JP6891804B2 - 固体電池 - Google Patents

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本開示は、固体電池に関する。
固体電池は、正極活物質層および負極活物質層の間に固体電解質層を有する電池であり、可燃性の有機溶媒を含む電解液を有する液系電池に比べて、安全装置の簡素化が図りやすいという利点を有する。
固体電解質層について、多くの研究がなされている。例えば、特許文献1には、少なくともリチウム元素(Li)及び硫黄元素(S)を含むガラス固体電解質と、電子絶縁性の無機繊維からなる支持体を含む固体電解質シートが開示されている。この技術は、大面積を有する自立した固体電解質シートを提供することを課題としている。
また、特許文献2には、固体電解質及び複数の開口を有する支持体を含み、固体電解質が、支持体の開口において、厚さ方向に連続貫通構造を有し、支持体がガラスからなり、支持体の開口率が40〜90%である固体電解質シートが開示されている。この技術は、シート自立化のために支持体を導入してもイオン伝導性がほとんど低下せず、大面積を有する固体電解質シートを提供することを課題としている。
一方、特許文献3には、リチウム塩を含有した高分子、或いはイオン液体からなり、正極部材および負極部材の接合部に介在される介在層を備え、負極活物質が特定の負極活物質を含有する非水電解質電池が開示されている。この技術は、充放電サイクル特性の向上を図ることを課題としている。また、硫化物固体電解質等の無機固体電解質を用いる電池ではないものの、特許文献4には、セパレータに特定のイオン液体電解質を含浸させたリチウム蓄電池が開示されている。
特開2014−096311号公報 特開2008−103258号公報 特開2012−014892号公報 特表2013−541820号公報
例えば特許文献1に記載されているように、支持体を用いることで固体電解質層(固体電解質シート)の自立化を図ることができ、固体電解質層を単独膜として扱うことができる。また、特許文献1では、支持体の両面に硫化物固体電解質を配置し、プレスすることで固体電解質層(固体電解質シート)を形成している。一方、硫化物固体電解質が固体であるため、支持体の内部まで硫化物固体電解質を充填することは困難である。その結果、固体電解質層のイオン伝導性が低下する。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、支持体を有しつつ、イオン伝導性の低下を抑制した固体電解質層を備える固体電池を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本開示においては、正極活物質層と、負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に配置された固体電解質層とを有する固体電池であって、上記固体電解質層は、第一固体電解質部、細孔を有する支持体、および、第二固体電解質部を、この順に有し、上記第一固体電解質部は、Li元素、P元素およびS元素を含有する第一硫化物固体電解質を含有し、上記第二固体電解質部は、Li元素、P元素およびS元素を含有する第二硫化物固体電解質を含有し、上記支持体の上記細孔に、Li塩およびルイス塩基を含む溶媒和イオン液体が充填されている、固体電池を提供する。
本開示によれば、支持体の細孔に溶媒和イオン液体が充填されていることから、支持体を有しつつ、イオン伝導性の低下を抑制した固体電解質層を備える固体電池とすることができる。
本開示は、支持体を有しつつ、イオン伝導性の低下を抑制した固体電解質層を備える固体電池を提供することができるという効果を奏する。
本開示の固体電池を例示する概略断面図である。 本開示における固体電解質層を例示する概略断面図である。 実施例3、比較例1および参考例1で得られた固体電解質層に対するイオン伝導度測定の結果である。
以下、本開示の固体電池について、詳細に説明する。
図1は、本開示の固体電池の一例を示す概略断面図である。図1に示す固体電池10は、正極活物質層1と、負極活物質層2と、正極活物質層1および負極活物質層2の間に配置された固体電解質層3と、正極活物質層1の集電を行う正極集電体4と、負極活物質層2の集電を行う負極集電体5と、を有する。
また、図2に示すように、固体電解質層3は、第一固体電解質部31、細孔を有する支持体33、および、第二固体電解質部32を、この順に有する。第一固体電解質部31は、Li元素、P元素およびS元素を含有する第一硫化物固体電解質を含有し、第二固体電解質部32は、Li元素、P元素およびS元素を含有する第二硫化物固体電解質を含有する。支持体33の細孔には、Li塩およびルイス塩基を含む溶媒和イオン液体が充填されている。
本開示によれば、支持体の細孔に溶媒和イオン液体が充填されていることから、支持体を有しつつ、イオン伝導性の低下を抑制した固体電解質層を備える固体電池とすることができる。
上述したように、支持体を用いることで固体電解質層の自立化を図ることができ、固体電解質層を単独膜として扱うことができる。そのため、電池作製工程を簡略化できるという利点がある。また、固体電解質層が支持体を有しない場合、充放電に伴う局所的な応力によってクラックが生じた場合に、短絡が生じやすくなる。これに対して、固体電解質層が支持体を有する場合、充放電に伴う局所的な応力が加わった場合であっても、固体電解質層全体にクラックが生じることを防止でき、短絡が生じにくくなるという利点がある。
一方、上述したように、支持体の両面に硫化物固体電解質を配置し、プレスすることで固体電解質層(固体電解質シート)を形成することが知られている。しかしながら、硫化物固体電解質は固体であるため、支持体の内部まで硫化物固体電解質を充填することは困難である。その結果、支持体の内部におけるイオン伝導パスが少なくなり、固体電解質層のイオン伝導性が低下する。特に、支持体の孔が小さい場合や支持体が多孔質構造等の複雑な構造を有する場合に、固体電解質層のイオン伝導性が顕著に低下する。
これに対して、本開示においては、支持体の細孔に溶媒和イオン液体を充填させる。溶媒和イオン液体は、細孔の内部まで容易に浸透するため、支持体の内部におけるイオン伝導パスを確保しやすい。そのため、支持体を有しつつ、イオン伝導性の低下を抑制した固体電解質層とすることができる。また、一般的なイオン液体は硫化物固体電解質と反応しやすいため、固体電解質層におけるイオン伝導が阻害される場合がある。これに対して、溶媒和イオン液体は、化学的安定性が非常に高いため、硫化物固体電解質と反応せず、固体電解質層におけるイオン伝導が阻害されにくいという利点がある。また、本開示においては、支持体を挟むように第一固体電解質部および第二固体電解質部が配置されるため、溶媒和イオン液体が正極活物質および負極活物質と反応することを抑制できるという利点がある。
以下、本開示の固体電池について、構成ごとに説明する。
1.固体電解質層
固体電解質層は、正極活物質層および負極活物質層の間に配置される層である。固体電解質層は、第一固体電解質部、細孔を有する支持体、および、第二固体電解質部を、この順に有する。固体電解質層の厚さは、例えば、5μm以上、1000μm以下である。
(1)支持体
支持体は、細孔を有し、通常は電子絶縁性を有する。支持体の材料としては、例えば、樹脂等の有機材料、セラミックス、ガラス等の無機材料が挙げられる。上記樹脂としては、例えば、ポリイミド、ポリオレフィンが挙げられる。
細孔の平均孔径は、特に限定されないが、例えば50μm以下であり、30μm以下であってもよく、10μm以下であってもよい。一方、細孔の平均孔径は、例えば0.1μm以上である。細孔の平均孔径は、支持体の断面画像を観察することより求めることができる。1つの孔において、断面画像における最大長さL1とし、それに直交する孔の最大長さをL2とする。L1およびL2の平均を、その孔の径とする。この測定を、例えば100個以上の孔に対して行い、それらの平均を細孔の平均孔径とすることができる。
支持体の開孔率は、特に限定されないが、例えば20%以上であり、40%以上であってもよく、50%以上であってもよい。一方、支持体の開孔率は、例えば90%以下である。支持体の開孔率は、支持体の密度および真密度から算出することができる。真密度は、例えば、定容積膨張法による乾式密度測定により求めることができる。
支持体は、多孔質構造を有していてもよい。具体例としては、多孔質構造を有する樹脂フィルムが挙げられる。また、支持体は、織布構造または不織布構造を有していてもよい。織布構造とは、繊維(例えば樹脂繊維、ガラス繊維)を規則正しく配置した構造をいい、不織布構造とは、繊維(例えば樹脂繊維、ガラス繊維)をランダムに配置した構造いう。支持体の厚さは、例えば5μm以上であり、10μm以上であってもよい。一方、支持体の厚さは、例えば50μm以下である。
また、支持体の細孔には、Li塩およびルイス塩基を含む溶媒和イオン液体が充填されている。Li塩およびルイス塩基を含む溶媒和イオン液体では、Li塩のLiイオンにルイス塩基が配位(溶媒和)することで錯カチオンとなり、Li塩のアニオンが溶媒和イオン液体のアニオンとなる。溶媒和イオン液体の融点は、80℃以下であってもよく、60℃以下であってもよい。一方、溶媒和イオン液体の融点は、例えば0℃以上である。特に、溶媒和イオン液体は、25℃において液体であることが好ましい。また、錯カチオンは、Liイオンおよびルイス塩基を、例えば、Liイオン:ルイス塩基=1:1のモル比で有することが好ましい。
Li塩は、1分子中に1個のLiイオンを含有することが好ましい。また、Li塩のアニオンとしては、例えば、ビス(フルオロメタンスルホニル)イミド(FSI)アニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(TFSI)アニオン等に代表されるイミドアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェートアニオン等に代表されるホスフェートアニオン、テトラフルオロボレート(TFB)アニオン、トリフレートアニオンが挙げられる。
ルイス塩基としては、例えばグライムが挙げられる。グライムとしては、例えば、ジエチレングリコールジエチルエーテル(G2、ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(G3、トリグライム)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(G4、テトラグライム)、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテルが挙げられる。
ルイス塩基に対するLi塩のモル比は、例えば、0.1以上であり、0.5以上であってもよく、0.8以上であってもよく、1.0以上であってもよい。一方、ルイス塩基に対するLi塩のモル比は、例えば、3.0以下であり、2.5以下であってもよく、2.0以下であってもよい。
また、溶媒和イオン液体が充填された支持体において、支持体の全細孔体積に対する、溶媒和イオン液体が占める体積の割合は、例えば50%以上であり、90%以上であってもよく、95%以上であってもよい。
(2)第一固体電解質部
第一固体電解質部は、Li元素、P元素およびS元素を含有する第一硫化物固体電解質を含有する。また、第一固体電解質部は、必要に応じてバインダーを含有していてもよい。
第一硫化物固体電解質は、通常、Li元素と、P元素、S元素とを含有する。また、第一硫化物固体電解質は、Cl元素、Br元素およびI元素の少なくとも一種をさらに含有していてもよい。また、第一硫化物固体電解質は、Ge元素、Si元素、Sn元素の少なくとも一種をさらに含有していてもよい。また、第一硫化物固体電解質は、O元素をさらに含有していてもよい。
第一硫化物固体電解質は、Li元素、P元素およびS元素を含有するイオン伝導体を含有していてもよい。イオン伝導体は、PS 3−をアニオン構造の主体として含有することが好ましい。「PS 3−をアニオン構造の主体とする」とは、PS 3−の割合が、イオン伝導体における全アニオン構造の中で最も多いことをいう。全アニオン構造におけるPS 3−の割合は、例えば60mol%以上であり、70mol%以上であってもよく、80mol%以上であってもよく、90mol%以上であってもよい。PS 3−の割合は、例えば、ラマン分光法、NMR、XPSにより決定することができる。また、イオン伝導体のS元素の一部は、O元素に置換されていてもよい。
第一硫化物固体電解質が、上記イオン伝導体を含有する場合、さらにLiXを含有していてもよい。LiXとしては、例えば、LiCl、LiBrおよびLiIが挙げられる。また、LiXの少なくとも一部は、LiX成分としてイオン伝導体の構造中に取り込まれた状態で存在することが好ましい。第一硫化物固体電解質におけるLiXの割合は、例えば1mol%以上であり、10mol%以上であってもよい。一方、上記LiXの割合は、例えば50mol%以下であり、35mol%以下であってもよい。第一硫化物固体電解質は、xLiX・(100−x)(0.75LiS・0.25P)(xは、0≦x≦50を満たす)で表される組成を有していてもよい。
また、第一硫化物固体電解質は、アニオン構造として、PS 3−と、GeS 4−、SiS 4−、SnS 4−の少なくとも一種とを有していてもよい。
第一硫化物固体電解質は、非晶質であってもよく、結晶質であってもよい。前者の一例としては、硫化物ガラスが挙げられ、後者の一例としては、結晶化硫化物ガラス(ガラスセラミックス)が挙げられる。また、第一硫化物固体電解質は、いわゆるLGPS型結晶相を有していてもよい。
第一硫化物固体電解質の形状としては、例えば粒子状が挙げられる。第一硫化物固体電解質の平均粒径(D50)は、例えば5μm以上であり、10μm以上であってもよい。一方、第一硫化物固体電解質の平均粒径(D50)は、例えば200μm以下であり、100μm以下であってもよい。なお、平均粒径は、例えば、レーザー回折式粒度分布計による測定から算出できる。また、第一硫化物固体電解質は、イオン伝導性が高いことが好ましく、25℃におけるイオン伝導度は、例えば1×10−4S/cm以上であり、1×10−3S/cm以上であってもよい。
一方、第一固体電解質部は、バインダーをさらに含有していてもよい。バインダーとしては、例えば、ポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素含有バインダー、ブタジエンゴム等のゴム系バインダー、アクリル系バインダーが挙げられる。
第一固体電解質部の厚さは、例えば、1μm以上、300μm以下である。第一固体電解質部の形成方法としては、例えば、第一硫化物固体電解質を含有するスラリーを塗工し、プレスする方法が挙げられる。
(3)第二固体電解質部
第二固体電解質部は、Li元素、P元素およびS元素を含有する第二硫化物固体電解質を含有する。第二硫化物固体電解質の詳細については、上述した第一硫化物固体電解質と同様であるので、ここでの記載は省略する。第一硫化物固体電解質および第二硫化物固体電解質は、互いに同じ材料であってもよく、互いに異なる材料であってもよい。また、第二固体電解質部は、バインダーを含有していてもよい。バインダーについても、上述した通りである。第二固体電解質部の厚さは、例えば、1μm以上、300μm以下である。
2.正極活物質層
正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含有する層である。正極活物質層は、必要に応じて、固体電解質、導電材およびバインダーの少なくとも一つを含有していてもよい。
正極活物質は、特に限定されないが、典型的には酸化物活物質が挙げられる。酸化物活物質としては、例えば、LiCoO、LiMnO、LiNiO、LiVO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等の岩塩層状型活物質、LiMn、Li(Ni0.5Mn1.5)O等のスピネル型活物質、LiFePO、LiMnPO、LiNiPO、LiCuPO等のオリビン型活物質が挙げられる。
正極活物質の表面は、コート層で被覆されていてもよい。コート層により、正極活物質と固体電解質(特に硫化物固体電解質)とが反応することを抑制できる。コート層としては、例えば、LiNbO、LiPO、LiPON等のLi含有酸化物が挙げられる。コート層の平均厚さは、例えば1nm以上である。一方、コート層の平均厚さは、例えば20nm以下であり、10nm以下であってもよい。
正極活物質の形状としては、例えば、粒子状が挙げられる。正極活物質の平均粒径(D50)は、例えば、0.1μm以上、50μm以下である。なお、平均粒径は、例えば、レーザー回折式粒度分布計、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定から算出できる。正極活物質層に含まれる正極活物質の割合は、例えば40重量%以上であり、50重量%以上であってもよく、60重量%以上であってもよい。一方、正極活物質層に含まれる正極活物質の割合は、例えば95重量%以下である。
正極活物質層は、固体電解質をさらに含有していてもよい。固体電解質の添加により、正極活物質層のイオン伝導性を向上させることができる。固体電解質としては、例えば、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質が挙げられる。硫化物固体電解質としては、例えば、上記「1.固体電解質層」に記載した硫化物固体電解質が挙げられる。
正極活物質層は、導電材をさらに含有していてもよい。導電材の添加により、正極活物質層の電子伝導性を向上させることができる。導電材としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンファイバーが挙げられる。また、正極活物質層は、バインダーをさらに含有していてもよい。バインダーとしては、例えば、上記「1.固体電解質層」に記載したバインダーが挙げられる。
正極活物質層の厚さは、例えば、0.1μm以上、1000μm以下である。正極活物質層の形成方法としては、例えば、正極活物質および分散媒を少なくとも含有するスラリーを塗工し、乾燥する方法が挙げられる。
3.負極活物質層
負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層である。負極活物質層は、必要に応じて、固体電解質、導電材およびバインダーの少なくとも一つを含有していてもよい。
負極活物質は、特に限定されないが、例えばカーボン活物質、金属活物質および酸化物活物質が挙げられる。カーボン活物質としては、例えば、グラファイト、ハードカーボン、ソフトカーボンが挙げられる。一方、金属活物質としては、例えば、Li、In、Al、SiおよびSn等の単体、および、これらの元素の少なくとも一種を含む合金が挙げられる。また、酸化物活物質としては、例えば、LiTiOが挙げられる。
負極活物質の形状としては、例えば、粒子状が挙げられる。負極活物質の平均粒径(D50)は、例えば、0.1μm以上、50μm以下である。なお、平均粒径は、例えば、レーザー回折式粒度分布計、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定から算出できる。負極活物質層に含まれる負極活物質の割合は、例えば40重量%以上であり、50重量%以上であってもよく、60重量%以上であってもよい。一方、負極活物質層に含まれる負極活物質の割合は、例えば95重量%以下である。
負極活物質層に用いられる、固体電解質、導電材およびバインダーについては、上記「2.正極活物質層」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。中でも、負極活物質層は、固体電解質として硫化物固体電解質を含有することが好ましい。
負極活物質層の厚さは、例えば、0.1μm以上、1000μm以下である。負極活物質層の形成方法としては、例えば、負極活物質および分散媒を少なくとも含有するスラリーを塗工し、乾燥する方法が挙げられる。
4.その他の部材
本開示の固体電池は、上述した正極活物質層、負極活物質層および固体電解質層を少なくとも有する。さらに通常は、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および、負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。正極集電体の材料としては、例えば、SUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボンが挙げられる。一方、負極集電体の材料としては、例えば、SUS、銅、ニッケルおよびカーボンが挙げられる。なお、正極集電体および負極集電体の厚さ、形状については、電池の用途に応じて適宜選択することが好ましい。また、本開示に用いられる電池ケースには、一般的な電池の電池ケースを用いることができ、例えばSUS製電池ケースが挙げられる。
5.固体電池
本開示の固体電池は、通常、リチウム電池である。また、本開示の固体電池は、一次電池であってもよく、二次電池であってもよいが、中でも二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。また、本開示の固体電池は、単層電池であってもよく、積層電池であってもよい。積層電池は、モノポーラ型積層電池(並列接続型の積層電池)であってもよく、バイポーラ型積層電池(直列接続型の積層電池)であってもよい。固体電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型が挙げられる。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下、本開示をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(硫化物固体電解質の合成)
LiS(フルウチ化学製)、P(アルドリッチ製)およびLiI(日宝化学製)を、30LiI・70(0.75LiS・0.25P)のモル比となるように秤量し、メノウ乳鉢で5分間混合した。得られた混合物に脱水ヘプタン(関東化学工業製)を入れ、遊星型ボールミルを用い40時間メカニカルミリングした。その後、乾燥によりヘプタンを除去し、硫化物固体電解質を得た。
(支持体へのイオン液体導入)
テトラグライム(キシダ化学製)1molに対して、Li塩(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、LiTFSI)を0.1molの割合で混合し、イオン液体(溶媒和イオン液体)を得た。その後、支持体(ポリイミド、開孔率43%、平均孔径5μm、厚さ20μm)をイオン液体に浸し、真空に引くことで、イオン液体を含浸させた支持体を得た。
(固体電解質層の作製)
合成した硫化物固体電解質をヘプタンに対して固形分率40重量%となるように添加した。さらに、バインダーとしてSBR(スチレンブタジエンゴム)を硫化物固体電解質に対して1重量%となるように添加した。その後、超音波ホモジナイザーにて分散させ、スラリーを得た。得られたスラリーを、イオン液体を含浸させた支持体の両面に塗工し、乾燥することにより、第一固体電解質部、イオン液体を含浸させた支持体、第二固体電解質部を有する積層体を得た。得られた積層体を1cmの大きさに打ち抜き、1cmのセラミックス製の型に入れ、1ton/cm、160℃、10分間の条件でホットプレスし、固体電解質層を得た。
[実施例2〜6]
テトラグライム(キシダ化学製)1molに対して、Li塩(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、LiTFSI)を、それぞれ0.8mol、1.0mol、2.0mol、2.5mol、3.0molの割合で混合したこと以外は、実施例1と同様にして固体電解質層を得た。
[実施例7]
テトラグライムの代わりに、トリグライムを用いたこと以外は、実施例3と同様にして固体電解質層を得た。
[実施例8]
LiTFSIの代わりに、Li塩(リチウムビス(フルオロメタンスルホニル)イミド、LiFSI)を用いたこと以外は、実施例3と同様にして固体電解質層を得た。
[比較例1]
イオン液体を支持体に含浸させないこと以外は、実施例1と同様にして固体電解質層を得た。
[比較例2]
テトラグライムの代わりに、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(EMITFSI)を用い、EMITFSI1molに対して、LiTFSIを0.2molの割合で混合したこと以外は、実施例1と同様にして固体電解質層を得た。
[参考例1]
イオン液体を含浸させた支持体を用いないこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質層を得た。
[評価]
実施例1〜8、比較例1、2および参考例1で得られた固体電解質層に対して、交流インピーダンス法によるイオン伝導度測定を行った。測定には、ソーラトロン(東陽テクニカ製)を用い、印加電圧10mV、測定周波数域0.1〜1MHz、25℃の条件で、インピーダンス測定を行った。固体電解質層の抵抗値および厚さに基づいて、固体電解質層のイオン伝導度を算出した。その結果を表1に示す。
Figure 0006891804
表1に示すように、実施例1〜8は、比較例1に比べて、5倍以上もイオン伝導度が高かった。言い換えると、比較例1では、ホットプレスを行っても、支持体の内部まで硫化物固体電解質が充填されていないことが示唆された。また、実施例2〜5は、実施例1に比べて、イオン伝導度が顕著に高くなった。その理由は、実施例2〜5では、実施例1に比べてLi塩濃度が高いため、イオン液体の粘度が低くなりすぎず、支持体にイオン液体が十分に保持されたためであると推測される。
また、実施例2〜5は、実施例6に比べて、イオン伝導度が顕著に高くなった。その理由は、実施例2〜5では、実施例6に比べてLi塩濃度が低いため、Li塩過多によるイオン伝導度の低下を抑制でき、かつ、支持体にイオン液体が含浸されやすかったためであると推測される。また、実施例7、8は、実施例2〜4と同程度のイオン伝導度を示した。
実施例1〜8は、比較例2に比べて、イオン伝導度が高かった。特に、実施例1は、Li塩濃度が、比較例2の半分であるが、イオン伝導度は1.5倍以上であった。比較例2では、EMITFSIが硫化物固体電解質と反応し、イオン伝導度が低下した(抵抗が増加した)と推測される。これに対して、実施例1〜8では、溶媒和イオン液体は硫化物固体電解質と反応せず、イオン伝導度が低下しなかったと推測される。
また、実施例3、比較例1および参考例1のイオン伝導度の結果を図3に示す。図3に示すように、参考例1に比べて、比較例1では、イオン伝導度が大幅に低下している。これに対して、実施例3では、イオン伝導度の低下が抑制されている。このように、支持体の細孔に溶媒和イオン液体が充填されていることにより、イオン伝導性の低下を抑制した固体電解質層が得られることが確認された。
1…正極活物質層
2…負極活物質層
3…固体電解質層
4…正極集電体
5…負極集電体
10…固体電池
31…第一固体電解質部
32…第二固体電解質部
33…支持体

Claims (1)

  1. 正極活物質層と、負極活物質層と、前記正極活物質層および前記負極活物質層の間に配置された固体電解質層とを有する固体電池であって、
    前記固体電解質層は、第一固体電解質部、細孔を有する支持体、および、第二固体電解質部を、この順に有し、
    前記第一固体電解質部は、Li元素、P元素およびS元素を含有する第一硫化物固体電解質を含有し、
    前記第二固体電解質部は、Li元素、P元素およびS元素を含有する第二硫化物固体電解質を含有し、
    前記支持体の前記細孔に、Li塩およびルイス塩基を含む溶媒和イオン液体が充填されている、固体電池。
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