以下に、本発明の実施の形態にかかる空気調和システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる空気調和システム100における冷凍サイクルに関わる概略構成を示す模式図である。図2は、本発明の実施の形態1にかかる空気調和システム100の空気調和機1における冷凍サイクルの主な構成を示す模式図である。本実施の形態1にかかる空気調和システム100は、室内空間S内の空気を冷房、暖房また除湿するなどして、所望の設定条件に空気調和するシステムである。
本実施の形態1にかかる空気調和システム100は、室内に配置された室内機2および屋外に配置された室外機3を有する空気調和機1と、空気調和機1と別体に設けられた送風機である別体送風機4と、空気調和機1の動作を遠隔操作するリモートコントローラー5と、を備える。以下、リモートコントローラーを、リモコンと呼ぶ場合がある。空気調和機1と、別体送風機4と、リモコン5とは、互いに情報の双方向通信が可能である。
本実施の形態1にかかる空気調和機1は、室内熱交換器7と室内熱交換器7に室内空気を送風する室内ファン8とを有する室内機2と、圧縮機12を有する室外機3と、が冷媒を循環させる冷媒配管6により接続された冷凍サイクルを有し、室内空間S内の室内空気を吸い込んで室内熱交換器7で熱交換した調和空気を室内へ送風する空気調和機である。まず、空気調和機1の構成について説明する。
空気調和機1は、基本的に一般的な空気調和機の機能を有し、室内に配置された室内機2と、屋外に配置された室外機3とを備える。室内機2と室外機3とは、互いに情報の双方向通信が可能な状態で接続されている。また、室内機2と室外機3とは、冷媒を循環させる冷媒循環回路により接続されている。空気調和機1は、図示しない外部電源により、動作するための電力が供給される。
室内機2には、主要な構成として、冷媒配管6である冷媒配管6aおよび冷媒配管6bに接続される室内側の熱交換器である室内熱交換器7と、室内熱交換器7を通過する気流を形成する室内ファン8と、が設置されている。室内ファン8は、室内プロペラ9が室内ファンモータ10によって駆動されることで動作する。
室外機3には、主要な構成として、冷媒の流れる方向を切り替える四方弁11と、冷媒を液化させる圧縮機12と、冷媒配管6aおよび冷媒配管6bに接続される室外側の熱交換器である室外熱交換器13と、室外熱交換器13を通過する気流を形成する室外ファン14とが設置されている。室外ファン14は、室外プロペラ15が室外ファンモータ16によって駆動されることで動作する。
空気調和機1においては、室内機2と冷媒配管6bと室外機3と冷媒配管6aとによって、冷媒循環回路が構成されている。そして、空気調和機1においては、圧縮機12、四方弁11、室外熱交換器13および室内熱交換器7を順次冷媒配管6aおよび冷媒配管6bで環状に接続して冷凍サイクルが構成されている。冷媒配管6aおよび冷媒配管6bは、室内熱交換器7と室外熱交換器13とを接続して冷媒を循環させる配管である。冷媒循環回路に組み込まれた圧縮機12は、吐出冷媒を室外熱交換器13から室内熱交換器7へ返流させる。すなわち、空気調和機1は、冷媒配管6aおよび冷媒配管6bを通って室内機2と室外機3との間を循環する冷媒を使用して、空調対象空間である室内の空気と室外の空気との間で熱移動を行い、室内に対する空気調和を実現している。
図3は、本発明の実施の形態1にかかる空気調和システム100における別体送風機4の制御に関わる要部機能構成を示すブロック図である。室内機2は、空気調和システム100全体および別体送風機4の動作を制御する制御モジュール21と、室内空間Sの温度の計測を行う温度計測部であるサーモパイルセンサモジュール31と、を備えている。なお、室内機2は、室内機2の運転状態の表示を行う表示器およびユーザーに対して各種通報を行う音声発生器といった機能部を有するが、ここでは説明を省略する。
制御モジュール21は、基本的に一般的な空気調和機1の運転を制御する機能を有し、空気調和機1全体の運転の制御を行う空気調和機制御部22と、別体送風機4を運転させるか否かを判定して別体送風機4の運転または停止を指示する制御指示情報を生成する別体送風機4の制御用の制御部である送風機制御用制御部23と、別体送風機4およびリモコン5との情報通信を実施するための室内機通信部24と、サーモパイルセンサモジュール31との間で情報の送受信を行うための制御モジュール送受信部25と、を備えている。空気調和機制御部22と送風機制御用制御部23と室内機通信部24と制御モジュール送受信部25とは、互いに情報の送受信が可能とされている。
空気調和機制御部22は、リモコン5を介してユーザーから設定される指示情報に基づいて空気調和機1全体の運転の制御を行う。なお、本実施の形態1においては、空気調和機制御部22は室内機2の一部として内蔵する形となっているが、独立した筺体内に配置された構成であってもよい。また、空気調和機制御部22は、室外機3に内蔵された構成であってもよい。
送風機制御用制御部23は、空気調和機制御部22から取得する空気調和機1の運転の状態に基づいて別体送風機4の運転または停止を決定して、別体送風機4の運転または停止を指示する制御指示情報を生成し、室内機通信部24を介して別体送風機4に送信する。
また、空気調和機制御部22は、例えば、図4に示したハードウェア構成の処理回路として実現される。図4は、本発明の実施の形態1にかかる処理回路のハードウェア構成の一例を示す図である。空気調和機制御部22が図4に示す処理回路により実現される場合、空気調和機制御部22は、例えば、図4に示すメモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101が実行することにより、実現される。また、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して上記機能を実現してもよい。また、空気調和機制御部22の機能のうちの一部を電子回路として実装し、他の部分をプロセッサ101およびメモリ102を用いて実現するようにしてもよい。
また、送風機制御用制御部23および室内機通信部24を、同様にメモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101が実行することにより、実現されるように構成してもよい。また、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して上記機能を実現してもよい。また、送風機制御用制御部23および室内機通信部24の機能のうちの一部を電子回路として実装し、他の部分をプロセッサ101およびメモリ102を用いて実現するようにしてもよい。また、送風機制御用制御部23および室内機通信部24の機能を実現するためのプロセッサおよびメモリは、空気調和機制御部22を実現するプロセッサおよびメモリと同一であってもよいし、別のプロセッサおよびメモリであってもよい。
サーモパイルセンサモジュール31は、室内の温度情報である床面温度および天井温度の検出を行う室内温度センサ32と、空気調和機制御部22との間で情報送受信を行うためのセンサモジュール送受信部33と、空気調和機制御部22との情報送受信処理および室内温度センサ32で計測した温度を空気調和機制御部22に送信可能な形式に変換する処理を含むサーモパイルセンサモジュール31の制御全般を実行する温度計測制御部であるセンサモジュール制御部34と、を備える。なお、空気調和機制御部22が、室内温度センサ32で検出した検出信号に基づいて演算を行って温度情報を生成してもよい。
図5は、本発明の実施の形態1にかかる空気調和機1の室内機2に設けられたサーモパイルセンサモジュール31の室内温度センサ32を示す、室内機2の模式断面図である。図6は、図5におけるVI−VI線に沿った断面を示す模式断面図である。
室内温度センサ32は、室内機2の内部に、室内の天井面の全体の温度を網羅して検出する天井温度検出部52と、室内の床面の全体の温度を網羅して検出する床面温度検出部54と、を有する。天井温度検出部52は、天井面全体の温度を検出するための温度検出素子として、複数の天井温度検出素子51を有する。天井温度検出素子51は、検出面を天井の方向に向けて配置されている。床面温度検出部54は、床面全体の温度を検出するための温度検出素子として、複数の床温度検出素子53を有する。床温度検出素子53は、検出面を床面の方向に向けて配置されている。天井温度検出素子51および床温度検出素子53の一例は、赤外線撮像素子である。
図7は、本発明の実施の形態1にかかる空気調和機1の室内温度センサ32における温度検出範囲の一例を示す模式図である。室内温度センサ32の天井温度検出部52は、室内の第1の温度検出範囲Aである天井面の温度を検出する。天井温度検出部52は、天井面を検出領域A1から検出領域ANのN個の検出領域に分割し、各検出領域について温度を測定する。室内温度センサ32の床面温度検出部54は、室内の第2の温度検出範囲Bである床面の温度を検出する。床面温度検出部54は、床面を検出領域B1から検出領域BNのN個の検出領域に分割し、各検出領域について温度を測定する。図7では、天井面および床面を4行×9列に分割した場合について示している。天井温度検出素子51および床温度検出素子53は、予め設定された予め定められた時間をおいて予め定められた周期で天井面および床面の赤外線強度を検出する。
室内温度センサ32は、検出した赤外線強度の検出結果に対して予め定められた変換処理を行うことにより、検出した検出領域A1から検出領域ANおよび検出領域B1から検出領域BNの赤外線強度を各検出領域の温度に変換して、各検出領域の温度情報としてセンサモジュール制御部34に送信する。センサモジュール制御部34は、室内温度センサ32から検出領域A1から検出領域ANおよび検出領域B1から検出領域BNの温度情報を受け取り、第1の温度検出範囲Aおよび第2の温度検出範囲Bの温度分布として記憶し、保持する。
また、センサモジュール制御部34は、例えば、図4に示したハードウェア構成の処理回路として実現される。センサモジュール制御部34が図4に示す処理回路により実現される場合、センサモジュール制御部34は、例えば、図4に示すメモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101が実行することにより、実現される。また、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して上記機能を実現してもよい。また、センサモジュール制御部34の機能のうちの一部を電子回路として実装し、他の部分をプロセッサ101およびメモリ102を用いて実現するようにしてもよい。
また、センサモジュール送受信部33を、同様にメモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101が実行することにより、実現されるように構成してもよい。また、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して上記機能を実現してもよい。また、センサモジュール送受信部33の機能のうちの一部を電子回路として実装し、他の部分をプロセッサ101およびメモリ102を用いて実現するようにしてもよい。また、センサモジュール送受信部33の機能を実現するためのプロセッサおよびメモリは、センサモジュール制御部34を実現するプロセッサおよびメモリと同一であってもよいし、別のプロセッサおよびメモリであってもよい。
室外機3は、一般的な空気調和機における室外機ユニットとしての機能を備えていればよく、詳細な構成には特に制約はない。
別体送風機4は、室内の空気を吸い込み、任意の方向に風を送り出すことができる機構を有している。別体送風機4は、室内機2の内部の送風機制御用制御部23、またはリモコン5から送信される指令情報に基づいて、送り出す風の風向の制御を行う。別体送風機4は、図示しない外部電源により、動作するための電力が供給される。
別体送風機4は、制御モジュール21およびリモコン5との情報通信を実施するための送風機通信部41と、送風機制御用制御部23またはリモコン5から送信される指示情報に基づいて別体送風機4の運転または停止の制御を含む別体送風機4の制御全般を実行する送風機制御部42と、駆動部43とを備える。駆動部43は、室内の空気を吸い込んで風として送り出すための送風ファン44と、室内の空気を吸い込む方向および送風ファン44が風を送り出す方向を調節するための風向調整部45と、を備えている。送風ファン44は、別体送風機プロペラが別体送風機ファンモータを駆動することで動作する。
また、送風機制御部42は、例えば、図4に示したハードウェア構成の処理回路として実現される。送風機制御部42が図4に示す処理回路により実現される場合、送風機制御部42は、例えば、図4に示すメモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101が実行することにより、実現される。また、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して上記機能を実現してもよい。また、送風機制御部42の機能のうちの一部を電子回路として実装し、他の部分をプロセッサ101およびメモリ102を用いて実現するようにしてもよい。
また、送風機通信部41を、同様にメモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101が実行することにより、実現されるように構成してもよい。また、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して上記機能を実現してもよい。また、送風機通信部41の機能のうちの一部を電子回路として実装し、他の部分をプロセッサ101およびメモリ102を用いて実現するようにしてもよい。また、送風機通信部41の機能を実現するためのプロセッサおよびメモリは、送風機制御部42を実現するプロセッサおよびメモリと同一であってもよいし、別のプロセッサおよびメモリであってもよい。
本実施の形態1では、別体送風機4は、たとえば天井面に固定設置されるシーリングファンを想定している。ただし、別体送風機4は、床置きまたは壁掛けされているサーキュレータであってもよい。また、別体送風機4は、一般的に空気調和機の室内機に備えられている空気の吸い込み、熱交換、空気の吐き出しを目的として回転するファンではなく、室内機の内部または外部に取り付けられて室内の空気を循環させることを目的に補助的に取り付けられるファンであってもよい。
上述したように、別体送風機4と制御モジュール21とは、制御モジュール21が別体送風機4の動作制御を指示するために、通信可能とされている。なお、制御モジュール21と別体送風機4とは、制御モジュール21が別体送風機4の動作を制御するためには、双方向通信をする必要はなく、制御モジュール21から別体送風機4への一方の通信が可能とされてもよい。
リモコン5は、室内機2および別体送風機4に対して指示情報である操作コマンドを送信および空気調和システムの各構成要素からの情報の受信を行う情報送受信部としての機能と、空気調和システムの各構成要素に関する各種情報を表示する情報表示部としての機能を有する。リモコン5は、図示しない内蔵された内蔵電源により、動作するための電力が供給される。
本実施の形態1においては、空気調和システム100の中に別体送風機4が1つだけ配置された構成とされているが、空気調和システム100は複数台の別体送風機4が配置された構成であってもよい。空気調和システム100における別体送風機4の台数については、特に制約を設けない。
つぎに、図8を参照して、本発明の実施の形態1にかかる空気調和システム100の暖房運転時の動作について説明する。図8は、本発明の実施の形態1における空気調和システム100の暖房運転時の空気調和機1と別体送風機4との連携制御処理の流れを説明するフローチャートである。なお、本実施の形態1にかかる空気調和機1において行われる空気調和は、一般的な空気調和機と同じ冷凍サイクルシステムによる冷暖房運転であり、具体的な動作説明は省略する。
ステップS10において、ユーザーからリモコン5を介して暖房運転の指示情報が空気調和機制御部22に設定されることにより、空気調和機1が暖房運転を開始する。空気調和機1が暖房運転を開始すると、サーモパイルセンサモジュール31の室内温度センサ32は、室内の天井面および床面の温度の検出を開始する。室内温度センサ32で検出された天井面および床面の温度の情報である温度情報は、センサモジュール制御部34に送信される。すなわち、各天井温度検出素子51および各床温度検出素子53で検出された天井面および床面の温度情報は、センサモジュール制御部34に送信される。センサモジュール制御部34は、受信した温度情報を、天井温度検出素子51毎および床温度検出素子53毎に記憶する。
つぎに、ステップS20において、室内機2の空気調和機制御部22が、室内の天井面および床面の温度情報を取得する。天井面および床面の温度情報の取得は、空気調和機1の空気調和機制御部22がマスターとなり、サーモパイルセンサモジュール31のセンサモジュール制御部34がスレーブとなって行われる。
空気調和機制御部22がサーモパイルセンサモジュール31から天井面および床面の温度情報を取得する場合には、マスターである空気調和機制御部22からスレーブであるセンサモジュール制御部34に対して、天井面および床面の温度情報を要求する温度情報要求が送信される。センサモジュール制御部34は、温度情報要求を受信すると、記憶している温度情報を、天井温度検出素子51毎および床温度検出素子53毎に、センサモジュール送受信部33を介して空気調和機制御部22に送信する。
図9は、本発明の実施の形態1における空気調和システム100の空気調和機制御部22における温度情報の取得処理の流れを説明するシーケンス図である。シーケンスSQ10において、マスターである空気調和機制御部22は、スレーブであるセンサモジュール制御部34に対して、室内の天井面および床面の温度情報を要求する温度情報要求を送信する。
センサモジュール制御部34は、温度情報要求を受信すると、温度情報要求に対する応答として、室内温度センサ32の各天井温度検出素子51で検出された温度の温度情報を、たとえばアイ・スクエアド・シー(Inter−Integrated Circuit:I2C)などの通信手段によって空気調和機制御部22に送信する。センサモジュール制御部34は、第1素子である第1天井温度検出素子の温度情報、第2素子である第2天井温度検出素子の温度情報、・・・、第N素子である第N天井温度検出素子の温度情報と、決められた順番で天井面の温度情報を空気調和機制御部22に送信する。
すなわち、センサモジュール制御部34は、図9に示すように、シーケンスSQ20において第1天井温度検出素子で検出された天井面の温度情報を、シーケンスSQ30において第2天井温度検出素子で検出された天井面の温度情報を、シーケンスSQ40において第N天井温度検出素子で検出された天井面の温度情報を、空気調和機制御部22に送信する。
空気調和機制御部22は、センサモジュール制御部34から送信された天井面の温度情報を受信することによって、各天井温度検出素子51で検出された温度の情報を認識することができる。
空気調和機制御部22は、天井温度検出素子51の数量である予め定められた数量分の、天井面の温度情報を受信すると、シーケンスSQ50において情報受信完了通知を、制御モジュール送受信部25を介してセンサモジュール制御部34に送信する。センサモジュール制御部34が情報受信完了通知を受信することにより、一連の天井面の温度情報の取得処理の1サイクルが終了する。空気調和機制御部22は、温度情報要求から情報受信完了通知までの処理によって得られる天井面の全体の温度情報を予め定められた周期で取得する。予め定められた周期の一例は、1分である。すなわち、センサモジュール制御部34は、1分間隔で定期的に天井面の全体の温度情報を取得する。
また、空気調和機制御部22は、床面の温度情報についても同様の処理によりセンサモジュール制御部34から取得する。空気調和機制御部22は、温度情報要求から情報受信完了通知までの処理によって得られる床面の全体の温度情報を予め定められた周期で取得する。予め定められた周期の一例は、1分である。すなわち、センサモジュール制御部34は、1分間隔で定期的に床面の全体の温度情報を取得する。そして、空気調和機制御部22は、取得した天井面の温度情報および床面の温度情報を送風機制御用制御部23に送信する。これにより、送風機制御用制御部23は、各天井温度検出素子51および各床温度検出素子53で検出された、天井面および床面における各検出領域の温度を認識することができる。
つぎに、ステップS30において、送風機制御用制御部23は、空気調和機制御部22に記憶している天井面における各検出領域と各天井温度検出素子51との位置関係の情報と、各天井温度検出素子51で検出された天井面の温度とを対応させることで、天井面の温度分布を作成する。
つぎに、ステップS40において、送風機制御用制御部23は、空気調和機制御部22に記憶している床面における各検出領域と各床温度検出素子53との位置関係の情報と、各床温度検出素子53で検出された床面の温度とを対応させることで、床面の温度分布を作成する。
つぎに、ステップS50において、送風機制御用制御部23は、天井面の温度分布から天井面の平均温度を算出する。
つぎに、ステップS60において、送風機制御用制御部23は、床面の温度分布から床面の平均温度を算出する。
つぎに、ステップS70において、送風機制御用制御部23は、室内空間Sの上部に熱篭りがあるか否かを判定する。送風機制御用制御部23は、天井面の平均温度と床面の平均温度とを比較し、天井面の平均温度と床面の平均温度との温度差が予め定められた第1温度閾値以上である場合に室内空間Sの上部に熱篭りがあると判定する。送風機制御用制御部23は、天井面の平均温度と床面の平均温度とを比較し、天井面の平均温度と床面の平均温度との温度差が予め定められた第1温度閾値未満である場合に室内空間Sの上部に熱篭りがないと判定する。第1温度閾値は、暖房運転時における熱篭りがあるかの判定を行うための、天井面の平均温度と床面の平均温度との温度差の温度閾値である。
室内空間Sの上部に熱篭りがあると判定された場合は、ステップS70においてYesとなり、ステップS80に進む。ステップS80において送風機制御用制御部23は、天井面の平均温度と床面の平均温度との温度差を低減させるように、熱篭りを解消させるための熱篭り解消運転を指示する指示情報を別体送風機4に送信して、別体送風機4の運転を制御する。熱篭り解消運転は、別体送風機4が、空気を天井面側から吸い込み、床面側に吹き出す運転である。その後、ステップS20に戻る。
ステップS70において室内空間Sの上部に熱篭りがないと判定された場合は、ステップS70においてNoとなり、ステップS90に進む。ステップS90では、送風機制御用制御部23は、別体送風機4の運転の停止を指示する指示情報を別体送風機4に送信して別体送風機4の停止を制御し、ステップS100に進む。
つぎに、ステップS100において、送風機制御用制御部23は、空気調和機1が暖房運転中か否かを判定する。
空気調和機1が暖房運転中であると判定された場合は、ステップS20に戻る。空気調和機1が暖房運転中ではないと判定された場合は、一連の暖房運転時の空気調和機1と別体送風機4との連携制御処理が終了する。
空気調和機1の暖房運転時に、上述したような空気調和機1と別体送風機4との連携制御を行うことにより、室内空間S内の熱篭りを考慮して、空気調和機1の運転状態が別体送風機4による室内の空気循環が有効な状況にある場合のみ、別体送風機4を動作させる制御を行うことができる。これにより、別体送風機4の不要な運転を防止することにより、空気調和システム100の省エネルギー性が向上する。また、室内空間Sの温度が均一化されるため、室内における人の快適性が向上する。
つぎに、図10を参照して、本発明の実施の形態1にかかる空気調和システム100の冷房運転時の動作について説明する。図10は、本発明の実施の形態1における空気調和システム100の冷房運転時の空気調和機1と別体送風機4との連携制御処理の流れを説明するフローチャートである。なお、本実施の形態1にかかる空気調和機1において行われる空気調和は、一般的な空気調和機と同じ冷凍サイクルシステムによる冷暖房運転であり、具体的な動作説明は省略する。
ステップS210において、ユーザーからリモコン5を介して冷房運転の指示情報が空気調和機制御部22に設定されることにより、空気調和機1が冷房運転を開始する。空気調和機1が冷房運転を開始すると、サーモパイルセンサモジュール31の室内温度センサ32は、室内の天井面および床面の温度の検出を開始する。室内温度センサ32で検出された天井面および床面の温度の情報である温度情報は、センサモジュール制御部34に送信される。すなわち、各天井温度検出素子51および各床温度検出素子53で検出された天井面および床面の温度情報は、センサモジュール制御部34に送信される。センサモジュール制御部34は、受信した温度情報を、天井温度検出素子51毎および床温度検出素子53毎に記憶する。
つぎに、ステップS220において、室内機2の空気調和機制御部22が、室内の天井面および床面の温度情報を取得する。空気調和機制御部22の温度情報の取得処理は、上述したステップS20と同様である。
つぎに、ステップS230において、送風機制御用制御部23は、空気調和機制御部22に記憶している天井面における各検出領域と各天井温度検出素子51との位置関係の情報と、各天井温度検出素子51で検出された天井面の温度とを対応させることで、天井面の温度分布を作成する。
つぎに、ステップS240において、送風機制御用制御部23は、空気調和機制御部22に記憶している床面における各検出領域と各床温度検出素子53との位置関係の情報と、各床温度検出素子53で検出された床面の温度とを対応させることで、床面の温度分布を作成する。
つぎに、ステップS250において、送風機制御用制御部23は、天井面の温度分布から天井面の平均温度を算出する。
つぎに、ステップS260において、送風機制御用制御部23は、床面の温度分布から床面の平均温度を算出する。
つぎに、ステップS270において、送風機制御用制御部23は、室内空間Sの下部に冷気篭りがあるか否かを判定する。送風機制御用制御部23は、天井面の平均温度と床面の平均温度とを比較し、天井面の平均温度と床面の平均温度との温度差が予め定められた第2温度閾値以上である場合に室内空間Sの下部に冷気篭りがあると判定する。送風機制御用制御部23は、天井面の平均温度と床面の平均温度とを比較し、天井面の平均温度と床面の平均温度との温度差が予め定められた第2温度閾値未満である場合に室内空間Sの下部に冷気篭りがないと判定する。第2温度閾値は、冷房運転時における冷気篭りがあるかの判定を行うための、天井面の平均温度と床面の平均温度との温度差の温度閾値である。
室内空間Sの下部に冷気篭りがあると判定された場合は、ステップS270においてYesとなり、ステップS280に進む。ステップS280において送風機制御用制御部23は、天井面の平均温度と床面の平均温度との温度差を低減させるように、冷気篭りを解消させるための冷気篭り解消運転を指示する指示情報を別体送風機4に送信して、別体送風機4の運転を制御する。冷気篭り解消運転は、別体送風機4が、空気を床面側から吸い込み、天井面側に吹き出す運転である。その後、ステップS220に戻る。
ステップS270において室内空間Sの下部に冷気篭りがないと判定された場合は、ステップS270においてNoとなり、ステップS290に進む。ステップS290では、送風機制御用制御部23は、別体送風機4の運転の停止を指示する指示情報を別体送風機4に送信して別体送風機4の停止を制御し、ステップS300に進む。
つぎに、ステップS300において、送風機制御用制御部23は、空気調和機1が暖房運転中か否かを判定する。
空気調和機1が冷房運転中であると判定された場合は、ステップS220に戻る。空気調和機1が冷房運転中ではないと判定された場合は、一連の冷房運転時の空気調和機1と別体送風機4との連携制御処理が終了する。
空気調和機1の冷房運転時に、上述したような空気調和機1と別体送風機4との連携制御を行うことにより、室内空間S内の冷気篭りを考慮して、空気調和機1の運転状態が別体送風機4による室内の空気循環が有効な状況にある場合のみ、別体送風機4を動作させる制御を行うことができる。これにより、別体送風機4の不要な運転を防止することにより、空気調和システム100の省エネルギー性が向上する。また、室内空間Sの温度が均一化されるため、室内における人の快適性が向上する。
上述したように、本実施の形態1にかかる空気調和システム100は、空気調和機1が、室内空間内の熱篭りまたは冷気篭りを考慮して、空気調和機1の運転状態が別体送風機4による室内の空気循環が有効な状況にある場合のみ、別体送風機4を動作させる制御を行う。これにより、空気調和システム100の省エネルギー性および室内における人の快適性が向上する。
すなわち、本実施の形態1にかかる空気調和システム100は、暖房運転時に天井面における熱篭りの有無を判定して、熱篭りがあると判定された場合にだけ別体送風機4を運転させる制御を行う。これにより、空気調和システム100は、天井面における熱篭りの状況を判定せずに別体送風機4の運転を制御する場合に比べて、別体送風機4の不要な運転を抑制でき、空気調和システム100の省エネルギー性および室内における人の快適性が向上する。
また、空気調和システム100は、冷房運転時に床面の冷気篭りの有無を判定して、冷気篭りがあると判定された場合にだけ別体送風機4を運転させる制御を行う。これにより、空気調和システム100は、床面の冷気篭りの状況を判定せずに別体送風機4の運転を制御する場合と比べて、別体送風機4の不要な運転を抑制でき、空気調和システム100の省エネルギー性および室内における人の快適性が向上する。
したがって、本実施の形態1にかかる空気調和システム100は、空気調和機1と別体送風機4とを備え、省エネルギー性を向上させることが可能な空気調和システムを実現できる。
実施の形態2.
上述した実施の形態1では、空気調和機1が暖房運転中または冷房運転中であり、室内空間を空気調和中であることを前提としている。一方で、空気調和機1では、暖房運転中においてたとえば暖房運転の準備状態中には、暖房運転中であるにもかかわらず室内機2から室内空間Sに冷気が吹き出される可能性がある。空気調和機1の暖房運転時における暖房運転の準備状態の例には、空気調和機1が暖房運転を開始してから室温を計測するための室温取り込み運転を実施する数分間の暖房運転開始初期時、または空気調和機1の暖房運転時において室外機3に付着した霜を除去する霜取り運転時のように圧縮機12が停止している場合が挙げられる。そして、暖房運転中に室内機2から室内空間Sに冷気が吹き出される場合に別体送風機4を運転させると、暖房運転中に冷気を帯びた風が送られ、ユーザーに不快感を与えることになる。
また、空気調和機1では、冷房運転中においてたとえば冷房運転の準備状態中には、冷房運転中であるにもかかわらず室内機2から室内空間Sに暖気が吹き出される可能性がある。空気調和機1の冷房運転時における冷房運転の準備状態の例には、空気調和機1が冷房運転を開始してから室温を計測するための室温取り込み運転を実施する数分間の冷房運転開始初期時、暖房運転から冷房運転に切り替える場合のように室内熱交換器が冷えていない状態の場合が挙げられる。そして、冷房運転中に室内機2から室内空間Sに暖気が吹き出される場合に別体送風機4を運転させると、冷房運転中に暖気を帯びた風が送られ、ユーザーに不快感を与えることになる。
本実施の形態2では、上述したようにユーザーに不快感を与えることを抑制するとともに省エネルギー性を向上させることができる空気調和システムの制御について説明する。図11は、本発明の実施の形態2にかかる空気調和システムにおける別体送風機4の運転制御に関する機能構成を示すブロック図である。本実施の形態2にかかる空気調和システムは、上述した空気調和システム100の制御モジュールに準備状態判定部26が追加された以外は、空気調和システム100と同じ構成を有する。
準備状態判定部26は、空気調和機1の運転が開始された後に、空気調和機1の現在の状態が運転準備状態であるか否かを判定する。すなわち、準備状態判定部26は、空気調和機1の暖房運転が開始された後に、空気調和機1が上述した暖房運転時における暖房運転準備状態であるか否かを判定する。また、準備状態判定部26は、空気調和機1の冷房運転が開始された後に、空気調和機1が上述した冷房運転時における冷房運転準備状態であるかを判定する。
準備状態判定部26は、空気調和機1の運転が開始された後に、空気調和機1の各構成部に関する現在の状態の情報を空気調和機制御部22から取得する。そして、準備状態判定部26は、取得した空気調和機1の各構成部に関する現在の状態の情報により、空気調和機1の現在の状態が運転準備状態であるかを判定する。すなわち、準備状態判定部26は、空気調和機1の暖房運転が開始された後に、空気調和機1の各構成部に関する現在の状態についての情報を空気調和機制御部22から取得し、取得した情報に基づいて空気調和機1の現在の状態が暖房運転時における暖房運転準備状態であるかを判定する。
なお、暖房運転時における暖房運転準備状態であるかの判定において、ユーザーからの操作としては暖房運転の指示が空気調和機1に設定されているが室外機3の圧縮機12が停止している場合、圧縮機12から室内熱交換器7に向けて冷媒を送る冷媒配管6の配管の温度が低く、室内の空気を室内熱交換器7に通しても空気が暖まらない場合、室内ファン8の室内ファンモータ10が停止している場合などを暖房準備中と定義する。
準備状態判定部26は、空気調和機1の各構成部に関する現在の状態の情報として、たとえば、圧縮機12が停止しているか否かの情報、現在が冷房運転開始初期時であるかどうかの情報、圧縮機12から室内熱交換器7に向けて冷媒を送る冷媒配管6の温度が予め定められた第3温度閾値以下であるか否かの情報を空気調和機制御部22から取得する。
上述した霜取り運転時は、ユーザーからの操作としては暖房運転の指示が空気調和機1に設定されているが室外機3の圧縮機12が停止している場合に対応する。上述した暖房運転開始初期時は、冷媒配管6の温度が低い場合に対応する。また、圧縮機12から室内熱交換器7に向けて冷媒を送る冷媒配管6の配管の温度が低く、室内の空気を室内熱交換器7に通しても空気が暖まらない場合は、たとえば圧縮機12から室内熱交換器7に向けて冷媒を送る冷媒配管6の温度が予め定められた第3温度閾値以下である場合である。予め定められた第3温度閾値は、暖房運転時における暖房運転準備状態であるかの判定を行うための冷媒配管6の温度の温度閾値である。
また、準備状態判定部26は、空気調和機1の冷房運転が開始された後に、空気調和機1の各構成部に関する現在の状態についての情報を空気調和機制御部22から取得し、取得した情報に基づいて空気調和機1の現在の状態が冷房運転時における冷房運転準備状態であるかを判定する。
なお、冷房運転時における冷房運転準備状態であるかの判定において、ユーザーからの操作としては冷房運転の指示が空気調和機1に設定されているが室外機3の圧縮機12が停止している場合、圧縮機12から室内熱交換器7に向けて冷媒を送る冷媒配管6の配管の温度が高く、室内の空気を室内熱交換器7に通しても空気が冷えない場合、室内ファン8の室内ファンモータ10が停止している場合などを冷房準備中と定義する。
準備状態判定部26は、空気調和機1の各構成部に関する現在の状態の情報として、たとえば、圧縮機12が停止しているか否かの情報、現在が冷房運転開始初期時であるかどうかの情報、圧縮機12から室内熱交換器7に向けて冷媒を送る冷媒配管6の温度が予め定められた第4温度閾値以上であるか否かの情報を空気調和機制御部22から取得する。
上述した冷房運転開始初期時および暖房運転から冷房運転に切り替える場合のように室内熱交換器が冷えていない状態の場合は、冷媒配管6の配管の温度が高い場合に対応する。冷媒配管6の配管の温度が高い場合は、たとえば圧縮機12から室内熱交換器7に向けて冷媒を送る冷媒配管6の温度が予め定められた第4温度閾値以上である場合である。予め定められた第4温度閾値は、冷房運転時における冷房運転準備状態であるかの判定を行うための冷媒配管6の温度の温度閾値である。
つぎに、図12を参照して、本発明の実施の形態2にかかる空気調和システムの暖房運転時の別体送風機4の制御について説明する。図12は、本発明の実施の形態2にかかる空気調和システムの暖房運転時の空気調和機1と別体送風機4との連携制御処理の流れを説明するフローチャートである。
図12に示したフローチャートは、ステップS72が追加されたこと以外は上述した実施の形態1において図8に示したフローチャートと同じである。以下では、図8に示したフローチャートと異なる部分について説明する。
ステップS70において室内空間Sの上部に熱篭りがあると判定された場合は、ステップS70においてYesとなり、ステップS72に進む。ステップS72において準備状態判定部26は、空気調和機1の各構成部に関する現在の状態の情報を取得し、現在が暖房準備状態であるか否かを判定する。準備状態判定部26は、空気調和機1の各構成部に関する現在の状態の情報を空気調和機制御部22から取得する。空気調和機1の各構成部に関する現在の状態の情報は、たとえば現在が暖房運転開始初期時であるかどうかの情報、圧縮機が停止しているか否かの情報などが挙げられる。準備状態判定部26は、空気調和機制御部22を介して送風機制御用制御部23に判定結果を送信する。なお、準備状態判定部26は、送風機制御用制御部23に判定結果を直接送信してもよい。
現在が暖房準備状態ではないと判定された場合は、ステップS72においてNoとなり、ステップS80に進む。ステップS80では、送風機制御用制御部23は、現在が暖房準備状態ではないとの情報に基づいて、天井面の平均温度と床面の平均温度との温度差を低減させるように、熱篭りを解消させるための熱篭り解消運転を指示する指示情報を別体送風機4に送信して、別体送風機4の運転を制御する。既に別体送風機4が運転している場合は、送風機制御用制御部23は、別体送風機4の運転を継続させる。
現在が暖房準備状態であると判定された場合は、ステップS72においてYesとなり、ステップS90に進む。ステップS90では、送風機制御用制御部23は、現在が暖房準備状態であるとの情報に基づいて、別体送風機4の運転の停止を指示する指示情報を別体送風機4に送信して別体送風機4の停止を制御し、ステップS100に進む。ステップS90では、別体送風機4が停止している場合は、送風機制御用制御部23は、別体送風機4の停止状態を継続させてステップS100に進む。
本実施の形態2にかかる空気調和システムは、上述した処理を行うことで、空気調和機1が暖房準備状態である場合の別体送風機4の不要な運転を抑制でき、また、暖房運転中に冷気が送風されることを抑制することができ、室内における人の快適性が向上する。
つぎに、図13を参照して、本発明の実施の形態2にかかる空気調和システムの冷房運転時の別体送風機4の制御について説明する。図13は、本発明の実施の形態2にかかる空気調和システムの冷房運転時の空気調和機1と別体送風機4との連携制御処理の流れを説明するフローチャートである。
図13に示したフローチャートは、ステップS272が追加されたこと以外は上述した実施の形態1において図10に示したフローチャートと同じである。以下では、図10に示したフローチャートと異なる部分について説明する。
ステップS270において室内空間Sの下部に冷気篭りがあると判定された場合は、ステップS270においてYesとなり、ステップS272に進む。ステップS272において準備状態判定部26は、空気調和機1の各構成部に関する現在の状態の情報を取得し、現在が冷房準備状態であるか否かを判定する。準備状態判定部26は、空気調和機制御部22を介して送風機制御用制御部23に判定結果を送信する。なお、準備状態判定部26は、送風機制御用制御部23に判定結果を直接送信してもよい。
現在が冷房準備状態ではないと判定された場合は、ステップS272においてNoとなり、ステップS280に進む。ステップS280では、送風機制御用制御部23は、現在が冷房準備状態ではないとの情報に基づいて、天井面の平均温度と床面の平均温度との温度差を低減させるように、冷気篭りを解消させるための冷気篭り解消運転を指示する指示情報を別体送風機4に送信して、別体送風機4の運転を制御する。既に別体送風機4が運転している場合は、送風機制御用制御部23は、別体送風機4の運転を継続させる。
現在が冷房準備状態であると判定された場合は、ステップS272においてYesとなり、ステップS290に進む。ステップS290では、送風機制御用制御部23は、現在が冷房準備状態であるとの情報に基づいて、別体送風機4の運転の停止を指示する指示情報を別体送風機4に送信して別体送風機4の停止を制御し、ステップS300に進む。ステップS290では、別体送風機4が停止している場合は、送風機制御用制御部23は、別体送風機4の停止状態を継続させてステップS300に進む。
本実施の形態2にかかる空気調和システムは、上述した処理を行うことで、空気調和機が冷房準備状態である場合の別体送風機4の不要な運転を抑制でき、また、冷房運転中に暖気を帯びた風が送風されることを抑制することができ、室内における人の快適性が向上する。
上述したように、本実施の形態2にかかる空気調和システムは、上述した本実施の形態1にかかる空気調和システム100と同じ効果を奏する。
また、本実施の形態2にかかる空気調和システムは、暖房準備状態または冷房準備状態などの運転準備状態である場合は、別体送風機4を停止させる。これにより、本実施の形態2にかかる空気調和システムは、別体送風機4の不要な運転を抑制でき、省エネルギー性および室内における人の快適性が向上する。
実施の形態3.
人が長時間にわたって室内を不在する場合に、別体送風機4を動かしておくことは、省エネルギー性に反する。このような場合は、別体送風機4を停止させることで、空気調和システムの省エネルギー性を向上させることができる。
本実施の形態3では、上述したように人が長時間にわたって室内を不在する場合における別体送風機4の制御について説明する。図14は、本発明の実施の形態3にかかる空気調和システムにおける別体送風機4の運転制御に関する機能構成を示すブロック図である。本実施の形態3にかかる空気調和システムは、上述した実施の形態2にかかる空気調和システムの制御モジュール21に人検出部27が追加された以外は、実施の形態2にかかる空気調和システムと同じ構成を有する。
人検出部27は、いわゆる公知の人感センサであり、たとえば赤外線を受光する赤外線センサを備え、赤外線センサの検出結果に基づいて、室内に人が居るか否かを判定する。人検出部27は、赤外線センサが検出した室内の赤外線検出結果に基づいて室内の温度分布の情報を生成する。そして、人検出部27は、生成した室内の温度分布の情報に基づいて、室内に人が居るか否かを判定する。
赤外線センサは、室内における予め定められた複数の検出箇所の赤外線を検出する。すなわち、赤外線センサは、室内の床および壁の領域を多数の領域に細分化した多数の分割領域の赤外線を検出する。人検出部27は、空気調和機制御部21から設定された予め定められた周期、またはあらかじめ人検出部27に設定済みの予め定められた周期で人の在否を繰り返し検出する。
なお、人の在否を検出する方法については、特に制約はなく、上記の方法に限定されない。人検出部27は、赤外線センサの代わりに、画像認識によって検出する方式のセンサを用いてもよい。
本実施の形態3では、空気調和機1および別体送風機4の運転時に、人検出部27において検出された人が不在である状態が予め定められた時間閾値以上継続した場合に、別体送風機4を停止させる制御を行う。また、空気調和機1および別体送風機4の運転時に、空気調和機1および別体送風機4の運転時に、人検出部27において検出された人が不在である状態が予め定められた時間閾値未満である場合に、別体送風機4の運転を継続させる制御を行う。予め定められた時間閾値は、室内空間Sにおける人の在否に基づいて別体送風機4を停止させるか否かの判定を行うための、人が不在である不在時間の時間閾値である。
つぎに、図15を参照して、本発明の実施の形態3にかかる空気調和システムの暖房運転時の別体送風機4の制御について説明する。図15は、本発明の実施の形態3にかかる空気調和システムの暖房運転時の空気調和機1と別体送風機4との連携制御処理の流れを説明するフローチャートである。
図15に示したフローチャートは、ステップS74が追加されたこと以外は上述した実施の形態2において図12に示したフローチャートと同じである。以下では、図12に示したフローチャートと異なる部分について説明する。
ステップS72において現在が暖房準備状態ではないと判定された場合は、ステップS72においてNoとなり、ステップS74に進む。ステップS74では、人検出部27は、室内空間Sにおける人の検知を予め定められた周期で行い、空気調和機制御部22を介して送風機制御用制御部23に検出結果を送信する。送風機制御用制御部23は、人検出部27の検出結果に基づいて、室内空間Sにおいて人が不在である不在状態が予め定められた一定時間経過したか否か、すなわち室内空間Sにおいて人が不在である不在状態が予め定められた時間閾値以上検出されたか否かを判定する。なお、人検出部27は、送風機制御用制御部23に検出結果を直接送信してもよい。
人が不在の状態が既定時間経過していないと判定された場合は、ステップS74においてNoとなり、ステップS80に進む。ステップS80では、送風機制御用制御部23は、天井面の平均温度と床面の平均温度との温度差を低減させるように、熱篭りを解消させるための熱篭り解消運転を指示する指示情報を別体送風機4に送信して、別体送風機4の運転を制御する。既に別体送風機4が運転している場合は、送風機制御用制御部23は、別体送風機4の運転を継続させる。
人が不在の状態が既定時間経過していると判定された場合は、ステップS74においてYesとなり、ステップS90に進む。ステップS90では、送風機制御用制御部23は、別体送風機4の運転の停止を指示する指示情報を別体送風機4に送信して別体送風機4の停止を制御し、ステップS100に進む。ステップS90では、別体送風機4が停止している場合は、送風機制御用制御部23は、別体送風機4の停止状態を継続させてステップS100に進む。
日常生活においては、たとえば洗顔または手洗いなどの目的で人が室内を一時的に不在にしただけで、すぐに室内に戻ってくる可能性がある。人が戻ってきた場合、熱篭りがあると快適性を損なう。本実施の形態3にかかる空気調和システムは、上述した処理を行うことで、このような人が室内を一時的に不在にしただけで室内に戻って来たと判定される場合には、別体送風機4の運転を継続させることで室内に戻って来た人の室内における快適性を損なうことなく、省エネルギー性が向上する。また、本実施の形態3にかかる空気調和システムは、上述した処理を行うことで、人が不在の状態が既定時間経過していると判定された場合は別体送風機4を停止させることで、人が不在の室内における別体送風機4の不要な運転を抑制できる。
つぎに、図16を参照して、本発明の実施の形態3にかかる空気調和システムの冷房運転時の別体送風機4の制御について説明する。図16は、本発明の実施の形態3にかかる空気調和システムの冷房運転時の空気調和機1と別体送風機4との連携制御処理の流れを説明するフローチャートである。
図16に示したフローチャートは、ステップS274が追加されたこと以外は上述した実施の形態2において図13に示したフローチャートと同じである。以下では、図13に示したフローチャートと異なる部分について説明する。
ステップS272において現在が冷房準備状態ではないと判定された場合は、ステップS272においてNoとなり、ステップS274に進む。ステップS274では、人検出部27は、室内空間Sにおける人の検知を予め定められた周期で行い、空気調和機制御部22を介して送風機制御用制御部23に検出結果を送信する。送風機制御用制御部23は、人検出部27の検出結果に基づいて、室内空間Sにおいて人が不在である不在状態が予め定められた一定時間経過したか否か、すなわち室内空間Sにおいて人が不在である不在状態が予め定められた時間閾値以上検出されたか否かを判定する。なお、人検出部27は、送風機制御用制御部23に検出結果を直接送信してもよい。
人が不在の状態が既定時間経過していないと判定された場合は、ステップS274においてNoとなり、ステップS280に進む。ステップS280では、送風機制御用制御部23は、天井面の平均温度と床面の平均温度との温度差を低減させるように、冷気篭りを解消させるための冷気篭り解消運転を指示する指示情報を別体送風機4に送信して、別体送風機4の運転を制御する。既に別体送風機4が運転している場合は、送風機制御用制御部23は、別体送風機4の運転を継続させる。
人が不在の状態が既定時間経過していると判定された場合は、ステップS274においてYesとなり、ステップS290に進む。ステップS290では、送風機制御用制御部23は、別体送風機4の運転の停止を指示する指示情報を別体送風機4に送信して別体送風機4の停止を制御し、ステップS300に進む。ステップS290では、別体送風機4が停止している場合は、送風機制御用制御部23は、別体送風機4の停止状態を継続させてステップS300に進む。
日常生活においては、たとえば洗顔または手洗いなどの目的で人が室内を一時的に不在にしただけで、すぐに室内に戻ってくる可能性がある。人が戻ってきた場合、冷気篭りがあると快適性を損なう。本実施の形態3にかかる空気調和システムは、上述した処理を行うことで、人が室内を一時的に不在にしただけで室内に戻って来たと判定される場合には、別体送風機4の運転を継続させることで室内に戻って来た人の室内における快適性を損なうことなく、省エネルギー性が向上する。また、本実施の形態3にかかる空気調和システムは、上述した処理を行うことで、人が不在の状態が既定時間経過していると判定された場合は別体送風機4を停止させることで、人が不在の室内における別体送風機4の不要な運転を抑制できる。
上述したように、本実施の形態3にかかる空気調和システムは、上述した本実施の形態1にかかる空気調和システム100と同じ効果を奏する。
また、本実施の形態3にかかる空気調和システムは、空気調和機1が暖房運転中または冷房運転中において、室内において既定時間にわたって人が不在と判定された場合には別体送風機4を停止させる。これにより、本実施の形態3にかかる空気調和システムは、省エネルギー性が向上する。
また、本実施の形態3にかかる空気調和システムは、人が室内を一時的に不在にしただけで室内に戻って来ると判定される場合には、別体送風機4の運転を継続させることで室内に戻って来た人の室内における快適性を損なうことなく、省エネルギー性が向上する。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、実施の形態の技術同士を組み合わせることも可能であるし、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。