JP6905986B2 - フッ素化化合物を変換するための方法 - Google Patents

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Description

本開示は、合成方法及びこのような開示された合成方法を用いて形成された化合物に関する。
フッ素化化合物をフッ素化フッ化アシル又はその誘導体に変換する方法が本明細に開示され、本方法は、フッ素化化合物を、触媒量の少なくとも1つの遷移金属化合物、及び酸素含有化合物と反応させて、フッ素化フッ化アシル又はその誘導体を形成する工程を含む。
Figure 0006905986
それらの誘導体、又はこれらの組み合わせから選択される1つ以上の化合物も本明細書に開示される。
本開示の上記の概要は、開示される各々の実施形態、又は本開示の全ての実装形態を説明することを目的としたものではない。以下の説明は、例示的な実施形態をより具体的に表わすものである。本出願を通していくつかの箇所において、例を列挙することによって指針が示されるが、それらの例は様々な組み合わせで使用することができる。いずれの場合にも、記載された列挙は、代表的な群としての役割のみを果たすものであり、排他的な列挙として解釈されるべきではない。
本明細書で用いる全ての科学用語及び技術用語は、特に明記しない限り、当該技術で通常用いられる意味を有する。本明細書で与えられる定義は、本明細書で頻繁に用いる特定の用語の理解を助けるためのものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いる場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、内容からそうではないと明確に示されない限り、複数の指示対象を有する実施形態を包含する。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いる場合、用語「又は」は、内容からそうではないと明確に示されない限り「及び/又は」を含む意味で概して用いられる。「及び/又は」という用語は、列挙されている要素のうちの1つ若しくは全て、又は列挙されている要素のうちの任意の2つ以上の組み合わせを意味する。
本明細書において使用される場合、「を有する」、「を有している」、「を含む」、「を含んでいる」、「を備える」、「を備えている」などは、非限定的な意味で使用されており、概して、「を含むが、それらに限定されない」ことを意味する。「から本質的になる」、「からなる」などは、「を含む」などに包含されることが理解されるであろう。例えば、銀「を含む」導電性トレースは、銀「からなる」導電性トレースであってもよく、又は銀「から本質的になる」導電性トレースであってもよい。
本明細書において使用される場合、「から本質的になる」は、ある組成物、装置、システム、及び方法などに関する場合、その組成物、装置、システム、及び方法などの構成成分が、列挙された構成成分と、その組成物、装置、システム、及び方法などの基本的特性及び新規の特性に対して実質的に影響を及ぼさない任意の他の構成成分とに限定されることを意味する。
「好ましい」及び「好ましくは」という単語は、ある特定の状況においてある特定の利益を供し得る実施形態を指す。しかしながら、同じ又は他の状況下において、他の実施形態が好ましい場合もある。更に、1つ以上の好ましい実施形態の列挙は、他の実施形態が有用ではないことを示唆するものではなく、請求項を含む本開示の範囲から他の実施形態を除外することを意図するものではない。
また、本明細書において、端点による数値範囲の列挙は、その範囲内に包含される全ての数を含む(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含み、あるいは10以下は、10、9.4、7.6、5、4.3、2.9、1.62、0.3などを含む)。値の範囲が特定の値「まで」である場合、その値は、その範囲内に含まれる。全ての上限と下限は、任意の組み合わせで組み合わされて、例えば、特定の構成成分又は特性の範囲を形成することができる。
また、本明細書においては、全ての数は「約」という用語で修飾されるものと想定され、好ましくは「厳密に」という用語で修飾されると想定される。本明細書において、測定された量に関連して使用するとき、用語「約」は、測定を行い、測定の目的及び使用された測定器具の精度に相応の水準の注意を払った当業者により予想される、測定量における変動を指す。
上の記載及び以下の特許請求の範囲における「第1の」、「第2の」などの使用は、必ずしも、列挙された数の工程が存在するのを示すことを意図するものではない。例えば、「第2の」ステップは、単に、別のステップ(例えば「第1の」ステップなど)から区別することを意図する。また、上の記載及び以下の特許請求の範囲における「第1の」、「第2の」などの使用は、必ずしも、一方が他方よりも時間的に早く現れるのを示すことを意図するものではない。
ある基が本明細書に記載のある式中に2回以上存在するとき、各基は、具体的記載の有無にかかわらず、「独立に」選択される。例えば、式中に2つ以上のR基が存在するとき、各R基は独立して選択される。更に、これらの基に含まれる下位基も独立に選択される。
本願で使用するとき、「室温」という用語は、約20℃〜約25℃又は約22℃〜約25℃の温度を指す。
フッ素化化合物を酸化する従来の方法は、ルイス酸、例えば五フッ化アンチモン及び塩化チタンを利用した。このような方法は、使用可能な量の生産が実行不可能である低い収率をもたらした。その後の方法では圧力を増加させたが、依然として所望の収率を得られなかった。他の方法はより高い収率を得たが、非常に多量の試薬(例えば、KMnO)を利用し、多量の望ましくない副産物を生成した。したがって、フッ素化化合物をフッ素化フッ化アシル含有化合物又はそれらの誘導体に変換する更なる方法が依然として必要とされている。
フッ素化化合物をフッ素化フッ化アシル化合物又はそれらの誘導体に変換する方法が本明細書に開示される。
本明細書で使用される場合、「フッ素化」は、炭素に結合した1つ又は複数のフッ素(F)原子を含む任意の化合物を指すことができる。フッ素化化合物は、部分フッ素化化合物及び全フッ素化化合物を含むことができる。「全フッ素化」とは、全ての水素原子がフッ素原子によって置換されていることを意味する。例えば、「全フッ素化メチル」なる用語は、−CF基を意味する。「部分フッ素化」とは、全てではないが、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子によって置換されていることを意味する。例えば、−CFH基、又は−CFH基は、部分フッ素化メチル残基の例である。
本明細書で変換することができる化合物は、任意の官能基を含むことができ、事実上任意の部類の化合物を表わすことができる。フッ素化フッ化アシル又はその誘導体に変換されるフッ素化化合物が、フッ化アシル基を含まず、及び/又はフッ化アシル化合物として分類されないことに留意すべきである。いくつかの実施形態では、フッ素化化合物は、例えば、それらが含み得る官能基によって記述することができ、フッ素化化合物は、例えば、オレフィン化合物若しくはオレフィン含有化合物、エーテル含有化合物、及びエポキシド含有化合物を含むことができる。化合物が、2つ以上の部類によって記述することができ、例えば、化合物は、オレフィン含有化合物及びエーテル含有化合物の両方であり得ることに留意すべきである。本明細書で変換されるフッ素化化合物が、任意の追加の原子、構造、又は基を含むことができることにも留意すべきである。典型的には、本明細書で変換されるフッ素化化合物は、本明細書に記載されるこれらの官能基などの1つ又は複数の官能基を含有するフッ素化アルキル化合物である。
本明細書で使用される場合、「オレフィン含有化合物」又は「オレフィン化合物」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む任意の化合物を指すことができる。オレフィン含有化合物は、不飽和化合物とも称することができる。オレフィン含有化合物は、1つ又は複数の炭素−炭素二重結合を含むことができる。
本明細書で使用される場合、「エポキシド含有化合物」とは、2つの炭素原子と1つの酸素原子とを含む3員環であるオキシラン環を含有する任意の化合物を指すことができる。エポキシド含有化合物は、1つ又は複数のオキシラン環を含むことができる。
本明細書で使用される場合、「エーテル含有化合物」は、2つの炭素原子の間に介在する少なくとも1個の酸素原子を含む任意の化合物(R−O−R)を指すことができる。エーテル含有化合物は、1つ又は複数のR−O−R基を含むことができる。いくつかの実施形態では、エーテル含有化合物は、ビニルエーテル含有化合物であり得る。本明細書で使用される場合、「ビニルエーテル」は、炭素−炭素二重結合によって互いに結合した2つの炭素原子と、該二重結合炭素原子のうちの1つに結合した少なくとも1つのエーテル酸素とを有する化合物中の部分を意味する。
いくつかの実施形態では、本明細書で変換されるフッ素化化合物は、例えば、フッ素化オレフィン化合物を含むことができる。このようなフッ素化オレフィン化合物は、直鎖、分枝鎖、環状、又はこれらの組み合わせであり得る。直鎖オレフィンは、炭素(又は他の原子)の単鎖のみを含むものであるのに対し、分枝鎖オレフィンは、少なくとも1つのペンダント炭素基を含むものである。いくつかの実施形態では、直鎖又は分枝鎖のフッ素化オレフィンは、本明細書で変換することができる。いくつかの例示的な実施形態では、直鎖又は分枝鎖フッ素化オレフィンはまた、1つ以上のエーテル基を含むことができる。いくつかの例示的な実施形態では、直鎖又は分枝鎖フッ素化オレフィンは、全フッ素化直鎖又は分岐鎖オレフィンとすることができる。
いくつかの特定の例示的な実施形態では、フッ素化直鎖オレフィン含有化合物は、3〜12個の炭素原子、4〜8個の炭素原子、又は4〜6個の炭素原子を含むことができる。いくつかの特定の例示的な実施形態では、フッ素化直鎖オレフィン含有化合物には、例えば、部分フッ素化ブテン、全フッ素化ブテン、部分フッ素化ペンテン、全フッ素化ペンテン、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの特定の例示的な実施形態では、フッ素化直鎖オレフィン含有化合物には、例えば、全フッ素化ブテン、全フッ素化ペンテン、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。全フッ素化ビニル含有化合物の特定の例示的な例には、C−O−[CF(CF)−CF−O]−CF=CF(式中、x=0又は1)、CF=CF−O−CF−CF−O−CF、CF−O−(CF−O−CF=CF、CF=CF−O−CF−CF−O−CF−O−CF、CF=CF−O−(CF−O−CF=CF(式中、x=2〜6)又は同様の化合物を挙げることができる。部分フッ素化オレフィン含有化合物の特定の例示的な例には、HCF−CF−CF−O−[CF(CF)−CF−O]−CF=CF(式中、x=0又は1)及びCF−CH−O−CF=CFを挙げることができる。
いくつかの特定の例示的な実施形態では、フッ素化分岐鎖オレフィン含有化合物は、4〜12個の炭素原子、4〜10個の炭素原子、又は4〜8個の炭素原子を含むことができる。フッ素化分枝鎖オレフィン含有化合物の特定の例示的な例には、COCF(CF)CFOCF=CF(PPVE−2:1,1,1,2,2,3,3,−ヘプタフルオロ−3−({1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−[(トリフルオロエテニル)オキシ]プロパン−2−イル}オキシ)プロパン)又は同様の化合物を挙げることができる。
いくつかの実施形態では、環状フッ素化オレフィンは、本明細書で変換することができる。いくつかの例示的な実施形態では、環状フッ素化オレフィンは、単環構造又は多環構造を含むことができる。いくつかの例示的な実施形態では、環状フッ素化オレフィンは、4〜8員の炭素環、又は例えば、4〜7員の炭素環とすることができる。いくつかの例示的な実施形態では、環状フッ素化オレフィンは、全フッ素化環状オレフィンとすることができる。いくつかの特定の例示的な実施形態では、フッ素化化合物には、部分フッ素化シクロペンテン又はペルフルオロシクロペンテンを挙げることができる。いくつかの特定の例示的な実施形態では、フッ素化化合物には、ペルフルオロシクロペンテンを挙げることができる。
いくつかの実施形態では、本明細書で変換されるフッ素化化合物は、エポキシド含有化合物を含むことができる。更には、フッ素化化合物は、これがフッ化アシル含有化合物に変換される前に、エポキシド含有フッ素化化合物に変換することができる。したがって、フッ素化エポキシド含有化合物は、開示された方法における出発物質、又はフッ素化化合物のフッ化アシル含有化合物への変換における中間体とすることができる。いくつかの例示的な実施形態では、エポキシド含有フッ素化化合物は、より具体的には、オレフィンエポキシド含有フッ素化化合物と記述することができ、又は更により具体的には、環状オレフィンエポキシド含有フッ素化化合物と記述することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書で変換されるフッ素化化合物は、フッ素化エーテル含有化合物を含むことができる。フッ素化エーテル含有化合物は、1つ又は複数のエーテル基を含むことができる。いくつかの実施形態では、フッ素化エーテル含有化合物は、1つのエーテル基、2つのエーテル基、又は3つ以上のエーテル基を含むことができる。フッ素化エーテル含有化合物はまた、例えば、1つ以上の炭素−炭素二重結合を含むことができる(例えば、オレフィン含有化合物とすることもできる)。いくつかの特定の例において、1つ以上の炭素−炭素二重結合を含むフッ素化エーテル含有化合物は、ビニルエーテル含有化合物又はアリルエーテル含有化合物であり得る。いくつかの実施形態では、フッ素化エーテル含有化合物は、例えば、全フッ素化エーテル含有化合物であってもよい。より具体的には、それらは、例えば、全フッ素化エーテルオレフィン含有化合物とすることができる。更により具体的には、それらは、例えば、全フッ素化ビニル又はアリルエーテル含有化合物とすることができる。全フッ素化ビニル又はアリルエーテル含有化合物の特定の例には、C−O−[CF(CF)−CF−O]−CF=CF(式中、x=0又は1)、CF=CF−O−CF、CF=CF−O−CF−CF−O−CF、CF−O−(CF−O−CF=CF、CF=CF−O−CF−CF−O−CF−O−CF、CF=CF−CF−O−CF、CF=CF−CF−O−CF−CF−CF、CF=CF−CF−O−CF−CF−O−CF、CF=CF−CF−O−CF−CF−O−CF−O−CF、CF−O−(CF−O−CF−CF=CF、CF=CF−O−(CF−O−CF=CF(式中、x=2〜6)、CF=CF−CF−O−(CF−O−CF−CF=CF(式中、x=2〜6)、又は同様な化合物を挙げることができる。更により具体的には、これらは、例えば、少なくとも第2のエーテル基を含む全フッ素化ビニルエーテル含有化合物とすることができる。部分フッ素化ビニル及びアリルエーテル含有化合物の特定の例示的な例には、CF−CH−O−CF=CF、CF−CH−O−CF−CF=CF、HCF−CF−CF−O−CF(CF)−CF−O−CF=CF、及びHCF−CF−CF−O−CF(CF)−CF−O−CF−CF=CFを挙げることができる。
開示された方法は、フッ素化化合物を触媒量の少なくとも1つの遷移金属化合物、及び酸素含有化合物と反応させることを含む。遷移金属化合物及び酸素含有化合物は、フッ素化化合物と同じ時間に、又は異なる時間に接触させることができることに留意されたい。
「遷移金属化合物」とは、1つ以上の遷移金属を含む任意の化合物を指すことができる。遷移金属には、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオビウム(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、及び金(Au)を挙げることができる。いくつかの実施形態では、遷移金属化合物は、比較的高い酸化状態を有するか、又は比較的高い酸化状態にある1つ以上の遷移金属を含むことができる。遷移金属化合物中で利用され得るこのような遷移金属の例示的な例には、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、及びPtを挙げることができる。遷移金属化合物中で利用され得るこのような遷移金属の例示的な例には、例えば、V、Mo、W、及びTiを挙げることができる。
方法で利用され得る遷移金属化合物は、様々な異なる形態にあり得る。例えば、遷移金属化合物は、酸化物、スピネル化合物、オキソペルオキソ金属化合物、有機錯化剤とのオキソペルオキソ金属錯体、又はこれらの任意の組み合わせとすることができる。
いくつかの実施形態では、遷移金属化合物は、1つ以上の遷移金属を含む酸化物とすることができる。いくつかの実施形態では、遷移金属化合物は、比較的高い酸化状態を有する遷移金属の酸化物とすることができる。遷移金属酸化物は、遷移金属以外の金属をその中に含むことができる。いくつかの実施形態では、遷移金属化合物は、遷移金属酸化物、例えば、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、及びPtのうちの1つ以上の酸化物、又はVの酸化物とすることができる。いくつかの実施形態では、遷移金属化合物は、例えば、酸化バナジウム(V)を含むことができる。いくつかの実施形態では、例示的な遷移金属酸化物は、例えば、過マンガン酸カリウム(KMnO)を含むことができる。遷移金属酸化物は、粉末形態、顆粒形態、又は任意の他の便利な形態で使用することができる。
いくつかの実施形態では、遷移金属化合物は、スピネル化合物とすることができる。スピネル化合物は、一般式A2+3+ 2− を有し、式中、A及びBは、2つの金属原子である。2つの金属原子(A及びB)は、異なる金属であってもよいが、その必要があるわけではない。例えば、2つの金属は、同じ金属であってもよいが、異なる酸化状態を有する(例えば、A及びBの両方が鉄(Fe)であってもよく、ここでAはFe2+であり、BはFe3+である)。いくつかの実施形態では、A及びBの両方が遷移金属(上で列記した)であり、他の実施形態では、A又はBのうちの1つだけが遷移金属である。いくつかの実施形態では、A及びBは、Mn、Fe、Cr、Co、Zn、Fe、Ni、アルミニウム(Al)、及びマグネシウム(Mg)から選択することができる。いくつかの特定の例示的なスピネル化合物は、Mn、FeCr、CoAl、Co、ZnAl、Fe、CoFe、NiFe、及びMgFeを含むことができる。
いくつかの実施形態では、遷移金属化合物は、オキソペルオキソ金属化合物とすることができる。オキソペルオキソ金属化合物の例には、MoO(O nHOが挙げられる。オキソペルオキソ化合物に関する更なる具体例は、その開示が、それを参照することにより本明細書に組み込まれる、Appl.Catal.,A,2007,327、205〜21で見出すことができる。いくつかの実施形態では、遷移金属化合物は、有機錯化剤とのオキソペルオキソ金属錯体とすることができる。いくつかの実施形態では、例示的な有機錯化剤とのオキソペルオキソ金属錯体は、窒素原子(N)、酸素原子(O)、又はこれらの組み合わせを配位部位として含むことができる。有機錯化剤とのオキソペルオキソ金属錯体の例示的な例には、MoO(O 4,4’−ビピリジン、MoO(O 4−メチルピリジニウムN−オキシドO、及びVO(O)(ピラジン−2−カルボキシレート)2HOが挙げられる。モリブデンビピリジン化合物に関する更なる詳細は、Appl.Catal.,A,2007,327,205〜21で見出すことができ、モリブデンメチルピリジニウム化合物は、Polyhedron 2009,28,3929〜3934で見出すことができ、バナジウム化合物は、J.Am.Chem.Soc.1983,105,3101〜3110で見出すことができ、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。オキソペルオキソ金属化合物で利用することができる例示的な特定の金属には、例えば、V、Mo、及びWが挙げられる。
遷移金属化合物は、触媒量で使用される。いくつかの実施形態では、触媒量の遷移金属化合物は、変換されるフッ素化化合物の全モル量に基づいて、20モル%以下、10モル%以下、8モル%以下、又は5モル%以下の遷移金属化合物である。いくつかの実施形態では、遷移金属化合物の触媒量は、変換されるフッ素化化合物の全モル量に基づいて、1モル%以上である。
開示された方法は、フッ素化化合物を触媒量の少なくとも1つの遷移金属化合物、及び酸素含有化合物と反応させることを含む。酸素含有化合物は、反応温度(又は室温、若しくは両方)において気体、反応温度(又は室温、若しくは両方)において液体、反応温度(又は室温、若しくは両方)において固体、又はこれらの組み合わせ(例えば、2つ以上の酸素含有化合物)とすることができる。いくつかの実施形態では、酸素含有化合物は、例えば酸素含有ガスとすることができる。酸素含有化合物は、反応の雰囲気に、又は反応混合物に与えることができる。酸素含有ガスが利用される実施形態では、酸素原子を含む任意のガスを利用することができる。いくつかの実施形態では、酸素含有ガスには、酸素(O)、水(HO)、過酸化水素(H)、オゾン(O)、亜酸化窒素(NO)、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、酸素ガス(O)を利用することができる。いくつかの実施形態では、フッ素化化合物のモル量に対する酸素含有化合物のモル量は、1モルのフッ素化化合物に対して1モル以上の酸素含有化合物(例えば、≧1:1)、かつ1モルのフッ素化化合物に対して1モル以下の酸素含有化合物(例えば、≦10:1)とすることができる。
様々な開示された方法を実行するとき、様々な反応条件を調節及び/又は変更することができる。このような反応条件の例には、例えば、温度及び圧力を挙げることができる。いくつかの実施形態では、方法は、例えば上昇した温度で(例えば、室温、約25℃以上で)行うことができる。いくつかの実施形態では、フッ素化化合物の遷移金属化合物及び酸素含有化合物の反応は、例えば、50℃以上、65℃以上又は70℃以上の温度で行うことができる。いくつかの実施形態では、フッ素化化合物の遷移金属化合物及び酸素含有化合物の反応は、650℃以下、500℃以下、250℃以下、100℃以下、又は95℃以上の温度で行うことができる。環状オレフィンを変換する方法は、有利には、高温、例えば100℃以上、更には400℃以上、又は更には440℃以上の温度を利用してもよい。いくつかの実施形態では、方法は、例えば、上昇した圧力下(例えば、大気圧、約1bar超で)行うことができる。いくつかの実施形態では、開示された方法は、20bar以下(例えば、≦20bar)の圧力で、又はいくつかの実施形態では、5bar以下の(例えば、≦5bar)圧力で行うことができる。いくつかの実施形態では、開示された方法は、1bar以上(例えば、≧1bar)の圧力で行うことができる。
開示された方法は、既知の合成法、プロセス、反応容器、及び他の標準装備を用いて行うことができる。開示された方法は、バッチモードで、連続モードで(例えば、流通反応器)で、又はこれらの組み合わせで行うことができる。開示された方法は、バルク中で、又は溶媒中で行うことができる。例示的な溶媒には、不活性フッ素化(部分フッ素化又は全フッ素化されたいずれかの)溶媒などの非反応性溶媒を挙げることができる。いくつかの実施形態では、超臨界液体又は気体、例えば超臨界二酸化炭素(scCO)を利用することができる。
開示された方法は、フッ素化化合物をフッ素化フッ化アシル化合物又はそれらの誘導体に変換する。「フッ化アシル」は、カルボン酸の−OHがフッ素原子で置き換えられた(RC(O)F)状態の有機酸基を指すことができる。フッ化アシル含有化合物又は単純にフッ化アシルは、この場合、フッ化アシル基を含む化合物を指す。本明細書に開示された方法は、フッ素化化合物をフッ素化フッ化アシルに変換する。フッ素化フッ素化アシルは、一般的に、フッ化アシル基中のものよりも多くのフッ素原子を含む。フッ化アシル含有化合物は、これらが通常、他の化合物と比較的容易に反応することができるために、有用であり得る。「フッ化アシル誘導体」又はフッ化アシルの誘導体は、例えば、加水分解、エステル化、又はアンモノリシスを受けたフッ化アシルを指すことができる。したがって、フッ化アシル誘導体は、カルボン酸(一旦加水分解を受けた)、エステル(一旦エステル化された)、又はアミド若しくはニトリル(一旦アンモノリシスを受けた)である。特定のフッ化アシルを誘導体化、又は更に反応させる任意の方法(例えば、反応スキームに関して以下に説明されるもの)が、反応スキームで記述されている具体的なフッ化アシルのみならず、任意のフッ化アシルを誘導体化又は反応させるために利用することができることに留意されたい。開示された方法を用いて形成されるフッ素化フッ化アシルはまた、例えば、出発フッ素化化合物に少なくとも部分的に応じて、様々な他の官能基を含むことができる。
開示された方法を用いて形成されるフッ素化フッ化アシルの特定の例示的な例には、以下の化合物A及びBが挙げられる。
Figure 0006905986
化合物A、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ヘプタフルオロプロポキシ)プロピルフルオロカーボネート及び化合物B、2,2−ジフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)アセチルフルオリドは、全フッ素化ビニルエーテル化合物、具体的には、しばしばPPVE−2と称される、1,1,1,2,2,3,3,−ヘプタフルオロ−3−({1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−[(トリフルオロエテニル)オキシ]プロパン−2−イル}オキシ)プロパンで出発することによって形成することができる。構造的に、この反応は、下記スキーム1で示される。
Figure 0006905986
例えば、上記化合物A及びBを含むフッ化アシルは、得られた後、更に修飾又は反応させて、フッ素化フッ化アシル化合物の誘導体を得ることができる。例えば、これらは、例えば加水分解又はエステル化を受けることができる。以下のスキーム2は、化合物A及びBの加水分解を示す。
Figure 0006905986
化合物A及びBが一例であるフッ化アシルはまた、例えばエステル化を受けることができる。以下のスキーム3は、化合物A及びBのメタノールによるエステル化を一例として示す。
Figure 0006905986
フッ素化環状オレフィンから作製され得るフッ素化フッ化アシルは、ペルフルオロシクロペンテン(7)を変換することによって例示されている。この反応は、下記反応スキーム4に示される。スキーム4は、ペルフルオロシクロペンテン(7)の、酸化を介する(遷移金属化合物及び酸素含有ガスを用いる)フッ化アシル、二フッ化2,2,3,3,4,4,−ヘキサフルオロペンタンジオイル(8)への変換を示す。
Figure 0006905986
例えばペルフルオロシクロペンテン(7)などのフッ素化環状オレフィンから形成されたフッ化アシルもまた、更に反応又は誘導体化させることができる。例えば、フッ化アシルを連鎖移動剤に変換すること、又はフッ化アシルを様々な他のフッ化物試薬と反応させて、例えば、ビニル−若しくはアリル−エーテル、ビスオレフィン、又はニトリル含有化合物を含む化合物を形成することを含む、様々な反応を行うことができる。本明細書で形成されるフッ化アシルを用いて行うことができる反応の別の特定の例示的な例には、フッ化アシルをヘキサフルオロプロペンオキシド(HFPO)、又はフルオロ硫酸ペルフルオロアリルと反応させて、ビニル−若しくはアリル−エーテルを形成することが含まれる。
スキーム5a、5b、5c及び5dは、可能な反応スキーム、具体的には、フッ化アシルの連鎖移動剤、化合物10への変換(スキーム5a)、フッ化アシルのHFPOとの反応(スキーム5b)、ニトリルへの反応(スキーム5c)、及び例示的な化合物9、二フッ化2,2,3,3,4,4,−ヘキサフルオロペンタンジオイルへのフルオロ硫酸との反応(スキーム5d)を示す。
Figure 0006905986
フッ素化直鎖オレフィンから作製され得るフッ素化フッ化アシルは、ペルフルオロペンタ−2−エン、化合物10を、酸化を介して(遷移金属化合物及び酸素含有ガスを用いて)フッ化アシル、化合物11及び12に変換することによって例示されている。この反応は、下記反応スキーム6に示される。
Figure 0006905986
例えばペルフルオロペンタ−2−エン(10)などのフッ素化直鎖オレフィンから形成されたフッ化アシルもまた、更に反応又は誘導体化させることができる。例えば、フッ化アシルを様々な他のフッ化物試薬と反応させて、例えば、ビニル−若しくはアリル−エーテル、ビスオレフィン、又はニトリル含有化合物を含む化合物を形成することを含む、様々な反応を行うことができる。本明細書で形成されるフッ化アシルを用いて行うことができる反応の別の特定の例示的な例には、フッ化アシルをヘキサフルオロプロペンオキシド(HFPO)、又はフルオロ硫酸ペルフルオロアリルと反応させて、ビニル−若しくはアリル−エーテルを形成することが含まれる。スキーム7aは、化合物11と12の混合物のHFPOとの反応を示し、スキーム7bは、フルオロ硫酸ペルフルオロアリルとの反応を示す。
Figure 0006905986
スキーム6、7a、及び7bで見られるものと同様な反応スキームは、別のフッ素化直鎖オレフィンペルフルオロペンタ−1−エン、化合物13の、酸化を介する(遷移金属化合物及び酸素含有ガスを用いた)フッ化アシル、化合物14及び15への変換によっても例示することができる。この反応は、下記反応スキーム8に示される。
Figure 0006905986
例えばペルフルオロペンタ−1−エン(13)などのフッ素化直鎖オレフィンから形成されたフッ化アシルもまた、更に反応又は誘導体化させることができる。例えば、フッ化アシルを様々な他のフッ化物試薬と反応させて、例えば、ビニル−若しくはアリル−エーテル、ビスオレフィン、又はニトリル含有化合物を含む化合物を形成することを含む、様々な反応を行うことができる。本明細書で形成されるフッ化アシルを用いて行うことができる反応の別の特定の例示的な例には、フッ化アシルをヘキサフルオロプロペンオキシド(HFPO)、又はフルオロ硫酸ペルフルオロアリルと反応させて、ビニル−若しくはアリル−エーテルを形成することが含まれる。スキーム9aは、化合物14と15の混合物のHFPOとの反応を示し、スキーム9bは、フルオロ硫酸ペルフルオロアリルとの反応を示す。
Figure 0006905986
例えば、開示された方法を用いてペルフルオロ直鎖オレフィンをフッ化アシルに変換し、次いでフッ化アシルを更に反応させて、それらを誘導体化させ、又は両方を行うことによって形成することができる追加の特定の化合物には、例えばCF−O−CF=CF、C−O−CF=CF、C−O−CF=CF、C−O−CF=CF、CF−O−CF−CF=CF、C−O−CF−CF=CF、C−O−CF−CF=CF、C−O−CF−CF=CF、CF=CF−O−(CF−O−CF=CF、CF=CF−CF−O−(CF−O−CF−CF=CF、CF=CF−O−(CF−CN、X−(CF−X(式中、Xは、独立してI及びBrから選択される)を挙げることができる。
以下は、本開示の具体的な、特定の実施形態の概要である。
いくつかの例示的な実施形態は、フッ素化化合物をフッ素化フッ化アシル又はその誘導体に変換する方法であって、フッ素化化合物を、触媒量の少なくとも1つの遷移金属化合物、及び酸素含有化合物と反応させて、フッ素化フッ化アシル又はその誘導体を形成する工程を含む、方法を含む。
以下の項において、「このような方法」とは、直ぐ上の例示的な方法並びにこの項で開示される任意の他の方法を指す。このような方法において、フッ素化化合物は、少なくとも1つのエポキシド基を含む。このような方法において、フッ素化化合物は、少なくとも1つのエーテル基を含む。このような方法において、フッ素化化合物は、フッ素化オレフィン含有化合物である。このような方法において、フッ素化化合物は、3〜12個の炭素を有する。このような方法において、フッ素化化合物は、4〜8個の炭素原子を含む。このような方法において、フッ素化化合物は、部分フッ素化4炭素鎖化合物、部分フッ素化5炭素鎖化合物、部分フッ素化6炭素鎖化合物、全フッ素化4炭素鎖化合物、全フッ素化5炭素鎖化合物、全フッ素化6炭素鎖化合物、又はこれらの組み合わせである。このような方法において、フッ素化化合物は、全フッ素化ビニルエーテル化合物である。このような方法において、フッ素化化合物は、環状フッ素化オレフィンである。このような方法において、フッ素化オレフィンは、5〜10個の炭素を有する。このような方法において、フッ素化オレフィンは、部分フッ素化シクロペンテン、全フッ素化シクロペンテン、又はこれらの組み合わせである。このような方法において、遷移金属化合物は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、又はこれらの組み合わせを含む。このような方法において、遷移金属化合物は、酸化バナジウム(V)、酸化モリブデン(MoO)、又はこれらの組み合わせを含む。このような方法において、遷移金属化合物は、酸化バナジウム(V)を含む。このような方法において、触媒量の遷移金属化合物は、オレフィンの全モル量に基づいて、20モル%以下の遷移金属酸化物である。このような方法において、触媒量の遷移金属化合物は、オレフィンの全モル量に基づいて、10モル%以下の遷移金属酸化物である。このような方法において、触媒量の遷移金属化合物は、オレフィンの全モル量に基づいて、8モル%以下の遷移金属酸化物である。このような方法において、触媒量の遷移金属化合物は、オレフィンの全モル量に基づいて、5モル%以下の遷移金属酸化物である。このような方法において、触媒量の遷移金属化合物は、オレフィンの全モル量に基づいて、約1モル%〜約5モル%の遷移金属酸化物である。このような方法において、酸素含有化合物は、酸素含有ガスを含む。このような方法において、酸素含有ガスが、酸素(O)、水(HO)、過酸化水素(H)、オゾン(O)、亜酸化窒素(NO)、又はこれらの組み合わせを含む。このような方法において、酸素含有ガスは、Oを含む。このような方法において、反応は、約50℃以上の温度で行われる。このような方法において、反応は、約50℃〜約650℃の温度で行われる。このような方法において、反応は、約70℃〜約500℃の温度で行われる。このような方法において、フッ素化フッ化アシルは、その誘導体、又はこれらの組み合わせである。
Figure 0006905986
このような方法は、フッ素化フッ化アシルを加水分解して、フッ素化フッ化アシルの誘導体を形成する工程を更に含む。このような方法において、加水分解は、室温を超える温度で起こる。このような方法は、フッ素化フッ化アシルをエステル化する工程を更に含む。このような方法において、エステル化は、フッ素化フッ化アシルをアルコールと反応させることによって起こる。このような方法において、アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、又はこれらの組み合わせから選択される。このような方法は、フッ素化フッ化アシルをヨウ素含有化合物と反応させて、連鎖移動剤を形成する工程を更に含む。このような方法は、フッ素化フッ化アシルを他のフッ化物含有試薬と反応させて、ビニル−若しくはアリル−エーテル、ビスオレフィン、又はニトリル含有化合物を形成する工程を更に含む。このような方法は、フッ素化フッ化アシルをヘキサフルオロプロペンオキシド(HFPO)、フルオロ硫酸ペルフルオロアリル、又はこれらの組み合わせと反応させて、ビニル−エーテル、アリル−エーテル、又はこれらの組み合わせを形成する工程を更に含む。このような方法において、フッ化アシル化合物の誘導体は、CF−O−CF=CF、C−O−CF=CF、C−O−CF=CF、C−O−CF=CF、CF−O−CF−CF=CF、C−O−CF−CF=CF、C−O−CF−CF=CF、C−O−CF−CF=CF、CF=CF−O−(CF−O−CF=CF、CF=CF−CF−O−(CF−O−CF−CF=CF、CF=CF−O−(CF−CN、X−(CF−X(式中、Xは、独立してI及びBrから選択される)、又はこれらの組み合わせを含む。このような方法において、フッ化アシル化合物に変換される前記フッ素化化合物は、1,1,1,2,2,3,3,−ヘプタフルオロ−3−({1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−[(トリフルオロエテニル)オキシ]プロパン−2−イル}オキシ)プロパン(PPVE−2)を含む。
追加の例示的な実施形態は、それらの誘導体、又はこれらの組み合わせから選択される1つ以上の化合物を含むことができる。
Figure 0006905986
本開示の目的及び利点は、以下の非限定的な実施例によって更に例示されるが、これらの実施例で引用される特定の材料及びそれらの量、並びに他の条件及び詳細は、本開示を多少なりとも限定するものとして解釈されるべきではない。
特に指示がない限り、実施例において使用される全ての化学物質はSigma−Aldrich Corp.(Saint Louis、MO)から得ることができる。
以下の略語が本セクションで使用される:mol=モル、mmol=ミリモル、mol%=モルパーセント、h=時間、NMR=核磁気共鳴、mmHg=水銀柱ミリメートル、Hz=ヘルツ
Figure 0006905986
特性決定
NMRスペクトルを、H(TMS)については400MHzで、19F(CFCl)については376MHzで、及び13C(TMS)については100MHzで動作するJEOL ECX400分光計で、22℃において得た。収率は、試料の秤量した量及び決定したモル/重量比から得た。
1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ヘプタフルオロプロポキシ)プロピルフルオロカーボネート(生成物A)のNMRによる同定:19FNMR(376MHz,無溶媒,δ):−14.4(s,1F,COF)、−82.0(d,FF=9Hz,3F,CF)、−83.2(m,2F,CFO)、−83.6(bs,3F,CF)、−89.8(dm,FF=7Hz,2F,CFO)、−131.6(s,2F,CF)、−146.5(t,FF=22Hz,1F,CF)。
2,2−ジフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)プロポキシ)アセチルフルオリド(生成物B)のNMRによる同定:19FNMR(376MHz,無溶媒,δ):+10.9(s,1F,COF)、−78.4(t,FF=12,2F,CF)、−82.0(d,FF=7Hz,3F,CF)、−83.1(dm,FF=54Hz,2F,CFO)、−83.6(bs,3F,CF)、−84.3(dm,FF=41Hz,2F,CFO)、−131.5(s,2F,CF)、−146.7(t,FF=22Hz,1F,CF)。
実施例1〜5
実施例1(EX−1)については、無水条件下で、PPVE−2(101g、0.23mol、60mL)及びV(2.2g、12.1mmol、5mol%)を、バブラー、温度計、及び還流冷却器を装備した100mLの三口フラスコに添加した。反応混合物を80℃に加熱し、酸素を通過させた。これによって、発熱効果が生じて、温度が95℃に上昇した。この温度において、酸素を更に3.5h添加した。77℃まで下降させたのちに、酸素を更に30分間バブリングした。その後、全ての液体を、−90℃に冷却したトラップ中に凝縮させた(無水条件、16mmHg)。得られた生成物83.9gのNMR分析は、生成物A(20.7g、0.052mol、収率23%)と生成物B(63.2g、0.14mol、収率61%)の混合物を示した。
実施例2(EX−2)〜5(EX−5)については、実施例1についてのものと同じ手順に従ったが、表2に示されるように、Vのmol%を変化させて行った。実施例2〜5についての生成物Aの生成物Bに対する比を表2に示している。
比較実施例1及び2
比較実施例1(C−1)及び2(C−2)については、反応混合物の温度を表2に示したように変化させた以外は、EX−1について記載されたものと同じ手順に従った。表2に示すように、C−1又はC−2については、19F NMRによって観測されたPPVE−2の変換はなかった。
実施例6及び7
実施例6(EX−6)及び7(EX−7)については、10mol%のVの代わりに、EX−6では10mol%のMoO(O 4,4−ビピリジンを、EX−7では、10mol%のMoO(O 4−メチルピリジニウムN−オキシドOを使用した以外は、EX−2について記載されたものと同じ手順に従った。EX−6〜EX−7についてのPPVE−2の変換を表2に示す。
Figure 0006905986
実施例8(EX−8)
実施例1から得られた生成物を、水と45℃で反応させて、2,3,3,3−テトラフルオロ−2−(ヘプタフルオロプロポキシ)プロパン酸と、ジフルオロ[1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ヘプタフルオロプロポキシ)プロポキシ]酢酸との混合物を得た(NMRで確認)。
実施例9(EX−9)
実施例1から得られた生成物を、MeOHと50℃で反応させて、メチル2,3,3,3−テトラフルオロ−2−(ヘプタフルオロプロポキシ)プロパノエートと、メチルジフルオロ[1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(ヘプタフルオロプロポキシ)プロポキシ]アセテートとの混合物を得た(NMRで確認)。
このように、フッ素化化合物を変換するための方法の実施形態が開示される。上記の実行形態及び他の実行形態が、以下の請求項の範囲内にある。当業者であれば、本開示は開示されている実施形態以外の実施形態で実践できることを理解するであろう。開示される実施形態は、限定ではなく例示を目的として提示されている。
例示的な実施形態は、以下を含む:
実施形態1.フッ素化化合物をフッ素化フッ化アシル又はその誘導体に変換する方法であって、フッ素化化合物を、触媒量の少なくとも1つの遷移金属化合物、及び酸素含有化合物と反応させて、フッ素化フッ化アシル又はその誘導体を形成する工程を含む、方法。
実施形態2.フッ素化化合物が、少なくとも1つのエポキシド基を含む、実施形態1に記載の方法。
実施形態3.フッ素化化合物が、少なくとも1つのエーテル基を含む、実施形態1又は2に記載の方法。
実施形態4.フッ素化化合物が、フッ素化オレフィン含有化合物である、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の方法。
実施形態5.フッ素化化合物が、3〜12個の炭素を有する、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の方法。
実施形態6.フッ素化化合物が、4〜8個の炭素原子を含む、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の方法。
実施形態7.フッ素化化合物が、部分フッ素化4炭素鎖化合物、部分フッ素化5炭素鎖化合物、部分フッ素化6炭素鎖化合物、全フッ素化4炭素鎖化合物、全フッ素化5炭素鎖化合物、全フッ素化6炭素鎖化合物、又はこれらの組み合わせである、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の方法。
実施形態8.フッ素化化合物が、全フッ素化ビニルエーテル化合物である、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の方法。
実施形態9.フッ素化化合物が、環状フッ素化オレフィンである、実施形態1〜8のいずれか1つに記載の方法。
実施形態10.フッ素化オレフィンが、5〜10個の炭素を有する、実施形態9に記載の方法。
実施形態11.フッ素化オレフィンが、部分フッ素化シクロペンテン、全フッ素化シクロペンテン、又はこれらの組み合わせである、実施形態9又は10のいずれかに記載の方法。
実施形態12.遷移金属化合物が、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態1〜11のいずれか1つに記載の方法。
実施形態13.遷移金属化合物が、酸化バナジウム(V)、酸化モリブデン(MoO)、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態1〜12のいずれか1つに記載の方法。
実施形態14.遷移金属化合物が、酸化バナジウム(V)を含む、実施形態1〜13のいずれか1つに記載の方法。
実施形態15.触媒量の遷移金属化合物が、オレフィンの全モル量に基づいて20モル%以下の遷移金属酸化物である、実施形態1〜14のいずれか1つに記載の方法。
実施形態16.触媒量の遷移金属化合物が、オレフィンの全モル量に基づいて、10モル%以下の遷移金属酸化物である、実施形態1〜15のいずれか1つに記載の方法。
実施形態17.触媒量の遷移金属化合物が、オレフィンの全モル量に基づいて、8モル%以下の遷移金属酸化物である、実施形態1〜16のいずれか1つに記載の方法。
実施形態18.触媒量の遷移金属化合物が、オレフィンの全モル量に基づいて、5モル%以下の遷移金属化合物である、実施形態1〜17のいずれか1つに記載の方法。
実施形態19.触媒量の遷移金属化合物が、オレフィンの全モル量に基づいて、約1モル%〜約5モル%の遷移金属化合物である、実施形態1〜18のいずれか1つに記載の方法。
実施形態20.酸素含有化合物が、酸素含有ガスを含む、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の方法。
実施形態21.酸素含有ガスが、酸素(O)、水(HO)、過酸化水素(H)、オゾン(O)、亜酸化窒素(NO)、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態20に記載の方法。
実施形態22.酸素含有ガスが、Oを含む、実施形態20又は21に記載の方法。
実施形態23.反応が、約50℃以上の温度で行われる、実施形態1〜22のいずれか1つに記載の方法。
実施形態24.反応が、約50℃〜約650℃の温度で行われる、実施形態1〜23のいずれか1つに記載の方法。
実施形態25.反応が、約70℃〜約500℃の温度で行われる、実施形態1〜26のいずれか1つに記載の方法。
実施形態26.フッ素化フッ化アシルが、
Figure 0006905986
それらの誘導体、又はこれらの組み合わせである、実施形態1〜25のいずれか1つに記載の方法。
実施形態27.フッ素化フッ化アシルを加水分解して、フッ素化フッ化アシルの誘導体を形成する工程を更に含む、実施形態1〜26のいずれか1つに記載の方法。
実施形態28.加水分解が、室温を超える温度で起こる、実施形態27に記載の方法。
実施形態29.フッ素化フッ化アシルをエステル化する工程を更に含む、実施形態1〜26のいずれか1つに記載の方法。
実施形態30.エステル化が、フッ素化フッ化アシルをアルコールと反応させることによって起こる、実施形態29に記載の方法。
実施形態31.アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、又はこれらの組み合わせから選択される、実施形態30に記載の方法。
実施形態32.フッ素化フッ化アシルをヨウ素含有化合物と反応させて、連鎖移動剤を形成する工程を更に含む、実施形態1〜26のいずれか1つに記載の方法。
実施形態33.フッ素化フッ化アシルを他のフッ化物含有試薬と反応させて、ビニル−若しくはアリル−エーテル、ビスオレフィン、又はニトリル含有化合物を形成する工程を更に含む、実施形態1〜26のいずれか1つに記載の方法。
実施形態34.フッ素化フッ化アシルをヘキサフルオロプロペンオキシド(HFPO)、フルオロ硫酸ペルフルオロアリル、又はこれらの組み合わせと反応させて、ビニル−エーテル、アリル−エーテル、又はこれらの組み合わせを形成する工程を更に含む、実施形態1〜26のいずれか1つに記載の方法。
実施形態35.フッ化アシル化合物の誘導体が、CF−O−CF=CF、C−O−CF=CF、C−O−CF=CF、C−O−CF=CF、CF−O−CF−CF=CF、C−O−CF−CF=CF、C−O−CF−CF=CF、C−O−CF−CF=CF、CF=CF−O−(CF−O−CF=CF、CF=CF−CF−O−(CF−O−CF−CF=CF、CF=CF−O−(CF−CN、X−(CF−X(式中、Xは、独立してI及びBrから選択される)、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態24〜34のいずれか1つに記載の方法。
実施形態36.フッ化アシル化合物に変換されるフッ素化化合物が、1,1,1,2,2,3,3,−ヘプタフルオロ−3−({1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−[(トリフルオロエテニル)オキシ]プロパン−2−イル}オキシ)プロパン(PPVE−2)を含む、実施形態1〜35のいずれか1つに記載の方法。
実施形態37.
Figure 0006905986
それらの誘導体、又はこれらの組み合わせから選択される、化合物。

Claims (12)

  1. 直鎖又は分岐鎖のフッ素化化合物をフッ素化フッ化アシルに変換する方法であって、
    前記直鎖又は分岐鎖のフッ素化化合物を、酸化物、スピネル化合物、オキソペルオキソ金属化合物、有機錯化剤とのオキソペルオキソ金属錯体、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される触媒量の少なくとも1つの遷移金属化合物、及び酸素含有化合物と反応させて、前記フッ素化フッ化アシルを形成する工程を含み、
    前記遷移金属化合物が、b、a、はこれらの組み合わせを含み、
    前記酸素含有化合物が、酸素(O)、オゾン(O)、亜酸化窒素(NO)、又はこれらの組み合わせを含む酸素含有ガスを含み、
    前記反応は、70℃〜500℃の温度で行われる、方法。
  2. 前記フッ素化化合物が、なくとも1つのエーテル基含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記フッ素化化合物が、4〜12個の炭素原子を有する、分岐鎖のフッ素化オレフィン含有化合物である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記フッ素化化合物が、全フッ素化ビニルエーテル化合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記フッ素化化合物がッ素化オレフィン含有化合物であり、前記遷移金属化合物の触媒量が、前記オレフィンの全モル量に基づいて、0.5モル%〜10モル%の遷移金属化合物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記遷移金属化合物が、酸化バナジウム(V含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記反応が、70℃〜100℃の温度で行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記フッ素化フッ化アシルが、
    Figure 0006905986
    又はそれらの組み合わせである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記フッ素化フッ化アシルを加水分解する工程であって、任意に、前記加水分解が室温を超える温度で起きる工程、
    前記フッ素化フッ化アシルをエステル化する工程であって、任意に、前記エステル化がフッ素化フッ化アシルをアルコールと反応させることにより起きる、工程、
    前記フッ素化フッ化アシルをヨウ素含有化合物と反応させて、連鎖移動剤を形成する工程、
    前記フッ素化フッ化アシルを他のフッ化物含有試薬と反応させて、ビニル−若しくはアリル−エーテル、ビスオレフィン、又はニトリル含有化合物を形成する工程、
    前記フッ素化フッ化アシルをヘキサフルオロプロペンオキシド(HFPO)、フルオロ硫酸ペルフルオロアリル、又はこれらの組み合わせと反応させて、ビニル−エーテル、アリル−エーテル、又はこれらの組み合わせを形成する工程
    のうち少なくとも1つを更に含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. フッ化アシル化合物の誘導体を形成する工程をさらに含み、前記誘導体が、CF−O−CF=CF、C−O−CF=CF、C−O−CF=CF、C−O−CF=CF、CF−O−CF−CF=CF、C−O−CF−CF=CF、C−O−CF−CF=CF、C−O−CF−CF=CF、CF=CF−O−(CF−O−CF=CF、CF=CF−CF−O−(CF−O−CF−CF=CF、CF=CF−O−(CF−CN、X−(CF−X(式中、Xは、独立してI及びBrから選択される)、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8記載の方法。
  11. フッ化アシル化合物に変換される前記フッ素化化合物が、1,1,1,2,2,3,3,−ヘプタフルオロ−3−({1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−[(トリフルオロエテニル)オキシ]プロパン−2−イル}オキシ)プロパン(PPVE−2)を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記酸素含有ガスが、Oを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
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