JP6898329B2 - 併用療法 - Google Patents

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Description

本発明は、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート(化学名:2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−D−シチジン−5’−O−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート)(NUC−1031)と、シスプラチン、ピコプラチン、リポプラチン、及びトリプラチンから選ばれるプラチナ系抗癌剤との組み合わせに関する。
NUC−1031
ゲムシタビン((1);ジェムザール(登録商標)として販売されている)は、現在、乳癌、非小細胞肺癌、卵巣癌及び膵臓癌の治療用に認可され、膀胱癌、胆道癌、大腸癌及びリンパ腫を含む各種の他の癌を治療するために広く使用されている効果的なヌクレオシド類似体である。
ゲムシタビン(1)
Figure 0006898329
ゲムシタビンの臨床有用性は、多数の本来の及び獲得した抵抗性機構によって制限される。細胞レベルでは、抵抗性は、3つのパラメーター:(i)リン酸化部分への活性化に必要なデオキシシチジンキナーゼのダウンレギュレーション;(ii)ヌクレオシドトランスポーター、特に、癌細胞による取り込みに要求されるhENT1の低下した発現;及び(iii)触媒酵素、特に、ゲムシタビンを分解するシチジンデアミナーゼのアップレギュレーションに依存する。
国際公開第2005/012327号には、一連のゲムシタビンのプロドラッグ及び関連するヌクレオシド薬物分子が記載されている。それらの中でも、特に効果的な化合物として、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホフェート(NUC−1031;(2))が認定されている。これらのプロドラッグは、ゲムシタビンの有用性を制限する多くの本来の及び獲得された抵抗性機構を回避することを示している(「RroTide技術のゲムシタビンへの適用:極めて重要な癌抵抗性機構を克服するための奏功のアプローチは、臨床開発において、新たな薬剤(NUC−1031)をもたらす」;Slusarczykら;J.Med.Chem.;2014,57,1531−1542)。
NUC−1031(2)は、代表的には、ホスフェート中心においてエピマーである2つのジアステレオ異性体(S−エピマー(3)及びR−エピマー(4))の混合物として調製され、該混合物は分離され、単一のエピマーとして投与される。
NUC−1031(2)
Figure 0006898329
S−エピマー(3)
Figure 0006898329
R−エピマー(4)
Figure 0006898329
ProGem1は、進行した固形悪性腫瘍の被験者において、2つの並行投与量スケジュールで投与されたNUC−1031の安全性、忍容性、臨床有効性、薬物動態(PK)及び薬力学(PD)を調査するための、ヒトへの最初の投与(FTIH)、フェーズ1、オープンラベル、2ステージ治験である(EudraCT番号:2011−005232−26)。被験者は、治験登録時、次の腫瘍を有していた:大腸癌(対象7人)、原発不明癌(3人)、卵巣癌(12人)、乳癌(4人)、膵臓癌(9人)、胆管癌(7人)、子宮内膜癌(3人)、子宮頸癌(2人)、肺癌(7人)、中皮腫(3人)、食道癌(3人)、卵管癌(1人)、トロホブラスト(1人)、腎臓癌(1人)、胃癌(1人)、肛門癌(1人)、胸腺癌(1人)、及び骨肉腫(1人)。治験では、進行した進行癌の患者(全ての標準的な治療オプションを尽くしており、その多くは、従来のヌクレオシド類似体(ゲムシタビンを含む)治療に対して抵抗性又は不応性であった)において、NUC−1031の抗腫瘍活性が確認された。特に注目すべきことには、薬物動態データが、単剤としてのNUC−1031は、当モル用量での単剤ゲムシタビンよりも約10倍高い活性トリホスフェート部分(dFdCTP)のピーク細胞内濃度(Cmax)を生ずることを示した。さらに、dFdCTPへの細胞内経時露出又は曲線下面積は、公表された多くの研究からのゲムシタビンに関する履歴データと比較して、NUC−1031について、27倍大きいものであった。最後に、分析では、NUC−1031は、ゲムシタビンと通常関連する潜在的に有毒性の代謝物2’,2’−ジフルオロ−2’−ジオキシウリジン(dFdU)のレベルの半分未満を放出することが示された。
胆道癌
胆道癌(BTCs)は、高い死亡率(人口100万人当たり約23人)を伴い、発症率は大人の悪性腫瘍の0.7%であり、すなわち、イングランド及びウエールズでは、1年当たり約1200件の新たなケースが登録されている。胆道癌は、出現部位により、下記のようにサブ分類される;
胆嚢癌、
末梢胆管、
膨大部腫瘍、
肝内胆管癌、
肺門(クラッキン)胆管癌。
これらの癌は、50〜70歳の患者で多く、胆管癌及び膨大部腫瘍のケースでは男性において、胆嚢癌については女性において発症率が高い。BTCsの90%以上が腺癌であるが、扁平上皮癌、神経内分泌癌、リンパ腫、又は肉腫のような他の組織学的サブタイプを見出すことができる。BTCに関する主な病原学的ファクターは、胆石、胆管の先天異常、原発性硬化性胆管炎、慢性肝臓疾患、及び遺伝性ポリポーシスシンドロームである。
手術は、長期療養を伴う。しかし、BTCは侵攻性であるため、多数の患者(>65%)は、手術ができず、利用可能な治療は、苦痛を緩和する化学療法のみであるような進行したステージで診断される。進行した(転移性、又は切除不能な局部的に進行した疾患)胆道癌と診断された患者の予後は悪い。ステージIII及びIVの5年生存率は、それぞれ、10%及び0%である。にもかかわらず、一次併用化学療法は、単剤療法と比べて、生存率及びクオリティ・オブ・ライフの改善を示している。
BTCsの治療のための最も活性な化学療法剤は、ゲムシタビン、フルオロピリミジン、及びプラチナ製剤である。英国NCRN ABC−02治験は、BTC患者の一次治療用の対照レジメンとして、シスプラチン及びゲムシタビンを確立した。シスプラチン/ゲムシタビンの併用療法と、ゲムシタビン単剤療法とを比較する患者410人についてのランダム化ステージIII治験の結果は、全生存(中央値11.7月対8.1月;p<0.001)及び無増悪生存(中央値8月対5月;p<0.001)における優位性を示した。極めて類似した利益の大きさは、同じ治療レジメンを使用する日本のランダム化ステージII治験(BT−22治験)において見られ、この治験では、シスプラチン/ゲムシタビンにより、中央値生存11.2月が立証されている。そのサイズ及び観察された生存の優位性を提供したABC−02治験の頑強性により、標準治療として、シスプラチン及びゲムシタビンの組み合わせが確立され、それ以来、英国及び世界的に広く採用されている(例えば、米国におけるNCCNガイドライン)。
本発明の目的は、癌治療のために併用療法を提供することにある。本発明の具体例の目的は、既存の治療法よりも効果的である治療法を提供することにある。
本発明の特定の具体例は、上記目的のいくつか又はすべてを満足する。
本発明によれば、シスプラチン、ピコプラチン、リポプラチン、及びトリプラチンから選ばれるプラチナ系抗癌剤と組み合わせて癌治療に使用される、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート、又は薬学上許容されるその塩又は溶媒和物が提供される。
本発明は、また、シスプラチン、ピコプラチン、リポプラチン、及びトリプラチンから選ばれるプラチナ系抗癌剤と組み合わされたゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート、又は薬学上許容されるその塩又は溶媒和物を提供する。この組み合わせは、代表的には、癌治療での使用のためにものである。
本発明は、また、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート、又は薬学上許容されるその塩又は溶媒和物と組み合わせて癌治療において使用するための、シスプラチン、ピコプラチン、リポプラチン、及びトリプラチンから選ばれるプラチナ系抗癌剤を提供する。
本発明は、また、癌を治療する方法を提供するものであり、該方法は、必要とする患者に、シスプラチン、ピコプラチン、リポプラチン、及びトリプラチンから選ばれるプラチナ系抗癌剤と組み合わせて、治療上有効な量のゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート、又は薬学上許容されるその塩又は溶媒和物を投与することを含んでなる。
本発明は、また、癌治療用医薬の製造における使用のための、シスプラチン、ピコプラチン、リポプラチン、及びトリプラチンから選ばれるプラチナ系抗癌剤と組み合わされたゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート、又は薬学上許容されるその塩又は溶媒和物を提供する。
本発明は、また、シスプラチン、ピコプラチン、リポプラチン、及びトリプラチンから選ばれるプラチナ系抗癌剤と組み合わせた癌治療用医薬の製造における使用のための、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート、又は薬学上許容されるその塩又は溶媒和物を提供する。
本発明は、また、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート、又は薬学上許容されるその塩又は溶媒和物と組み合わせた癌治療用医薬の製造における使用のための、シスプラチン、ピコプラチン、リポプラチン、及びトリプラチンから選ばれるプラチナ系抗癌剤を提供する。
本発明は、また、シスプラチン、ピコプラチン、リポプラチン、及びトリプラチンから選ばれるプラチナ系抗癌剤、及び少なくとも1つの薬学上許容される添加剤と一緒に、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート、又は薬学上許容されるその塩又は溶媒和物を含んでなる医薬製剤を提供する。
前記製剤は、単位用量のゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート及び単位用量のプラチナ系抗癌剤を含有することができる。単位用量は同一であってもよいが、代表的には相違する。
本発明は、また、一緒に使用される2つの別個の製剤を提供するものであり、製剤は、
ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート、又は薬学上許容されるその塩又は溶媒和物、及び少なくとも1つの薬学上許容される添加剤を含んでなる第1の製剤;及び
シスプラチン、ピコプラチン、リポプラチン、及びトリプラチンから選ばれるプラチナ系抗癌剤、及び少なくとも1つの薬学上許容される添加剤を含んでなる第2の製剤
である。
製剤はキットの形でもよい。製剤(すなわち、前記製剤を含んでなるキット)は、代表的には、癌の治療用である。
本発明の治療は、2つの剤(すなわち、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート及びプラチナ系抗癌剤)の組み合わせが、各々を単独で投与する場合よりも、組み合わせて投与する場合には、より大きい効力を示すとの事実に基づくものである。本明細書における用語「組み合わせて」又は「一緒に」は、2つの剤の両方が、治療期間中に、同一の患者に投与されることを意味する。投与は、別個の投薬で提供されるとの意味で別個であってもよく、又は同一の投薬であってもよい。投与は、同時に行われてもよく、又は一方の投与の直後に又は2つの剤の投与の間に間隔をおいて行われてもよい。この明細書における用語「単独で」は、このように、間隔後であっても、治療期間中に、1つの活性剤のみが投与され、他の剤が投与されないことを意味する。
本発明による併用療法は、全体の治療期間中に、活性剤の一方の単独での投与と比べて、全体の治療効果を増大させるように、2つの剤の同時投与又は連続投与を含む。この目的に使用される医薬製剤は、個々の、すなわち、別個の製剤であってもよく、又は単一の製剤であってもよい。製剤又は個々の製剤は、液状(希釈されたもの又は希釈されるようになっているもの)であってもよく、又は固体であってもよい。固体型は、好適な溶媒に溶解され得るものとして提供される。固体型は、また、錠剤、カプセル剤、等として濃縮単位用量型であってもよい。
特に、発明者らは、シスプラチンが、特定の癌細胞系、例えば、膀胱癌細胞系HT1376を、NUC−1031に対して感受性として、強い相乗効果を発揮するとの知見を得た。さらに、発明者らは、インビボにおいて、NUC−1031とシスプラチンとの組み合わせが、dFdCTPの細胞内t1/2の増大を導き、当該組み合わせが、胆道癌の治療において有効であることを証明した。
ゲムシタビン及びプラチナ製剤について観察された相乗効果は、ゲムシタビン及びNUC−1031の両方の活性な代謝物dFdCTP(ゲムシタビントリホスフェート)のレベルにおける1.5倍の増大によるものであり(van Moorselら,British Journal of Cancer,1999,80(7),981−990)、これは、改善されたデオキシシチジンキナーゼ(dCK)活性の結果として記載されている。ゲムシタビンと組み合わされた場合、dCKを介するdFdCTPレベルを増加させるために、2つのプラチナ製剤機構が提案されている。第1の細胞機構は、dCKを阻害することについて知られた、デオキシシチジントリホスフェート(dCTP)合成を担当する酵素であるリボヌクレオシドリダクターゼの阻害を包含する(Bajettara,Annals of Oncology,2003,14,242−247)。第2の分子機構では、プラチナ惹起DNA−ダメージが、ヌクレオチド除去修復プロセスを活性化し、これはデオキシリボヌクレオチド(dNTPs)を必要とする。次に、dNTPs合成に関与するいくつかの酵素(dCKを含む)が増大される(van Moorselら,1999)。NUC−1031は、モノホスフェートの形で、ヌクレオチド類似体として合成され、dCK依存性dFdCTP形成をバイパスし、従って、NUC−1031及びシスプラチンを併用する際に観察される相乗効果は、異なった及び未だ知られていない経路に由来すると思われる。
いくつかの好ましい具体例では、プラチナ系抗癌剤はシスプラチンである。
ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートは、ホスフェートジアステレオ異性体の混合物であるか、又は実質的にジアステレオ異性的に純粋である形の(S)−エピマー又は(R)−エピマーでもよい。「実質的にジアステレオ異性的に純粋」は、本発明の目的について、約90%以上のジアステレオ異性純度として定義される。実質的にジアステレオ異性的に純粋な形で存在する場合、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートは、95%、98%、99%又は99.5%以上のジアステレオ異性純度を有する。
癌は、固形腫瘍である。癌は、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、膀胱癌、大腸癌、肺癌、胆道癌(例えば、胆嚢癌、末梢胆管癌、膨大部癌、肺門胆管癌、肝内胆管癌から選ばれる癌)、前立腺癌、腎癌、リンパ腫、白血病、子宮頸癌、胸腺癌、原発不明癌、食道癌、中皮腫、副腎癌、子宮癌、卵管癌、子宮内膜癌、精巣癌、頭頚部癌、中枢神経系の癌、及び胚細胞性腫瘍から選ばれる癌である。
特定の好適な具体例では、癌は、膀胱癌、卵巣癌、非微小細胞肺癌、及び胆道癌(例えば、胆嚢癌、末梢胆管癌、膨大部癌、肺門胆管癌、肝内胆管癌から選ばれる癌)から選ばれてもよい。特定の好適な具体例では、癌は、膀胱癌、卵巣癌、及び胆道癌(例えば、胆嚢癌、末梢胆管癌、膨大部癌、肺門胆管癌、肝内胆管癌から選ばれる癌)から選ばれてもよい。特定の好適な具体例では、癌は胆道癌である。他の好適な具体例では、癌は膀胱癌である。これらの特別な癌の治療については、プラチナ系抗癌剤がシスプラチンである組み合わせが、特に、好ましい。特定の好適な具体例では、癌は、卵巣癌、非微小細胞肺癌、及び胆道癌(例えば、胆嚢癌、末梢胆管癌、膨大部癌、肺門胆管癌、肝内胆管癌から選ばれる癌)から選ばれ、プラチナ系抗癌剤はシスプラチンである。特定の好適な具体例では、癌は、卵巣癌及び胆道癌(例えば、胆嚢癌、末梢胆管癌、膨大部癌、肺門胆管癌、肝内胆管癌から選ばれる癌)から選ばれ、プラチナ系抗癌剤はシスプラチンである。このように、癌が胆道癌であり、プラチナ系抗癌剤がシスプラチンであってもよい。同様に、癌が膀胱であり、プラチナ系抗癌剤がシスプラチンであってもよい。
癌は、以前に、化学療法受けていないものでもよい。或いは、癌(例えば、胆道癌又は膀胱癌)は、再発性でもよい。このように、癌は、以前の1以上の化学療法過程(シスプラチン、ゲムシタビン、又はゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートから選ばれる薬剤による治療を含んでいてもよく、又は含んでいなくてもよい)の後に再発したもの又は進行したものでもよい。癌(例えば、胆道癌又は膀胱癌)は、難治性、プラチナ系抗癌剤(例えば、シスプラチン)に対して抵抗性又は部分的抵抗性であってもよい。癌(例えば、胆道癌又は膀胱癌)は、プラチナ系抗癌剤(例えば、シスプラチン)に対して感受性であってもよい。癌(例えば、胆道癌又は膀胱癌)は、転移性のものでもよい。
溶媒和物は、代表的には、水和物である。このように、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートは、塩又は水和物、又は塩の溶媒和物(例えば、水和物)の形である。ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートは塩の形でなくてもよく、及び溶媒和物又は水和物の形でなくてもよい。好ましくは、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートは遊離塩基の形である。
併用投与は、10時間以上のdFdCTPの細胞内t1/2を提供することができる。併用投与は、15時間以上のdFdCTPの細胞内t1/2を提供することができる。併用投与は、18時間以上のdFdCTPの細胞内t1/2を提供することができる。併用投与は、20時間以上のdFdCTPの細胞内t1/2を提供することができる
ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート及びプラチナ系抗癌剤は同時に投与されるか、又は連続して投与される。同時に投与される場合には、単製剤で投与されるか、又は別々の製剤で投与される。連続して投与される場合、同日に投与されるか、又は治療期間中の別個の日に投与される。治療期間中の特定の日に、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート及びプラチナ系抗癌剤を同時に投与するか、又は治療期間中の同じ日に又は特定の他の日に、剤のただ1つを投与する。
NUC−1031製剤
ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートは、非経口的に、例えば、静脈内、皮下、又は筋肉内投与される。好ましくは、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートは静脈内投与される。
ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートは、水性製剤(任意に、極性の有機溶媒、例えば、DMAも含んでなる)として投与されてもよい。非経口(例えば、静脈内)投与の場合、製剤は、好ましくは、極性の有機溶媒、例えば、DMAも含んでなる。
ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートは、製剤内に含まれる。製剤は、投与直前、すなわち、投与前48時間以内(例えば、24時間、12時間又は2時間内)に、所定の量により希釈されるものでもよい。
製剤は、1以上の薬学上許容される可溶化剤、例えば、薬学上許容される非イオン性可溶化剤を含むこともできる。可溶化剤は、界面活性剤又は乳化剤とも呼ばれる。実例となる可溶化剤は、ポリエトキシル化脂肪酸及び脂肪酸エステル及びその混合物を含む。好適な可溶化剤は、ポリエトキシル化ヒマシ油(例えば、商品名Kolliphor(登録商標)ELPで販売されているもの)であるか又は含んでなるか;又はポリエトキシル化ヒドロキシ−ステアリン酸(例えば、商品名Solutol(登録商標)又はKolliphor(登録商標)HS15で販売されているもの)であるか又は含んでなるか;又はポリエトキシル化(例えば、ポリオキシエチレン(20))ソルビタンモノオレエート(例えば、商品名Tween(登録商標)80で販売されているもの)であるか又は含んでなるものである。
特定の好ましい具体例では、製剤は、1以上の薬学上許容される可溶化剤を含んでなる。
製剤は、水性ビヒクルを含むこともできる。製剤は、すぐに投与されるものであり、この場合、代表的には、水性ビヒクルを含んでなる。
ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートは、好ましくは、非経口投与用に、例えば、静脈内、皮下又は筋肉内投与用に製剤されるが、本発明の特定の具体例では、経口投与されてもよい。好ましくは、製剤は静脈内投与用である。投与は、中心静脈投与装置(CVAD)を介するか、又は末梢静脈を介する。
投与に好適な製剤におけるゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートの総用量は、代表的には、250mg〜3g、例えば、1g〜2g、例えば、約1.5gである。
ストック溶液製剤
極性の非プロトン性溶媒(例えば、DMA)は、製剤の30容量%以上を占めることができる。このように、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DMA)は、製剤の50容量%以上、例えば、60%以上を占めることができる。極性の非プロトン性溶媒(例えば、DMA)は、製剤の95容量%以下、例えば、90%以下を占めることができる。製剤は、水性ビヒクル(例えば、食塩水)を含んでなることもできる。水性ビヒクルは、製剤の50容量%以下、例えば、製剤の30容量%以下を占めることができる。代表的には、水性ビヒクル(例えば、食塩水)は、製剤の5容量%以上、例えば、10容量%以上を占めることができる。
製剤溶媒中のゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートの濃度は500mg/ml以下である。濃度は、100mg/ml以上であってもよい。好ましくは、濃度は、1ml当たり200〜300mg、225〜275mg、例えば、約250mgである。
いくつかの好ましい製剤は、
DMA30〜95容量%;
水性ビヒクル5〜50容量%;及び
ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート100〜400mg(例えば、100〜300mg)/ml
を含んでなる。
より好ましい製剤は、
DMA70〜90容量%;
水性ビヒクル(例えば、食塩水)10〜30容量%;及び
ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート200〜300mg/ml
を含んでなる。
先の4つのパラグラフに記載の製剤(主要構成成分として、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DMA)が存在する)は、投与前に希釈されることなく投与される(例えば、点滴又は注射による)。これらは、例えば、CVADを介して投与される。CVADを介して投与される際には、これらは、一般的に、希釈されない。
或いは、これらの製剤は、ストック溶液でもよく、該ストック溶液は、末梢静脈を介する投与に好適な製剤を形成するために使用される前に、希釈される。
界面活性剤溶液製剤
極性の非プロトン性溶媒(例えば、DMA)は、製剤の10容量%以上、例えば、20容量%以上を占めることができる。このように、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DMA)は、製剤の80容量%以下、例えば、70%容量以下を占めることができる。極性の非プロトン性溶媒(例えば、DMA)は、製剤の55容量%以下を占めることができる。製剤は、1以上の可溶化剤(例えば、1以上のポリエトキシル化脂肪酸)も含んでなることができる。1以上の可溶化剤は、製剤の70容量%以下、例えば、製剤の60容量%以下を占めることができる。代表的には、可溶化剤は、製剤の20容量%以上、例えば、35容量%以上を占めることができる。製剤は、水性ビヒクルを、例えば、1〜15容量%、又は5〜12容量%の量で存在する。
製剤溶媒中のゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートの濃度は、1ml当たり200mg以下、例えば、150mg以下、又は130mg以下である。濃度は、40mg/ml以上、例えば、60mg/mlであってもよい。好ましくは、濃度は、70〜120mg/ml、例えば、約100mg/mlである。
特定の好ましい製剤は、
DMA20〜70容量%;
可溶化剤20〜70容量%;及び
ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート50〜150mg/ml
を含んでなる。製剤は、水性ビヒクルを、例えば、1〜15容量%の量で含んでなることもできる。
特定の特に好ましい製剤は、
DMA30〜60容量%;
第1の可溶化剤10〜35容量%;
第2の可溶化剤10〜35容量%;
水性ビヒクル2〜15容量%;及び
ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート50〜150mg/ml
を含んでなる。第1の可溶化剤は、ポリエトキシル化ヒマシ油(例えば、商品名Kolliphor(登録商標)ELPで販売されているもの)である。第2の可溶化剤は、ポリエトキシル化ソルビタンモノオレエート(例えば、商品名Tween(登録商標)80で販売されているもの)である。
製剤は、
DMA35〜50容量%;
第1の可溶化剤15〜30容量%;
第2の可溶化剤15〜30容量%;
水性ビヒクル5〜12容量%;及び
ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート50〜150mg/ml
を含んでなる。
先の5つのパラグラフに記載の界面活性剤溶液製剤(主要構成成分として、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DMA)が存在する)は、代表的には、投与前に、水性ビヒクルにて希釈される。これらは、代表的には、投与の準備のために、さらに希釈される前に、上記のストック溶液から調製される。希釈された後、これらは、末梢血管を介して投与される。
これらの製剤は、可溶化剤を全く含有しないストック溶液製剤を、可溶化剤を含有する溶液にて希釈することによって形成される。
点滴溶液製剤
極性の非プロトン性溶媒(例えば、DMA)は、製剤の0.1容量%以上、例えば、0.5容量%以上、又は1容量%以上を占めることができる。このように、DMAは、製剤の12容量%以下、例えば、10%容量以下、又は8容量%以下を占めることができる。製剤は、水性ビヒクル(例えば食塩水又はWFI)を含んでなることもできる。水性ビヒクルは、製剤の99.5容量%以下、例えば、99容量%又は98容量%以下で存在できる。典型的には、水性ビヒクルは、製剤の80容量%以上、例えば、95%容量以上を占める。製剤は、1以上の可溶化剤(例えば、1以上のポリエトキシル化脂肪酸)も含んでなることができる。1以上の可溶化剤は、製剤の12容量%以下、例えば、製剤の10容量%以下、又は8容量%以下を占めることができる。典型的には、1以上の可溶化剤は、製剤の0.1容量%以上、例えば、0.5容量%以上、又は1容量%以上を占めることができる。
製剤溶媒中のゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートの濃度は、15.0mg/ml以下又は12.0mg/ml以下、例えば、10.0mg/ml以下、又は8mg/ml以下である。濃度は、1.0mg/ml以上、例えば、2.0mg/mlであってもよい。好ましくは、濃度は、1ml当たり2.5〜12mg、例えば、約3〜4mg/mlである。
特定の好ましい製剤は、
DMA0.1〜10容量%;
可溶化剤0.1〜10容量%;
水性ビヒクル85〜99容量%;及び
ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート2.0〜12.0mg/ml
を含んでなる。
特定の特に好ましい製剤は、
DMA1〜8容量%;
第1の可溶化剤0.5〜4容量%;
第2の可溶化剤0.5〜4容量%;
水性ビヒクル85〜99容量%;及び
ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート2.0〜12.0mg/ml
を含んでなる。第1の可溶化剤は、ポリエトキシル化ヒマシ油(例えば、商品名Kolliphor(登録商標)ELPで販売されているもの)である。第2の可溶化剤は、ポリエトキシル化ソルビタンモノオレエート(例えば、商品名Tween(登録商標)80で販売されているもの)である。
先の4つのパラグラフに記載の点滴溶液製剤(主要構成成分として、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DMA)が存在する)は、代表的には、投与前48時間までに、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートの濃縮溶液を、水性ビヒクルにて希釈することによって調製される。前記濃縮溶液は、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートの極性の有機溶媒溶液(上記見出し「ストック溶液製剤」参照)か、又はゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートの、極性の有機溶媒及び可溶化剤における溶液(上記見出し「界面活性剤溶液製剤」参照)のいずれかである。これらの製剤(主要構成成分として、極性の有機溶媒(例えば、DMA)存在する)は、末梢血管を介して投与される。前記製剤における低濃度の極性の有機溶媒(例えば、DMA)は、これらは、末梢性投与の際に痛みを生じないことを意味する。
キット
本発明は、癌を治療するためのキットを提供するものであり、該キットは、
ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート、又はその薬学上許容される塩又は溶媒和物、及び少なくとも1つの薬学上許容される添加剤を含んでなる第1の製剤;及び
プラチナ系抗癌剤、及び少なくとも1つの薬学上許容される添加剤を含んでなる第2の製剤
を含んでなる。
特定の特別な具体例では、キットは、
DMA30〜95容量%、
水性ビヒクル5〜50容量%、及び
ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート100〜400mg/ml(例えば、100〜300mg/ml)
を含んでなる第1の製剤;
プラチナ系抗癌剤及び少なくとも1つの薬学上許容される添加剤を含んでなる第2の製剤;及び
DMA30〜95容量%、
水性ビヒクル5〜50容量%
を含んでなる第3の製剤
を含んでなる。
第3の製剤は、典型的には、活性剤を含まない。このように、第3の製剤は、典型的には、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートだけでなく、プラチナ系抗癌剤も含まない。第3の製剤は、2つの別個の容器又は単一の容器で提供される。
先の2つのパラグラフにおいて述べたキットは、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートが、CVADを介して静脈内投与される場合に有用である。CVADは、第1の製剤の投与前に、第3の製剤にてフラッシュされる。これは、活性剤製剤と水性媒体(例えば、食塩水フラッシング溶液)との直接接触を避けることによって、静脈内投与装置、すなわち、CVAD内又は入口において、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートの析出の危険を軽減する。CVADは、第1の製剤の投与後に、第3の製剤にてフラッシュされてもよい。これは、さらに、析出を防止する。
特定の特別な具体例では、キットは、
DMA30〜95容量%、
水性ビヒクル5〜50容量%、及び
ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート100〜400mg/ml(例えば、100〜300mg/ml)
を含んでなる第1の製剤;
プラチナ系抗癌剤及び少なくとも1つの薬学上許容される添加剤を含んでなる第2の製剤;及び
DMA10〜50容量%、
第1の可溶化剤20〜60容量%、
第2の可溶化剤20〜60容量%
を含んでなる第3の製剤
を含んでなる。
典型的には、第3の製剤は、活性剤を何ら含まない。このように、第3の製剤は、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートだけでなく、プラチナ系抗癌剤も含まない。
先の2つのパラグラフにおいて述べたキットは、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートが、末梢静脈を介して静脈内投与される場合に有用である。第1の製剤を、投与前48時間以内、例えば、24時間以内に、第3の製剤にて希釈して、第4の製剤を形成する。第4の製剤を、さらに、投与前に、水性ビヒクルにて所望の濃度に希釈して、患者への点滴又は注射によって投与される製剤を形成する。ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートの析出に関して安定な末梢性投与用の製剤を形成するためは、代表的には、可溶化剤を含むことが望ましい。しかし、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートは、このような可溶化剤の存在下では、分解を生じ易い。このように、2段階希釈法は、本発明の特定の具体例では、好ましい手段であり、これによって、末梢性投与用のゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートの製剤が達成される。
ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートの投与のための実例となる方法
ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートの投与のための実例となる方法は、下記のとおりである。
DMA及び0.9%食塩水の80:20(容量)混合物におけるゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート溶液250mg/ml溶液を形成する。このストック溶液製剤は、代表的には、長期間の保存及びプロチドの輸送について、十分に安定である。このストック溶液製剤は、CVAD(例えば、Hickmanライン、PICCライン、留置ポート)を介して、例えば、速度20ml/時間で、患者に静脈内投与される。静脈内投与装置は、代表的には、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートを含んでなる製剤の投与前及び後の両方で、DMA及び0.9%食塩水の80:20(容量)混合物(下記の実施例4において述べる「フラッシング溶液」)にてフラッシュされる。これは、食塩水フラッシュとの接触時、静脈内投与装置におけるゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートの潜在的な析出の危険を低減することを助ける。或いは、末梢血管への静脈内投与が、好適な投与方法である場合には、ついで、ストック溶液製剤を、DMA:Tween(登録商標)80:Kolliphor(登録商標)ELPの20%:40%:40%混合物である希釈溶液にて、100mg/mlに希釈する(例えば、80:20のDMA:0.9%食塩水混合物における250mg/mlゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート)溶液6.7mlを、DMA:Tween(登録商標)80:Kolliphor(登録商標)ELP希釈溶液10mlに添加する)。得られた(界面活性剤溶液)製剤は、代表的には、5日間までは安定である。ついで、この界面活性剤溶液を、0.9%食塩水にて、所望の濃度に希釈することによって、点滴溶液製剤を調製する。
実施例に記載するABC‐08治験におけるゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートの投与は、この投与法を使用して行われ、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートの(S)−エピマーが、CVADを介して投与される。
プラチナ系抗癌剤の製剤
プラチナ系抗癌剤は、非経口的、例えば、静脈内、腹腔内、皮下、又は筋肉内投与される。好ましくは、プラチナ系抗癌剤は静脈内投与される。
プラチナ系抗癌剤は、典型的には、水性溶液、例えば、殺菌した1mg/ml水性溶液として投与される。水性溶液は、代表的には、食塩水(例えば、0.9%食塩水)である。水性溶液は、マンニトール(例えば、10mg/ml)を含んでなることができる。
プラチナ系抗癌剤(例えば、シスプラチン)は、50mg/ml未満の用量で投与される場合には、代表的には、15〜60分間で、100〜250mlバッグから点滴として投与される。プラチナ系抗癌剤(例えば、シスプラチン)は、50mg/ml以上の用量で投与される場合には、代表的には、15〜60分間で、250〜500mlバッグから点滴として投与される。
シスプラチンの投与に関する更なる情報は、例えば、Platinol(登録商標)に関する米国FDAの承認ラベルにおいて利用可能である。
用量レジメン
NUC−1031は、21日サイクル内で2回投与される。プラチナ系抗癌剤(例えば、シスプラチン)は、21日サイクル内で2回投与される。好ましい用量レジメンでは、NUC−1031は、21日サイクルのday1及びday8において投与される。プラチナ系抗癌剤(例えば、シスプラチン)は、21日サイクルのday1及びday8において投与される。NUC−1031及びプラチナ系抗癌剤(例えば、シスプラチン)は、21日サイクルのday1及びday8において、同時に投与されてもよい。
各投与機会に投与されるNUC−1031の用量は、好ましくは、250〜1250mg/mである。各投与機会に投与されるNUC−1031の用量は、300〜1000mg/mである。各投与機会に投与されるNUC−1031の用量は、400〜900mg/m、例えば、600〜800mg/m、又は300〜750mg/mである。各投与機会に投与されるNUC−1031の用量は、約750mg/mである。
各投与機会に投与されるプラチナ系抗癌剤(例えば、シスプラチン)の用量は、10〜200mg/mである。各投与機会に投与されるプラチナ系抗癌剤(例えば、シスプラチン)の用量は、20〜100mg/mである。各投与機会に投与されるプラチナ系抗癌剤(例えば、シスプラチン)の用量は、20〜60mg/mである。各投与機会に投与されるプラチナ系抗癌剤(例えば、シスプラチン)の用量は、30〜90mg/mである。
各治療サイクルにおいて、NUC−1031の用量、又はプラチナ系抗癌剤(例えば、シスプラチン)の用量、又は両化合物の用量は、各治療サイクルにおいて、実質的に同一のままである。例えば、複数回の治療サイクルにおいて、投与機会当たり約750mg/mのNUC−1031用量、及び約50mg/mのシスプラチン用量を使用できる。
或いは、NUC−1031の用量、又はプラチナ系抗癌剤(例えば、シスプラチン)の用量、又は両化合物の用量は、1回目の治療サイクルから、2回目(又はその後)の治療サイクルに向かって低減されてもよい。例えば、各投与機会に投与されるNUC−1031の用量は、1回目の治療サイクルにおける約750mg/mから、2回目(又はその後)の治療サイクルにおける約625mg/mに低減される。プラチナ系抗癌剤(例えば、シスプラチン)の用量は、1回目の治療サイクルにおける約90mg/mから、2回目(又はその後)の治療サイクルにおける約60mg/m、又は約50mg/mに低減される。
好適な治療レジメンは、1回目の治療サイクルから2回目(又はその後)の治療サイクルに向かって、NUC−1031の用量及びプラチナ系抗癌剤(例えば、シスプラチン)の用量の両方の減量(先のパラグラフにおいて提示しているように)の使用を可能にする。例えば、各投与機会に投与されるNUC−1031の用量を、1回目の治療サイクルにおける約750mg/mから、2回目(又はその後)の治療サイクルにおける約625mg/mに低減し、及びプラチナ系抗癌剤(例えば、シスプラチン)の用量を、1回目の治療サイクルにおける90mg/mから、2回目(又はその後)の治療サイクルにおける約60mg/m、又は約50mg/mに低減できる。
NUC−1031の用量が、1回目から2回目、又はその後の治療サイクルに向かって低減する(例えば、投与機会当たり約750mg/mから、投与機会当たり約625mg/mに低減する)場合、プラチナ系抗癌剤(例えば、シスプラチン)の用量は、1回目及び2回目又はその後の治療サイクルの間で同一のままであってもよい(例えば、各サイクルにおいて、約50mg/m)。
NUC−1031の用量が、1回目から2回目、又はその後の治療サイクルまで一定のままである(例えば、投与機会当たり約625mg/mである)場合、プラチナ系抗癌剤(例えば、シスプラチン)の用量は、1回目及び2回目又はその後の治療サイクルの間で低減される(例えば、1回目の治療サイクルにおける約90mg/mから、2回目(又はその後)の治療サイクルにおける約60mg/m、又は50mg/mに低減されもよい。
上述の用量レジメンは、組合せの各成分の毒性が許容レベルにあり、それにもかかわらず、なお当該組み合わせによる治療効果が観察されるとのバランスを提供することが期待される。
上述の用量レジメンは、患者の改善された生存率を提供するものであってもよい。患者50%以上において安定した状態を提供するものであってもよい。許容できる副作用レベルで、上記効果の1以上を提供するものであってもよい。用量は、dFdCTPのAUCが、単剤として投与されるNUC−1031の場合よりも併用の場合により高くなるものであってもよい。用量は、AUC:dFdCTPのCmax比が、単剤として投与されるNUC−1031の場合よりも併用の場合に高くなるものであってもよい。
以下に、添付図面を参照して、さらに、本発明の具体例を記載する。
Chiralpak ADカラム及びn−ヘプタン/IPAグラディエント溶離剤系を使用するHPLCによる化合物(3)及び(4)の分離に関するクロマトグラフを示す。 膀胱癌細胞系HT1376におけるシスプラチン/NUC−1031に関する曲線移動法を使用することによって示す相乗効果を表す。
「同時」は、実質的同時を意味し、例えば、30分未満で離れていてもよい。「その後」は、30分以上離れた投与を意味する。
この明細書を通して、用語「S−エピマー」又は「S−ジアステレオ異性体」は、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]−(S)−ホスフェートをいう。同様に、この明細書を通して、用語「R−エピマー」又は「R−ジアステレオ異性体」は、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]−(R)−ホスフェートをいう。
本発明の化合物は、薬学上許容される塩の形で得られ、保存され及び/又は投与される。好適な薬学上許容される塩としては、薬学上許容される無機酸、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、炭酸、ホウ酸、スルファミン酸、及び臭化水素酸の塩、又は薬学上許容される有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、ムチン酸、グルコン酸、安息香酸、コハク酸、シュウ酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、サリチル酸、スルファニル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、エデト酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ラウリン酸、パントテン酸、タンニン酸、アスコルビン酸、及び吉草酸の塩が含まれる(ただし、これらに限定されない)。好適な塩基塩は、無毒性塩を形成する塩基から形成される。例としては、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオラミン、グリシン、リジン、マグネシウム、メグルミン、オラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン、及び亜鉛の塩が含まれる。酸又は塩基のヘミ塩、例えば、ヘミ硫酸塩、ヘミシュウ酸、及びヘミカルシウム塩も形成される。特定の具体例では、特に、S−エピマーに適用されるものについては、化合物は、HCl塩又はヘミシュウ酸の形である。
本発明の化合物は、単結晶型又は結晶型の混合物として存在し、又は非晶質型であってもよい。このように、医薬用途を目的とする本発明の化合物は、結晶型生成物又は非晶質型生成物として投与される。これらは、沈殿、結晶化、凍結乾燥、又はスプレー乾燥、又は蒸発乾燥のような方法によって、例えば、固体粒、粉体、又はフィルムとして得られる。この目的のために、マイクロ波又は高周波乾燥が使用される。
本発明の上記化合物について、もちろん、投与される用量は、使用する化合物、投与形態、所望される治療及び現在の疾患によって変動する。例えば、本発明の化合物が、非経口投与されるとすると、本発明の化合物の用量は、0.1〜5g/m、例えば、0.5〜2g/mの範囲である。本発明の化合物の治療目的の用量サイズは、当然、よく知られた薬剤の原理に従って、病状及び重篤性、動物又はヒトの年齢及び性別、及び投与ルートに応じて変動する。
本発明の化合物の用量レベル、投与頻度、及び治療期間は、製剤及び臨床的適応、患者の年齢及び共存する病状に応じて異なることが予測される。
本発明の化合物、又は薬学上許容されるその塩は、単独で使用されるが、一般に、本発明の化合物、又は薬学上許容されるその塩を、薬学上許容されるアジュバント、希釈剤又はキャリヤーと一緒に含んでなる医薬組成物の形で投与される。好適な医薬製剤の選択及び調製に関する一般的な手続きは、例えば、「医薬品−製剤設計の科学」,M.E.Aulton,Churchill Livingstone,1988に記載されている。
本発明の化合物の投与形態に応じて、本発明の化合物を投与するために使用される医薬組成物は、好ましくは、本発明の化合物0.05〜99質量%、より好ましくは、本発明の化合物0.05〜80質量%、さらに好ましくは、本発明の化合物0.10〜70質量%、及びさらに一層好ましくは、本発明の化合物0.10〜50質量%を含んでなる(全ての百分率が組成物の総質量基準である)。
経口投与については、本発明の化合物を、アジュバント又はキャリヤー、例えば、乳糖、ショ糖、ソルビトール、マンニトール;デンプン、例えば、ジャガイモデンプン、コーンスターチ又はアミロペクチン;セルロース誘導体;結合剤、例えば、ゼラチン又はポリビニルピロリドン;及び/又は滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、ワックス、パラフィン、等と混合され、及びついで打錠される。コーティング錠が望まれる場合には、上記の通りに調製したコアを、濃縮した砂糖溶液(例えば、アラビヤゴム、ゼラチン、タルカム及び二酸化チタンを含有できる)で被覆する。或いは、錠剤を、容易に揮発する有機溶媒に溶解した好適なポリマーで被覆することもできる。
軟質ゼラチンカプセルの調製については、本発明の化合物を、例えば、植物油、又はポリエチレングリコールと混合する。一方、硬質ゼラチンカプセルは、錠剤用の上記添加剤のいずれかを使用して、化合物の粒状物を含有できる。また、本発明の化合物の液体又は半固体製剤を、硬質ゼラチンカプセルに充填してもよい。
経口投与用の液体調製物は、シロップ又は懸濁液、例えば、本発明の化合物を含有し、残余が砂糖及びエタノール、水、グリセリン及びプロピレングリコールの混合物である溶液の形である。任意に、このような液体調製物は、着色料、香料、甘味料(例えば、サッカリン)、保存料及び/又は増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース又は当業者に知られている他の添加剤を含有できる。
非経口(例えば、静脈内)投与については、化合物を、殺菌した水性又は油性溶液として投与できる。本発明の化合物は非常に親油性である。それ故、水性製剤は、典型的には、薬学上許容される極性の有機溶媒も含有するであろう。
本発明の化合物の治療目的の用量サイズは、当然、よく知られた薬剤の原理に従って、病状及び重篤性、動物又はヒトの年齢及び性別、及び投与ルートに応じて変動する。
本発明の化合物の用量レベル、投与頻度、及び治療期間は、当然、製剤及び臨床的適応、患者の年齢及び併存する病状に応じて異なることが予測される。
本発明は、1以上の原子が、同じ原子番号を有するが、原子質量又は質量数が、天然に通常見出される主な同位体の原子質量又は質量数とは異なる原子によって置換された、いずれも薬学上許容される同位体標識した形の化合物(2)、(3)又は(4)も含む。
本発明の化合物に含まれる好適な同位体の例としては、水素の同位体、例えば、H及びH、炭素の同位体、例えば、11C、13C及び14C、塩素の同位体、例えば、36Cl、フッ素の同位体、例えば、18F、ヨウ素の同位体、例えば、123I及び125I、窒素の同位体、例えば、13N及び15N、酸素の同位体、例えば、15O、17O及び18O、リンの同位体、例えば、32P、及びイオウの同位体、例えば、35Sが含まれる。
いくつかの同位体標識化合物、例えば、放射性同位体を含むものは、薬剤及び/又は基質の組織分布の研究において有用である。放射性同位体トリチウム、すなわち、H、及び炭素14、すなわち、14Cは、導入の容易性及び既存の検出手段に鑑み、この目的には特に有用である。
重水素、すなわち、Hのような、より重質の同位体による置換は、より大きい代謝安定性から生ずるいくつかの治療上の利点、例えば、増大したインビボ半減期又は低減した必要用量を提供し、このため、状況次第では好ましい。
11C、18F、15O及び13Nのようなポジトロン放出性同位体による置換は、基質受容体占有を調べるためのポジトロン断層(PET)法では有用である。
同位体標識化合物は、一般に、当業者に知られた一般的な技術によって又はこれまで使用されてきた非標識試薬の代わりに、好適な同位体標識試薬を使用する公知の方法と類似の方法によって調製される。
癌治療のための治療方法又は癌治療における使用のための化合物は、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート及びプラチナ系抗癌剤に加えて、一般的な手術又は放射線治療又は化学療法を含む。このような化学療法は、1以上の他の活性剤の投与を含むことができる。
このように、医薬製剤の各々、又はいずれか1つは、他の活性剤を含んでなることもできる。
1以上の他の活性剤は、抗腫瘍剤の下記のカテゴリーの1以上である:
(i)抗増殖剤/抗新生物治療剤及びその組み合わせ、例えば、アルキル化剤(例えば、シクロホスファアミド、ナイトロジェンマスタード、ベンダムスチン、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、テモゾロミド、及びニトロソ尿素);代謝拮抗剤(例えば、ゲムシタビン、及び葉酸代謝拮抗剤(例えば、フルオロピリミジン(5−フルオロウラシル及びテガフール)、ラルチトレキセド、メトトレキサート、ペメトレキセド、シトシンアラビノシド、及びヒドロキシ尿素);抗有糸***剤(例えば、ビンカルカトイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン及びビノレルビン)及びタキソイド(例えば、タキソール及びタキソテレ、及びポロキナーゼ阻害剤);プロテアソーム阻害剤、例えば、カーフィルゾミブ及びボルテゾミブ;インターフェロン療法;及びトポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エピポドフィロトキシン(例えば、エトポシド及びテニポシド)、アムサクリン、トポテカン、ミトキサントロン及びカンプトテシン);
(ii)細胞***阻害剤、例えば、抗エストロゲン剤(例えば、タモキシフェン、フルベストラント、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン及びイドキシフェン)、抗アンドロゲン薬(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド及び酢酸シプロテロン)、LHRH拮抗薬又はLHRH作動薬(例えば、ゴセレリン、リュープロレリン及びブセレリン)、プロゲストーゲン(例えば、酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、ボロゾール及びエキセケスタン)及び5α−リダクターゼの阻害剤、例えば、フィナステリド;
(iii)抗侵襲剤、例えば、ダサチニブ及びボスチニブ(SKI−606)、及びメタロプロテアーゼ阻害剤、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子受容体機能阻害剤又はヘパラナーゼに対する抗体;
(iv)成長因子機能の阻害剤、例えば、このような阻害剤は、成長因子抗体及び成長因子受容体抗体(例えば、抗−erbB2抗体トラスツズマブ(Herceptin(商標名))、抗−EGFR抗体パニツムマブ、抗−erbB1抗体セツキシマブ)、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、上皮成長因子ファミリーの阻害剤(例えば、ゲフィチニブ、エルロチニブ及び6−アクリルアミド−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)−キナゾリン−4−アミン(Cl1033)のようなEGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤、ラパチニブのようなerbB2チロシンキナーゼ阻害剤);肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤;インスリン成長因子ファミリーの阻害剤;細胞アポプトーシスのタンパク質調節剤の修飾因子(例えば、Bcl−2阻害剤);血小板由来成長因子ファミリーの阻害剤、例えば、イマチニブ及び/又はニロチニブ(AMN107);セリン/スレオニンキナーゼの阻害剤(例えば、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ、チピファルニブ及びロナファルニブ)のようなRas/Rafシグナル経路阻害剤)、MEK及び/又はAKTキナーゼを介する細胞シグナル経路の阻害剤、c−キット阻害剤、ablキナーゼ阻害剤,PI3キナーゼ阻害剤、PIt3キナーゼ阻害剤、CSF−1Rキナーゼ阻害剤、IGF受容体キナーゼ阻害剤;オーロラキナーゼ阻害剤及びサイクリン依存性キナーゼ阻害剤、例えば、CDK2及び/又はCDK4阻害剤;
(v)抗血管新生薬、例えば、血管内皮成長因子の影響を阻害するもの(例えば、抗−血管内皮細胞成長因子抗体ベバシズマブ(Avastin(商標名));サリドマイド;レナリドマイド;及び例えば、バンデタニブ、バタラニブ、スニチニブ、アキシチニブ及びパゾパニブのようなVEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤;
(vi)例えば、異常p53、異常BRCA1又はBRCA2のような異常遺伝子を置き換えるアプローチを含む遺伝子療法アプローチ;
(vii)例えば、アレムツズマブ、リツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン(Zevalin(登録商標))及びオファツムマブのような抗体療法;インターフェロンαのようなインターフェロン;IL−2(アルデスロイキン)のようなインターロイキン;;インターロイキン阻害剤、例えば、IRAK4阻害剤;HPVワクチン(例えば、ガーダシル、サーバリックス、オンコファージ及びSipuleucel−T(Provenge)のような予防用及び治療用ワクチンを含む癌ワクチン;及びtoll様受容体修飾物質(例えば、TLR−7又はTLR−9作動薬)を含む免疫療法;及び
(viii)細胞毒性薬、例えば、フルダラビン(フルダラ)、クラドリビン、ペントスタチン(Nipent(商標名));
(ix)コルチコステロイド(グルココルチコイド及びミネラルコルチコイドを含む)のようなステロイド、例えば、アルクロメタゾン、アルクロメタゾンジプロピオン酸エステル、アルドステロン、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベクロメタゾンジプロピオン酸エステル、ベタメタゾン、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル、ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム、ベタメタゾン吉草酸エステル、ブデソニド、クロベタゾン、クロベタゾン酪酸エステル、クロベタゾンプロピオン酸エステル、クロプレドノール、コルチゾン、コルチゾン酢酸エステル、コルチバゾール、デオキシコルトン、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム、デキサメタゾンイソニコチン酸エステル、ジフルオロコルトロン、フルクロロロン、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオロコルチゾン、フルオロコルトロン、フルオロコルトロンカプロン酸エステル、フルオロコルトロンピバル酸エステル、フルオロメトロン、フルプレドニデン、プルプレドニデン酢酸エステル、フルランドレノロン、フルチカゾン、フルチカゾンプロピオン酸エステル、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン酢酸エステル、ヒドロコルチゾン酪酸エステル、ヒドロコルチゾンアセポン酸エステル、ヒドロコルチゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル、ヒドロコルチゾン吉草酸エステル、イコメタゾン、イコメタゾンブタン酸エステル酢酸エステル、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、パラメタゾン、モメタゾンフランカルボン酸エステル1水和物、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プレドニゾン、チキソコルトール、チキソコルトールピバル酸エステル、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンアルコール及びそれらの各薬学上許容される誘導体(ステロイドの組み合わせ、例えば、このパラグラフに記載した2以上のステロイドの組み合わせを使用できる);
(x)標的治療、例えば、PI3Kd阻害剤(例えば、アイデラリシブ及びペリホシン、又はPD−1、PD−L1及びCAT Tを阻害する化合物)。
1以上の他の活性剤は、抗生物質でもよい(例えば、アドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシン及びミスラマイシン)。
この明細書及び特許請求の範囲を通して、用語「含んでなる」及び「含有する」及びその変形は、「含むが、限定されない」を意味するものであり、これらは、他の部分、添加剤、成分、整数又は工程を除外することを意図するものではない(及び除外しない)。この明細書及び特許請求の範囲を通して、単数は、他に要求されない限り、複数も含むものである。特に、不定冠詞を使用する場合、明細書は、他に要求されない限り、単一性とともに、複数性を含むものとして理解されなければならない。
特殊な態様と合わせて記載する本発明の特徴、整数、特性、化合物、化学部分及び基、具体例又は実施例は、矛盾しない限り、ここに記載する他の態様、具体例又は実施例のいずれにも適用できるものであると理解されなければならない。この明細書(特許請求の範囲、要約及び図面を含む)に開示する特徴の全て、及び/又は同様に開示された方法及びプロセスの工程の全ては、このような特徴及び/又は工程の少なくともいくつかが、相互に排他的である組み合わせを除き、いかようにも組み合わされる。本発明は、上述の具体例の詳細に限定されない。本発明は、この明細書に開示された特徴のいずれかの新規な1つ又は新規な組み合わせに、又は同様に開示されたいずれかの方法又はプロセスの工程のいずれかの新規な1つ又は新規な組み合わせに及ぶものである。
読者の注目は、この出願に関連するこの明細書と同時に又はこれよりも先に提出された、又はこの明細書と一緒に縦覧に供される全ての論文及び文献に向けられるが、このような全ての論文及び文献の内容は、参照することによって、ここに組み込まれる。
[実施例1]−NUC−1031の単一のジアステレオ異性体
下記の条件下におけるHPLCによって、(R)及び(S)異性体を分離できる:
装置:DAD検出器を有するAgilent1200(商標名)シリーズ
流速:1.0ml/分
カラム:ChiralpakAD(商標名);250×4.6mmID(順相)
温度:室温
粒径:20μm
フィード:MeOHに溶解;10g/l
溶媒:n−ヘプタン/IPA 10→50%イソプロピルアルコール
クロマトグラムを図1に示す。(S)−異性体は8.6分で溶離し、(R)−異性体は10.3分で溶離した。
特徴付け及び物質:
分光計Bruker Advance500において、25℃で、プロトン(H)、炭素(13C)、リン(31P)及びフッ素(19F)のNMRスペクトルを記録した。スペクトルを重溶媒ピークに自動計算し、全ての13CNMR及び31PNMRがプロトンデカップリングされている。最終化合物の純度は、分析カラムとしてVarian PolarisC18−A(10μM)を使用し、HO/MeOH100/0〜0/100、35分間のグラデーション溶離によるHPLC分析によって確認される。Varian Prostar(LC Workstation‐Varian prostar335LC検出器)によって、HPLC分析を行った。
2’−デオキシ‐2’,2’−ジフルオロ−D−シチジン−5’−O−[フェニル(ベンジルオキシ−L−アラニニル)]−(S)−ホスフェート(3)
(ES+)m/z、実測値:(M−Na)603.14
2527NaP理論値:(M)580.47
31PNMR(202MHz,MeOD):δ3.66
HNMR(500MHz,MeOD):δ7.58(d,J=7.5Hz,1H,H−6),7.38−7.32(m,7H,ArH),7.26−7.20(m,3H,ArH),6.24(t,J=7.5Hz,1H,H−1’),5.84(d,J=7.5Hz,1H,H−5),5.20(AB system,JAB=12.0Hz,2H,OCHPh),4.46−4.43(m,1H,H−5’),4.36−4.31(m,1H,H−5’),4.25−4.19(m,1H,H−3’),4.07−4.00(m,2H,H−4’,CHCH),1.38(d,J=7.2Hz,3H,CHCH
19FNMR(470MHz,MeOD):δ−118.0(d,J=241Hz,F),−120.24(broad d,J=241Hz,F)
13C NMR(125MHz,MeOD):δ174.61(d,C−P=5.0Hz,C=O,エステル),167.63(C−NH),157.74(C=O base),152.10(d,C−P=7.0Hz,C−Ar),142.40(CH−base),137.22(C−Ar),130.90,129.63,129.39,129.32,126.32(CH−Ar),124.51(d,C−F=257Hz,CF),121.47,121.43(CH−Ar),96.67(CH−base),85.92(broad signal,C−1’),80.31(C−4’),71.27(apparent t,C−F=23.7Hz,C−3’),68.03(OCHPh),65.73(d, C−P=5.30Hz,C−5’),51.66(CHCH),20.42(d,C−P=6.25Hz,CHCH
逆相HPLC:HO/MeOH 100/0〜0/100、35分間での溶離、t=22.53分を有するジアステレオ異性体の1つのピークを示した。
2’−デオキシ‐2’,2’−ジフルオロ−D−シチジン−5’−O−[フェニル(ベンジルオキシ−L−アラニニル)]−(R)−ホスフェート(4)
(ES+)m/z、実測値:(M−Na)603.14
2527NaP理論値:(M)580.47
31PNMR(202MHz,MeOD):δ3.83
HNMR(500MHz,MeOD):δ7.56(d,J=7.5Hz,1H,H−6),7.38−7.31(m,7H,ArH),7.23−7.19(m,3H,ArH),6.26(t,J=7.5Hz,1H,H−1’),5.88(d,J=7.5Hz,1H,H−5),5.20(s,2H,OCHPh),4.49−4.46(m,1H,H−5’),4.38−4.34(m,1H,H−5’),4.23−4.17(m,1H,H−3’),4.07−4.01(m,2H,H−4’,CHCH),1.38(d,J=7.2Hz,3H,CHCH
19FNMR(470MHz,MeOD):δ−118.3(d,J=241Hz,F),−120.38(broad d,J=241Hz,F)
13C NMR(125MHz,MeOD):δ174.65(d,C−P=5.0Hz,C=O,エステル),167.65(C−NH),157.75(C=O base),152.10(d,C−P=7.0Hz,CH−Ar),142.28(CH−base),137.50(C−Ar),130.86,129.63,129.40,129.32,126.31(CH−Ar),124.50(d,C−F=257Hz,CF),121.44,121.40(CH−Ar),96.67(CH−base),85.90(broad signal,C−1’),80.27(C−4’),71.30(apparent t,C−F=23.7Hz,C−3’),68.02(OCHPh),65.50(C−5’),51.83(CHCH),20.22(d,C−P=7.5Hz,CHCH
逆相HPLC:HO/MeOH 100/0〜0/100、35分間での溶離、t=21.87分を有するジアステレオ異性体の1つのピークを示した。
[実施例2]−NUC−1031及びシスプラチン併用のインビボ治験
A2780、SK−OV−3、OVCAR−3、NCI−H460、NCI−H1975、NCI−H2122、5637、及びHT1376を、10%ウシ胎児血清(FBS:Invitrogen−10099141)を補足したPRMI 1640培地(Invitrogen−22400105)において培養した。全ての細胞株を、加湿したインキュベーターにおいて、37℃、5%COの条件下に維持した。細胞培養培地及びサプリメントを、Invitrogenがら購入し、組織培養フラスコをCorningから購入し、96ウエルプレート及び384ウエルプレートをGreinerから購入した。CellTiter Luminescent Cell Viability AssayをPromegaから購入し(Promega−G7573)、細胞カウンターVi−CellをBeckmanから購入し、検出装置EnvisionをPerkinElmerから購入した。
パクリタキセル(対照として使用した)及びシスプラチンをSELLECKから購入した。これらは、使用可能な最高純度であった。化合物の全ては、DMSOに溶解し、培地に希釈する際に、溶液の調製及び希釈のために、DMSO、化合物及び培地を、37℃に加温した。
細胞毒性アッセイ
8つの細胞株を、一夜で、96ウエルプレートに付着させ(100μl/ウエル)、3.16倍希釈、9用量ポイント、三重又はビヒクルコントロールでの薬剤処理のため、DMSO中で、化合物のストック溶液を調製し、ウエルに添加して、指摘した最終薬剤濃度とした。最終DMSO濃度は0.5%であった。CellTiter−Glo CellViablity Assayを使用することによって、細胞ATP濃度を、製造者の指示により、薬剤の添加後72時間で測定した。
併用分析
8つの細胞株を、一夜で、384ウエルプレートに付着させ(60ml/ウエル)、併用治験のため、2つの薬剤の4つの組み合わせを、2度調査し、1つの化合物を固定濃度に維持するとともに、第2の化合物の濃度を増大させて(10倍希釈、5用量ポイント)、DMSO中で、化合物のストック溶液を調製し、D300eデジタルディスペンサーによってウエルに添加して、指摘した最終薬剤濃度とした。最終DMSO濃度は0.5%であった。
CellTiter−Glo CellViablity Assayを使用することによって、細胞ATP濃度を、製造者の指示により、薬剤の添加後72時間で測定した。
このように、治験は2つの段階を含んでなる。
段階1:単剤のIC 50 の決定
段階1では、個々の化合物(シスプラチン、ゲムシタビン及びNUC−1031)の関連する細胞株におけるIC50(5以上の濃度を使用する)を決定する。
Figure 0006898329

段階2:併用治療
段階2は、癌細胞の成長に関する化合物の選ばれた組合せの相互作用を決定する。計8つの条件を、適切な細胞株について、テストした。これは、1つの化合物を固定濃度に維持するとともに、第2の化合物の濃度を増大させて、2つの化合物の4つの組み合わせを2度調査したことを意味する。
Figure 0006898329
2.2分析方法
化合物の組み合わせの効果を特徴付けるために、下記の用語を使用する。
「相乗作用」:単剤化合物から予測される効果よりも、組み合わせた化合物について観察される効果が、より大きいこととして定義される。
「付加的」効果:組み合わせた化合物について観察される効果が、単剤化合物の効果の合計から予測される効果と等しいこととして定義される。
「拮抗作用」:単剤化合物の効果から予測されるものよりも、組み合わせた化合物について観察される効果が、有意に、より弱いこととして定義される。
Chou−Talalay法
薬剤併用に関するChou−Talalay法は、質量作用の法則に由来するMedian Effect等式に基づくものであり、Chou−Talalayの得られる組み合わせ指数(CI)は、薬剤併用における、付加的効果(CI=1)、相乗作用(CI<1)についての量的定義を提供する。
Bliss Indpendenceモデル
方法は、観察された併用応答(YO)と、予測された併用応答(YP)とを比較するものであり、薬剤−薬剤の相互作用からは効果がないとの仮定に基づいて得られたものである。
2つの薬剤A、B(ともに、腫瘍の成長を阻害する)を仮定する。用量aの薬剤Aは、腫瘍の成長Y%を阻害し、用量bの薬剤Bは、腫瘍の成長Y%を阻害する。仮に、2つの薬剤が、独立して働くとすると、併用の阻害率Yab,Pは、確率論の完全加法性を使用して、次のように予測される。
ab,P=Y+Y−Y
曲線移動分析
2つの薬剤は、独立して働き、薬剤Aを固定濃度に維持し、薬剤Bの濃度が変動すると仮定して、固定の薬剤Aの濃度に基づく併用効果を正規化し、薬剤Aから得られた用量効果曲線を比較し、併用用量効果曲線の左方向へのシフトは相乗作用に関連し、右方向へのシフトは拮抗作用を表示し、オーバーラップは付加的効果を表示する。
2.3結果
段階1:単剤による細胞毒性アッセイ
治験の段階1において、段階2における併用に関する最適濃度を知るために、単剤としてのシスプラチン、NUC−1031及びゲムシタビンの細胞毒性を調査した。
Figure 0006898329

データの大要−3つの分析方法の全てからの結果の概要
下記の表4は、併用化合物NUC−1031及びシスプラチンの効果を特徴付けるために、3つの方法論(Chou−Talalay、Bliss Indpendence、及び曲線移動)を使用する分析からの結果を示す。
Figure 0006898329
3つの分析方法の間の結果の一致は、癌細胞株HT1376に対して2つの化合物の併用により、相乗作用が観察されたことを表しており、これを表5に概略する。
Figure 0006898329
個々の方法論の結果
Chou−Talalay法を使用して分析したデータ
Figure 0006898329

曲線移動法を使用して分析したデータ
膀胱癌細胞株HT1376における下記の相乗作用を、図2に示す。
Figure 0006898329

Bliss Indpendence法を使用して分析したデータ
Figure 0006898329

[実施例3]−更なるNUC−1031及びシスプラチン併用のインビボ治験
細胞培養及び試薬
SKOV3細胞を、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)から購入した。細胞を、細胞培養フラスコ内で、10%Gibco(商標名)FBS(Life Technology;10270−106)及び1%Gibco(商標名)Penicillin−Streptomycin(Life Technology;15140122)を含むGibco(商標名)RMPI 1640培地+GlutaMAX(商標名)−I(Life Technology;61870−010)(完全培地として知られている)において、37℃及び5%COで培養した。シスプラチンを、TEVA UK Limitedから購入した(PL00289/114)。フルバスタチン及びスルホラファンを、いずれも、Merck Millipore Corporationから購入した(それぞれ、カタログ番号344096及び574215)。(S)−NUC−1031をNuCana(登録商標)Ltd.から購入した。
薬剤を適用した組織培養
SKOV3細胞を、Costar(登録商標)3596 96ウエルプレートの中央の60ウエルに、1ウエル当たり、200μl中の細胞250個で蒔き、外側の36ウエルに、それぞれ、PBS200μlを充填した。各種の薬剤化合物を添加する前に、細胞を、完全培地において、48時間、成長させた。単剤として、完全培地において10の異なる濃度のシスプラチン、(S)−NUC−1031、フルバスタチン、及びスルホラファンを、中央の60ウエルに添加した(day0)。各濃度を、六重で負荷した。細胞を、24時間、化合物に曝し、化合物を、純粋な完全培地に置き換えた。フルバスタチンによる実験を、24時間の代わりに4日間、曝すことにより、繰り返した。スルホローダミンBアッセイ(下記参照)のために薬剤化合物を添加した後、day4において、4℃、60分間で、25%TCA溶液50μlにて、プレートを固定した。
2つの薬剤の併用について、異なった濃度のシスプラチン及びフルバスタチン、及び各種の濃度のフルバスタチンと組み合わせた2つの固定濃度のシスプラチンを、Costar(登録商標)3596 96ウエルプレートにおいて、中央の60ウエルに、三重で蒔いた。外側の36ウエルには、それぞれ、PBS200μlを充填した(day0)。細胞を、24時間、薬剤化合物に曝し、day1において、化合物を吸引し、純粋な完全培地に置き換えた。スルホラファンを伴うシスプラチン、及び(S)−NUC−1031を伴うシスプラチンを使用して、実験を繰り返し、各濃度を、三重で負荷した。day4において、スルホローダミンBアッセイ(下記参照)のために、4℃、60分間で、25%TCA溶液50μlにて、プレートを固定した。
スルホローダミンB(SRB)比色アッセイ
TCA溶液を添加した後、プレートを、流水下で、10回洗浄し、オーブンにおいて、50℃で乾燥させた。ついで、細胞を染料SRB50μにて染色し、SRB添加後30分で、染料を、1%氷酢酸にて4回洗浄除去した。ついで、プレートを、オーブンにおいて、乾燥した。染料SRBを、ロッカーにおいて、10mM Tris緩衝溶液150μlに、60分間、溶解させた。プレートを、Biohit BP800 Microplate Reader(Biohit Healthcare)に読み取り、吸光度を540nmで測定した。単剤及び併用実験の両方の結果を使用し、Prism Software(GraphPad)を使用して、薬剤化合物のIC50(50%の阻害を生ずる薬剤の濃度である)を算定した。2つの薬剤の併用から得られた結果について、これらの結果を使用し、CalcuSyn Software(Biosoft)を使用して、化合物の併用指数(CI)を算定した。
結果:
シスプラチン及びスルホラファンのIC50は、それぞれ、2.436μM及び7.002μMであった。フルバスタチン及びNUC−1031のIC50は、観察不可能な阻害性のため、算定することができなかった。フルバスタチンを伴うシスプラチンのCI値は0.355〜0.557の範囲であり、相乗作用を示した。スルホラファンを伴うシスプラチンのCI値は0.891〜1.474の範囲であり、拮抗作用を示した。SKOV3細胞に関する、0.1〜0.5μM及び1〜2μMのNUC−1031を伴うシスプラチンのCI値は、それぞれ、0.871〜0.957及び1.067〜1.756の範囲であった。
結論
SKOV3細胞に対して、シスプラチンを伴う低濃度のNUC−1031について、相乗的な阻害が認められ、これは、より低い薬剤濃度が、通常、より低い毒性を与えるため、臨床的に、より使用され易いものとする。この結果は、患者において、効力及び安全性を保証するためにテストする前に、さらに、正確な最適併用用量を調査するための基礎として機能することができる。個人における併用の細胞毒性及び副作用を評価することによって個別化された治療は、遺伝子プロファイル及び薬剤応答のため、最適であり、これにより、各患者は、最適用量で薬剤を服用できる。
[実施例4]−ABC−008臨床治験(シスプラチンと組み合わせたNUC−1031)からのdFdCTP濃度の薬物動態分析及びProGem1臨床治験(NUC−1031単独)からの結果との比較
ABC−008臨床治験における初めの3人の患者から得られたサンプルについて、初期薬物動態分析を行った。
患者の詳細は以下のとおりである:
患者1:71歳、転移性胆道癌、開始時の用量:(S)−NUC−1031 625mg/m+シスプラチン25mg/m
患者2:78歳、転移性胆道癌、開始時の用量:(S)−NUC−1031 625mg/m+シスプラチン25mg/m
患者3:75歳、転移性胆道癌、開始時の用量:(S)−NUC−1031 625mg/m+シスプラチン25mg/m
NUC−1031及びシスプラチンの両方を、21日サイクルのday1及び8で投与した。
NUC−1031の最適な1回分用量625mg/m2を、ルアーロックシリンジにおいて調製した。所定の用量は、基準体表面積(BSA)計算式を使用して、対象の身長及び体重に基づく。NUC−1031を収容するシリンジを延長ラインに接続する前に、ポリエチレン延長ラインを、フラッシング溶液1.5ml以下にて浄化した。
患者の中心静脈投与装置(CVAD)に延長ラインを接続し、シリンジポンプを使用して、速度20ml/時間で注入した。注入が完了した後、NUC−1031シリンジを、延長ラインから取り外し、ついで、延長ラインを、追加容量3ml以下のフラッシング溶液にてフラッシュした。
物質及び方法
1.物質
dFdCTP対象化合物を、英国Biorbytから入手した。Lymphoprepを英国STEMCELL Technologies Ltd.から入手した。過塩素酸(PCA)、酢酸アンモニウム(NHAc)及びアンモニアを、全て、英国Sigma Aldrichから入手した。LC−Msグレードの水、メタノール、アセトニトリル及びギ酸を、全て、英国Fisher Scientificから入手した。
2.方法
A.血液の採取及びPBMCsの調製:ヘパリン処理した血液収集管を使用して、血液6mlを採取した。血漿の遠沈及び分離の後、バフィーコートを収集し、Lymphoprep密度差分離液3mlを収容する新たな試験管に移した。遠心分離後、PBMC層を含有する上方界面を、新たな試験管に移した。リン酸塩緩衝化食塩水(PBS)にて洗浄した後、PBMCsを、PBS100μlに再懸濁化した。ついで、0.8M PCA100μlを添加し、混合物をボルテックス混合し、遠心分離し、続いて、上澄み100μlを新たな試験管に移した。PCA抽出物を、分析時まで、−80℃において保存した。
B.サンプルの抽出(PBMCs):PCA抽出物を、1M NHAc50μlを使用して緩衝化し、ついで、10%アンモニア溶液20μlを使用して中和した。最後に、内部基準物8−ChloroATPの含有物5μl及び精製水5μ1を添加した。抽出物をLC−MSバイアルに移し、10μlを、UPLC−MS/MSシステムに注入した。
3.クロマト法及びサンプル分析
分析物の10mg/mlストック溶液を調製し、使用時まで、アリコートを−80℃で凍結した。BiobasicAX、5μm、50×2.1mmカラム(Thermo Electron Corporation、米国カリフォルニア州マリエータ)及びNHAcの10mM ACN/HO(30:70v/v)溶液(pH6.0)(A)及びNHAcの1mM ACN/HO(30:70v/v)の溶液(pH10.5)(B)の混合物からなる移動相を備えた超高速液体クロマトグラフィーシステム(Accela、Thermo Scientific、英国)を使用して、分析物を分解した。緩衝液A=0〜0.5分において95%、1.25分で95〜0%、1.75分間0%に維持、0.1分で0〜95%、2.9分間95%で終了、全ての流速500μl/分でなる移動相グラディエントを使用した。
4.質量分析法
エレクトロスプレーイオン源を備えた3連四重極型Vantage質量分析システム(Thermo Scientific、英国)を使用して、目的の溶離化合物を検出した。多重反応モニタリング(MRM)において、それぞれ、スプレー電圧3500及び3000Vにおいて、ポジティブ(+ve)及びネガティブ(−ve)イオンモードで、サンプルを分析した。シースガス及び補助ガスとして、それぞれ、流速50及び20任意単位(arb.unit)で窒素を使用した。コリジョンガスとして、アルゴンを圧力1.5mトルで使用した。
結果
初期の結果を表9及び10に示す。
Figure 0006898329
Figure 0006898329
考察
NUC−1031血漿PKパラメーターは、ProGem1(単剤NUC−1031によるヒトへの最初の投与、フェーズ1治験)と比べて、2.1倍のAUCの増加及び1.9倍のCmaxにおける増加を示した。NUC−1031血漿PKパラメーターは、単剤NUC−1031と比べて、3.6倍の半減期の増加を示した。
細胞内dFdCTP(活性な抗癌部分)パラメーターは、より長いt1/2を有する点を除いて、ProGem1と非常に類似していた。このより長いt1/2は、PKサンプリングの4時間の期間にわたって、細胞内dFdCTPがより高いレベルに維持されることによるものであろう。シスプラチンを伴うNUC−1031治療後に観察されたdFdCTPレベルにおける相乗作用は、癌の成長を阻止するために及び単剤使用後の再発癌の治療において、より長い期間にわたって、高いdFdCTPレベルが要求される癌の治療のための幅広い臨床上の利用を含む極めて重要な臨床的意義を有する。
ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート又はその薬学上許容される塩又は溶媒和物とプラチナ系抗癌剤とを併用する治療において観察されるdFdCTPの半減期の増加は、多数の状況での癌の治療において利点を提供することが評価されるであろう。主要な利点は、この半減期の増大を提供する投薬の柔軟性に認められる。例えば、このような医学的用途は、効果的な治療レジメン(活性剤を使用する治療の発生が、現在使用されている治療よりも、頻度が少ない)を可能にする。単なる例とし示せば、本発明の治療は、数日間にわたる複数回の投与を要求するよりもむしろ、1日1回の治療で患者に提供される。適切な治療回数、例えば、このような1日1回の治療は、長期間の投与よりもむしろ、活性剤の比較的迅速な提供のみを必要とする(例えば、点滴による)。一緒に使用されるゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート及びプラチナ系抗癌剤は、患者に1日1回投与される薬として処方される(組み合わせて又は個々に)。この種の1日1回の投与のための薬は、再発した癌の治療にも有用である。
プラチナ系抗癌剤と併用してゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートを使用する(組み合わせて又は連続して)本発明による治療は、2日ごと、3日ごと、4日ごと、5日ごと、6日ごと、1週間ごとの治療機会に使用される。実際、本発明による治療は、相互に、1週、2週、又は3週離れての治療機会に使用される。
[実施例5]−単剤ゲムシタビン及びゲムシタビン/シスプラチン併用治療における、ABC−08治験において現在までに得られた重要な無増悪生存時点と、ABC−02治験における無増悪生存について確立された中央値時点との対比
ABC−02バックグラウンド:
ABC−02治験は、ゲムシタビン/シスプラチンの併用を、転移性胆道癌の治療において、ゲムシタビン単独と比べて、優れた治療標準として確立した。ゲムシタビン/シスプラチンを受けた患者についての無増悪生存の確立された中央値は8カ月であった。ゲムシタビンを単剤として受けた患者についての無増悪生存の確立された中央値は5カ月であった。(Valle J, Wasan H, Palmer DHら,2010)。
ABC−08対照:
ABC−08治験において現在までに得られた無増悪生存時点は、単剤ゲムシタビン及びゲムシタビン/シスプラチン併用療法の両方について確立された中央値を越えた。特別な実例を下記に示す。
患者02:−NUC−1031の用量が、375mg/mに60%減少され、同時に、シスプラチンが25%減少された。にもかかわらず、下記に詳述するように、彼女は、一連の腫瘍容積の持続した減少を示し続けた。
この患者は、9カ月の無増悪生存時点を達成し、進行中である。これは、ABC−08治験について、観察された最長の無増悪生存時点であり、今のところ、ABC−02治験によって確立された中央値を越えている。
この同一の患者は、複数の放射線評価において、持続した進行中の腫瘍容積の減少を示している。
3か月の時点でのスキャン:17%の減少−不変
6か月の時点でのスキャン:24%の減少−不変
9か月の時点でのスキャン:41%の減少−部分奏功
患者05:−55歳、転移性胆道癌、開始時用量:625mg/m(S)−NUC−1031+25mg/mシスプラチン
この患者は、5.5カ月の無増悪生存時点を達成し、現在、進行中であり、単剤ゲムシタビンを受けた患者について確立された5カ月の中央値無増悪生存時点を上回っている。
この同一の患者は、最初の放射線評価において、顕著な腫瘍容積の減少を示している。
3か月の時点でのスキャン:54%の減少−部分奏功
これらの結果は個々の患者からのものであるが、本発明の併用に関する将来有望な臨床結果を表している。

Claims (21)

  1. (i)ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート又はその薬学上許容される塩又は溶媒和物;及び(ii)シスプラチン、ピコプラチン、リポプラチン、及びトリプラチンから選ばれるプラチナ系抗癌剤を含んでなり、各投与機会で投与されるゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート又はその薬学上許容される塩又は溶媒和物の用量は、250〜1250mg/m であり、各投与機会で投与されるプラチナ系抗癌剤の用量は、10〜200mg/m であり、薬剤(i)及び(ii)は、同時に又は別個に、及び少なくとも2回の治療サイクルで投与される癌治療薬。
  2. プラチナ系抗癌剤がシスプラチンである請求項1に記載の癌治療薬。
  3. ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートが、ジアステレオマー的に純粋な形のゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]−(S)−ホスフェートである請求項1又は2に記載の癌治療薬。
  4. ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートが、ホスフェートジアステレオマーの混合物である請求項1又は2に記載の癌治療薬。
  5. ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートが、遊離塩基の形である請求項1〜4のいずれかに記載の癌治療薬。
  6. ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェートが、静脈内投与される請求項1〜5のいずれかに記載の癌治療薬。
  7. 癌が、固形腫瘍、例えば、卵巣癌、膀胱癌、及び胆道癌から選ばれる癌である請求項1〜6のいずれかに記載の癌治療薬。
  8. 癌が、胆道癌、例えば、胆嚢癌、末梢胆管癌、膨大部癌、肺門胆管癌、肝内胆管癌から選ばれる癌である請求項7に記載の癌治療薬。
  9. 癌が再発性である請求項1〜8に記載の癌治療薬。
  10. 癌が転移性である請求項1〜8に記載の癌治療薬。
  11. 癌が、プラチナ系抗癌剤に対して不応性、抵抗性又は部分的抵抗性である請求項1〜10のいずれかに記載の癌治療薬。
  12. 癌がプラチナ系抗癌剤に対して感受性である請求項1〜10のいずれかに記載の癌治療薬。
  13. 併用投与により、10時間以上のdFdCTPの細胞内t 1/2 を提供する請求項1〜12のいずれかに記載の癌治療薬。
  14. 併用投与により、18時間以上のdFdCTPの細胞内t 1/2 を提供する請求項1〜13のいずれかに記載の癌治療薬
  15. ムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート又はその薬学上許容される塩又は溶媒和物及びプラチナ系抗癌剤を、1治療サイクルにおいて2回投与する請求項1〜14のいずれかに記載の薬剤。
  16. ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート又はその薬学上許容される塩又は溶媒和物及びプラチナ系抗癌剤を、21日の治療サイクルで患者に投与する請求項1〜14のいずれかに記載の癌治療薬。
  17. ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート又はその薬学上許容される塩又は溶媒和物を、21日治療サイクルのday1及びday8において患者に投与する請求項1〜14のいずれかに記載の癌治療薬。
  18. プラチナ系抗癌剤を、21日治療サイクルのday1及びday8において患者に投与する請求項1〜14のいずれかに記載の癌治療薬。
  19. ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート又はその薬学上許容される塩又は溶媒和物及びプラチナ系抗癌剤を、21日治療サイクルのday1及びday8において患者に投与する請求項1〜14のいずれかに記載の癌治療薬。
  20. ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート又はその薬学上許容される塩又は溶媒和物及びプラチナ系抗癌剤を同時に投与する請求項19に記載の癌治療薬。
  21. シスプラチン、ピコプラチン、リポプラチン、及びトリプラチンから選ばれるプラチナ系抗癌剤、及び少なくとも1つの薬学上許容される添加剤とともに、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート又はその薬学上許容される塩又は溶媒和物を含んでなり、ゲムシタビン−[フェニル(ベンゾキシ−L−アラニニル)]ホスフェート又はその薬学上許容される塩又は溶媒和物の用量は、250〜1250mg/m であり、プラチナ系抗癌剤の用量は、10〜200mg/m である医薬製剤。
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