始指示とよい。また、例えばユーザが音声で指示するようにしてもよい。
ユーザからの測定開始指示がない場合はステップS10の処理を繰り返し実行して、測定開始指示を待つ。一方、測定開始指示を受け付けた場合にはステップS20に移行する。
ステップS20において、CPU30は、CPU30に内蔵されるタイマを起動する。
ステップS30において、CPU30は、発光素子1Aが光量Q1で発光するように駆動回路14を制御する。ここで、「光量」とは、発光素子1Aのような光源が空間へ放射する光の強さ(光束)の時間積によって表される物理量であり、単位は[lm・s]となる。したがって、予め定めた光の強さで発光素子1Aを発光させる場合であっても、発光期間が長くなるほど、発光素子1Aの光量は大きくなる。
なお、光量Q1は、この後に説明するステップS40で、生体8を検出するために必要なスペクトル分布82が検出できる程度の光量に設定される。具体的な光量Q1の値は、生体情報測定装置10の実機による実験や生体情報測定装置10の設計仕様に基づくコンピュータシミュレーション等により決定される。
ステップS40において、CPU30は、A/D変換回路18で数値化された光の強さの時間変化に対してFFT処理を行い、複数の周波数ωに対応するスペクトル強度をスペクトル分布82として検出する。そして、CPU30は、予め定めた周波数(基準周波数)におけるスペクトル強度が、発光素子1Aの光が生体8に照射された際に得られる値として予め設定した閾値より大きいか否かを判定する。なお、複数の周波数ωに対応するスペクトル強度を検出せずに、1つの基準周波数におけるスペクトル強度のみを検出してもよい。
基準周波数におけるスペクトル強度が閾値以下の場合、すなわち、発光素子1Aの発光面と対向する位置(測定位置)で生体8を検出できない場合には、ステップS50に移行する。一方、基準周波数におけるスペクトル強度が閾値より大きい場合、すなわち、測定位置で生体8を検出した場合には、ステップS60に移行する。
ここで、図10を参照して、生体8の検出に用いるスペクトル強度の閾値について説明する。既に説明したように、生体8で反射した発光素子1Aの光のスペクトル分布82は0Hz〜約20kHzに亘って現われるが、生体8で反射した発光素子1Aの光の場合、0Hz〜約20kHzの範囲における各周波数に対して、スペクトル強度がこれ以下には低下しないという最低スペクトル強度が存在する。
したがって、特定の周波数ω1を基準周波数として設定すると共に、基準周波数ω1における最低スペクトル強度を閾値H1に設定することで、基準周波数ω1におけるスペクトル強度が閾値H1より大きければ、測定位置に生体8が置かれていると判定することができる。
なお、基準周波数ω1は、0Hz〜約20kHzの範囲であれば何れの周波数に設定してもよい。
しかし、照明器具等の外光が受光素子3で受光される場合、外光のスペクトル分布83を考慮して基準周波数ω1を設定することが好ましい。基準周波数ω1を外光におけるスペクトル強度が強い周波数帯域に設定した場合、閾値H1と外光の強度との関係によっては、生体8が存在しないにもかかわらず、生体8が置かれていると誤判定しうるためである。したがって、基準周波数ω1は、外光の影響を受けやすい周波数、具体的には白熱灯等が発する商用周波数の2倍の周波数である約100Hz及び約120Hzの周波数を避けるように設定することが好ましい。更に言えば、約150Hz〜約20kHzの範囲に基準周波数ω1を設定することがより好ましい。
なお、基準周波数ω1における閾値H1は、ステップS30で発光させた発光素子1Aの光の強さによっても変化するため、生体情報測定装置10の実機による実験や生体情報測定装置10の設計仕様に基づくコンピュータシミュレーション等により決定され、例えばROM31に予め記憶される。
ステップS40では、予め設定した基準周波数ω1のスペクトル強度が閾値H1より大きい場合に生体8を検出したと判断するが、生体8の検出方法はこれに限られない。
例えば、図6に示したスペクトル分布82と、周波数座標軸と、スペクトル強度座標軸とで囲まれた斜線領域84の面積が予め定めた大きさ以上である場合に、生体8を検出したと判断してもよいし、周波数が異なる複数の基準周波数を設定し、各々の基準周波数のスペクトル強度が各々の基準周波数にそれぞれ設定した閾値より大きい場合に、生体8を検出したと判定してもよい。この際、各々の基準周波数に設定した閾値を同じ値に設定してもよい。
また、基準周波数におけるスペクトル強度を複数回測定し、スペクトル強度が閾値を複数回連続して越えた場合に生体8を検出したと判定してもよい。更には、周波数が異なる複数の基準周波数を設定し、各々の基準周波数のスペクトル強度の平均値が閾値より大きい場合に、生体8を検出したと判定してもよい。
生体情報測定装置10が内蔵されたスマートフォン等の携帯端末の向きがユーザの動作等に伴い変動する場合、受光素子3が受光する光量が変動し、その変動に対応した特定の周波数におけるスペクトルが強く検知され、誤検知につながる場合がある。よって、複数の基準周波数におけるスペクトル強度を対応する各々の閾値と比較したり、スペクトル強度を複数回測定したりすることで、1つの基準周波数ω1を用いた1回の測定におけるスペクトル強度を閾値H1と比べる場合と比較して、生体8の検出精度が向上する。
ステップS40の判定処理で生体8を検出できない場合の移行先であるステップS50において、CPU30は、ステップS20で起動したタイマの経過時間が時間Ta以上になったか否かを判定する。時間Taは、ステップS40における生体8の検出期間を規定する値であり、タイマの経過時間が時間Ta未満である場合にはステップS40に移行し、生体8を検出したか否かを判定する処理を繰り返す。
一方、タイマの経過時間が時間Ta以上である場合にはステップS90に移行して、生体8の検出を中止する。
このように時間Taは、ステップS40で生体8が検出されない場合に、いつまでもステップS40を実行して処理が進まなくなる状況を避ける役割を有する。
また、ステップS40の判定処理で生体8を検出した場合の移行先であるステップS60において、CPU30は、発光素子1Aが光量Q2で発光するように駆動回路14を制御する。ここで、光量Q2は、ステップS30で発光させた発光素子1Aの光量Q1より大きい光量である。
なお、光量Q1及びQ2は、いずれも血管6で反射した光のスペクトル分布82が得られる光量に設定される。具体的な光量Q1及びQ2の値は、生体情報測定装置10の実機による実験や生体情報測定装置10の設計仕様に基づくコンピュータシミュレーション等により決定される。
ステップS70において、CPU30は、発光素子1Aの光量を光量Q2とした状態で、A/D変換回路18で数値化された光の強さの時間変化に対してFFT処理を行い、周波数ω毎のスペクトル分布82を検出する。CPU30は、検出したスペクトル分布82を用いて、既に説明した方法に従って血液量及び血流速度を算出した後、血液量と血流速度との積を血流量として測定し、測定結果を例えばRAM32に記憶する。
この場合、CPU30は、血流量の測定結果を数値、グラフ、または文字等の、ユーザが測定結果を認識可能な表示方法で表示装置34に表示するようにしてもよい。また、CPU30は、血流量の測定結果を通信装置37を介してネットワークに接続される他の装置に送信し、当該他の装置で記憶及び表示を行うようにしてもよい。
ステップS80において、CPU30は、ステップS40と同じ処理を行い、基準周波数ω1と閾値H1との比較結果に基づいて、生体8を検出したか否かを判定する。なお、ステップS80では、ステップS40で用いた基準周波数ω1及び閾値H1と異なる基準周波数及び閾値を用いて、生体8を検出したか否かを判定するようにしてもよい。
ステップS80で生体8を再度検出する理由は、ステップS70で生体情報測定装置10が血流量の測定を開始した測定モードになっている状況で、ユーザが測定位置から指等の生体8を離した場合、血流量が正しく測定できない場合があるためである。
したがって、ステップS80の判定処理で生体8が検出できない場合は、ステップS50の判定処理でタイマの経過時間が時間Ta以上となった場合と同じく、ステップS90に移行する。なお、ステップS80の判定処理は、ステップS70における測定結果を利用してステップS70と同時に行われてもよい。すなわち、ステップS70における基準周波数ω1と閾値H1との比較結果に基づいて、ユーザの指等が測定位置から離れているか否かを判定してもよい。
ステップS90において、CPU30は、例えば表示装置34に「生体が検出できません」等のメッセージを表示し、ユーザに測定位置から生体8が離れてしまっていることを通知する。なお、当該通知は、表示装置34への表示に限られず、例えばスピーカー36から音声を出力したり、振動素子33を振動させたりすることでユーザに通知してもよい。
そして、ステップS90の後、ステップS110において、CPU30は発光素子1Aでの発光を停止させるように駆動回路14を制御し、血流量の測定を停止する。
一方、ステップS80の判定処理で生体8が検出される場合には、ステップS100に移行する。
ステップS100において、測定を終了するか否かを判定する。例えば、CPU30は、ユーザから血流量の測定を終了する測定終了指示を受け付けたか否かを判定する。血流量の測定終了指示は、例えばユーザが、タッチパネルが重ね合わされた表示装置34に表示される、血流量の測定を停止するためのボタン(測定終了ボタン)を押下することによってCPU30に通知される。なお、血流量の測定終了指示はこれに限らず、例えばユーザが音声で指示するようにしてもよい。また、予め定めた測定時間が経過した場合や測定に必要な情報の取得が完了した場合に、測定を終了させてもよい。
ステップS100の判定処理が否定判定、例えばユーザから測定終了指示を受け付けていない場合にはステップS70に移行し、ステップS70、S80、及びS100を繰り返し実行することで、ユーザから測定終了指示を受け付けるか、又は測定位置で生体8が検出されなくなるまで血流量の測定を継続する。
一方、ステップS100の判定処理が肯定判定、すなわち、ユーザから測定終了指示を受け付けた場合等にはステップS110に移行する。
そして、ステップS110において、CPU30は、発光素子1Aでの発光を停止させるように駆動回路14を制御し、血流量の測定を停止する。
図11は、図9に示した生体情報測定処理を実行した場合の発光素子1Aの発光状態の一例を示す図である。
図11に示すように、生体情報測定装置10は、時間t0〜t5未満の期間で表される待機モードにおいて、例えば発光素子1Aを20msの期間だけ光束Laで発光した後、次の180msの期間は発光を停止するといった200ms周期の発光パターンで発光素子1Aを駆動することで、発光素子1Aから照射される光量を光量Q1にする。ここで、例えば脈拍等に基づき生体8の有無を判定しようとすると、通常、数拍分の時間(数秒)を要する。しかし、本実施の形態では、基準周波数ω1におけるスペクトル強度と閾値H1との比較により生体8の有無を判定するため、スペクトル強度の検出に必要な時間、例えば、数ms〜数百ms程度の期間だけ発光素子1Aを発光させれば生体の有無が判定される。
なお、待機モードにおける発光素子1Aの発光パターンはこれに限られない。例えば、待機モードにおける発光素子1Aの発光期間は、検出部20におけるFFT処理の処理時間に合わせて設定すればよい。
一方、生体情報測定装置10は、時間t5〜t6の期間で表される測定モードにおいては、図9のステップS110で発光素子1Aの発光を停止するまで、発光素子1Aから照射される光量を光量Q2にする。
なお、発光素子1Aを発光するとは、図12Aに示すように、発光期間の全期間に亘り、予め定めた光束(例えば、光束La)で光を照射し続ける場合の他、図12Bに示すように、予め定めた光束(例えば、光束La)で光の照射及び照射停止を繰り返すような状態も含まれる。血管6で反射した光のスペクトル分布82の上限周波数が約20kHzであることから、発光期間において光の照射及び照射停止を繰り返す場合、上限周波数の2倍、すなわち約40kHzで発光素子1Aを発光させれば、スペクトル分布82が得られることになる。
図11では、発光素子1Aの発光期間の長さを制御して、測定モードにおける光量が待機モードにおける光量より大きくなるように、発光素子1Aから照射される光量の大きさを制御する例を示した。しかし、生体情報測定装置10は、例えば発光素子1Aから照射される光束を変化させるように制御することで、発光素子1Aから照射される光量の大きさを制御するようにしてもよい。
例えば、図13に示すように、生体情報測定装置10は、待機モードでは、発光素子1Aから照射される光束が光束Laより小さい光束Lbとなるように発光素子1Aを発光し、測定モードでは、発光素子1Aから照射される光束が光束Laとなるように発光素子1Aを発光するようにしてもよい。
また、生体情報測定装置10は、発光素子1Aの発光期間、及び発光素子1Aから照射される光束を変化させることで、発光素子1Aから照射される光量の大きさを制御するようにしてもよい。
生体情報測定装置10がスマートフォンに組み込まれている状況において、測定開始ボタンが表示されるディスプレイ等の表示装置34が位置する面(表面)と、発光素子1A及び受光素子3が位置する面(裏面)とが異なる場合、ユーザは、測定開始ボタンを押下した後、例えばスマートフォンを裏返して測定位置に指等の生体8を置くことになる。
この際、測定開始ボタンが押下された後の待機モードにおける光量Q1は、生体8を検出して血流量の測定を開始する測定モードにおける光量Q2より小さいため、待機モードで用いる光量Q1を測定モードで用いる光量Q2と同じにする場合と比較して、ユーザが測定位置に指を置こうとしてスマートフォンを裏返す際に、意図せずユーザの身体に向かって発光素子1Aから照射される光量を低減することができる。
なお、発光素子1Aから照射される光量はユーザの身体に影響のない範囲内に抑えられるため、ユーザの身体に発光素子1Aの光が照射されても特に問題はないが、身体に光が照射されることによってストレスを感じるユーザが存在することが考えられる。
したがって、待機モードにおける光量を測定モードにおける光量より小さくして、意図せずユーザに照射される光量を低減することにより、身体に光が照射されることによって発生するユーザのストレスを低減する。また、意図せずユーザの身体に向かって発光素子1Aから照射されないような状況であるか否かにかかわらず、待機モードにおける光量を測定モードにおける光量より小さくすることにより、待機モードにおける光量を小さくしない場合と比較して待機モードにおける消費電力が低減される。
また、図9に示した生体情報測定処理では、ステップS80で生体8が検出されなかった場合、発光素子1Aの発光を停止して血流量の測定を停止するようにしたが、ステップS80で生体8が検出されなかった後の処理はこれに限られない。
例えば、ステップS90でユーザに測定位置から生体8が離れてしまっていることを通知した後、ステップS20に移行して、再び待機モードに戻るようにしてもよい。この場合、測定位置に生体8が置かれると、測定モードに移行して再び血流量の測定が行われる。したがって、ユーザの体が意図せず動いてしまい、一時的に測定位置から生体8が離れてしまった場合であっても、ユーザが測定開始ボタンを押下することなく再び血流量が測定される。
なお、生体情報測定装置10は、生体情報測定装置10が待機モードであるのか、それとも測定モードであるのかをユーザに通知するため、表示装置34に表示される内容をモード毎に変えるようにしてもよい。
例えば、生体情報測定装置10は、待機モードの場合には表示装置34に何も表示せず、測定モードに移行して血流量を測定し始めた場合、測定を開始したことをユーザに通知する表示を行うと共に、血流量の測定結果を数値、グラフ、または文字等の、ユーザが測定結果を認識可能な表示方法を用いて表示装置34に表示する。
また、生体情報測定装置10は、待機モードの場合には表示装置34への電源供給を停止しておき、測定モードに移行する際に、表示装置34への電源供給を開始して表示装置34に情報を表示するようにしてもよい。この場合においても、生体情報測定装置10が測定モードに移行すると表示装置34に何らかの情報が表示されるため、ユーザは生体情報測定装置10が待機モードになっているのか測定モードになっているのかを知ることができる。更に、モードによらず生体情報測定装置10に含まれる装置等に電源を常時供給する場合と比較して、生体情報測定装置10での電力消費を抑制することができる。
なお、生体情報測定装置10において「測定を停止する」とは、測定モードから待機モード等の他のモード(他の状態)に移行することをいい、例えば、生体情報の測定を行わないようにする場合はもちろんのこと、生体情報の測定自体は継続するが、上述したように表示装置34に表示する内容、或いは、生体情報測定装置10における電源の供給状態を測定モードとは異なるようにすることを指す。
このように第1実施形態に係る生体情報測定装置10は、生体8で反射した光、又は、生体8を透過した光のスペクトル分布82を用いて、生体情報測定装置10の測定位置に生体8が置かれたことを検出すると待機モードから測定モードに移行する。したがって、生体情報測定装置10の測定位置に生体8を置いてから、ボタン等を押下して生体情報の測定を開始する場合と比較して、生体情報の測定開始時における操作性が向上する。
なお、第1実施形態に係る生体情報測定装置10に含まれる各機能部を異なる装置に分散させ、それぞれの機能部をネットワークで接続することにより、生体情報測定装置10を構成するようにしてもよい。例えば、測定部22をネットワーク上の他の装置に配置し、生体情報測定装置10は、検出部20で検出したスペクトル分布82を、通信装置37を介して他の装置に配置された測定部22に送信し、測定部22で測定された生体情報の測定結果を受信してユーザに通知するようにしてもよい。
(第1実施形態の変形例1)
上述した生体情報測定装置10では、待機モードにおける光量Q1を測定モードにおける光量Q2より小さくしたが、測定モードにおける光量Q2は、ユーザの身体に影響のない範囲内に抑えられている。したがって、図14に示すように、生体情報測定装置10は、待機モード及び測定モードにおける光束を共に光束Laとし、待機モード及び測定モードにおける単位時間あたりの光量が同じになるように発光素子1Aを駆動するようにしてもよい。
図15は、生体情報測定装置10が内蔵されたスマートフォンの電源がオンされた場合に、CPU30によって実行される生体情報測定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図15に示す生体情報測定処理が図9に示した生体情報測定処理と異なる点は、ステップS30がステップS30Aに、ステップS60がステップS60Aにそれぞれ置き換えられ、ステップS25及びステップS120が新たに追加された点である。
ステップS25において、CPUは、例えば表示装置34に「生体を検出中です」等のメッセージを表示し、ユーザに指等の生体8を測定位置に置くように通知する。
ステップS30Aにおいて、CPU30は、発光素子1Aが測定モードにおける光量と同じ光量Q2で発光するように駆動回路14を制御する。
そして、ステップS40で生体8を検出した場合、ステップS60Aにおいて、CPU30は、血流量を測定中であることを示す情報をユーザに通知する。例えば表示装置34に「血流量を測定中です」等のメッセージを表示し、ユーザに生体情報を測定していることを通知する。
測定モードにおいて測定終了指示を受け付けた場合、又は、生体8が検出されなくなった場合には、ステップS120において、CPU30は、測定終了を示す情報をユーザに通知する。例えば表示装置34に「血流量の測定を終わります」等のメッセージを表示し、ユーザに生体情報の測定を停止したことを通知する。なお、予め定めた時間が経過した場合や測定に必要な情報の取得が完了した場合に、測定終了を示す情報をユーザに通知してもよい。
このように、図15に示した生体情報測定処理によって、待機モード及び測定モードにおける単位時間あたりの光量が、共に光量Q2に設定される。なお、本変形例1の場合、ステップS30AおよびステップS40は、測定モードに移行するための準備的な生体情報の測定状態であり、待機モードに該当する。
なお、本変形例1の場合、発光素子1Aから照射されるモード毎の光量に変化がないため、ユーザは、発光素子1Aの発光状況から生体情報測定装置10が何れのモードになっているのかを把握しにくい。したがって、図15におけるステップS25、ステップS60A、及びステップS120のユーザへの通知処理は必ずしも必要な処理ではないが、これらの各ステップでユーザに生体情報測定装置10の動作状況を通知することで、生体情報測定装置10が正常に動作しているという安心感をユーザに与えられることになる。
なお、ステップS25、ステップS60A、及びステップS120におけるユーザへの情報の通知方法は、表示装置34への表示に限られず、例えばスピーカー36から音声を出力したり、振動素子33を振動させたりすることでユーザに通知してもよい。
(第1実施形態の変形例2)
第1実施形態では、ユーザによる測定開始の指示に基づき、発光素子1Aを発光させる実施形態について説明した。本変形例2では、ユーザによる測定開始の指示および外光の状態の両方に基づいて発光素子1Aを発光させる実施形態について説明する。
ここで、生体情報測定装置10は、生体に接触させた状態、すなわち、外光が受光素子3に入りにくい状態で測定を行う構成のため、発光素子1Aの発光を停止した状態では、受光素子3が受光する受光量は非常に小さくなる。よって、発光素子1Aの発光を停止した状態で受光素子3が受光する受光量が大きい場合は、生体が接触していないと判断できる。
一方、発光素子1Aの発光を停止した状態での受光素子3の受光量のみで生体の有無を検知しようとすると、例えば生体8以外の物体が測定位置に置かれたり、測定位置に何も置かれていない状態で部屋の照明が消されたりすると、生体8が置かれていると誤検知することとなる。
そこで、本変形例2では、ユーザによる測定開始の指示があり、かつ発光素子1Aの発光を停止した状態での受光素子3の受光量が予め定めた受光量より小さい場合に、生体が置かれた可能性があると判断し、測定モードに移行するための準備的な発光をさせる。そして、準備的な発光によって検出されたスペクトル強度が実際に生体を示す強度であった場合に測定モードに移行するようにしている。すなわち、ユーザによる測定開始の指示があったとしても、発光素子1Aの発光を停止した状態で受光素子3が受光する受光量が大きい場合は、測定モードに移行するための準備的な発光をさせない。
図16は、生体情報測定装置10が内蔵されたスマートフォンの電源がオンされた場合に、CPU30によって実行される生体情報測定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図16に示す生体情報測定処理が図9に示した生体情報測定処理と異なる点は、ステップS12〜S18が追加された点である。
ステップS10で測定開始指示を受け付けた後、ステップS12において、CPU30は、CPU30に内蔵されるタイマを起動する。
ステップS14において、CPU30は、発光素子1Aを発光させない状態でA/D変換回路18で数値化された、受光素子3から受光した光の強さを用いて、例えば単位時間における受光量を算出する。そして、CPU30は、算出した受光量が予め定めた受光量(受光量閾値)以下か否かを判定する。なお、受光量閾値は、この値以下であれば生体が置かれたと考えられる受光量に設定すればよい。具体的な受光量閾値の値は、生体情報測定装置10の実機による実験や生体情報測定装置10の設計仕様に基づくコンピュータシミュレーション等により決定される。
ステップS14の判定処理が否定判定の場合、すなわち、外光による受光量が受光量閾値を超える場合には、生体が置かれていないと判断しステップS16に移行する。
ステップS16において、CPU30は、ステップS12で起動したタイマの経過時間が時間Tb以上になったか否かを判定する。時間Tbは、ステップS14で外光による受光量と受光量閾値とを比較する期間を規定する値であり、タイマの経過時間が時間Tb未満である場合にはステップS14に移行し、外光による受光量が受光量閾値以下になるまでステップS14及びステップS16の処理を繰り返す。
また、タイマの経過時間が時間Tb以上である場合にはステップS18に移行し、ステップS18において、CPU30は、例えば表示装置34に「測定を中止します」等のメッセージを表示し、生体情報測定処理を終了する。
一方、ステップS14の判定処理が肯定判定の場合、すなわち、外光による受光量が受光量閾値以下である場合には、生体が置かれている可能性があると判断しステップS20に移行する。
以降、CPU30は、図9で既に説明したステップS20〜S110の処理を実行することで、生体情報の測定を行う。
このように本変形例2に係る生体情報測定装置10によれば、外光による受光量が受光量閾値以下となる状況で、且つ、測定位置で生体8を検出した場合に、待機モードから測定モードに移行して生体情報の測定を行う。
したがって、ユーザによる測定開始の指示があってから実際に生体が配置されるまでの間に発光素子1Aを準備的に発光させておく必要がない。また、測定位置に生体8が置かれているか否かを確認することなく、外光による受光量が受光量閾値以下となったことにより、待機モードから測定モードに移行して生体情報の測定を行う場合と比較して、生体以外が置かれているにもかかわらず測定モードとして発光することが抑制される。
なお、図16に示したフローチャートでは、外光による受光量が受光量以下になるまで発光素子1Aを発光しないようにしているが、発光素子1Aの発光パターンはこれに限定されない。
例えば、図17に示すように、待機モードにおいて発光期間と非発光期間とが交互に現われるように発光素子1Aを発光させるようにしてもよい。この場合、生体情報測定装置10は、発光素子1Aが発光している発光期間(t1〜t2、t3〜t4)に、測定位置に生体8が置かれているか否かを検出し、発光素子1Aが発光していない非発光期間(t2〜t3、t4〜t5)に、外光からの受光量が受光量以下か否かを判定すればよい。
<第2実施形態>
第1実施形態では、生体情報の一例として血流量を測定する生体情報測定装置10について説明したが、第2実施形態では、測定モードにおいて複数の生体情報を測定する生体情報測定装置10Aについて説明する。具体的には、測定モードにおいて血管6内における血液の血流量と、血中の酸素飽和度とを測定する生体情報測定装置10Aについて説明する。
なお、第2実施形態に係る生体情報測定装置10Aも第1実施形態に係る生体情報測定装置10と同様に、生体8の血管6を透過した光、又は生体8の血管6で反射した光の何れを用いても同じ原理で血流量及び血中の酸素飽和度を測定することができる。したがって、以降では一例として、生体8の血管6で反射した光を用いて血流量及び血中の酸素飽和度を測定する場合について説明する。
図18に第2実施形態に係る生体情報測定装置10Aの構成例を示す。図18に示す生体情報測定装置10Aの構成が第1実施形態に係る生体情報測定装置10の構成例を示す図1と異なる点は、発光素子1Bが追加された点である。この発光素子1Bの追加に伴い、制御部12A、駆動回路14A、検出部20A、及び測定部22Aが、図1に示す制御部12、駆動回路14、検出部20、及び測定部22と異なる処理を行う。以下に、第1実施形態に係る生体情報測定装置10と異なる部分について説明を行う。
発光素子1Bは、一例として発光素子1Aと同様にレーザ光を照射する素子である。この場合、発光素子1Bは面発光レーザ素子であっても、端面発光レーザ素子であってもよいが、発光素子1Aとは異なる波長の光を照射する素子を用いる。一例として、発光素子1Aは赤外光(IR光)の波長を有する光を照射し、発光素子1Bは赤色光の波長を有する光を照射するものとする。なお、発光素子1Bはレーザ光を照射するレーザ素子に限定されず、例えば発光ダイオード(Light-Emitting Diode:LED)、又は有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode:OLED)等のLED素子であってもよい。
駆動回路14Aは、後ほど説明する制御部12Aの指示に従って、例えば発光素子1A及び発光素子1Bをそれぞれ駆動する駆動電力を供給し、発光素子1A及び発光素子1Bがそれぞれ個別に発光又は発光停止するように、発光素子1A及び発光素子1Bを駆動する。
検出部20Aは、A/D変換回路18で数値化された光の強さの時間変化に対してFFT処理を行い、周波数ω毎のスペクトル分布を検出し、検出したスペクトル分布と、時系列に沿った光の強さとを測定部22Aに出力する。
制御部12Aは、ユーザからの各種指示を受け付けると共に、検出部20Aで検出されたスペクトル分布から、受光素子3で生体8の血管6で反射した光を受光したか否かを判定する。受光素子3で生体8の血管6で反射した光を受光したと判定した場合には、制御部12Aは、生体情報測定装置10の動作状態を待機モード(待機状態)から測定モード(測定状態)に移行させる。一例として、制御部12Aは、検出部20Aで検出されたスペクトル分布82、及び受光素子3で受光した光の強さに基づいて、血流量及び血中の酸素飽和度の測定を開始するように駆動回路14A及び測定部22Aを制御し、生体情報測定装置10Aを待機モードから測定モードに移行させる。
一方、制御部12Aは、生体情報測定装置10Aが既に測定モードになっている状態で、ユーザから測定終了指示を受け付けた場合、駆動回路14A及び測定部22Aを制御して血流量及び血中の酸素飽和度の測定を停止する。
また、制御部12Aは、生体情報測定装置10Aが既に測定モードになっている状態で、生体8が検出されなくなった場合には、ユーザから測定終了指示を受け付けることなく駆動回路14A及び測定部22Aを制御して血流量及び血中の酸素飽和度の測定を停止する。
測定部22Aは、制御部12Aの指示に従い、検出部20Aで検出されたスペクトル分布82、及び受光素子3で受光した光の強さに基づいて、血流量及び血中の酸素飽和度を測定する。
次に、生体情報測定装置10Aにおける血中の酸素飽和度の測定原理について説明する。
血中の酸素飽和度とは、血液中のヘモグロビンがどの程度酸素と結合しているかを示す指標であり、血中の酸素飽和度が低下するにつれ、貧血等の症状が発生しやすくなる。
図19は、例えば生体8に吸収される光の量(吸光量)の変化を示す概念図である。図19に示すように、生体8における吸光量は、時間の経過と共に変動する傾向が見られる。
更に、生体8における吸光量の変動に関する内訳について見てみると、主に動脈によって吸光量が変動し、静脈及び静止組織を含むその他の組織では、動脈に比べて吸光量が変動しないとみなせる程度の変動量であることが知られている。これは、心臓から拍出された動脈血は脈波を伴って血管内を移動するため、動脈が動脈の断面方向に沿って経時的に伸縮し、動脈の厚みが変化するためである。なお、図19において、矢印94で示される範囲が、動脈の厚みの変化に対応した吸光量の変動量を示す。
図19において、時間taにおける光の強さをIa、時間tbにおける光の強さをIbとすれば、動脈の厚みの変化による光の吸光量の変化量ΔAは、(1)式で表される。
(数1)
ΔA=ln(Ib/Ia)・・・(1)
一方、動脈を流れる酸素と結合したヘモグロビン(酸化ヘモグロビン)は、特に約880nm近辺の波長を有する赤外線(infrared:IR)領域の光を吸収しやすく、酸素と結合していないヘモグロビン(還元ヘモグロビン)は、特に約665nm近辺の波長を有する赤色領域の光を吸収しやすいことが知られている。更に、酸素飽和度は、異なる波長における吸光量の変化量ΔAの比率と比例関係があることが知られている。
したがって、他の波長の組み合わせに比べて、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとで吸光量の差が現われやすい赤外光(IR光)と赤色光を用いて、IR光を生体8に照射した場合の吸光量の変化量ΔAIRと、赤色光を生体8に照射した場合の吸光量の変化量ΔARedとの比率をそれぞれ算出することで、(2)式によって酸素飽和度Sが算出される。なお、(2)においてkは比例定数である。
(数2)
S=k(ΔARed/ΔAIR)・・・(2)
すなわち、血中の酸素飽和度を算出する場合、それぞれ異なる波長の光を照射する発光素子1A及び1B、具体的には、IR光を照射する発光素子1Aと赤色光を照射する発光素子1Bとを一部の発光期間が重複しても良いが、望ましくは発光期間が重複しないよう発光させる。そして、各々の発光素子1A、1Bによる反射光を受光素子3で受光して、各受光時点における光の強さから(1)式及び(2)式、又は、これらの式を変形して得られる公知の式を算出することで酸素飽和度が測定される。
上記(1)式を変形して得られる公知の式として、例えば(1)式を展開して、光の吸光量の変化量ΔAを(3)式のように表してもよい。
(数3)
ΔA=lnIb−lnIa・・・(3)
また、(1)式は(4)式のように変形することができる。
(数4)
ΔA=ln(Ib/Ia)=ln(1+(Ib-Ia)/Ia) ・・・(4)
通常、(Ib-Ia)≪Iaであることから、ln(Ib/Ia)≒(Ib-Ia)/Iaが成り立つため、(1)式の代わりに、光の吸光量の変化量ΔAとして(5)式を用いてもよい。
(数5)
ΔA≒(Ib-Ia)/Ia ・・・(5)
次に、図20を参照して、第2実施形態に係る生体情報測定装置10Aの電気系統の要部構成について説明する。なお、ここでも第1実施形態に係る生体情報測定装置10と同様に、生体情報測定装置10Aをスマートフォン等の携帯端末に組み込む場合を想定して説明する。
図20に示す生体情報測定装置10Aの電気系統の要部構成が、図8に示した第1実施形態に係る生体情報測定装置10の電気系統の要部構成と異なる点は、発光素子1Bが新たに追加され、それに伴い発光素子1Aを駆動していた駆動回路14が、発光素子1A及び発光素子1Bを駆動する駆動回路14Aに置き換えられた点であり、その他の構成は生体情報測定装置10と同じである。
次に、生体情報測定装置10Aの作用について説明する。図21は、生体情報測定装置10Aが内蔵されたスマートフォンの電源がオンされた場合に、CPU30によって実行される生体情報測定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図21に示す生体情報測定処理が図9に示した第1実施形態に係る生体情報測定処理と異なる点は、ステップS30、S60、S70、及びS110が、それぞれステップS30B、S60B、S70B、及びS110Bに置き換えられた点であり、その他の処理は、第1実施形態に係る生体情報測定処理と同じである。
測定開始指示をユーザから受け付けると、ステップS30Bにおいて、CPU30は、図22に示すように発光素子1Aが予め定めた光量で発光するように駆動回路14Aを制御する。図22の例では、CPU30は、発光期間と非発光期間とが交互に現われるように発光素子1Aを駆動している。なお、発光素子1Aを駆動する際のデューティー比に特に制限はなく、発光素子1Aの発光期間が、生体8の検出及び血流量の測定が行えるような長さに設定されていればよい。
このように、待機モードでは発光素子1Aを発光させる一方、発光素子1Bは発光させないようにする。
そして、ステップS40において、受光素子3で受光した光のスペクトル分布に基づいて、測定位置で生体8が検出され、待機モードから測定モードに移行すると、ステップS60Bにおいて、CPU30は、図22に示すように発光素子1Bが予め定めた光量で発光するように駆動回路14Aを制御する。
この場合、CPU30は、発光素子1Aの非発光期間に発光素子1Bを発光させるように駆動回路14Aを制御することが好ましい。これは、発光素子1Aの発光期間と発光素子1Bの発光期間とが重複した場合、お互いの光が干渉しあうことがあり、血流量及び血中の酸素飽和度の測定結果に誤差が含まれやすくなるためである。
ステップS70Bにおいて、CPU30は、発光素子1Aの発光期間に受光素子3で受光した光のスペクトル分布82を用いて、第1実施形態で説明した方法に従って血液量及び血流速度を算出し、血液量と血流速度との積から血流量を測定し、測定結果を例えばRAM32に記憶する。
また、CPU30は、発光素子1Aの発光期間に受光素子3で受光した光の強さと、発光素子1Bの発光期間に受光素子3で受光した光の強さとを用いて、上述した(1)式及び(2)式に従って、血中の酸素飽和度を測定し、測定結果を例えばRAM32に記憶する。
そして、測定モードにおいて、ユーザから測定終了指示を受け付けるか、又は、測定位置で生体8が検出されなくなった場合に、ステップS110Bにおいて、CPU30は、発光素子1A及び発光素子1Bの発光を停止させるように駆動回路14Aを制御し、血流量及び血中の酸素飽和度の測定を停止する。
このように第2実施形態に係る生体情報測定装置10Aによれば、生体8で反射、又は透過した発光素子1Aの光のスペクトル分布82を用いて、生体情報測定装置10Aの測定位置に生体8が置かれたことを検出すると、発光素子1Bを発光し、例えば血流量と血中の酸素飽和度といった複数の生体情報の測定を開始する。したがって、生体情報測定装置10Aの測定位置に生体8を置いてから、ボタン等を押下して生体情報の測定を開始する場合と比較して、生体情報の測定開始時における操作性が向上する。
また、生体情報測定装置10Aは、待機モードでは発光素子1Aのみを発光して生体8を検出し、測定モードに移行してから発光素子1A及び発光素子1Bを共に発光する。したがって、待機モードの状態から発光素子1A及び発光素子1Bを発光させる場合と比較して、ユーザが測定位置に指等の生体8を置こうとしてスマートフォンを裏返す際に、意図せずユーザの身体に向かって照射される光量を低減することができる。
なお、第1実施形態に係る生体情報測定装置10に対して示唆した内容、及び、各種変形例は、生体情報測定装置10Aにも適用される。
例えば、ステップS90でユーザに測定位置から生体8が離れてしまっていることを通知した後、発光素子1Bの発光を停止してステップS20に移行し、再び待機モードに戻るようにしてもよい。この場合、発光素子1Aは光量Q1で発光を継続するため、ユーザから改めて測定開始指示を受け付けることなく生体8の検出を行い、生体8が検出されると測定モードに移行する。
また、生体情報測定装置10Aは、生体情報測定装置10Aが待機モードであるのか、それとも測定モードであるのかをユーザに通知するため、表示装置34に表示される内容をモード毎に変えるようにしてもよい。
また、生体情報測定装置10Aは、待機モードの場合には表示装置34への電源供給を停止しておき、測定モードに移行する際に、表示装置34への電源供給を開始して表示装置34に情報を表示するようにしてもよい。
また、第1実施形態の変形例1で述べたように、生体情報測定装置10Aは、待機モードにおいても、発光素子1Aの非発光期間に発光素子1Bを発光させ、待機モードにおける光量と、測定モードにおける光量を同じにしてもよい。この場合、生体情報測定装置10Aが待機モードであっても、測定モードにおける光量と同じ光量がユーザの身体に向かって照射される場合があるが、既に述べたように、測定モードにおける光量はユーザの身体に影響のない範囲内に抑えられるため、特に問題はない。
また、第1実施形態の変形例2で述べたように、生体情報測定装置10Aは、外光による受光量が受光量閾値以下となる状況で、且つ、測定位置で生体8を検出した場合に、待機モードから測定モードに移行して生体情報の測定を行うようにしてもよい。
なお、生体情報測定装置10Aでは、一例として、発光素子1Aと発光素子1Bをそれぞれ1つずつ備える構成としたが、例えば発光素子1Aと発光素子1Bをそれぞれ2つ以上備える構成であってもよい。
<第3実施形態>
第1実施形態では、発光素子1Aを、生体8を検出する場合と血流量を測定する場合とで兼用して使用したが、第3実施形態では、生体8を検出するための発光素子と生体情報を測定するための発光素子とを個別に設けた生体情報測定装置10Bについて説明する。
なお、第3実施形態に係る生体情報測定装置10Bも第1実施形態に係る生体情報測定装置10と同様に、生体情報の一例として血流量を測定する場合を例にした生体情報の測定について説明する。この場合、生体8の血管6を透過した光、又は生体8の血管6で反射した光の何れを用いても同じ原理で血流量を測定することができるが、以降では一例として、生体8の血管6で反射した光を用いて血流量を測定する場合について説明する。
図23に第3実施形態に係る生体情報測定装置10Bの構成例を示す。図23に示す生体情報測定装置10Bの構成例が第1実施形態に係る生体情報測定装置10の構成例を示す図1と異なる点は、発光素子1Cが追加された点である。この発光素子1Cの追加に伴い、制御部12B及び駆動回路14Bが、図1に示す制御部12及び駆動回路14と異なる処理を行う。以下に、第1実施形態に係る生体情報測定装置10と異なる部分について説明を行う。
発光素子1Cは、発光素子1Aと同様にレーザ光を照射する素子である。この場合、発光素子1Cは面発光レーザ素子であっても、端面発光レーザ素子であってもよいが、発光素子1Aとは異なる波長の光を照射する素子を用いる。具体的には、発光素子1Cの波長を、生体8で反射した発光素子1Cの光のスペクトル分布82と、外光によるスペクトル分布83との差が、より明確に現われるような波長にすることが好ましい。
駆動回路14Bは、後ほど説明する制御部12Bの指示に従って、例えば発光素子1A及び発光素子1Cをそれぞれ駆動する駆動電力を供給し、発光素子1A及び発光素子1Cがそれぞれ個別に発光又は発光停止するように、発光素子1A及び発光素子1Cを駆動する。
制御部12Bは、ユーザからの各種指示を受け付けると共に、待機モードでは発光素子1Cを光量Q1で発光させて、検出部20で検出されたスペクトル分布から、受光素子3で生体8の血管6で反射した光を受光したか否かを判定する。受光素子3で生体8の血管6で反射した光を受光したと判定した場合には、制御部12Bは、検出部20で検出されたスペクトル分布82に基づいて、血流量の測定を開始するように駆動回路14B及び測定部22を制御し、生体情報測定装置10Bを待機モードから測定モードに移行させる。
一方、制御部12Bは、生体情報測定装置10Bが既に測定モードになっている状態で、ユーザから測定終了指示を受け付けた場合、駆動回路14B及び測定部22を制御して血流量の測定を停止する。
また、制御部12Bは、生体情報測定装置10Bが既に測定モードになっている状態で、生体8が検出されなくなった場合には、ユーザから測定終了指示を受け付けることなく駆動回路14B及び測定部22を制御して血流量の測定を停止する。
次に、図24を参照して、第3実施形態に係る生体情報測定装置10Bの電気系統の要部構成について説明する。なお、ここでも第1実施形態に係る生体情報測定装置10と同様に、生体情報測定装置10Bをスマートフォン等の携帯端末に組み込む場合を想定して説明する。
図24に示す生体情報測定装置10Bの電気系統の要部構成が、図8に示した第1実施形態に係る生体情報測定装置10の電気系統の要部構成と異なる点は、発光素子1Cが新たに追加され、それに伴い発光素子1Aを駆動していた駆動回路14が、発光素子1A及び発光素子1Cを駆動する駆動回路14Bに置き換えられた点であり、その他の構成は生体情報測定装置10と同じである。
次に、生体情報測定装置10Bの作用について説明する。図25は、生体情報測定装置10Bが内蔵されたスマートフォンの電源がオンされた場合に、CPU30によって実行される生体情報測定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図25に示す生体情報測定処理が図9に示した第1実施形態に係る生体情報測定処理と異なる点は、ステップS30がステップS30Cに置き換えられ、ステップS55が新たに追加された点であり、その他の処理は、第1実施形態に係る生体情報測定処理と同じである。
測定開始指示をユーザから受け付けると、ステップS30Cにおいて、CPU30は、発光素子1Cが光量Q1で発光するように駆動回路14Bを制御する。すなわち、待機モードでは発光素子1Cを発光させる一方、発光素子1Aは発光させないようにする。
そして、ステップS40において、受光素子3で受光した光のスペクトル分布に基づいて、測定位置で生体8が検出され、待機モードから測定モードに移行すると、ステップS55において、CPU30は、発光素子1Cの発光を停止し、その後、ステップS60において、発光素子1Aが光量Q2で発光するように駆動回路14Bを制御する。
そして、CPU30は、図9で既に説明したステップS60以降の処理を実行することで、生体情報の測定を行う。
このように第3実施形態に係る生体情報測定装置10Bによれば、生体8の検出には、生体8の検出用に光の波長を調整した専用の発光素子1Cを用い、生体情報の測定には、生体情報の測定専用に設けた発光素子1Aを用いる。
したがって、生体8の検出に関する特性、及び生体情報の測定に関する特性にそれぞれ合わせた発光素子が用いられることから、生体8の検出と生体情報の測定で同じ発光素子1Aを用いる場合と比較して、生体8の検出精度、及び生体情報の測定精度の向上が期待される。
また、生体情報測定装置10Bは、待機モードにおける光量を測定モードにおける光量より小さくして、待機モードで意図せずユーザに照射される光量を低減することにより、身体に光が照射されることによって発生するユーザのストレスおよび消費電力を低減する。
なお、第1実施形態に係る生体情報測定装置10に対して示唆した内容、及び、各種変形例は、生体情報測定装置10Bにも適用される。
例えば、ステップS90でユーザに測定位置から生体8が離れてしまっていることを通知した後、発光素子1Aの発光を停止してステップS20に移行し、再び待機モードに戻るようにしてもよい。
また、生体情報測定装置10Bは、生体情報測定装置10Bが待機モードであるのか、それとも測定モードであるのかをユーザに通知するため、表示装置34に表示される内容をモード毎に変えるようにしてもよい。
また、生体情報測定装置10Bは、待機モードの場合には表示装置34への電源供給を停止しておき、測定モードに移行する際に、表示装置34への電源供給を開始して表示装置34に情報を表示するようにしてもよい。
また、第1実施形態の変形例1で述べたように、生体情報測定装置10Bは、待機モードにおいて、発光素子1Cの光量を測定モードにおける発光素子1Aの光量と同じ光量Q2で発光するようにしてもよい。
また、第1実施形態の変形例2で述べたように、生体情報測定装置10Bは、外光による受光量が受光量閾値以下となる状況で、且つ、測定位置で生体8を検出した場合に、待機モードから測定モードに移行して生体情報の測定を行うようにしてもよい。
なお、生体情報測定装置10Bでは、一例として、発光素子1Aと発光素子1Cをそれぞれ1つずつ備える構成としたが、発光素子1Aと発光素子1Cをそれぞれ2つ以上備える構成であってもよい。
以上、各実施形態を用いて本発明について説明したが、本発明は各実施形態に記載の範囲には限定されない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で各実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、当該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、本発明の要旨を逸脱しない範囲で処理の順序を変更してもよいし、血流量の他、血流速度の測定に適用してもよい。
また、図19に示したように、動脈の脈動に応じて受光素子3で受光される光の強さが変化するため、受光素子3における受光強度の変化から、脈拍数が測定される。また、脈拍数の変化を時系列順に測定して得られる波形を2回微分することで、加速度脈波が測定される。加速度脈波は、血管年齢の推定又は動脈硬化の診断等に用いられる。このように、本発明は、ここで挙げた内容に限らず、他の生体情報の測定にも用いられる。
また、各実施形態をウエアラブル端末等の携帯端末に適用してもよい。この場合は、ユーザが端末を身につける動作を検知し、これを測定開始の指示としてもよい。例えば、加速度センサ等の端末の動きを検知するセンサを搭載し、予め定めた動きを検知した場合に測定開始の指示があったものとしてもよい。
上述した各実施の形態では、一例として制御部12(12A、12B)、検出部20(20A)、及び測定部22(22A)における処理をソフトウエアで実現する形態について説明したが、図9、図15、図16、図21、及び図25に示した各フローチャートと同等の処理をハードウエアで処理させるようにしてもよい。この場合、制御部12(12A、12B)、検出部20(20A)、及び測定部22(22A)における処理をソフトウエアで実現する場合に比べて、処理の高速化が図られる。
また、上述した各実施の形態では、生体情報測定プログラムがROM31にインストールされている形態を説明したが、これに限定されるものではない。本発明に係る生体情報測定プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供することも可能である。例えば、本発明に係る生体情報測定プログラムは、CD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile)−ROMまたはUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬型記録媒体に記録された形態で提供することも可能である。また、本発明に係る生体情報測定プログラムは、フラッシュメモリ等の半導体メモリ等に記録された形態で提供することも可能である。
なお、生体情報測定装置10(10A、10B)は、発光素子から照射した光のスペクトル分布を用いて生体8を検出した後、生体情報を測定したが、当該生体8の検出手段を、特定の位置における生体8の有無を検出する生体検出装置に適用してもよい。
例えば、物体が身体に装着されているか否かの判定、又は特定の場所や空間に生体8が存在するか否かの判定等に、各実施形態で説明した生体8の検出手段が適用される。
1A(1B、1C)・・・発光素子
3・・・受光素子
6・・・血管
8・・・生体
10(10A、10B)・・・生体情報測定装置
12(12A、12B)・・・制御部
14(14A、14B)・・・駆動回路
16・・・増幅回路
18・・・A/D変換回路
20(20A)・・・検出部
22(22A)・・・測定部
30・・・CPU
82・・・発光素子による光のスペクトル分布
83・・・外光のスペクトル分布
1、Q2・・・光量

Claims (7)

  1. 光を照射する発光手段と、
    光を受光する受光手段と、
    前記受光手段で受光した光の周波数分布を検出する検出手段と、
    前記検出手段で検出した周波数分布を用いて生体情報を測定している期間中に、前記検出手段で検出した周波数成分に、光が生体を照射した際に得られる特徴が含まれなくなった場合、前記生体における生体情報の測定を停止させる制御を行う制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記生体情報の測定を停止している期間中に前記発光手段から照射される光の強さの時間積によって表される光量が、前記生体情報を測定している期間中に前記発光手段から照射される光の光量より小さくなるように前記発光手段を制御すると共に、前記検出手段で検出した周波数分布に対して複数設定された予め定めた周波数の各々における周波数成分の大きさが、光が前記生体を照射した際に得られる値として予め設定した閾値以下である場合に、前記生体における生体情報の測定を停止させる制御を行う
    生体情報測定装置。
  2. 前記制御手段は、前記生体情報の測定を停止している期間中、前記発光手段の発光を停止するように前記発光手段を制御する
    請求項1記載の生体情報測定装置。
  3. 前記生体情報の測定を停止した場合に、前記生体情報の測定を停止したことを通知する通知手段を更に備えた
    請求項1または請求項2記載の生体情報測定装置。
  4. 前記制御手段は、前記発光手段から光を照射していない期間において、前記受光手段で受光した光の受光量が予め定めた受光量以下となり、且つ、前記発光手段から光を照射している期間において、前記検出手段で検出した周波数分布に前記特徴が含まれる場合に、自装置の動作状態を待機状態から前記生体における生体情報の測定を行う測定状態に切り替えるように自装置の動作状態を制御する
    請求項1〜請求項の何れか1項に記載の生体情報測定装置。
  5. 前記検出手段は、前記発光手段から照射され、前記生体の血管を透過した光、又は前記生体の血管で反射した光に含まれる周波数領域の周波数分布を検出する
    請求項1〜請求項の何れか1項に記載の生体情報測定装置。
  6. 光を照射する発光手段と、
    光を受光する受光手段と、
    前記受光手段で受光した光の周波数分布を検出する検出手段と、
    前記検出手段で検出した周波数分布を用いて生体情報を測定している期間中に、前記検出手段で検出した周波数成分に、光が生体を照射した際に得られる特徴が含まれなくなった場合、前記生体における生体情報の測定を停止させる制御を行う制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記検出手段で検出した周波数分布に対して予め定めた周波数を複数設定し、複数の前記予め定めた周波数の各々における周波数成分の大きさが、光が前記生体を照射した際に得られる値として予め設定した閾値以下である場合に、前記生体における生体情報の測定を停止させる制御を行う
    生体情報測定装置。
  7. コンピュータを、請求項1〜請求項の何れか1項に記載の検出手段及び制御手段として機能させるための生体情報測定プログラム。
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